二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- デュエル・マスターズ Mythology
- 日時: 2015/08/16 04:44
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)
初めましての人は初めまして、モノクロという者です。ここでは二次板と雑談板が拠点です。
本作では基本的に既存のカードを使用するつもりではありますが、オリジナルのカードも多数登場します。ご了承ください。
投稿したオリキャラのデッキにキーカードや切り札を追加したり、既存の切り札級のカードや、追加した切り札に召喚時の台詞を追加しても構いません。追加したい時はその旨をお伝えください。
目次
一章『神話戦争』
一話『焦土神話』
>>1 >>2 >>6 >>9 >>12 >>13 >>14
二話『萌芽神話』
>>17 >>18 >>21 >>22
三話『賢愚神話』
>>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33
二章『慈愛なき崇拝』
一話『精力なき級友』
>>41 >>45 >>49 >>52 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61
二話『加護なき信仰』
>>63 >>64 >>66 >>70 >>71
三話『慈悲なき女神』
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76
四話『表裏ある未来』
>>77 >>78
三章『裏に生まれる世界』
一話『裏の素顔』
>>79 >>80 >>81 >>82 >>85 >>86 >>91 >>92 >>94
二話『裏へと踏み入る者』
>>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101
四章『summer vacation 〜夏休〜』
一話『summer wars 〜夏戦〜』
>>103 >>106 >>107 >>110 >>111
二話『summer festival 〜夏祭〜』
>>112 >>113 >>114 >>117
三話『summer ocean 〜夏海〜』
>>118 >>121 >>127 >>128 >>129 >>132 >>141 >>148
五章『雀宮高等学校文化祭店舗名簿』
一話『ガーリックトーストレストラン』
>>152 >>153 >>156 >>157 >>158 >>160 >>162 >>163 >>164 >>167
二話『ロイヤルミルクティーカフェテリア』
>>168 >>169 >>170 >>173
三話『ゾロアスター教目録』
>>174 >>175
四話『天の羽衣伝説調査』
>>185 >>186
五話『日蓮宗体験記録』
>>187 >>190
六話『天草四朗時貞絵巻』
>>191 >>192
七話『後夜祭・神々の生誕劇場』
>>193 >>202 >>206 >>207
六章『旧・太陽神話』
一話『序・太陽神話』
>>208 >>212 >>213
二話『破・太陽神話』
>>214 >>217 >>218 >>219 >>221 >>222 >>223 >>224 >>231 >>235 >>236 >>243 >>244
三話『急・太陽神話』
>>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>279 >>282 >>285 >>292
七章『続・太陽神話』
一話『再・太陽神話』
>>293 >>299 >>300 >>303 >>304 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>338 >>341 >>342 >>343 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365
二話『終・太陽神話』
>>366 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>380 >>381 >>382 >>383 >>384 >>385 >>386 >>387
三話『新・太陽神話』
>>393 >>395 >>396 >>397 >>398 >>399 >>402 >>403 >>404
八章『十二神話・召還』
一話『焦土神話・帰還』
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409
二話『海洋神話・還流』
>>410 >>411 >>412 >>413 >>415
三話『萌芽神話・還却』
