二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ Mythology
日時: 2015/08/16 04:44
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)

 初めましての人は初めまして、モノクロという者です。ここでは二次板と雑談板が拠点です。

 本作では基本的に既存のカードを使用するつもりではありますが、オリジナルのカードも多数登場します。ご了承ください。

 投稿したオリキャラのデッキにキーカードや切り札を追加したり、既存の切り札級のカードや、追加した切り札に召喚時の台詞を追加しても構いません。追加したい時はその旨をお伝えください。

目次


一章『神話戦争』

一話『焦土神話』
>>1 >>2 >>6 >>9 >>12 >>13 >>14
二話『萌芽神話』
>>17 >>18 >>21 >>22
三話『賢愚神話』
>>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33


二章『慈愛なき崇拝』

一話『精力なき級友』
>>41 >>45 >>49 >>52 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61
二話『加護なき信仰』
>>63 >>64 >>66 >>70 >>71
三話『慈悲なき女神』
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76
四話『表裏ある未来』
>>77 >>78


三章『裏に生まれる世界』

一話『裏の素顔』
>>79 >>80 >>81 >>82 >>85 >>86 >>91 >>92 >>94
二話『裏へと踏み入る者』
>>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101


四章『summer vacation 〜夏休〜』

一話『summer wars 〜夏戦〜』
>>103 >>106 >>107 >>110 >>111
二話『summer festival 〜夏祭〜』
>>112 >>113 >>114 >>117
三話『summer ocean 〜夏海〜』
>>118 >>121 >>127 >>128 >>129 >>132 >>141 >>148


五章『雀宮高等学校文化祭店舗名簿』

一話『ガーリックトーストレストラン』
>>152 >>153 >>156 >>157 >>158 >>160 >>162 >>163 >>164 >>167
二話『ロイヤルミルクティーカフェテリア』
>>168 >>169 >>170 >>173
三話『ゾロアスター教目録』
>>174 >>175
四話『天の羽衣伝説調査』
>>185 >>186
五話『日蓮宗体験記録』
>>187 >>190
六話『天草四朗時貞絵巻』
>>191 >>192
七話『後夜祭・神々の生誕劇場』
>>193 >>202 >>206 >>207


六章『旧・太陽神話』

一話『序・太陽神話』
>>208 >>212 >>213
二話『破・太陽神話』
>>214 >>217 >>218 >>219 >>221 >>222 >>223 >>224 >>231 >>235 >>236 >>243 >>244
三話『急・太陽神話』
>>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>279 >>282 >>285 >>292


七章『続・太陽神話』

一話『再・太陽神話』
>>293 >>299 >>300 >>303 >>304 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>338 >>341 >>342 >>343 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365
二話『終・太陽神話』
>>366 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>380 >>381 >>382 >>383 >>384 >>385 >>386 >>387
三話『新・太陽神話』
>>393 >>395 >>396 >>397 >>398 >>399 >>402 >>403 >>404


八章『十二神話・召還』

一話『焦土神話・帰還』
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409
二話『海洋神話・還流』
>>410 >>411 >>412 >>413 >>415
三話『萌芽神話・還却』
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>423 >>424


九章『聖夜の賢愚クリスマス・ヘルメス

一話『祝祭の前夜ビフォア・イヴ
>>425
二話『双子の門番ツインズ・ゲートキーパー
>>426 >>429 >>430 >>431
三話『祝宴の闘争パーティー・バトル
>>432 >>433 >>434 >>435 >>436 >>437 >>438 >>439 >>440
四話『知将の逆襲ノウレッジ・リベンジ
>>441 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447


第十章『月の下の約束です』

一話『月影の同盟です』
>>468 >>469 >>470 >>471 >>472 >>473
二話『月夜野汐です』
>>486 >>487 >>489 >>490 >>491 >>492
三話『私の先輩です』
>>493 >>496 >>497 >>498 >>499 >>500 >>503 >>506 >>507 >>508


第十一章『新年』

一話『初詣』
>>512 >>513 >>514 >>515 >>516 >>519 >>520 >>521 >>522 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>530 >>531 >>532 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542 >>543 >>544 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550 >>553 >>554 >>557 >>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>566 >>567 >>568 >>571 >>572 >>573


十二章『空城夕陽の義理/光ヶ丘姫乃の本命』

一話『誕生日/バレンタインデー』
>>577 >>578 >>579 >>580 >>583 >>584
二話『軍人と探偵と科学者と/友人と双子と浮浪者と』
>>585 >>586 >>587 >>590 >>591 >>592 >>593 >>594 >>595 >>596 >>597 >>598 >>599 >>600 >>601 >>602 >>603 >>604 >>605 >>606
三話『告白——/——警告』
>>609 >>610


十三章『友愛「親友だから——」』

一話『恋愛「思いを惹きずって」』
>>616 >>617
二話『敬愛「意志を継ぎたい」』
>>618 >>619
三話『家族愛「ゆずれないものがある」』
>>620 >>621 >>622 >>627 >>628 >>629 >>630 >>631 >>632 >>633 >>634 >>635 >>636
四話『親愛「——あなたのことが大好きです」』
>>637



コラボ短編
【1——0・メモリー(タクさんコラボ)】
外伝『Junior to connect』

一話『Recollection』
>>474
二話『His outrage』
>>475 >>476 >>477 >>478 >>480
三話『My junior and his friend』
>>482



デッキ調査室
№1『空城夕陽1』  >>95
№2『春永このみ1』 >>102
№3『御舟汐1』 >>136 >>137

人物
>>34
組織
>>35
フレーバーテキスト
>>574

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.331 )
日時: 2014/01/05 23:58
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 葵とジュリアのデュエル。
 まだシールドは互いに五枚で、どちらが優勢とも言えない状況だ。
 葵の場には《冥界の影ラビリンス・ローズ》が一体。《ブラッディ・クロス》や《ボーンおどり・チャージャー》で墓地を増やしている。
 対するジュリアの場にはクリーチャーなし。《エナジー・ライト》や《ブレイン・チャージャー》で、こちらは手札を増やしている。
「私のターン。《無敵城 シルヴァー・グローリー》を要塞化」


無敵城 シルヴァー・グローリー 光文明 (6)
城—自分のシールドをひとつ選び、このカードを付けて要塞化する。 その要塞化されたシールドがシールドゾーンから離れた時、このカードを自分の墓地に置く。
自分のクリーチャーはすべてのバトルに勝つ。
この城を付けて要塞化したシールドが他の城によって要塞化されていなければ、そのシールドが相手のクリーチャーにブレイクされる時、かわりに自分のシールドを1枚手札に加えてもよい。


