二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ Mythology
日時: 2015/08/16 04:44
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)

 初めましての人は初めまして、モノクロという者です。ここでは二次板と雑談板が拠点です。

 本作では基本的に既存のカードを使用するつもりではありますが、オリジナルのカードも多数登場します。ご了承ください。

 投稿したオリキャラのデッキにキーカードや切り札を追加したり、既存の切り札級のカードや、追加した切り札に召喚時の台詞を追加しても構いません。追加したい時はその旨をお伝えください。

目次


一章『神話戦争』

一話『焦土神話』
>>1 >>2 >>6 >>9 >>12 >>13 >>14
二話『萌芽神話』
>>17 >>18 >>21 >>22
三話『賢愚神話』
>>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33


二章『慈愛なき崇拝』

一話『精力なき級友』
>>41 >>45 >>49 >>52 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61
二話『加護なき信仰』
>>63 >>64 >>66 >>70 >>71
三話『慈悲なき女神』
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76
四話『表裏ある未来』
>>77 >>78


三章『裏に生まれる世界』

一話『裏の素顔』
>>79 >>80 >>81 >>82 >>85 >>86 >>91 >>92 >>94
二話『裏へと踏み入る者』
>>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101


四章『summer vacation 〜夏休〜』

一話『summer wars 〜夏戦〜』
>>103 >>106 >>107 >>110 >>111
二話『summer festival 〜夏祭〜』
>>112 >>113 >>114 >>117
三話『summer ocean 〜夏海〜』
>>118 >>121 >>127 >>128 >>129 >>132 >>141 >>148


五章『雀宮高等学校文化祭店舗名簿』

一話『ガーリックトーストレストラン』
>>152 >>153 >>156 >>157 >>158 >>160 >>162 >>163 >>164 >>167
二話『ロイヤルミルクティーカフェテリア』
>>168 >>169 >>170 >>173
三話『ゾロアスター教目録』
>>174 >>175
四話『天の羽衣伝説調査』
>>185 >>186
五話『日蓮宗体験記録』
>>187 >>190
六話『天草四朗時貞絵巻』
>>191 >>192
七話『後夜祭・神々の生誕劇場』
>>193 >>202 >>206 >>207


六章『旧・太陽神話』

一話『序・太陽神話』
>>208 >>212 >>213
二話『破・太陽神話』
>>214 >>217 >>218 >>219 >>221 >>222 >>223 >>224 >>231 >>235 >>236 >>243 >>244
三話『急・太陽神話』
>>266 >>267 >>268 >>269 >>270 >>271 >>272 >>279 >>282 >>285 >>292


七章『続・太陽神話』

一話『再・太陽神話』
>>293 >>299 >>300 >>303 >>304 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>337 >>338 >>341 >>342 >>343 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>356 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365
二話『終・太陽神話』
>>366 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>380 >>381 >>382 >>383 >>384 >>385 >>386 >>387
三話『新・太陽神話』
>>393 >>395 >>396 >>397 >>398 >>399 >>402 >>403 >>404


八章『十二神話・召還』

一話『焦土神話・帰還』
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409
二話『海洋神話・還流』
>>410 >>411 >>412 >>413 >>415
三話『萌芽神話・還却』
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>423 >>424


九章『聖夜の賢愚クリスマス・ヘルメス

一話『祝祭の前夜ビフォア・イヴ
>>425
二話『双子の門番ツインズ・ゲートキーパー
>>426 >>429 >>430 >>431
三話『祝宴の闘争パーティー・バトル
>>432 >>433 >>434 >>435 >>436 >>437 >>438 >>439 >>440
四話『知将の逆襲ノウレッジ・リベンジ
>>441 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447


第十章『月の下の約束です』

一話『月影の同盟です』
>>468 >>469 >>470 >>471 >>472 >>473
二話『月夜野汐です』
>>486 >>487 >>489 >>490 >>491 >>492
三話『私の先輩です』
>>493 >>496 >>497 >>498 >>499 >>500 >>503 >>506 >>507 >>508


第十一章『新年』

一話『初詣』
>>512 >>513 >>514 >>515 >>516 >>519 >>520 >>521 >>522 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>530 >>531 >>532 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542 >>543 >>544 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550 >>553 >>554 >>557 >>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>566 >>567 >>568 >>571 >>572 >>573


