二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ Mythology
日時: 2015/08/16 04:44
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)

 初めましての人は初めまして、モノクロという者です。ここでは二次板と雑談板が拠点です。

 本作では基本的に既存のカードを使用するつもりではありますが、オリジナルのカードも多数登場します。ご了承ください。

 投稿したオリキャラのデッキにキーカードや切り札を追加したり、既存の切り札級のカードや、追加した切り札に召喚時の台詞を追加しても構いません。追加したい時はその旨をお伝えください。

目次


一章『神話戦争』

一話『焦土神話』
>>1 >>2 >>6 >>9 >>12 >>13 >>14
二話『萌芽神話』
>>17 >>18 >>21 >>22
三話『賢愚神話』
>>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33


二章『慈愛なき崇拝』

一話『精力なき級友』
>>41 >>45 >>49 >>52 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61
二話『加護なき信仰』
>>63 >>64 >>66 >>70 >>71
三話『慈悲なき女神』
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76
四話『表裏ある未来』
>>77 >>78


三章『裏に生まれる世界』

一話『裏の素顔』
>>79 >>80 >>81 >>82 >>85 >>86 >>91 >>92 >>94
二話『裏へと踏み入る者』
>>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101


四章『summer vacation 〜夏休〜』

一話『summer wars 〜夏戦〜』
>>103 >>106 >>107 >>110 >>111
二話『summer festival 〜夏祭〜』
>>112 >>113 >>114 >>117
三話『summer ocean 〜夏海〜』
>>118 >>121 >>127 >>128 >>129 >>132 >>141 >>148


五章『雀宮高等学校文化祭店舗名簿』

一話『ガーリックトーストレストラン』
>>152 >>153 >>156 >>157 >>158 >>160 >>162 >>163 >>164 >>167
二話『ロイヤルミルクティーカフェテリア』
>>168 >>169 >>170 >>173
三話『ゾロアスター教目録』
>>174 >>175
四話『天の羽衣伝説調査』
>>185 >>186
五話『日蓮宗体験記録』
>>187 >>190
六話『天草四朗時貞絵巻』
>>191 >>192
七話『後夜祭・神々の生誕劇場』
>>193 >>202 >>206 >>207


六章『旧・太陽神話』

一話『序・太陽神話』
>>208 >>212 >>213
二話『破・太陽神話』
>>214 >>217 >>218 >>219 >>221 >>222 >>223 >>224 >>231 >>235 >>236 >>243 >>244
三話『急・太陽神話』
>>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>279 >>282 >>285 >>292


七章『続・太陽神話』

一話『再・太陽神話』
>>293 >>299 >>300 >>303 >>304 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>338 >>341 >>342 >>343 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365
二話『終・太陽神話』
>>366 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>380 >>381 >>382 >>383 >>384 >>385 >>386 >>387
三話『新・太陽神話』
>>393 >>395 >>396 >>397 >>398 >>399 >>402 >>403 >>404


八章『十二神話・召還』

一話『焦土神話・帰還』
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409
二話『海洋神話・還流』
>>410 >>411 >>412 >>413 >>415
三話『萌芽神話・還却』
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>423 >>424


九章『聖夜の賢愚クリスマス・ヘルメス

一話『祝祭の前夜ビフォア・イヴ
>>425
二話『双子の門番ツインズ・ゲートキーパー
>>426 >>429 >>430 >>431
三話『祝宴の闘争パーティー・バトル
>>432 >>433 >>434 >>435 >>436 >>437 >>438 >>439 >>440
四話『知将の逆襲ノウレッジ・リベンジ
>>441 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447


第十章『月の下の約束です』

一話『月影の同盟です』
>>468 >>469 >>470 >>471 >>472 >>473
二話『月夜野汐です』
>>486 >>487 >>489 >>490 >>491 >>492
三話『私の先輩です』
>>493 >>496 >>497 >>498 >>499 >>500 >>503 >>506 >>507 >>508


