二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ナンバーズ8
日時: 2019/07/27 16:34
名前: いくちゃん (ID: ZIS7GPHN)

どうもいくちゃんです!
このお話はナンバーズの末っ子八期を主人公にしたお話のスピンオフです!
彼は長男・二に近い存在ですが、性格はほとんどを自分に入れております。
二の方も、ある程度自分の性格や考えを入れております。
あと彼にはちょっとした秘密が!
ナンバーズにちょいだしで出てきたあの人やこの人が、
一気にヒロインとして出てくるかも!
それでは始まり始まり!











僕はものすごく運が悪いと思っていた。
僕はみんなから嫌われていると思っていた。
僕はみんなより自慢できるものはないと思っていた。
そして、そんな僕を好きなってくれる人なんて、いるとも思っていなかった。
さらに、お兄ちゃん、お姉ちゃん達のような、ことになるなんて、
子の時の僕は、想像もしていなかっただろう。
僕を救ってくれた、僕を守ってくれた、僕を助けてくれた
そして、僕の気持ちを分かってくれた、
そんな人たちと過ごした僕の逆転人生のような人生!
その全貌を語ろう!

Re: ナンバーズ8 ( No.470 )
日時: 2025/05/26 22:55
名前: いくちゃん (ID: s6U4FeBy)

466話・トリプルエースの対策会議(準決勝)

八期「トリプルエース、まずは準決勝進出おめでとう!」

愛「ありがとうお義兄ちゃん!」

八姫「しかも、全部トップ通過って!凄いわね」

明「そんなこと無いよ!あたしらは八期の言う通りただライブを楽しんでただけだって!」

杏「それに町子さんや草ちゃんが作ってくれた歌や希さん達が考えてくれた振り付けが良かったんですよ!」

町子「何言ってるの?私達はあなた達をサポートしただけ!」

芹「この大会の結果は明らかにあなた達の実力よ!」

希「そうよ!もっと自信持って!」

杏「その言葉そっくりそのまお返しします」

希「えっ?」

香「うちは、たとえ上位でも何人かは心から喜んでないでしょ!
 『嘘?あり得ない!』とか、
 『審査員の見間違い』とか、言ってるくせに!」

子「ただ、次の準決勝&決勝が難しいんだよね?」

葉月「準決勝がロックバージョン、決勝がフルコーラスって、フィギュアスケートか!」

八姫「しかも2曲覚えとかないといけないのよね!決勝は準決勝の次の日だから!」

結「ステージはドームですが、準決勝と決勝で形が違うようですね」

秀喜「しかもマイナス点が出てくるから、どのユニットにも逆転のチャンスがあるから予選1位のお前らでもウカウカ出来ないな!」

青奈「マイナス!?どんなルールなのよ?」

愛海「まずは準決勝を見てみようか!」

香「ええっと、ステージに3つの立ち位置の印があり、各々半径2メートル離れてる。そこの立ち位置の目線にカメラがあり、目線を向けないといけない!ただし、目線タイムは歌ってる時に限る」

八期「つまり、カメラに向かって歌うのか・・・」

芹「待って、目線を向けるノルマタイムも書いてあるわ!」

杏「そのノルマは?」

芹「1台につき各30秒ですって!」

トリプルエース「1台につき各30秒!?」

葉月「歌は、ロックバージョンだから、Aメロ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→ラストサビだけど→・・・」

町子「規定の時間は5分以内だそうよ!だから、歌自体は4分半が最長かしらね!」

八期「つまり、270秒の間に3つのカメラに1人30秒は目線を向けて映らないといけないのか!」

町子「一見簡単そうに見えて難しいのよね」

希「しかも、規定の秒数を1人でも超えなかったら1秒につき100点減点だって」

全員「厳しい!」

希「コンマも少数第2位まで取るみたいよ!」

八期「だから、1秒につき100点減点なんだ・・・」

子「あっ、でも人数で違うみたい!
  2人だと各40秒でカメラ3台
  4人だと各20秒でカメラ5台
  5人だと各10秒でカメラ5台」

グレーテル「ちょっと待て!なぜ、偶数人はカメラ1台多いんだ?」

希「あっ、更に真ん中のカメラにメンバー全員がカメラ目線で歌う時間がトータルで10秒必要だって書いてる!」

明「それで、結局トータルの点数は?」

町子「審査員は9人で持ち点は1人100点、ただし、最高点と最低点はカウント無し
   それでタイムなんだけど、3人の平均にで換算されるから、あっ、どうやら1人でマイナスは無さそうかも!」