十二章『空城夕陽の義理/光ヶ丘姫乃の本命』

一話『誕生日/バレンタインデー』
>>577 >>578 >>579 >>580 >>583 >>584
二話『軍人と探偵と科学者と/友人と双子と浮浪者と』
>>585 >>586 >>587 >>590 >>591 >>592 >>593 >>594 >>595 >>596 >>597 >>598 >>599 >>600 >>601 >>602 >>603 >>604 >>605 >>606
三話『告白——/——警告』
>>609 >>610


十三章『友愛「親友だから——」』

一話『恋愛「思いを惹きずって」』
>>616 >>617
二話『敬愛「意志を継ぎたい」』
>>618 >>619
三話『家族愛「ゆずれないものがある」』
>>620 >>621 >>622 >>627 >>628 >>629 >>630 >>631 >>632 >>633 >>634 >>635 >>636
四話『親愛「——あなたのことが大好きです」』
>>637



コラボ短編
【1——0・メモリー(タクさんコラボ)】
外伝『Junior to connect』

一話『Recollection』
>>474
二話『His outrage』
>>475 >>476 >>477 >>478 >>480
三話『My junior and his friend』
>>482



デッキ調査室
№1『空城夕陽1』  >>95
№2『春永このみ1』 >>102
№3『御舟汐1』 >>136 >>137

人物
>>34
組織
>>35
フレーバーテキスト
>>574

デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.271 )
日時: 2013/12/30 13:14
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 黒村と九頭龍のデュエルは、序盤から手札破壊を駆使する黒村が有利と思われたが、手打ちで《運命》を発動させた九頭龍が形勢を逆転した。
 シールドは黒村が五枚、九頭龍が六枚と僅差だが、九頭龍の場には《偽りの王 ヴィルヘルム》と《真実の王 ヴィオラ・ソナタ》そして《メッサダンジリ・ドラゴン》の三体。しかもシールドには《黒神龍オドル・ニードル》が最低でも一体は埋められており、《ヴィオラ・ソナタ》とのコンボで使いまわすことができる。
 対する黒村の場には《世界の果て ターミネーター》が一体。手札もほとんどなく、S・トリガーに頼る以外の方法でこのターンを切り抜けることはできないように思える。
「黒村さんは《ターミネーター》がいるから山札切れは心配ないと思いますけど、僕もマナ加速と《運命》で結構山札削っちゃってますからね。ぼやぼやしてるとライブラリアウトになりかねないんで……このターンに終わらせますよ」
 少しだけ目つきを鋭くした九頭龍は、さらなるドラゴンを展開する。
「《偽りの王 カンタービレ》を召喚」


偽りの王 カンタービレ 闇/自然文明 (9)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 9000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、ドラゴンをすべて、自分の墓地からマナゾーンに置く。
自分のターン中、ドラゴンを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。
W・ブレイカー