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>423 >>424
九章『聖夜の賢愚』
一話『祝祭の前夜』
>>425
二話『双子の門番』
>>426 >>429 >>430 >>431
三話『祝宴の闘争』
>>432 >>433 >>434 >>435 >>436 >>437 >>438 >>439 >>440
四話『知将の逆襲』
>>441 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447
第十章『月の下の約束です』
一話『月影の同盟です』
>>468 >>469 >>470 >>471 >>472 >>473
二話『月夜野汐です』
>>486 >>487 >>489 >>490 >>491 >>492
三話『私の先輩です』
>>493 >>496 >>497 >>498 >>499 >>500 >>503 >>506 >>507 >>508
第十一章『新年』
一話『初詣』
>>512 >>513 >>514 >>515 >>516 >>519 >>520 >>521 >>522 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>530 >>531 >>532 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542 >>543 >>544 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550 >>553 >>554 >>557 >>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>566 >>567 >>568 >>571 >>572 >>573
十二章『空城夕陽の義理/光ヶ丘姫乃の本命』
一話『誕生日/バレンタインデー』
>>577 >>578 >>579 >>580 >>583 >>584
二話『軍人と探偵と科学者と/友人と双子と浮浪者と』
>>585 >>586 >>587 >>590 >>591 >>592 >>593 >>594 >>595 >>596 >>597 >>598 >>599 >>600 >>601 >>602 >>603 >>604 >>605 >>606
三話『告白——/——警告』
>>609 >>610
十三章『友愛「親友だから——」』
一話『恋愛「思いを惹きずって」』
>>616 >>617
二話『敬愛「意志を継ぎたい」』
>>618 >>619
三話『家族愛「ゆずれないものがある」』
>>620 >>621 >>622 >>627 >>628 >>629 >>630 >>631 >>632 >>633 >>634 >>635 >>636
四話『親愛「——あなたのことが大好きです」』
>>637
コラボ短編
【1——0・メモリー(タクさんコラボ)】
外伝『Junior to connect』
一話『Recollection』
>>474
二話『His outrage』
>>475 >>476 >>477 >>478 >>480
三話『My junior and his friend』
>>482
デッキ調査室
№1『空城夕陽1』 >>95
№2『春永このみ1』 >>102
№3『御舟汐1』 >>136 >>137
人物
>>34
組織
>>35
フレーバーテキスト
>>574
- デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.281 )
- 日時: 2013/12/31 13:40
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
Orfevreさん
そうですよね。しかも人によってどの程度までがパクリと感じるかが違いますから、その辺も難しいです。
とりあえずモノクロは、容姿や性格、口調などの、自分が好きな部分だけを抽出し、それ以外の部分をできるだけオリジナルで埋めている感じですが。
へぇ、そうなんですか。
葵は特になんとも思いませんでしたが、陽花の容姿はわりとモノクロ好みでした。
特に髪をコテで結んでいるという点がいいですね。
- デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.282 )
- 日時: 2013/12/31 13:50
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
神託の王(オラクルキング) ゴスペル 水文明 (9)