杏「どう言うことですか?」

町子「例えば、7秒、10秒、13秒だったとするじゃない?」

全員「うんうん」

町子「平均は10秒!これでもクリアで差し引き0!」

全員「おおっ!」

町子「つまり、全員がマイナスに集中すると大きく減点されるってことだね」

ヘンゼル「逆に長くしたら?」

町子「それだと下手したら規定に引っ掛かるかもしれないじゃない!規定の時間におさめないと失格なんだよ!」

八姫「長くしても、プラス点には成らなさそうね」

八期「あっ見て!全員が同じ秒数台ならボーナスで300点獲得だって!」

愛「全員が同じ秒数台って?」

八期「つまり、10秒なら10.00~10.99までの間に3人入ってたら良いってことじゃないかな?」

明「つまり、10.99、11.00、11.01だとボーナスは貰えないって事かな?」

杏「出来たらある意味奇跡だけどね」

芹「でも更に真ん中のカメラに全員が揃う映像も加えるのよね?」

町子「それは別みたいだけど、特にボーナスは無さそう!」

明「つまり、カメラ目線をクリアすれば良いってことか!」

杏「でも、移動時間も含めると歌詞も含めて30秒間歌えるかな?」

希「30秒間じゃなくて、30秒以上よ!きっちり30秒で歌いきる人間なんて居ないわよ!」

葉月「ただ、このカメラ、審査員も見てるんだよな」

八期「見てる場所はのはグループと同じだね」

香「それで最大270秒間の間にどう曲を当てはめていくつもり?」

全員「う~ん」

八期「曲はまだ出来てないけど、7秒ルールで勝負したらどうかな?」

全員「7秒ルール?」

杏「どう言うこと?」

八期「Aメロ→Aメロ→Bメロ間で各7秒ずつ分けて歌う!歌詞の切れ目を上手く使って移動すれば、サビに行く前には各カメラはトータルで約21秒歌ったことに成る!」

杏「確かに、計算上はそうなるけど、ずっと同じカメラ向いてた方が楽じゃないかな?」

芹「それだと見てるお客さんからしたらつまらないわよ!やっぱり移動してくれないと面白くないわ!」

杏「そっか!」

八期「移動を差し引くと多分最低でも15秒はあると考えよう!そして、最初のサビで8秒集まって歌って、Cメロで残りの差し引き分を使って、ラストサビで誤差を調節する!」

明「でも、それって想定になるんじゃない?」

八期「だから、練習して整えるんだよ!トリプルエースがやり易い動きでこっちもサポートするから!」

町子「そうね、曲の長さで言い回しも変わってくるだろうし、振り付けも変わってくる」

芹「私達の調節も大事と言うことですね?」

町子「その通り!」

愛「確かに、これは3人では出来ない、研究部の皆さんありがとう!愛ちゃんボード『m(__)m』」

八期「ただ、曲が出来ても完成じゃないんだよな・・・、せめて、規定の秒数を軽く超える、例えばノルマのプラス5秒位を想定出来ないかな?」

明「つまり、33秒位を狙った方が良い?」

八期「そうだね!1台につきそれくらいの余裕があればノルマは達成出来るし、評価もそこまで低くない筈!
   だから、ノルマさへ達成しておけば・・・」

全員「確実に決勝へは行ける!」

八期「行けるどころか、余裕のアレだよ!」

明「敢えて言わないんだね」

八期「言ったら意識しちゃうと思うから!変なプレッシャーで落ちほしくないんだ」

愛「分かった!『アレ』で統一しておくよ!」

芹「カメラの減点だけど、1人が1台でもノルマ更新しなかったらマイナスなのよね」

杏「3人、1秒ずつずれたとしたら・・・、300点も引かれるの?」

町子「グループの平均だから100点よ!人数多い方が不利じゃない!」

杏「あっ、そっか!だから平均なんだ」

理珠「ノルマ達成ですと、最大の点数は700点、ボーナスを貰うと1000点です!
   なお、減点は最大4000点です!」

八期「4000なんてあるのか?」

秀喜「目線を向けてない場合だろ?向けてると思ってても向けてないって感じで減点されるんだろ?」

杏「じゃあ、立ち位置とか、カメラとか大丈夫かな?」

理珠「運営側も、テープで印を付けたり、マネキンを使ってカメラの位置を調節したり、最新のカメラ目線を表示するカメラを使ってますので、その四角が光ってる秒数で判断するかと思われます」

明「なんでそんなに詳しいの?」

理珠「ロボの私にとっては朝飯前です!必要であればハッキングも出来ます!」

愛「大丈夫なのかな?」

理珠「重要な情報を漏らさなければ良いのです!」

明「あっ、そう!」

八姫「それで、たしか準決勝と決勝の得点を足して、優勝者を決めるんだよね?」

八期「そうなると、準決勝はボーナス含めて最大1000点だな」

愛「なんでこんなルールなんだろう?」

明「それはお客さんを楽しませる、ファンサービスみたいなものだよ!
  ずっと同じ立ち位置だと面白くないし、見ててつまらないでしょ?」

愛「確かに」

香「ただ、決勝は更に厳しいことに成ってるわね」

全員「どう言うことですか?」

Re: ナンバーズ8 ( No.471 )
日時: 2025/05/28 22:57
名前: いくちゃん (ID: s6U4FeBy)

467話・トリプルエースの対策会議(決勝)

明「難しく成ってるってどんな感じですか?」

香「決勝は360°円型ライブなんだけど、準決勝と違ってカメラが8台に増えるの」

八期「やっぱり八角形が1番円に近いんだよ!」

零「まあ、円は8の倍数がきっちりしてるよね」

香「それでノルマが20秒と10秒短いんだけど・・・」

ヘンゼル「なんだ簡単じゃん!」

八期「バカ!8台×20秒で160秒だぞ!」

杏「たしか決勝はフルコーラスだから・・・」

町子「長くて6分、秒数に直すと・・・」

愛海「360秒!」

零「カメラに映って歌う時間は4/9ね!」

明「半分近くじゃん!」

八期「でも、あくまでも最低秒数だからプラス5秒位は余裕持たさないとマイナス喰らうよ!」

愛「ってことは、トータル200秒か・・・」

香「それに加えて、更なるノルマがあるわ!」

杏「なんですか?」

香「1番が1台につき5秒、2番も1台につき5秒、ラストサビで1台につき3秒以上カメラに目線を向けないといけないの!」

葉月「細か!」

八姫「ちょっと待って!1フレーズで歌う秒数って?」

町子「一般的にはテレビサイズで言うと、90秒って決まってるわ!まあ、テレビで映せる範囲だけどね!
   ただ、実際少し歌詞が長くて省かれる歌もあるから長くても2分、120秒前後ってところね!」

