二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ Mythology
- 日時: 2015/08/16 04:44
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)
初めましての人は初めまして、モノクロという者です。ここでは二次板と雑談板が拠点です。
本作では基本的に既存のカードを使用するつもりではありますが、オリジナルのカードも多数登場します。ご了承ください。
投稿したオリキャラのデッキにキーカードや切り札を追加したり、既存の切り札級のカードや、追加した切り札に召喚時の台詞を追加しても構いません。追加したい時はその旨をお伝えください。
目次
一章『神話戦争』
一話『焦土神話』
>>1 >>2 >>6 >>9 >>12 >>13 >>14
二話『萌芽神話』
>>17 >>18 >>21 >>22
三話『賢愚神話』
>>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33
二章『慈愛なき崇拝』
一話『精力なき級友』
>>41 >>45 >>49 >>52 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61
二話『加護なき信仰』
>>63 >>64 >>66 >>70 >>71
三話『慈悲なき女神』
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76
四話『表裏ある未来』
>>77 >>78
三章『裏に生まれる世界』
一話『裏の素顔』
>>79 >>80 >>81 >>82 >>85 >>86 >>91 >>92 >>94
二話『裏へと踏み入る者』
>>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101
四章『summer vacation 〜夏休〜』
一話『summer wars 〜夏戦〜』
>>103 >>106 >>107 >>110 >>111
二話『summer festival 〜夏祭〜』
>>112 >>113 >>114 >>117
三話『summer ocean 〜夏海〜』
>>118 >>121 >>127 >>128 >>129 >>132 >>141 >>148
五章『雀宮高等学校文化祭店舗名簿』
一話『ガーリックトーストレストラン』
>>152 >>153 >>156 >>157 >>158 >>160 >>162 >>163 >>164 >>167
二話『ロイヤルミルクティーカフェテリア』
>>168 >>169 >>170 >>173
三話『ゾロアスター教目録』
>>174 >>175
四話『天の羽衣伝説調査』
>>185 >>186
五話『日蓮宗体験記録』
>>187 >>190
六話『天草四朗時貞絵巻』
>>191 >>192
七話『後夜祭・神々の生誕劇場』
>>193 >>202 >>206 >>207
六章『旧・太陽神話』
一話『序・太陽神話』
>>208 >>212 >>213
二話『破・太陽神話』
>>214 >>217 >>218 >>219 >>221 >>222 >>223 >>224 >>231 >>235 >>236 >>243 >>244
三話『急・太陽神話』
>>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>279 >>282 >>285 >>292
七章『続・太陽神話』
一話『再・太陽神話』
>>293 >>299 >>300 >>303 >>304 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>338 >>341 >>342 >>343 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365
二話『終・太陽神話』
>>366 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>380 >>381 >>382 >>383 >>384 >>385 >>386 >>387
三話『新・太陽神話』
>>393 >>395 >>396 >>397 >>398 >>399 >>402 >>403 >>404
八章『十二神話・召還』
一話『焦土神話・帰還』
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409
二話『海洋神話・還流』
>>410 >>411 >>412 >>413 >>415
三話『萌芽神話・還却』