 光文明の本拠地《シルヴァー・グローリー》は、《無敵城》の名にふさわしい力を備えている。《シルヴァー・グローリー》が放つ光は、味方に無敵の力を与え、戦闘では必勝となる。
 即ち、バトルでは必ず勝利するのだ。
「《シルヴァー・グローリー》は厄介ですが、相手のクリーチャーは相変わらずゼロ……ここは攻めます。まずは呪文《リバース・チャージャー》で墓地のクリーチャーを回収。そして回収した《埋葬虫ベリアル・ワーム》を召喚」


埋葬虫ベリアル・ワーム 闇文明 (3)
クリーチャー:パラサイトワーム 3000
E・ソウル
ブロッカー
このクリーチャーは、攻撃することができない。
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から2枚を墓地に置く。


 葵のデッキはE・ソウルのクリーチャーが持つ固有能力、返霊を生かした闇単色のビートダウンデッキ。
 返霊は指定された枚数、墓地のカードを山札に戻すことで発動する能力。墓地はデュエルが進めば自然と増えていくが、意外と早期に溜めるのは難しいもの。しかし《ベリアル・ワーム》は毎ターン山札を墓地に落とすことで、それをサポートしている。
「さらに《ラビリンス・ローズ》で攻撃、返霊3発動です! 墓地のカードを三枚、山札の下に戻し、カードを一枚ドローします」
 手札を補充しつつ、ジュリアのシールドがブレイクされる。先にシールドが割られたのはジュリアだ。
「ですがまだ一枚……私のターン。呪文《エナジー・ライト》で二枚ドロー。さらに《神令の精霊ウルテミス》を召喚」
 出て来たのは軽量エンジェル・コマンドの《ウルテミス》。パワーなら《ラビリンス・ローズ》の方が上だが、《シルヴァー・グローリー》のせいで迂闊に攻撃できない。
「……とりあえず、《ベリアル・ワーム》の能力で山札を二枚墓地へ。《ボーンおどり・チャージャー》でさらに二枚墓地へカードを落とします」
 なにはともあれ、返霊を生かすには墓地が必要だ。葵はとにかく墓地を増やし、
「そして《黒輝死爵クローズΖ》を召喚」


黒輝死爵クローズΖ(ゼータ) 闇文明 (5)
クリーチャー:ダークロード 4000
E・ソウル
返霊2
返霊—相手の闇以外のクリーチャーを1体、破壊する。


「ターン終了です」
 《ラビリンス・ローズ》では攻撃しなかった葵。どうせ《シルヴァー・グローリー》の効果で攻撃しても破壊されてしまうのだ。カードが一枚引けるとはいえ、墓地のカードも三枚なくなるので、ここは攻めないでおく。
「攻めて来ませんか、ならこちらは防御を固めさせていただきますわ。《ブレイン・チャージャー》を発動、カードを一枚ドロー。さらに《無限の精霊リーサ》を召喚ですわ」
 バトルに勝てばアンタップするブロッカー《無限の精霊リーサ》。その名の通り、勝ち続ける限り無限に起き上がる。
 しかもジュリアのシールドには《シルヴァー・グローリー》が要塞化されているので、《リーサ》は必ずバトルに勝つ。即ち、攻撃では絶対に突破できないのだ。
「ターンエンド」
 ジュリアの場には無敵のブロッカーが二体。今の葵では、これを突破するのはほぼ不可能だろう。
「……私の、ターン」
 まず《ベリアル・ワーム》の効果で山札が二枚墓地へ落ちる。
 そして、
「! これです……《殲滅の英雄ハンニバルΖ》召喚!」
 現れたのは、数多の敵を破壊する《Ζ》の英雄《ハンニバルΖ》。
 《ハンニバルΖ》の返霊は他のE・ソウルとは格が違う、地獄返霊。攻撃時に、墓地があればあるほど好きな回数発動でき、敵を殲滅していくのだ。
「墓地にカードは九枚、なら……《ラビリンス・ローズ》でシールドブレイクです」
「……《リーサ》でブロック、バトルに勝ったのでアンタップします」
 返霊能力も使わず、無駄に破壊される《ラビリンス・ローズ》。しかし、そこまで無駄なことでもなかった。
 葵の墓地にはこれでカードが十枚。次のターン《ベリアル・ワーム》の能力で二枚増えれば十二枚。《ハンニバルΖ》の地獄返霊4で十二枚のカードを山札に戻せば、ジュリアの三体のクリーチャーを一掃できる。
 そう、考えていたのだが、
「その思考、浅はかですわね。私のターン、まずは《ウルテミス》を進化《聖霊王エルフェウス》」


聖霊王エルフェウス 光文明 (5)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド 9500
進化—自分のエンジェル・コマンド1体の上に置く。
相手クリーチャーはタップされた状態でバトルゾーンに出る。
W・ブレイカー


 《ウルテミス》から進化したのは、封印の力を持つ聖霊王《エルフェウス》だ。
 これで葵は、バトルゾーンにクリーチャーを出しても、タップされて出るためすぐに破壊されてしまう。しかも、ここでも《シルヴァー・グローリー》が効果を発動し、どんなに大型のクリーチャーを出しても破壊されてしまう。
「でも、次のターンには《ハンニバルΖ》で……」
「甘いですわね。《エルフェウス》を出しただけで終わる私ではありません。続けて呪文《スーパー・スパーク》」
 次の瞬間、眩い雷光が放たれ、葵のクリーチャーはすべてタップ状態となってしまった。
「……!」
「《無限の精霊リーサ》で攻撃です」
 《リーサ》はバトルに勝てばアンタップする、それはなにもブロックした時だけではないのだ。
 自からクリーチャーに攻撃した時も、アンタップする。
「クリーチャーが、全滅……!」
 《シルヴァー・グローリー》で無敵となった《リーサ》は、タップされている《ハンニバルΖ》《クローズΖ》《ベリアル・ワーム》を攻撃しては起き上がり、次々と破壊していく。
「さらに《エルフェウス》でWブレイク」
「っ……S・トリガー発動! 《デーモン・ハンド》で《エルフェウス》を破壊!」
 無限ブロッカーの《リーサ》も潰しておきたいが、《エルフェウス》がいる限り葵はクリーチャーも出せない。ゆえに、まずは《エルフェウス》から破壊しておく。
「《エルフェウス》は破壊されてしまいましたか……ターンエンドですわ」
 シールドの枚数でも差をつけられてしまった葵。しかし手札が増えたので、逆転の可能性も見えてきた。
「私のターン《超次元リバイヴ・ホール》で墓地の《ハンニバルΖ》を回収します。そして開け、超次元の門!」
 歪んだ超次元扉が開かれ、サイキック・クリーチャーが呼び出される。
「《時空の賢者ランブル》をバトルゾーンへ!」


時空の賢者ランブル 闇文明 (7)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド 4000
E・ソウル
覚醒—自分のターンのはじめに、カード名を選んで言い、自分の山札の一番下のカードを見る。それが選んだカードであれば、それを相手に見せてから山札に加えてシャッフルし、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返してもよい。
スレイヤー


