二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ Mythology
- 日時: 2015/08/16 04:44
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)
初めましての人は初めまして、モノクロという者です。ここでは二次板と雑談板が拠点です。
本作では基本的に既存のカードを使用するつもりではありますが、オリジナルのカードも多数登場します。ご了承ください。
投稿したオリキャラのデッキにキーカードや切り札を追加したり、既存の切り札級のカードや、追加した切り札に召喚時の台詞を追加しても構いません。追加したい時はその旨をお伝えください。
目次
一章『神話戦争』
一話『焦土神話』
>>1 >>2 >>6 >>9 >>12 >>13 >>14
二話『萌芽神話』
>>17 >>18 >>21 >>22
三話『賢愚神話』
>>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33
二章『慈愛なき崇拝』
一話『精力なき級友』
>>41 >>45 >>49 >>52 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61
二話『加護なき信仰』
>>63 >>64 >>66 >>70 >>71
三話『慈悲なき女神』
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76
四話『表裏ある未来』
>>77 >>78
三章『裏に生まれる世界』
一話『裏の素顔』
>>79 >>80 >>81 >>82 >>85 >>86 >>91 >>92 >>94
二話『裏へと踏み入る者』
>>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101
四章『summer vacation 〜夏休〜』
一話『summer wars 〜夏戦〜』
>>103 >>106 >>107 >>110 >>111
二話『summer festival 〜夏祭〜』
>>112 >>113 >>114 >>117
三話『summer ocean 〜夏海〜』
>>118 >>121 >>127 >>128 >>129 >>132 >>141 >>148
五章『雀宮高等学校文化祭店舗名簿』
一話『ガーリックトーストレストラン』
>>152 >>153 >>156 >>157 >>158 >>160 >>162 >>163 >>164 >>167
二話『ロイヤルミルクティーカフェテリア』
>>168 >>169 >>170 >>173
三話『ゾロアスター教目録』
>>174 >>175
四話『天の羽衣伝説調査』
>>185 >>186
五話『日蓮宗体験記録』
>>187 >>190
六話『天草四朗時貞絵巻』
>>191 >>192
七話『後夜祭・神々の生誕劇場』
>>193 >>202 >>206 >>207
六章『旧・太陽神話』
一話『序・太陽神話』
>>208 >>212 >>213
二話『破・太陽神話』
>>214 >>217 >>218 >>219 >>221 >>222 >>223 >>224 >>231 >>235 >>236 >>243 >>244
三話『急・太陽神話』
>>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>279 >>282 >>285 >>292
七章『続・太陽神話』
一話『再・太陽神話』
>>293 >>299 >>300 >>303 >>304 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>338 >>341 >>342 >>343 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365
二話『終・太陽神話』
>>366 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>380 >>381 >>382 >>383 >>384 >>385 >>386 >>387
三話『新・太陽神話』
>>393 >>395 >>396 >>397 >>398 >>399 >>402 >>403 >>404
八章『十二神話・召還』
一話『焦土神話・帰還』
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409
二話『海洋神話・還流』
>>410 >>411 >>412 >>413 >>415
三話『萌芽神話・還却』
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>423 >>424
九章『聖夜の賢愚』
一話『祝祭の前夜』
>>425
二話『双子の門番』
>>426 >>429 >>430 >>431
三話『祝宴の闘争』
>>432 >>433 >>434 >>435 >>436 >>437 >>438 >>439 >>440
四話『知将の逆襲』
>>441 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447
第十章『月の下の約束です』
一話『月影の同盟です』
>>468 >>469 >>470 >>471 >>472 >>473
二話『月夜野汐です』
>>486 >>487 >>489 >>490 >>491 >>492