「《カンタービレ》の能力で墓地のドラゴンをすべてマナに置きます。さらに1ターンに一度、マナゾーンからドラゴンを召喚できるので、マナゾーンの《永遠のリュウセイ・カイザー》を召喚」
 出て来たのはスピードアタッカーの《リュウセイ・カイザー》。さらに《カンタービレ》も《メッサダンジリ》の能力でスピードアタッカーだ。
 これでアタッカーが五体。しかもそのうち二体がTブレイカー、二体がWブレイカーという超高打点。この攻撃を凌ぎ切るには、一枚や二枚S・トリガーを引いた程度では無理だろう。
「さて、と。準備は整いました。黒村さん、覚悟してください」
 九頭龍の言葉と共に、彼の従える五体のドラゴンが咆哮する。
「まずは《カンタービレ》でWブレイク!」
「ぐ……っ」
 《カンタービレ》から無数の銃撃が放たれ、黒村のシールドが二枚吹き飛ぶ。これで残り三枚。
「まだ終わりませんよ《ヴィオラ・ソナタ》で攻撃!」
 続いて、《ヴィオラ・ソナタ》の雷が襲い掛かり、黒村のシールドを三枚まとめて突き抜こうとするが、
「ニンジャ・ストライク! 《威牙の幻ハンゾウ》を召喚し、《メッサダンジリ》を破壊!」
 その瞬間、黒村の手札から《ハンゾウ》が飛び出し、《メッサダンジリ》のパワーを下げて破壊する。だが、《ヴィオラ・ソナタ》の能力でシールドになった。
「へぇ、ですがもう遅いですよ。今更《メッサダンジリ》が一体破壊されたくらいでは、僕のドラゴンは止まりません。Tブレイク!」
 《ヴィオラ・ソナタ》の攻撃で、黒村のシールドは三枚まとめてぶち抜かれる。
 だが、しかし
「S・トリガー発動、《インフェルノ・サイン》! 墓地から《魔犬人形イヌタン》をバトルゾーンへ!」
 決死のS・トリガーは、《インフェルノ・サイン》が一枚。とりあえずその効果でブロッカーを蘇らせるが、
「その程度の壁じゃあ話になりませんね。僕の場にはまだ二体のアタッカーが残っていますし、ブロッカー一体では止めきれませんよ。《リュウセイ・カイザー》でダイレクトアタック!」
「《イヌタン》でブロック!」
 さらに《イヌタン》が破壊された時の能力で、九頭龍の手札を一枚の地へ。しかしそれこそ今更だ。
 黒村のブロッカーはゼロ、シールドもない。そこへ、九頭龍最後のアタッカー、《ヴェルヘルム》が雄叫びを上げる。
「これで終わりですよ、黒村さん。なに、気にすることはありません。黒村さんも言ってたではないですか、これは私怨であり、プライベートな私闘だと。だったらあなたの【ラボ】内での評価が落ちるようなことはありません。まあ僕に負けたという事実そのものは残るので、“ゲーム”の世界に多少の影響はあるかもしれませんが、そこんとこは割り切ってください」
 つらつらと言葉を並べる九頭龍。しかし、黒村は、
「あ、でも黒村さん的にはまずいかもしれませんね。もしかしたら所長が黒村さんのことを——」
「少し黙れ、クズ」
 九頭龍の言葉を遮った。
「とどめを刺せる状態でそんなことつらつら言うとは、みっともないな。お前はもっと、勝ち負けには無頓着な奴だと思っていたが、所詮はその程度だな」
 しかも挑発も込めた。九頭龍は、黒村に言われたからではないだろうが、少し黙りこむ。
「……はいはい、分かりましたよ。じゃあお望み通り、とどめを刺してあげますよ」
 再び咆哮を上げる《ヴィルヘルム》。そして今度こそ、《ヴィルヘルム》の放つ稲妻が、黒村へと襲い掛かる——

 ——が、止められた。

「!?」
 目を見開く九頭龍。《ヴィルヘルム》の攻撃は黒村には届いていない。黒村と《ヴィルヘルム》の間に、一体のクリーチャーが割り込んだようだ。
 それは、
「ニンジャ・ストライク《光牙忍ハヤブサマル》だ」
 《ヴェルヘルム》の攻撃を受けた《ハヤブサマル》は、ガシャンと音と立てて落下し、墓地へと送られた。
「このターンで終わらせるんじゃなかったのか?」
「っ……でも、黒村さんの場には《ターミネーター》しかいないじゃありませんか。僕の場にはまだ四体も大型ドラゴンがいますし《ヴィオラ・ソナタ》と《オドル・ニードル》のコンボもあります。もうシールドはありませんし、ニンジャ・ストライクも弾切れでしょう。次のターンこそ、あなたの最期です」
 黒村の指摘に反論する九頭龍。しかし、九頭龍の言うことは間違ってはいない。現に黒村の手札には、この状況を突破できるようなカードはないのだ。
 そう、手札には。
「お前はもっと、相手に気を付けるべきだったな。俺の墓地を見てみろ」
「墓地……?」
 確かに《ターミネーター》で一気に墓地を増やしたのだから、墓地を活用する戦術なのだろうということは分かる。しかしどの道、次のターンには決まるのだからと、九頭龍は黒村の墓地の確認を怠っていた。
「っ! やば……っ!」
 そして今、黒村の意図に気付く。

