二次創作小説(紙ほか)
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- 日常日和。5
- 日時: 2025/11/06 17:34
- 名前: 桜 (ID: CFpxvhHi)
おかげさまで日常日和。も5という節目で新しく迎えることができました。ここに至るまで色々と混乱があり悩みもしましたが、考えた末にこの先に何があってもこれまでの続きを執筆したいという気持ちで新スレッドに至れました。色んな意味で変わる場合もあり混乱はすると思いますが、私は私で頑張りたいと思いますのでご存じの桜サイドやこれまでに出てきた新たなサーヴァント達も含めてどうぞよろしくお願いします!
「目次」
「短編」
The Reverse Night>>1-5
聖夜怪盗☆シークレット>>6-7
デンジャー☆スクランブル>>33-36
僕もまた、運命に導かれて>>37-38
うちの護衛のママ侍さん>>39-42
とある雪月花の羽根。>>43-44
アスパラ☆クライシス!>>77-83
運びを巡る機関車と謎のトレインハンター>>84-86
僕の果実のボク>>96-100
黒の感情・白き純潔>>101-105
ツイセキ☆トラブル!>>148-152
イモーターウォーズ>>153-156
◯◯透視の試用モニター>>157-161
こっちを向いて、愛してると言って!>>162-165
Halloween rabbit!>>166-169
湖の騎士は星の戦士の●●に夢を見るか?>>170-172
ランデブー☆メタモルフォーゼ>>173-176
鯖組メインでファンタパロ>>177-179
雪の記憶、冬の華>>180-183
ある冬の日のアムール>>184-187
クリスマスに追いかけっこ!>>188-191
クリスマスにネガイゴト>>192-196
小さきパンダのガレット・デ・ロワ>>197-200
宇宙の中の不思議の国>>201-205
スキ!スキ!スキー!>>206-210
ビターシュガー・チョコバーボン>>211-215
満開花見日和>>246-249
ツッコみ所が絶えませんっ!(by一ちゃん)>>250-253
ブレーメンの追跡隊>>254-258
王様ゲーム>>259-262
阿国さんの戦い>>263-267
蛇は蛙が好物らしい>>268-270
シチリアでの小話集>>286-289
パンプキンハザード>>318-321
雪の輝き、小さな夢>>345-348
王ドラなう!>>349-351
聖夜、君に贈り物を>>352-356
聖夜、白なる争奪戦>>357-360
突撃!隣の大掃除>>361-364
年明けのアムール>>365-368
バレンタインのから騒ぎ?>>393-396
I‘m not crying anymore>>397-400
バディファイターズタワー踏破の旅>>429-432
Cherry:CamelotZERO>>437-440
異世界を駆け巡る澄色の猫型ロボット達>>471-478
かの者が残してきたもの>>479-482
虹の島々での小話集>>537-540
グルメフェスを調査せよ!>>541-544
Halloween☆Panic!>>579-582
アンジャッシュネタ>>583-584(更新)
「サーヴァントvs○○○シリーズ」
第六天魔王vsカンフー猫型ロボット>>322-325
湖の円卓騎士vs仮面の剣士>>337-340
光の御子vs魔界のプリンス>>341-344
ブリテンの騎士王vsもう一人の闇の魔導師>>401-404
幕末の人斬りvs蒼炎の勇者>>405-408
日輪の姫vs野原家の主婦>>409-412
大統王vs黄色い悪魔>>413-416
五代目風魔頭目vs宇宙忍者>>417-420
太陽の騎士vs赤き吸血鬼>>499-502
島原の乱の指導者vs虚言の魔術師>>503-506
維新の英雄vsウサギの双子弟>>507-510
「桜サイドの快刀家の事情」
三兄編>>389-392
次兄編>>433-436
長兄編>>545-548
「針音ノ時計塔のアリア」
時の輝きよ>>45-47
赤の中のモアイさま>>48-50
青の上のウォーターシティ>>51-54
白の下のバトルロワイヤル>>55-57
黄の外の太陽・・・?>>58-60
その呪文の続きには>>61-66
「誰か」の世界にとってのピース>>67-71
ここに。>>72-76
「決戦前夜」
輝ける希望の星達よ>>114-117
二度の生における旅路>>118-120
「太陽」の焔を>>121-125
