二次創作小説(紙ほか)

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日常日和。5
日時: 2025/09/30 17:20
名前: 桜 (ID: ZZpzcnXb)

おかげさまで日常日和。も5という節目で新しく迎えることができました。ここに至るまで色々と混乱があり悩みもしましたが、考えた末にこの先に何があってもこれまでの続きを執筆したいという気持ちで新スレッドに至れました。色んな意味で変わる場合もあり混乱はすると思いますが、私は私で頑張りたいと思いますのでご存じの桜サイドやこれまでに出てきた新たなサーヴァント達も含めてどうぞよろしくお願いします!


「目次」


「短編」
The Reverse Night>>1-5
聖夜怪盗☆シークレット>>6-7
デンジャー☆スクランブル>>33-36
僕もまた、運命に導かれて>>37-38
うちの護衛のママ侍さん>>39-42
とある雪月花の羽根。>>43-44
アスパラ☆クライシス!>>77-83
運びを巡る機関車と謎のトレインハンター>>84-86
僕の果実のボク>>96-100
黒の感情・白き純潔>>101-105
ツイセキ☆トラブル!>>148-152
イモーターウォーズ>>153-156
◯◯透視の試用モニター>>157-161
こっちを向いて、愛してると言って!>>162-165
Halloween rabbit!>>166-169
湖の騎士は星の戦士の●●に夢を見るか?>>170-172
ランデブー☆メタモルフォーゼ>>173-176
鯖組メインでファンタパロ>>177-179
雪の記憶、冬の華>>180-183
ある冬の日のアムール>>184-187
クリスマスに追いかけっこ!>>188-191
クリスマスにネガイゴト>>192-196
小さきパンダのガレット・デ・ロワ>>197-200
宇宙の中の不思議の国>>201-205
スキ!スキ!スキー!>>206-210
ビターシュガー・チョコバーボン>>211-215
満開花見日和>>246-249
ツッコみ所が絶えませんっ!(by一ちゃん)>>250-253
ブレーメンの追跡隊>>254-258
王様ゲーム>>259-262
阿国さんの戦い>>263-267
蛇は蛙が好物らしい>>268-270
シチリアでの小話集>>286-289
パンプキンハザード>>318-321
雪の輝き、小さな夢>>345-348
王ドラなう!>>349-351
聖夜、君に贈り物を>>352-356
聖夜、白なる争奪戦>>357-360
突撃!隣の大掃除>>361-364
年明けのアムール>>365-368
バレンタインのから騒ぎ?>>393-396
I‘m not crying anymore>>397-400
バディファイターズタワー踏破の旅>>429-432
Cherry:CamelotZERO>>437-440
異世界を駆け巡る澄色の猫型ロボット達>>471-478
かの者が残してきたもの>>479-482
虹の島々での小話集>>537-540
グルメフェスを調査せよ!>>541-544


「サーヴァントvs○○○シリーズ」
第六天魔王vsカンフー猫型ロボット>>322-325
湖の円卓騎士vs仮面の剣士>>337-340
光の御子vs魔界のプリンス>>341-344
ブリテンの騎士王vsもう一人の闇の魔導師>>401-404
幕末の人斬りvs蒼炎の勇者>>405-408
日輪の姫vs野原家の主婦>>409-412
大統王vs黄色い悪魔>>413-416
五代目風魔頭目vs宇宙忍者>>417-420
太陽の騎士vs赤き吸血鬼>>499-502
島原の乱の指導者vs虚言の魔術師>>503-506
維新の英雄vsウサギの双子弟>>507-510


「桜サイドの快刀家の事情」
三兄編>>389-392
次兄編>>433-436
長兄編>>545-548


「針音ノ時計塔のアリア」
時の輝きよ>>45-47
赤の中のモアイさま>>48-50
青の上のウォーターシティ>>51-54
白の下のバトルロワイヤル>>55-57
黄の外の太陽・・・?>>58-60
その呪文の続きには>>61-66
「誰か」の世界にとってのピース>>67-71
ここに。>>72-76


「決戦前夜」
輝ける希望の星達よ>>114-117
二度の生における旅路>>118-120
「太陽」の焔を>>121-125


「キャメロット城での決着」
現在キャメロット城:正門>>126-127
現在キャメロット城:世界を約50%吸収>>128-129
現在キャメロット城:世界を約80%吸収>>130-133
我らの望む未来>>134-136
太陽のナミダ>>137-141
There are our home here>>142-147