芹「結局、40秒だから4/9は変わらないのね」

香「あと、1番、2番、ラストサビのノルマも別で加算されるそうよ!」

零「その内訳は?」

香「1番、2番が200点、ラストサビが100点、全てノルマ達成でプラス500点、合計1000点のボーナスが貰えるわ!」

子「審査員は11人、1人持ち点は100点で最高点と最低点を除いた点数+観客の投票順位で決まるそうよ!」

青奈「同じ順位が被ったら?」

子「被ったユニットだけで再度投票!1位が100点、以下10点ずつ引かれるわ!」

八期「おいおい、ボーナスだけで勝てるんじゃない?ノルマ達成出来なかったらマイナスだろ?」

希「待って!全部足しても13秒よ!あと7秒どう分ける気?」

八期「じゃあ8秒半作戦で行くか!」

全員「8秒半作戦?」

八期「全てのノルマをプラス3秒にしたら合計は?」

希「8+8+6だから22秒ね!」

八期「ギリギリを攻めるくらいなら2秒余裕持たした方が十分ノルマ達成出来るし!」

愛「でもなんで8秒半?」

八期「ボーナスを狙うなら8秒台で全部合わせないと!その為にはギリギリでなく、8.5秒を意識する!
   そうすれば多少ずれても8秒だけは確実に残るってことさ!」

杏「そっか!ラストサビは6秒半を意識すれば達成出来るってことだね?」

八期「うん!」

明「待って!8秒半意識するのは分かったけど、それをどうやってライブに生かすの?」

八期「それは、まっちゃんや芹がAメロ、Bメロを上手く8秒半で区切れるように作るとか・・・」

芹「出来るだけやってみるけど、それをどうダンスに生かすわけ?」

八期「そ、それは・・・」

希「135°作戦で回れば良いんじゃない?」

全員「135°作戦?」

希「八君さあ、本番を想定してカメラ置くんだよね?」

八期「勿論!」

希「だったらセンターであるカメラを1として、そこから時計回りに数字を当てはめて、180°や90°回転は無理があるうえリズムが悪いでしょ?」

トリプルエース「うん」

希「かといって45°や200°を越えるも変な感じだから、45°の3つ分動く135°で回転するか、歩いたりすれば自然に動けるんじゃないかしら?」

町子「まあ、動く時はそうするとして、8秒半で大丈夫なのかな?」

八期「何か気になるところとかあるの?」

町子「サビ!」

八期「サビ?」

町子「八君の8秒半ルールだと、1台につき8秒半映ったら次のカメラ、8秒半映ったら次のカメラ、これだとAメロ、Bメロ、サビが一定の方向だけ向いててお客さんとしてもなんか不公平感があるな」

八期「どういうところが?」

町子「だって1番盛り上がるサビの部分で推しの顔が見えないのは・・・」

八期「そっか!」

愛海「でも、発想と作戦的にはありなのよ!だからどう1フレーズの中で各カメラ8台に8秒半映せるようにするかなのよ!」

明「更に半分分けたら?」

八期「更に半分って?」

明「だからAメロとBメロで4秒半ずつ回って、サビで更に4秒半回れば良い!」

芹「そうなると、サビ少し長くしないといけませんよ!それこそAメロとBメロの歌詞と同じ長さくらいにしないと」

明「大丈夫!大丈夫!ダンスより歌の方が簡単だから!」

芹「それはそうですが・・・」

八姫「歌詞を考える方も大変だね」

子「でも、最後はどうするの?Cメロの長さにもよるし、合計6秒半で収められるかな?」

八期「少なくともCメロで2秒は欲しいな!」

零「でも、目線を向けて歌わないとタイム計られないんだよね?」

平江「それこそ一言ずつ叫ぶ感じの歌詞でないと・・・」

町子「3人が『やりたい』って言うならやるわよ!」

明「私は楽しいと思うけど!」

杏「でも、それをCメロと呼べるのか?」

愛「あとカメラ目線の移動を自然にすることを考えると・・・」

八姫「審査員も見てるもんね」

芹「ですが、1番、2番の歌詞の割り振りで、サビに各々4秒半使うことは決まってますよ」

八期「それに1番と、2番は一緒の回りかたで良いのかな?」

トリプルエース「えっ?」

八期「1番は時計回り、2番は人間回りの方が・・・」

芹「人間回りって何よ?」

明「反時計回りだよね?」

杏「人間は陸上トラックを左回りにしか回らないから!」

愛「なんか間違えそう・・・」

愛海「でも、高評価を狙うならこう言うところも気にした方が良いよ!どちらにしろ見せるお客さんの気持ちを考えないと!」

明「難しいけどやろっか?」

愛「やる!」

杏「分かった」

セット完了

八期「取り敢えず準備は出来たけど、1番のカメラを向くセンターは?」

明「リーダーの杏でしょ?」

杏「ええっ、可愛い愛ちゃんだよ!」

愛「上手い明さんじゃないの?」

芹「なんで譲合いなのよ!あなた達に野心と言うものはないの?」

トリプルエース「無い!」

芹「はあ?」

明「あたしは皆が楽しいと思えたらそれで良い!」

杏「私が上手い?そんなわけ無い!」

愛「どうせ、誰も私なんかちゃんと見てくれる人なんて居ないんだよ!愛ちゃんボード『(´・c_・`)』」

八姫「八期、センターどうする?」

八期「取り敢えず、リーダーの杏ちゃん!」

杏「私!?」

八期「決勝はリーダーがセンター行くべきでしょ!」

杏「えっ?このユニットのリーダーは私なの?」

八期「グループのリーダーはユニットでもリーダーやるよ!」

町子「兎に角まずは体内時計で動く練習よ!
   杏ちゃんが1→4→7→2→5→8→3→6→1の順
   愛ちゃんが4→7→2→5→8→3→6→1→4の順
   明ちゃんが6→1→4→7→2→5→8→3→6の順よ!
   4秒少し越えたら135°回転よ!」