「不死なる無法の帝よ、魂蠢く墓地より解放されろ——《不死帝 ブルース》!」


不死帝(デッド・オア・アライブ) ブルース 闇文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 11000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
W・ブレイカー
進化ではないデスパペットと進化ではないアウトレイジを、自分の墓地から召喚してもよい。
このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。


 墓地より蘇ったのは、漆黒の身体に大鎌を携えた、不死の帝《ブルース》。
 闇のアウトレイジの代表格であり、その不死の力は、オラクルでさえも興味を示すほどだ。
「《ブルース》の能力で、山札の上三枚を墓地へ。さらに墓地から進化ではないアウトレイジ、及びデスパペットを召喚できる」
 黒村の山札は残り二枚。一番下のカードが《ハンゾウ》であることを考えれば、マナにされていないアウトレイジとデスパペットは、ほぼすべて《ブルース》によって復活できる。
「でも、《ブルース》を召喚するために、かなりマナを消費しているはず。そんな大型クリーチャーは出せないでしょう……?」
「どうだかな。確かに俺のマナは残り3マナだ。だが、マナを払わない召喚があることを忘れたのか?」
 黒村に言われて、九頭龍はハッと思い出す。
「G・ゼロ……!」
 そして《ブルース》の力により、墓地へと落ちた無法者が蘇る。

「数多の屍を超え、百万の力を超越せよ——《百万超邪 クロスファイア》!」


百万超邪(ミリオネア) クロスファイア 火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 7000+
G・ゼロ奪取自分の墓地にクリーチャーが6体以上あり、自分の《百万超邪 クロスファイア》がバトルゾーンになければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
スピードアタッカー
パワーアタッカー+1000000
W・ブレイカー


 次に現れたのは、火文明のアウトレイジの代表とも言えるクリーチャー《クロスファイア》だ。
 無法者と言うだけあり、型破りな者が多いアウトレイジの中でも、《クロスファイア》の力はずば抜けている。攻撃時にパワーが百万もプラスされ、実質的に攻撃時は必ずバトルに勝てるクリーチャーと化すのだ。
「くっ、でも、それではまだ僕のシールドを割るだけの戦力にはなりませんし、そもそも《ヴィオラ・ソナタ》と《オドル・ニードル》のコンボも打ち破れませんよ」
「分かっている。だから、次はこいつだ。俺の墓地にクリーチャーは11体以上存在する。マナコストを11下げ、1マナでこいつも墓地から召喚だ」
 不死の力はとどまることを知らず。《ブルース》は新たな無法者を蘇らせる。

「暴走せし世界を作り出せ、ここに弱者は不要なり——《暴走龍 5000GT》!」


暴走龍(ライオット) 5000GT 火文明 (12)
クリーチャー:アウトレイジ 12000
このクリーチャーを召喚するコストは、自分の墓地のクリーチャー1体につき1少なくなる。ただし、コストは1より少なくならない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、サイキック・クリーチャーを全て破壊する。その後、パワー5000以下のクリーチャーを全て破壊する。
誰もパワー5000以下のクリーチャーを召喚できず、サイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出すことができない。
スピードアタッカー
T・ブレイカー


 次に現れたのは、弱者の存在を許さない暴走した無法者《5000GT》。
 《5000GT》が場にいる限り、パワー5000以下の弱小クリーチャーは存在を許されず、召喚ができなくなってしまう。
「成程、それで《オドル・ニードル》の召喚を封じたわけですか……しかし、それでもやはり僕にとどめを刺すことはできませんよ。《ブルース》は召喚酔いですから、攻撃できるのは《ターミネーター》と《クロスファイア》《5000GT》の三体。三体の合計ブレイク数は七枚なので、僕のシールドを割り切ることはできますが、そこで終わりです」
 九頭龍の言う通り、このままでは一打点足りない。あと一歩のところで、《ヴィオラ・ソナタ》のシールド変換能力が行く手を阻む。
 かと思われたが、
「安心しろ、お前はこのターンで終わりだ。俺にはまだ2マナ残っているしな」
「たった2マナでなにができると言うのですか。《5000GT》の能力はあなたにも適応されます。あなたもパワー5000以下のクリーチャーは出せません。たった2マナで出せるクリーチャーで、パワーが5000を上回っていて、なおかつスピードアタッカーなんているわけ——」
「黙れ。お前は話が長い、そして人の忠告もまったく聞いていないな。そんなことでは【ラボ】の研究員失格だ」
 九頭龍の言葉を遮り、黒村はさらに墓地からクリーチャーを呼び戻す。
 刹那、空気が振動し、大地が震撼する。