第十一章『新年』

一話『初詣』
>>512 >>513 >>514 >>515 >>516 >>519 >>520 >>521 >>522 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>530 >>531 >>532 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542 >>543 >>544 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550 >>553 >>554 >>557 >>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>566 >>567 >>568 >>571 >>572 >>573


十二章『空城夕陽の義理/光ヶ丘姫乃の本命』

一話『誕生日/バレンタインデー』
>>577 >>578 >>579 >>580 >>583 >>584
二話『軍人と探偵と科学者と/友人と双子と浮浪者と』
>>585 >>586 >>587 >>590 >>591 >>592 >>593 >>594 >>595 >>596 >>597 >>598 >>599 >>600 >>601 >>602 >>603 >>604 >>605 >>606
三話『告白——/——警告』
>>609 >>610


十三章『友愛「親友だから——」』

一話『恋愛「思いを惹きずって」』
>>616 >>617
二話『敬愛「意志を継ぎたい」』
>>618 >>619
三話『家族愛「ゆずれないものがある」』
>>620 >>621 >>622 >>627 >>628 >>629 >>630 >>631 >>632 >>633 >>634 >>635 >>636
四話『親愛「——あなたのことが大好きです」』
>>637



コラボ短編
【1——0・メモリー(タクさんコラボ)】
外伝『Junior to connect』

一話『Recollection』
>>474
二話『His outrage』
>>475 >>476 >>477 >>478 >>480
三話『My junior and his friend』
>>482



デッキ調査室
№1『空城夕陽1』  >>95
№2『春永このみ1』 >>102
№3『御舟汐1』 >>136 >>137

人物
>>34
組織
>>35
フレーバーテキスト
>>574

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.301 )
日時: 2014/01/01 21:34
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: TaHLTR3K)

教師「受験生に正月などない!」
俺「!?」
……とりあえずあけましておめでとうございます、パーセンターです。
今年もよろしくお願いします。

第六章が終わりましたね。
正直、僕もひまりの事は何か怪しいと思ってたんですが、結局彼女は極度の『普通』だったんですね。
ひまり先輩、疑ってごめんなさい。
それにしても第六章はひまりは重労働でしたね。
夕陽とか黒村先生が1、2回ほど戦っていましたが、ほぼひまりでしたよね。
黒村先生と言えば僕は黒村先生のキャラ大好きですね。
言動がかっこいいですし、なんだかんだ言って夕陽を気に掛けてくれてるみたいですし。

そしていよいよ第七章、師団との戦いですね。
台詞だけ出てくる二人の登場は二回目ですが、あの女の子何か怖いんですよね。何考えてるのか全く分かりませんし、普通に「しょけい」とか言っちゃうし。
そして先陣を切って登場するは四天王のニャルラトホテプですか。調べてみましたが、クトゥルフ神話みたいですね。
名前と性別で猫耳の女の子を思い浮かべてしま……なんでもありません。

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.302 )
日時: 2014/01/02 00:58
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

パーセンターさん


 ……肝に銘じておきます。
 ともかく、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 第六章は終わりましたが、七章は六章の続きなので、作者としてはあまり終わった感じはないです。
 普通だったのが異常扱いされて有名になったのがひまりですね。自分は普通にしているつもりが、実は浮いてしまっていたのと同じ……ではありませんが、書いているうちにもはやなにが普通なのかモノクロには分からなくなりました。
 ひまりは結構謎を残したキャラですからね。良くも悪くも疑われるのは当然でしょう……作者がそう仕向けたのですが。
 とりあえず第六章はほとんど彼女に戦ってもらいました。これには作者都合も含めた意味があるのですが、それは追々語るとしましょう。ストーリーの核に関わる重大なネタバレを含むので。
 黒村はモノクロも結構好きなキャラです。言葉遣いなども結構意識して書いています。まあ、教師モードになると途端にひ弱になりますけどね。
 黒村自身、あまり夕陽たちを贔屓しないようにしているつもりなのですが、ラトリが夕陽を気にかけているので、その橋渡し的な扱いで黒村が夕陽たちのサポートに回ってしまっている感があります。なので、黒村自身やりたくてやってることではありません。
 まあそこまで敵意もないので、その辺は亜実に近いところがあるかもしれませんね。この作品の二大ツンデレ巨頭とでも言うのですか……【師団】と夕陽たちのチームにもそういうキャラ作って、四天王を作りたくなりました。

