紫電スパイダー  紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作



第二話「白金の道化に会ってはいけない」#6



理由は簡単。彼のアタッシュケースに入りきらなかったからだ。


紫苑は適当な金額をアタッシュケースに詰め込むと
さっさと店から出てきた、という訳です。

(そういう所奔放というか適当というか・・・
  本当行動が読めないというか・・・
  ・・・いや、多分コイツにとって
  勝負のスリル以外はどうでもいいんだろうな)



「そうだ。一馬、一杯いこうぜ」

「・・・え?
  一杯って、何?」
「何って、酒に決まってんじゃん」



(酒。さけ。サケ。sake。)
何故か一馬は脳内で単語を反復。




「・・・俺未成年なんだが。
  てかアンタも・・・」
「大丈夫だ、おごってやっから」
「いやいやいや」

(そういう問題じゃなくてwww)

紫苑は一馬の首根っこを掴み、
適当にそこらの居酒屋に連行しようとする。





と、その時。




「・・・・・!」




殺気の塊___もとい、白金色の髪を腰までおろし、
手には持ち主の身長よりも大きな大剣を携えた少女が
二人の横を通り、パンドラへと入って行った。

「・・・?どうした?」
「・・・いや」


「何でもない、行こう」
「ちょwww」
こうして一馬は居酒屋へ連行される羽目になった。







その夜、裏トゥルーズ店「パンドラ」は潰されたらしい。

ある一人の少女によって。
      
           第二話・完