「女性ケロン人小隊襲来」
一の儀、女性ケロン人小隊襲来!>>369-372
二の儀、ささやかな疑念>>373-376
三の儀、偽物と本物>>377-380
四の儀、ゆずれなき信念>>381-384
五の儀、星へ届けるハーモニー>>385-388


「フェアリー・レクイエム〜トリスタンの名を持つ妖精の少女〜」
「トリスタン」は突然に>>549-552
日常ブレイカー?それとも・・・?>>553-556
妖精姫のトマドイ。>>557-560(更新)


「前後編」
かけがえのない「君」>>26-28>>29-32
戦国時代からの謎の挑戦状!>>87-91>>92-95
苺の彼方をもう一度>>106-109>>110-113
シチリアでの鳥の夢>>271-275>>276-281>>282-285
月夜でのエンゲージ>>326-331>>332-336
雪月に小さな花びらを>>421-424>>425-428
時空鉄道の夜>>483-487>>488-498
カービィだらけ>>511-515>>516-519
ワドワド☆サマーアドベンチャー!>>520-525>>526-530>>531-536


「風花月夜伝〜友情よりも、忠義よりも〜」
第一の巻:逆光降臨>>8-10
第二の巻:御一行様之旅珍道中>>11-12
第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に>>13-15
第四の巻:変わりはしないもの>>16-18
第五の巻:生きとし、生ける者。>>19-20
第六の巻:揺るぎない、どうしても。>>21-22
最終の巻:音が導く先>>23-25


「風花月夜伝2〜花は今、光へと舞う〜」
第一幕:異変を告げられし江戸>>216-219
第二幕:渦巻く四方と空>>220-223
第三幕:咆哮の中に在る「声」>>224-227
第四幕:私の輝きの星>>228-231
第五幕:忍び寄る戦いの迫る時>>232-235
第六幕:怨恨開花>>236-240
最終幕:空へ>>241-245


「灯火の星〜第六天魔王の乱〜」
第一の段:わし、参上!>>290-293
第二の段:雷に阻まれるのならば、やることは?>>294-297
第三の段:キミと、光と>>298-301
第四の段:聖地の謎かけを解き明かせ!>>302-305
第五の段:闇夜の城で見つけたのは・・・>>306-309
第六の段:光と闇の諍い>>310-313
最終の段:そして魔王は、悪魔と共に歩き出した。>>314-317


「チェリーワールド×蒸気都市〜夢幻の歯車の光〜」
第1話:ようこそ蒸気都市>>441-444
第2話:風を便りに>>445-448
第3話:決して叶いもしないだろうけど、>>449-452
第4話:魔女の■の讃歌>>453-456
第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」>>457-460
第6話:風よ光へと吹け>>461-465
最終話:さよなら蒸気都市>>466-470

時空鉄道の夜(後編)(その4) ( No.491 )
日時: 2025/06/25 17:31
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

ーーーーードラ・ザ・キッドは西部時代を始めとしたアメリカにおけるヒーローであった。


保安官代理としても活躍した彼は持ち前の正義感の強さから善人を助け、それを苦しめる悪人を成敗していた。


そんな彼はまさしく英雄と語られる器を持っていた。


しかし、彼はとある事件を引き金にその輝きは次第に失われた。


それどころか悪を成すようになったのだ。彼が嫌っていた善人を苦しめるような悪人と同じ立場で。


その本心を自分の中に閉じ込めてしまった彼は友をも遠ざけた。友を嘲る言葉を浴びせながら。


だが、友はそれでも自分を救おうとした。彼だけではない、他の友も自分を救うために立ち上がって。


それでも彼はどうにもならなかったのだ。世界が崩壊する直前だとしても。だから、友は最後の手段に応じた。


「キッド。キミは本当にそれでもいいんだね?」
「何がだ?」
「キミがそれでいいなら何も言わない。ただキミがこれを見ても戻るのであれば、後悔をしないことだね」
「何をごちゃごちゃと。やるならさっさとやれよ」


グシャッ


友は彼に自分の命を差し出したのだ。それにより世界が崩壊した今、彼は元に戻れたのだ。


もちろん身体などなく、思念体だけで彷徨う存在として。






時空鉄道の列車が次の目的地に向かう途中、以蔵はうとうとと目を覚ました。


以蔵(今度は違う夢か・・・)


