二次創作小説(紙ほか)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

デュエル・マスターズ Mythology
日時: 2015/08/16 04:44
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)

 初めましての人は初めまして、モノクロという者です。ここでは二次板と雑談板が拠点です。

 本作では基本的に既存のカードを使用するつもりではありますが、オリジナルのカードも多数登場します。ご了承ください。

 投稿したオリキャラのデッキにキーカードや切り札を追加したり、既存の切り札級のカードや、追加した切り札に召喚時の台詞を追加しても構いません。追加したい時はその旨をお伝えください。

目次


一章『神話戦争』

一話『焦土神話』
>>1 >>2 >>6 >>9 >>12 >>13 >>14
二話『萌芽神話』
>>17 >>18 >>21 >>22
三話『賢愚神話』
>>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33


二章『慈愛なき崇拝』

一話『精力なき級友』
>>41 >>45 >>49 >>52 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61
二話『加護なき信仰』
>>63 >>64 >>66 >>70 >>71
三話『慈悲なき女神』
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76
四話『表裏ある未来』
>>77 >>78


三章『裏に生まれる世界』

一話『裏の素顔』
>>79 >>80 >>81 >>82 >>85 >>86 >>91 >>92 >>94
二話『裏へと踏み入る者』
>>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101


四章『summer vacation 〜夏休〜』

一話『summer wars 〜夏戦〜』
>>103 >>106 >>107 >>110 >>111
二話『summer festival 〜夏祭〜』
>>112 >>113 >>114 >>117
三話『summer ocean 〜夏海〜』
>>118 >>121 >>127 >>128 >>129 >>132 >>141 >>148


五章『雀宮高等学校文化祭店舗名簿』

一話『ガーリックトーストレストラン』
>>152 >>153 >>156 >>157 >>158 >>160 >>162 >>163 >>164 >>167
二話『ロイヤルミルクティーカフェテリア』
>>168 >>169 >>170 >>173
三話『ゾロアスター教目録』
>>174 >>175
四話『天の羽衣伝説調査』
>>185 >>186
五話『日蓮宗体験記録』
>>187 >>190
六話『天草四朗時貞絵巻』
>>191 >>192
七話『後夜祭・神々の生誕劇場』
>>193 >>202 >>206 >>207


六章『旧・太陽神話』

一話『序・太陽神話』
>>208 >>212 >>213
二話『破・太陽神話』
>>214 >>217 >>218 >>219 >>221 >>222 >>223 >>224 >>231 >>235 >>236 >>243 >>244
三話『急・太陽神話』
>>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>279 >>282 >>285 >>292


七章『続・太陽神話』

一話『再・太陽神話』
>>293 >>299 >>300 >>303 >>304 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>338 >>341 >>342 >>343 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365
二話『終・太陽神話』
>>366 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>380 >>381 >>382 >>383 >>384 >>385 >>386 >>387
三話『新・太陽神話』
>>393 >>395 >>396 >>397 >>398 >>399 >>402 >>403 >>404


八章『十二神話・召還』

一話『焦土神話・帰還』
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409
二話『海洋神話・還流』
>>410 >>411 >>412 >>413 >>415
三話『萌芽神話・還却』
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>423 >>424


九章『聖夜の賢愚クリスマス・ヘルメス

一話『祝祭の前夜ビフォア・イヴ
>>425
二話『双子の門番ツインズ・ゲートキーパー
>>426 >>429 >>430 >>431
三話『祝宴の闘争パーティー・バトル
>>432 >>433 >>434 >>435 >>436 >>437 >>438 >>439 >>440
四話『知将の逆襲ノウレッジ・リベンジ
>>441 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447


第十章『月の下の約束です』

一話『月影の同盟です』
>>468 >>469 >>470 >>471 >>472 >>473
二話『月夜野汐です』
>>486 >>487 >>489 >>490 >>491 >>492
三話『私の先輩です』
>>493 >>496 >>497 >>498 >>499 >>500 >>503 >>506 >>507 >>508


第十一章『新年』

一話『初詣』
>>512 >>513 >>514 >>515 >>516 >>519 >>520 >>521 >>522 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>530 >>531 >>532 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542 >>543 >>544 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550 >>553 >>554 >>557 >>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>566 >>567 >>568 >>571 >>572 >>573


十二章『空城夕陽の義理/光ヶ丘姫乃の本命』

一話『誕生日/バレンタインデー』
>>577 >>578 >>579 >>580 >>583 >>584
二話『軍人と探偵と科学者と/友人と双子と浮浪者と』
>>585 >>586 >>587 >>590 >>591 >>592 >>593 >>594 >>595 >>596 >>597 >>598 >>599 >>600 >>601 >>602 >>603 >>604 >>605 >>606
三話『告白——/——警告』
>>609 >>610


十三章『友愛「親友だから——」』

一話『恋愛「思いを惹きずって」』
>>616 >>617
二話『敬愛「意志を継ぎたい」』
>>618 >>619
三話『家族愛「ゆずれないものがある」』
>>620 >>621 >>622 >>627 >>628 >>629 >>630 >>631 >>632 >>633 >>634 >>635 >>636
四話『親愛「——あなたのことが大好きです」』
>>637



コラボ短編
【1——0・メモリー(タクさんコラボ)】
外伝『Junior to connect』

一話『Recollection』
>>474
二話『His outrage』
>>475 >>476 >>477 >>478 >>480
三話『My junior and his friend』
>>482



デッキ調査室
№1『空城夕陽1』  >>95
№2『春永このみ1』 >>102
№3『御舟汐1』 >>136 >>137

人物
>>34
組織
>>35
フレーバーテキスト
>>574

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.436 )
日時: 2014/02/23 20:30
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「じゃあ、最初はあたしが行くよ!」
 空城夕陽と愉快な仲間たちvsルカ=ネロとの変則エキシビションマッチ、第一戦。
 夕陽たちの先鋒はこのみ。本人が一番がいいと言うので、最初に選出させた。どうせ全員同じ相手と戦うのだから、戦う順番で結果に差は出ないだろう。
「『萌芽繚乱ブラッサム』……いや、春永このみか。お前は、少しだけ俺と同じ匂いがするな」
「え? いや、あたしは別に香水とかはつけてないけど……」
 素で返すこのみ。夕陽は突っ込みたい衝動を抑える。
 常人なら夕陽と同じ心境だろうが、ルカは思いのほかあっさりしていた。
「そういう匂いじゃない。まあいい、始めるぞ。早く戦いたくてうずうずしてたんだ」
「そっか、あたしもだよ。ゆーくんを倒せるほど強い人なんだもん、わくわくしないわけがないよね!」
「そうか、それは俺も嬉しいな」
 対戦前に、既に顔が綻ぶ二人。やはりルカの言うように、このみとルカはどこか似ているとこがあるのかもしれなかった。
「よし、じゃあ始めるか!」
「オッケー。なら行くよ!」
 今から戦う相手とは思えないほど息がピッタリだ。
 そして第一戦目が、はじまる。