「キャメロット城での決着」
現在キャメロット城:正門>>126-127
現在キャメロット城:世界を約50%吸収>>128-129
現在キャメロット城:世界を約80%吸収>>130-133
我らの望む未来>>134-136
太陽のナミダ>>137-141
There are our home here>>142-147
「女性ケロン人小隊襲来」
一の儀、女性ケロン人小隊襲来!>>369-372
二の儀、ささやかな疑念>>373-376
三の儀、偽物と本物>>377-380
四の儀、ゆずれなき信念>>381-384
五の儀、星へ届けるハーモニー>>385-388
「フェアリー・レクイエム〜トリスタンの名を持つ妖精の少女〜」
「トリスタン」は突然に>>549-552
日常ブレイカー?それとも・・・?>>553-556
妖精姫のトマドイ。>>557-560
キミが望むなら、どこまでも連れてゆこう>>561-564
「前後編」
かけがえのない「君」>>26-28>>29-32
戦国時代からの謎の挑戦状!>>87-91>>92-95
苺の彼方をもう一度>>106-109>>110-113
シチリアでの鳥の夢>>271-275>>276-281>>282-285
月夜でのエンゲージ>>326-331>>332-336
雪月に小さな花びらを>>421-424>>425-428
時空鉄道の夜>>483-487>>488-498
カービィだらけ>>511-515>>516-519
ワドワド☆サマーアドベンチャー!>>520-525>>526-530>>531-536
世に放った誠を探しに>>565-568>>569-573>>574-578
「風花月夜伝〜友情よりも、忠義よりも〜」
第一の巻:逆光降臨>>8-10
第二の巻:御一行様之旅珍道中>>11-12
第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に>>13-15
第四の巻:変わりはしないもの>>16-18
第五の巻:生きとし、生ける者。>>19-20
第六の巻:揺るぎない、どうしても。>>21-22
最終の巻:音が導く先>>23-25
「風花月夜伝2〜花は今、光へと舞う〜」
第一幕:異変を告げられし江戸>>216-219
第二幕:渦巻く四方と空>>220-223
第三幕:咆哮の中に在る「声」>>224-227
第四幕:私の輝きの星>>228-231
第五幕:忍び寄る戦いの迫る時>>232-235
第六幕:怨恨開花>>236-240
最終幕:空へ>>241-245
「灯火の星〜第六天魔王の乱〜」
第一の段:わし、参上!>>290-293
第二の段:雷に阻まれるのならば、やることは?>>294-297
第三の段:キミと、光と>>298-301
第四の段:聖地の謎かけを解き明かせ!>>302-305
第五の段:闇夜の城で見つけたのは・・・>>306-309
第六の段:光と闇の諍い>>310-313
最終の段:そして魔王は、悪魔と共に歩き出した。>>314-317
「チェリーワールド×蒸気都市〜夢幻の歯車の光〜」
第1話:ようこそ蒸気都市>>441-444
第2話:風を便りに>>445-448
第3話:決して叶いもしないだろうけど、>>449-452
第4話:魔女の■の讃歌>>453-456
第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」>>457-460
第6話:風よ光へと吹け>>461-465
最終話:さよなら蒸気都市>>466-470
- バレンタインのから騒ぎ?(その3) ( No.395 )
- 日時: 2025/02/14 18:17
- 名前: 桜 (ID: 6ux8t0L6)
もらう側の様子
そしていよいよバレンタインもとい以蔵の誕生日当日ではクルークがアイオーンがもらった大量のチョコを見て驚いていた。
クルーク「おー!また大量か!」
アイオーン「ヴッ・・・;」
ゼオ「お前は顔はいいからな。ところでクルークも相当もらってるな」←自分もゼオマニア(ゼオのファンの通称である)達から大量にもらった
クルーク「そう?ハチや弓弦のは友チョコのだけど、せっかく作ったんだし」
ゼオ(鈍感)
一方、エージェントの方も大量のチョコをもらっていた。
エージェント「いやー、バレンタイン最高だなーv・・・今家にあるのはサンソンへの大量のチョコなんだがな;」
ウキウキしながら歩くエージェントに同じく大量のチョコをもらっているフィンが声をかけにきた!