三話『私の先輩です』
>>493 >>496 >>497 >>498 >>499 >>500 >>503 >>506 >>507 >>508
第十一章『新年』
一話『初詣』
>>512 >>513 >>514 >>515 >>516 >>519 >>520 >>521 >>522 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>530 >>531 >>532 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542 >>543 >>544 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550 >>553 >>554 >>557 >>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>566 >>567 >>568 >>571 >>572 >>573
十二章『空城夕陽の義理/光ヶ丘姫乃の本命』
一話『誕生日/バレンタインデー』
>>577 >>578 >>579 >>580 >>583 >>584
二話『軍人と探偵と科学者と/友人と双子と浮浪者と』
>>585 >>586 >>587 >>590 >>591 >>592 >>593 >>594 >>595 >>596 >>597 >>598 >>599 >>600 >>601 >>602 >>603 >>604 >>605 >>606
三話『告白——/——警告』
>>609 >>610
十三章『友愛「親友だから——」』
一話『恋愛「思いを惹きずって」』
>>616 >>617
二話『敬愛「意志を継ぎたい」』
>>618 >>619
三話『家族愛「ゆずれないものがある」』
>>620 >>621 >>622 >>627 >>628 >>629 >>630 >>631 >>632 >>633 >>634 >>635 >>636
四話『親愛「——あなたのことが大好きです」』
>>637
コラボ短編
【1——0・メモリー(タクさんコラボ)】
外伝『Junior to connect』
一話『Recollection』
>>474
二話『His outrage』
>>475 >>476 >>477 >>478 >>480
三話『My junior and his friend』
>>482
デッキ調査室
№1『空城夕陽1』 >>95
№2『春永このみ1』 >>102
№3『御舟汐1』 >>136 >>137
人物
>>34
組織
>>35
フレーバーテキスト
>>574
- Re: デュエル・マスターズ メソロギィ ( No.240 )
- 日時: 2013/12/27 19:10
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
パーセンターさん
二人目の投稿ありがとうございます。
民族的な女性キャラは今まで考えたことすらなかったので、正直少し驚いています。これで貴族というイメージが湧かないのですが、まあなんとかします。
隊長としてこのキャラクターはどうなのだろうと思いながらも、こういう性格は嫌いじゃないです。デッキも誰かに使わせたいと思っていたジャイアント中心のデッキなので、動かす日が楽しみです。
ちなみにモノクロは闇文明が好きですが、描写することを考えれば水と自然の組み合わせも好きです。とりあえずはこの二色で動かしてみますが、他の色の組み合わせも考えてみます。
Orfevreさん
あ、そうなんですか。もう考えていらしたとは、モノクロの杞憂でしたね。
プライベートなところまで、ですか……モノクロ自身、まだこの二人のキャラを掴み切れていないところがあるので難しいというか、そもそも一般人と【師団】じゃ住んでいる世界が違いますからね。夕陽たちだってそこに片足を突っ込んだような生活ですし。
プライベートなところに接点を持たせるのは難しそうですが、まあこちらも色々と考えてみます。キャラクターどうしに繋がりを持たせるのは好きですし。もし、こういう関係を持たせたい、など何か希望などがありましたら、その都度言ってください。
- Re: デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.241 )
- 日時: 2013/12/27 20:02
- 名前: Orfevre ◆1iNwKp1Y0I (ID: QeRJ9Rzx)
>>240
ちなみにネタバレになりそうですが
忘れたら元も子もないので教えておきます
両者はオリハーと神帝を軸にした
連神デッキで行く方針ですが
微妙に組み方が違います
共通点…黒緑
〜差異点〜
葵…赤を混色してゲキメツやヘヴィデスメタルを
組み込んだスタイル
神帝は黒のみで
《恐気の覚醒者ランブル・レクター》も健在
(オリハーの外れで覚醒する)
陽花…青を混色して脈城に近いスタイル
神帝はスヴァ以外の5体で構築
《神の覚醒者サイキック・スヴァ》も使用
(ややオーバーキル気味ではあるが…)
〜総評〜
比較すると陽花デッキの方が安定度は高いが
神帝以外の殴り手に乏しいため火力不足
神帝が止められると厳しい
葵デッキは安定度を削って速さと戦闘力を高めており
神帝にこだわらずに戦えるのも長所
手札が枯渇とスヴァの存在が弱点
どちらしても防御力は高くないため
基本的にはどちらもビートダウン
ミラーマッチなら五分五分だと思う
そして、両者の関係ですが
《幼なじみ》なんてのはどうでしょう?