 超次元の門から降り立ったのは、闇文明の賢者《ランブル》だ。グロテスクな容姿をしているものの、その知能は闇文明屈指で、知略に富んでいる。
 ただ、スペックとしては覚醒前のクリーチャーとしても貧弱で、パワーが低く、能力もスレイヤーしかない。だがこのクリーチャーは、覚醒してからが本領を発揮するのだ。
「《ランブル》……なるほど、そのカードなら私へ対抗できますわね。しかし、そのようなクリーチャーを相手にしては、こちらも黙ったままではいられません」
 ジュリアの手札はまだ切れる様子がない。除去手段もしっかり握っていたようだ。
「呪文《スーパー・スパーク》」
 突如、閃光が放たれ、《ランブル》がタップされてしまう。スレイヤーなのでただではやられないが、次のターンの覚醒はできないだろう。
 しかもまだこれだけでは終わらない。ジュリアは、もう一枚の呪文を発動させた。

「続けて、呪文《超次元ドラヴィタ・ホール》。墓地の《エナジー・ライト》を回収」

 墓地からコスト3以下の呪文を回収できる《ドラヴィタ・ホール》。しかし、勿論それだけでは終わらない。
 今度はジュリアの超次元の扉が開く。

「開け、超次元の門……《時空の雷龍チャクラ》」

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.332 )
日時: 2014/01/06 13:06
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

奇跡の覚醒者ファイナル・ストーム XX NEX(ダブルクロス ネックス) 火文明 (20)
サイキック・クリーチャー:アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド 23000
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せる。それがドラゴンであれば、このターンの後、もう一度自分のターンを繰り返す。
Q・ブレイカー


 《ストーム・カイザー XX》が覚醒した姿は《XX》と《NEX》の力を取り込んだ、奇跡の龍だった。
 ドラゴンの力を得ることで、その時空を支配してしまう、正に奇跡のような力を持っている。
「次のターンはない、か……」
 確かにその通りかもしれなかった。《ファイナル・ストーム XX NEX》が攻撃し、山札の一番上のカードがドラゴンだった場合、自分のターンを1ターン伸ばすことができる。
 つまり、黒村のターンが訪れないのだ。
「シールドがゼロでも、相手にどんだけアタッカーがいても、相手にターンを回さなければ関係ないよね。さあ、《ファイナル・ストーム XX NEX》で攻撃! 効果発動!」
 その瞬間、嵐のような熱風が、陽花のデッキを捲り上げた。捲られたのは《超竜ヴァルト》。
 進化ではあってもドラゴン。なので、陽花は追加のターンを得られる。
「ドラゴンだから、次も私のターンだね。それじゃあ、Qブレイクだ!」
 燃え盛る大剣を振り下ろす《ファイナル・ストーム XX NEX》。その一撃で爆炎が噴き上がり、凄まじい衝撃波が放たれる。
「っ……!」
 たった一撃で四枚のシールドが吹き飛ばされた。だが、
「S・トリガー発動だ。《猛菌保聖ペル・ペレ》をバトルゾーンへ。そして《アクア・ベララー》の能力発動だ」
 陽花の山札の一番上を見て、そのカードを山札の下に沈める。
「ブロッカー? 無理無理、たった一体のブロッカーで、私の《ファイナル・ストーム XX NEX》を止められは——
「もう一枚……S・トリガーだ」
 黒村はもう一枚の輝くカードを掲げる。
「《緊急再誕》……《エメラル》を破壊し、《アクア・スーパーエメラル》をバトルゾーンへ。効果で手札とシールドを、入れ替える……ついでに《アクア・ベララー》で……お前のデッキトップは、底に沈める」
「へぇ、またS・トリガーかな? でもそのデッキじゃまともな除去はなさそうだし、ターンが回らなければ関係ない。次の攻撃行くよ!」
 次に捲られたのは《神羅マグマ・ムーン》。またもエクストラターンを得た。
「《ペル・ペレ》でブロックだ」
 なんとかその一撃を防ぐ黒村。しかし、また陽花のターンがやって来る。
「一体でちまちまやるのは時間かかりそうだなぁ……ならこれはどう? マナ進化GV! 《超天星バルガライゾウ》!」
「…………」
 マナゾーンのドラゴン三体を進化元に、アタッカーがまた一体、増えてしまった。
「まずは《ファイナル・ストーム XX NEX》で攻撃! 効果発動!」
 次に捲られたのは《超竜バジュラズテラ》。またしてもエクストラターンをもぎ取られてしまった。
「……ニンジャ・ストライク。《ハヤブサマル》を召喚し、ブロックだ」
 さらに《アクア・ベララー》の能力で、陽花の山札の一番上を見て、元に戻す。
「ここで握ってたシノビを出した……そろそろブロッカーも切れてきたかな? 《バルガライゾウ》でシールドブレイク!」
「《スーパーエメラル》でブロック」
 なんとか攻撃を凌ぐ黒村だが、しかしそろそろ限界だろう。
 陽花のデッキは起動が遅いものの、コンボが決まってしまえばほぼ勝利が確定してしまう。
 その内容は、ほぼすべてが進化アーマード・ドラゴンという極端な構成となっている。《進化設計図》で手札を集め、《強欲の開拓》でマナブースト。後は《ストーム・ホール》から《ストーム・カイザー XX》を《ストーム・カイザー XX NEX》に覚醒させ、エクストラターンを得て押し切るだけだ。
 つまり、覚醒までされてしまえば、もう相手のターンは訪れない。一回、二回でも追加ターンを得られれば、《ファイナル・ストーム XX NEX》の打点で押し切ってしまえるので、デッキの七割ほどがドラゴンで占められているこのデッキなら、追加ターンを得ることなど容易。
 ここまで勝負がもつれ込んだ時点で、黒村の敗北はほぼ確定していたと言っても過言ではないのだ。
「またまた私のターンだね。まさかここまで粘られるとは思ってなかったけど、ブロッカーもシノビももう弾切れだろうし、このターンで終わらせるよ! まずはデッキ進化! 《ボルガウルジャック》を進化元に、《超竜ヴァルト》を召喚!」
 さらに殴り手が増えてしまった。これで陽花のアタッカーは三体。対する黒村は、ブロッカーもシノビもいない、シールドは残り一枚だ。
 そのシールドは《アクア・スーパーエメラル》で仕込んだシールドだが、そのS・トリガー一枚でこの重量級ドラゴン三体を止められるのか。
 そして、遂に奇跡の覚醒者が動き出す。
「《ストーム・カイザー XX NEX》で攻撃!」
 その時、効果が発動。
 ここでまたドラゴンが捲れれば、陽花の追加ターンが得られる。なくても十分だが、《スーパー・スパーク》などの相手全体をタップさせる呪文が来る可能性を考えれば、できればターンを追加しておきたい。
 《ストーム・カイザー XX NEX》の咆哮と共に灼熱の嵐が巻き起こり、陽花のデッキを舞い上げる。そして、
「え……?」
 陽花は目を丸くした。舞い上げられたカードは、いつもなら来るはずのカードではなかったのだ。それは——

