二次創作小説(紙ほか)

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日常日和。5
日時: 2025/09/30 17:20
名前: 桜 (ID: ZZpzcnXb)

おかげさまで日常日和。も5という節目で新しく迎えることができました。ここに至るまで色々と混乱があり悩みもしましたが、考えた末にこの先に何があってもこれまでの続きを執筆したいという気持ちで新スレッドに至れました。色んな意味で変わる場合もあり混乱はすると思いますが、私は私で頑張りたいと思いますのでご存じの桜サイドやこれまでに出てきた新たなサーヴァント達も含めてどうぞよろしくお願いします!


「目次」


「短編」
The Reverse Night>>1-5
聖夜怪盗☆シークレット>>6-7
デンジャー☆スクランブル>>33-36
僕もまた、運命に導かれて>>37-38
うちの護衛のママ侍さん>>39-42
とある雪月花の羽根。>>43-44
アスパラ☆クライシス!>>77-83
運びを巡る機関車と謎のトレインハンター>>84-86
僕の果実のボク>>96-100
黒の感情・白き純潔>>101-105
ツイセキ☆トラブル!>>148-152
イモーターウォーズ>>153-156
◯◯透視の試用モニター>>157-161
こっちを向いて、愛してると言って!>>162-165
Halloween rabbit!>>166-169
湖の騎士は星の戦士の●●に夢を見るか?>>170-172
ランデブー☆メタモルフォーゼ>>173-176
鯖組メインでファンタパロ>>177-179
雪の記憶、冬の華>>180-183
ある冬の日のアムール>>184-187
クリスマスに追いかけっこ!>>188-191
クリスマスにネガイゴト>>192-196
小さきパンダのガレット・デ・ロワ>>197-200
宇宙の中の不思議の国>>201-205
スキ!スキ!スキー!>>206-210
ビターシュガー・チョコバーボン>>211-215
満開花見日和>>246-249
ツッコみ所が絶えませんっ!(by一ちゃん)>>250-253
ブレーメンの追跡隊>>254-258
王様ゲーム>>259-262
阿国さんの戦い>>263-267
蛇は蛙が好物らしい>>268-270
シチリアでの小話集>>286-289
パンプキンハザード>>318-321
雪の輝き、小さな夢>>345-348
王ドラなう!>>349-351
聖夜、君に贈り物を>>352-356
聖夜、白なる争奪戦>>357-360
突撃!隣の大掃除>>361-364
年明けのアムール>>365-368
バレンタインのから騒ぎ?>>393-396
I‘m not crying anymore>>397-400
バディファイターズタワー踏破の旅>>429-432
Cherry:CamelotZERO>>437-440
異世界を駆け巡る澄色の猫型ロボット達>>471-478
かの者が残してきたもの>>479-482
虹の島々での小話集>>537-540
グルメフェスを調査せよ!>>541-544


「サーヴァントvs○○○シリーズ」
第六天魔王vsカンフー猫型ロボット>>322-325
湖の円卓騎士vs仮面の剣士>>337-340
光の御子vs魔界のプリンス>>341-344
ブリテンの騎士王vsもう一人の闇の魔導師>>401-404
幕末の人斬りvs蒼炎の勇者>>405-408
日輪の姫vs野原家の主婦>>409-412
大統王vs黄色い悪魔>>413-416
五代目風魔頭目vs宇宙忍者>>417-420
太陽の騎士vs赤き吸血鬼>>499-502
島原の乱の指導者vs虚言の魔術師>>503-506
維新の英雄vsウサギの双子弟>>507-510


「桜サイドの快刀家の事情」
三兄編>>389-392
次兄編>>433-436
長兄編>>545-548


「針音ノ時計塔のアリア」
時の輝きよ>>45-47
赤の中のモアイさま>>48-50
青の上のウォーターシティ>>51-54
白の下のバトルロワイヤル>>55-57
黄の外の太陽・・・?>>58-60
その呪文の続きには>>61-66
「誰か」の世界にとってのピース>>67-71
ここに。>>72-76


「決戦前夜」
輝ける希望の星達よ>>114-117
二度の生における旅路>>118-120
「太陽」の焔を>>121-125


「キャメロット城での決着」
現在キャメロット城:正門>>126-127
現在キャメロット城:世界を約50%吸収>>128-129
現在キャメロット城:世界を約80%吸収>>130-133
我らの望む未来>>134-136
太陽のナミダ>>137-141
There are our home here>>142-147


「女性ケロン人小隊襲来」
一の儀、女性ケロン人小隊襲来!>>369-372
二の儀、ささやかな疑念>>373-376
三の儀、偽物と本物>>377-380
四の儀、ゆずれなき信念>>381-384
五の儀、星へ届けるハーモニー>>385-388


「フェアリー・レクイエム〜トリスタンの名を持つ妖精の少女〜」
「トリスタン」は突然に>>549-552
日常ブレイカー?それとも・・・?>>553-556
妖精姫のトマドイ。>>557-560(更新)


「前後編」
かけがえのない「君」>>26-28>>29-32
戦国時代からの謎の挑戦状!>>87-91>>92-95
苺の彼方をもう一度>>106-109>>110-113
シチリアでの鳥の夢>>271-275>>276-281>>282-285
月夜でのエンゲージ>>326-331>>332-336
雪月に小さな花びらを>>421-424>>425-428
時空鉄道の夜>>483-487>>488-498
カービィだらけ>>511-515>>516-519
ワドワド☆サマーアドベンチャー!>>520-525>>526-530>>531-536


「風花月夜伝〜友情よりも、忠義よりも〜」
第一の巻:逆光降臨>>8-10
第二の巻:御一行様之旅珍道中>>11-12
第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に>>13-15
第四の巻:変わりはしないもの>>16-18
第五の巻:生きとし、生ける者。>>19-20
第六の巻:揺るぎない、どうしても。>>21-22
最終の巻:音が導く先>>23-25


「風花月夜伝2〜花は今、光へと舞う〜」
第一幕:異変を告げられし江戸>>216-219
第二幕:渦巻く四方と空>>220-223
第三幕:咆哮の中に在る「声」>>224-227
第四幕:私の輝きの星>>228-231
第五幕:忍び寄る戦いの迫る時>>232-235
第六幕:怨恨開花>>236-240
最終幕:空へ>>241-245


「灯火の星〜第六天魔王の乱〜」
第一の段:わし、参上!>>290-293
第二の段:雷に阻まれるのならば、やることは?>>294-297
第三の段:キミと、光と>>298-301
第四の段:聖地の謎かけを解き明かせ!>>302-305
第五の段:闇夜の城で見つけたのは・・・>>306-309
第六の段:光と闇の諍い>>310-313
最終の段:そして魔王は、悪魔と共に歩き出した。>>314-317


「チェリーワールド×蒸気都市〜夢幻の歯車の光〜」
第1話:ようこそ蒸気都市>>441-444
第2話:風を便りに>>445-448
第3話:決して叶いもしないだろうけど、>>449-452
第4話:魔女の■の讃歌>>453-456
第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」>>457-460
第6話:風よ光へと吹け>>461-465
最終話:さよなら蒸気都市>>466-470

第二の巻:御一行様之旅珍道中(その1) ( No.11 )
日時: 2023/01/26 17:07
名前: 桜 (ID: VWN9kw8v)

いわずとしれた王ドラ主人公の外伝編、第二話!
ジブにある漫画も読み返しながらクロスオーバー小説と見比べてみましたが、多少差異がある(場合によっては漫画用に設定変えたりしてるキャラもいる)とはいえあんまり設定が変わってなさがもう安定の子達のような気が・・・(汗)
ちなみに読み返して一番差異があると思ったのはトリスタンですね。小説での設定はあんな多少度が過ぎるやきもち焼きと言われるほどじゃないwでもってどっちもあんまり変わらないのは「反転してもしてなくても度々やらかすような自由人の変人変態で、でもって本当に欲しいものは絶対に離さずにその目的のためならどんな手段でも厭わない」ようなところです。なぜでしょうね?甘え上手=その実嫉妬深いでしょうか??