 第七章は【師団】との戦いが九割を占めますね。
 そういえばあの二人の会話は、全部台詞だけでしたね。流石にすべてそれで行くのは無理なので、七章からは地の文とかも絡めます。
 女の子の方は……実はまだモノクロの中でも設定が固まっていないんですよね。とりあえずほぼすべてひらがなで喋る幼児的なキャラを書いてみたかった、というのがあります。それでも、これだけもったいぶってるだけあって重要な人物ではあるんですけどね。
 【師団】で先駆けて登場したのはニャルラトホテプです、仰る通り元ネタはクトゥルフ神話の邪神です。帝国四天王はすべてクトゥルフ神話から取っています。いろいろ予想してみてはどうでしょうか……まあ、予想するには邪神の数が多すぎますが。
 ニャルラトホテプは元ネタをかなり意識したキャラです。彼女がそういう姿になることも……ないわけではないです。作中で出るかは知りませんが。

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.303 )
日時: 2014/01/02 03:06
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「っ……」
 夕陽が引いたカードは《超次元の手ブラック・グリーンホール》だった。そのカードを見て、夕陽は悔しそうに噛みしめる。
 夕陽がここで引き当てたかったカードはいくつかあるが、つまり場に二体揃っているサイキック・セルの三体目を揃え、覚醒リンクさせたかったのだ。そのサイキック・クリーチャーを呼び出すための超次元呪文を引きたかったが、残念ながら引けなかった。
(ここで《ブラック・グリーンホール》かよ……せめて《グリーンレッド・ホール》が来れば、マナゾーンから超次元呪文を回収できたのに……!)
 そもそも《フォーエバー・カイザー》がいる時点で相手プレイヤーには攻撃できないのだが、しかし巨大なクリーチャーが一体いるのといないのでは、精神的にも状況は変わってくるものだ。
(どうせ手札はこれ一枚だし、墓地のクリーチャーをマナに置けるんだから、このカードをマナに置くよりサイキック・クリーチャーを出した方が遥かに合理的だ。でも、どいつを呼び出す……?)
 候補は二つ。一つは相手クリーチャーをロックする《勝利のプリンプリン》。もう一つはブロッカーの《時空の踊り子マティーニ》だ。
(除去カードが少ないって言っても、相手にはまだ手札があるし、除去カードを引かないとも限らない。《デトロイト・テクノ》がいるからマナに困ることもないだろうし、ブロッカーじゃあ返しのターンに除去される可能性がある。だったら《勝利のプリンプリン》を出して《サスペンス》をロックする方が確実でいい)
 しかし、
(そうすると、もし次のターンに《グリーンレッド・ホール》を引いた時に困る。僕のデッキ——超次元ゾーンにある自然のサイキックは《プリンプリン》だけ。一応、二枚積んであるけど、一体は場にいるから、もう一体を出したら自然のサイキックが超次元ゾーンからいなくなって、《グリーン・レッドホール》の効果が発動せず、マナから回収ができなくなる)


超次元グリーンレッド・ホール 火/自然文明 (4)
呪文
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
コスト5以下のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
このようにして火のサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出した場合、このターン、バトルゾーンにある自分のクリーチャー1体はタップされていないクリーチャーを攻撃できる。
このようにして自然のサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出した場合、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。