クリーチャー:オラクル/キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 12000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが攻撃する時、相手は自身の山札から1枚目をすべてのプレイヤーに見せる。それが呪文であれば、自分がコストを支払わずに唱え、持ち主の墓地に置いてもよい。その後、自分の山札の上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せる。それが呪文であれば、コストを支払わず唱えてもよい。その後、こうして見せた呪文以外のカード1枚につき、カードを1枚引いてもよい。
T・ブレイカー
現れたのは最後のアンノウンにしてオラクルの教義の秘密を握るドラゴン《ゴスペル》。
『《ゴスペル》の能力発動。互いの山札の一番上を公開』
《ゴスペル》が錫杖を振るうと、ひまりと《ゴスペル》のデッキトップが表向きになる。
ひまりは《メンデルスゾーンが捲れた。呪文なので《ゴスペル》の能力で詠唱させることができる。
『呪文《メンデルスゾーン》。山札の上二枚を公開し、《紫電左神ヴィタリック》をマナへ、《黄泉秘伝トリプル・ZERO》は墓地へ』
続けて今度は《ゴスペル》の山札が捲れる。捲れたのは《戦慄のプレリュード》。
『《プレリュード》の効果でコストを5軽減、0マナで《メガギョロン》を召喚。墓地の《トリプル・ZERO》を手札に』
動き自体は地味だが、このターンで《ゴスペル》はマナ、手札、ブロッカーを同時に増やしたことになる。しかも《ゴスペル》自体の打点が高いため、そろそろ攻めて来るだろう。
「こっちも早く決めないと……私のターン!」
勇んでカードを引くひまりだが、それはこの状況をひっくりかえせるようなものではなかった。
「っ、うぅ……《ダイハード・リュウセイ》を召喚して、ターンエンド」
とりあえず《ダイハード・リュウセイ》は出すが、それだけだ。これでひまりのターンは終わり、《ゴスペル》のターンとなる。
『我がターン。《紫電左神ヴィタリック》を召喚』
紫電左神ヴィタリック 無色 (7)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ/アーマード・ドラゴン 7000+
このクリーチャーが各ターンはじめてタップした時、アンタップする。
W・ブレイカー
左G・リンク
《ゴスペル》が呼び出すのは、ゴッド・ノヴァ。それも、かつて戦国の世で勇敢に戦った紫電の力を受け継いだ神だ。
『さらに、G・ゼロ発動。呪文《神の裏技ゴッド・ウォール》』
「うそっ? それはやばい……!」
1ターンだけとはいえ神を不滅にする呪文《ゴッド・ウォール》。リンクしてからが本番のゴッドとしては、この呪文は非常に有用だろう。
『《ゴスペル》で攻撃、その時《ゴスペル》能力発動』
互いの山札が捲られ、ひまりは《爆竜GENJI・XX》、《ゴスペル》は《プロジェクト・ゴッド》だった。
『《ゴスペル》の能力により発動。呪文《プロジェクト・ゴッド》』
山札の上から五枚を墓地へ置き、その中に場のゴッドとリンクできるゴッドがいれば、タダで場に出せる。
《ゴスペル》の山札の上五枚が墓地へと落ちた。そして、そのうちの一枚が鈍く輝き、バトルゾーンの《ヴィタリック》と反応を示す。
『《プロジェクト・ゴッド》の能力により、墓地へと落ちた《邪眼右神ニューオーダー》をバトルゾーンへ』
邪眼右神ニューオーダー 無色 (7)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ/ダークロード/ドラゴン・ゾンビ 8000+
このクリーチャーが攻撃する時、墓地にあるコスト7以下の無色呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。その後、その呪文を自分の山札の一番下に置く。
W・ブレイカー
右G・リンク
神の計画により蘇ったのは、かつて戦国の世を戦い抜いた邪眼の力を受け継いだ神。
左神と右神、二体の神が揃った時、
『太古の敵手よ、神聖にして新星なる神となりて、共に手を取り破壊をもたらせ——ゴッド・リンク』
二つの神は、一体となる。
「うぅ、リンクされちゃった……」
しかもリンクしたのが《ヴィタリック》と《ニューオーダー》というのが最悪だ。各々の能力も十分強力だが、この二体が手を組んだ時、その効力は一気に膨れ上がる。
『さらに《ゴスペル》の能力で一枚ドロー。そして《ゴスペル》の攻撃。シールドをTブレイク』
「そうだった……くっ」
一気にひまりのシールドが三枚吹き飛ばされる。これで残り二枚、追いつかれてしまった。
いや、追いつかれるだけでは済まない。
『《ヴィタリック&ニューオーダー》で攻撃、そしてアタック・チャンス発動《黄泉秘伝トリプル・ZERO》』