 ——《進化設計図》だ。

「なんで……?」
 いつもならここでドラゴンが捲れていた。勿論、山札の一番上を参照するのだから、運が絡む。不発になることもないわけではない。
 しかし、今回ばかりはそうではなかった。
「……お前は、頭が悪そうだが」
 頭を痛そうに押さえている黒村が、ゆっくりと口を開く。
「俺はこう見えて、理系だったんだ……確率の計算くらいは、できる……」
「確率……?」
 なんのこと、とでも言いたげな陽花。しかし、黒村の場のクリーチャーを見て、ハッと気づく。
「《アクア・ベララー》……!」
「そうだ」
 本来なら、自分の山札の上にカードを積み込んだり、相手の山札操作を妨害する目的で使われる《アクア・ベララー》だが、黒村は今回、それらとはまた違う用途で能力を使っていた。
 簡単に言えば、陽花のデッキを見て、ドラゴンなら山札の底へと送り込んでいたのだ。そうすることで、山札の上にあるドラゴンの比率を少なくし、早く呪文が捲れるようにした。呪文が見えたなら、そのまま戻せばいい。
 こうして《ファイナル・ストーム XX NEX》が追加ターンを得ること妨害していたのだ。
「ただ、思いのほか、ドラゴンばかり出て来たがな……」
「っ、でも、追加ターンがなくなったってだけで、まだ負けたわけじゃないよ! 私の場にはまだドラゴンが二体残ってる。《ファイナル・ストーム XX NEX》で、最後のシールドをブレイク!」
 黒村の最後のシールドが吹き飛ばされるが、それは光の束となって収束する。やはりS・トリガーを仕込んでいたようだ。
「S・トリガー発動……《神託の守護者 胡椒》を召喚」
「スパーク呪文じゃなかった……残念だったね。ブロッカー一体じゃ、私のドラゴンは止まらないよ! 《バルガライゾウ》でダイレクトアタック!」 
「どうだかな……《胡椒》でブロック」
 《バルガライゾウ》の攻撃は《胡椒》で防ぐ。バトルに負けた《胡椒》は破壊され、そして、
「《胡椒》が破壊され、能力発動……墓地の《ハヤブサマル》を回収」
「っ、またブロッカー……!」
 これでは、残った《ヴァルト》でとどめを刺すことができない。
 ギリギリまで追い込んでいたはずなのに、いつの間にか追い込まれてしまっていた。
「……《ヴァルト》で、ダイレクトアタック!」
「ニンジャ・ストライク《ハヤブサマル》を召喚し、ブロックだ」
 砕け散った《ハヤブサマル》。しかしこれで、陽花の場にアタッカーはいない。
「……次の俺のターンは、来なかったんじゃなかったのか?」
「うぅ……!」
 悔しそうに歯を噛みしめる陽花。四ターンも連続でプレイしておきながら、こんな形で逆転されては、悔しくはないだろう。
 遂に自分のターンが回り、黒村は自分のクリーチャーを一体、横に曲げる。
「《カブラ・カターブラ》で、ダイレクトアタック」



 神話空間が閉じ、陽花と黒村は現実の空間へと戻ってくる。
「負けた……でも、私が負けたくらいじゃあ【師団】は止まらないよ。とりあえずは撤退だ!」
 陽花は窓枠に手をかけると、そのまま飛び降り、颯爽と去って行ってしまった。
 正に、あっという間もなく。瞬く間に消え去った。
「……校舎を飛び下りるな」
 力なく呟くと、黒村は遂に堪えきれなくなったようにその場にへたり込んでしまう。
「はぁ、はぁ……思った以上にきついな、これは……」
 本棚を背にし、ポケットから一枚のカードを取り出す。
「《守護神話》……自分だけは守れぬ盾、か……」
 霞む視界でそのカードを見つめる黒村。

 やがて、彼の意識は闇へと沈んでいった。

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.333 )
日時: 2014/01/07 13:26
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 九頭龍と龍泉のデュエルは、九頭龍が追い込まれていた。
 シールドは残り二枚。場にクリーチャーはおらず、《ベートーベン》は墓地へと落とされてしまった。
 対する龍泉の場には《極仙龍バイオレンス・サンダー》《腐敗無頼トリプルマウス》《緑銅の鎧》の三体。シールドはまだ五枚残っている。
「……仕方ない。これに賭けるか」
 九頭龍は今しがた引いてきたカードを発動する。
「呪文《運命》」
 九頭龍は山札からカードを五枚引く。そしてそれらの手札は、龍泉の目の前まで移動した。
「こんな状況でこんなこと言うのもなんだけど、運命の選択権は君にある。君の運命は、君が決めてくれ」
「……はっ」
 九頭龍の言葉を、龍泉を鼻で笑い飛ばす。
「んなこと言われるまでもねえな。俺の運命は勝利! お前の運命は敗北! それ以外はねえ」
 と言って、選んだ三枚のカードを投げつけた。残るカードは九頭龍の手元に戻ってくる。
「選んだカードを投げる人なんて初めてだ……乱暴だなぁ。とりあえず公開だ」
 龍泉が選んだ三枚のカードは《黒神龍オドル・ニードル》《フェアリー・ライフ》《王龍ショパン》の三枚だった。
 ドラゴンでない《フェアリー・ライフ》も九頭龍の手札へと戻っていき、ドラゴンである二体はバトルゾーンに出る。
「《オドル・ニードル》はタップ状態でバトルゾーンへ。《ショパン》は能力発動、《トリプルマウス》とバトルして破壊だ」
 クリーチャーの数を減らし、《オドル・ニードル》で攻撃も牽制できるが、しかしそこまでだ。10マナも払って残せた結果が、たったこれだけである。
「ギャハハハハ! どうやら最高の三枚を引いたようだな!」
「……どうかな。ターンエンド」
 《運命》でほとんどマナを費やしてしまったため、このターンは終了する九頭龍。
 そして、龍泉のターンが回ってきた。
「……来たぜ、最高だ!」
 ドローしてきたカードを見るや否や、龍泉は突然叫び出す。
「《無頼勇騎ウインドアックス》を召喚、マナを追加! 《熱湯グレンニャー》も召喚し、一枚ドロー!」
 最高と言う割には、地味な動きだ。しかし、彼の言う最高はここからだった。
「《インビンシブル・スーツ》をジェネレート。そして、この呪文だ! 《母なる星域》!」
 前のターン、《バイオレンス・サンダー》を呼び出した呪文《母なる星域》。
 それがまた、詠唱されたということは、
「《グレンニャー》をマナへと送り込み、マナゾーンからこいつを引っ張り出す。《ウインドアックス》進化!」
 《ウインドアックス》が光に包まれ、同時に雷鳴が轟く。光もやがて雷光へと変化し、雷の中からさらなる龍が誕生する。