 このみとルカのデュエル。
 このみの場には《呪紋のカルマ インカ》。シールドは五枚。
 ルカの場には《潜行する穿孔 ギーガ》。こちらもシールドは五枚。
「俺のターン! 《遥か寸前 ヴィブロ・ブレード》を召喚! 一枚ドロー!」


遥か寸前(ハルカス・レンジ) ヴィブロ・ブレード 水文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引いてもよい。


 《アクア・ハルカス》が無法の力を得たクリーチャー《遥か寸前 ヴィブロ・ブレード》。コストもパワーも効果も本家とまったく同じで、登場時に一枚引ける。ビートダウン性の高いクリーチャーだ。
「さらにG・ゼロで今引いた《無重力 ナイン》も召喚!」


無重力(ゼロゼロ) ナイン 火文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジMAX 1000
G・ゼロ—バトルゾーンに自分のアウトレイジがあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。


 続けて召喚されたのは《無重力 ナイン》。こちらもアウトレイジがいればタダで召喚でき、クリーチャーを数多く展開できる。
「《ギーガ》でシールドブレイク!」
 先んじてシールドをブレイクされたこのみ。見たところルカのデッキはビートダウン、それも速攻に近いスピードがあるようだ。
「一枚くらいならまだ大丈夫……あたしのターン! 《オチャッピィ》召喚! 効果で墓地の《ジャスミン》をマナに置いて、残った2マナで《ジャスミン》も召喚! 破壊はしないよ」
 クリーチャーを展開するルカに対し、こちらもクリーチャーを並べるこのみ。
「そして《インカ》で《ギーガ》を攻撃!」
 さらに《ギーガ》を破壊し、ルカのクリーチャーを削る。
 だが、
「まだまだ! 《正々堂々 ホルモン》! 《武士の魂 ポッピー》!」


正々堂々(マキシム・ブロンズ) ホルモン 自然文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジMAX 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。


武士の魂(ヤタロウ・ソウル) ポッピー 火文明 (2)
クリーチャー:アウトレイジ 2000
セイバー:アウトレイジ


「うわっ……いっぱい出て来た」
 無論、出て来るだけではない。
「《ヴィブロ・ブレード》と《ナイン》でシールドブレイク!」
 攻撃も仕掛けてくる。
 このみのシールドはもう残り二枚。対して相手クリーチャーは四体。まずいことになってきた。
「このみー! やばいよ!」
「うんそうだね……」
 シールドブレイクで手札に入ったプロセルピナが実体化して出て来る。彼女もこの状況に焦っているようだ。
「とりあえず、あのクリーチャーたちをなんとかしないと……」
 残念だが、今は《プロセルピナ》を召喚する余裕はない。
「《斬雪妖精バケット・バケット》を召喚! さらに《冒険妖精ポレゴン》も召喚!」
 まずはクリーチャーを並べるこのみ。《バケット・バケット》はシールド・セイバーでシールドを守れるだけでなく、破壊された時に相手クリーチャーをマナ送りにできるので、1ターンくらいは持つだろう。さらに、
「《インカ》で《ヴィブロ・ブレード》を攻撃して破壊! 《ジャスミン》で《ナイン》に攻撃して相打ち! ついでに《オチャッピィ》でシールドブレイク!」
 とりあえずこの場ならスピードアタッカーが一体出た程度でもとどめまでは刺されない。防戦気味になっているこのみも攻めを少しだけ見せたが、しかしその攻めは失敗だったと言わざるを得ないだろう。
「俺のターン! 《勇気の爪 コルナゴ》を召喚!」


勇気の爪(ブレイブ・クロー) コルナゴ 火文明 (1)
クリーチャー:アウトレイジ 0000+
バトルゾーンにある自分の他のクリーチャー1体につき、このクリーチャーのパワーは+1000される。


 ルカの場の《コルナゴ》を除いたクリーチャー数は二体、よって《コルナゴ》のパワーは2000となる。
 だが今はそんなことは関係ない。なぜなら、《コルナゴ》の上にはすぐさま新たな無法者が重ねられるのだから。
「《コルナゴ》進化!」
 刹那、《コルナゴ》が光に包まれる。

「噛砕く神砕き! 無法の騎士よ、偽りの神をその右手で噛み砕け! 《ダークナイト クリストファー》!」


ダークナイト(神砕き) クリストファー 水文明 (5)
進化クリーチャー:アウトレイジ 7000
進化—自分のアウトレイジ1体の上に置く。
メテオバーン—このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、自分の山札の上から3枚を見る。その中から、アウトレイジを1体選び、このクリーチャーの下に置いてもよい。残りを自分の手札に加える。
W・ブレイカー


 《コルナゴ》が進化し、無法の黒き騎士が現れる。それは神砕きと恐れられたアウトレイジ《ダークナイト クリストファー》。
「進化クリーチャー、しかもWブレイカー……!?」
 普通に打点の高いクリーチャーを呼び出され、再び焦りを見せるこのみ。そんなこのみに、ルカは手を緩めず攻め続ける。
「《クリストファー》で攻撃! メテオバーン発動!」
 進化元となった《コルナゴ》が墓地へと落ち、《クリストファー》のメテオバーンが発動する。
「山札の上から三枚を見て、その中のアウトレイジをこいつの下に送りつつ残りは手札に加える。《クロック》を下に置き、残りは手札へ!」
 派手さはないが、手札の枯渇しやすいビートダウンデッキであれば、手札補充は重要だ。しかも殴りながら補充でき、次にメテオバーンを撃つためのカードも装填できるのだから、隙がない。
 手札を補充したルカ。だが今は《クリストファー》の攻撃中だ。無法の黒騎士の右手が、このみに襲い掛かる。
「っ、《バケット・バケット》のシールド・セイバー発動! ブレイクされるシールドを一枚守って、《ポッピー》をマナゾーンへ!」
「なら、《ホルモン》で最後のシールドをブレイクだ!」
 なんとかこのターンは負けないようにしたが、もうこのみのシールドはゼロ。かなり追い詰められた。
「このみー!」
「分かってるよ……でも、プロセルピナを出すには進化元が足りない……」
 手札にもう一体《ポレゴン》でもいればいいのだが、いたとしてもこのターンにシールドを削り切ることはできない。まだプロセルピナは保留だ。
「なら……呪文《ナチュラル・トラップ》! 《クリストファー》をマナゾーンへ!」
 とりあえず、パワーが高く殴り返せない《クリストファー》はマナ送りに。そして、
「《ポレゴン》で《ホルモン》を攻撃! 《インカ》もシールドをブレイク!」
 なんとかクリーチャーを削りながら、ちまちまとシールドも割っていくこのみ。しかし、もう限界だ。
「《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》召喚! G・ゼロで《無重力 ナイン》も召喚! そして《ナイン》を進化、《ダークナイト クリストファー》!」
 先ほど《クリストファー》で補充した手札から次々と現れるアウトレイジ。この攻撃はもう、防ぎ切れない。
「《ファルコン・ボンバー》でダイレクトアタックだ!」
「ニンジャ・ストライク! 《ハヤブサマル》でブロックだよ!」
 前のターンのシールドブレイクで手札に入った《ハヤブサマル》で、《ファルコン・ボンバー》の攻撃はなんとか防ぐ。しかし、最後の一撃だけは防ぎ切れなかった。