フィン「ふふ。その程度とは笑わせられる!私の方が美しいのだからな」←大量のチョコをもらってる
エージェント「あくまでも顔はいいだけなんだから勘違いすんなよバツ3ー」
フィン「土下座で逃れようとしたドジスパイに言われたくないなー」
エージェント「なんだとー!?」
すると、二人は何やら大量のチョコやプレゼントを持っている女子達から逃げ回るディルムッドを見かけた!
ディルムッド「あっ、我が君、エージェント!助けて下さい!また私の黒子を見て惚れ出してしまって・・・」
フィン「わかった、助けるよ(あれは持っているかな?」
エージェント「これを浴びればお前に力がみなぎらせるぜ(ああ、硫酸だろ?」
ディルムッド「聖水なのですか?ありがたくもらわせていただきます!(気付いてない」
一方、トリスタンは王ドラにチョコを渡すために声をかけていた。
トリスタン「はい、王ドラ殿。逆チョコですv」
王ドラ「いりませんよ(きっぱり」
トリスタン「なぜなのですか?私の方から友に送るようなチョコ作って来たのに・・・」
王ドラ「どうせホモチョコだからいやです!変に親友達に誤解されたら困るから付きまとわないで下さいよ!」
トリスタン「ドラリーニョ殿やサンソン殿や以蔵殿には作って来たというのに「ほらチョコ」
トリスタンの口にチョコの塊をぶっ込んだ後に逃げ出した王ドラは誰かを待つようなペイペインを見かけた。
王ドラ「ペイペインさん?アイレーンさんを待っているのですか?」
ペイペイン「アイレーン様にはもうあげました。なのであなたを待っていたのですよ」
王ドラ「はい?」
その直後、ペイペインは王ドラにラッピングされたチョコの箱を渡した!
ペイペイン「これはアイレーン様のついでです。義理チョコですから、それでは」
王ドラ「あっ、待ちなさい!」
ペイペインが足早に立ち去った後、王ドラはため息を吐きながら彼女からのチョコを見た。
王ドラ(なんの気まぐれかは知りませんが、食べてみますか・・・)
ホルル「ほう?フィアンセの私がいるにも関わらずよその女からチョコを受け取るではないか」
王ドラ(^ω^Ⅲ)
一方、タママはモードレッドにも作ったチョコを渡そうとしていたが、こないだのこともありどういう顔で会えればいいかわからなかった。
タママ「あぁ〜・・・;咄嗟に放ったとはいえ、あんなこと・・・あれで嫌われたとか・・・OTL」
女扱いされることを嫌うモードレッドにはあの言葉はまさしく本音に近かったのだ。それがあるからこそ、あれから気まずさで一度も会っていなかったのだ。
タママ「せめてもの作ったあいつへのチョコは靴箱に入れとこ・・・ボクの軍曹さんにも作ってるし・・・」
タママが自分のチョコをモードレッド用の靴箱に入れてから立ち去った後、それをこっそりと見ていたモードレッドは自分の靴箱からチョコを取り出した。
モードレッド「・・・嫌ってねーし、素直に渡すようなことはできねーのか。バーカ・・・」
モードレッドは顔を赤くしながら俯いていたが・・・
アポロン【みーちゃった、みーちゃったvタママ君には気まずさで会ってないなんて意外だね〜?】
おいそこの愚羊!?ずっと見ていたならまだしもひょっこりとモーさんの横から出てきてからかうなよ!!?