「《極仙龍バイオレンス・サンダー》!」

 現れたのは、二体目の《バイオレンス・サンダー》だった。
 一体だけでも膨大なアドバンテージを叩き出す《バイオレンス・サンダー》。それが二体も並べば、オーバーキルどころではなくなる破壊力が生み出されるだろう。
「どうせお前のシールドは残り二枚だ。極仙の雷で消し飛ばしてやるよ! ギャハハハハ!」
 狂ったように高笑いする龍泉。だが今の状況は、圧倒的に龍泉が有利だ。
「まずは《緑銅の鎧》で《オドル・ニードル》を攻撃! 相打ちで破壊だ!」
 元より《バイオレンス・サンダー》で殴るとは思わないが、攻撃を牽制する《オドル・ニードル》が消え去ってしまった。
「そして、一体目の《バイオレンス・サンダー》で残りのシールドをすべてブレイク!」
 《バイオレンス・サンダー》の轟雷が放たれる。同時に《ショパン》と九頭龍の手札が三枚墓地へと叩き落とされた。
「二体目の《ベートーベン》が落ちたか! さっき《運命》で引いた奴か? 残念だったなぁ、折角引いたのに出せねえで!」
「……ちょっと黙ってもらいたいなぁ」
 皮肉ってもハイテンションになった龍泉はまるでこちらの言葉に耳を貸さない。正直、鬱陶しいだけだった。
 直後、九頭龍のシールドがすべて吹き飛ぶ。
「ギャハハハハ! これでとどめだ! 《バイオレンス・サンダー》で、ダイレクト——」
 アタック、と言う直前に、九頭龍からストップがかかる。
「待った、S・トリガー発動。《黒神龍オドル・ニードル》をバトルゾーンに出すよ」
「……ちっ、運がいいな」
 勢いを削がれ、不愉快そうに舌打ちする龍泉。しかし、
「だがどの道お前は次のターンで終わりだ。俺のシールドは五枚。仮に次のターン《バイオレンス・サンダー》を除去できたとしても、これだけ手札があればすぐにリカバリできる。とっとと諦めたらどうだ?」
「勝てなければ諦めるけどね。ただ、僕は君の選択した運命の通り動くだけさ」
 そんなことを言う九頭龍に、龍泉は意味不明と言うように首を傾げ、
「……まあいい。《オドル・ニードル》が邪魔だが、残しておけば返しのターンにはタップ状態の《バイオレンス・サンダー》が破壊される。ならここは選択肢を狭めておくべきだな。もう一体の《バイオレンス・サンダー》で《オドル・ニードル》を攻撃!」
 《ダイオレンス・サンダー》と《オドル・ニードル》は相打ちで両方とも破壊される。
「へぇ、感情的なようでいて、そこそこ脳みそはあるんだ。人は見かけによらないって言うか、頭いい人ほど人格とか性格とか破綻してるものだよね」
 などと軽口を叩きつつ、カードを引く九頭龍。そして、
「……君はさっき選んだ三枚を、最高のカードって言ったね」
「あ? そうだな、お前にとっては最悪だろうがな」
「そうだね、最悪ではないけど、普通に考えればいいカードを引いてもらえなかったと嘆くだろう。でも、運命っていうのは、なにも“選択したもの”だけが繋がるわけじゃない」
 どこか意味深な九頭龍の言葉に、龍泉は疑問符を浮かべている。
「はぁ? なに言ってんだよお前。なんでもいいから、早くターン終わらせろよ」
「まあまあ、そう急かさないでよ……次のターンなんて、来て欲しくなくなるだろうから」
 そして九頭龍は、手札のカードを一枚抜き取る。
 刹那、荘厳な戦慄が響き渡った。

「——《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》」

 直後、バトルゾーンが吹き飛んだ。
「……っ!?」
 一瞬にしてクリーチャーを一掃された龍泉は、今の状況に理解が追いついていないようだった。しかし、やがてその状況を認識する。
「君がこのカードを選んでくれなくて助かったよ。もし選ばれてたら、クリーチャーを除去できなくて普通にとどめを刺されてた。お礼を言いたいくらいだよ、ありがとう」
「っ、ぐぅ、てめぇ……!」
 九頭龍の言葉、そして現状に呻く龍泉。
 《VAN・ベートーベン》は、召喚してバトルゾーンに出した時、相手クリーチャーをすべて手札に戻す能力がある。さらに、相手がコマンドがドラゴンをバトルゾーンに出せば、問答無用で墓地へと落とされてしまう。
 つまり、実質的に龍泉はもう《バイオレンス・サンダー》を出せないのだ。
「さ、君のターンだよ。このターンで僕にとどめを刺すんだっけ?」
「この野郎……!」
 歯噛みする龍泉。龍泉のデッキは《バイオレンス・サンダー》を出すことに特化しているため、他のフィニッシャーとなるようなカードはない。《VAN・ベートーベン》に太刀打ちできるだけのカードはほとんど入っていないのだ。
「だが、奴のシールドはもうゼロだ。こうなっちまったからには《バイオレンス・サンダー》は諦めるしかねえ」
 などと言って、龍泉は攻め方を変えてきた。
「俺のターン! まずは《グレンニャー》を召喚して一枚ドロー! 《ウインドアックス》を召喚してマナを追加! 《緑銅の鎧》を召喚し、山札から《スーパー炎獄スクラッパー》をマナゾーンへ! さらに《ジャスミン》も召喚! 破壊はしないぜ」
 小型だが、一気にクリーチャーを四体揃えた。これなら、並みの除去では対応できないだろう。
 並みでは、だが。
「《偽りの王 モーツァルト》を召喚。ドラゴン以外はすべて破壊するよ」
「なんだと……!?」
 生憎、キング・コマンド・ドラゴンに並みのクリーチャーは存在しない。並んだ龍泉のクリーチャーは一瞬で消滅した。
「くそっ、《グレンニャー》《ジャスミン》《青銅の鎧》《トリプルマウス》を召喚! 《トリプルマウス》に《インビンジブル・スーツ》をクロス!」
 今度も四体のクリーチャーを並べるが、それも無駄だった。
「《メッサダンジリ・ドラゴン》を召喚。続けて《真実の王 ヴィオラ・ソナタ》を召喚。《トリプルマウス》を破壊して、墓地から《オドル・ニードル》を復活」
 追加のドラゴンを呼び、さらに《オドル・ニードル》とのコンボで防御まで固めてしまう。
 こうなってしまったら、逆転はほぼ不可能。
「《メッサダンジリ》の能力で《ヴィオラ・ソナタ》はスピードアタッカーだ。Tブレイク」
 意趣返しのつもりか《ヴィオラ・ソナタ》の雷が龍泉のシールドを三枚砕く。
「《モーツァルト》でブレイク」
 残った二枚のシールドも、《モーツァルト》の咆哮ですべて吹き飛んだ。
 最後に残ったのは小さなクリーチャーたちと、龍泉のみ。