「《ダークナイト クリストファー》で、ダイレクトアタック!」

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.437 )
日時: 2014/02/23 02:25
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「うぅー……負けちゃった。リュウ兄さん、あとは任せたよ」
「ナガレだ。任せろ」
 一戦目はこのみの敗北。続けて次鋒、流が出て来る。
「『大渦流水モスケスラウメン』、水瀬流か。正直、お前のことはほとんど知らない。ああ、だが、『機略知将ノウレッジ』……青崎記から、少しだけ聞いてたことがあるような気がするな。奴はなんと言っていたか……」
 歴代“ゲーム”の世界でも数少ない、どの組織にも所属せずに『神話カード』を所有していた流。知名度で言えば夕陽などには劣るためか、ルカは彼についての情報をほとんど忘却していた。
「まあいいか、戦えばどんな奴か分かるだろ。ほら、早く始めるぞ」
「……確かに、好き勝手で身勝手だな」
 素直な感想を吐露し、流はデッキを取り出した。
 そして、第二戦が、始まる。



 流とルカのデュエル。
 流の場には《アクア・スーパーエメラル》と《キング・シャルンホルスト》。シールドは五枚。
 ルカの場にはなにもなし。こちらもシールドは五枚。
 前回のこのみとのデュエルとは打って変わって、起動の遅いデッキだ。まなマナチャージしかしておらず、まったく動きを見せていない。
 だが、いくらなんでもいつまでも動かないわけではない。
「俺のターン。4マナで《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》を召喚」


不屈!熱血!!(ハートビート・ヒート) テスタ・ロッサ 水/火文明 (4)
クリーチャー:アウトレイジMAX 3000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーが破壊された時、次のうちいずれかひとつを選ぶ。
▼バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。
▼自分の手札を1枚捨て、その後、カードを1枚引く。


「ターンエンド」
 やっと動き出した。と言っても、ただクリーチャーを一体召喚しただけだ。大きな動きではない。
「とはいえ、不気味ではあるな……《ストーム・クロウラー》を召喚。マナゾーンの《飛散する斧 プロメテウス》を回収し、ターン終了だ」
 流は着実のクリーチャーを増やしながら、準備を進めていく。
 だが、その準備は些か悠長かもしれない。
「いいのか、そんなにのんびりで。俺のターン! 行くぞ!」
「なんだ……?」
 急にテンションが上がり始めたルカ。彼の性格はなんとなく分かってきたのでそこまで驚きはないが、しかしそのテンション上昇には必ず裏付けがある。
 その、裏付けとは。
「呪文《ヒラメキ・プログラム》! 《テスタ・ロッサ》を破壊し、コスト5のクリーチャーが出るまで山札を捲る! そして出て来るのは《侵入する電脳者 アリス》だ! さらに《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》が破壊されたので、《アクア・スーパーエメラル》を手札に戻す!」
 コスト4の《テスタ・ロッサ》からヒラメくのは、コスト5の《アリス》。普通に見れば、ただそれだけのこと。しかしルカにとっては、《アリス》を呼び出すこと以上に、《テスタ・ロッサ》が破壊されることが重要だったのだ。
「《テスタ・ロッサ》が破壊されたことで、俺の手札にいるこいつの能力が発動だ! 灼熱ドロン・ゴー!」
「なんだと……!?」
 破壊された《テスタ・ロッサ》の魂が滾り、熱く燃え盛る灼熱となる。

「灼熱の爆熱! 無法の少年よ、自由に目覚めし紅き血を滾らせろ! 《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》!」


灼熱連鎖(ラスト・バーニング) テスタ・ロッサ 火文明 (7)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 6000
W・ブレイカー
灼熱ドロン・ゴー:名前に《テスタ・ロッサ》とある自分のクリーチャーが破壊された時、このクリーチャーを自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。そうした場合、自分の山札の上から5枚を墓地に置き、その後、その中からエグザイルではない名前に《テスタ・ロッサ》とあるクリーチャーをすべてバトルゾーンに出す。そのクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。自分のターンの終わりにそのクリーチャーを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
自分の他の、名前に《テスタ・ロッサ》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


 エグザイルのみに許された力、ドロン・ゴー。《テスタ・ロッサ》はその力に、自身の紅き血から発せられる灼熱を注ぎ込むことで、他のエグザイルにはない唯一の力を解放した。
 その力で彼が魂が転生した姿、それが《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》だ。
「《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》の灼熱ドロン・ゴー発動! 山札の上から五枚を墓地へ置き、その中からエグザイルではない《テスタ・ロッサ》をすべてバトルゾーンに出す!」
 こうして墓地に置かれた五枚のカードは《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》《エナジー・ライト》《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》《ヒラメキ・プログラム》《紅き血の テスタ・ロッサ》。


灼熱の斬撃(ジ・アグレッシブ) テスタ・ロッサ 火文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 7000
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。それが呪文であれば、このクリーチャーをアンタップする。
W・ブレイカー


紅き血の(ザ・ヒート) テスタ・ロッサ 火文明 (4)
クリーチャー:アウトレイジ 4000+
自分の他のクリーチャーがどこからでも墓地に置かれた時、そのターン、このクリーチャーは「パワーアタッカー+5000」と「W・ブレイカー」を得る。