あれは誰なのかはぼんやりしていたが故判別はできない。だが、これは・・・
その数分後、ブラッディクスを待つべく合流した一行の中で卑弥呼は明るい表情を見せていた。


卑弥呼「この時空鉄道の列車、意外と普通な作りなのね!」
エコロ「そりゃ時空鉄道だもん。いろんな人の心象風景が映されるからこんな作りになるよ。場合によっては血まみれの電車内とかね」
晴信「やめとけ飯が食えなくなる;」


壱与は座りながら何かを呟いた。


壱与「たとえそれが本当だとしても、私と卑弥呼様はブラッディクスを討ち取るつもりです」
景虎「えっ!?なぜなのですか?」
壱与「私と卑弥呼様は元々はブラッディクスを討ち取るために呼ばれたサーヴァントです。チェリーワールドにはもうルーラーのサーヴァントがいるそうなので居座ることは許されていないのです」
以蔵「天草か?奴がいるから無理だと?」
壱与「・・・いいえ、無理なことはないのですが、どう考えたって彼に阻まれてるような気がする・・・」
龍馬「・・・?」


すると、ブラッディクスが車内に出てきた!


ブラダマンテ「マスター!」
ブラッディクス「・・・待たせたな。次の目的地を伝えるぞ」


ブラッディクスは紅茶を一口啜りながら話す。


ブラッディクス「次の目的地はこの身体が本来の場所とされる22世紀のトーキョーだ」
お竜さん(つまりドラえもんの未来世界かー)
ブラッディクス「・・・それはあそこのステーション・ガーディアンを倒したら、すぐに撤退するぞ。どうにも気分が悪い」
晴信(?こいつにしては随分殊勝な・・・)


そして時空鉄道の列車が22世紀のトーキョーの時空に到着した!


ブラッディクス「さぁ、行こう・・・」

時空鉄道の夜(後編)(その5) ( No.492 )
日時: 2025/06/25 17:34
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

六つ目の時空の目的地。しかし・・・






その22世紀のトーキョーは原作通りの未来の街・・・ではなく土地が枯れ果て何も残らずに寂れた廃墟と化していた。


以蔵「ここが22世紀のトーキョーか?」
龍馬「なんか荒れ果ててる。まるで世界の果てのような・・・」


何もない、何もない、何もない。一行が周囲を見渡したその時・・・


晴信「ん?なんか眩しい・・・!!?」


突然包まれた光によって全員が倒れたのだ・・・!


以蔵「・・・っ!!」






以蔵「ここ・・・は・・・」


気付けば以蔵は先程いた場所とは違う、いつもの22世紀のトーキョーで目を覚ました。
彼は自分の近くにいる黒いのを見る。


以蔵「・・・ブラッディクス・・・?」


それが誰なのか気付いた以蔵は彼に手を伸ばそうとするが・・・


???「おらおら待ちやがれえええええー!!!」
以蔵「!!?」


空気砲で撃ちまくりながら相棒の馬エドともに駆ける、その人物は・・・!






キッド「悪人のくせに市民に金をカツアゲしようとはいい度胸じゃねーか!」






以蔵「・・・!!」


以蔵はキッドの顔を見て驚くが、彼は黒い影であるブラッディクスに向かって撃ち出した!


キッド「ドッカーン!!」
ブラッディクスの影「・・・!!」


キッドの空気砲による一撃によりブラッディクスは倒された・・・!


キッド「おい!お前、大丈夫か!怪我とかは・・・」






以蔵「おいキッド。何のつもりじゃ?」






以蔵の言葉にキッドは驚いた顔の後に悲しい表情に包まれた・・・






以蔵「ん・・・」


以蔵は気付いたら元の荒れ果てた土地で目を覚ました。彼は今の光が放った元を見る。


以蔵「魔盾・・・」


その魔盾から放たれた光を見て、以蔵はようやく確信する。そう、この魔盾の持ち主であり、一行の中で唯一光を浴びていなかったのは・・・!






ブラダマンテ「アサシン?そうですか、あなたは軽かった方ですね」






魔盾の光を浴びせたブラダマンテを前にした以蔵に彼女は自分の片手槍を向けた。


ブラダマンテ「邪悪な魔術師アトラントが所有していた魔盾を使った一か八かの賭けでしたが・・・」
以蔵「何言うて・・・」
ブラダマンテ「ごめんなさい。ここで死んでもらいます」


すると、ブラダマンテの片手槍が阻まれた。以蔵と同じく目を覚ましたお竜さんだ!


