二次創作小説(紙ほか)

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この世界の運命
日時: 2015/12/06 15:03
名前: 雪覇 (ID: EPm2ln81)


三門市人口28万人


ある日この街に異世界への門が開いた


「近界民」(ネイバー)


後にそう呼ばれる異次元からの侵略者が、

門付近の地域を蹂躙 街は恐怖に包まれた。

こちらの世界とは異なる技術を持つ

近界民には地球上の兵器は効果が薄く、

誰もが都市の壊滅は時間の問題と思いはじめた。


その時、

突如現れた謎の一団が近界民を撃退し こう言った。



「こいつらのことは任せてほしい」

「我々はこの日のためにずっと備えてきた」



※この小説はワールドトリガーの二次小説です。

Re: この世界の運命〜番外編〜 ( No.651 )
日時: 2016/08/06 23:19
名前: 雪覇 (ID: EPm2ln81)
プロフ: http:

【迅 悠一という男】


迅「じゃあ・・・ボーダーの保護を受けられる保護区に行くと良いよ」

零「ボーダー?」

聞き慣れない言葉に私は首を傾げる。

迅「界境防衛機関っていう組織のことだよ。今は身寄りのない子供たちや家を無くした人たちの回収作業を行っているんだ。零ちゃんはネイバー・・・白い動く物体見た...よね?」

零「は、はい・・・」

迅「あいつらを倒す役目も担ってる。・・・もうこれ以上犠牲者を出さないようにするんだ。だから、零ちゃんも弟くん連れて...この近くだと三門体育館に行くと良い」

零「そこって安全...ですか?」

迅「まだ完全に安心って言えるわけじゃないけど、街をうろうろさ迷うよりも全然安全だと、思うよ」

零「そうですか。じゃあ三門体育館...に行きます」

迅「ああ。気をつけて行ってくれ」

零「はい。迅・・・さんもお気をつけて」









道中会った不思議な人は『迅さん』といって『ボーダー』という界境防衛何とかっていう組織の人間でこの街の人を助けてくれているらしい。


思わず、

『どうしてもっと早く来てくれなかったんですか?』

そう言ってしまいそうになった。

『もっと早く来てくれたら、お母さんもお父さんも助かったかも知れないのに』

と。

でも、迅さんは悪くない。
悪くない人を責めるなんて、いけないことだ。


















当時、中学1年生だった私は五歳だった翔馬を背負い、迅さんの言う三門体育館に向かった。

その後、また何日か経ったある日迅さんと再会することになる。

Re: この世界の運命〜番外編〜 ( No.652 )
日時: 2016/08/07 15:27
名前: 雪覇 (ID: EPm2ln81)
プロフ: http:

【迅 悠一という男】

あの悪夢のような日から数日後、三門市は復興に向けて動いていた。


大切な家族も、仲良くなった友達も、思い出も、何もかも一瞬で消え去った。

零「これからどうしようか・・・」

眠る翔馬の頭を撫でながら、ボーッと考える。


私たちの家はあまり壊れてなくて、少し修理すればすぐにまた住めるようになるらしい。


でもあの家で両親は殺された・・・。
...正確には家の前だけど。


家を見ると今でもその光景を思い出す。・・・トラウマになっている。

零「ハァ・・・」


大人たちはあの日のことを第一次大規模侵攻と呼んでいるらしい。

第一次...ね。
まるで次もこんな地獄が起こりうるような言い方だよね。









翔「お姉ちゃん・・・?」

眠っていた翔馬が起きた。

零「あ、翔馬おはよう」

翔「ねえ、いつまでここにいるの?」

零「え・・・えっと・・・」

今は家がまだ直っていなくて三門体育館に住んでいる。
そういう人は他にもたくさん居た。

翔「お父さんとお母さんは?いつ帰ってくるの?早く会いたいよ!」

昨日も一昨日もその前の日も、ずっとそう翔馬は言う。

翔「お父さん、お母さんどこ?!」

少し大きな声で騒いでしまうのが翔馬の悪い癖。

『うるさいわね』

零「!」

『こっちは疲れてんだよ』

『そのガキ誰か黙らせろよ』

零「・・・っ」


そうすると、いつも周りの人たちは嫌そうな顔をする。
そして心のなかで色々と呟く。


零「す、すみません。・・・ほら、翔馬。ちょっと出よう」

それが聞こえてしまう。

当時はなぜ、人の心の声が聞こえるのか分からなかった。

零「・・・・」

ずっと困っていた。
何故、聞こえるのか理由も知りたかった。

けど、それを教えてくれる人は居なかった。











今までは。

















翔「うわーん!お父さん、お母さんどこー!!」

体育館から離れて泣き出した翔馬をあやそうとしていると、また私たちを助けてくれたあの人に出会った。




迅「久しぶり、零ちゃん。翔馬...くんははじめましてだな」

零「!・・・迅さん」

翔「誰...?このひと」

零「迅さん。私たちを助けてくれた人なんだよ」

ちょうど眠っていて迅さんに会ったことなかった翔馬に迅さんの説明をする。

翔「いい人なの?」

零「うん。多分ね」

迅「多分じゃなくていい人だからね!」

翔「ねえ、迅」

零「こら、一応年上だよ!」

迅「呼び捨て・・・一応・・・」

翔「何で迅は僕たちのこと助けてくれたの?」

零「!」

迅「どうしてそんなこと聞くんだ?」

翔「だって他の人たちは誰も助けてくれなかったから」

迅「え?」

零「...逃げるとき、大人は自分が逃げるために子供たちを囮にしているのを見てしまったんです。だから・・・」

迅「翔馬、この世界は広いからな。そういうやつも居るだろうな。だけど、そうじゃないやつも居る。この世界には沢山いる。だからそう、悲観になることないぞ」

迅さんはしゃがんで翔馬の目線に立って話す。

迅「俺がいる組織はボーダーっていうんだ。ボーダーは市民を守ってくれるヒーローたちなんだ」

翔「ヒーローなの!?カッコいいね・・・!」

零「じゃあこんなに早く復興作業が進んでるのも...」

迅「ああ。ボーダーが支援してるからな」

















ボーダーについて迅さんに話を聞いていると奇妙な単語を聞き取った。

迅「零ちゃんはサイドエフェクトって知ってる?」

零「『サイドエフェクト』?」

迅「ああ。トリオン能力の高い人間がもつ副作用のことなんだ」

零「副作用?」

迅「ちなみに俺ももってる。未来を予知できる能力をな」

零「!・・あの」

もしかしたら、私のも・・・

迅「ん?何だ」

零「私、昔から人の心の声が聞こえるんです」

迅「心の声?」

零「聞こうとしなくても、耳をふさいでも聞こえるんです」

迅「そうか・・・。それはサイドエフェクトの可能性もあるな」





迅「じゃあボーダーの施設に来て調べるか?サイドエフェクトを調べることは出来るんだ」

こうして私の人の心が読める能力について知ることができそうです。

Re: この世界の運命〜番外編〜 ( No.653 )
日時: 2016/08/08 21:43
名前: 雪覇 (ID: EPm2ln81)
プロフ: http:

【迅 悠一という男】

最近、ボーダーの基地が建ち始めている、という噂は耳にしたが、まさかそのボーダーの基地に私が入るとは思わなかった。

最近、建て始めたというのにもう大きな建物になっているボーダー基地に、少し驚きながら私は迅さんに連れられて基地に入る。

迅「ようこそ、ボーダーへ!」

扉を開け、手を広げ歓迎の意を示す迅さん。

零「ところで迅さん」

迅「何だ?」

零「私ってボーダー隊員とかじゃないですけど基地に入っちゃって良いんですか?」

迅「ああ。上にはちゃんと掛け合ってある。それに・・・」

零「それに?」

迅「零ちゃんはきっと何年後かボーダーに入るだろうからね」

零「え?」

迅「俺のサイドエフェクトがそう言ってる」

零「未来予知・・・ですか?」

迅「そうそう。一度見た人間の未来なら俺は見えるよ」

零「私の未来もですか。それって何年後なんですか?」

迅「正確なことは俺には分からないけど、4年もしないうちにボーダーには入るんじゃないかな」

零「今から4年後っていうと....高校2年ですか」

迅「多分ね。あ、それと翔馬はどうしたの?」

零「あぁ、翔馬なら近所でカフェを営んでいる知り合いのところに預けました」

迅「カフェ?」

零「はい。カフェdollっていうんです」

迅「お、そこなら俺も行ったことあるな」

零「そうなんですか」


カフェdollの店長、美沙羅さんは母さんの親友で昔からとても仲が良かった。
だから、信じられる美沙羅さんに三門体育館で翔馬を預けた。












迅「よし、着いたぞ」

これでやっとサイドエフェクトか、そうじゃないかが分かる。

Re: この世界の運命〜番外編〜 ( No.654 )
日時: 2016/08/08 22:06
名前: 雪覇 (ID: EPm2ln81)
プロフ: http:

【迅 悠一という男】

ウィーン


白い扉が開いて迅さんと一緒に中に入る。


「ああ。迅くん、その子が例の人の心が読める子かい?」

中に入ると白衣のおじいさんが迅さんに話しかけた。

迅「はい。サイドエフェクトかどうか見てもらっていいですか?」

「もちろんだ。ついでにトリオン量も測ろう」

迅「お願いします」


白衣のおじいさんは迅さんと話が済んだのか、私の方を向いて

「少し奥の部屋に移動してくれるかな。そこでトリオン量とサイドエフェクトを測るんだ」

と言った。

零「はい」

迅「俺はここで待ってるな」

零「行ってきます?」










奥の部屋に着き、二つあったイスの一つにおじいさんが座る。

「君も座ってくれ」

促されるままにイスに座る。


「じゃあまずトリオン量を測ろうか」


そう言って出したのが黒い装置だった。

「このパネルに手をかざしてくれればいい」

装置の近くにあるパネルに手をかざしてみる。








少ししてピッピッと音が鳴った。

「・・・・・・・」

おじいさんが装置の画面を見つめる。

零「どう・・・ですか?」

「多いな」

零「え?」

「ああ、いや。こんなにトリオン量が多い子は久しぶりに見たな」

零「それは凄いんですかね?」

「凄いよ。だが、これが原因でネイバーに狙われる可能性もある」

零「じゃあ次はサイドエフェクトを調べるんですか?」

「ああ。じゃあ簡単な質問をしてもらう。それにわたしが心のなかで答える。それを当ててもらえるかな」

零「は、はい」


少し緊張する・・・・こんなの始めてだからなぁ・・・。


Re: この世界の運命〜番外編〜 ( No.655 )
日時: 2016/08/09 19:00
名前: 雪覇 (ID: EPm2ln81)
プロフ: http:

【迅 悠一という男】

「何でもいい。質問をしてくれ。それをわたしが心のなかで答える。それを聞き取ってもらいたい」

零「え・・・・・あ、じゃあ好きな食べ物は?」

ちょっと無難だったかな。

(わたしは唐揚げが好きだ)

零「か、唐揚げ...ですか?」

「!・・・おお、じゃあ次行ってくれ」

零「はい。・・・えっとご家族は・・・?」

(妻と息子二人の四人家族だ)

零「奥さんと息子さんお二人の四人家族ですか...?」

「ふむふむ。なるほどなぁ」

(やっぱりこれは迅くんの読み通りサイドエフェクトじゃろうな)

零「あ、やっぱりサイドエフェクトなんですか?」

「ははは、ここは読まなくても良かったんじゃが、あっはは」

何かツボにはまったのか、おじいさんは笑う。

「確か何もしなくても聞こえてしまうのだったな」

零「はい」

「ふーむふむ・・・。これはサイドエフェクトで間違いないじゃろうな」

零「そう・・・ですか」

「きみ、今後ボーダーに入る予定は?」

零「迅さんによるとサイドエフェクトで私がボーダーに入るという未来が見えたらしいです」

「ほう、まあ君のトリオン量ならボーダーに入って損はないと思うぞ。自分の身は自分で守れる方がいいじゃろう?」

零「確かに...そうですね。私には守りたい人たちもいるので」

翔馬や美沙羅さん。あの二人は私が命をかけてでも守る。



「何年後か、きみがボーダーに入ってくれるとき、もしわたしが居たら声をかけてくれ。何処からでも応援するぞい。それにサイドエフェクトのせいでどうしようもなくなったときはわたしのところに来なさい。絶対に力になるからな」


零「!・・・ありがとうございます!!」


「えっと名前は・・・・」

零「桜谷です。桜谷 零。おじいさんのお名前は?」

「わたしは満井 賢二郎(みつい けんじろう)だ。主に入隊時の面接やら、トリオン測定やら、サイドエフェクト測定やらを担当している」

零「じゃあ私はこれで・・・。また、迅さん使って会いに来ます(笑)」

「おお。ぜひ、迅くんを使って会いに来てくれ。わたしも孫が出来たようで嬉しいよ」

迅「ちょっと本人いない前で『使って』とか一体何の話をしてるんです?」

満井さんと話していたら迅さんが割り込んできた。

「いやいや、気にせんといてくれ。わはははは。じゃあ、また今度。遊びに来なさいよ」

零「はい!もちろんです!」


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