「ヒットした《テスタ・ロッサ》は三体! この三体をバトルゾーンに! そしてこの能力で現れた《テスタ・ロッサ》はすべてスピードアタッカーだ!」
 つまり、このターンに殴り掛かってくる。
「まずは《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》で攻撃! その時、まずは《アリス》の能力発動!」
 アウトレイジが攻撃したので一枚ドロー、そしてコスト7以上のクリーチャーが攻撃したのでもう一枚ドローし、手札を一枚山札の一番上に置く。
「そして次に《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》の能力が発動だ! 山札の一番上のカードを墓地へ置き、それが呪文なら《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》はアンタップする!」
 果たしてルカが山札を捲り、墓地へと落としたのは《ドンドン吸い込むナウ》。呪文なので《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》はアンタップする。
 当然だ、事前に《アリス》で仕込んでいるのだから、まず間違いなくヒットする。それに前の《ヒラメキ・プログラム》で薄々感づいていたが、ルカのこのデッキは、恐らく《テスタ・ロッサ》と《アリス》以外はすべて呪文だ。弾切れはまずありえないだろう。
「Wブレイク!」
 《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》の、二つ名の通りの灼熱の斬撃が流のシールドを切り裂く。
「まずいぞ、流。これでは延々と攻撃され続ける」
「そんなことは分かっている……!」
 シールドブレイクで手札に入ったネプトゥーヌスが言うも、そんなことは分かり切ったことだ。言われるまでもない。
「もう一撃! 《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》で攻撃! 《アリス》の能力発動!」
 再びドローしながら山札にカードを仕込み、そのカードを墓地へ。墓地へ落ちたのは《火焔特攻弾》。やはり呪文なので、《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》はアンタップする。
「Wブレイク! そしてアンタップした《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》で攻撃!」
 《アリス》で仕込み、墓地へと落としたのは、《ヒラメキ・プログラム》。呪文なのでまたアンタップ。
 これで、流のシールドはゼロだ。
「っ、S・トリガー発動! 《アクア・サーファー》を召喚し、《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》をバウンス!」
 なんとか《アクア・スーパーエメラル》で仕込んだS・トリガーを発動させ、《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》の連続攻撃こそ防いだが。
「《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》でダイレクトアタックだ!」
「《キング・シャルンホルスト》でブロック……!」
 続けて繰り出される《テスタ・ロッサ》の攻撃。《キング・シャルンホルスト》でその攻撃を防ぎ、返り討ちにしたが、
「《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》が破壊されたので、《ストーム・クロウラー》を手札に! これでブロッカーはいなくなったな!」
 破壊してしまったがゆえに、《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》の能力が発動してしまい、《ストーム・クロウラー》が手札に戻されてしまう。
 そしてルカの場にはまだ、《テスタ・ロッサ》が残っている。

「《紅き血の テスタ・ロッサ》で、ダイレクトアタック!」

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.438 )
日時: 2014/02/23 11:23
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「すまない、負けてきた」
「いえ、大丈夫です。ノープロブレムです」
 二戦目の流も負け、次は中堅、汐が出て来た。
「分かってはいたのですが、先輩との一戦、そしてこのみ先輩と水瀬さんとの二戦ではっきりしたです。やはりあの人は、アウトレイジの使い手ですね」
 ならば、と汐はいつもと違うデッキケースから、デッキを取り出す。
「私も、アウトレイジで挑むとするですよ」
 それは彼女の有するもう一つのデッキ。いつか、流とのデュエルで見せた無法のデッキだった。
「御舟汐……『神話カード』を使わず、ラトリも変な名前を付けないが、その実力は愉快な仲間たちの中でもトップ、だったか」
「その呼び方はやめて欲しいのですが……まあいいです。始めるですよ」
 夕陽たちとルカとの五連戦も、ここが半ば。
 第三戦が、始まる。



 汐とルカのデュエル。
 汐の場には《一撃奪取 ブラッドレイン》《豚魔槍 ブータン》。シールドは五枚。
 ルカの場には《一撃奪取 トップギア》《正々堂々 ホルモン》《飛散する斧 プロメテウス》。こちらもシールド五枚。
「ほぅ、お前もアウトレイジを使うのか。聞いていた話とは違うな、面白い。お前とは仲良くできそうだ」
「デッキ一つでそんなこと言われても困るのですが。私のターン、呪文《ブータン転生》を発動です」
 自身のクリーチャーを破壊する代わりに、山札からクリーチャーをサーチできる呪文。しかしそれは、《ディメンジョン・ゲート》などと比べて、自身のクリーチャーを破壊しなければならない点で劣る。
 だが逆に言えば、自壊をメリットとすることができれば、それは《ディメンジョン・ゲート》を上回る性能となるのだ。
「破壊するのは《ブータン》です。山札からクリーチャーを一体手札に……そして、ドロン・ゴー発動です。《ブータン転生》で手札に加えた、このクリーチャーをバトルゾーンへ」
 破壊された《ブータン》は転生し、新たな力を得て降臨する。

「統治せよ、地獄の国家。生きとし生ける者は死者への糧、魔槍の王の君臨です——《地獄魔槍 ブリティッシュ》」

「おぉ、やるなぁ……!」
 ドロン・ゴーで呼び出された《ブリティッシュ》を見て、言葉を漏らすルカ。その表情は戦慄というよりは、歓喜のようであった。
「《ブリティッシュ》の能力で、あなたの手札を一枚見ないで選び墓地へ」
「おっ?」
 ルカの手札が一枚、叩き落とされる。墓地へと落ちたのは、先ほど《プロメテウス》で回収した《侵入する電脳者 アリス》。
「そのカードがあなたのデッキにおけるコンボの核なのはお見通しです。クリーチャーが墓地へと落ちたので、《ブリティッシュ》の能力で一枚ドロー、ターン終了です」
「ふむ……お前は、今までの奴とは違う感じがするな。まあいい、俺のターンだ」
 汐になにかしらを感じたようなルカだったが、あまり気にならないのか、そのままターンを進める。
「さて、あっちの《アリス》は潰されたが、このデッキの《アリス》は一体だけじゃない。《電脳決壊の魔女 アリス》を召喚!」


電脳決壊の魔女(カオス・ウィッチ) アリス 水文明 (4)
クリーチャー:アウトレイジMAX 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを3枚引いてもよい。そうした場合、自分の手札を2枚、山札の一番上または一番下、もしくはその両方に好きな順序で置く。