(……まあ、ブロッカーを出しても、クリーチャーをロックしても、相手の場にはWブレイカーが四体、Tブレイカーが一体いるわけだから、焼け石に水な感が否めないわけだけど……)
 S・トリガーが出ることを前提とし、次にどう動くか。こんなことを考えている時点で、自分も随分と“ゲーム”の世界に染まってしまったな、と夕陽は思った。いつものデュエマなら普通に諦めて適当にプレイしている。
 その後も自分の手札と、バトルゾーン、超次元ゾーンを交互に見遣りながら散々悩み、悩み抜き、
「……決めた。呪文《超次元の手ブラック・グリーンホール》発動!」
 手札の超次元呪文を発動させる。夕陽が意を決し、呼び出すサイキック・クリーチャーは、
「《時空の踊り子マティーニ》をバトルゾーンに!」
 ブロッカーの《マティーニ》だった。
「おや? ここでブロッカーですか……てっきり二体目の《プリンプリン》を出して来ると思ったのですが、まさか除去される恐れのあるブロッカーとは……なにか企んでます?」
「どうだろうな」
 内心ではかなり焦っているが、そんなことはおくびにも出さない……とはいかないが、平静を装う夕陽。そもそもS・トリガーが出てくれなければ、夕陽は負けるのだ。焦らないはずがない。
「まあ、なんでもいいですけどね。どの道、このターンで私の勝利です……ああ、しかし安心してください。さっきはああ言いましたが、私たちの目的はあくまで『神話カード』、【ラボ】の研究員でもありませんし、基本的に人物に興味はないのですよ。他の『神話カード』所有者との交渉の材料くらいにはなってもらうかもしれませんが、大人しくしてくださるのなら命の保証くらいはしてあげてもいいですよ?」
 余裕な笑みを浮かべながら——実際余裕があるのだろう、ニャルラトホテプはカードをドローする。
「手札もマナをあることですし、このターンなにもせずに終わるのはもったいないですね。なので、まずは3マナで《孫子》を召喚します」
 《デトロイト・テクノ》の力で3枚のカードをマナコストにし、《孫子》が召喚される。
「続けて2マナで《舞踏のシンリ マクイル》を召喚します。無色クリーチャーが出たので《孫子》の能力で一枚ドロー。次は《メガギョロン》を召喚して、墓地の《トリプル・ZERO》を回収し一枚ドロー。さらに今引いた二体目の《マクイル》を召喚して一枚ドローです」
 アタッカーとブロッカーを同時に増やしていくニャルラトホテプ。手札が減らず、マナもかなり抑えて連続召喚するせいで、一気に場数が倍になった。元から期待はしていなかったが、このターンを凌げたとしても、次のターンに決めなければ負けは確定しそうだ。
 一通りクリーチャーを召喚し終えると、ニャルラトホテプは一呼吸置く。そして、
「では……参ります」
 攻めに出た。
「まずは《「呪」の頂 サスペンス》でTブレイク! さらにアタック・チャンス発動! 《黄泉秘伝トリプル・ZERO》を二枚発動し、シールド、手札、マナを二枚ずつ追加!」
 《サスペンス》から攻撃を仕掛けてきたが、同時にアタック・チャンスで一気にシールドを回復されてしまった。しかしそれでも、夕陽のすることは変わらない。
「《マティーニ》でブロック!」
 最初の《サスペンス》の攻撃は迷わずブロックする。Tブレイクだと一撃でシールドをすべて吹き飛ばされるので、流石に受けられない。
「まあ、そうするでしょうね。ならば次は、《真実の名 修羅丸》で攻撃です!」
 その時、山札の一番上を捲り、それが進化でない無色クリーチャーならコストを踏み倒して場に出せる。こうしてニャルラトホテプが捲ったのは、
「《真実の名 メガパウンダー・マック》……無色クリーチャーなのでバトルゾーンに!」


真実の名 メガパウンダー・マック 無色 (8)
クリーチャー:ジャイアント/アンノウン 8000
このクリーチャーまたは自分の他の無色クリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の無色ではないクリーチャーを1体選び、マナゾーンに置く。その後、相手はバトルゾーンにある自身の、無色ではないクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。
W・ブレイカー