スージー「騎士様もそういうところはありますわね。あんな甘え上手ではありませんが、多分そういう気配が!」


そうだろうね。だからどっちとも多少矛盾があるとはいえあんまり気にするようなことはないです。むしろ私は甘え上手=嫉妬深い攻めのキャラはめちゃ好きなので。そこに暗い意味ではなくかなりはっちゃければ尚更いい。






ーーーーーその米の豊作の前触れは貴方様方は知っているのか。


その前触れは太陽から光を与えられるか、それとも雨が降り水を与えられるか。どっちだと思うか?前者を答えるのが定番であろう。


・・・だが、答えは逆だ。つまり後者である。日照りを与えてばかりいたら豊作は実らない。それならば必須である稲も麦もそれから作られた食物は食べられないのだろう。お腹を空かせた子供が可哀想だ。


だから雨から水を与えられるのは必須なのだ。もちろん大雨なんて大袈裟なものではなく、恵みの雨という意味でーーーーー






王ドラ「・・・」


朝食を食べた後にせめてもの掃除しながら青空を眺めていたカンフーの達人王ドラはこれまでに起きた出来事を思い返していた。


王ドラ(うん。あの人達は悪い人達ではありませんけどねぇ。多少はケチャップが飛び散る戦闘狂(?)とかビッチとか女好きな多少ナルシスト(?)な美形な奴とかライオン頭とか刺青を入れてる奴とか過激な格好してる女の子らとかどこか邪悪な雰囲気が漂う愚羊とか過激な奴もいますが。まあそれらは私らとあんまり変わってないですね。例えばギャンブラーなんか色恋沙汰を度々引き起こす奴よりもずっとマシですよ)


王ドラはそう思いながら掃除を黙々と進める中でアサシンの人斬りサーヴァント・岡田以蔵が駆け寄ってきた。


以蔵「楽ー!為朝がわしらになんか話があるぜよ」
王ドラ「何を話すつもりでしょうね?」


アーチャーの超巨大サーヴァント・源為朝に呼び出された二人は彼からからあることを話された。それは・・・


二人「京にある城に住む殿下の使いから英霊剣豪に関する依頼を遣わすから、ここと京にある宿と行き来しろって!?」
為朝「ああ、あの城の殿下もそなたらには興味津々なのでな。特に半年前に打首刑になった悪人の「岡田以蔵」が生まれ変わったような奇蹟だと思っているようだ」
以蔵(この世界はここのわしが打首刑になって半年後か・・・おん?待て・・・なんか・・・)


すると、為朝はそばにいる四太郎や阿美の頭を同時に撫でながら言う。


為朝「二人も一緒に行ってあげなさい。少なくとも羽ぐらいは伸ばせるだろう」
阿美「はーい!」
四太郎「おじい、度々帰ってくる」


まだ幼い兄妹の四太郎や阿美に優しく接する為朝を見てカンフーの達人は少し意外だと感じた。


王ドラ「二人には優しいんですね。優しく見守るようなおじいちゃんに見えます」
為朝「あの二人の両親は赤い空から出てきた妖霊によって二人を庇った形で亡くしていてな。それでその時にまだ召喚直後だった私が二人を見つけて面倒を見ているのだ」
王ドラ「そうだったのですか・・・(あんな顔見たら迂闊なこと聞いてしまったような気分になりますね・・・」


そして四人は京に向かい、その城にある殿下の使いに会いに城下町にたどり着く中で以蔵は町民達が驚きや好奇などの目や時折耳にしていたその使いの名前を聞いて少し不機嫌になっていた。


以蔵「・・・」
王ドラ「やっぱり嫌だったりしますか?」
以蔵「町民達の好奇な目ならまだしも殿下の使いの名前が壬生浪の奴じゃから嫌なだけぜよ」
王ドラ「壬生浪ってまさか・・・」


すると、突然町民達がざわついていた!殿下の使いが馬に乗ってこっちに向かってきているからだ!


町民A「斎藤様!?見て元新撰組の三番隊長の斎藤一様よ!」
町民B「斎藤様も殿様も物好きなことよなぁ。あんな人斬りに俺達が恐れてる英霊剣豪のことで仕事を依頼するだなんて・・・」


斎藤一。以蔵が生前でも因縁がある新撰組の三番隊長を務めていた男だ。彼を見た瞬間に町民がみんな道を空ける中で以蔵達を見た。


斎藤「あんたがあの打首刑になったはずなのに黄泉から帰って来たような岡田以蔵か?」
以蔵「・・・」
斎藤「へぇ。無宿の鉄蔵にしてはいい睨みつけしてるねぇ」


すると、王ドラは斎藤から放たれる視線に抵抗しようとしたのか以蔵の前に立って歯を思わず食いしばりながらじっと睨みつけていた。


斎藤「えっ。あんたが言ってたような武器商人?」
王ドラ「武器商人ですね。外国から遥々とやってきた楽という者です」


斎藤は思わず王ドラの今の擬人化でのかなりの美少女に見紛うほどの可愛らしい顔と以蔵や四太郎と阿美の兄妹を守ろうとする啖呵を切る姿に関心を寄せながら言う。


斎藤「そんな強き可憐な武器商人がいるならあんたを殺すことはないよ。まあ、また打首刑になる前と同じ何かやらかしたりしたら間違いなく同じことだけどな」


斎藤はそう言って立ち去った後に町民達は思わず王ドラの斎藤相手に啖呵を切った姿に畏怖と少しの恐れを感じ取った。


以蔵「ありがとき。楽」
王ドラ「私が好きでやることですよ。このままでは以蔵さんがあの男に手酷い目に遭いそうですからね」
以蔵「わしには勝てる自信があるぜよ」


一方、野原のある川原。そこには二人の人物が会話を交わしていた。


???「案外辿り着けはしましたが・・・」
???2「とりあえず王ちゃん探すよぉ」


一方、為朝が言っていた宿に到着した四人はその宿の「紅孔雀亭」の豪勢さを見て驚いた。


王ドラ「これは千と千尋の神隠しにあるような宿ですか?」
以蔵「この世界にしてはますます怪しいもんじゃ・・・;(まあこれと同じようなもんはないことはないかが・・・」
宿の女将「ようこそいらっしゃいました!」


すると、出迎えてくれた女将の姿を見て王ドラは驚いた!


王ドラ(チュチュさん!?)
宿の女将「私、ここの宿の女将であるお紅と申します。為朝さんからも話を聞いてますのでささっ、どうぞ中に」
王ドラ(チュチュさんによく似ているけれどあくまでも違う別人か;よく見たらウサ耳ないですし)


四人が宿の中に入り、最上階にある部屋の間(聞けばちょいと上等な部屋であるらしい)に案内された後に窓から城下町の雰囲気などを見ていた。


阿美「見て!お城ー!」
シグ「山ー。おじいがいる長屋も見えるかも」
王ドラ「これがこの世界の・・・(ちゃんと普通だけど、やっぱりどこか・・・」


一方、以蔵はお紅に声をかけられていた。


お紅「貴方、やはり岡田様ですよね?まさか改心しておられたなんて!やっぱり黄泉で鍛え直されたのかしら?」
以蔵「お、おん・・・;(楽同様に別の世界から来たなんて言えん・・・;」
お紅「小さい頃に大飢饉により大流行していた天然痘で亡くした幼馴染に怒られたのでしょうかね?」
以蔵「?わしの幼馴染が天然痘って・・・?」
お紅「黄泉に一度行ったから記憶がぼやけましたの?」






お紅「岡田様を大切に思っていた幼馴染・武家の坂本家の子息、龍馬様が子供の頃に天然痘を患って亡くなったのです」






以蔵はお紅からその話を聞いた後にやはりこの世界と本来の歴史とは違っていたことを改めて確認した後に四太郎や阿美を子守り中の王ドラの元を訪ねた。


王ドラ「おかえりなさい。何かわかったのですか?」
以蔵「・・・。なあ、おまんは本来の坂本龍馬の最期はなんというやつじゃ・・・?」
王ドラ「・・・最後は明治維新の志半ばで33歳で暗殺の凶刃に倒れたと聞きました」
以蔵「それが全部が異なっちょる。この世界の坂本龍馬は、大飢饉により大流行した天然痘で子供の頃に死におった・・・!」


以蔵の先程に得た証言から王ドラは少し驚きを隠せなかったが、同時にこの世界がなんなのかわかりそれで納得していた。


王ドラ「そうですか。だからなんですね・・・」
以蔵「・・・どういう意味じゃ?」
王ドラ「この世界は、多くの悲しみとそれによる多大な喪失を元に成り立っていたということが・・・」


王ドラや以蔵が感じ取っていた違和感の正体は、悲しみや喪失に彩られたこの歪んだ世界への憐憫や同情だった。だからこそますますこの世界のさらなる秘密を知らなければならない・・・。
すると、お紅が部屋に訪ねてきた。


お紅「楽様ー。貴方様に来客ですわ。聞けば貴方様の知り合いだという方二人が・・・」
王ドラ「知り合い?」


すると、お紅の後ろにひょっこりと顔を出した人物がいた!王ドラ救出という目的でチェリーワールドから王ドラの夢の中に入ることができたサーヴァント・新宿のアサシンことアサトだ!