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>423 >>424
九章『聖夜の賢愚』
一話『祝祭の前夜』
>>425
二話『双子の門番』
>>426 >>429 >>430 >>431
三話『祝宴の闘争』
>>432 >>433 >>434 >>435 >>436 >>437 >>438 >>439 >>440
四話『知将の逆襲』
>>441 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447
第十章『月の下の約束です』
一話『月影の同盟です』
>>468 >>469 >>470 >>471 >>472 >>473
二話『月夜野汐です』
>>486 >>487 >>489 >>490 >>491 >>492
三話『私の先輩です』
>>493 >>496 >>497 >>498 >>499 >>500 >>503 >>506 >>507 >>508
第十一章『新年』
一話『初詣』
>>512 >>513 >>514 >>515 >>516 >>519 >>520 >>521 >>522 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>530 >>531 >>532 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542 >>543 >>544 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550 >>553 >>554 >>557 >>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>566 >>567 >>568 >>571 >>572 >>573
十二章『空城夕陽の義理/光ヶ丘姫乃の本命』
一話『誕生日/バレンタインデー』
>>577 >>578 >>579 >>580 >>583 >>584
二話『軍人と探偵と科学者と/友人と双子と浮浪者と』
>>585 >>586 >>587 >>590 >>591 >>592 >>593 >>594 >>595 >>596 >>597 >>598 >>599 >>600 >>601 >>602 >>603 >>604 >>605 >>606
三話『告白——/——警告』
>>609 >>610
十三章『友愛「親友だから——」』
一話『恋愛「思いを惹きずって」』
>>616 >>617
二話『敬愛「意志を継ぎたい」』
>>618 >>619
三話『家族愛「ゆずれないものがある」』
>>620 >>621 >>622 >>627 >>628 >>629 >>630 >>631 >>632 >>633 >>634 >>635 >>636
四話『親愛「——あなたのことが大好きです」』
>>637
コラボ短編
【1——0・メモリー(タクさんコラボ)】
外伝『Junior to connect』
一話『Recollection』
>>474
二話『His outrage』
>>475 >>476 >>477 >>478 >>480
三話『My junior and his friend』
>>482
デッキ調査室
№1『空城夕陽1』 >>95
№2『春永このみ1』 >>102
№3『御舟汐1』 >>136 >>137
人物
>>34
組織
>>35
フレーバーテキスト
>>574
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.501 )
- 日時: 2014/03/08 19:35
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
どうも、タクです。500レス目頂きました。
まず、本編感想から。
夕陽対汐のデュエマですが、まさか此処で夕陽が《ドラゴ・リボルバー》を使うとは思いませんでした。後、《クロック》も。そして《UKパンク》の超大量リアニメイト。これはかなりトラウマになりかねない光景ですが、《クロック》によるターンスキップと《カツマスター》による大量除去で何とか夕陽がデュエマを制したので良かったです。というか、かなり格好イイですね、今回の夕陽。いつもが主人公ぽくないからでしょうか。
さて、アルテミスですが、今のところ自分の中ではメソロギィで一番描き易そうな奴だったりします。作中の説明だけなら。《マルス》は武器だの色々積んでいるので難しいですが。
そして、夕陽対アルテミスのデュエルですが、やはり自分勝手といったところでしょうか、彼女は。散々利用した汐を役立たず呼ばわりした後、挙句の果てに憑依した訳ですから。