トリプルエース「はーい!」

練習後

トリプルエース「はあはあ・・・」

杏「1人ならともかく・・・」

明「3人だと、息が合わないと全員が一周できないね!」

愛「2人ともごめんなさい」

杏「そんな、そこまで深く謝らなくて良いよ!」

明「右と左がごっちゃになるなんてよくあるから!」

芹「よくあったらそれなんかの病気よ!その割にあなたは1度も間違ってないから嫌みにしか聞こえないわよ!」

八期「でもこれの1番怖い現実は、準決勝を突破する前提でやらないといけないんだよな」

芹「不吉なこと言うな!」

Re: ナンバーズ8 ( No.472 )
日時: 2025/05/29 22:24
名前: いくちゃん (ID: nqGOjstj)

468話・杏の家出・・・①

下校中

明「いやー、楽しかったね!」

愛「でも、動き方がややこしい・・・」

明「そこは慣れだよ!何度も練習すれば自然と覚えられるよ!」

秀喜「でも、なんで8台もカメラ付けるんだろうな?」

八期「アレだろ!360°なのに、ずっと後ろ向かれたら背中しか見えなくて顔が見れないからじゃない?」

秀喜「そこは尻じゃないんだな!」

八期「兎に角、顔が見えなきゃ意味ないじゃん!」

愛「家で練習出来るかな?」

八期「出来るよ!家には角があるんだから!真ん中付近に立って、135°回る練習くらいなら出来るよ!」

零「それにアンドロイドの理珠がいるから正確な方向も指摘してくれるよ!」

杏「でも、合わせることは出来ないんだよね」

明「1人ならともかく、うちは3人だからな・・・」

愛海「でも、ぶっちゃけ2人でも、3人でも、4人でも、5人でも変わらないんじゃない?結局、上手く映らないと減点なんだし、カメラ意識し過ぎて振り付けや方向間違えたりとかしそうよ!」

ヘンゼル「まさにそれこそ番狂わせだな!」

グレーテル「まず、準決勝を進むこと前提なんだけどね」

明「そうだった!」

杏「どっちもカメラ目線意識するから緊張感ヤバイよ!」

八期「取り敢えず、勝ちにこだわらず、最低限の事をやって進んでいこう!
   そうすれば負けないと僕は思ってるから!
   まあ、完璧にやって負けたら審査員の目が節穴とでも思っておけば良いよ!その審査員は見る目の無いバカだってな!」

芹「相手はプロよ!」

葉月「どんだけ信じてないんだよ?」

零「仕方無いよ!」

杏「友達贔屓で0票じゃあ、審査員信じてられないって!」

明「ましてや、自分の絶対は譲らないからな!」

希「そうそう!ってなんで明ちゃんが知ってるの?」

明「ああ、小3の時付き合ってまして・・・」

全員「ええっ?付き合ってた?!」

八姫「あんたそれ本当なの?」

八期「えっ?勉強見てもらったり、一緒に遊んでくれたり、休みの日には外で一緒に遊んだり、遊園地とか動物園も行ったかな・・・」

零「アウト!それ絶対デートじゃん!」

明「まあ、色々試してみたんだよね!遊園地行けば高いところを早く走る乗り物は拒否り、
  動物園へ行けば、真っ先に自分の好きな動物の檻まで行って一歩も動かず・・・、
  映画を見ようと誘ってもファンタジーやアクションが嫌い、ミステリーは最後に悶々とするから、不倫系は勿論ダメ、仕事関係は在り来たりだからと言って、あと人間不信に成るから、
  アニメは方向性が変わってるからと言う理由でほぼ断られた。」

希「そうだよ!八君が映画を嫌いな理由はそれ!どちらかと言うと続き物が好きだね!
  あと出来るだけ長くないものかな!」

杏「2人は付き合ってたで良いのかな?」

明「私が付き合ってあげてたって言うのが正しいかな?ほら、八期って結構孤立してると言うか、1人に成れてしまったと言うか・・・」

八姫「2人は別れたってことかな?」

明「別れるも何も、小3の時は最後まで名前呼んでくれなかったもん!ずっと完道さんだったよ!」

零「なんで2人はこの時期までプチ疎遠だったの?」

明「零が来たからだよ!」

杏「零ちゃん八期君の事に成るとめちゃくちゃ過保護だったよね?」

香「あっ、分かるわ!『八期は間違ってない』って主張する感じ!八期はあんたの何よ?」

零「苛められてる子を守って何が悪いんですか?」

明「だからって、歴史新聞や調理実習の時に過保護になるのはどうかと思うよ!」

杏「この前は包丁で脅してたもんね?」

全員「怖!」

零「仕方無いじゃん!誰も言うこと聞かず、八君の仕事をとろうとするんだから!」

香「職員室で耳を疑ったわ!危うく調理実習がまた中止に成るところだったわよ!その後何人か零と班組みたくないって言ってたし!」

零「杏ちゃんだって、放ったらかしにしてたじゃん!ただ、傍観って1人でやらせるつもり?」

杏「遅かったし、自分の仕事はやらせなきゃいけなかったし・・・」

秀喜「お前らも大変だな!」

零「あんたが1番酷かったじゃん!あの事件と何にも変わらなかったからね!」

秀喜「悪かったって!だって、アイツが人参5ミリを超薄く切ろうとしてたから・・・」

希「ミリを薄くと解釈してそうなったんだろうね?」

八期「あの、杏ちゃんさっきの道で曲がるんじゃなかったっけ?」

明「あっ、本当だ!杏曲がる道過ぎちゃってるよ!」

杏「あっ、良いの!」

全員「良いの?」

杏「帰りたくないから」

香「杏、また何か合ったの?」

杏「まあ、亜利紗が愛好会入ってからではあるんですが、今回はもう今日という今日は絶対に家に帰りたくなくて・・・」

愛「どうしたの?愛ちゃんボード『(?_?)』」

杏「本当、全ての家事を私に押し付けて来るんですよ!あの親達は!」

全員「えっ?」

杏「勿論、亜利紗はやりません!私が全員分作らないとご飯は食べられません!作らなかったら催促してきます。
  私は『大事な大会があるから練習してる』って言っても・・・、
  『そんな対した大会じゃないんでしょ?』とか、
  『お前が1位なんてきっとレベルが低いんだろ』って言って、私の実力を信じてくれないんです!」

