二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ Mythology
日時: 2015/08/16 04:44
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)

 初めましての人は初めまして、モノクロという者です。ここでは二次板と雑談板が拠点です。

 本作では基本的に既存のカードを使用するつもりではありますが、オリジナルのカードも多数登場します。ご了承ください。

 投稿したオリキャラのデッキにキーカードや切り札を追加したり、既存の切り札級のカードや、追加した切り札に召喚時の台詞を追加しても構いません。追加したい時はその旨をお伝えください。

目次


一章『神話戦争』

一話『焦土神話』
>>1 >>2 >>6 >>9 >>12 >>13 >>14
二話『萌芽神話』
>>17 >>18 >>21 >>22
三話『賢愚神話』
>>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33


二章『慈愛なき崇拝』

一話『精力なき級友』
>>41 >>45 >>49 >>52 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61
二話『加護なき信仰』
>>63 >>64 >>66 >>70 >>71
三話『慈悲なき女神』
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76
四話『表裏ある未来』
>>77 >>78


三章『裏に生まれる世界』

一話『裏の素顔』
>>79 >>80 >>81 >>82 >>85 >>86 >>91 >>92 >>94
二話『裏へと踏み入る者』
>>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101


四章『summer vacation 〜夏休〜』

一話『summer wars 〜夏戦〜』
>>103 >>106 >>107 >>110 >>111
二話『summer festival 〜夏祭〜』
>>112 >>113 >>114 >>117
三話『summer ocean 〜夏海〜』
>>118 >>121 >>127 >>128 >>129 >>132 >>141 >>148


五章『雀宮高等学校文化祭店舗名簿』

一話『ガーリックトーストレストラン』
>>152 >>153 >>156 >>157 >>158 >>160 >>162 >>163 >>164 >>167
二話『ロイヤルミルクティーカフェテリア』
>>168 >>169 >>170 >>173
三話『ゾロアスター教目録』
>>174 >>175
四話『天の羽衣伝説調査』
>>185 >>186
五話『日蓮宗体験記録』
>>187 >>190
六話『天草四朗時貞絵巻』
>>191 >>192
七話『後夜祭・神々の生誕劇場』
>>193 >>202 >>206 >>207


六章『旧・太陽神話』

一話『序・太陽神話』
>>208 >>212 >>213
二話『破・太陽神話』
>>214 >>217 >>218 >>219 >>221 >>222 >>223 >>224 >>231 >>235 >>236 >>243 >>244
三話『急・太陽神話』
>>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>279 >>282 >>285 >>292


七章『続・太陽神話』

一話『再・太陽神話』
>>293 >>299 >>300 >>303 >>304 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>338 >>341 >>342 >>343 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365
二話『終・太陽神話』
>>366 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>380 >>381 >>382 >>383 >>384 >>385 >>386 >>387
三話『新・太陽神話』
>>393 >>395 >>396 >>397 >>398 >>399 >>402 >>403 >>404


八章『十二神話・召還』

一話『焦土神話・帰還』
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409
二話『海洋神話・還流』
>>410 >>411 >>412 >>413 >>415
三話『萌芽神話・還却』
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>423 >>424


九章『聖夜の賢愚クリスマス・ヘルメス

一話『祝祭の前夜ビフォア・イヴ
>>425
二話『双子の門番ツインズ・ゲートキーパー
>>426 >>429 >>430 >>431
三話『祝宴の闘争パーティー・バトル
>>432 >>433 >>434 >>435 >>436 >>437 >>438 >>439 >>440
四話『知将の逆襲ノウレッジ・リベンジ
>>441 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447


第十章『月の下の約束です』

一話『月影の同盟です』
>>468 >>469 >>470 >>471 >>472 >>473
二話『月夜野汐です』
>>486 >>487 >>489 >>490 >>491 >>492
三話『私の先輩です』
>>493 >>496 >>497 >>498 >>499 >>500 >>503 >>506 >>507 >>508


第十一章『新年』

一話『初詣』
>>512 >>513 >>514 >>515 >>516 >>519 >>520 >>521 >>522 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>530 >>531 >>532 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542 >>543 >>544 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550 >>553 >>554 >>557 >>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>566 >>567 >>568 >>571 >>572 >>573