「《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》で、ダイレクトアタック——」

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.334 )
日時: 2014/01/07 23:41
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

時空の雷龍チャクラ 光文明 (7)
サイキック・クリーチャー:アポロニア・ドラゴン 5500
H・ソウル
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
ホーリー・フィールド
HF—覚醒—自分のターンのはじめに、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。


 超次元の門より現れたのは、雷光を放つ龍《時空の雷龍チャクラ》。
 これ単体では淡泊なスペックだが、このカードの強さは覚醒後、そして覚醒のしやすさにある。
 葵のデッキはE・ソウルをメインとしたデッキ、E・ソウルが墓地のカードを山札の戻して発動する返霊を使いこなすのなら、《チャクラ》はH・ソウルが持つ固有能力ホーリー・フィールドで覚醒する。
 ホーリー・フィールドは、自分のシールドが相手以上の時に発動する能力だ。つまり、《チャクラ》はシールドの枚数が相手以上なら覚醒するのだ。
「さらにG・ゼロで《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》を召喚。《リーサ》で《ランブル》を攻撃し、ターンエンドです」
 《ランブル》のスレイヤー能力で《リーサ》も破壊されるが、これで葵の場にはなにもなく、ジュリアの場には《ブラッディ・シャドウ》覚醒条件を満たした《チャクラ》がいる。
「これは、厳しいですね……私のターン」
 クリーチャーはゼロ、手札も少なく、巻き返しは難しい状況。
 それでも、葵は諦めていない。
「《超次元リバイヴ・ホール》を発動! 墓地から《封魔ベールゼブブ》を回収し、超次元ゾーンから《時空の賢者ランブル》をバトルゾーンに! さらに回収した《ベールゼブブ》を召喚です!」
 手札を使い切ってクリーチャーを展開する葵だが、最も邪魔な《チャクラ》を除去することができす、ターンを終える。
「またしても《ランブル》を出してきましたか。しかし、もう遅いですわよ。私のターン」
 ジュリアのドローが始まる直前、ジュリアのシールドが光り輝く。
「私のシールドは四枚、あなたのシールドは三枚。シールドの枚数は私の方が多いので、《チャクラ》ホーリ・フィールド発動、覚醒します」
 次の瞬間、シールドの光を浴びた《チャクラ》が、その光の中で巨大化していく。剣のような翼と、薄く輝く羽を得たその姿は、偉大であった。

「《時空の雷龍チャクラ》覚醒——《雷電の覚醒者グレート・チャクラ》」


雷電の覚醒者グレート・チャクラ 光文明 (14)
サイキック・クリーチャー:アポロニア・ドラゴン 13500
H・ソウル
ブロッカー
ホーリー・フィールド
HF—自分の「ブロッカー」付きクリーチャーの、攻撃できない効果はすべて無効になる。(ただし、召喚酔いは無効にならない)
T・ブレイカー
解除


 バチバチと電光を鳴らして覚醒した《グレート・チャクラ》。
 ホーリー・フィールドで自軍のブロッカーを攻撃できるようにする能力を持つが、そもそもこのクリーチャー自体の打点も高い。
 加えて除去耐性が高いのも強みだ。解除持ちなので、一度除去しても《チャクラ》に戻ってしまう。しかもその《チャクラ》も、自分のターンの初めにシールドの枚数が相手以上ならまた覚醒する。つまり、シールドの枚数を減らさない限り《グレート・チャクラ》が立ち塞がるのだ。
「Tブレイカーの《グレート・チャクラ》と、攻撃可能となった《ブラッディ・シャドウ》でとどめまでは行けますが……念のためです。《リバース・チャージャー》で墓地の《無限の精霊リーサ》を回収し、そのまま召喚です。さらに呪文《エナジー・ライト》で二枚ドロー」
 このターン、使えるだけのマナを使い、遂に攻めてくるジュリア。
「では……参りますわ。《グレート・チャクラ》でTブレイク」
「っ……!」
 《グレート・チャクラ》が咆哮し、何対もの翼と羽、そして腕から、激しい雷撃が放たれる。その一撃で、葵のシールドはすべて砕け散った。
「さあ、これでとどめですわね。《ブラッディ・シャドウ》で——」
 と、ジュリアが言いかけた時。
 葵のシールドのうち一枚が、光の束となって収束する。
「……S・トリガー発動《デーモン・ハンド》! 《ブラッディ・シャドウ》を破壊です!」
 光の束はすぐさま真っ黒に染まる。漆黒の空間から無数の悪魔の手が伸び《ブラッディ・シャドウ》を闇の中へと引きずり込んだ。
「……運がいいですわすね。しかし、《ランブル》がいるとはいえここからの逆転は厳しいでしょう」
 《グレート・チャクラ》は召喚酔いまでは無効にできないので、《リーサ》は攻撃に参加できない。しかし《リーサ》はバトルに勝てばアンタップする無限ブロッカーであり、ジュリアのシールドには《無敵城 シルヴァー・グローリー》が要塞化されているため、必ずバトルに勝利する。
 そもそもシールドも四枚残っているため、ブロッカーの多いジュリアのデッキ相手に攻め切るのは難しいだろう。
 しかし、
「私のターンですね」
 葵のターンが回ってきた。葵がカードを引く直前、《ランブル》の持つ古文書が鈍い光を放つ。
 サイキック・クリーチャーは、ある条件を満たすことで覚醒する。《チャクラ》はホーリー・フィールドで覚醒するが、《ランブル》の覚醒条件は、他のサイキック・クリーチャーとは一線を画すものだ。
「《ランブル》の覚醒条件……私の山札の底にあるカード名を言い当てれば、《ランブル》は覚醒します」
 一見すると難しそうだが、山札がシャッフルされなければ1回目でなんのカードかが分かるため、2ターンかければほぼ確実に覚醒できる。
 とはいえ相手もそんな悠長には待ってくれない。そもそもここで覚醒できなければ、次のターンにはいよいよとどめを刺されてしまうだろう。
 なのでこの一発で当てなければならないのだが、それは葵にとっては容易なことだ。なぜなら、葵のデッキはE・ソウルをメインとしたデッキ。
 E・ソウルの固有能力は返霊。返霊は墓地のカードを山札に戻すことで発動するが、その戻したカードは——山札の下へと置かれるのだ。
「宣言するカード名は《アレス・ドラグーン》です」
 葵が宣言すると、山札の底に眠っていたカードが公開される。宣言通り《アレス・ドラグーン》だった。
 これで《ランブル》の覚醒条件が達成された。直後《ランブル》の持つ古文書が次々と捲れていき、とあるページで止まる。そのページの文字が浮き上がり、暗い光を放った。