陽花が師団に入る前は仲がよかったが
再会したら…みたいな
まあ、神帝は思い出のカード
みたいに扱ってくださると嬉しいです
- Re: デュエル・マスターズ メソロギィ ( No.242 )
- 日時: 2013/12/28 00:05
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
Orfevreさん
まさかこの時点で公開するとは思っていませんでしたが、先に見ておいてよかった気がします。
なんか、凄い扱うのが難しそうなデッキですね。モノクロは神帝が苦手でして……ヘヴィ・デス・メタルなら使っていたことがありますが、超次元などと組み合わせたことはありませんし……
まあ、変更する時になったら、デッキレシピを追加なり修正なりしておいて、動かし方も書いておいてくれると嬉しいです。というか、そうでもしないと何も分からない気がします、モノクロには。オリハーってなんでしょう……
そして二人の関係ですが、幼馴染ですか。ベタでモノクロ好みではありませんが、【師団】の内情を明かすきっかけにはなりそうなので、いいかもしれません。
二人の過去や、陽花が【師団】に入った動機などはこちらで決定してもよろしいでしょうか? もしあれでしたら、葵か陽花の記事に追記しておいてくだされば、後で見に行きますので。
- Re: デュエル・マスターズ メソロギィ ( No.243 )
- 日時: 2013/12/28 04:29
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
ひまりとヴェルベットのデュエル。
シールドはひまりが五枚、ヴェルベットは早くも一枚だ。
ひまりの場には《コッコ・ルピア》と《フレミングジェット・ドラゴン》。
ヴェルベットの場には《予言のファミリア オラクルト》《信心深きコットン》《天雷導士アヴァラルド公》の三体。どういうつもりなのか、ブロッカーが二体いるにもかかわらず《フレミングジェット》のQブレイクをスルーしている。
「私のターン。前のターンに《ブレイン・チャージャー》を使用したため、私のマナはこれで6マナ、この呪文を唱えます。《ヘブンズ・ゲート》!」
「やっぱ来るかぁ……」
《アヴァラルド公》で手札に加えたカードの中に《ヘブンズ・ゲート》があったので警戒していたが、やはり唱えてきた。
天国の門が開き、二体の天使が舞い降りる。
「さあ、出でよ! 《知識の精霊ロードリエス》《聖核の精霊ウルセリオス》!」
聖核の精霊ウルセリオス 光文明 (8)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 6000
ブロッカー
自分の他の「ブロッカー」を持つクリーチャーが破壊された時、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。
W・ブレイカー
「ブロッカーが場に出たので《ロードリエス》の効果で二枚ドロー。ターン終了です」
大型ブロッカーが追加され、ひまりは一気に苦しくなってしまう。
「私のターン。ここで《GENJI》が来ればなぁ……ま、そんなこと言っても仕方ないか。《エコ・アイニー》を召喚。マナを増やして……わ、《GENJI》が二枚ともマナに落ちた……うぅ、ターン終了」
速攻で殴れる上にブロッカーも破壊してくれる《GENJI》を一気に二枚マナに落としてしまったひまりは、苦しそうにターンを終える。
「私のターンです。まずは《王機聖者ミル・アーマ》を召喚。《ロードリエス》の効果でカードを一枚引き、《魔光王機デ・バウラ伯》も召喚です。墓地の《ヘブンズ・ゲート》を回収し、一枚ドロー」
ブロッカーを並べつつ、手札を補給し、なおかつ《ヘブンズ・ゲート》まで回収。かなり苦しい展開だ。
「……よしっ。《ガイアール・アクセル》を召喚! これで次のターンから、スピードアタッカーのドラゴンで攻撃できる! ターン終了!」
手札があまり良くないのでトップデック次第ではあるが、強力なドラゴンを引ければそのまま召喚し、即殴れる。《フォーエバー・メテオ》が出ればブロッカーを殲滅でき、《ダイハード・リュウセイ》なら残り少ないシールドをそのまま焼き払えるので、出るならその辺りが望ましい。
しかし、ヴェルベットも黙ってはいない。
「ふむ、スピードアタッカーですか、困りました。とりあえず、二体目の《コットン》を召喚、一枚ドロー」
カードを引いたヴェルベットは、笑みを零す。その笑みに、ひまりは悪寒を覚えた。
「運が悪かったようですね、ちょうどいいタイミングでこのカードを引き当てました。では、行きますよ。前のターンに回収したこの呪文を唱えます。《ヘブンズ・ゲート》!」
再び開かれる天国の門。そこから舞い降りるのは、なにも天使だけではなかった。
「まずは一体目《真実の名 ホワイト・オブ・ライオネル》をバトルゾーンに。そして二体目は——この私《閃光の神官 ヴェルベット》です!」
閃光の神官 ヴェルベット 光文明 (9)