十二章『空城夕陽の義理/光ヶ丘姫乃の本命』

一話『誕生日/バレンタインデー』
>>577 >>578 >>579 >>580 >>583 >>584
二話『軍人と探偵と科学者と/友人と双子と浮浪者と』
>>585 >>586 >>587 >>590 >>591 >>592 >>593 >>594 >>595 >>596 >>597 >>598 >>599 >>600 >>601 >>602 >>603 >>604 >>605 >>606
三話『告白——/——警告』
>>609 >>610


十三章『友愛「親友だから——」』

一話『恋愛「思いを惹きずって」』
>>616 >>617
二話『敬愛「意志を継ぎたい」』
>>618 >>619
三話『家族愛「ゆずれないものがある」』
>>620 >>621 >>622 >>627 >>628 >>629 >>630 >>631 >>632 >>633 >>634 >>635 >>636
四話『親愛「——あなたのことが大好きです」』
>>637



コラボ短編
【1——0・メモリー(タクさんコラボ)】
外伝『Junior to connect』

一話『Recollection』
>>474
二話『His outrage』
>>475 >>476 >>477 >>478 >>480
三話『My junior and his friend』
>>482



デッキ調査室
№1『空城夕陽1』  >>95
№2『春永このみ1』 >>102
№3『御舟汐1』 >>136 >>137

人物
>>34
組織
>>35
フレーバーテキスト
>>574

Re: デュエル・マスターズ メソロギィ ( No.235 )
日時: 2013/12/26 23:39
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

『うちのターンなのん。まずは《その子供、凶暴につき》を召喚なのん』


その子供、凶暴につき 火文明 (4)
クリーチャー:ヒューマノイド/チルドレン 4000
バトルゾーンにある自分の、コスト3以下のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。
相手の進化クリーチャーと相手の「スピードアタッカー」を持つクリーチャーはすべて、バトルゾーンに出す時タップして置く。


「うわ、嫌なの出て来た……」
 ひまりはスピードアタッカーを引ければ一気にインカを倒せるのだが、それが封じられてしまった。スピードアタッカーだけでなく進化クリーチャーもタップして出るので、《アポロン》に頼ることもできない。
 しかしインカはこれだけにとどまらない。
『さらに、うちも召喚なのん。《呪紋のカルマ インカ》!』


呪紋のカルマ インカ 自然文明 (4)
クリーチャー:オラクル/スノーフェアリー 3000
自分のターン中、相手はクリーチャーを召喚できない。


 遂に出て来た《インカ》本人。そして、《インカ》はここで攻めに出た。
『一斉攻撃なん! まずは《無防備のファミリア キナコ》でシールドブレイクなのん!』
「うっ……!」
 ブレイクされるシールド。しかし、そのシールドは光り輝き、収束する。
「来た、S・トリガー! 《ジャジャーン・カイザー》を——」
 と、そこまで言ったところで、ひまりの言葉が止まる。
 収束した光は、クリーチャーへと具現化せず、そのまま光が消えてひまりの手札へと戻っていった。
「S・トリガーが発動しない……?」
 手札に戻ってしまった《ジャジャーン・カイザー》を凝視しながら、ひまりは疑念を募らせる。それに対し、《インカ》は淡々と言う。
『ダメダメなん。うち、《呪紋のカルマ インカ》が場にいる時、うちのターンに相手はクリーチャーを召喚できないん。S・トリガーもニンジャ・ストライクもできないんよ』
 オラクルの新たな階級、カルマは、封殺の力を操る。あらゆる物事を禁止し、相手の力を縛っていくのだ。《インカ》が禁止するのは、自分が支配する時空における、クリーチャーの召喚。いかなる奇跡であっても、そのルールを曲げることはできない。
『まだまだ、うちの攻撃は終わってないん。《プンスカ》でもブレイクなん!』
「うぅ、今度は《王龍ショパン》か……」
 《ジャジャーン・カイザー》が出ていれば、S・トリガーとなって場に出れたのだが、《インカ》がいるのでそれも不可能。どうやら《インカ》は、こちらのS・トリガーがクリーチャー中心だということを読み切って、《インカ》を出すまで攻撃せず、《インカ》を召喚してからS・トリガーを封じつつ一気に攻める戦い方のようだ。
『《ジゴクグルマ》でブレイクなのん!』
「くっ、S・トリガー《フェアリー・ライフ》! 呪文はトリガーできるけど、マナ加速じゃ意味ないよ……」
 一応、ひまりのデッキには《めった切り・スクラッパー》や《ナチュラル・トラップ》など、呪文のS・トリガーも入っている。しかし、やはり《ジャジャーン・カイザー》や《王龍ショパン》などのクリーチャーが多い。ドラゴン比率を下げないようにするための工夫なのだが、それが裏目に出てしまった。
『《ニガワライ》でブレイク、最後に《マグノリア》でもブレイクなのん! ……これでうちはターン終了なん』
 1ターンでシールドをゼロ枚にされてしまったひまり。しかも《インカ》の場にはアタッカーが七体もいる。
「《その子供、凶暴につき》でスピードアタッカーも進化クリーチャーも封じられちゃうし……どうしよう」
 とりあえずカードを引くひまり。すると、彼女の目つきが少しだけ変わる。
「ここでか……よし、じゃあこの手で行こう」
 決意したように言うと、ひまりは今しがた引いたカードを手札から抜き取る。
「悪いけど、これで逆転だよ! 《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》召喚!」