アサト「よぉ、可愛い武器商人ちゃん!この俺様が助けに来てやったぜ!」
王ドラ「アサトさん!?なんでここに・・・」
アサト「すんなりと入れたんでな。ああ、それと・・・」


すると、アサトは自分が抱えてる何らかの形で気絶中の、アサトと同様に王ドラの夢の中に入ることができたアーチャーのサーヴァント・円卓の騎士の一人であるトリスタンを彼らに見せながら言う。


アサト「こいつ、ちょっと休ませてくれないかなぁ?京に着いた途端にここの人妻を口説いてそれを見たその旦那に殴られたんだ」
王ドラ「ここでも何やってんですかね・・・;」






ーーーーー事の発端はチェリーワールドのスマブラ屋敷。医務室のベッドで眠り続けている王ドラの中に潜み込んでいる怪異現象のまだ仮名として名付けられた「禍いの種」を完全体になる前に切除するためにチェリーワールドの創造主の桜はある策を提案した。


桜「ここにひみつ道具の夢はしごはあるわよね?夢はしごで行き来できるなら切除しないこともないと証明されてるわ」
ドラえもん「じゃあ、王ドラは助かるの!?」
桜「ええ。ただし、人間も人外も関係なく二人しか入れないわ。しかも、その禍いの種が関係しているってことはあるから王ドラの夢の中に入るのに適性値が高い人じゃないと・・・」


桜の策の内容に夏美は念のために聞いた。


夏美「じゃあ、もしそうだとしたらドラえもん達みたいな親友達も入れないの?」
桜「適性値が高くなかったら入れないわね。だから、適性値の高い人を示すレーダーが出てくれると思うんだけど・・・」


すると、そのパンダ型の適性値探知機がビービーと音を鳴らした!耳のいいゼオはその大音量に思わず耳を塞ぎながら聞く。


ゼオ「誰が示された?」
桜「・・・アサト。いけるわね」
アサト「俺かい?王ドラちゃんを救うのは俺に任せておけよぉ!」
クルーク「思ったよりも了承してくれてよかった!(あれ?ということはアサトのマスターのツキノも行くから二人ってこと?」


すると、ビービーとさらに大音量を鳴らす形で示された方を大半の全員が目を向ける。それはまさかの予想外な人物だった!


トリスタン「え?私ですか?」
チャラ王(マジ?あれだけ嫌われてんのに適性示されてんの?)






ーーーーー以上が回想。ちなみに夢はしごで渡ることができたトリスタンやアサトはチェリーワールドでは王ドラ同様に眠っている状態だそうだ。


アサト「というわけでさぁ〜!俺はともかくトリが入れるなんてみんな思わねーよぉ!みんなもかなりびっくりしたんだよ」
王ドラ「私もその話を聞いてかなりびっくりしたんですけどね(顔が青い」
アサト「だろぉ?ん?そちらの侍は?」


すると、以蔵は自分のクラス名と真名を名乗った!


以蔵「わしはかなり癪じゃが、アサシン、岡田以蔵じゃ。訳あって同じように飛ばされちょった楽と一緒に行動しちょる」
アサト「楽?岡田以蔵?同じように飛ばされた?そいつについては城下町の奴らが噂してたけどどういうこと?」
王ドラ「わっ;話しますから聞きなさいっ;」


王ドラは今の自分の身の上、そして自分と一緒にいる以蔵が「この世界の岡田以蔵」と同一存在の別人であり理由は未だ不明だがおそらく自分と同じように飛ばされて来たのだとアサトに話した。


アサト「ふーん。つまりそいつはちょっと困惑した状況になってるんだね。この世界についても本来の歴史からずれたチェリーワールドとは違う世界なんだねぇ」
王ドラ「そうですよ。だから、あなたも江戸時代向けに何か名乗った方がよろしいかと」
アサト「うーん・・・イゾー。俺は船乗りの朝川だよぉ。好きなように呼んでくれ」
以蔵「船乗りもここまで渡るもんか?後ろに未だ寝込んでるこの赤髪は?」
アサト「ああ、そいつはたまに一緒に飲んでる鳥野だよぉ。名のある楽器の奏者なんだ」
王ドラ(嘘つきなさい!二人でほぼ頻繁に飲んでるでしょうが!!)
以蔵「酒かぁ?」
アサト「おー、あんたも酒好きか?」
王ドラ(意外にも食いついた!!?)


すると、四太郎と阿美はアサトをじっと見る。


アサト「その子ら、シグとアミティに似てるけどどうした?」
王ドラ「飛ばされた私達を拠点とした長屋に案内してくれたんです。あの子らが住んでる長屋にはおじいがいまして、そのおじいが面倒見てるんです」
アサト「ふーん・・・」
王ドラ(彼とも仲良くなりたいけれど、近づかない・・・やっぱり刺青が怖いんですかね?)


その夜、大半の全員が寝静まった後にトリスタンは一人目を覚ました。ふと歩くと声が聞こえた。四太郎と阿美を寝かしつけている王ドラだ。


トリスタン「・・・無事なのですね」
王ドラ「トリさん・・・!目を覚ましたのですね」
トリスタン「ええ、なんとか。ん?アミティ嬢に似ているその子は・・・」
王ドラ「阿美ちゃんです。四太郎君と一緒に私達といるんです」
トリスタン「私達・・・」
王ドラ「ええ、岡田以蔵ですよ。・・・あなたと同じの」
トリスタン「・・・!知っていたのですね」
王ドラ「ええ。でも、性質自体は私達とあんまり変わってはいませんね。同一存在であったとしても別人ってことはわかるんですがね・・・」


すると、王ドラはなんだか少し弱きそうにトリスタンに言う。


王ドラ「・・・四太郎君や阿美ちゃんの面倒を見てくれてるおじい、あなたと同じですよ」
トリスタン「・・・」
王ドラ「私の中の禍いの種を切除したらきっとおじいは消えてしまいます。そしたら今度こそ四太郎君と阿美ちゃんは二人きりになります。両親を亡くしているのに・・・トリさん」
トリスタン「はい」
王ドラ「こんなこと言って悪いと思いますが、それでもあなたは私を軽蔑しないでくれますか・・・?」
トリスタン「ええ(この者の弱音、初めて聞きましたね・・・」


一方、それを見ていたアサトと以蔵、お紅は王ドラの弱音を襖越しに聞いてしまい、ちょっと反省した。


アサト「普段は弱音決して吐かないから意外だったよぉ」
以蔵「わしは自分のことばっかりで他にも目を向けるようなことしちょらんな・・・」
お紅「私ももうちょっと歩み寄ればよかったですね・・・」






一方、とある場所。そこは英霊剣豪が集う場所だった。


英霊剣豪・バーサーカー「しっかしさぁ、まさかランサー右京が倒されるなんて思いもしなかったし!」
英霊剣豪・アサシン「まさか人斬りがアレを倒したなんて意外ですね」
英霊剣豪・セイバー「・・・おい」


すると、セイバーがある者を指しながら言う。英霊剣豪のアーチャーだ。


英霊剣豪・セイバー「次、行けるか?アーチャー」
英霊剣豪・アーチャー「・・・行ってくるぞ。もしも勝利したら美味しいお米をドンドーンと食べさせてやる」


英霊剣豪のアーチャーはそう言って以蔵達一行を暗殺しに向かった。そこには頼もしい仲間二人が加わっていることも知らずに・・・。

第二の巻:御一行様之旅珍道中(その2) ( No.12 )
日時: 2023/01/26 17:11
名前: 桜 (ID: VWN9kw8v)

その翌朝の紅孔雀亭。王ドラは目を覚ましたらすっかりと眠ってしまったことに気付いた。思わずあわあわと慌てた。


王ドラ「四太郎君、阿美ちゃん!ごめんなさい、寝てしまって・・・!」
四太郎「大丈夫、ちゃんと寝てた」
阿美「楽兄ちゃんがちゃんと寝かしつけてくれたからだよー」
王ドラ「すみませんね、こんな時に休んでる場合じゃないのに・・・」


すると、お紅があくびをしながら入ってきた。先に起きていた二人をお守りしてくれたのだ。


王ドラ「・・・お紅さん、代わってくれたんですか?」
お紅「さて、なんのことでしょうか?それよりも町民には私から話をしておきました。少なくとも岡田様が改心していることはまだ半信半疑な者も大勢いるようですが、誤解も半分解けたようです」
トリスタン「私もその声かけを手伝いました」
王ドラ「えっ、うそっ!?」
トリスタン「疑いは完全に消えたわけではありませんが、今はもう殺しに来ることはないでしょうね」
王ドラ「どうやってやったんですか;」
トリスタン「ハープで三味線の音色を奏でながら唄風に話しました」
王ドラ「そんなこともやれるんですか;」
以蔵「・・・;」


すると、トリスタンは言う。


トリスタン「四太郎殿や阿美殿のこと、それは誰よりもお祖父殿も承知しておられます。その後の行く末についても彼なりに考えていないわけではないでしょう」
王ドラ「あ・・・そうですね」
トリスタン「私やアサト殿も預け先は探すことを尽力します」
王ドラ「本当ですか?・・・意外と頼りになる奴じゃないですか」
トリスタン「えっ。楽殿、とうとう私のことを・・・!」
王ドラ「それとこれとは話は別ですからね(毅然ときっぱり」
以蔵「つか、普段はアサトやトリと呼んでるき・・・」


すると、英霊剣豪のランサー・右京の時と同じ赤い空が映し出されてきた!