明「つまり、まともな練習ができないと?」

杏「うん!これから1ヶ月半で2曲も覚えなきゃいけないのに、私が足引っ張りたくないよ!」

ヘンゼル「でも、勝ちにこだわらず楽しむ為のライブじゃ?」

八期「バカ!『楽しむ』って言ったって、やるからには真面目に真剣にやらないと他のグループに失礼だし、笑い者だ!やるからには自画自賛でも良いから、自分の納得出来るパフォーマンスを本番で完璧に出したいんだよ!」

秀喜「そりゃそうだよな!ふざけたライブや未完成のライブなんてやる意味がないしな!」

杏「だから、しばらくの間誰かの家に泊めてくれないかな?」

八期「ええっ、うち居候が沢山住んでるけど、空いてる部屋合ったかな?」

芹「あんたはないから!」

八期「えっ?」

秀喜「普通、異性の家には行かん!逆にお前は女子の家に泊まりに行くのか?」

八期「希姉ちゃんの家なら・・・」

希「いつでも大歓迎よ!」

秀喜「他は?」

八期「なんか気まずい」

秀喜「そういうもんだ!」

芹「前、私の家に泊まってなかった?ぐっすり寝てたよね?」

八期「理不尽な文句が一杯だったから二度と行きたくない!」

芹「誰が理不尽よ!普通の意見よ!」

香「とはいえ、夢原!ただ言ってるだけだと先生も半信半疑よ!」

杏「無理なんですか?」

香「今時家出少女を家に入れるだけでも誘拐と叫ぶ親が居る世の中なんだよ!」

八期「世知辛いな!」

秀喜「生き辛れー!」

杏「じゃあ、私はどうすれば?」

香「また、あの作戦で頼む!」

杏「あの胸ポケットですか?」

香「うん!部屋にも仕掛けてね!証拠を揃えておくことが大事だから!」

杏「分かりました」

次の日

明「杏どうしたの?その荷物?」

杏「証拠を揃えて家出の準備も出来た!私はあの家族と縁を切るわ!家出よ!家出!」

明「昨日は結局・・・」

杏「練習は出来たけど集中出来なかった!昨日は晩御飯11時に食べたんだからね!」

明「杏の両親って仕事忙しいの?」

杏「全然、遅いお父さんでも7時までには必ず帰ってくるから!」

廊下

明「という訳らしい」

愛「杏さんも大変だね」

杏「私は親が憎いわ!親ガチャ失敗よ」

愛「じゃあ、杏さんさへ良ければうち来る?」

杏「愛ちゃんの家?行く行く!」

明「いや待って杏!たしかアイアイの家は今・・・」

Re: ナンバーズ8 ( No.473 )
日時: 2025/05/31 23:49
名前: いくちゃん (ID: nqGOjstj)

469話・杏の家出・・・②

松本家

八期「ただいま!」

愛「ただいま!」

楓花「お帰りなさい」

杏「お邪魔します・・・」

楓花「えっ?」

杏「あっ、松本先生!家出してきました」

楓花「ああ、成る程ね」

八期「分かるの?」

楓花「話は香先生から聞いてるわ!」

杏「話が早いですね」

楓花「あなたにはうちの子が世話に成ったしね!」

一「お帰り、ってあなたが八期に告られた子?!」

二「おいおい、八期実ったのか?」

三氏「その荷物は!?」

四美「八期、同棲は早いよ!」

八期「違うから!確かに修学旅行の帰りの新幹線で告白したけど、振られたから!」

零「そんな詳しく言わなくても・・・」

グレーテル「何ふて腐れてるんだよ?」

楓花「ごめんね、うるさいけど我慢してね」

杏「いえ、賑やかそうで楽しそうです!」

愛「さあ、あがってあがって!」

八期「慣れたね、前までは前の家を恋しそうにしてたのに!」

楓花「コラ!人のトラウマに水を差さないの!」

杏「そうだったね、愛ちゃんこっちに来たんだよね?ええっとたしか・・・」

楓花「私が養子で引き取って八期達の義妹に成った!」

愛「お義兄ちゃんのお母さんは私の担任の先生!」

杏「それは良いんですか?」

楓花「いやー、愛を見てるとうちの子を見てる感じなのよ!おとなしめの八期と言うか、だから、私が担任をせざる負えないのよ・・・」

愛「私もずっと先生が良い!」

杏「『お母さん』って呼んだりは?」

愛「してない!ずっと先生呼び」

杏「そうなんだ・・・」

鶴「あれ?あなたは夢原杏さん?」

零「あっ、お姉ちゃん!実は家出してきたらしいの」

鶴「家出?」

ヘンゼル「おっ、来たようだね!」

八姫「もう何々?騒がしいわね・・・」

ガチャン

理珠「ただいま戻りました」

杏「ねえ?八期君!」

八期「何?」

杏「知り合い多くない?」

八期「ああ、零ちゃん、理珠、八姫ちゃん、ヘンゼル、グレーテルが居候、愛ちゃんのみ家族になったんだよね・・・」

ガチャン

希「八君!お泊まりに来たよ!」

八期「希姉ちゃん!」

チュッ!