アブドーラ・フレイム・ドラゴン 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 8000
K・ソウル
マーシャル・タッチ
MT—パワー4000以下のクリーチャーをすべて破壊する。
W・ブレイカー


 炎の中より飛び出したのは、武闘の魂を持つドラゴンだ。
「《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》の効果発動! マーシャル・タッチで《コッコ・ルピア》を手札に戻し、バトルゾーンのパワー4000以下のクリーチャーをすべて破壊!」
『え……?』
 《コッコ・ルピア》がひまりの手元に戻った。刹那、上空より無数の炎の塊が雨の如く降り注ぎ、バトルゾーンのクリーチャーに襲い掛かる。
 《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》はマーシャル・タッチで、自分のクリーチャーを一体手札に戻せば、バトルゾーンの弱小クリーチャーを一掃できる。自分のクリーチャーも破壊されてしまうのがネックだが、マーシャル・タッチで発動するため、今のひまりのように自分のクリーチャーを一体手札に逃がす、というようなことをすればある程度は解消できる。
 《インカ》のクリーチャーはほぼすべてがパワー4000以下の弱小クリーチャーだったため、《ジゴクグルマ》を除くすべてのクリーチャーが焼き尽くされた。
『あ、う……で、でも、まだ《ジゴクグルマ》がいるん! 《アブドーラ》はこのターン攻撃できないから、次のターンでとどめなん!』
「そうだね、《アブドーラ》は攻撃できないよ。でも」
 ひまりは《コッコ・ルピア》を召喚した後、手札から新たなドラゴンを呼び出す。
「次はこのクリーチャーだよ《ボルシャック・クロス・NEX》!」


ボルシャック・クロス・NEX 火文明 (9)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 12000+
スピードアタッカー
パワーアタッカー+
T・ブレイカー
誰もコスト4以下のクリーチャーを召喚できない。


 続けて召喚されたのは、《神羅ライジング・NEX》が奇跡の復活を成し遂げ、進化した《ボルシャック・NEX》の最終形態、《ボルシャック・クロス・NEX》だ。
「《ボルシャック・クロス・NEX》で《ジゴクグルマ》を攻撃! ターン終了!」
 《ジゴクグルマ》も破壊され、これで真にインカの場のクリーチャーがすべていなくなってしまった。
『う、うちのターン……』
 インカのターンが回って来る。このターン、インカはスピードアタッカーを出せれば勝てるが、コスト4以下の小型クリーチャーの召喚を封じる《ボルシャック・クロス・NEX》がいるため、小型クリーチャーで固めたデッキを使用するインカはクリーチャーを召喚できない。
 前のターンでひまりは、《コッコ・ルピア》でシールドを割り、《クロス・NEX》でとどめを刺せたが、たった1ターンとはいえインカをロックすることで、確実にとどめを刺せるようにしたのだ。目には目を、歯には歯を、と言ったところか。
『なにもできないん……ターン終了なん』
「だったら私のターンだね。《ボルグレス・バーズ》を召喚! 効果でマナゾーンの《ジャック・ライドウ》を回収して、そのまま召喚! 効果で山札から《アポロン》をサーチ! さらに《コッコ・ルピア》と《ジャック・ライドウ》《ボルグレス・バーズ》を進化MV!」
 流れるようなひまりのプレイング。次の瞬間、三体のクリーチャーを包む爆炎が吹き上がり、神話の化身が姿を現す。
「出て来て、《アポロン》! そして《アポロン》で最後のシールドをブレイク!」
 捲れたのは《王龍ショパン》だった。特に必要はないが、一応場に出しておく。
 インカの最後のシールドが、《アポロン》によって破壊される。しかし、そのシールドは光の束となって収束した。
『S・トリガー発動なん! 《インフェルノ・サイン》! 墓地から《マグノリア》をバトルゾーンに出すん! クリーチャーを一体、マナ送りなん!』
 最後の最後でS・トリガーを引き、《マグノリア》を出したインカ。だが、それでは足りない。
「なら《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》をマナに送るね」
 場数が減ってしまったひまりだが、インカのシールドはゼロ枚。そしてひまりの場にはまだ、アタッカーが残っている。