アサト「これは・・・!」
以蔵「!!英霊剣豪の奴か!!」
王ドラ「すぐに向かいますよ!」
お紅「貴方様ら!四太郎と阿美は私の方で見ますのでどうかお気をつけて!」
トリスタン「はい!」


一方、英霊剣豪・アーチャーは城下町近くで以蔵達一行を探していた。既に何人かの人間を弓の矢にかけながら。


英霊剣豪・アーチャー「どこにいるのだ?わかっているのだぞ・・・」
以蔵「わしらはここにおる!!」


すると、後ろから以蔵の言葉が聞こえた英霊剣豪・アーチャーは振り向くが、見知らぬ人物が二人王ドラや以蔵の近くにいることに気付いた。


英霊剣豪・アーチャー「・・・なんか増えたか?」
トリスタン「私だって騎士です。闇に落ちた貴方もそうではないのですか?」


すると、トリスタンはその英霊剣豪のアーチャーの真名を当てた!


トリスタン「貴方は弓矢の他に米俵もありますよね?アーチャー、その真名、俵藤太」
藤太「・・・ほう」


すると、英霊剣豪のアーチャーの藤太は以蔵ら一行に対決を布告する!






藤太「我はアーチャー、俵藤太であり英霊剣豪の中納言でもある!!いざ尋常に勝負!!」






藤太と以蔵達一行が激突する中で、以蔵はまるで景虎の時とは違うような強さを感じていた。思わず彼のなんとか保っている態勢が崩れそうになったこともあった。


以蔵「案外強いやないかこいつ!!」
王ドラ「トリさん。俵藤太ってもしや・・・」
トリスタン「ええ。平安時代に存在したあの伝説の大百足を倒し今もなお後の名を残した源氏でさえも戦うのは躊躇うほどの言わば化け物です。人間の英霊であることは変わりないのですが、まともに戦うのは厄介な類です。強さを特に重視してはいないのですがね」
王ドラ「英霊剣豪にはそのような人物を・・・」


王ドラもそれを知って思わずゾッとした。英霊剣豪でなくともあのような強さを誇る英霊を見たからだ。大半の英霊からも畏怖されて恐れられる王ドラがゾッとするのは相当だったのだろう。しかし、彼が思わずゾッとして相対するのは最悪だと思った厄介な相手はすぐ隣にいた。


トリスタン「?なんですか?」
王ドラ(こいつも人のこと言えないですけどね。強さだけの騎士あるいは英霊なら勝てるけれど、こいつの動きはまるで読めない。攻撃したとしてもすぐその動きを変える。魔改造にして持っている宝具であるハープも移動用やトラップワイヤーにも使えるとしたら尚更厄介!)
トリスタン「以蔵殿を見ながら私のことチラ見してますよね」
王ドラ「うっるさい!」


一方、以蔵は藤太の強靭な強さに次第に苦戦を強いられていった。そこにアサトが駆け寄る。


アサト「イゾー!このままだとヤバいから俺が力貸してやろうかー?」
以蔵「は!?まあ、確かにあいつは強いき。聞かんことはないが・・・」
アサト「ーーーーー」
以蔵「・・・おん!?おまん、正気か!?」
アサト「いいからやろうぜー(それにトリスタンも気付いてる通り、あいつは何らかの理由で全力出してるように見える」


すると、藤太は自身の宝具を繰り出そうとしていた!


藤太「あの同じアサシンに策を言われたのか?残念であったな、その策は実行できん!【八幡祈願・大妖射貫】!!願わくばこの矢を届けたまえ!!」
以蔵「!!」


以蔵は藤太の宝具の攻撃を受けた!その射る矢は龍神が見えるかのようだった。


王ドラ「以蔵さん!!」


藤太はその宝具の弓を下ろした。自分の勝利はもう確定した・・・


以蔵(?)「あんたが射った奴がイゾーだと思って宝具ぶちかましたのかぁ?」
藤太「・・・何!?」


かに見えたが、その直後に藤太が射った以蔵の姿からいつもの姿に変わる!そう、自身の能力である変身で以蔵に化けたアサトだ!


藤太「よく見れば傷もない・・・そうか!アーチャーの円卓の騎士か!?」
トリスタン「楽殿にも事前に話したのですよ。私のスキル・声高らかに愛を讃えんで回避を二人に与えたので」
藤太「二人・・・まさか!」


すると、藤太の頭上に本物の以蔵が飛んできた!


以蔵「おまんらは色んな意味でむちゃくちゃじゃ!!【始末剣】!!」
藤太「っ!」


以蔵は自分の宝具を藤太にぶちかました!しかし、藤太にはダメージを与えられたものの彼はなんとか粘っていた。そう、外してしまったのだ。


以蔵「すまん、外しちょった;」
王ドラ「まだ大丈夫です!あと一発だけトドメを刺せれば・・・!」
トリスタン「その必要はありませんよ」
王ドラ「え?」


すると、藤太の霊基が消えていくように感じた!以蔵は外してしまったのに不可解な現象にアサトは藤太に聞いた。


アサト「・・・やっぱりな。あんた、自分の中にあった英霊剣豪としての呪いを解放するために全力で戦って宝具まで放ったんだろ?自分がそれで自害することで。確かに弓は使わねえな」
王ドラ「え?どういうことですか!?」
トリスタン「あの者は呪われてもなお英霊剣豪に囚われたくない自我を持ってその呪いと戦っていた。でも、このまま行けば呪いは侵され完全にその自我をなくしてしまう。だから、以蔵殿と全力で戦うことで自分の体力を消耗した。結構な皮肉な話ですが、以蔵殿が掠って外したことがその追い討ちになってくれたのでしょう」
以蔵「は?じゃあ、おまんは自分で自分を殺すために・・・!!」


以蔵の問いに消滅の間際である藤太は答えた。


藤太「いや、それでよかったのだ。そなたが全力を以て戦ってくれたから。我が目的も達成されている。だから、我を殺したのはそなたではない。・・・この拙者だ」
以蔵「・・・」
藤太「せっかくの作物も無駄にしたくないのでな。なぜならそれは民が誠心誠意を以て蓄えたものだ。拙者はそれを・・・我などに奪われたくなかったのだ」


藤太はそれを言い残して消滅した後、トリスタンは思わず吐き捨てるように言う。


トリスタン「あのような者まで英霊剣豪にしてしまうとは・・・!」
王ドラ「・・・」


藤太は自分の呪い(悪意)と全力で抗っていたのだ。彼の消滅の間際の表情は彼が本来持っている優しげな顔だった・・・






赤い空もいつもの青い空に戻った後のその翌日、二人目の英霊剣豪を倒した以蔵達一行は紅孔雀亭にてお紅が祝いとして沢山の食事を作ってくれた。


お紅「二人目の英霊剣豪をよくぞ倒してくれましたわ!これはそのささやかなおもてなしですが、四太郎君や阿美ちゃんの分もあります!」
王ドラ「美味しそうですね。魚も汁物もよく料理してらっしゃる」


王ドラは出された料理を美味しそうに口にするが、横をチラリと見た。


トリスタン「私とイゾルデの出会いは・・・やはり私が毒で倒れて目を覚ました後のことですね」
アサト「はぁー?女だけじゃなく金銀財宝も奪えよ。それだったら最後は悲惨なことにならずに済んだぞー」
トリスタン「いえいえ、イゾルデとの◯◯◯(放送禁止用語)や◯◯◯(放送禁止用語)がなければ・・・(酔」
アサト「せめて◯◯◯(放送禁止用語)はしなかったのかぁ?(同じく酔」
王ドラ(この放送禁止用語を連発してる酔っぱらい共の近くにいるとせっかくの美味しい料理が台無しだ・・・;)