「奈落の底から湧き上がる覚醒の力……《時空の賢者ランブル》覚醒——《恐気の覚醒者ランブル・レクター》!」


恐気の覚醒者ランブル・レクター 闇文明 (14)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド 15000
E・ソウル
このクリーチャーがバトルする時、バトルするかわりにその相手クリーチャーを破壊する。
T・ブレイカー
解除


 覚醒の力を最も早く理解し、覚醒を成し遂げた第一人者である《時空の賢者ランブル》が覚醒した姿《ランブル・レクター》。
 《ランブル・レクター》は覚醒することで、戦闘を起こすことなく敵を滅する叡智を手に入れた。即ち、《ランブル・レクター》とバトルしても、そのバトルは発生せず、一方的に破壊されてしまうのである。
 この力は絶対的なもので、かの《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》や《光器パーフェクト・マドンナ》ですらも破壊してしまえる。
「覚醒されてしまいましたが……しかし、私のシールドは四枚、場には《リーサ》がいます。このターンにとどめを刺すことは不可能ですわ」
 勿論、そんなことは葵も分かっている。最初からこのターンで決められるとは思っていない。
 だから、
「《ベリアル・ワーム》を召喚! さらに呪文《デーモン・ハンド》で《リーサ》を破壊!」
「っ!」
 肝心の《リーサ》が破壊されてしまい、ブロッカーのいなくなったジュリア。だが、まだシールドは四枚だ。
「《ランブル・レクター》でTブレイク!」
 しかしそのシールドも、《ランブル・レクター》の放つ闇の波動でで、三枚一気に突き破られる。
「《ベールゼブブ》で最後のシールドをブレイク! その時、返霊3発動! 墓地のカードを三枚山札の下に戻し、墓地のコスト5以下のE・ソウルクリーチャーを呼び戻します! 二体目の《ベリアル・ワーム》をバトルゾーンに!」
 最後に残った《シルヴァー・グローリー》のシールドまでもブレイクされてしまった。互いにシールドはゼロ、数は互角だが今度はジュリアのクリーチャーが《グレート・チャクラ》一体となってしまう。
「……いや、まだです。もう一度、防御の布陣を敷いて体勢を立て直します。《ブレイン・チャージャー》で一枚ドローし、呪文《超次元ガード・ホール》。《ベールゼブブ》をシールドへ」
 そして、超次元の門が開かれる。
「《時空の支配者ディアボロス Ζ》をバトルゾーンへ。そして《グレート・チャクラ》で攻撃です」
「《ベリアル・ワーム》でブロック」
 アタッカーを減らし、ブロッカーを並べ、巻き返しを図るジュリア。
 しかし、
「《グレート・チャクラ》で攻撃したのは失敗でしたね。私のターン《リバース・チャージャー》で墓地の《B・ロマノフ》を回収。そして《ヤミノドーベル》《封魔ベールゼブブ》《落書き人形トロール》を進化元に——墓地進化GV」
 墓地の闇クリーチャー三体を進化元に、暗黒の皇帝が顕現する。
「《大邪眼B・ロマノフ》を召喚! これで私のアタッカーは二体です」
 そしてジュリアのブロッカーは《ディアボロス Ζ》が一体。シールドもなく、これらの攻撃を止めるすべはなかった。
 《B・ロマノフ》の攻撃で《ディアボロス Ζ》を失う。
 そして最後に残ったのは、自身を守る盾のないジュリアの身。

「《恐気の覚醒者ランブル・レクター》で、ダイレクトアタック!」

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.335 )
日時: 2014/01/08 22:01
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 ラトリとドグマのデュエル。
 まだシールドはお互い五枚。クリーチャーこそ並んでいるが、どちらも攻めてはいない。
 ラトリの場には《蛙跳び フロッグ》《切り刻みの レザーフェイス》の二体。
 ドグマの場には《式神シシマイ》《式神の爆獣ブラッキー》の二体だ。
「私のターン! マナゾーンのカード四枚に、場の《フロッグ》もタップして合計5マナ生み出し《飛散する斧 プロメテウス》を召喚!」


蛙跳び(ジャンピン・ジャック) フロッグ 自然文明 (2)
クリーチャー:アウトレイジ 1000
このクリーチャーがバトルゾーンにあれば、自分のマナゾーンにあるかのようにこのクリーチャーをタップしてマナを生み出してもよい。(このクリーチャーをバトルゾーンに出したターンに、この能力を使ってもよい)


 《フロッグ》は場にいる限り、マナのように扱うことのできるクリーチャーだ。ラトリは《フロッグ》の能力でもマナを生み出し、4マナの状態でコスト5の《プロメテウス》を召喚する。
「《プロメテウス》の効果で2マナ加速して、マナゾーンから《プロメテウス》を回収。ターンエンドだよ」
 ラトリが回収したのは二体目の《プロメテウス》。マナゾーンから跳ね上がったカードをキャッチして手札に加えながら、彼女は呟いた。
「うーん、いまひとつ手札がよくないなぁ……」
 しかし、ラトリのマナは現状でも四色も見えており、下手にカードを戻しても色がなくなってしまうので、仕方ないだろう。文明の多いデッキならよくあることだ。
「では、私のターンですね」
 ラトリは準備に手間取っているようだが、ドグマはわりとスムーズに進めていた。
「まずは呪文《フェアリー・シャワー》」


フェアリー・シャワー 水/自然文明 (4)
呪文
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
S・トリガー
自分の山札の上から2枚を見る。そのうちの1枚を自分の手札に加え、もう1枚をマナゾーンに置く。


 山札の上二枚を見て、一枚を手札に入れ、もう一枚はマナへと落とす。挙動は違うが、やっていることはラトリの《プロメテウス》とほぼ同じだ。
「さて、それでは次は邪魔なクリーチャーを潰しておきましょう。《シシマイ》で《フロッグ》に攻撃です」
 マナを生み出すためにタップした《フロッグ》は、《シシマイ》の攻撃であっさりと破壊されてしまった。
「《シシマイ》かぁ……こっちにはスレイヤーの《レザーフェイス》がいるのに、そっちでアタックしたってことは、手札にルックされたくなおカードでもあるのかな?」
「どうでしょう。ターン終了です」
 ラトリの言葉を受け流しながらターンを終えるドグマ。
 《式神の爆獣ブラッキー》は、ワンダー・トリックらしい一風変わった能力を持っている。