「《ボルシャック・クロス・NEX》で、ダイレクトアタック!」



「あ、まりりんせんぱいっ」
 ひまりが神話空間から出ると、このみが寄って来た。
「このみちゃん、大丈夫だった?」
「あ、うん……あれ? それってあたしの台詞じゃない?」
 珍しくツッコミを入れるこのみ。しかしひまりは意に介さない。
「まあ、大丈夫ならいいや。それより早く戻ろうか、夕陽君たちが心配するし」
「う、うん。そだね」
 ひまりを相手にすると、このみでさえもペースが崩れてしまう。しかしそれでもすぐに気を取り直すのがこのみだが。
「そうだ。このみちゃん、これあげるよ」
「なにこれ……って、さっきのクリーチャー?」
「うん。スノーフェアリーだから私のデッキには必要ないし、私よりこのみちゃんの方が使いこなせると思うよ」
「へぇー、うんっ! じゃあ貰うね。ありがと、まりりんせんぱい!」
「いいってことだよ」
 勢いでひまりに飛びつくこのみ。その様子は、彼女にもう一人姉ができたようであった。

Re: デュエル・マスターズ メソロギィ ( No.236 )
日時: 2013/12/27 09:41
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「あの、ひまり先輩。すいません、なんか、付き合わせちゃって……」
「いいのいいの、気にしないで姫乃ちゃん」
 『popple』の帰り、ひまりと姫乃は一緒に帰宅していた。
 もうすぐ十二月、日が落ちるのも早い季節だ。少女が暗がりの中、一人で帰宅するのは危険——というのもあるが、それ以上の理由がひまりにはあった。
 最近、立て続けにクリーチャーが実体化している。今日この日も、こにみが襲われかけたところだ。
 なので、なるべく単独での行動は控え、夕陽たちは二人以上で行動するようにした。『popple』の閉店時間になると、夕陽と汐、ひまりと姫乃がペアになって帰宅する。なぜこのペアなのかは、単純に家が近いからだ。
「それにしても、汐ちゃん、流先輩、このみちゃんが、実体化したクリーチャーに襲われたんですよね? 空城君は、だいじょうぶかなぁ……」
「夕陽君なら問題ないと思うけどね、汐ちゃんもいるし。それより、こっちにクリーチャーが出ないことを祈るばかりだよ」
 冗談めかして言うひまり。彼女の実力なら並大抵のクリーチャーでは相手にならないだろうが、出て来てほしくないというのも本音だろう。
「でも、今まで実体化したクリーチャーを倒したのって、ひまり先輩なんですよね? すごいですよ」
「ははっ、いやぁそれほどでも……ま、私のお節介だったかもしれない面もあるけどね。どのデュエルも、かなりギリギリだったし」
 ひまりは確かに強いのだが、その強さもなんだか普通だ。引きが悪い時は普通に負け、相性が悪い相手にも普通に負ける。普通のデュエルなら問題ないが、命懸けで戦うこの“ゲーム”では、その戦績は危なっかしく見えた。
「それより、私まだ姫乃ちゃんには数えるほどしか勝ってないんだよね……ブロッカー対策はしてるはずなのに、全然クリーチャー除去できないし」
「あはは……わたしも、ブロッカー破壊の対策は、してますから」
 ひまりは今のところ、夕陽とこのみにはほぼ圧勝、汐にも勝ち越すことが多いが、姫乃にはなかなか勝てない。ちなみに流とデュエルした時は、瞬殺で勝利を収めたらしい。
「やっぱただ殴ってるだけじゃ、《パーフェクト・マドンナ》みたいなブロッカーに止められちゃうよねぇ……どうしよ」
「空城君は、無理やりパワー低下の闇文明を入れたりしてなんとかしようとしてましたけど……」
「へぇ、それはどうなったの?」
「《マドンナ》を四体並べたら、次の日には闇文明がなくなってました」
「……まあ、そうなるよね」
 一体や二体ならともかく、《マドンナ》が四体は、ビートダウンではきつ過ぎる。夕陽の気持ちも分かるというものだ。
「うーんじゃあ私は、アンブロッカブルの水でも入れてみようかな。《ザウム・ポセイダム》とか、《アポロン》で出せたら面白そう」
「あぅ、それはちょっと、困ります……」