お竜さん「流石に見過ごせないな。お前のことは目を瞑ってやるつもりだったが、この時空のステーション・ガーディアンの役割を全うするのだったら牙を剥くぞ!」
以蔵「は!?」


以蔵はその言葉を聞いたことで知った。ブラダマンテがブラッディクスのサーヴァントでありながら、この時空のステーション・ガーディアンの役割を担っていることに・・・!


ブラダマンテ「すでにお気付きでしたか。ならば仕方ない!」


ブラダマンテは眠っているブラッディクスを抱き抱えた!


ブラダマンテ「この方は連れて行きます!もう取り戻せません!」
以蔵「ブラッディクス!ブラダマンテ!」


ブラダマンテがブラッディクスを攫って、いつの間にか出現していたある異空間に飛び込んだ。が・・・


お竜さん「ヒミコ、よだれつき!」
卑弥呼「はいはーい!任せて!」
エコロ「よだれつきの呼び方は感心しないけどなぁ」


その直後、三人は以蔵を連れ出した上でその異空間に飛び込んだ・・・!


以蔵「!!?」






緊急事態発生

時空鉄道の夜(後編)(その6) ( No.493 )
日時: 2025/06/25 17:37
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

ブラッディクスの心象風景へ・・・






その異空間の中は何らかの灰色の西部時代の町。そこに入り込めた四人は目的地まで歩いていた。


卑弥呼「ブラッディクスを拐ったブラダマンテちゃんはここから向こうのバーにいるわ。彼女が何かしでかす前に連れ戻すわよ」
お竜さん「場合によっては食ってやろうか?」
以蔵「おい;」


以蔵はエコロを見ながら声をかけた。


以蔵「おいエコロ。おまん、何か知っちょるんか?」


以蔵に訊ねられたエコロは彼らの方に向きながら茶目っ気溢れた様子で答える。


エコロ「聞きたがりだなぁ。まあいいや話すよ。あのブラッディクスは間違いなくドラ・ザ・キッド。でも、チェリーワールドの彼とは違うな」


ブラッディクスの正体がドラ・ザ・キッドだったが、チェリーワールドの彼とは違うという。どういうことなのだろうか・・・?


エコロ「彼はとある事件を機にとある敵側の人物として操られていたんだ。操られるままに悪の限りを尽くしたけど、彼の親友はそれを許さなかった。だから、それによる世界崩壊寸前にその親友が彼を救うために自分の命を差し出した。それを見たことで元に戻っちゃったんだよ」
以蔵「・・・」
エコロ「それから思念体で彷徨う存在だった彼をボクが見つけてね。それと同時に「ブラッディクス」の人格とジョバンニを使役する役割を押し付けた結果身体を手に入れたんだ」


エコロの発言に三人はようやく気付く。


以蔵「は・・・?じゃあ、あのブラッディクスを生み出した人物は・・・」
エコロ「ボクだよー!面白そうだと思ってたからつい、ね!」
卑弥呼「つまりアルターエゴみたいか何かだったの?」
エコロ「彼は一応生者だし、ちょっと違うかな?」
お竜さん「つか、今回の発端は貴様のいざこざか!他のぷよぷよ組に伝えるぞ!」
エコロ「一度や二度はされた身なのにまたフルボッコは困るなぁ〜;」


すると、四人はようやくブラダマンテ達がいるバーの前に着いた!


卑弥呼「ここよ。魔力でたどったらここだったわ」


四人がそのバーの中に入ると、ある少女の泣きそうな声が聞こえた。ブラダマンテだ。


ブラダマンテ「マスター。お許し下さい・・・あなたはロジェロではないけれど、私はあなたを・・・」


四人がバーに入ったドアの音を聞いたブラダマンテは平常心に戻った。


ブラダマンテ「どうやってここへ・・・」
卑弥呼「私とエコロ君が力を合わせれば入れるわ。それよりもあなたはやはりマスター想いなのね。ロジェロ君のような恋愛感情がなくとも」


卑弥呼の言葉を聞いたブラダマンテは眠り続けるブラッディクスを見ながら言う。


ブラダマンテ「そうですね。だけれど、私はマスターを殺さなければいけない。だって、彼が望んだことなので」


その言葉を聞いた以蔵はスマブラXの時空の時でメタナイトが言い放った言葉を思い出した。


メタナイト『それにこの機械人間には殺される理由がある。そいつはいわゆる■■■■■だ』






以蔵「ーーーーー死にたがり」






ブラッディクスの目的は自分が死ぬために殺されることであった・・・!