 召喚されたのは、《侵入する電脳者 アリス》が力を解放した姿。あらゆる知識を擁する彼女は、強大な知識の渦で世界を包み込むことすら可能だが、その強すぎる力は彼女にとっても大きな負担となり、代償として肉体の力は衰え、その力も一回限りのものだ。
「《アリス》の効果で三枚ドロー! そして手札を二枚、山札の上に戻す。残ったマナで《一撃奪取 マイパッド》を召喚! これでターン終了だ」
 何気にクリーチャーを並べているルカ。今回は攻めてこなかったが、もし一斉に攻撃されたら少々危ないかもしれない。
「ならば……《ローズ・キャッスル》を要塞化。これであなたのクリーチャーはすべてパワーがマイナス1000です」
「おぉ!?」
 汐のシールドに茨の城が要塞化され、ルカのクリーチャーはすべて衰弱する。ルカの場にいたクリーチャーのパワーはすべて1000、五体のアウトレイジはまとめて薙ぎ払われてしまった。
「さらにクリーチャーが墓地に落ちたので《ブリティッシュ》の効果で五枚ドロー……《ブラッドレイン》の効果でコストを1下げて、《代打の消耗 テンメンジャン》を召喚です」


代打の消耗(ピンチヒッター・ロス) テンメンジャン 闇文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 6000
このクリーチャーが攻撃する時、自分のクリーチャーを1体破壊する。
W・ブレイカ—


「そして《ブリティッシュ》で——」
 とその時、汐は手を止め、ふと視線を上げる。ルカの手札はゼロ、マナゾーンには七枚のカード。
 《ブリティッシュ》で攻撃してシールドを削ってもいいが、下手に手札を与えて逆転手に繋げられるのも嫌だ。ルカの場にはなにもいないので、手札ゼロではすぐに反撃することはできないだろう。
(私の手札には《ヴァーズ・ロマノフ》がいるですから、次のターンにはマナチャージして6マナ、《ブラッドレイン》でコストを下げ、墓地の《ブータン》を進化元にして召喚し、攻撃すれば、S・トリガーが出ない限りそのままとどめまで持って行けるはずです)
 不用意に攻撃して手札を増やし、逆転される可能性を上げてしまうより、次のターンに打点を揃えて一気に攻め込むのが得策だろう。
「——ターン終了です」
「なにも仕掛けて来ないのか? なら遠慮なく行かせてもらうぞ、俺のターン!」
 勢いよくカードをドローするルカ。
 この時、汐の失敗はただ一つだけ。
「前のターンに《アリス》で仕込んだこいつを召喚だ!」
 それは、《電脳決壊の魔女 アリス》で山札にカードを積み込んだ行為を、失念していたことだ。

「紺碧の魔術と変幻の呪法! 無法の術者よ、異星の力をも呼び起こせ! 《紺碧術者 フューチャー》!」


紺碧術者(メイジ・オブ・コバルト) フューチャー 水/火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 6000
マナゾーンに置くとき、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃するとき、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。それが呪文であれば、コストを支払わずに唱えてもよい。
W・ブレイカー
このクリーチャーが山札にあり、バトルゾーンに自分の《セブ・コアクマン》があれば、このクリーチャーの文明に光を追加する。


 デックトップからほぼそのまま現れたのは、無法者の魔術師《紺碧術者 フューチャー》。
 異星の力も借りることで、型破りかつ曲者揃いのアウトレイジの中でも、特に確固とした戦い方を確立しているクリーチャーだ。
「前のターン、《アリス》で仕込んだ……」
 汐はというと、《フューチャー》の登場よりも、ルカが何気なく発した言葉の方に注意が向いていた。
 ルカは確かにそう言った。もし《フューチャー》の仕込みが、手札整理のためではなく本当に仕込んだ、つまりは狙っていたものだとしたら。
 嫌な感覚が、汐の全身を走り抜ける。
「行くぞ、スピードアタッカーの《フューチャー》で攻撃! そして、能力発動!」
 《フューチャー》はアウトレイジの中でも珍しい、呪文の扱いに長けたクリーチャーだ。攻撃時に山札の一番上を墓地に置き、それが呪文であればコストを踏み倒して唱えられる。
「まさか……」
 話を戻すが、ルカは《アリス》の能力で、山札の上二枚を仕込んでいた。もしルカが《アリス》の能力で、狙って《フューチャー》を仕込んでいたのだとしたら、二枚目に仕込んだカードは、即攻撃できる《フューチャー》で唱えられる、呪文のはず。
 もっと言えば、わざわざコストを踏み倒したいような、さらに言えば、この盤面をひっくり返してしまうような、強大な呪文のはず。

「喰らいな! 《ティラノ・リンク・ノヴァ》!」


ティラノ・リンク・ノヴァ 火文明 (14)
呪文
シンパシー:ティラノ・ドレイクとブレイブ・スピリット
相手は、自分自身のシールドをすべて手札に加える。(相手はその「S・トリガー」を使うことができる)


「やはり、そう来るのですか……」
 歯噛みする汐。
 《ティラノ・リンク・ノヴァ》はすべてのシールドを吹き飛ばす呪文だ。これで汐のシールドは一瞬でゼロ枚に。そしてそのまま、《フューチャー》の攻撃が放たれる。

「《紺碧術者 フューチャー》で、ダイレクトアタック!」

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.439 )
日時: 2014/02/23 20:35
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 汐も敗北を喫し、空城夕陽と愉快な仲間たちの四番手、副将の姫乃の出番となる。
 ノリノリだった前三人と違い、姫乃はやや消極的なものの、しっかりと位置にはついている。
「……さて、始めるか」
「あれ? なんだか、わたしだけあっさりしてない?」
「お前にはさしたる興味がないからな」
 真正面からはっきりと言われてしまった。
「ラトリは違うところで気にしているみたいだが、俺としてはどうもな……まあ、俺の興味とデュエルの内容は別問題だがな」
「なんだか釈然としないよ……」
 しかしそんなことは考慮されない。
 第四戦目が、始まる。



 姫乃とルカのデュエル。
 姫乃の場には《封魔聖者シャックル・アーマ》。シールドは五枚。
 ルカの場には《一撃奪取 マイパッド》《日曜日よりの使者 メーテル》。こちらもシールドは五枚。
「俺のターン。まずは《メーテル》の効果を発動だ」


日曜日よりの使者(ビューティフル・サンデー) メーテル 水/火文明 (4)
クリーチャー:アウトレイジ 3000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
自分がカードを1枚引く時、1枚のかわりに、2枚引いてから自分の手札を1枚捨ててもよい。