黄泉秘伝トリプル・ZERO(ゼロ) 無色 (7)
呪文
アタック・チャンス—無色クリーチャー(自分の無色クリーチャーが攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい)
自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加える。
バトルゾーンに自分の、コスト6以上の無色クリーチャーがあれば、カードを1枚引き、その後、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
虚空に浮かび上がった三つのゼロ。これらはそれぞれ《ゴスペル》のシールド、手札、マナとなった。
『さらに《ヴィタリック》の能力発動。各ターン初めてタップした時、アンタップされる。並びに《ニューオーダー》の能力発動。墓地のコスト7以下の呪文をコストを支払わずに唱えられる。墓地から再び《トリプル・ZERO》』
そう、これが《ヴィタリック&ニューオーダー》の強みだ。アタックトリガーで墓地から無職呪文を撃てる《ニューオーダー》に、各ターン初めてタップした時、言い換えれば自分のターンなら主に攻撃した時、アンタップする《ヴィタリック》が合わされば、《ニューオーダー》のアタックトリガーを二回使えることになるのだ。これは非常に厄介である。
《トリプル・ZERO》またしても《ゴスペル》のシールド、手札、マナが増える。追いつかれるどころか《ゴスペル》のシールドはこれで四枚、追い抜かされてしまった。さらに、
『《ヴィタリック&ニューオーダー》でWブレイク』
「うぁ……!」
これでひまりのシールドはゼロ。しかも《ゴスペル》の場にはまだ《オルタナティブ》と《メガギョロン》、そしてアンタップした《ヴィタリック&ニューオーダー》がいる。
「S・トリガー発動! 《ジャジャーン・カイザー》と《オドル・ニードル》をバトルゾーンに! 《ジャジャーン・カイザー》の効果で《メガギョロン》を破壊!」
ひまりもなんとか二枚のカードをトリガーする。しかしそれでも相手のアタッカーは二体。一体は《オドル・ニードル》で防げるが、次はない。
しかしひまりの場には、自身が負ける時に破壊すれば、そのターンだけ敗北を逃れられる《ダイハード・リュウセイ》がいる。その能力が発動できれば、このターンは凌げるのだが、
『《ヴィタリック&ニューオーダー》で《オドル・ニードル》へと攻撃、アタック・チャンス《トリプル・ZERO》』
「また!?」
再三シールド、手札、マナを増やされ、シールドに至っては五枚まで回復してしまった。《ゴスペル》の山札も残り僅かだろうが、かなり厳しい状況だ。
『《ニューオーダー》の能力発動、墓地からコスト7以下の無色呪文《邪眼と魔銃の盾》を唱える』
《オドル・ニードル》に攻撃するのは《ヴィタリック&ニューオーダー》だった。《ゴッド・ウォール》で破壊耐性がついているので納得だが、同時に《ニューオーダー》の魔銃からゼロの魔弾が撃ち込まれる。
邪眼と魔銃の盾(ロマノフ・ガード) 無色 (6)
呪文
バトルゾーンにある、進化ではないクリーチャーを1体選び、新しいシールドとして持ち主のシールドゾーンに裏向きにして加える。
《ニューオーダー》から放たれた弾丸は《ダイハード・リュウセイ》に直撃し、そのままシールドへと埋め込んでしまった。
『《邪眼と魔銃の盾》の対象は《ダイハード・リュウセイ》。《ダイハード・リュウセイ》をシールドへ』
直後、《オドル・ニードル》が《ヴィタリック&ニューオーダー》の斬撃で破壊された。《オドル・ニードル》が破壊されたことで、相手を道連れにする鋭利な棘が弾け飛ぶが、神を守る防壁が《ヴィタリック&ニューオーダー》の破壊を防ぐ。
『《オルタナティブ》で最後のシールドをブレイク』
最後に《オルタナティブ》の咆哮が《ダイハード・リュウセイ》のシールドを吹き飛ばす。これでひまりのシールドはゼロ。バトルゾーンにいるのも《コッコ・ルピア》と《ショパン》《ジャジャーン・カイザー》の三体だけ。しかし《ゴスペル》の場には、神託の王である《ゴスペル》自身と、リンクしたゴッド、そしてオラクリオンの《オルタナティブ》。場数は同じでも、クリーチャーの質が違う。
「これ、本当やばいんじゃ……」
立ち並ぶオラクルの重鎮たちに戦慄を覚えるひまり。
しかし彼女はこの状況から逆転できるカードの存在を、信じていた。
- Re: デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.283 )
- 日時: 2013/12/31 14:19
- 名前: Orfevre ◆1iNwKp1Y0I (ID: CVGC9rYr)
コテで結んでる?
それは結んだ髪をコテで巻いているの意味で
よろしいのでしょうか?