超神龍ザウム・ポセイダム 水文明 (7)
進化クリーチャー:ポセイディア・ドラゴン 13000
進化—自分のドラゴン1体の上に置く。
このクリーチャーはブロックされない。
T・ブレイカー


 それはともかく。
 そんな話をしているうちに、姫乃の住む老朽アパートが見えてきた。
「あ、ここです、わたしの家」
「え?」
 素っ頓狂な声を上げるひまり。その視線の先には、老朽化したボロボロのアパート。
「えーっと……姫乃ちゃんの家って……」
「このアパートです。ちょっと古いですけど」
 ちょっとどころではなく古いというか、そもそも古いなどという問題ではないというか、こんなところに人が住めるのか、などと思いながら、なんとか言葉を繋ぐひまり。
「あんまり裕福じゃないとは聞いてたけどさ、これって女の子が住む場所としてどうなのかな……」
 しかし、そこは姫乃の家庭の問題。それ以上は言わず、ひまりは姫乃を見送る。
「じゃあ先輩、今日はありがとうございました。先輩も気をつけて帰ってください」
「うん、ばいばい、姫——」
 と、ひまりが言いかけた時だ。
 ひまりは姫乃の腕を引っ張り、抱き寄せた。
「えっ? え、え、な、なに——」
「何かいる」
 軽くパニックを起こす姫乃は、鋭いひまりの声で一気に冷静になる。ゆっくりと振り返ると、確かに錆びた階段の上に、人影らしきものが見えた。
「誰なのかな? 【師団】なのか、それとも単純に『神話カード』狙って来たのか……」
 もしこれでただのアパートの住人だったどうしよう、とやや場違いなことを考えていたひまりだが、その不安は杞憂に終わった。
 階段からゆっくりと降りてきたのは、白い長髪をなびかせる美青年。白を基調とした衣装は、金色のベルトや胸の装飾、首回りのファーなど、非常に煌びやかだ。なにより目を引くのは、右手に携えた巨大な金色の杖。鳥が鳥羽差を広げたような装飾がなされている。
 人の姿をしているものの、その雰囲気は人間のそれではない。間違いなくクリーチャーだった。
「……我が名は《閃光の神官 ヴェルベット》」
 青年——ヴェルベットは、心中を読み取れない表情で、名乗りを上げる。
「神官……? オラクルの中でも階級のない信者が、私たちになんの用かな?」
「確かに私には階級はない、しかし階級がないことと信者の力は別物ですよ」
 そもそも、とヴェルベットは続け、
「私たちは今、オラクルの階級などに縛られてはいないのです。私は神々の力によって生み出され、神々の命に従うまで」
 と言うと、ヴェルベットの周囲の空間が歪みだす。神話空間が展開されようとしているのだろう。
「……姫乃ちゃん、下がって」
「え? でも……」
「ここは私が行くよ。大丈夫、心配しないで」
 姫乃から離れ、ひまりはヴェルベットへと歩いていく。
 そしてひまりは、神話空間へと飲み込まれていった。
「ひまり先輩……」