 現れたのは、真実の名に目覚めたジャイアント、《真実の名 メガパウンダー・マック》だ。よりによって面倒な奴が出て来たと、夕陽は顔をしかめる。
「《メガパウンダー・マック》の効果で、あなたのクリーチャーを一体、マナゾーンへ置いてください」
「くっ……《勝利のプリンプリン》をマナゾーンに置くよ」
 しかしサイキック・クリーチャーはバトルゾーンと超次元ゾーン以外では生きられない。マナゾーンに移動した《プリンプリン》は、またすぐに超次元ゾーンへと戻ってしまった。
(くそっ、やっぱり前のターンは《プリンプリン》を出すのが正解だったか……!)
 これでまた覚醒リンクが遠のいてしまった。しかも、
「並びにアタック・チャンス発動《トリプル・ZERO》!」
「また……!?」
 恐らく最初の《トリプル・ZERO》で引いたのだろう。これでニャルラトホテプのシールドは六枚にまで回復いてしまった。
「そして、効果の発動処理も終わったところで、《修羅丸》のWブレイクですよ!」
 《修羅丸》によって二枚のシールドが割られてしまう。これで残り一枚になってしまったが、
「S・トリガー発動! 《黒神龍オドル・ニードル》をバトルゾーンに!」
 なんとか《オドル・ニードル》をトリガーする。とはいえ、これでもまだ足りない。
「私の場にアタッカーは三体、あなたのシールドは残り一枚。それでは耐えきれませんよ。とりあえず《真実の名 白金の鎧》で《オドル・ニードル》に強制アタック」
 《白金の鎧》は場に出てしまえば能力なしのクリーチャーなので、《オドル・ニードル》に攻撃し、共に破壊される。これで残ったアタッカーは《神聖鬼 デトロイト・テクノ》と《流星のフォーエバー・カイザー》の二体。
「さて、最後のシールドをどちらにブレイクさせるかが悩みどころですね……」
 顎に手を添えて考え込むニャルラトホテプ。ふと彼女の視線(フードで目は見えないが)が夕陽のマナゾーンへと向けられた。
「ふむ、あなたのデッキのS・トリガーは《オドル・ニードル》だけでなく《王龍ショパン》もいると見ました。では、パワー6000の《フォーエバー・カイザー》の攻撃を後にすると《ショパン》で破壊されかねないので、ここは《フォーエバー・カイザー》から攻撃です。最後のシールドをブレイク!」
 ここまで優位に場を進めているにもかかわらず、ニャルラトホテプは用心深かった。S・トリガーで《ショパン》が出る可能性も考慮し、《フォーエバー・カイザー》から攻撃を仕掛けてくる。
 《フォーエバー・カイザー》により、夕陽の最後のシールドがブレイクされた。
「っ……!」
 このままニャルラトホテプは《デトロイト・テクノ》によるダイレクトアタックを決めにかかろうとするが、しかしその最後のシールドが光の束となって収束する。

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.304 )
日時: 2014/01/02 06:52
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 夕陽とニャルラトホテプのデュエル。無色単色デッキで起動の遅いニャルラトホテプに、夕陽はサイキック・クリーチャーを並べ優位に立っていた。
 しかしニャルラトホテプが繰り出すオラクリオン《神聖鬼 デトロイト・テクノ》により疑似的にマナを倍増させ、超重量級クリーチャーであるゼニス《「呪」の頂 サスペンス》の降臨、そして《サスペンス》の能力で唱えた夕陽の超次元呪文から、サイキックの攻撃を止める《流星のフォーエバー・カイザー》を出され、一気に形勢を逆転されてしまった。
 ニャルラトホテプの場には《神聖鬼 デトロイト・テクノ》を始め《「呪」の頂 サスペンス》《流星のフォーエバー・カイザー》《真実の名 修羅丸》《真実の名 メガパウンダー・マック》《兵法のサトリ 孫子》《墓地の守護者メガギョロン》に、《舞踏のシンリ マクイル》が二体。合計九体のクリーチャーが立ち並んでおり、ブロッカーもいて、攻防共に万全の構えだ。シールドも《黄泉秘伝トリプル・ZERO》で六枚にまで回復している。
 対する夕陽の場には《勝利のガイアール・カイザー》が一体。シールドも残り一枚で、その一枚が今、《フォーエバー・カイザー》によってブレイクされた。
 そして、