ただ、展開的には苦しいですね。夕陽がここからどうやって逆転するか見物です。《アルテミス》の効果は、かなり派手ですが-------------はっきり言ってやばいですよ全く。《ヘルメス》から見たら、可愛いほうですが。
というわけで、展開が楽しみです。
さて、自分の小説の話になります。自分のコラボ短編書き終わったのですが---------------正直、書き直したいです。書いてる途中でもっと良い話を思いついてしまって-------------というのも、汐の過去が明かされたからですね。
かなり、訳のわからないことになっているんで、ラストが。無理やり終わらせたせいで。まあ、見れば分かると思いますが。言いだしっぺの自分が言うのもあれですが、やっぱり書き直したいです。これは失敗でした。
そして、現実逃避するかのように書き始めた短編第4弾は、自信ありなのでよろしくお願いします。
それでは、また。
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.502 )
- 日時: 2014/03/08 21:19
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
実はこれ、どこかのレスを削除した影響かなにかで、レス数がずれていて、タクさんのコメは500じゃなかったりするんですよね。一覧の表示では500ですけど。
十章は短編と、そして0・メモリーとリンクしているところが多々あるので、《クロック》でターンを終わらせたり、《ヒラメキ・プログラム》を三連打したり、《ドラゴ・リボルバー》を出したりと、共通点が多いと思います。
《UK パンク》の大量リアニメイトは本当にやばいですからね。今回は準闇単ということでマイルドなデッキですが《ファルコン・ボンバー》や《クロスファイア》など、打撃力の高いクリーチャーを絡めてもう少し攻撃的にしたバージョンも考えてました。
いつもは主人公らしからぬ夕陽も、今回は主人公っぽい感じになったかなと、作者自身も思っております。まあ今回はヒーロー性の高いクリーチャーを使っていますし、背景ストーリー的にも《カツマスター》vs《UK パンク》になってますし、相手が相手ですしね。
アルテミスは、最初はまったくイメージがなかったのですが、どんなのがいいかなー、とぼんやり考えているうちに、なんだかアポロン以上にビジュアルが鮮明になってきました。
ちなみに『神話カード』の面々は、基本的に神話の中に出て来るような一枚布みたいな恰好をしています(特に女性型は)。ただ機神装甲《マルス》とか、完善武装《アテナ》とかは別ですけど。『神話カード』の詳細についても更新しないとな……次はヴィーナスあたりだろうか。
アルテミスは勝手というか、人間嫌いだからどう使ってもいい、みたいに考えていますね。
ただ、汐が仲間というイメージが強いからアルテミスが悪役っぽくなっていますが、今回の件は汐にも非はあるんですよね。一応はアルテミスと同盟を結んでいる状態で、アルテミスは既に目的の半分ほどを達したにも関わらず、その目的のアポロンを、アルテミスの反対を半ば押し切った上で敗北し、夕陽に渡してしまっていますからね。同盟を組んでいる側からすれば怒るのも当然です。
このデュエルで《アルテミス》は、致命的とは言いませんが、わりと初歩的な見落としをしているんですよね。そしてその見落としは、夕陽を相手にしたらかなり命取りになるミスです。
まあ夕陽は《アポロン》を出せる状況さえ整えられれば、簡単に逆転できてしまうんですけどね。
《アルテミス》の能力は、『神話カード』の中でも数少ない、クリーチャーではなく呪文に働きかける能力です。呪文のみ、という観点から見れば唯一ですかね。まだ確定ではないですが。一応、クリーチャーに対するサポートが多い《アポロン》とは対照的にしているつもりです。
《ヘルメス》はあまり触れないでくださると助かります……あれはモノクロ最大の失敗です。
ふむ、まあ、提案したのはタクさんなので、そちらのやりたいように、としかモノクロには言えませんが。新しいものを書きたい、ではなく、書き直したい、つまり今書いた短編を一度なかったことにしたい、というのであれば、流石にどうしようもないとは思いますが。というか、モノクロには手の出しようがない、というべきでしょうか。
逆に言うと、一度書いたものを消去するにしても、新しいものを核にしても、それは作者の自由、ということでもありますが。モノクロ的には、それだけ多くの作品が見れるということになるので、全然オッケーです。
そのうちコメントに行こうかと思っているので、詳細はその時に言うつもりですが……まあ、確かに唐突なラストだったとは思います。なんというか、伏線を張るための回、みたいな感じがしたので、あそこで終わるとまだ続くのか? と勘ぐってしまいそうです。