すみません、タチの悪い酔っ払い達が放送禁止用語を連発しまくったのでその部分だけカットしました・・・;
同じく酒に弱い下戸だが、泣き上戸で最終的に眠ってる以蔵を王ドラが見て吐いたりしても二人と比べてみたらまだ可愛いものだと感じていた。


王ドラ(あの放送禁止用語を連発する酔っ払い共と比べてみたらよっぽどマシですね。前から髭があっても可愛い顔してるなーと思いましたが・・・)
以蔵「・・・りょうまぁ・・・武市先生・・・なんでわしを・・・置いていったんじゃあ・・・」
王ドラ「・・・(やはり置き去りにされるのは大人だって誰だって嫌なんですよね・・・」


王ドラは自分のロボット学校の学生時代の課題のレポートの資料で岡田以蔵や坂本龍馬などが活動した江戸時代についてちょっと書物を読み漁っていた時期があった。その中で特に気になる部分はあった。それは坂本龍馬が岡田以蔵には何も言わずに置き去りにしてしまったことに関する記述だ。置き去りにするぐらいならせめてものビンタしてでも連れ出せればよかったのだと心底思った。


王ドラ(まあ外部の私らがとやかく言う権利はないですがね)


王ドラはそんな以蔵の頭をポンと撫でた。王ドラは以蔵には甘くなっている。酔っ払っているトリスタンはそれを感じながらそんな光景をじーっと見ていた。


トリスタン「私は悲しい・・・せめて私にも撫でておくれ・・・」
王ドラ「あんたにはせがんできても撫でませんからね(^ω^#)」


すると、お紅がある手紙を持ちながら王ドラのところに駆け寄った。


お紅「山野様!山野様ら宛にお殿様からの手紙が!」
王ドラ「私らに?」


王ドラが読んだその手紙の内容は・・・






お殿様からの手紙「岡田以蔵、山野楽ら一行、先日の英霊剣豪の二人目の退治、見事な働きであった。それで私からも英霊剣豪についての情報を渡したい。私が遣わした使いの者に案内を頼んでいるから今日の夜に我が城に来い」






王ドラ「今日の夜ぅ!!?」
四太郎「お殿様、政務はこなせるしその上捌きは早いけれど意外にせっかち」
阿美「お殿様も早く楽兄ちゃん達の顔を見たいんだよー」
王ドラ「でも、今からすぐにその時間じゃないですか!!そんな強引な「すみません。殿もあなた方を城下町から即刻追い出したいわけじゃないのです」


いつのまにか笠を被り口元にはマスクを覆っていた見目麗しく冷徹そうな女性が紅孔雀亭に王ドラ達を迎えに来ていた。彼女が殿様が城の案内役として遣わした使いの者だ。


お紅「あら、あなたが?」
笠を被った見目麗しい女性「はい。殿の命でして」


その女性をアサトは一瞬垣間見て何かを感じ取っていた。


アサト「・・・?」


まるで忘れてしまっていた自分の真名がぼやけながらも微かに浮かんでるようだった・・・


続く・・・!






感想OK

第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に(その1) ( No.13 )
日時: 2023/02/02 19:54
名前: 桜 (ID: Zp53hDuK)

王ドラ主人公の外伝編の第三話です!前の外伝の赤いダイヤや前のアイオーン様主人公のやつとは(物語の舞台的に)一味違うような和風味のシリアスギャグもといギャグシリアスなので道中のネタを考えるのが重い時もありますが、その分なんとか書ききってます。
今回はコメディ風味とかある諍いの話。あ、それは味方側じゃないですが・・・






「カービィは渡すかあああああー!!!!」


ガシャーン!!ドンガラッシャー!!!ガシャンガシャン!!!!ドッカーン!!!!!チュドーン!!!!!!


・・・うん、これとも違うからね;






ーーーーー例えば集団生活の中で、あるいはどこかの組織の中で実力争いや紛争などの諍いが起きることがある。


人間には競争意識があるのは多かれ少なかれ誰もが持ってもおかしくない感情なので、これはどうしようもないし仕方ない。


競争意識があるから粘り強くなるし、根性を普段から身につけているし、勝ちたいと気持ちがそれをもたらしてくれている。


いわゆる「どんなに苦しくてもやり続ける」根性論を人はもったいないとなぜ決めつける?勝ちたいと気持ちが、今も人間に根強い形でそれがあるということをどうして否定する?






トリスタン「酒を飲んだ後にこれですか・・・;」


城の使いである笠を被った女性・照に案内されている以蔵達一行は城に向かっていた。その城の城主であるお殿様から英霊剣豪に関する依頼を受けるために謁見するからだ。


以蔵「楽。わしを起こしてくれちゅうのはえいが、こんな理由なら流石に泣きはするき・・・(´;ω;`)」
王ドラ「ごめんなさい;つらいと思いますが今はどうか耐えて下さい;」
アサト「四太郎と阿美はお紅さんに預けられてるし、まあ大丈夫なんだけどねぇ;」


アサトは照の姿を密かにチラ見していた。照は気付いた。


照「何か?」
アサト「いや、なんでもないよぉ(なんだろうな・・・どっかで会った気はするけど・・・」


すると、その以蔵の姿を見る人物がいた。その人物はこの城の姫であり、殿様の今は亡き正室との間に生まれた一人娘だ。


姫の教育係の女中「姫様!そんなに隙間から覗き見したら気付かれてしまいますよ!」
姫様「ごめんなさい。一目だけでも見たくなって・・・」


そして城の謁見の間に辿り着いた時にその間にいる殿様が彼らに声をかける。


殿様「では岡田一行、こちらへ。参られよ」


四人は座った後に頭を下げる。彼らでも最低限の礼儀はあるようなので時にまばらになりながらも難なくできた。


王ドラ「秋から冬にかけての季節、雪の息吹も次第に近づくことで・・・」
殿様「良い。そなたらは二人目の英霊剣豪を倒したと聞く。実はそれに関して依頼しに来たのだ。その実力を見ることも兼ねて」
トリスタン「貴方も英霊剣豪に悩まされたのですか?」
殿様「ああ。英霊剣豪を倒せる力があるならば、私としてもそれを見たくてな」


すると、殿様の顔を見て王ドラとトリスタンは驚く!その殿様の姿は角が取れているサタンと酷似したものだったからだ。


王ドラ(サタン!?)
トリスタン(私を召喚した彼とは別人ですが、こちらは尊厳や王者の風格をいい意味で兼ね備えてますね。私はとても恐ろしい・・・!)
殿様「?なぜ私を見て驚く?嫌な気分にでもなったか?」
アサト「い、いや、なんでもないよぉ!(二人とも!気持ちはわかるが、平常心を保て!」
以蔵(なぜ二人が驚く・・・?この殿様似の顔をした奴が知り合いにでもおるんか?(正解)


殿様はアサトから聞いて気にしないことにした後、その英霊剣豪のことについて言う。


殿様「英霊剣豪が三日後にここに襲来するという報せがあったのだ。英霊剣豪のアサシン・舞々がな」
以蔵「・・・!!」
殿様「そのアサシンは、かなりの手練れの忍びの者と聞きどこからか来るか分からずに忍び寄るところから城の一番の宝を盗み取ると聞いた。一番の宝については今ここに来るがな。璃(あき)、入れ」


すると、璃姫と呼ばれた殿様の娘が謁見の間に来た。その姿を見て王ドラはさらに驚愕した!