「皇帝よ、今ここに叫べ。偉大なる汝の咆哮が、我らの勝利となる——《勝利皇帝 Guy—R》!」



勝利皇帝(キングオブカイザー)Guy—R(ガイアール) 火文明 (25)
進化クリーチャー:アウトレイジMAX 25000
超無限進化—自分のアウトレイジ1体以上の上に置く。
∞ソウルシフト(このクリーチャーを召喚する時、このクリーチャーの進化元クリーチャーを好きな数選ぶ。このクリーチャーのコストは、その選んだクリーチャーのコストの合計分少なくなる。ただし、このクリーチャーのコストは1より少なくならない)
このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーよりパワーが小さい相手のクリーチャーをすべて破壊する。
ワールド・ブレイカー


 《ターミネーター》《ブルース》《クロスファイア》を進化元に、勝利を意味する皇帝が君臨する。
 かつてエイリアンとの戦いを繰り広げていたハンター、ガイアール一族の無法者。彼の咆哮はあらゆるものを吹き飛ばし、勝利をもたらすのだ。
「《ターミネーター》と《ブルース》はコスト8、《クロスファイア》はコスト7、合計で23。∞(インフィニティ)ソウルフシフトで《Guy—R》のコストは23下がる」
「う、これは流石に……」
 流石の九頭龍も、勝利を意味する皇帝を前にしては強気ではいられない。《Guy—R》の威風は立ち並ぶキング・コマンド・ドラゴンをものともしない。
「これで逆転だな。《勝利皇帝 Guy—R》で攻撃——そして効果発動!」
 《Guy—R》は咆哮する。その衝撃波で九頭龍の場のクリーチャーはすべて、一瞬にして爆散する。
 《Guy—R》が攻撃する時、《Guy—R》よりパワーの低いクリーチャーを問答無用ですべて破壊してしまう、単純な能力だが、パワー25000より小さいクリーチャーなどそういない。ほぼ確実に、相手の場は荒野と化すだろう。
「っ、《ヴィオラ・ソナタ》の効果で、破壊されたドラゴンはシールドへ……!」
「だからどうした。《Guy—R》はワールドブレイカーだ。即ち、いくらシールドが増えようと、すべて破壊する!」
 続けて咆哮する《Guy—R》。次の瞬間、九頭龍のシールドがすべて木端微塵に爆砕した。
「S・トリガー……でも、《5000GT》がいるから《オドル・ニードル》は出せない……!」
 反撃の芽も焼き払われ、本当の意味でなす術がなくなった九頭龍。そこに、暴走した無法の龍が飛び掛かる。