お竜さん「そうか。今のでわかったぞ。こいつは一人彷徨い続けるのが嫌だったから死ぬためにあんな行動を起こした。しかし、奴にとってイレギュラーな事態が起きた。自分が偶然イゾーを引きずり込んだことだ。だから、イゾーをチェリーワールドに返すために奔走したあとは自分一人で死ぬのだと」
ブラダマンテ「ええ、そうです。だから、私は自分が退去してでもマスターを殺すつもりです。私のマスターがこれ以上の苦痛を受けないために・・・!マスターは何度も拒否しましたが、彼はようやく眠ってくれた。今がその時です・・・」


ブラダマンテは自分の片手槍をマスターであるブラッディクスに向けた。


以蔵「・・・っ!!」


それを見た以蔵はブラダマンテに叫んだ!


以蔵「こんべこのがぁ!!ブラダマンテ、おまんはそれでえいっちゅーか!!?いくらブラッディクスが死にたがったってわしは・・・!!」


以蔵の叫びにブラダマンテは無言で首を横に振った。


ブラダマンテ「ごめんなさい、マスター。今あなたを楽にしますから・・・」


ブラダマンテは自分の片手槍でブラッディクスの心臓を刺した・・・!


以蔵「・・・!!!」


これでブラッディクスは死んだ・・・と思われたが。


ブラッディクス「・・・ブラダマンテ?」
ブラダマンテ「あ、マスター!私は・・・!」
ブラッディクス「いや言わなくていい。むしろ感謝している」






ブラッディクス(?)「貴様のおかげで主の人格はなくなったのだから」
ブラダマンテ「え?」






一方、龍馬達も目を覚ましていた。龍馬は周りを見渡す。


龍馬「お竜さんと以蔵さんは!?」
景虎「卑弥呼様もエコロもいないし、一体どこに行っちゃったんでしょうねー?」


すると、再度出現した異空間から以蔵達が帰ってきた!


晴信「!今までどこに・・・!!」


しかし、彼らの様子を見て驚いた。ブラダマンテが全身傷だらけの状態でお竜さんに抱えられたからだ・・・!


壱与「ブラダマンテさん・・・!?何があったのですか!?」
卑弥呼「それが大変なことになったわ。ブラッディクスが・・・」


自分達の後ろにいるブラッディクスを見た大半の全員は驚愕する。ブラッディクスの瞳の色が赤に変わったからだ!


龍馬「これは・・・」
お竜さん「ああ。MIDICITYの時よりも酷い状態だぞ」


ブラッディクスを見た以蔵は叫んだ!ブラッディクスがこうなった理由はわかっているからだ。


以蔵「ジョバンニ!ブラッディクスを返しちょれ!」


以蔵の叫びにブラッディクスもといジョバンニは三日月笑いを浮かべる。


ブラッディクス(ジョバンニ)「犬のように叫ぶ元気は残っているようだな。ならば、ちょうどいい」


すると、後ろから異空間が出現した!


ブラッディクス(ジョバンニ)「アサシン、岡田以蔵。最後の目的地である時空で待っているぞ。時空鉄道の列車を使ってな!」


そう告げたジョバンニはその異空間に飛び込んだ!それにより異空間は閉ざされた。


以蔵「ブラッディクス・・・!!」
龍馬「以蔵さん。今は彼女を治療を優先しよう」
お竜さん「お竜さんに任せろ」


その数分後、最後の目的地に向かうために出発した時空鉄道の列車の中で晴信は項垂れていた。

時空鉄道の夜(後編)(その7) ( No.494 )
日時: 2025/06/25 17:39
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

晴信「なぁ、あんな治療はありか?唾液で回復させるって・・・;」
龍馬「お竜さんの唾液は治癒の効果があるからねぇ」
景虎「そういえば、アサシンは?」
卑弥呼「今ブラダマンテが目を覚ますまで診てくれてるわ。目を覚ましたら彼女と話をしたいそうよ」
壱与「・・・」