そうなんですか、個人的には
白いワンピースが好きなので
葵の方が好きですね
(服装も原作から抜粋してます)
- Re: デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.284 )
- 日時: 2013/12/31 14:36
- 名前: モノクロ ◆KI8qrx8iDI (ID: fG4XXkjw)
Orfeverさん
ああ、そうですね。すみません、表現を間違えました。
葵も小柄で、口調がわりと普通な点がモノクロ好みです。
白いワンピースも嫌いじゃないです。本当なら海の家の回で姫乃にでも着せようと思ってたくらいですが、描写するタイミングを逃したのと、他女子勢の服の描写をするのが面倒だったので書きませんでした。一応、あの回では着ている設定です。
- デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.285 )
- 日時: 2013/12/31 14:57
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
ひまりと《ゴスペル》のデュエルは、圧倒的にひまりが劣勢だった。
ひまりのシールドはゼロ、バトルゾーンにいるのも《コッコ・ルピア》《王龍ショパン》《ジャジャーン・カイザー》と、ファイアー・バードと決して強くはないドラゴンが二体だけ。
対する《ゴスペル》のシールドは、連続で使用した《黄泉秘伝トリプル・ZERO》により五枚。バトルゾーンにいるのも、《神託の王 ゴスペル》《神聖騎 オルタナティブ》、そしてシールドを回復させた張本人《紫電左神ヴィタリック》と《邪眼右神ニューオーダー》がリンクしたゴッドの合計三体。
(手札に《ダイハード・リュウセイ》はいるけど、相手の墓地には二枚目の《邪眼と魔銃の盾》があるから、出してもまたシールドに埋められる……このターンに決めないと、負ける)
《ヴィタリック&ニューオーダー》は《神の裏技ゴッド・ウォール》で次のターンまで場を離れないので、除去は無意味。
「……やっぱり、このカードに頼るしかないのか」
マナゾーンに視線を落としつつそう呟きながら、ひまりはカードを引く。そして、
「《無双竜機ボルグレス・バーズ》を召喚! 効果でマナゾーンから《ボルバルザーク・エクス》と《アポロン》を回収! そして《ボルバルザーク・エクス》を召喚して、マナをすべてアンタップ!」
これで準備は整った。しかしマナはまだ残っている。
「じゃ、ダメ押しかな。《ボルシャック・NEX》を召喚! 山札から《コッコ・ルピア》をバトルゾーンに! そして今出した《コッコ・ルピア》と《ジャジャーン・カイザー》、そして《ボルグレス・バーズ》を進化元に——」
刹那、《コッコ・ルピア》《ジャジャーン・カイザー》《ボルグレス・バーズ》の三体が爆炎に包みこまれる。三体は球状の炎の中で一体の神話の姿となり、降臨する。
「——進化MV! 《太陽神話 サンライズ・アポロン》!」
爆炎を吹き飛ばし、現れたのは《太陽神話 サンライズ・アポロン》だ。
「これで終わりだよ。《アポロン》で攻撃、まずは山札を捲って、《永遠のリュウセイ・カイザー》をバトルゾーンに!」
とはいえ、これはおまけ程度の意味しかない。本命は違うところにある。
それは、
「さらにこの時、CD12発動! マナゾーンの《コッコ・ルピア》《爆竜トルネードシヴァXX》《ボルシャック・クロス・NEX》の三枚を墓地に送り、《アポロン》はパワー30000のワールドブレイカーだよ!」
墓地へと落ちた三体のクリーチャーの魂が《アポロン》の元へと集結する。《アポロン》はその三体の力を受け、さらに太陽を膨張させ、小型太陽の旋回と共に、その炎を大きくしていく。