「《暴走龍 5000GT》で、ダイレクトアタック——!」

デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.272 )
日時: 2013/12/30 16:52
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 《Guy—R》の咆哮よってデュエルが終わり、神話空間が閉じられ、黒村と九頭龍が戻ってくる。
「いつつ……まさかあの状況から逆転されるとは、流石ですね黒村さん。僕の完敗です」
 負けた九頭龍だが、しかし負け自体はわりとあっさり認めた。しかし負けた途端、黒村への態度が様変わりする。
「やっぱり【ラボ】のナンバー2なだけありますね。『傀儡劇団ティアリカル』の名は伊達ではなかったということですか。踊らされていたのは僕の方だったみたいですね」
「そんなことはどうでもいい。とりあえず俺の目の前から消えろ、お前の存在は不愉快だ」
 真正面から辛辣な言葉を言い放つ黒村だが、
「そうですか、じゃあ僕はこの辺でお暇させていただきます。明日もバイトですしね。それではさようなら」
 九頭龍もあっさりと黒村の言う通りにし、すぐさまその場から立ち去ってしまった。
「しかし……いくら叩きのめしても勝った気がしないな」
 ぽつりと呟く黒村は、ふと背後の少年の存在を意識する。
「……黒村先生」
 よろよろと歩み寄る夕陽。身体的な疲労やダメージもあるだろうが、精神的な傷も小さくないように見える。
「……お前が奴になにを言われたのかなど、俺は知りもしないし、知りたいとも思わない。奴は自分の行いが【ラボ】のためになると思っているようだが……それは奴が勝手に言っているだけのこと、深く気にする必要はないだろう」
 回りくどい言い方だが、黒村は九頭龍の言葉は信用ならない、気にするな、と言いたいのだろう。しかし夕陽の表情は暗いままだ。
「先生……先生は、僕が《アポロン》を手に入れる以前から、ひまり先輩を知っていたんですよね?」
「そうだな。そもそも俺があの学校に就任したのは、『太陽一閃サンシャイン』——正確には《アポロン》のカードをだが——を観察するためだ。結局観察できたのは数ヶ月だけだったが、それでも蓄積された情報は得ている。お前よりも奴については多く知っているつもりだ」
「……なら、教えてください」
 先輩は悪人なんですか、と夕陽らしくもなく直接的で、しかし力なく問う。黒村はしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと口を開いた。
「……悪か善かなど、一個人で判断できるものではない。特に俺は観察者、自分の価値観による判断は極力排除するようにしているから、俺には奴が善か悪かなど、分かりもしない」
 だが、と続け、
「一つだけ言えることがある。『太陽一閃サンシャイン』、朝比奈ひまりがなぜこれほど有名なのか、その理由でもあるのだが——奴は普通の人間だ」
「普通の……?」
 黒村の言葉を復唱する夕陽。
「ああ。以前、“ゲーム”に関わった者はどこか壊れているものだと言っただろう。さっきの九頭龍を見れば、説得力がつくかもしれない。だが、朝比奈ひまりはそうではない、ほとんど感性が一般人のままで保たれている」
 それだけではない、とさらに黒村はひまりを語る。
「奴の言動や戦績も平凡だ。あまりに平凡であるがゆえに、逆に“ゲーム”の世界では異端とされるのが、朝比奈ひまりだ」
 夕陽も、汐も、もしかしたらこのみや姫乃、流も感じていたかもしれないひまりへの印象、それが“普通”だ。
 だがその普通は夕陽たちだけでなく“ゲーム”参加者の間でも認知されており、しかもそれが彼女の象徴であった。
「朝比奈ひまりは普通の人間だ。普通の人間がどういうものか、お前なりに考えれば、答えは出て来るかもしれないな」
 と、そこまで言うと黒村は踵を返し、夕陽に背を向けて去っていく。夕陽はその背中をぼんやりと眺めるだけだった。
「……普通、か」
 最後に呟いた夕陽の言葉は、冬の闇夜の中に吸い込まれ、消えていった——