爆獣の式神ブラッキー 自然文明 (3)
クリーチャー:ワンダー・トリック/ナイト 1000
このクリーチャーがバトルする時、自分の手札を裏向きにして相手に1枚選ばせ、見せてもよい。それがクリーチャーであれば、そのターンの終わりまで、そのパワーをこのクリーチャーのパワーに追加する。


 上手くいけば、バトルだけなら絶大なパワーを得ることもあるが、その代償として手札のカードがばれてしまう。相打ちで両方破壊される可能性も考慮したのだろうが、手札に切り札を握っていると見てもよさそうだ。
「ま、いいか。私のターン、二体目の《プロメテウス》召喚!」
 さっき一体目の《プロメテウス》で回収した《プロメテウス》を召喚し、マナを溜め、マナゾーンからカードを回収する。
「ん、じゃあ《全力艦長 イカリ》を回収して、ターンエンド」
「いいんですか? そんなゆっくりで。そろそろ動き始めないと、取り返しのつかないことになりますよ?」
 ラトリに揺さぶりをかけるつもりでドグマはそう言うが、しかし揺さぶりも挑発も、ラトリには通用しない。
「だいじょぶだいじょうぶ、ノープロブレム。こっちのデッキなら私、結構ストロングだから」
「……だといいですね」
 あっさりとしたラトリの態度。軽く湧いてくる苛立ちを押し殺し、ドグマはカードを引く。
「そろそろこちらも、エンジンかけていきますよ。《式神の爆獣ブラッキー》進化」
 前のターン、ドグマが情報アドバンテージを提供せずに秘匿していたカードが、このターンで明かされる。

「護聖なる術者、ここに聖誕せよ! 《護法僧リョクドウ》!」


護法僧リョクドウ 自然文明 (5)
進化クリーチャー:ワンダー・トリック 7000
進化—自分のワンダー・トリック1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚を自分のマナゾーンに置く。その後、クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから手札に戻す。
W・ブレイカー


 《ブラッキー》から進化したのは、《護法僧リョクドウ》。ワンダー・トリック唯一の進化クリーチャーだ。
「《リョクドウ》の能力で、2マナ加速! さらに、マナゾーンから《ホワイト・ドラゴン》を回収です」
「進化クリーチャーを出した割には地味だねー」
「黙れですよ。あなたはなにも分かっていねーようですね、この《リョクドウ》の強さを。そしてデュエルで重要なのは、流れだということを」
 言って、さらにドグマは手札を使用。
「続けて《霞み妖精ジャスミン》を召喚し、即破壊。マナを追加です」
 ドグマのマナがどんどん伸びていく。後攻にもかかわらず、もうラトリとのマナの差が2マナついている。
「でも、ワンダー・トリックなんてマイナー種族をユーズするくらいなら、私みたいに《プロメテウス》にすればいいのに。そのカラーならすんなりインできるんじゃない?」
「その思考は浅はかですね。《プロメテウス》と《リョクドウ》では決定的に違う点があります。まず一つ、《リョクドウ》はマナに置いたカードをすぐに使えるので、先ほどの私のように余ったマナでカードを使えます。《プロメテウス》はマナに置いたカードがタップされるでしょう」
 そして二つ、と続け、
「《リョクドウ》はパワー7000のWブレイカー、打点も十分です。フィニッシャーとして起用することも可能でしょう。パワー1000しかない《プロメテウス》とは違うのですよ」
「へぇ……じゃあアタックする?」
「そうですね——」
 ドグマは《リョクドウ》に手をかけようとしたところで、ふと気づいた。
「っ……危ない危ない」
 これはラトリの誘導だ。言葉巧みに《リョクドウ》を攻撃させ、《レザーフェイス》による相打ちを狙っているのだろう。
(意外と抜け目ねーですね、この女……ここで《リョクドウ》を失ったとしても、もう十分な仕事はしていますし、さほど痛手にはなりません。しかし相手の策に乗るのも癪ですし、ここはまだ様子見です)
 そう結論付け、ドグマはターンを終える。
「ふぅん、アタックしないのか。なら……私のターン。まずは呪文《フェアリー・ライフ》。マナを増やして、さらに《全力艦長 イカリ》召喚!」


全力艦長(ハッスル・コマンダー) イカリ 水文明 (5)
クリーチャー:アウトレイジMAX 3000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
シールド・ゴー(このクリーチャーが破壊された時、新しいシールドとして自分のシールドに表向きのまま加える。このクリーチャーが表向きでシールドゾーンを離れる時、かわりに自分の墓地に置く)
このカードが自分のシールドゾーンに表向きであれば、自分のクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。


 
「《イカリ》の能力で《リョクドウ》をバウンス! これで残ったアタッカーは《シシマイ》オンリーだね」
「…………」
 ラトリ・ホワイトロックは、実力そのものはそこまで高くないと聞いていたが……などと思いながら、ドグマは手札に戻された《リョクドウ》を見遣る。
 手札に戻されたと言っても《リョクドウ》は進化クリーチャーだ。召喚すればすぐに攻撃できるうえに、召喚し直せばまた能力が発動する。
 それが分かっていないラトリではないと思うのだが、もしかしたら本当に分かっていないのかもしれない。なにかの策なら警戒する必要があるが。
「うーん、手札もバッドで引きもワース、合わせてワーストだよ。だったらここは、もう攻めちゃおうか。《プロメテウス》二体でシールドブレイク!」
 しかも、こんな中途半端な状態でシールドを攻めてきた。
「前に聞いた情報では、もっと慎重みてーでしたけど……初心者じゃねーんですから」
 とぼやくように言いながら、手札に入った二枚を見る。そして、
「運が悪かったみてーですね。S・トリガー発動《フェアリー・シャワー》及び《フェアリー・ライフ》! マナと手札を増やします」
 二枚ともS・トリガーで、手札に入るカードは一枚減ったが、一気に2マナも加速した。
「……《レザーフェイス》は攻撃しないで、ターン終了だよ」
「ここまで来て《レザーフェイス》では攻めないとは、なに考えてるのか分かんねー人ですね」
 なにやら怪しい匂いのするラトリだが、手札に入ったカードを見て、ドグマは攻撃に転じることにした。
「私のターンですよ。まずは呪文《フェアリー・ギフト》! 次に召喚するクリーチャーのコストを3下げ、3マナで《紅神龍ジャガルザー》を召喚!」


フェアリー・ギフト 自然文明 (1)
呪文
このターン、次に召喚するクリーチャー1体のコストを最大3少なくしてもよい。ただしコストは1より少なくならない。


 これでドグマのマナは残り7マナ。その7マナを使い切り、ドグマは《リョクドウ》の力で回収したあのクリーチャーを召喚する。

「白き鎧の覇王龍、ここに爆誕せよ! 《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》」


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