「——《アポロン》でワールドブレイク!」
次の瞬間、《ゴスペル》すらも飲み込んでしまいそうなほど巨大化した太陽から、無数の熱線、爆熱、熱風、爆炎、爆風——とにかく凄まじい熱気と火炎が放たれ、一瞬で《ゴスペル》の五枚のシールドを爆散させる。
S・トリガーも引けず、ブロッカーもいない《ゴスペル》に、立ち並ぶドラゴンを止める手立てはなかった。
「《ボルシャック・NEX》で、ダイレクトアタック!」
神話空間が閉じ、ひまりが舞い戻ってくる。その手には、一枚のカードが握られてた。
「先輩っ!」
「あ……夕陽君、大丈夫だった?」
「それはこっちの台詞ですよ! 先輩は……」
「大丈夫だよ、ほら。この通りもうカードに戻したから」
《ゴスペル》のカードを夕陽に見せ、笑って見せるひまり。その様子に、夕陽も胸を撫で下ろす。
「そんなことより、さっきの話の続きだよね……でも」
「先輩……?」
ひまりはくるりと夕陽に背を向ける。そして、視線だけを夕陽に向け、口を開く。
「ちょっと付き合って」
付き合ってと言われて夕陽とひまりが来たのは、隣町の山だった。それも、夕陽の知っている山だ。
「ここって……」
かつて【慈愛神光教】という悪徳宗教が根城を張っていた山だ。その本部は山中に放置されており、今や廃墟と化している。
「こんなところまで来て、どうするんですか……?」
「夕陽君に見せたいものがあるの。この時間ならちょうどいいしね」
時間が関係するのだろうか。今は日が落ちておらず、まだ明るいが、あと一時間もすれば外は真っ暗だろう。
ひまりは廃墟に続く道を進んでいくが、途中で脇道に逸れた。まさかひまりもあの宗教に関係しているのか、などと思ったが、そんなまさかはなかったようだ。
しばらく獣道とも言える山道を進む二人。草木は生い茂りそれらを掻き分けながら前へ前へと歩いていく。
やがて二人は、生い茂る木々から抜け出し、少し開けたところに出た。
「ここは……?」
崖のようになった場所だ。元々高い山ではないので、街の全景が見えるなどということはないが、それでもなかなか見晴らしがよい。
だがそれだけで、それ以上のものはなにもない。生い茂っているほどではないが、雑草くらいならかなり生えており、手入れをされているわけでもないようだ。
「別にどこってわけでもないけどね。強いて言うなら、ここは私のお気に入りの場所だよ。実は私、中三の時までこっちの町に住んでたんだ」
初耳だった。しかしひまりは黙っているつもりはなかったようで、ただ言うタイミングがなかっただけらしい。
「ここから見える夕日がきれいなんだよね。今は冬だからすぐ暗くなっちゃうけど、夏とか秋とか、よくここに来てたんだ」
「夕日……」
それは自分の名前と同じだ。夕陽の両親も、夕陽が生まれた時の夕日がきれいだったから、という理由でこの名前を付けたという。
ひまりに言われて、夕陽は遠くの地平を眺める。かなり沈んでしまっているが、確かにきれいな夕日だ。夕陽は詩人でも俳人でもないので、その心情を豊かに語ることはできないが、純粋にそう思う。
「夕陽君にはいつか見せたいと思ってたんだよね……ここは私にとって大事な場所だから」
「……なぜ、僕なんですか?」
このみや汐、姫乃や流ではいけなかったのか。その理由は単純だった。
「勿論、他のみんなにも教えたいけど、一番はやっぱり夕陽君かな。名前もそうだけど、それ以上に、私の弟子みたいなものだし」
「で、弟子?」
あまりに唐突というか、予想外の言葉に、素っ頓狂な声を上げる夕陽。ひまりはそれにくすくすと笑いながら、
「弟子って言うと、ちょっと違うかな。格好つけるなら、後継者とか? まあ、要するに私が“ゲーム”から降りてた間、《アポロン》の所有者だったからっていう理由だよ。深い意味とかはないよ」
しかし、重要な意味ではあったかもしれない。少なくとも、ひまりにとっては。