クリーチャー:オラクル 11000
ブロッカー
相手のクリーチャーは、タップしてバトルゾーンに置かれる。
W・ブレイカー
「ここで《ヴェルベット》……!?」
次のターンからスピードアタッカーになったドラゴンを投げつけるつもりだったひまりだが、召喚したクリーチャーをタップインする《ヴェルベット》が出て来てしまっため、その作戦は瓦解してしまう。
「さらに《ホワイト・オブ・ライオネル》の効果発動。手札は私の方が多いですが、シールドとマナは貴女の方が多いですね。よってシールドとマナを一枚ずつ追加し、ターン終了です」
これで《ヴェルベット》のシールドは三枚。ただでさえブロッカーと《ヴェルベット》で攻め難いのに、シールドまで増やされてしまった。
「私のターン……クリーチャーはタップして出るけど、とりあえず逆転のカードを引かないと。《セルリアン・ダガー・ドラゴン》を召喚して三枚ドロー!」
引いたカードを見るひまり。確かにブロッカーを破壊できるカードは来たが、それはアタックトリガーの《GENJI》だ。《ヴェルベット》がいる現状では使い物にならない。
「うっ……なら《エコ・アイニー》召喚! マナを増やして、さらに《メンデルスゾーン》!」
対抗策にはならないが、ひまりはたった1ターンで5マナも増やしてしまった。とはいえ、それだけだ。
「マナだけ増やしても、どうにもなりませんよ。私のターンです」
守りを固めている《ヴェルベット》だが、いつまでも守っているわけではない。そろそろ攻めに出て来るはずだ。
「まずは呪文《戦慄のプレリュード》。コストを5下げ、2マナで《神聖麒 シューゲイザー》を召喚。効果で手札から《バウラのサトリ ビョーク》をバトルゾーンへ。次に《ビョーク》の効果で墓地から無色カードの《プレリュード》を回収し、一枚ドロー。そして再び《戦慄のプレリュード》です。2マナで《神聖騎 オルタナティブ》を召喚、《ガイアール・アクセル》のパワーを6000下げ破壊です」
「《ガイアール・アクセル》……!」
オラクリオンまで出され、クリーチャーを潰しに来た《ヴェルベット》。やはり、攻めに出ているようだ。
「最後に《予言のファミリア オラクルト》を召喚します……さぁ、これで準備完了です」
《ヴェルベット》やオラクリオンを筆頭に、大量に立ち並ぶクリーチャー。ブロッカーばかりとはいえ、アタッカーも少なからず存在する。その軍勢は、守りのクリーチャーとは思えないほど驚異であった。
「……これは、流石に……」
その圧倒的な戦力差を目の当たりにし、ひよりは圧倒される。
「行きますよ。まずは《ウルセリオス》でWブレイクです!」
「うぅ……S・トリガー発動! 《ジャジャーン・カイザー》で《ミル・アーマ》を破壊!」
S・トリガーでドラゴンが飛び出したが、《ジャジャーン・カイザー》が焼ける範囲は狭く、《ミル・アーマ》を破壊するにとどまる。
「ですが《ウルセリオス》の効果でシールドを追加します。続けて《ホワイト・オブ・ライオネル》でもWブレイク!」
「っ、またS・トリガーだよ! 《王龍ショパン!》!」
王龍ショパン 自然文明 (8)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン 6000
バトルゾーンに自分のドラゴンがある時、このクリーチャーは「S・トリガー」を得る。
ガードマン
このクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃できない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、このクリーチャーとバトルさせてもよい。
またも飛び出すS・トリガー《王龍ショパン》。連ドラで採用されることが多く、ドラゴン比率を下げないまま守りを固められるドラゴンだ。
「《ショパン》の能力で《アヴァラルド公》とバトルして破壊!」
しかしこれでもまだ、《ヴェルベット》の攻撃は防ぎきれない。
「これで最後です。私で最後のシールドをブレイク!」
これでひまりのシールドはゼロ。しかも《ヴェルベット》の場には、無色クリーチャーがいれば相手プレイヤーへのアタックが可能になる《オラクルト》が残っている。最後の最後でダイレクトアタックを決められてしまうだろう。
しかし、最後のシールドは光と束となり、ひまりの手元に集まる。
「……S・トリガー! 《王龍ショパン》で《オラクルト》と強制バトル! 《オラクルト》を破壊!」
決死のS・トリガーを引き、最後のアタッカーである《オラクルト》を破壊したひまりは、なんとか首の皮一枚を繋げる。
「ふっ……運がいいですね、五枚のうち三枚がトリガーとは。しかし《オラクルト》が破壊されたことでシールドを一枚追加です」
これで《ヴェルベット》のシールドは五枚。原点まで戻ってしまう。
シールドの枚数までも逆転され、圧倒的戦力差からここからの逆転は絶望的。
しかし、
(ダメ、ここで弱気になったら、勝てる勝負も勝てなくなる……ここで、あのカードを引ければ……!)