 《メーテル》の効果で二枚引き、代わりに手札を一枚墓地へと落とすルカ。手札の総数は増えないが、手札の質は良くなるうえに、墓地に干渉することの多いアウトレイジなら、墓地にカードが落ちることはさしたるデメリットではない。
「お、いいカードが来たな。《侵入する電脳者 アリス》を召喚、ターンエンドだ」
 まだ大きな動きこそないが、着実に準備を進めていくルカ。
 だが姫乃も、このターンから本格的に始動する。
「わたしのターン……わたしの場には《シャックル・アーマ》がいる。だからコストを1下げて、この呪文だよっ」


封魔聖者シャックル・アーマ 光/水文明 (4)
クリーチャー:グランド・デビル/イニシエート 4500
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
自分の呪文を唱えるコストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
相手の呪文を唱えるコストは1多くなる。


 あの呪文を唱えるコストを上昇させる《封魔ゴーゴンシャック》と、呪文を唱えるコストを下降させる《王機聖者ミル・アーマ》が一体となったクリーチャー《シャックル・アーマ》。
 このクリーチャーは4コストなので、4マナ溜まったところで召喚できる。ならば3マナの《ミル・アーマ》でも良いように思えるが、ここで重要なのはマナカーブだ。《シャックル・アーマ》の方がパワーが高いので火力に強く、4マナある状態で出せれば次のターンには6マナの呪文が唱えられる。そして、姫乃のデッキでで6マナの呪文と言えば、
「《ヘブンズ・ゲート》! 手札から《光器パーフェクト・マドンナ》と《天国の女帝 テレジア》をバトルゾーンに!」
 前のターンに《コアクアンのおつかいで》手に入れた《ヘブンズ・ゲート》を唱え、同じく手に入れていた《パーフェクト・マドンナ》と《テレジア》を繰り出す。
「やったですの、姫乃様!」
 ヴィーナスがくるくると姫乃周りを回っている。
 場を離れない《マドンナ》とさらにブロッカーを呼び出す《テレジア》。どんなに巨大なアタッカーを出そうと《マドンナ》が止め、数で押してくるなら《テレジア》でこちらも展開。これでルカが一気に苦しくなると思われたが、
「ブロッカー程度じゃあ、俺は止まらないな。俺のターン、《メーテル》の効果で手札を入れ替える」
 カードを二枚引き、一枚捨てる。だがその捨てたカードが、墓地の中で光を放った。
「《キューブリック》の効果発動! 俺のマナゾーンに水のカードは三枚、どこからでも墓地へ送られた時、クリーチャーを手札に戻す! 戻れ《テレジア》!」
「あぅ……《テレジア》が……」
 これで次のターンからの展開が遅れてしまう。
「《プロメテウス》を召喚! マナを追加し、マナゾーンから《ジャッキー》を回収! ターンエンドだ」
「《ジャッキー》が手札に……《マイパッド》もいるし、次のターンには召喚されちゃう……」
 だが、姫乃のデッキは除去カードが非常に少ない。《ジャンヌ・ダルク》でもいれば話は変わってくるが、生憎手札にはいない。
「なら、とにかく時間を稼ぐ……もう一度《ヘブンズ・ゲート》だよ! 今度は《ロードリエス》と《マドンナ》をバトルゾーンに!」
 手札も補充しつつ、ブロッカーを並べる姫乃。《マドンナ》が二体いれば、かなりの時間が稼げるはずだ。カラー的にルカのデッキでは《マドンナ》を除去することもできないはずなので、とにかく長期戦に持ち込む。そうすればこちらが有利になる。
 無論それは、長期戦に持ち込めればの話だが。
「残念だったな、このターンで決めてやる」
「え?」
 言っている意味がよく分からない。
 確かにこのターンでルカは《ジャッキー》を呼び出せるが、それだけでは流石に姫乃の防御陣形を突破することはできないはずだ。
 だが、それを可能にするのが、ルカだった。
「《マドンナ》二体は生きてるし、耐えきれないことはないはず……」
「だったら耐えきれなくなるまで殴ってやるよ。《無限皇 ジャッキー》召喚! すかさず《ジャッキー》で攻撃だ!」
 その時《アリス》の能力が発動し、ルカはカードを引く。のだが、
「さらにこの時《メーテル》の効果も発動!」
「え……?」
 確かに《メーテル》の能力が発動するのはドローする時。《アリス》の能力でカードを引く際にも誘発する。
「アウトレイジの攻撃時《アリス》の効果でドローする枚数を《メーテル》の効果で二枚にするが、代わりに手札を捨てる。さらに《アリス》の二つ目の能力、コスト7以上のクリーチャーが攻撃する時、手札を一枚引くが、これも《メーテル》の能力で代わりに二枚引き、手札を捨てるぞ。それから手札を一枚山札の一番上に置き、最後に《ジャッキー》の能力発動だ!」
 《メーテル》の能力も合わせて四枚ものカードを引いたが、最終的に増えた手札は一枚。やたらと長々と続いたドローの末に、《ジャッキー》の咆哮で《アリス》によって仕込まれたアウトレイジが呼び出される。
「出て来い《ジャッキー》!」
「二体目の《ジャッキー》……!?」
 現れたのは、二体目の《ジャッキー》だった。直後、一体目の《ジャッキー》による攻撃が姫乃のシールドを粉砕する。
「そして今出て来た《ジャッキー》で攻撃! 《アリス》と《メーテル》の能力発動!」
 結果だけを言えば、山札の上から合計で四枚も引き、うち三枚は墓地へ、その中の一枚はバトルゾーンへと飛び出す。そうして出て来たのは、
「来い! 《ジャッキー》!」
「三体目……!?」
 驚く姫乃をよそに、《ジャッキー》の攻撃が姫乃のシールドを砕く。
「さらにこの《ジャッキー》でも攻撃だ! 能力発動!」
 勿論発動するのは《アリス》と《メーテル》からだ。
 ここに来て、姫乃は理解した。
(《アリス》と《メーテル》でデッキを掘り進んで、わたしにとどめを刺すまで《ジャッキー》を呼び続けるの……!?)
 デッキの枚数的に、《アリス》一体ではある程度《ジャッキー》を手札に溜めておかなければ実現しないだろうが、そこに《メーテル》を組み合わせて高速で山札を掘り進むことで、《ジャッキー》を引き込む確率を上げるコンボ。
 正に、無限の攻撃だった。
「さあ、四体目の《ジャッキー》だ! こいつでも攻撃!」
「で、でも、これで《ジャッキー》は全部出尽くしたはず……」
 デッキに入れられるカードは、基本的には最大四枚。なのでこの四体目の《ジャッキー》で、連続攻撃はストップされる。
 はずだった。
「《アリス》の効果だけを使用し、山札にこいつを置く。出て来い!」
 《ジャッキー》の咆哮で、また新たな無法者が呼び出される。