「……私が“ゲーム”に関わったのは、雀宮高校に入学して少し経った頃、ちょうど夕陽君たちと同じ頃かな」
少しだけ声のトーンを落とし、ひまりはゆっくりと口を開き始めた。
「驚いたよ、急に変な人に声をかけられて、いきなりデュエマを申し込まれたんだから。その場はなんとか勝って、その時に《アポロン》を手に入れたんだ」
その後は、夕陽たちとあまり変わらないことをしていたらしい。少しずつ《アポロン》のカードを狙い“ゲーム”の参加者が襲ってきて、それを撃退していったと。
「最初はそんなでもなかったんだけど、だんだんと頻度が増えて行って、ちょうど今くらいの時期には、毎日のように“ゲーム”の参加者と戦ってたよ」
「毎日……!? そんな、大丈夫だったんですか……?」
夕陽たちは『神話カード』を、仲間内で五枚も所有しているが、そこまで高頻度で“ゲーム”に関わってはいない。
だから思わずそう言ったのだが、ひまりの紡ぐ言葉は予想外のものだった。
「大丈夫なわけないよ」
はっきりと、ひまりは告げる。
「一戦一戦が命懸けの戦いだもん、それが毎日起こるなんて、普通は耐えられない。いつ襲ってくるのか不安で夜も眠れなかった。テスト期間中でも勉強なんてしてられなかった。体調不良なんて何度もあったし、成績もガクッと落ちたよ。あの頃の私は心身ともにボロボロでね、だから……逃げたんだ」
“ゲーム”から、と続け、
「二年生になって少ししてから、私は“ゲーム”の過酷さについて行けなくなった。だから、《アポロン》を捨てて逃げたんだ。でも、ただ捨てるだけじゃ、その権利はまだ私にあると思われる。《アポロン》の権利が他に人に移っていると思われる必要があったんだ」
「それで、僕の家に……」
「そういうことになるね。夕陽君の家だったのは、ただの偶然だけど。でも」
俯いて、酷く申し訳なさそうに、呟くように言う。
「それが、“ゲーム”の重い枷を君に押し付けたと言われても、否定できない。その表現は正しくて、実際、私は誰かに押し付けようとしてたんだ。自分が苦しいから、抜け出したいから、君を、君たちをこんな殺伐とした世界に巻き込んでしまった」
ひまりは夕陽に目を合わせると、スッと頭を下げた。
「ごめんなさい。話すべきとか以前に、まずは君たちに謝らくちゃいけなかったね。勿論、もう出れなくなるくらい深く巻き込んで、それで謝ったくらいで許してもらえるとは思ってない。でも、君たちへの謝罪は真っ先にするべきだった。これも、私の弱さだよね……」
「先輩……」
一つ、夕陽は理解した。確かに汐の言っていたことは正解だった。黒村の評価も正しかったし、癪な話だが九頭龍の言うことも当てはまっている。
ひまりは酷く普通の人間だった。普通に弱く、普通に怯え、普通に逃げ出し、普通に謝る。
“ゲーム”参加者がなぜ“ゲーム”に参加し続けられるのか。その理由は、乱暴に言ってしまえば精神が壊れているからだ。正常な判断と感性を持っていなければ、おかしなことを続けることも可能だろう。
壊れている、とまで言わなくとも、“ゲーム”の世界が既に日常だと錯覚させるくらいのことはできるだろう。夕陽たちも、日常とまでは行かなくとも、それが自分たちの世界の一部だと思い込んでしまっている。
だが、ひまりはそれができなかった。普通の世界を構築している彼女には、その異常な世界は受け入れられず、ゆえに耐え切れずに逃げ出した。普通の行動だ。
そして逃げたものの、夕陽たちがひまりの行動のせいで“ゲーム”に関わってしまったと知ると、今度は罪悪感と負い目を感じる。謝罪したいと思うのも普通だが、相手の逆鱗に触れてしまうと思い、躊躇してしまうのもまた普通だろう。
どこまでも普遍的で普通な少女、それが朝比奈ひまりだった。
「……先輩。一つ、教えてください」
「なに……?」