一方、客室ではブラダマンテは以蔵に付き添われた状態でようやく目を覚ました。


以蔵「気がつきちょったか」
ブラダマンテ「アサシン・・・?」
以蔵「お竜の奴には感謝せい。あいつがいなければおまんは退去しちょったぞ」
ブラダマンテ「坂本龍馬に寄り添うお方が治療して下さったのですか・・・」
以蔵(あの蛇女の治療法が唾液やということは言わんでえい気がしちょる・・・;)


ブラダマンテはこれが夢ではないことに気付いた後静かに呟く。


ブラダマンテ「あなたは恨まないのですか?」
以蔵「こればかりはわしが恨む権利はない」
ブラダマンテ「私はマスターを殺そうとした!だけれど、あなたはマスターを助けようとした!そんな正反対ゆえに恨んでいいはずです!マスターもそう・・・なぜ実行しようとしたら止めるのに私を恨まないのですか・・・」


ブラダマンテの言葉に以蔵はその姿勢を正しながら言う。自分の脳裏にクルークの姿を思い浮かべながら・・・


以蔵「おまんが泣いてるからやき」
ブラダマンテ「え?」
以蔵「奴とて情がなくなったわけではないんでのう。自分を殺そうとした女の涙を見たら、奴はおまんをどうしても止めるし、だからといって恨むことはできん」
ブラダマンテ「・・・あなたがそんなこと言うなんて驚きです」
以蔵「いや、今の言葉はただの受け売りじゃ。あいつなら言いそうやと思うて」
ブラダマンテ「誰なのですかその人って?」
以蔵「秘密じゃあ」


ブラダマンテは以蔵の表情を見ながら訊ねる。


ブラダマンテ「あなたにお聞きしたいことがあるのでいいですか?」
以蔵「えいぞ」
ブラダマンテ「あなたは明らかに私を知っている様子を見せてる。いや、誰かから話を聞いた様子だと思います。もしや私に関係する方がチェリーワールドに呼ばれましたか?」


ブラダマンテの問いに以蔵はにっと笑いながら答えた。


以蔵「楽しそうに話しちょったからな。アストルフォの奴が」
ブラダマンテ「アストルフォ・・・アーちゃん・・・!」
以蔵「ついでに言うが、円卓騎士の奴らもチェリーワールドにいちょる。まあ色々好き放題しちょったが、わしまで巻き込んだりで・・・」


その言葉を聞いたブラダマンテは以蔵の手を掴む!


ブラダマンテ「円卓の騎士様も!?」
以蔵「おん、そうじゃが・・・」
ブラダマンテ「あなたが知り合いになるなんてずるいです!よければ私にもお話を聞かせて下さい!」
以蔵「は?」


前編のセリフからしてお察しの通り、ブラダマンテは円卓の騎士のシンパ。思わず唸る以蔵だが、彼はつぶやいた。


以蔵「・・・敵として戦った場合もあるが、ざっくりじゃ。それでもえいか?」
ブラダマンテ「はい、お願いします!円卓の騎士様達に何があったのか、それによるあなた達の冒険譚を・・・!」


以蔵は王ドラやクルーク達の仲間になってから起きた出来事を話した。ガウェインが敵側の人物として味方サイドであったモードレッドのみならず自分達とも戦ったこと、ハートビート・クロックタワー(針音の時計塔)を巡る旅、敵側から逃げた円卓騎士達の捜索、獅子王やランスロットがとある出来事を機に自分達に対する協力、ガウェインの戦う理由、そしてそれらを救うために戦ったトリスタンの意思も尊重してくれた仲間達がいること・・・
それらを話し終えた以蔵はブラダマンテの涙を見た。


以蔵「す、すまん!嫌じゃったか?」
ブラダマンテ「いいえ。いいえ・・・むしろ嬉しいんです。たとえ過ちを犯したとしてもガウェイン様を救おうとしてくれた人、円卓の騎士様達にも寄り添ってくれた人達がいてくれたから・・・こんな素敵すぎる出来事があったんだって・・・」
以蔵「・・・」