アポロン【もしやキミのマスター同様に好いてるって感じ〜?それなら数多くの女性や幼い男の子と恋をしたこのアポロンが、彼を虜にするためのテクニックを教えてあげるよ?このアポロンの力を借りれば、全て解決】
すると、モードレッドがアポロンをガシッと掴んだ後に袋詰めにした!
モードレッド「・・・今日の夕飯に使うジンギスカンはアタランテなら100%許してくれるよな」
アポロン【きゃあー!!!】
ジンギスカンにしても腹壊すだけだからやめときな(ひでぇ)
アポロン完全に死亡フラグ(ぇ)
- バレンタインのから騒ぎ?(その4) ( No.396 )
- 日時: 2025/02/14 18:19
- 名前: 桜 (ID: 6ux8t0L6)
本日の主役
一方、以蔵はスマブラ屋敷で泊まるためにサンソンと共にそこに向かっていた。
サンソン「今日はキミの誕生日だったね?」
以蔵「おん!スマブラ屋敷でわしの誕生日パーティもするそうじゃ!バレンタインも兼ねてな!」
サンソン「誕生日がバレンタインと同じ日だなんてある意味恵まれているなぁ・・・」
すると、二人は何かが蠢くのを発見した!
以蔵「ん?なんじゃこの黒いの」
サンソン「何かのシミかな?でも、こんな道のど真ん中で・・・」
一方、維新の英雄は自分の愛しい以蔵への誕生日プレゼントを大量に船に乗せながらスマブラ屋敷に向かっていた。つか、ここは陸地だよね!?
龍馬「以蔵さん、待っててね!今行くから!」
しかし、龍馬の目の前に何やらプレゼントを持ちながら走る男がいた。自分の恋敵でもある新撰組副長だ!
龍馬「あっ、土方さん!?」
土方「悪いな。岡田は俺と過ごさせてもらうぞ」
龍馬「悪い冗談だね。いや、冗談じゃ済まないよそれ」
龍馬と土方がスマブラ屋敷に向かって競争を始め、それをたまたま散歩していたフランス初代皇帝が見かけていた。
ナポレオン「オーレ!何かの競走か?」
すると、向こうから何かの叫び声が聞こえた!サンソンと以蔵の声だ。
龍馬「以蔵さん!?」
ナポレオン「サンソンの声もあった。何があったんだ?」
三人が駆けつけると、そこには剣を構えていた様子のサンソンと以蔵の姿があった!
土方「お前らどうしたんだ?」
サンソン「みなさん!黒くて丸い蜘蛛がいる!」
土方「黒くて丸い・・・?」
彼らが前を見ると、そこには・・・
丸い姿から数本の細い足を出している大量の蜘蛛、マリエルの姿が蠢いていた(カービィ3や64で登場した敵キャラ)
ナポレオン「た、大量の蜘蛛じゃないか!!」
以蔵「来たんなら早う駆除手伝えぇ!!しまいには食われるぞ!お竜に!」
龍馬「そ、それはいやだ!!」
五人が大量のマリエルを次々と駆除するが、それでも増殖するマリエルに次第に追い詰められていった。
サンソン「無理だもう無理だよ!!」
以蔵「せっかくのバレンタインもといわしの誕生日なのに誰か助けとうせえええええー!!!」
その直後、何らかのモップが大量のマリエルを一気に駆除してきた!これに五人は驚く。
龍馬「これは・・・」
カービィ「よかったー!間一髪で間に合ったみたいだね」
以蔵「カービィ!」
ピンクの悪魔の姿に安堵したのか以蔵は彼女に抱きつき、サンソンはクスクスと微笑いながら少し遠くから訊ねた。
サンソン「これはキミがやったことかい?」
カービィ「本当ならボクがやるつもりだったんだけど、たまたま話しかけてきたあの彼女がお掃除したいって言うから任せてきちゃった!」
ナポレオン「彼女?」
ナポレオンが横を見たら、何とマリエルを全て掃除したであろう、ぷよぷよシリーズにおける初代組の一人でもあるキキーモラの姿があった!