王ドラ(アルルさん!?)
璃「こちらの方々が父上が私の護衛を依頼を頼む者ですね?私はこの城の姫、璃姫ですわ」
トリスタン(こちらはアルル嬢とは違うようなお淑やかな大和撫子のようだ)
アサト(アルルちゃん、茶とかの礼儀作法は苦手だからねぇ・・・;)


王ドラは殿様を見ながら聞く。


王ドラ「護衛って・・・」
殿様「そうだ。一番の宝は私の愛娘である璃。私の正室である母君が亡くなって以来、私が一番に命をかけて守る唯一の宝なのだ。子は宝とよく聞くであろう?」


殿様の璃姫への優しげな表情を見て恋情ではない父性による愛しの娘姫への愛情であるものだと感じ取った王ドラはやはりサタンとは違うと思った。殿様が月だというなら、サタンがすっぽんである方が正しいのか。


王ドラ「分かりました。必ず璃姫の護衛をしながら英霊剣豪アサシン・舞々の退治の任務を果たします!」
璃「ありがとうございます。私や父上の気持ちを考えてくださって・・・」


すると、璃姫は以蔵を見て思わずびっくりしながら目を逸らした。


以蔵「えっ;なんじゃあ?」
トリスタン「何かしたわけではなさそうですね」


以蔵は璃姫の態度に大層困惑していた・・・。






その翌日。以蔵達一行は殿様に呼び出され、一応の把握のために城内のあらゆる場所を照に案内されていた。


王ドラ「小屋なんかあったのですねー。あ、あそこの池にも変な顔した鯉がある」
以蔵「変な顔とか言ったらわしら全員首刎ねられるき;」
照「いいのですよ。殿様も変な顔だと分かっていてもそういう趣味を好んでいらっしゃったので」
トリスタン(本物と違うと言っても悪趣味さは別の意味で同じなのですね・・・;)
アサト「・・・」


すると、アサトに見られていることに気付いた照は彼に尋ねる。


照「貴方、こないだから私の顔に何かついてますか?」
アサト「いや・・・つか、あんた、否定されるのは承知だけど、どっかで会ったことあった?」


アサトの問いに照は思わず首を傾げた。


照「いえ・・・ごめんなさい、貴方は美しい造形の顔立ちの持ち主だから忘れないはずなのに・・・」
アサト「いや、俺も。変なこと聞いて悪かったな(やっぱりこの女から感じた違和感は気のせいかな・・・」


すると、そんな二人を冷やかすかのような声が聞こえた。殿様の付き人の一人である斎藤一だ。


斎藤「あれー?照、こんな美形にナンパされてるの?」
照「斎藤!」
以蔵&王ドラ(げっ;)
アサト(二人がすげー嫌な顔してるなー;)
トリスタン(以蔵殿は彼が本来であれば壬生浪の新選組ですから理由はなんとなく分かりますが、なぜ王ドラ殿は嫌なのでしょう?)


すると、斎藤はアサトの他にいる三人に気付いた。


斎藤「あれ?こないだ俺を睨んでしかも一人は無言で啖呵まで切ってくれた人斬りと可愛い武器商人の二人じゃない。二人目の英霊剣豪、よく倒せたねー。あれ、めちゃくちゃ油断ならないアーチャーなのに」
以蔵「・・・」
斎藤「可愛い武器商人ちゃん、隣に別の男を侍らせてんだねー。どんな手を使ったか知らんが、よく分からんような変な術をその男にかけてんだね。仲間増やすのに上手く立ち回ったもんだ」
王ドラ「・・・っ!!」


すると、王ドラは斎藤をぶん殴ろうとしたが、察したトリスタンが咄嗟に制した後に斎藤に言い返す。


トリスタン「楽殿は私に術など使っていません。私が自分の意思で近くにいるだけです。貴方の毛嫌いする以蔵殿の味方になっているだけでそれは流石に酷いのではないですか?楽殿は以蔵殿の実力を認めた上で尊重していますが」
王ドラ「・・・!」
アサト(^ω^#)←斎藤を見てるも目が全く笑ってない
斎藤「あー、なんかごめんね;試すために利用するのも殿様の手段だもんね。まあ、二日後の璃姫の護衛、頑張ってね!」


斎藤はそう言って立ち去った後にトリスタンは王ドラに声をかける。


トリスタン「楽殿。今は大丈夫ですよ。私が代わりに言い返しましたので」
王ドラ「・・・私を制する時に抱きつくのやめてくれませんか?」
トリスタン「はは、すみません。こうできるのはこの時限りかもしれませんので(あれ?同じ同世代のドラリーニョ殿になら嫌がりませんのに、嫌な顔したのはなぜ?」


すると、殿様の男中の一人が「大変だ」と大声を上げていた。


王ドラ「そうです、この人妻好き男にセクハラされました」
トリスタン「おお、私は悲しい・・・」
男中A「そうじゃねーよ!姫様が突然倒れたー!!」


璃姫が倒れたと聞いて照も含めた以蔵達一行は駆けつける。時に下女達や女中達と共に介抱していた殿様に事情を聞く。


以蔵「何があったんじゃ?」
殿様「それが突然倒れたらしいのだ。原因不明の高熱だそうだ・・・」
アサト「このまま倒れたら埒があかねーな。治る見込みはないかい?」


アサトの問いに殿様は答える。


殿様「高熱が治る薬草がこの城下町近くの山にあると聞く。ただし、私が行くとなると親であっても民もいい顔はしないだろうな」
王ドラ「じゃあ、私達が採りますよ。少なくとも今日の夜までには戻って来ます」
殿様「本当か?ではそれを君らにお願いする。だが、照。お前は彼らに付いててくれるか?」
照「!はい」


その光景をどこか気にかけるかのように斎藤がこっそりと隅から見ていた・・・。






はっきりと言いますが私は一ちゃんが嫌いではないですOTLただ生前の因縁の関係で以蔵さんを煽りまくってるだけですOTL

第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に(その2) ( No.14 )
日時: 2023/02/02 19:58
名前: 桜 (ID: Zp53hDuK)

薬草探し






城下町近くの山。この山の中に璃姫に飲ませる薬草があるというので以蔵達一行は殿様が描いた薬草の絵図を持ってそれを探していた。


以蔵「殿様が描いた絵図、一発描きでの筆だから少しぐらいは分からんぜよ;」
王ドラ「その特徴にあるものはあんまり見かけませんし・・・」
アサト「あ」


すると、アサトは山の中の川に流されている箱の中から猫のような鳴き声がした。


アサト「おい!川に流されてる箱の中は猫じゃねーか!?」
照「あっ、ホントだ!この山の中、里の者や一部の町人が子猫や子犬を捨てていると聞きましたが、まさかこれほどまでとは・・・!」
王ドラ「ならば助けないわけには行きませんね。ホアチャア!」


すると、王ドラは川の中に飛び込んで子猫がいる箱を掴んだ!


以蔵「楽!掴んだか!」
王ドラ「ええ。あとは箱を持ってここまで泳いで戻ればだいじょ・・・」


すると、王ドラに足がつってしまった!


王ドラ「ア゛ヂャッ!!!」
以蔵「わっ!!」


王ドラがその勢いで飛ばしてしまった箱を以蔵がキャッチする!以蔵がキャッチしてくれたおかげで箱の中にいた二匹の子猫達は無事だ。


以蔵「なんとか無事じゃ・・・が・・・;」
アサト「おーい!!楽ーーーーーっ!!!」


王ドラは川の中に流され溺れかけた最中に頭がよぎった。






こんな悲しみに包まれた世界に以蔵さんと一緒に飛ばされて、その末の死に方がこれ?なんだこれ。こんな死に方、絶対にアホじゃないですか・・・。






すると、意識が朦朧とする中である手が王ドラを掴んだ!王ドラはそれを僅かに捉えた。それは自分が今も一番にムカついてるあの英霊の・・・






王ドラ「!!」


王ドラは目を覚ましたら山の中にいた。自分は生きている?ということは川の中から生還できたのだ。隣にはトリスタンが付き添っていた。


王ドラ「・・・生きてる」
トリスタン「そのようですね」
王ドラ「あの子猫達は?」
トリスタン「今無事ですよ。以蔵殿がキャッチしてくれました」
王ドラ(以蔵さん、すみませんOTL)
トリスタン「あんな川に飛び込むとは、私を頼ればよかったものを・・・」
王ドラ「悪かったですねあんたほど不器用じゃなくて・・・?なんで、あなたも濡れているのですか?」


王ドラの問いにトリスタンは答えた。


トリスタン「ふふ。私も川を覗き込んだら恥ずかしながら溺れてしまいました」
王ドラ「は?なんで奇行に走るんですか・・・;」


トリスタンはそう言ったもののそれに関して嘘を含めていた。何せ彼は川に飛び込んで王ドラを・・・。トリスタンはくるりと振り向きながら言う。


トリスタン「貴方の顔は水も滴る美しい少女という形ですね」
王ドラ「うっざいですね;なぜにそういう言葉が出てくるんですか」
トリスタン(彼の顔は明らかに嫌そうな部分ですね。特に色恋に関しては・・・これはまさか)


すると、トリスタンは聞く。


トリスタン「王ドラ殿、もしかして恋愛に関してウブすぎる思春期のDTじゃないですか?しかも、女性に対してはかなりのあがり症の照れ屋で(あれ?一瞬ピクってなった?「そんなわけないだろこの二股男」って言う前よりもさらに豚を見る目で、もし戻ったとしてもさらに嫌がられるのでは・・・」


しかし、それを言われた時の王ドラの顔は彼の予想外なものだった。王ドラが見抜かれた驚きで顔が真っ赤になっていたからだ。


王ドラ「・・・っなぜわかったのですか?」
トリスタン「え?え?まさか強いのにそんなこと・・・え?」
王ドラ「・・・絶対に答えたくないです」
トリスタン(ま、まさか・・・)






トリスタン(女 性 や 恋 愛 事 に 対 し て あ が り 症 の ウ ブ な ツ ン デ レ !!?)