「二天の流と二刀の流! 無法の武士よ、皇の忠誠を燃え上がらせろ! 《弐天炎明 ガンリュウ・ムサシ》!」


弐天炎明(バーニングハート) ガンリュウ・ムサシ 火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジMAX 7000
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーで攻撃するかわりに、タップして次のTT能力を使ってもよい。
TT—バトルゾーンにある自分のアウトレイジを1体、アンタップする。


 現れたのは、《ジャッキー》の懐刀と呼ばれる無法の武士《ガンリュウ・ムサシ》。
 スピードアタッカーなのでこのターン攻撃できるが、このクリーチャーの本質は、このクリーチャーが《ジャッキー》の懐刀と呼ばれる由縁、ただ攻撃することではない。
「《ガンリュウ・ムサシ》のタップ時能力発動! 《ガンリュウ・ムサシ》をタップし、他のアウトレイジ——《ジャッキー》をアンタップ!」
「ってことは、まさか……」
 また、《ジャッキー》の攻撃が再開する。
「《ジャッキー》で攻撃! 《アリス》の能力発動!」
 デッキを消費しすぎて、もう残り数枚しかない。《アリス》の能力も、二つ目の能力しか使用していない状態だ。
 だがルカには十分な手札がある。それだけでも十分だ。
「二体目の《ガンリュウ・ムサシ》をバトルゾーンに!」
「っ、《マドンナ》でブロック!」
 四体目の《ジャッキー》と五回目の《ジャッキー》の攻撃は《マドンナ》で防いだが、もうもたない。
「《ガンリュウ・ムサシ》をタップし、《ジャッキー》をアンタップ! 《ジャッキー》で攻撃! 出て来い《ガンリュウ・ムサシ》!」
「《シャックル・アーマ》でブロック……!」
「まだまだ! 三体目の《ガンリュウ・ムサシ》をタップ! 《ジャッキー》をアンタップし攻撃! 《アリス》で仕込んだ《ガンリュウ・ムサシ》を《ジャッキー》の効果でバトルゾーンに!」
 いくら防いでも次々と現れる《ガンリュウ・ムサシ》、そして《ジャッキー》は無限に起き上がる。
「うっ、うぅ……ダメ、もう、耐え切れない……っ」
 《アリス》《メーテル》《ジャッキー》《ガンリュウ・ムサシ》による怒涛にして無限の攻撃。《ジャッキー》四体《ガンリュウ・ムサシ》四体が並んだところで、姫乃の最後のブロッカーである《ロードリエス》もいなくなり、彼女は無防備を晒す。

「《弐天炎明 ガンリュウ・ムサシ》で、ダイレクトアタック!」

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.440 )
日時: 2014/02/26 19:47
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「うぅ、ごめんね空城くん、負けちゃった……」
「いや、流石にあの連続攻撃は防ぎ切れないよ……それを最後の攻撃までは耐え切ったんだ。光ヶ丘はよくやったと思うよ」
「そう、かな……」
 姫乃も負け、遂に最後の対戦、大将の夕陽が出て来る。
「遂に出たか、空城夕陽……お前と再戦するこの時を待ってたぞ」
「いや、この時を待ってたって、つい十分ほど前に戦ったばかりだろ」
 しかしその十分はルカにとっては長い時間だったのか、早く戦えとでも言わんばかりのオーラが滲み出ている。
 この対戦には乗り気でなかった夕陽だが、こうしてまた相対することとなったのなら、それはそれで好都合だ。
「夕陽! 今度こそこいつに勝つぞ!」
「分かってる。同じ轍は踏まないさ」
 アポロンの激励も受け、夕陽はルカと向かい合う。
「それじゃあ、始めるか。また俺を楽しませてくれよ!」
「楽しみたいなら勝手に楽しめ。こっちはさっきのリベンジだ!」
 そして、最終の五戦目が始まった。



 夕陽とルカのデュエル。
 夕陽の場には《コッコ・ルピア》《エコ・アイニー》。シールドは五枚。
 ルカの場には《蛙跳び フロッグ》《正々堂々 ホルモン》《飛散する斧 プロメテウス》。シールドは五枚。
「さっきは一手遅れたけど、今度はそうはいかないよ。《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》を召喚! マーシャル・タッチで《コッコ・ルピア》を手札に戻し、パワー4000以下をすべて破壊!」
 《エコ・アイニー》も破壊されてしまうが、しかしルカの場に並んでいた小型クリーチャー三体はまとめて一掃。夕陽は《コッコ・ルピア》を手札に逃がしているので、被害は比較的小さい。
「ほぅ、そう来るか。そしたら俺はどうするか……」
 呟きながら、引いてきたカードを見て、ルカはニヤリと微笑む。
「よし、ここはこいつだ。《電脳決壊の魔女 アリス》召喚! 効果で三枚引き……一枚を山札上に、一枚を山札下に戻す。さらにこいつだ! 《無法のレイジエッグ》!」


無法の(アウト)レイジ・エッグ 水文明 (4)
クリーチャー:エッグ 2000
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。そのカードが進化ではなく、エグザイルでもないアウトレイジであれば、このクリーチャーを破壊してそのアウトレイジをバトルゾーンに出す。
このクリーチャーは攻撃することができない。


「《エッグ》か……」
 現れたのは、一言で言って卵。
 エッグの種族を持つクリーチャーは、指定された能力の条件を満たしたとき、自壊することでクリーチャーを踏み倒すことができる。
「あからさまにクリーチャーを仕込んだな……!」
 《アリス》から続けて召喚したため、山札の一番上の仕込みは万全。不発ということはまずないだろう。
 手札がないところに《アリス》で引いたのをそのまま出したので、大型クリーチャーが出るという確証はないが、警戒するに越したことはない。
「とはいえ、こっちも手札がないしな……とりあえず、《コッコ・ルピア》を召喚。続けて《セルリアン・ダガー・ドラゴン》を召喚して、二枚ドロー」
 《エコ・アイニー》のお陰でマナは十分にある。《コッコ・ルピア》もいるので、大抵のドラゴンは召喚可能だ。
「さて、ここからどうするか……《エッグ》が怖いし、下手にシールド割って手札が増えるのも嫌だから、ここはターン終了だ」
 前回と違い、今回は手札もあり、スピードアタッカーで攻められる。
 そう思って、それ以上は何もせずにターンを終えた。
「なら、俺のターン。《無法のレイジ・エッグ》の効果発動! 《エッグ》を割ってアウトレイジをバトルゾーンに!」
 カタカタと《エッグ》が揺れる。その揺れが最高潮に達した時、殻が破れ、新たな無法者が誕生する。