キキーモラ「全く!ここを蜘蛛だらけにするなんて冗談じゃないわ。あら?あなた達が噂のサーヴァントの子よね?」
龍馬「そうだけど・・・」
キキーモラ「特に人斬りのあなたは人を斬ったりゲロするならまだしも、これまでに私が知る限り10回以上あった恋愛のもつれで部屋をめちゃくちゃにされるようなことを起こしたらお掃除するからね!」
以蔵「んなもんわかっちょ・・・は!!?わしはそこまで恋愛事のもつれを起こした覚えはないき!!」
龍馬&土方「・・・・・・」←心当たりがある表情
以蔵「どいておまんらが沈黙するんじゃ!!?」
サンソンはキキーモラにぺこりと頭を下げながらお礼を言った。
サンソン「あの、あの多数の黒い蜘蛛から助けてくれてありがとうございました」
キキーモラ「え?私は別にお掃除しただけよ。それにしてもあなたは礼儀正しいわね」
サンソン「別に礼儀正しいというわけでは・・・」
すると、向こうからある叫び声が聞こえた!その叫びはまさしく以蔵のマスターの・・・!
乱麻「以蔵ー!」
以蔵「!乱麻!」
乱麻「遅くなってすまんな。お前の誕生日だから・・・」
乱麻「色々集めといたぞ!(伊庭が運転するオープンカーから以蔵への大量の誕生日プレゼント」
以蔵「ヒエエエエエーーーーー!!!」
快刀乱麻、大量の誕生日プレゼントが入ったオープンカーから降臨。当然これを見たキキーモラが怒った!
キキーモラ「ひどいわ!せっかく掃除したのに!」
伊庭「すまんな姉ちゃん。うちのお嬢のご命令なんだよ」
龍馬「オープンカー!!?こっちは以蔵さんへのプレゼントとしてホテルのスイートルーム&ディナー付きも予約したのに!」
土方「ほう・・・?」
乱麻達が揉めているのを横目にナポレオンは二人を連れながら言う。
ナポレオン「彼らは後から来るから大丈夫だ。では行こうか!」
サンソン「もう時間だ。みんなが今日の主役であるキミを待ってるから」
以蔵「おん!」
Happy Valentine&Happy Birthday IZO OKADA!
あやクル「モーさんがジンギスカンとして持ってきてくれたが(縄に縛られたアポロンを焼こうとしてる」
パリス「アポロンさまあああああーーーーー!!!?」
おわれー
ハッピーバレンタインv感想OK
- I‘m not crying anymore(その1) ( No.397 )
- 日時: 2025/02/15 17:27
- 名前: 桜 (ID: Hyf7mfn5)
今回はバレンタイン2025から繋がる、サンソン君メインのちょっとしたサプライズ的なお話です。ずっとお話にしたかったのがやっとできました・・・
「はぁ・・・はぁ・・・」
拝啓、いつかの君へ。
ギィ・・・
君は今、何を思って過ごしていますか?