そのうちそちらにもコメントしに行くと思います。その時もよろしくお願いします。
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.503 )
- 日時: 2014/03/09 04:08
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
「なんだ、大したことないな」
夕陽は事もなげに言い放つ。笑みを浮かべることもない、真顔と言えば真顔。拍子抜けしたような顔、が最も近いかもしれない。
そんな表情——いや、それ以上に夕陽の言葉を聞き、《アルテミス》は眉間にしわを寄せる。
『なんですって……?』
「いや、だからお前、案外大したことないんだなーって、思ったことを言っただけだよ」
この圧倒的状況下で、そんなことをのたまう夕陽。《アルテミス》はそれを強がりだと判断する。なぜなら、彼の逆転の芽は、すべて摘んだはずなのだから。
『なにを言ってるのかしら。あなたのクリーチャーはゼロ、シールドもない、手札だってすべて落として——』
「そこだよ、そこ。お前、クリーチャーしか見てないだろ」
『……?』
夕陽の言いたいことが理解できない、とでも言うように首を傾げる《アルテミス》。そんな《アルテミス》に、夕陽は手に持った“手札”を見せつける。
「お前は《ロスト・ソウル》で僕の手札をすべて破壊したけど、お前がシールドを割ってくれたお陰で、手札ができたんだよ」
『っ……!』
驚いたような表情を見せる《アルテミス》。夕陽からすればその反応が驚きだが、
「お前は人間が嫌いみたいだけど、もっとちゃんと知っておくべきだったな。お前らの戦いがなんなのかは知らないけど、僕らのデュエマはクリーチャー同士の殴り合いじゃない。シールドブレイクは相手に手札を与えて逆転手を渡すか、自分を勝利を近づけるかの選択だ」
夕陽の言う通り、デュエル・マスターズはただ攻撃すればいい、という単純なゲームではない。勝利に直結する基本行動のシールドブレイクですら、相手との駆け引きが付きまとう。
だが《アルテミス》は、それを失念していた。その理由は《アルテミス》が抜けていたということではなく、彼女が人間というものを嫌っていたからだろう。
人間を嫌い、人間を知ろうとしなかったがゆえに、人間との駆け引きというものに無頓着だった。それが、彼女の最大のミスだ。
「《ロスト・ソウル》を撃つのが目的ならお前の攻撃は仕方ないにしても、せめて《ロマノフ》は攻撃すべきじゃなかったな。じゃ……僕のターンだ」
一度はすべて削り取られた手札。しかし今は、潤沢なマナと共に、この盤面をひっくり返せるだけの仲間が揃っている。
「《ファンク》も進化元にしてくれて助かったよ、お陰でこいつが出せる。《コッコ・ルピア》を召喚! 続けて《ボルシャック・NEX》を召喚! 山札から二体目の《コッコ・ルピア》をバトルゾーンに!」
もうパワーを下げられる心配はないため、《コッコ・ルピア》を展開できる。二体ならんでいるためドラゴンの召喚コストはマイナス4。
「残った3マナで《ボルバルザーク・エクス》召喚! マナをすべてアンタップ! そして《爆竜GENJI・XX》《偽りの名 バルキリー・ラゴン》を召喚!」
手札を使い切り、ドラゴンをすべて展開する夕陽。《バルキリー・ラゴン》の能力で後続のドラゴンも手札に呼び込むが、そのドラゴンは、ただのドラゴンではない。
「さあ頼むぞ、アポロン!」
「合点だ!」
《バルキリー・ラゴン》で呼び込むのは《アポロン》だ。
そして、夕陽の場のファイアー・バードとドラゴンが爆炎に包み込まれる。
「二体の《コッコ・ルピア》と《ボルシャック・NEX》を進化MV! 出て来い《太陽神話 サンライズ・アポロン》!」
《アルテミス》同様に、夕陽も《アポロン》を呼び出す。これで状況は五分、いや、明らかに夕陽優勢だ。
『お、お兄様……』
そして《アルテミス》自身も、《アポロン》の力の強大さは理解しているようで、あからさまにたじろいでた。
『いい加減にしろよ《アルテミス》。お前の身勝手も大概は許してきたが、今回ばかりはそうは行かねえ。夕陽の仲間はひまりの仲間、そして俺の仲間だ。俺にとって仲間が一番大事だってのは、俺をずっと見てきたお前がよく知ってるはずだ。なあ、《アルテミス》!』
『ひ……っ!』
怒気を含んだ声で、《アポロン》は叫ぶ。その一喝に、《アルテミス》は完全に怯えていた。
「……《アポロン》」
『大丈夫だ、任せろ。あいつは俺の妹、俺がきっちりぶっ飛ばして、汐の身体を取り返してやる』
「うん……なら、頼んだ! 《アポロン》で攻撃! そして能力発動! CD9!」
《アポロン》は一直線に《アルテミス》目掛けて飛ぶ。あまりのスピードに大気が爆ぜ、爆風が巻き起こり、夕陽のデッキの一番上が吹き飛ばされた。