この時点でトリスタンはある考えについた。王ドラは明らかに本質的には自分のドストライクなタイプの一つなので、「王ドラのまだ経験してもいない初めては自分がもらう」と・・・;


トリスタン「王ドラ殿。今晩一晩付き合ってくれたら「できるか!!!」


トリスタンを蹴った王ドラは思わず走り去ろうとするが、その拍子でこけてしまった!


王ドラ「なんでここに小石が・・・!」


すると、王ドラは見つけた。殿様が言っていた例の薬草を・・・!


王ドラ「見つけたー!!!」


以蔵やアサトや照が合流した後にすぐにその薬草を持って殿様がいる城に戻った。殿様はそれを聞いて思わず喜んだ。


殿様「見つけたか!これを璃に飲ませる。その薬草を使って薬を作れ!」
男中B「はっ!」


付き人達がその薬草が材料の薬が完成するまでの間は以蔵以外の全員は璃姫に付き添っていた。以蔵はどうせ嫌がられるかなと思って遠慮したそうだ。


殿様「璃。薬を飲ませるからもう大丈夫だ・・・」
王ドラ「よほど苦しそうですね。高熱がよほど・・・ん?」


すると、王ドラは璃姫を見て違和感に気付いた。


王ドラ「殿様。これ、病ですか?」
殿様「?どういう意味だ?」
王ドラ「薬できたとしても治る可能性が低いのでは?」
アサト「えっ!?どういうことだよ!?」


すると、璃姫が薄らと目を開けた。


璃「父上・・・?」
殿様「璃。突然の高熱で倒れてたんだ。待ってろ今男中が薬を・・・」
男中C「殿様!お待たせしました、薬です!以蔵殿も例の薬草を採ってくれていたので!」


すると、璃姫が突然立ち上がってその薬を男中Cから奪うようにして震える。


璃「以蔵さんが採ってくれましたの!?」
殿様「ああ。まだ寝なければ体調がさらに悪く・・・」
璃「今からお礼に言ってきます!!」


璃姫が嬉しそうに以蔵のところに駆け出す!その有様は大半の全員が驚いていた。


トリスタン「え・・・高熱も治って嬉しそうに・・・なぜですか?」
王ドラ「わかりましたよ。璃姫の病名が・・・」
殿様「なんだ?なんなのだ?」


すると、王ドラは目を少女漫画のようなキラキラ目にしながら言う!






王ドラ「それは・・・恋です!!必要なのは以蔵さんの愛ですね!」
大半の全員「」






この時に大半の全員は思った。「まさかの高熱の原因はこれ?」と。


トリスタン「私は悲しい・・・なぜにこのトリよりもキャンキャンと鳴く可愛らしいポメ犬系の以蔵殿の方が魅力的に見えるのか・・・」






うちの以蔵さんはサンソン君同様に不名誉ながらに男女問わずにモテる設定(ぇ)

第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に(その3) ( No.15 )
日時: 2023/02/02 20:01
名前: 桜 (ID: Zp53hDuK)

思わぬ不穏な事態が・・・






その翌日の夜中。とある者が城外の木の上から城の様子を探っていた。英霊剣豪のアサシン・舞々だ。


英霊剣豪・アサシン(結構な警備の数ですね。だが、どこかに必ず城に潜入できるような隙間があるはず・・・)
英霊剣豪・バーサーカー「あれっ?まだ頑張ってるっしょ?」


英霊剣豪のバーサーカーの呼びかけにアサシンは振り返った。


英霊剣豪・アサシン「・・・本来ならばセイバークラスで召喚される貴女ならばわかるのでは?」
英霊剣豪・バーサーカー「アタシだってそうだったはずだけど、酷いよねーっ。既に先客がいるからってさー。アタシ、姿もJKセイバー・鈴鹿御前なのにね?」


英霊剣豪のバーサーカーの真名である鈴鹿御前の愚痴に生前から基本的にば妖の類を忌避しているアサシンの顔が次第に険しい顔つきになる。


英霊剣豪・アサシン「・・・今日は何しにきた」
鈴鹿「何もするはずないし。ただ・・・」


すると、鈴鹿御前は何らかのものをアサシンにかなり強引に与えた!


英霊剣豪・アサシン「ぐぅっ!!?何を・・・!!」
鈴鹿「あのお方が渡してこいってさ。こうでもしないと失敗が見えてるっしょ?」
英霊剣豪・アサシン「な・・・!?あ・・・ああ・・・ああああああぁぁぁぁぁっー!!!」


アサシンは自分の霊基をある強化をするために鈴鹿に強引に入れられたモノによる度を超えた激痛の苦しみで絶叫を上げていた・・・






一方同じ頃の城。璃姫がどうしても以蔵達に会いたいと言うので以蔵達一行がそのために訪ねて来たのだ。以蔵は璃姫の様子がなんだかこないだのことまでとは打って変わって違うことに驚いたが、卑屈ゆえに相手からの好意には鈍感であったため璃姫が自分に純粋な恋心を抱いていることは知らないままだった。


アサト「あの姫様といいやっぱりああいうのがモテるんかね?」
王ドラ「以蔵さん、髭があるとはいえちゃんと可愛い顔つきはしてるじゃないですか。・・・あのリア充色ボケのアラビアンとは違って」
トリスタン「あいり嬢一途な方ですよね?それが悪いとはなぜなのですか?」
王ドラ「一途だから厄介なことがあるんですよー。あんたとは違う意味の厄介」
トリスタン「哀しい・・・私があの背が低いアイドルと暗に比べられてものすごく・・・悲しい」


すると、警報らしき鐘の音が鳴った!


アサト「あれっ?何らかの敵襲かぁ?」
男中D「英霊剣豪だ!!英霊剣豪のアサシン・舞々が1日早く来襲しに来やがった!!」


その言葉を聞いた時に三人は驚愕した。あと1日に英霊剣豪のアサシン・舞々が襲撃しに来るのになぜにと!


トリスタン「英霊剣豪!?1日も速く・・・!」
王ドラ「以蔵さん、呼びに行きますよ!令呪!」


その直後に王ドラに令呪で呼び出された以蔵は英霊剣豪が1日も早く来襲しにきたと聞いて驚いた!


以蔵「英霊剣豪のアサシンの奴が!?仕事が早すぎるちょるわ!!」
王ドラ「とにかく璃姫のところに行きますよね?彼女に何かあったらヤバいので」
以蔵「おう。アサシンの狙いは璃姫じゃからのう!」
アサト(鈍感;)
トリスタン(王ドラ殿もこの世界の時のみとはいえ令呪を刻印できるのはもう何がなんだか・・・)


一方、璃姫は以蔵に贈り物の甘栗を渡すために走っていた。


璃姫「以蔵様、喜んでくれるかな?甘栗は口に合えばいいのだけど・・・」


すると、璃姫は何やら城中がバタバタしていたことに気付いた。


璃姫「何事ですか?何かの敵襲ですか?」


すると、璃姫は自分の肩をポンと叩かれたことに気付いた。


璃姫「以蔵様!?いつの間に来ていたので「残念でした」


すると、璃姫はいつのまにか英霊剣豪・アサシンに捕まれたことに気付いた!


璃姫「きゃああああああああー!!!」
英霊剣豪・アサシン「あと1日だと思って油断したのが悪かったですね。ほら、こっちに・・・」


すると、音の刃がアサシンを襲おうとしていた!アサシンはそれに気付いてかわしたが、その拍子で璃姫が解放されてしまう!


英霊剣豪・アサシン「なっ!?」
璃姫「・・・?」


璃姫が恐る恐る目を開けると、そこには以蔵が自分を抱えてくれていた!


以蔵「無事か璃姫!」
璃姫「以蔵様・・・!以蔵様が・・・よかった・・・」


すると、璃姫は思わず安心したのか気絶してしまう!