杏「えっ?」

希「さあ、部屋へレッツゴー!」

杏「待って下さい!今何をやったんですか?」

愛「希お姉さんの挨拶みたいなもの!」

八姫「私も最初はビックリしたわ!」

グレーテル「八期が赤ん坊の時から会うたびにやってるらしい」

零「私達はもう慣れたわ」

理珠「ピュアな杏さんには刺激が強すぎましたね・・・」

杏「いや、なんか私軽い女って思われてない?」

八期「それはない!」

希「だって、私達幼馴染みだし!」

杏「いや、幼馴染みでも普通そこまでイチャイチャしませんよ!私も幼馴染み居ますが、挨拶代わりにキスは・・・」

希「あれ?キスが挨拶はヨーロッパ辺りだと普通だよ!なんなら国の代表達だってやってたし!」

杏「聞いたことはありますが・・・」

八姫「ってか、なんでまた泊まりに来たんですか?」

希「良いじゃん!毎週週末(一部除く)は私の楽しみなんだから!」

零「今日は水曜日なんですけど?」

グレーテル「この前、八期と杏が入れ替わった時も来てたよな?」

希「細かいことは気にせず、さあお姉ちゃんが宿題見てあげるよ!早速部屋へレッツゴー!」

零「あの人完全にここを住みかにしてますよね?」

グレーテル「どちらかと言うと別荘感覚じゃねーの?」

八期&愛の部屋

杏「お邪魔します、って愛ちゃん八期君と一緒の部屋で過ごしてるの?」

愛「うん!何かおかしい?」

杏「いや、仲良いね!」

愛「まあ、それなりには・・・」

八期「うちの兄姉達と比較したら比べ物に成らないよ!」

杏「そんなに2人は仲良いの?」

八期「逆!僕のお兄ちゃんとお姉ちゃん達が直近で物凄く仲良いんだ!」

杏「どれくらい?」

八期「皆、お早うからお休みまで、ほぼ一緒!」

杏「えっ?それって部屋は勿論?」

八期「一緒」

杏「着替えは?」

八期「一緒」

杏「お風呂も?」

八期「一緒」

杏「洗いっこも?」

八期「やってる」

杏「まさか、トイレも?」

八期「一組だけ一緒」

杏「仲良すぎるよ!そんなに仲良い兄弟は珍しいよ!」

八期「どちらかと言うと上がシスコン、ブラコン拗らせて、下は上に逆らえないと言うか、頭が上がらない程憧れの存在と言うか・・・」

愛「1番酷いのは1番上のお姉さんだよね?」

八期「うん!」

希「一ちゃんは弟の二が大大大大大好きだからね!」

杏「ちなみに何歳差?」

八期「一お姉ちゃんと二兄ちゃんは年子だよ!」

杏「いやいや、年が近くてそんなに仲良いの?」

八期「うん!」

杏「お風呂も一緒?」

八期「正確には、二兄ちゃんが入ってるところに一お姉ちゃんが勝手に入りに行く」

杏「普通逆じゃない?」

希「いや、シスコンでも無いよ!入ったら桶で殴られる!」

八期「漫画的にはブラコンの姉が入る方が定番」

杏「そうなんだ・・・」

愛「だから、『私達も一緒に入ろう』って言ったんだけど断れた」

杏「そこは断るんだ・・・」

八期「元々1人の方が気楽だし」

愛「でも、希お姉さんとは今でも一緒に入ってるよね?」

杏「えっ?」

八期「だって、希お姉ちゃんの洗い方が気持ちいいから・・・」

愛「だったら私と裸の付き合いしてよ!希お姉さんは良くて、なんで私は水着なの?」

杏「一緒に入ってるの?」

八期「大家族だと数人で入るのはよくあることだよ!」

杏「いやいや、それは同性の場合で、異性はよっぽどのことがない限り無いよ!」

楓花「八期!お風呂次入って良いわよ!」

八期「はーい!」

愛「私も行く!」

八期「それは・・・、ちょっと・・・」

希「お姉ちゃんと入る?」

八期「良いよ!」

杏「何が違うのさ!」

八期「希姉ちゃんは幼馴染みだから!」

杏「幼馴染みでもこの年で一緒に入るのは無いよ!それに浴槽に引っ掛かるよ!」

カポーん!

お風呂上がり

杏「お風呂頂きました」

愛「女の子同士でもちょっと恥ずかしかったかな?」

八期「そりゃ恥ずかしいもんは恥ずかしいよ!だから、僕は温泉や銭湯が嫌いなんだよ!」

希「要訳すると『他人に裸を見られたくなければ、他人の裸も見たくない!だから温泉や銭湯が嫌い』って言ってるのよ!」

杏「気持ちは分からなくもないかな」

楓花「ご飯の準備出来てるわよ!」

全員「頂きます!」

全員「ごちそうさまでした」

楓花「お粗末様!」

杏「食器洗いますね」

楓花「あら、無理しなくて良いのよ!」

杏「いえ、家では料理から洗いものまで全部やってきましたから!」

楓花「それって?」

杏「私が全部作って、私が全部片付けるんです」

八期「いや、僕がやるよ!」

杏「えっ?そんな・・・」

八期「お客さんにやらすのはね!それに僕の日常でもあるから苦には思ってないよ!」

希「八君は家事を率先してやってくれるのよね」

愛「じゃあ、私が洗い終わった食器を拭いて片付ける!」

零「あっ、私もやる!」

グレーテル「俺も!」

楓花「ちょっと!洗面台が満員電車みたいになってるわよ!」

ブレイクタイム

杏「八期君っていつもお家の手伝いを?」

楓花「そうね、元々は『やらないとご飯抜き』とか『作ってあげない』って言って脅してたんだけど、あの子料理出来ないからやらざる負えないのよ!
   まあ、勉強から逃げてるところも歪めないけどね!」