Re: デュエル・マスターズ メソロギィ ( No.237 )
日時: 2013/12/27 14:40
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

Orfevreさん


 オリキャラ投稿ありがとうございます。これはまたこのみと似た感じがしますが……まあ書き分けは十分可能なので問題ないですね。
 しかし、また随分と豪快な構築のデッキが出て来ましたね……デッキの半分以上が進化アーマード・ドラゴンですか。
 インパクトあるデッキなので、演出的にはいいのですが……戦法が一つに絞られ、応用が利かなさそうなのがネックになって、単発キャラとなってしまいそうな気がします。
 一応、今回は十八人以下であれば何人でも投稿は可能なので、よろしければ二人目でもどうぞ。もしくは次章が終わってからデッキを変更するか、ですね。
 ところで、呼び出すサイキック・クリーチャーが《時空の嵐ストームXX》になっていますが、覚醒先が《奇跡の覚醒者ストーム・カイザー XX》でこの構築なら《時空の神風ストーム・カイザー XX》の間違いでしょうか?
 葵との接点は頑張ってつけてみますが、それは単純に一度戦って因縁がある、程度でも構わないのでしょうか?



今のところ埋まってるのは一、二、三、六、七、八か……なんだか妙な隙間ができていますね。
 とりあえず投稿の締め切りは第六章が終わるまでにします。年末までには終わらせたいですが……行けるかなぁ?

Re: デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.238 )
日時: 2013/12/27 15:30
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: IvdLyRwl)

調子に乗って二人目を考えてしまいました。
よろしければ使ってやってください。

名前:マカ=チャルルカ
年齢:20
性別:女
容姿:サリーと呼ばれる赤い民族衣装に身を包み、真珠のネックレスを着けている。
肌は褐色で、長めの黒髪を後ろで括っていて、瞳は青く、左目の下に泣きぼくろがある。
性格:マイペースで天然。「個」への執着心が薄く、良くも悪くも自分自身の考えをあまり持たず、与えられた任務にはとりあえず忠実に従い、何もない時は他の隊長にくっついているか一人でぼーっとしている。
デュエルにおいてはそのマイペースさがポーカーフェイスを生み出し、考えを読まれにくい。
所属:第九小隊隊長。
備考:有力貴族チャルルカ一族の末裔。彼女のキーカード《剛撃戦攻ドルゲーザ》は亡き祖父から譲り受けたもので、彼女は敬愛を込めて『秘宝』と呼んでいる。
ドルゲーザ召喚時のみキャラが大きく変わって口調が古風になる。
サンプルボイス:(そのキャラの口調が分かるように。三つ以上)
「あらあら? ここは一体どこなのかしら」
「はあ、よく分かりませんが、とにかくそのターゲットを倒せばいいのですね?」
「じゃあ貴方に一任しようかしら。私は貴方の指示に従って動くから」
「そろそろそんなに余裕ではいられないんじゃないかしら? 間も無く我が『秘宝』の登場よ」
使用デッキ:青緑ベースの、ドルゲーザを主軸としたデッキ。カンクロウをマナに忍ばせ、ダヴィンチの破壊を躊躇わせたりも可能。
・《剛撃戦攻ドルゲーザ》切り札というか核
・《西南の超人》
・《スペース・クロウラー》
・《フェアリー・ライフ》
・《宇宙巨匠ゼノン・ダヴィンチ》
・《剛撃無双カンクロウ》…etc
切り札召喚時
「我、進撃と勝利を渇望せり。汝、大地と大海の巨人を呼び覚ませ。我がチャルルカの秘宝、《剛撃戦攻ドルゲーザ》召喚」


民族衣装サリーの描写が難しかったので詳しく書いてません、ごめんなさい。
青緑とはいえベースなんで、他の文明を追加した方が使いやすかったらどうぞ追加してください。
二人目ですし、没でも全く構いません。

Re: デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.239 )
日時: 2013/12/27 17:35
名前: Orfevre ◆1iNwKp1Y0I (ID: 0hhGOV4O)


>>237

葵、陽花共々
次のデッキは決まっております
ネタバレになるのですが
これだけいっておきます
「両者のデッキのキーカードが同じ」

それと両者はもう少しプライベートな関係を
望みたいですが無理なら構いません


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