「《ポップ・ルビン》をバトルゾーンに! そして最後のシールドをブレイクだ!」
『はあぁぁっ!』
《アポロン》が腕を振るうと、火炎の衝撃波が放たれ、《アルテミス》の最後のシールドは吹き飛ぶ。
『くっ、S・トリガー! 《地獄門デス・ゲート》で、《GENJI》を破壊、そして墓地から《ビューティシャン》をバトルゾーンへ……!』
『それがどうした! 《ボルバルザーク・エクス》!』
《GENJI》が破壊され、ブロッカーも戻って来たが、それでは足りない。シールドのない《アルテミス》を守る《ビューティシャン》は《ボルバルザーク・エクス》の剣に切り裂かれ、一瞬で墓地に送り返される。
『う、くぅ……なぜですかお兄様! なぜ、私の言葉を聞き入れてくれないのですか! 人間の愚かさに、どうして気付かないのですか!?』
『お前こそなぜ気付かない! お前だって人間と触れ合って来ただろう! 人間はそんなにも愚鈍か!? 惰弱か!? お前と一緒に戦おうとした汐は、そんなにも愚劣で薄弱だったか!?』
《アルテミス》を非難するように叫ぶ《アポロン》は、身体の周りを旋回する小型太陽から無数の熱線を放つ。
対する《アルテミス》も、素早く弓を引き、正面に展開した魔方陣を通った矢が無数に分裂し、熱線を相殺する。
『人間もクリーチャーも同じだ! いい奴もいれば悪い奴もいる。愚かで弱い人間がいるのは確かだ。だが、お前のその身体。その主は、お前なんかよりもずっと強い! それは俺が今まで見てきたことだ!』
襲い掛かる弓矢を掻い潜り、《アポロン》は《アルテミス》に接近。炎を纏った拳を振るう。《アルテミス》は紙一重でその拳を躱し、《アポロン》から距離を取ろうとするが、《アポロン》の従える小型太陽から熱線が絶え間なく放たれ、それを許さない。
『俺は人間と出会ってよかったと思ってる。夕陽やひまり、汐、このみ、姫乃、流——みんな仲間だ! プロセルピナやヴィーナス、ネプトゥーヌスたちも、俺たちと共に戦う、仲間なんだ! お前にはそれが分からないのか!』
『くぅ、お兄様……!』
右から左から、四方八方から乱れ撃たれる熱線を避けきれなくなった《アルテミス》。もう、彼女は敗北から逃げることはできない。
「……《ポップ・ルビン》のタップトリガーで、《アポロン》をアンタップ。《アポロン》で攻撃——」
ダイレクトアタック、と、小さく夕陽は呟いた。
同時に《アポロン》の内で熱く燃えたぎる炎は、最高潮に巨大化し、燃え上がっていた。
『お前は昔から、聞き分けの悪い奴だったな。そんなお前に甘くしてきた俺だが、今回ばかりはそうは行かねえ。女だとか妹だとか関係ねえ、反省するまでぶん殴ってやる! 覚悟しやがれ!』
飛翔する《アポロン》。爆炎を纏った拳を振りかざし、一直線に《アルテミス》へと突っ込んでいく。
『う、くっ……これは、まずい……お兄様——』
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
《アルテミス》のか細い声は、《アポロン》の雄叫びに掻き消される。
そして《アルテミス》には《アポロン》の灼熱の拳が——放たれたのだった。
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.504 )
- 日時: 2014/03/09 02:23
- 名前: セロ ◆R4hLm3t7XM (ID: c.0m5wa/)
モノクロ様
いやあ、決着着きましたね兄弟喧嘩に
アルテミスは今後、改心しそうな感じですね(色的な都合も含めて)
多少なりともきつい性格は残るんでしょうけどw
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.505 )
- 日時: 2014/03/09 09:12
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
セロさん
まあ兄妹喧嘩というか、アポロンを巡る夕陽とアルテミスの争い、みたいな感じですかね。個人的な感覚では、アルテミスに夕陽とアポロンが振り回されているイメージです。
捻くれ者のモノクロですが、最終的な結末になると、そこまで捻じれてもいなかったりするんですよね。
どうなるかは言いませんが、言わなくても大体分かってしまいそうな気はします。アルテミスがこの後どうなるかも、十章のポイントの一つですね。
ただ、ある意味では、この十章の最後の最後が、一番の見どころだったりするのですが……薄々感づいている人もいるかもしれませんが、たぶん、かなりの衝撃的事実が明らかになると思います。
今日中にそこまで行きたいところですね。
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