杏「そうなんだ・・・」

八期&愛の部屋

杏「寝る時もここか、愛ちゃん何も思わないの?」

愛「特には・・・、それに寝床を与えられてる身だから!寝る場所があるだけマシだと思ってる」

希「まあまあ、気になるなら私が八君を抱いて寝るから!」

杏「今の時期暑いと思いますよ!」

八期「言っとくけど、希お姉ちゃんめちゃくちゃ寝相悪いよ!」

希「八君には言われたくないよ!」

愛「なんなら私を抱いて!」

杏「なんか私が一人ぼっちになってない?」

希「布団独り占め出来るよ!」

杏「罪悪感感じるよ!愛ちゃん来て!」

愛「分かった」

杏「ああ、なんか愛ちゃんを抱いて寝ると可愛い妹を抱いてるみたい」

愛「杏さんの妹でも良いけど?」

八期「僕は人形を抱いてるみたいだった」

希「私は赤ちゃんを抱いてるみたいだった」

愛「愛ちゃんボード『😡』」

八期「ごめん、可愛いかったから・・・」

希「ごめん、あまりにも小さかったから!」

杏「希さん、それフォローになってません!」

次の日

杏「ふあーー・・・」

愛「お早うございます」

杏「愛ちゃんお早う!えっ?」

希・ムニャムニャ

八期・スースー

杏「なんで抱き合って寝てるんですか?!」

愛「ああ、いつものことだよ!」

杏「愛ちゃんはそれで良いの?」

愛「希お姉さん来ない時は私がその役目だから!」

杏「うらやま・・・、じゃなくて・・・」

愛「抱き合うくらいなんてこと無いよ」

杏「まあ、抱き合うくだけなら確かに何もないけど・・・」

希「ふあーー!お早う!2人とも」

杏・愛「お早うござい・・・」

希「ん?どうしたの?」

杏「希さん!服!」

愛「下も脱げてる!」

希「あれ?家ではこんなことないんだけどな・・・」

八期「お早う」

希「お早う八君!」

チュッ!

杏・愛「あっ!」

杏「なにやってるんですか!?」

希「お早うのキスよ!一緒に寝た時はいつもしてるのよ!幼馴染みだし!」

愛「何でも幼馴染みで誤魔化さないで!」

杏「普通の幼馴染みはお早うのキスなんかしませんよ!」

希「ほう、何々?まさか嫉妬してるの?」

杏「ち、違いますよ!」

愛「ちょっと羨ましいなあって・・・」

希「そんなにやりたいなら2人もやれば良いじゃん!頼めば八君ならキスの一つや二つやってくれるよ!」

杏「何ですか?そんなナルシストみたいなキス魔!」

希「ああ、振った相手にキスはハードル高いか!」

杏「大きなお世話です!」

朝から騒がしい八期と愛の部屋だった。

Re: ナンバーズ8 ( No.474 )
日時: 2025/06/02 20:57
名前: いくちゃん (ID: nqGOjstj)

470話・杏の家出・・・③

明「お早う!どうしたの顔を赤くして?」

杏「朝から見てはいけないものを見てしまった」

明「何を見たの?」

理珠「希さんは八期に対して甘いんです!一緒の布団で抱き合って寝たり、会えば必ずキスをし、お早うやお休みのキスまで欠かさず・・・」

明「希は八期の何なの?」

理珠「幼馴染みだそうです!八期が赤ん坊の時から面倒を見ては、週末になると泊まりに来てたそうです」

明「何?希にとって八期の家は別荘か何か?」

理珠「八期としてはそれが日常となってしまい、何も違和感がないそうで・・・」

明「大有りだよ!幼馴染みで毎週週末に家通うなんて聞いたこと無いよ!普通は一年に1回、2回あるかどうかだって!」

理珠「その度にお風呂も一緒に入ってるとか?」

明「希何歳だっけ?」

理珠「一と同い年ですので、今は22歳ですね!」

明「なんで成人女性と普通に入ってるのさ?!浴槽狭いでしょ?色々大きくなってるのに!」

八期「お早う!」

秀喜「八期、お前姉ちゃんと風呂入ってるんだってな?」

八期「違うよ!お姉ちゃんと一緒に入ってるのは二兄ちゃんと六生兄ちゃんだよ!」

秀喜「お前の兄ちゃん達は何歳だ?」

八期「ええっと、二兄ちゃんが21歳、六生兄ちゃんが18歳かな?」

明「それって今も?」

八期「うん、まあ、二兄ちゃんは入ってる時に一お姉ちゃんが勝手に入ってきて、六生兄ちゃんは五姉ちゃんと一緒じゃないと過ごせなくて、三氏兄ちゃんは四美姉ちゃんと仲良く入ってるよ!」

明「仲良すぎだよ!成人してる男女が一緒にお風呂って?」

八期「僕に言われても・・・」

零「いや、希お姉さんと一緒に入ってることの方が異常だから!」

八期「ええっ、ずっと一緒に入ってきた幼馴染みだよ!」

秀喜「普通の異性の幼馴染みは一緒に風呂入んねえわ!」

杏「同性はあるけど・・・」

明「むしろ、それはただの幼馴染みじゃないよね?」

八期「そうかな?」

零「そうなの!異性で一緒にお風呂入るのは家族か夫婦以外あり得ないって!」

夢「杏、居る?」

杏「夢ちゃん!どうしたの?」

夢「昨日どこ行ってたのさ?!おばさん達心配してたよ!」

杏「えっ?そんな筈無いよ!」

夢「本当だよ!『杏が居ないからご飯無くて死にそう』って家に訪ねに来たんだから」

八期「それ心配してないわ!」

夢「どこがよ?」

八期「それは杏ちゃんが居ないと家事もままならない、
   つまり『杏、帰ってご飯の準備お願い』ってことだから、杏ちゃんを奴隷か召し使いと思ってるんだよ!」

夢「ええっ!!そうかな?」

明「いいや、八期の言う通り!杏が居ないと生きていけないから、杏が居ないと自分で家事も出来ないから、その為に呼び戻そうとしてるようにしか聞こえない!」

零「そうね、本当に子供を愛してるのなら、『美味しい晩御飯作って待ってるわよ』が普通よ!これだと『あなたが作って!』じゃない!」

八期「杏ちゃん、無視して良いから!」

杏「勿論そのつもりだよ!」

夢「杏、戻ってあげなよ!」

杏「い・や・だ!」

放課後

亜利紗「あっ、お姉ちゃん!」

杏「何亜利紗?」

亜利紗「昨日どこ行ってたのさ?心配したんだよ!」

杏「どこでも良いでしょ?私はしばらく帰らないから」

亜利紗「そんな!お姉ちゃんが帰って来なかったら、
    ご飯は誰が作るのよ!
    誰が洗濯物干したり片付けたりするのよ?!
    誰がお風呂沸かしたりするのよ?」