以蔵「璃姫!?」
王ドラ「安心したことで拍子抜けで気絶しただけですよ。アサトさん、璃姫を見てなさい」
璃姫「了解だよぉ」


璃姫をアサトが守っている中でトリスタンはその真名を探っていた。


トリスタン「様子は藤太殿よりも何か少しおぞましいのは気になりますが・・・貴方はどうやら背丈は低いが、かなりの力技と忍術の腕前の持ち主ですね?頭領の格にも相応しいぐらい」
英霊剣豪・アサシン「・・・」
トリスタン「そこから探ってみたけれど、その力技はそれは流派でもなく貴方特有のものだ」






トリスタン「貴方の真名は、風魔小太郎!風魔も穢れに落ちたとは悲しみに満ちたものである!」






トリスタンに真名を当てられた小太郎はそのクナイを以蔵らに構えた!


小太郎「だったらなんだと言うのだ?いくら我の真名を見抜いたからと弱体化するわけでもないだろう!」


小太郎が襲いかかる中、トリスタンは以蔵に言う。


トリスタン「以蔵殿。貴方は接近戦であのアサシンを応戦を。私は遠方から攻撃する」
以蔵「!また無茶苦茶な物言いじゃが、おまんならやりかねんわ」


以蔵が接近戦で小太郎と斬り合う中でトリスタンは遠方からハープを奏でながら音の刃で小太郎に攻撃する形で以蔵を支援していた。


王ドラ「トリさん、サポートや攻撃も兼ねやがったっていうのが癪に触ります・・・チッ」
アサト「舌打ちはダメだよぉ;トリのサポートや攻撃も兼ねた宝具というのがある意味チートだし、あんたが苦手とするのはわかるねー」


すると、次第に押された形で業を煮やした小太郎が自分の宝具を放った!


小太郎「我の宝具をとくと見よ!【不滅の混沌旅団】!!」


小太郎は風魔の忍の分身を出し、その時に強力な炎が浮かび上がった!


以蔵「炎か!?わし、自分にスキルの回避をかけたのに必中する気か!!」
トリスタン「あの宝具に必中付与は・・・!!必中・・・そうか、それが貴様の植え付けたおぞましいものか!!」
小太郎「あの者が我にこの強化を付与したからな。付与された時に凄まじい痛みが襲ったが・・・そのおかげでこの城に侵入はできた。さぁ、とっとと倒れろ!!」


小太郎はまた宝具を放とうとするが、それを予期したトリスタンは王ドラに言う!


トリスタン「楽殿。今なら私に命令権を発動させれますよ。私に力を!」
王ドラ「!あなたは一度言ったら聞かないから応じてやりますよ!アーチャー、トリスタン。令呪を以て命じる!あの英霊剣豪のアサシンにありったけの力を!」


令呪を発動した王ドラに力を与えられたトリスタンは宝具を小太郎に放とうとした!


小太郎「我が心のままに地に堕ちろ!【不滅の混沌旅団】!!」
トリスタン「熱くしすぎたその頭を冷やせ!【痛哭の幻奏】!!」


トリスタンと小太郎が互いの宝具をぶつけ合う中、その光景に大半の全員が驚いた。トリスタンは息切れしたままであるが、小太郎の方は何も動じなかった。
しかし、倒れたのは・・・小太郎の方だった。


小太郎「我の必中付与された宝具を越えたありったけの宝具返しとは・・・不覚」


疲れ切って消滅しに行く小太郎をトリスタンはその頭を優しく撫でた。


小太郎「?なぜに我を介抱する・・・?」
トリスタン「介抱ではありませんよ。ただ貴方は英霊剣豪として召喚されただけでなく、その霊基による宝具にあんな必中付与まで与えさせられていた。貴方の因果は結果的に我が宝具の空気撃ちにより解放された。だから、最後はその褒美も兼ねて優しく送り出すのが良いではないかと」
小太郎「・・・。貴様はやや自分勝手だが変わってるな。こんな、馬鹿なことしてくれた僕に対しても、慈愛を以て優しく接するとは・・・」


小太郎はそのまま消滅したあと、王ドラはトリスタンに声をかけようとした。


王ドラ「トリさん・・・」
トリスタン「いいのです。私が望んだことです(しかし・・・あのアサシンにあのようなものを与えたのは誰でしょうね・・・」


一方、それを遠くから見ていた英霊剣豪のバーサーカーの鈴鹿はトリスタンの技量については感心していた。


鈴鹿「ふーん。あいつ、なかなかやるし。あのアサシンを二人も連れた武器商人を名乗ったオレンジのタヌキのような娘?も気になるけど、あのアーチャーは円卓騎士だけどいろんな意味で一番厄介な相手っしょ?」


すると、鈴鹿は自分に報告しに来た一人の人物に気付いた


鈴鹿「ああ、あんたか。あのアサシンの強化付与のあえての見張りありがとね。・・・なんで暗い顔してるの?殿とは違うあんたのご主人様の顔に泥を塗りたくないよね・・・照」
照「・・・」






その翌日。三人目の英霊剣豪を倒したことで殿様からお墨付きをもらった以蔵達一行は紅孔雀亭で四太郎や阿美に城内で起こった話を語り聞かせていた。


阿美「璃姫様、明るくて可愛らしいお姫様だから羨ましいー!」
四太郎「城内では池がある」
以蔵「まあ、璃姫は当初はわしを避けてたがな」
お紅「鈍感なのはある意味厄介ですわねぇ・・・」
以蔵「?」


すると、王ドラが以蔵に声をかけた。


王ドラ「以蔵さん。これを一旦貸しますので帰れたら後で返しなさい」
以蔵「?おまんの鈴を付けた赤とかの紐?」
王ドラ「私のスペアの鈴です。それを使ったお守りです。ミサンガのようなものらしきですけど」
以蔵「おん。一応は持っとくわ」
王ドラ「!ありがとう」


そんな二人のやり取りにアサトは王ドラにミサンガを強請った。


アサト「ねぇ、俺にはないのかぁ?」
王ドラ「ないですよ。ついでにトリさんの分も」
アサト「えーっ!ずるーいっ!あ、そうだ。イゾーに大好きな金を与えて報酬としてもらえれば」


※しばらくお待ちください


アサトだったもの「」
以蔵「わしはえいから、こいつにもミサンガ作りいや・・・;(四太郎と阿美の目を隠してる」
四太郎&阿美「?」
王ドラ「以蔵さん、甘やかさなくていいです!!(手にはケチャップ」


その夜中。ただ一人眠れなかった王ドラは静かに部屋から出ていた。


王ドラ(なんでこんな時に眠れないんですかね)


すると、王ドラはトリスタンのハープの音色を聞いた。それはいつにもまして悲しみに満ちた音だった。


王ドラ「?」


一方、トリスタンはハープを奏でながら何か嘆いていた。


トリスタン「・・・ごめんなさい。そばにいたかったのに守ることもできずに。だからこそ探していつか見つけ出す。誓います。たとえどんな出来事が降り掛かっていても。私、の・・・」


すると、トリスタンは王ドラに気付いた。トリスタンはすぐさまハープを止める。


トリスタン「王ドラ殿。起きてたのですね。すみません、起こしてしまいましたか?」
王ドラ「いえ、なんだか眠れないなと思って。そしたらあなたの悲しげな音色が聴こえたから」


王ドラは近すぎず離れすぎずの距離感を保ちつつトリスタンの隣に座る。トリスタンは王ドラに聞く。


トリスタン「そういえばですが、貴方は私とイゾルデの物語やブリテンのアーサー王物語を知らないわけではないですよね?」
王ドラ「はい。でも、物語としてなら読んでましたよ」
トリスタン「・・・そうですか」
王ドラ「でも、本の中だけで細かい部分は知りませんよ。そういや何も知らないなと思いましたね。だから、こんな眠れない時には夜咄として聞かせてくれませんか?」



王ドラの申し出によりトリスタンはあることを話す。


トリスタン「一つだけならお願いがありますが」
王ドラ「?」
トリスタン「貴方達のこれまでの友情やチェリーワールドなどに関する出来事や冒険譚を、貴方の口から私に聞かせてくれませんか?それならば対等の報酬にはなり得ます」


王ドラも自分と同じようにトリスタンもこれまでに起きた出来事に関する数多の冒険譚などを知らないなと思い、少しは勉強になるだろうなと思いそれを承諾した。


王ドラ「あ、こんな時に襲おうとしたらさらに嫌いますからね」
トリスタン「私は悲しい・・・」






続く・・・!






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