「ああ、安らかにお眠り下さい。もしあなたが許さないのであれば、僕のーーーーー」
I‘m not crying anymore
- I‘m not crying anymore(その2) ( No.398 )
- 日時: 2025/02/15 17:29
- 名前: 桜 (ID: Hyf7mfn5)
以蔵の誕生日パーティがそろそろ終わりへ向かう頃、ランはこんなことを聞いていた。
ラン「そういえば、他のサーヴァントのみなさんは誕生日は存在しますか?」
騎士王「え?」
ランの悪意なき質問にサーヴァント達は時に悩みつつもそれぞれの答えを出してくれた。
トリスタン「我らブリテンが繁栄したのは6世紀なのであまり・・・」
うしお「私達が生きた頃は数え年だったので誕生日は存在していませんね」
モードレッド「オレはあったような気がするが忘れたな。多分原典見ればわかるんじゃねーのか?」
斎藤「僕達が生きた頃はちゃんと誕生日は存在してるよ?ほら、あの浮かれ気味の岡田君と同時代で生きてるんで」
以蔵「あ゛ぁん!!?」
サンソンはランからの質問に悩みながら答えた。
サンソン「僕達が生きた頃は誕生日はあるけど古い故に本当かどうかわからない記述があるからね。ちゃんと復元すればあるはずだけど」
ラン「そうなんですか!それならドラリーニョ達に頼んでそれを復元してもらうというのは?」
サンソン「うーん。考えておくよ」
サンソンは微笑っているが、アルルと話している最中の花の魔導師は何か疑問を持ったような表情で見ていた・・・
カレン「・・・」
アルル「カレン、どうしたの?」
カレン「いや、なんでもないわよ」
その数十分後、以蔵の誕生日パーティがようやくお開きになってから率先して後片付けをしている最中のサンソンは何かの足音に気付いた。
サンソン「キミは、カレン嬢・・・」
カレン「レディって呼んでちょうだい!そんなことより」
カレンはサンソンに先程の出来事について話した。
カレン「あなたでも嘘をつくのね」
サンソン「なんのことかな?」
カレン「だって、あなたは自分の誕生日をどこかに置いてきているような感じがしたんだもの」
カレンに矛盾を指摘されたサンソンは少し言葉を黙った後、静かに呟く。
サンソン「そうだよ。座の僕が有することではないけど、この世界に召喚された僕は何かが原因で自分の誕生日を忘れてしまっている。誰も知らないし、読もうとしてもぼかされるから全くわからない。万一に思い出そうとしても、その方法がないんだ」
カレン「・・・」
サンソンの言葉を聞いたカレンは彼の手を握る。
カレン「花の魔導師である私が思い出させられるとしたら?」
サンソン「えっ!?でも、キミは魔導師でも人間だ!」
カレン「こう見えても他の魔法を使えないわけじゃないからね。ただこの魔法は一か八かの確率で成功するのかということなんだけどね・・・試しとしてやる他はないと思うわ。ここであなたが望まないなら、今すぐこの手を離すわ」
カレンのまっすぐな瞳を見たサンソンは折れたと言っているかのようにため息を吐いた。
サンソン「いいだろう。できるならだけど」
カレン「じゃあ、決まりね。ほら、行くわよ」
カレンはその魔法に関する詠唱を唱えた後、呪文を唱えた!
カレン「花よ、澄み渡る空よ。その身に刻め、黒に塗り潰された記録を白に変えろ。舞え」
パァァァァァ・・・
サンソンは気付けば、中世時代におけるフランス・パリにいた。そう、この場所は・・・
サンソン(ああ・・・やはり、ここは生前のパリか・・・)
向こうから罵倒と泣き声が聞こえてきた。その内容は・・・
子供「人を殺してる死神と友達だなんて死んでもごめんなんだよ!」
処刑人「良いか?私達がやっているのは決して人殺しではない。国民の安寧のために必要なんだ」
サンソン「・・・」
幸いにも自分の姿は見えてないのでサンソンはしばらく歩くことにした。気付けば、何かの催しで民衆の一人として立っていた。
民衆A「おー、頑張れよ若いの」
民衆B「緊張すんなよー」
サンソン(あの時は言われなくとも。だけど・・・)
またしばらく歩いたら、何かのパレードがあった。他国からやってきたお姫様の結婚式だ。
お姫様「ご機嫌よう!」
サンソン(あの時のキミも麗しい。そちらからは見えないのが残念だが)
患者「ありがとうございます、おかげで治りました」
サンソン(医者としては感謝されている。これはこれで良かったはずだ)
またしばらく歩くと、サンソンはようやく何かを見つけた!