「……S・トリガー発動! 《黒神龍オドル・ニードル》!」

 出て来たのは、《オドル・ニードル》だった。
「あぁ、そちらが出てしまいましたか」
 残念そうに呻くニャルラトホテプ。彼女の残っているアタッカーは《神聖鬼 デトロイト・テクノ》一体なので、夕陽のシールドが残りゼロでも、《オドル・ニードル》の攻撃誘導効果によってダイレクトアタックできない。
「まあしかし、こうなってしまえば仕方ありませんね。《オドル・ニードル》を起こしておくのも嫌ですが、ここで《デトロイト・テクノ》を失うのも勘弁願いたいところです。私の場にはブロッカーが三体いるので殴り返しの心配もありませんから、ここは攻撃しないでおきましょう」
 《デトロイト・テクノ》では攻撃せずに、ニャルラトホテプはターンを終える。
 そして迎えた夕陽のターン。なんとか九死に一生は得たわけだが、このドローで目的のカードを引かなければ、どうしたって勝てない。
(《プリンプリン》が除去されたせいで、この状況を打開できるカードは一枚だけ。さぁ、来い……!)
 強く念じながら、夕陽はカードをドローする。
 そして、
「これだ! 超次元《グリーンレッド・ホール》! 超次元ゾーンから《勝利のプリンプリン》をバトルゾーンに! ついでに《デトロイト・テクノ》をロック!」
 夕陽は、今引いたばかりの《超次元グリーンレッド・ホール》を唱え、《勝利のプリンプリン》を呼び出す。コスト5以下のサイキックを呼び出す多色超次元呪文。このサイクルには、その呪文の持つ文明と呼び出したサイキック・クリーチャーの文明が合致した時に発動する効果があるのだ。この場合《グリーンレッド・ホール》と《プリンプリン》が合致している文明は自然。その効果は、
「マナゾーンから《カモン・ピッピー》を回収。そしてそのまま召喚だ!」


カモン・ピッピー 火文明 (5)
クリーチャー:ファイアー・バード/ハンター 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、次のうちいずれかひとつを選ぶ。
▼コスト3以下のファイアー・バード・サイキック・クリーチャーを2体まで、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
▼コスト6以下の火のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。


「《カモン・ピッピー》……そのバトルゾーンの状態で出て来るサイキックということは……!」
「察しの通りだ。生憎、僕の超次元ゾーンにファイアー・バードのサイキックはいない。だからコスト6以下の、火のサイキック・クリーチャーを呼び出させてもらう! 開け、超次元の門!」
 《カモン・ピッピー》の号令で、超次元の門が開かれる。そこから飛び出すのは、
「《勝利のリュウセイ・カイザー》をバトルゾーンに!」


勝利のリュウセイ・カイザー ≡V≡ 水/闇/火文明 (6)
サイキック・クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 6000
相手は、自身のマナゾーンにカードを置く時、タップして置く。
W・ブレイカー


 《ブラック・グリーンホール》や《グリーンレッド・ホール》では呼び出せなかった最後のサイキック・セル、《勝利のリュウセイ・カイザー》。
 相手の動きを鈍らせる能力があるので、《デトロイド・テクノ》より先に出していればもっと効果的だったかもしれないが、今それを言っても後の祭りだ。
 それよりも、今この状況でこのクリーチャーが現れたことにはもっと重大な意味がある。この場に《勝利のガイアール・カイザー》《勝利のリュウセイ・カイザー》《勝利のプリンプリン》の三体が揃ったことに。
「普通の覚醒リンクは、発動のタイミングがターンの初めだけど、こいつらは違う。三体揃った瞬間に覚醒し、リンクする——V覚醒リンクだ!」
 V(ビクトリー)覚醒サイキックリンク。サイキック・セル三体が揃った瞬間に覚醒し、リンクする覚醒リンクの形態。その名の通り、この覚醒リンクを成し遂げることで勝利を勝ち取ることができるだろう。
 《勝利のプリンプリン》の掛け声のもと、《勝利のガイアール・カイザー》と《勝利のリュウセイ・カイザー》が集結する。そして三体は、まばゆい光に包まれていき——