 翌日、夕陽は家にいた。
 誤解されがちだが、なにも夕陽たちは毎日集まっているわけではない。ひまりと知り合ってからは集まる頻度が増えていたが、それも最近は落ち着いてきたところだ。
 夕陽はリビングのソファに寝転がりながら、昨日の汐、九頭龍、そして黒村の言葉を思い出し、ひまりについて考えていた。
(先輩が悪だとは僕も思っていない……でも、あの九頭龍とかいう人と黒村先生の言葉を合わせて考えると……)
 九頭龍は、人間の欲望によってひまりが《アポロン》を夕陽から奪い取ったと言っていた。黒村は、ひまりの感性は普通の人間と変わらないと言っていた。
 ここで一番問題なのが、普通の定義だろう。なにが普通かなんて、人によって相違があるもの。義理と人情と善意をもって人と接するのが普通と考える者もいれば、他者を蹴落とし自分さえのし上げれればそれでよいと考える者もいる。
 夕陽は勿論、ひまりは前者の人間だと思う、いやさ思いたい。だが人間の本心というものは、どうしても欲望が渦巻いているものだ。それ自体は否定しない。
(だから問題は、先輩がなにを思って、僕らに接触してきたのか、だよな……)
 こんなこと、一人で考えても仕方ないのは分かる。だがひまりが手放した以後の《アポロン》の所有者であった夕陽は、考えずにはいられないのだ。
 こんなことをぐだぐだといつまでも頭の中でループさせていると、
「お兄ちゃんお兄ちゃん! やばい私すごいデッキ作った!」
「…………」
 ドタバタと走って来たのは、夕陽の妹だった。現在中学一年生でやんちゃ盛りとも言えるような時期だが、どこかでこのみの因子を受けてしまったかのような性格をしているため、年齢はあまり関係ないように思える。
「ちょっと相手してよ。お兄ちゃんも前にデッキ改造したって言ってたよね?」
「……今そういう気分じゃないんだよ。また後でな」
「えー、つまんないなぁ。そんなこと言わずにやろうよ!」
 ゆっさゆっさと夕陽の身体を揺さぶってくる。正直かなりうざい。感覚としてはこのみがずっと家にいるようなものだ。
「やろうよーお兄ちゃん、やーろーうーよー」
「だぁ! うぜえ! ちょっと黙れよお前!」
 あまりにうざかったので、夕陽は跳ね起きた。そしてスクッと立ち上がると、今から出て行こうとする。
「あ、どこ行くの!」
「外だ。ちょっと出かける」
 勿論、夕陽に出かける用事などないのだが、妹のうざさがいつも以上に爆発しているため、今の夕陽ではとても耐えられない。
 夕陽はまず部屋に戻って外出用の鞄とコートを掴むと、そのまま家の外へと出て行った。



「とまあ、家から出たのはいいけど……どうするかな」
 家から出たのはいいが、どこかに行くあてはない。『popple』や『御舟屋』でもいいのだが、相手がいなくなった妹がこのみや汐を対戦相手にする可能性もあることを考えると、遭遇してしまうかもしれないので行きづらい。
「光ヶ丘の家はバイトだし、流は家がどこにあるのかすらも分からない。どうするかな……」
 とりあえず適当に書店にでも入って立ち読みでもしてるか、などとそれこそ適当な計画を立てながら歩く夕陽は、一人の少女を発見する。
 ひまりだ。
「先輩……」
「ん? あ、夕陽君。やっほー」
 ひまりも夕陽の存在に気付いたらしく、片手を軽く上げてパタパタとこちらへ走ってくる。
「奇遇だねー、こんなとこで会うなんて。どうしたの?」
「あ、いえ、特に用事はとかはないんですが……」
 昨日の一件のせいで、ひまりと面と向かえない。だが、こればかりはひまりに直接聞くしかないだろう。迂遠に尋ねたところで、その真意をすべて読み取ることができるとは思えない。
 意を決し、夕陽はゆっくりと口を開いた。
「……ひまり先輩」
「ん? なになに?」
「ちょっと……お話が、あるんですけど……」
 そして、夕陽はすべてをひまりに話した。汐との会話、九頭龍の言葉、黒村の評価、そして——夕陽の思いを。
 相槌も打たず、黙々と聞いていたひまりは、すべてを聞き終えると、
「……うん、なるほどね」
 と、頷いた。
「それは私が悪かったかな。確かに私はみんなになにも話してなかった……本来なら、もっと早く話すべきだったね」
 表情を変えず、淡々と——というわけではないが、彼女の表情からその心情を読み取ることはできない。言葉の上では、夕陽の思うひまりに見える。だが、それは表の話、胸中ではなにを思っているのか分からない。
「私もすべてを黙ったまま、みんあと一緒にいられるとは思ってないし、ここらがいい時なのかな。分かった、全部話すよ」
「先輩……」
 と、ひまりが口を開きかけた、その時だ。

「! 夕陽君!」

 夕陽は、ひまりに突き飛ばされた。あまりに不意打ちだったため、踏ん張るどころか受け身も取れず、アスファルトに転がる。
「っ、先輩……!?」
 起き上がった夕陽が見たのは、歪んだ空間の中に消えていくひまりと、その奥にいる、巨大な龍の存在だった。

Re: デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.273 )
日時: 2013/12/30 21:04
名前: 大光 ◆HynV8xBjBc (ID: VR025uml)

どうも、大掃除がやっと落ち着いた大光です。
テンプレ化していますが、オリキャラを登場させていただきありがとうございます。
考えてた以上に、トゲの多い言葉を連発していたのには驚きましたが、これはこれで問題はありません。一応、九頭竜の言動は相手の力量などを計っているつもりで言っています。十分問題行動ですけどね。
それと図々しいと思いますが、モノクロさんの設定では、九頭龍は所長のことをどう思っているでしょうか?