そう強く念じながら、ひまりは山札からカードを引く。
- Re: デュエル・マスターズ メソロギィ ( No.244 )
- 日時: 2013/12/28 09:35
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
非常に苦しい展開となっている、ひまりと《ヴェルベット》のデュエル。
シールド枚数は、ひまりが五枚、ヴェルベットが三枚。しかしクリーチャーのかすが圧倒的に違いすぎる。
ひまりの場には、《コッコ・ルピア》《エコ・アイニー》《フレミングジェット・ドラゴン》と、タップ状態の《セルリアン・ダガー・ドラゴン》そして《エコ・アイニー》の合計五体。ひまりのデッキで五体もクリーチャーが並べば多い方だが、《ヴェルベット》には遠く及ばない。
《ヴェルベット》の場には、自身である《閃光の神官 ヴェルベット》と、オラクリオンの《神聖麒 シューゲイザー》《神聖騎 オルタナティブ》。アタッカーには《聖核の精霊ウルセリオス》《真実の名 ホワイト・オブ・ライオネル》《王機聖者ミル・アーマ》《天雷導士アヴァラルド公》に、片方は召喚酔いだが《予言のファミリア オラクルト》が二体。アタックできないブロッカーでも《知識の精霊ロードリエス》《魔光王機デ・バウラ伯》《バウラのサトリ ビョーク》と、二体の《信心深きコットン》。合計十四体のクリーチャーが並んでいる。その数は、ひまりの三倍近い。
「私のターンだよ」
《ヴェルベット》のクリーチャーもかなり減ったが、それでもまだ、ブロッカーは六体もいる。今のひまりのクリーチャーでは攻めきれないだろう。マナは大量にあり、戦力を追加しようにも《ヴェルベット》が邪魔だ。
「なにもできないでしょう。私がここに存在する限り、貴女のクリーチャーは光の閃きに縛られ続けるのです!」
気分が高揚してきたのか、高らかに叫ぶ《ヴェルベット》。
しかしひまりは、静かに言葉を発する。
「……こういう時に限ってさ」
「はい?」
「こういうやばい、って時に限ってさ、念のために入れておいた一枚挿しのカードが来ないものなんだよね」
「そうですか。私にはわかりませんが、それは残念でしたね」
《ヴェルベット》は普通に答えるが、ここで彼はひまりの様子をもっと見ておくべきだったかもしれない。そんな逆境にさらされているにもかかわらず、彼女は酷く冷静なのだから。
「でも……たまに来るんだよね。《アックス・ドラゴン》召喚! 出た時の効果でブロッカーの《ヴェルベット》を破壊!」
「なんですと……っ!?」
不意を突かれるようにブロッカー、しかも自分自身である《ヴェルベット》を破壊されたヴェルベット。
「し、しかし、その程度ではまだ私が負けたわけではありません。《ウルセリオス》の効果でシールドを追加です!」
これでシールド六枚。ブロッカーがいなくなったと言っても、タップしていた《ヴェルベット》が破壊されただけなので、守れるブロッカーの数は変わらない。
「でも、これでこのクリーチャーが出せる。《エコ・アイニー》《フレミングジェット・ドラゴン》《ジャジャーン・カイザー》を進化元に、進化MV! 《太陽神話 サンライズ・アポロン》!」
爆炎から呼び出されたのは、やはり今回も《アポロン》だ。《ヴェルベット》がいる状態ではすぐに攻撃できなかったので出せなかったが、除去した今なら出すことができる。
「行くよ、《アポロン》でTブレイク!」
「くっ、しかしこちらにはまだブロッカーがいます! 《オラクルト》でブロック!」
《アポロン》の放つ熱線は《オラクルト》が身を挺し、シールドへは届かない。しかし、その熱線の余波として放たれた熱風が、ひまりのデックトップを吹き飛ばす。
「ここであのカードが来てくれれば……!」
まだ逆転のチャンスはある。
強く願いながら、ひまりは舞い降りてくるカードを掴みとった。そして、