「覚醒せよ、そしてリンクせよ! 唯一無二の最強がここにあり! 天上天下! 《唯我独尊ガイアール・オレドラゴン》!」

 ——一体の龍となった。


唯我独尊ガイアール・オレドラゴン ≡V≡ 光/水/闇/火/自然文明 (30)
サイキック・スーパー・クリーチャー:レインボー・コマンド・ドラゴン/ハンター 26000+
スピードアタッカー
ハンティング(バトル中、このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分のハンター1体につき+1000される)
このクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャーをアンタップし、相手のシールドをふたつ選ぶ。相手はそのシールドを自身の手札に加える。
ワールド・ブレイカー
リンク解除(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、そのサイキック・セルのいずれか1枚を選んで超次元ゾーンに戻し、残りのカードを裏返す)
V覚醒リンク前《勝利のガイアール・カイザー》(上)《勝利のプリンプリン》(中)《勝利のリュウセイ・カイザー》(下)


 《勝利のガイアール・カイザー》《勝利のリュウセイ・カイザー》、カイザー界の二大巨頭がエイリアンの姫《プリンプリン》と一体になることによって、アンノウンを滅する地上最強の龍となった。それが《唯我独尊ガイアール・オレドラゴン》だ。
「止められませんでしたか……!」
 さっきまでは余裕そうにしていたニャルラトホテプだが、《ガイアール・オレドラゴン》の登場で、一気に焦りを見せ始める。同時に、自分のミスにも気付いた。
「用心深い割に、勝負を焦ったな。あの局面《フォーエバー・カイザー》で攻撃したのはお前の失敗だ。《ショパン》を警戒して攻撃順番を変えるくらいなら、いっそ攻撃せず、次のターンで確実に決めるべきだったな」
 あの時、《フォーエバー・カイザー》で攻撃していなければ、《ガイアール・オレドラゴン》が出たところで、その攻撃対象は既にタップ状態のクリーチャーだけだった。しかし《フォーエバー・カイザー》で攻撃することで、《フォーエバー・カイザー》に隙ができてしまったのだ。
「行くぞ! 《ガイアール・オレドラゴン》で《フォーエバー・カイザー》に攻撃!」
「くぅ……!」
 次の瞬間、《オレドラゴン》の咆哮で《フォーエバー・カイザー》が消滅する。同時にニャルラトホテプのシールドも二枚、吹き飛ばされた。
「これで、僕のサイキックはお前に攻撃できるようになったな。《オレドラゴン》の能力で、バトルに勝ったからアンタップだ。次は《サスペンス》に攻撃!」
 《サスペンス》《修羅丸》とニャルラトホテプのクリーチャーは次々と消し飛ばされていき、同時にシールドも次々と割られていく。六枚まで回復させたニャルラトホテプのシールドは、三体のクリーチャーを破壊したところでなくなってしまった。
「バトルに勝てばアンタップし、シールドも二枚手札に加えさせられる……ブロッカーを並べた意味、なかったですね……」
 もはや諦めたように、ニャルラトホテプは息を吐く。最後に手中で輝いたシールドを見て、もう一度溜息を吐いた。
「しかも、《デトロイト・テクノ》で攻撃しなかったことも裏目に……まあいいです。流石に《オレドラゴン》にとどめを刺されたくはありませんから、無駄ですがS・トリガー発動です。《逆転王女プリン》で《オレドラゴン》をタップします」
 最後の最後でS・トリガー《逆転王女プリン》で《オレドラゴン》の攻撃こそ止めたが、しかし彼女を再び逆転へは導いてくれなかった。
 夕陽の場に残った黒き龍が、最後の一撃を放つ。

「《黒神龍オドル・ニードル》で、ダイレクトアタック!」

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.305 )
日時: 2014/01/02 11:56
名前: アンゲル ◆Ub.tayqwkM (ID: dRebDXey)

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