「先輩が《アポロン》を返してほしいと言ったのは、《アポロン》の“力”が欲しかったんですか?」
力、という言葉を強調する夕陽。それに対しひまりは、しばらく黙りこんでいたが、
「……半分は、そうだね」
やがてゆっくりと、言葉を紡ぐ。
「いや、半分なんてキリのいいことはないけど。でも、私が《アポロン》の力に縋ってて、それが恋しくなったのは認めるよ。約一年、ずっと一緒に戦ってきた相棒みたいなものだからね。同時に、私が追い詰められる原因となった、忌むべきカードでもあるんだけど……それでも、『神話カード』の力は魅力的だったと、私は思う」
『神話カード』の力に魅せられた。九頭龍の言う通りだ。だが、その上でひまりは続ける。
「でも、言い訳するわけじゃないけど、《アポロン》をまた私が持つことで、少しでも夕陽君たちの負担が減ればいいと思ったのもまた事実なんだよ。私が最初に《アポロン》を使った夕陽君を見たのは、文化祭の日。あの時、君の姿を見て、私は逃げてばっかりじゃいけないんだって思ったんだ……君たちに対する罪悪感とか、負い目とか、そういうのもあるんだけど……やっぱり、けじめはつけないといけないって、思ったよ」
それが、《アポロン》のカードだ。
「これは私が、また“ゲーム”に戻ってきた証。ただそれだけ。だから夕陽君が、この《アポロン》のカードを手にしたいと思うのなら、私は止めない。私は一度、このカードを捨てているからね。本当ならまた持つ資格はないのかもしれない。だから、本当は夕陽君が持つべきなのかも——」
「そんなことはありません」
ひまりの言葉を遮って、夕陽ははっきりと告げる。
「先輩は随分と自分のことを卑下しているみたいですけど、先輩が抱いている感情は人間にとって当たり前のものです。異常なことがあれば恐怖する、普通です。自分の身を削る日々が続くから逃げ出したい、普通です。本当のことを言いたいけど怒られるかもしれないから言いにくい、普通です。強力なカードを手に入れたい、普通です」
すべて、普通の感性だ。
「先輩が今まで言ってきたことは、確かに悪いと思われることもあるかもしれません。でもそれ以上に、先輩は僕たちのことを思って、今こうしてここにいるんじゃないんですか? だったら、僕が先輩を責める理由はありません。僕だけじゃない、このみも、御舟も、光ヶ丘も流も、誰だって同じこと言うはずです」
清い心があるのなら、邪な心もあるのが人間だ。ひまりはそのどちらにも揺れ動いていた。それだけのことだ。
「少なくとも、僕は先輩が今までやって来たことが悪いだなんて思いません。いや、思いますけど、だからなんだと言うんですか。そんなことは、人間ならあって当然のことです。悪いことでも責めるに値はしません。むしろ僕たちは先輩に助けられているんです」
だから、と言って、今度は夕陽が頭を下げた。
「——話してくれて、ありがとうございました。こっちも、凄く言い難いことを聞いてしまいました」
「……いいんだよ。最初に言ったように、本当は真っ先に言わなきゃいけないことなんだもん。それを君に尋ねさせちゃって、申し訳ないよ」
申し訳ないというが、ひまりの表情は明るいそれに変わっていた。思っていないということはないだろうが、あの思いつめた暗い表情は、ほとんど消えている。
「じゃあ……これからもよろしくね、夕陽君」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
『太陽一閃』と『昇天太陽』、朝比奈ひまりと空城夕陽。共に《太陽神話》の力を持つ者。
二人は互いに手を強く握りしめる。遠くの空では、灼熱の太陽が地平線へと沈んでいるところだった——
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129