汐はひまりに対して疑念を持っているようですが、自分も《アポロン》を返して貰うことは虫がよすぎると思っていましたが、その後のひまりの行動を見ると、別にいいかな?と思いました。

夕陽対九頭龍の久しぶりの人間キャラ同士のデュエルですが、後半の《運命》からのキング・コマンド・ドラゴン軍団はヤバイですね。デュエル中でも言われていましたが、一体でバトルゾーンをところが魅力的と個人的には思っています。

次の黒村対九頭龍のデュエルは《運命》を使われて追い詰められたかと思えば、《ターミネーター》の大量墓地肥やしと《ブルース》の墓地からの召喚を利用したコンボで、《Guy—R》まで繋げ、見事に勝利しましたね。前回の黒村のデュエルからは予想ができないぐらい豪快でした。

疑念を抱いてしまった夕陽に、ひまりが全てを話そうとしている所に強襲ですか。恐らく【師団】関係ですね。次回が楽しみです。

デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.274 )
日時: 2013/12/30 22:00
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

大光さん


 こちらも大掃除は終えました。
 いえいえ、むしろ登場が遅れてすいません。
 前にも言った記との差別化ですが、記が単純に軽口を叩くの対し、九頭龍は辛辣な言葉を使わせています。問題ないのであればよかったです。
 九頭龍の所長に対する評価ですか……あんまり考えたことはありませんが、一応、相手が所長という認識は持っているつもりです。もしラトリが弱点や隙を見せたらなにか画策するかもしれませんが、今のところラトリにはそういう隙が見えないので、唯々諾々と下についている、といった感じでしょうか。

 汐は夕陽たちの中で一番理知的ですからね。あまり考えたくはないと思っていますが、そういう可能性を考えざるを得ない、という思いでひまりを疑っている感じです。

 そういえばそうですね。ここ最近、ずっとクリーチャー戦でしたね。
 やはりドラゴンを一気に並べる《運命》は、動かしていて楽しいです。ただキング・コマンド・ドラゴンは下手に並べるとオーバーキルになるので、どいつを選ぶかに結構気を遣います。

 《運命》は普通に手打ちしても強いですからね。手札破壊を駆使する黒村相手には、意外と有効な呪文かもしれません。
 《ヴィオラ・ソナタ》と《オドル・ニードル》のコンボはプロキシカードを動かしていて気づいたんですが、これ、かなり厄介です。《ヴィオラ・ソナタ》自体、打点が非常に高いのでぼやぼやしていると押し切られますし。
 今章の黒村は一番主人公してるかもしれません。流れるようにヒーロー性の強いカードを連打して大逆転って、もはや誰が主人公だが分からない感じになってますね。まあ、恐らくこんなプレイングは今後の黒村にはないと思いますが。

 ここに来てお決まりの妨害が入ります。【師団】絡みというのもその通りです。ただ、今章ではもう対人戦はないんですけどね。
 なんとか年末までに今章は終わらせるつもりです。次回もお楽しみに。

Re: デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.275 )
日時: 2013/12/30 22:45
名前: Orfevre ◆1iNwKp1Y0I (ID: Bz8EXaRz)

モノクロ様

あと1日で今年も終わると言うことを考えると
この章はもうすぐ終わりなんですね
2つ程言うことがあってきました

1つめは改名のご報告です
翌日の12時に名前を変えますので
前もって知らせておきます

2つめは
1月17日に葵、陽花、ジュリアの
誰かが出ているシーンを投稿してほしい
という単なるわがままです
1月17日が誕生日なので
誕生日プレゼントということで
出してくださると嬉しいという話です
もちろん、作者様の都合もありますし
無理になさらなくていいので
ストーリーを考える際
お心に留めてくださる程度で構いません

余談ですが私のオリキャラのバストサイズを
葵…B
陽花…D
ジュリア…C


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