「……来た! さあ出て来て《鬼無双 カイザー「勝」》!」
鬼無双 カイザー「勝」 火文明 (7)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 7000+
このクリーチャーが攻撃する時、自分が負けるか中止するまで、相手とガチンコ・ジャッジする。こうして自分が勝つたび、そのターン、このクリーチャーのパワーは+6000され、シールドをさらに1枚ブレイクし、相手は自身の「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体選んで破壊する。
W・ブレイカー
現れたのは、レッド・コマンド・ドラゴンの軍団、鬼無双の帝王にして勝利の名を持つドラゴン《鬼無双 カイザー「勝」》。
「やっぱり一枚挿しのカードは馬鹿に出来ないね。普段はスピードアタッカーがないから使いにくいけど、今は《アポロン》の能力でスピードアタッカーだよ! 《鬼無双 カイザー「勝」》で攻撃! そして能力発動! ガチンコ・ジャッジ!」
《鬼無双 カイザー「勝」》が翔け、ヴェルベットへと向かっていく。途中にはブロッカーが待ち構えているが、ブロッカーにブロックされる前に、その力を発動した。
《鬼無双 カイザー「勝」》は、攻撃時に負けるか自分で中止するまでガチンコ・ジャッジを行う。そのガチンコ・ジャッジで勝つたびに、相手にブロッカーを破壊させ、シールドも追加でブレイクできるようになるのだ。
ガチンコ・ジャッジ一戦目ひまりはコスト7《爆竜トルネードシヴァXX》、ヴェルベットもコスト7《神聖斬 アシッド》。
「私の勝ちだから、ブロッカーを破壊して」
「ぬぅ、ならばここは《ホワイト・オブ・ライオネル》を破壊し、《ウルセリオス》の能力でシールドを追加!」
これでシールドは七枚、《鬼無双 カイザー「勝」》のブレイク数は三だ。だが、ガチンコ勝負はまだ終わらない。
「まだまだ続けるよ! 二戦目!」
ひまりが捲ったのはコスト6の《ボルシャック・NEX》、ヴェルベットが捲ったのもコスト6《ヘブンズ・ゲート》だ。
これでまた、ヴェルベットのブロッカー、《コットン》が吹き飛ばされる。
「だが、《ウルセリオス》でシールドを追加です……!」
「でも、《鬼無双 カイザー「勝」》のブレイク数も一枚追加だよ」
「っ……!?」
驚きを隠せないヴェルベット。
つまり、ここでヴェルベットがいくらシールドを増やそうとも、ひまりがガチンコ・ジャッジで勝ち続ける限りヴェルベットのブロッカーは消され続け、《鬼無双 カイザー「勝」》のブレイク数も増えていく。
とはいえひまりも、ヴェルベットのブロッカーをすべて破壊しなければ攻撃が通らない。ひまりからしても、このガチンコ・ジャッジは完全なる賭けなのだ。
「三戦目!」
ひまりはコスト8《王龍ショパン》、ヴェルベットはコスト4《ブレイン・チャージャー》。
「二体目の《コットン》を破壊します!」
「じゃあ四戦目だよ!」
ひまりが捲るのはコスト7《セルリアン・ダガー・ドラゴン》、ヴェルベットはコスト7《告別のカノン 弥勒》。
「ぐ……《デ・バウラ》を破壊」
「なら次! ガチンコ・ジャッジ!」
いつまでも続けられるガチンコ・ジャッジ。ひまりはコスト4《エコ・アイニー》、ヴェルベットはコスト3《戦慄のプレリュード》。
「なぜです、なぜ勝てないのですか……! 《ビョーク》を破壊します」
ガチンコ・ジャッジにまったく勝てず、呻くヴェルベット。しかし非情にも、六戦目が訪れる。
ひまりはコスト3の《コッコ・ルピア》、ヴェルベットはコスト1の《予言のファミリア オラクルト》。
「《ロードリエス》……いや、《ウルセリオス》を破壊します!」