杏・カチン

八期「聞いて呆れるぜ!」

零「そんなもの自分でやりなさいよ!」

亜利紗「出来ないから頼んでるんだよ!」

八姫「全く、あんたの親は何をしてるの?」

亜利紗「お母さん達は仕事で疲れてすぐ寝るよ!」

愛「杏さんから聞いたけど、せいぜい7時でしょ?」

亜利紗「昔はね、でも今は9時以降に帰ってくるんだよ!しかも帰ってくるタイミングはまばらで規則性が無いの!」

杏「どうせ、美麗ちゃんから貰った1億円でパチンコとかホストとかキャバクラに行ってるだけでしょ?私お父さんとお母さんがそんな店に入るのをそれぞれ見たんだから!」

八期「お金って人をこんなに駄目にするんだな・・・」

八姫「本当、お金って怖いわね・・・」

亜利紗「ただの他人の空似じゃないの?もしかしたらそこで働いてるって可能性も?」

零「キャバクラやホストで働いてたらそれ多分、借金あるって事だよ!」

秀喜「それに夢原の両親いくつだよ?単純計算でも40前後だぞ!どこに需要が有るんだ?」

亜利紗「でも、綺麗なお祖母ちゃんも居るわけだし・・・」

八期「民法上の家系な!それにやってたら家族皆引くわ!」

亜利紗「兎に角、帰ってきて!これじゃあ、私達飢え死にしちゃう!」

杏「飢え死にしたら?人任せにするからそうなるんでしょ?」

亜利紗「お姉ちゃんの薄情者!」

八期「どっちがだよ!」

杏「その言葉そっくりそのまま返す!」

松本家

零「杏ちゃんも大変だね!私は親失踪中だけど・・・」

杏「零ちゃんはお母さんが失踪中で何も思わないの?」

零「捨てられた時が小さすぎて分からないんだよね!物事付いた頃には施設だったから」

杏「そっか・・・」

零「お父さんもお母さんもお姉ちゃんの存在すら知らなかったもん!」

杏「お姉ちゃん?お姉さんも捨てられたんじゃ?」

零「ややこしいんだけど、お姉ちゃんは離婚する時にお父さんが引き取って、その直後に私を身籠ってたことが分かったの!」

杏「完全な生き別れだったんだね?」

零「ただ、その後有や愛、泉と言った弟妹が増えて、なんであんな愚かな男と結婚したんだろう?って謎よ!」

杏「零ちゃんのお父さんって?」

零「どっかの科学チームの研究員で頭は良かったけどナルシストで女誑しだったのよ!」

杏「確かに謎だね」

ピンポーン!

楓花「はい!」

杏の母「こちらに家の娘が居ると聞いたわ!」

楓花「ええっと、どちら様で?」

杏の母「夢原杏の母親よ!娘を返しなさい!」

楓花「『返せ』と言われましても・・・」

杏の母「なんですか?私はあの娘の親なんですよ!連れて帰るのが責任と言うものでしょ?!」

楓花「失礼ですが、なぜ娘さんを返して欲しいのか?」

杏の母「だから私があの娘の親だから!」

楓花「だから、理由を・・・」

杏の母「そんなの決まってるわ!あの娘が居ないと、録な食事は食べられないし、お風呂も入れないし、洗濯物も干しっぱなし、散らかしっぱなし!
    帰ったら角から角までやって貰わないと!」

楓花「あなたに娘さんを返す事は出来ません!」

杏の母「はあ?」

楓花「あなたは子供を何だと思ってるのですか?」

杏の母「子供は親のために生きてくれれば良いのよ!それが親孝行と言うものでしょ!」

楓花「いいえ、あなたがやってるのは子供を奴隷扱いしてるだけです!あなたは良い親ではありません!
   そんな駄目親に子供を返す理由はありません!
   お引き取り願います!」

ガチャン!

杏の母「ちょっと!開けなさいよ!泥棒!」

家の中
杏「松本先生、こんなことになって済みません・・・」

楓花「いいえ、あなたが謝ることはないわ!あの人は親失格よ!」

次の日

ピンポーン!

楓花「はい!」

警察A「松本楓花さんですか?」

楓花「そうですが?」

警察B「あなたに誘拐の罪で逮捕状が出ています」

楓花「はい?」

警察A「ですので、ご同行をお願い・・・」

ドン!

警察A「ウワッ!」

警察B「何だ?」

八期「何をやってる?」

警察B「君のお母さんに誘拐の逮捕状が出てるんだ!同行してもらう!」

八期「この奴隷警察が!」

ドン!

警察B「ううっ!な、何をする?!」

楓花「わ、八期!」

警察A「おのれ、公務執行妨害で・・・」

希「フッ!」

警察A「何?」

ガチャン!

警察A「嗚呼!」←後ろ回しで手錠を掛けられる

八期「この何も分からず逮捕する間抜け警察が!お前は悪人の奴隷か!」

ガチャン!

警察B「嗚呼!」←同じく後ろ向きで手錠を掛けられる

八期「お前みたいな警察なんか要らねえ!二度と来るな!」

ドン!←道路に蹴る

希「あんたもよ!」

ポイ!←投げられる

八期「帰れ!二度と来るな!お母さん早く入るよ!」

楓花「う、うん・・・」

バタン!

警察A「畜生!警察を舐めやがって・・・、覚えてろよ!」

警察B「先輩!早くどいてくれませんか?」

警察A「そんなこと言ったって、手が後ろに・・・」

ププー!

警察官2人「嗚呼!」

ドスン!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。