フランス国王「どうだ?そなたが、罪人には苦しみを与えぬよう余が考案したものなのだがーーーーー」
サンソン(陛下。貴方が後に僕のために自ら考案してくれたギロチンにより処刑されるなんて皮肉なものだ・・・)
サンソンは自嘲するが、後の首飾り事件をきっかけに起きたフランス革命による激動の時を巡ることになった。
サンソン(今度はあの革命か)
これまでの王政に激怒した多くの民衆で構成された市民軍がバスチーユ監獄を占領。
市民軍「俺達は自由だ!もう貴族や教会の言いなりにはならないぞ!」
サンソン(やめろ)
パリ市民の女性達が武器を手にヴェルサイユ宮殿へ行進した「ヴェルサイユ行進事件」。
それに由来される、あのお姫様が言ったとでっち上げられた言葉。
お姫様?「パンがなければおやつを食べればいいのに」
サンソン(やめろ)
囚われた国王一家、国外に逃亡を図るもヴァレンヌで捕まったことにより決定的になったフランス中からの憎悪。
革命軍の中心人物「我らは今まで散々苦しめてくれた王政を、全て廃止することが決定した!」
サンソン(やめろ!)
国王ではなくなった陛下の処刑、そして後の処刑台に立ったのは処刑人であった役人の足を踏んだことで上品に謝ってくれた、髪を短く切られた、あのーーーーー
足を踏んでしまった女性「ごめんなさい。わざとじゃありませんのよ」
サンソン(やめろ!お願いだからもうやめてくれ!!)
カツーンーーーーー・・・
- I‘m not crying anymore(その3) ( No.399 )
- 日時: 2025/02/15 17:31
- 名前: 桜 (ID: Hyf7mfn5)
サンソンは気付けば、教会らしき場所にいた。
サンソン(ここは・・・)
彼は横を見たら、青年が祈る姿を発見した。よく見たらあの時に髪を短く切られていたお姫様を処刑した役人。彼の手には白百合を持っていた。
サンソン(何を・・・)
ああ陛下、安らかにお眠り下さい。私には何もいりません。もしもあなたが少しでも私を許さないのであれば、
私が生まれた日を、これからを受け継ぐ人々からも忘れるようにして下さい。
サンソン(ああ、そうか。あの時に僕は陛下へのミサで祈ってしまったんだ)
サンソンは自分の目の前にいる「彼」は座の本体ではないとしても、それが通じてしまったのかここにいる自分は自分の誕生日を忘れてしまった。
このまま気付かないフリをしていても、自分を平等に扱ってくれたマスターのエージェントや仲間達はそんなことでは揺らがない。
サンソン(ーーーーーだけど、それではダメだ。陛下だけでなくエージェント様の気持ちや、今までずっと一緒に戦ってくれた仲間達の気持ちを無駄にすることになる・・・)
サンソンは気付けば、歩き出した。「彼」ーーーーー泣いている自分に向かって。
サンソン「ダメだ。それでは陛下も悲しむだろう」
・・・なぜそう言えるのだ。そんな確証はどこにもないというのに。
サンソン「いや、あるんだ。ここになくともちゃんとある」
ならば、はっきり答えてみろ。なぜそれを言えるのかを!
サンソン「・・・それは陛下を始めとした人達の気持ちを無駄にするから」
・・・?
サンソン「僕はキミと違ってサーヴァントだ。だからというわけじゃないけど・・・僕はあの世界に召喚されてから、僕のマスターは一度も偏見を抱かなかったんだ。ドジでヘタレですぐ無茶するけど、それでも彼との日々は毎日が騒がしくて賑やかで、優しくて楽しくて・・・それはマスターだけじゃない、彼の仲間達からも僕を知った上でちゃんと受け入れてくれた。自分達だって怖かったはずなのに僕の痛みにも寄り添ってくれたんだ。陛下だって、僕に偏見を抱かなかった。彼女でさえも・・・」
・・・それは感じていいものなのかい?僕が処刑した人達のことを考えると、ささやかでも幸せを感じられるものではないだろう。
サンソン「はっきりと上手く言えないが・・・それでいい」
サンソン「いなくていい人などいないから、僕もあの中にいたいだけだ」
涙ながらに笑顔を見せたサンソンからの言葉を聞いた時、「彼」は僅かながら微笑んでいた・・・
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