ここでヴェルベットは、タップしていた《ウルセリオス》を破壊する。今まではシールドを追加する目的で残していた《ウルセリオス》だが、いくら追加しても、追加した分はブレイク数増加と伴っているため、最終的に《鬼無双 カイザー「勝」》の攻撃を止められなければ意味がない。
ここまでで、ヴェルべットのシールドは十一枚。《鬼無双 カイザー「勝」》のブレイク数はWブレイカー+ガチンコ・ジャッジ六連勝で合計八枚だ。
「七戦目だよ! ガチンコ・ジャッジ!」
ガチンコ・ジャッジ七戦目、ひまりはコスト8《ジャジャーン・カイザー》。ヴェルベットもコスト8《聖核の精霊ウルセリオス》だった。
「ぐ、う……《ロードリエス》までもが……!」
これでヴェルベットの場にはブロッカーがいなくなる。だが、ガチンコ・ジャッジは終わらなかった。
今の《鬼無双 カイザー「勝」》のブレイク数は九枚。そしてヴェルベットのシールドは十一枚。ここはできる限りブレイク数を増やしておきたいところ。なので、ひまりはこのままガチンコ・ジャッジを続ける。
「行くよ、ガチンコ・ジャッジ!」
八戦目と九戦目。ひまりはコスト6《ボルシャック・NEX》とコスト9《ボルシャック・クロス・NEX》。ヴェルベットはコスト6《ヘブンズ・ゲート》とコスト9《閃光の神官 ヴェルベット》。
最後の最後で自分が捲れたがガチンコ・ジャッジには勝てなかったヴェルベットに、パワー61000、シールドブレイク数十一の爆走状態となった《鬼無双 カイザー「勝」》が突撃する。
「ぐ、うあぁぁぁぁぁ!」
一気に十一枚あったシールドをすべて吹き飛ばされるヴェルベット。しかし山札が残り数枚になるほどシールドを増やしたのだ。当然S・トリガーも発動するが、
「S・トリガー《ヘブンズ・ゲート》!」
トリガーしたのは、《ヘブンズ・ゲート》一枚。元々S・トリガーの少ないデッキだったのだろう。出てきたのは《ビョーク》と《ロードリエス》の二体。
「《エコ・アイニー》と《セルリアン・ダガー・ドラゴン》で攻撃!」
二体の攻撃は止められるが、ひまりの場には最後のアタッカーが、残っていた。
「《コッコ・ルピア》で、ダイレクトアタック!」
どこかぐったりとしたように、ひまりは神話空間から出て来た。
「ひまり先輩っ! だいじょうぶですか?」
「うん、まあなんとか……でも、流石に一日二戦、というかガチンコ・ジャッジ九連戦はきついな……」
「え?」
姫乃にはその言葉の意味が理解できない、というか理解したくなったので、とりあえずはスルー。
「家まで帰れますか? よかったらわたし、ついて行きますけど……」
「いやいや、それじゃあ私が姫乃ちゃんを送った意味なくなるでしょ。ま、大丈夫だよ」
グッと背伸びして笑顔を作るひまり。しかしその笑顔が取り繕ったものであることは、姫乃でも分かった。
気丈に振舞おうとするひまりのことは心配だったが、先輩として後輩に弱みは見せたくないのだろう。その思いを汲み取ってか、姫乃はそれ以上のことは言わなかった。
「あ、そうだ。よかったこれ、姫乃ちゃんにあげるよ」
「え? これって……さっきのクリーチャー?」
「そ、《閃光の神官 ヴェルベット》。効果は《聖霊王エルフェウス》みたいなものだけど、姫乃ちゃんのデッキってエンジェル・コマンドが少なめでしょ? クリーチャーの基礎パワーも低めだし、結構生かせると思うんだけど?」
「で、でも……」
先輩に戦わせて、その上鹵獲物まで貰うのは気が引ける。しかしひまりは、押し付けるように強引に手渡した。
「いいからいいから。私のデッキにはどうしたって入らないカードだし、貰っといて。じゃあ、私はこれで。おやすみ」
「あっ、先輩っ!」
カードを渡すと、ひまりはさっさと去って行ってしまった。
「……なんか、悪いなぁ……」
抵抗するように呟く姫乃だが、最後には諦め、錆びついた階段を昇るのだった。
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