「偽りなき偽り! 無法の策士よ、愚鈍な弱者を陥れろ! 《偽りなし ゾルゲⅩⅢ》!」


偽りなし(コードレス) ゾルゲⅩⅢ(ザ・サーティーン) 水/火/自然文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーまたは自分の他のアウトレイジをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選んでもよい。そうした場合、その2体はバトルする。
自分のアウトレイジがバトルに勝った時、カードを1枚引いてもよい。
W・ブレイカー


 《エッグ》を割って誕生したのは、エイリアンとハンターの抗争を引き起こし、パンドラ・スペースに星を落とした、未知なる存在であるアンノウン《偽りの名 ゾルゲ》《偽りの名 13》が無法の力を得て転生し、融合したクリーチャー。偽りのなき無法者《偽りなし ゾルゲⅩⅢ》だった。
「っ、よりによって《ゾルゲⅩⅢ》かよ……!」
 《偽りなし ゾルゲⅩⅢ》の力は《13》よりも《ゾルゲ》に近い。その知略により、場にアウトレイジが出るたびに相手クリーチャーと強制的にバトルさせることができる。
「《ゾルゲⅩⅢ》の能力発動! 《セルリアン・ダガー》と《ゾルゲⅩⅢ》を強制バトル! 《セルリアン・ダガー》をバトルで破壊し、一枚ドロー!」
 元の《ゾルゲ》と違い、《ゾルゲⅩⅢ》はアウトレイジだけが相手としかバトルできないが、代わりにバトルに勝利するたびに一枚ドローし、堅実にアドバンテージを取っていける。
「参ったな、どうやってこいつを対処するか……」
「おいおい、なに言ってんだよ。俺のターンはまだ始まったばかり、これからが本番だ。《蛙跳び フロッグ》を召喚、さらに《フロッグ》もタップして3マナ生み出し、呪文《母なる星域》!」
 母なるマナに、星の聖域を示す紋章が浮かび上がる。その中に《フロッグ》は吸い込まれ、代わりに現れたのは——
「《アリス》進化!」
 ——進化した、無法者だ。

「超音速にして超高速! 無法の超竜よ、英雄の意志を継承し突き抜けろ! 《超竜の潮流 コンコルド》!」


超竜の潮流(ヴァルキリー・アース) コンコルド 火/自然文明 (9)
進化クリーチャー:アウトレイジMAX 13000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化—自分のアウトレイジ1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ進化ではないアウトレイジを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー


 《星域》から飛び出したのは、龍を思わせる意匠にジェット機が擬人化したような無法者。自然文明を代表するアウトレイジ《超竜の潮流 コンコルド》。
「《コンコルド》の能力発動! マナゾーンの《ジャッキー》をバトルゾーンへ!」
「今度は《ジャッキー》か……!」
 《コンコルド》の能力は、アウトレイジ版の《超竜ヴァルキリアス》とも言える。少々制限は厳しくなっているものの、軽量から重量まで層の厚いアウトレイジならば、本家と遜色ない力を発揮するだろう。
 そして《コンコルド》の呼びかけに応じ、その追い風に乗って現れたのは《ジャッキー》。
「まだだ! 《ゾルゲⅩⅢ》の能力で、《コンコルド》と《アブドーラ・フレイム》を、《ジャッキー》と《コッコ・ルピア》を強制バトル!」
「うっ、やばい……!」
 連続で現れた大型アウトレイジに、夕陽のクリーチャーは破壊されてしまう。
「アウトレイジがバトルに勝ったのでドロー。《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》召喚! そして、《ジャッキー》で攻撃だ!」
 遂に攻めて来るルカ。最初に殴り掛かって来るのは《ジャッキー》。能力で山札のトップが墓地へと落ちる。
 また《クロック》が出てターンが終わってくれればよいが、そんな何度も夕陽に都合のよいクリーチャーは出ない。

「想定外の規格外! 無法の飛竜よ、重くも淡き常識を突き破れ! 《規格外 T.G.V》!」


規格外(フレーミング・ジェット) T.G.V(トリプル・ジェントル・ボルケーノ) 水/火文明 (6)
クリーチャー:アウトレイジMAX 5000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー
スリリング・スリー:アウトレイジ
T3—このターン、このクリーチャーはシールドをさらに1枚ブレイクする。


 《ジャッキー》の咆哮により山札から飛び出したのは、無法者となりアウトレイジと化した《フレミングジェット・ドラゴン》、その名も《規格外 T.G.V》。
 基本性能は本家とほぼ変わらない。つまり、
「そして、能力発動! スリリング・スリー、アウトレイジ!」
 山札の上から三枚が捲られる。捲られたのは《終末の時計 ザ・クロック》《飛散する斧 プロメテウス》《疾封怒闘 キューブリック》。三枚ともアウトレイジだ。
「全てヒット! このターン《T.G.V》はQブレイカーだ!」
 だが、そのブレイク数が生きるかどうかは疑問が残る。
 なぜなら、その攻撃が通るまでに夕陽が生きていられるかが、まず疑問だからだ。
 《ジャッキー》のWブレイクが炸裂し、夕陽のシールドが二枚砕け散る。
「くっ……S・トリガー! 《黒神龍オドル・ニードル》を二体バトルゾーンに!」
 なんとか二体の《オドル・ニードル》をトリガーするも、この流れは前回のデュエルと変わらない。この戦力差は、《オドル・ニードル》二体程度では覆らないのだ。
「だったら《ファルコン・ボンバー》で《オドル・ニードル》に強制攻撃! 《ゾルゲⅩⅢ》をスピードアタッカーにし、《ゾルゲⅩⅢ》でも《オドル・ニードル》を攻撃!」
 二体の《オドル・ニードル》も破壊され、
「《T.G.V》で残りのシールドをブレイク!」
 残った三枚のシールドも、《T.G.V》のQブレイクによりすべて吹き飛ぶ。
「くそっ……!」
「夕陽……」
 《アポロン》を出すこともできないまま、夕陽のシールドはゼロ、クリーチャーもおらず、攻撃を防ぐ手立てはない。
 最後の無法者が、夕陽にとどめの一撃を放つ。

「《超竜の潮流 コンコルド》で、ダイレクトアタック!」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。