その数分後、以蔵に付き添われる形で姿を現したブラダマンテを晴信が険しい目で見ていた。


晴信「起きたか、裏切り者。何か言いたいことはあるか?」
ブラダマンテ「・・・」


そんな晴信を卑弥呼が宥めながらブラダマンテを諭す。


卑弥呼「武田君。ブラダマンテちゃん、あなたは理由もなくマスターを裏切る子じゃないと思っているわ。今のあなたの気持ちを教えて欲しいの」
ブラダマンテ「・・・」


以蔵が横で頷いたのを見たブラダマンテは自分の今の気持ちを伝える。


ブラダマンテ「あんなことをしておいて今更許されると思っていません。だけど、私は・・・誰に何を言われようとも今度こそマスターとちゃんと向き合うつもりです・・・!」


ブラダマンテの言葉を聞いた晴信はため息を吐きながら告げる。


晴信「ならば・・・自分の命は、自分で守れ。それがお前にできる、あいつへの償いだ」
ブラダマンテ「!」


晴信からの言葉にブラダマンテは無言で頭をぺこりと下げた。彼らへのお礼のつもりで・・・。
エコロは拍手をしながら話す。


エコロ「はいはい、これで彼女の件は解決したようだね!あとはブラッディクスと話をするだけだね〜」
龍馬「もうすぐ彼がいる時空に着く。何があるかわからないから気をつけてね!」


そして時空鉄道の列車がジョバンニ達に乗っ取られたブラッディクスが待つ時空に着いた!






以蔵「あいつとなんとしてでも話すきに・・・行くぜよ!」

時空鉄道の夜(後編)(その8) ( No.495 )
日時: 2025/06/25 17:41
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

そして最後の時空の目的地にて






ジョバンニ達に乗っ取られたブラッディクスがいる、ぷよ魔導世界(MAX2時の)の時空。ブラッディクスはジョバンニ達の意のままにそこのステーション・ガーディアンだったシェゾ・ウィグイィと戦っていた。


ブラッディクス(ジョバンニ)「ではさらば。貴様の野望は今ここで潰えたのだ」
シェゾ「・・・っ」


シェゾの首が落ちて黒い砂と化して散った後、ブラッディクスは最後のジョバンニを取り込んだ・・・


ブラッディクス(ジョバンニ)「ははは・・・ははははは!!ようやく我らが全て揃った!」


ブラッディクスは周り一面を炎に染め上げた!






ブラッディクス(ジョバンニ)「これで主の命が取り留める!主が閉じ込めた檻から出ることはない!主が死ぬことは許さぬ!主の命は我らのものなのだから!」






一方、その時空に着いた以蔵達一行はその惨状に唖然となった。


お竜さん「・・・酷い有様だな」
ブラダマンテ「これが・・・私がしようとしたことの結末・・・あ・・・ああ・・・」


ブラダマンテが改めて自分がマスターのブラッディクスにしようとしたことの重大さを痛感するが、エコロは横を見た。


エコロ「!あれがジョバンニ達か!」


エコロが見たのはブラッディクスが取り込んだのをそれぞれの個体としての姿で現界したジョバンニ達の姿だった。


景虎「あれは・・・!そしてその中心にいるのは・・・」


そのジョバンニ達の中心にいるのは目を閉じたままのブラッディクスであった。


以蔵「ブラッディクス!!」


以蔵は彼を助けようと走るが、ジョバンニ達が織りなす炎に道を阻まれた!


以蔵「・・・っ!!」
ジョバンニA「させぬ」


なおも景色を炎に包ませる。その直後、ジョバンニ達は融合する。






ジョバンニの真体として・・・!






それを見た壱与は以蔵達に話す。


壱与「みなさん!彼はもう救えない!こうなれば、手をかけるしか道はありません!多少手荒な真似は使うと思いますが・・・」


それを聞いた以蔵は首を横に振る。


以蔵「壱与。それならわしにあいつを救うチャンスを与えてくれんか?」
壱与「えっ!?諦めないつもりですか!?」


すると、ブラダマンテは壱与の腕を掴みながら懇願する!


ブラダマンテ「お願いします、壱与さん!岡田殿にマスターを救うチャンスを与えてあげて下さい!あの人はロジェロじゃないけど・・・私はマスターを・・・悲しいまま死んでほしくない・・・!」
壱与「・・・っ」


ブラダマンテの涙を見た壱与は思わずたじろぐが、それを見た卑弥呼が彼女を諭した。


卑弥呼「壱与ちゃん。私からもお願い。いくら私達が呼ばれた役割だからって彼を死なせるのとは違う。それに以蔵君はブラッディクスに悪感情を抱いていない」


他の人物も同じかと言わんばかりに卑弥呼に賛同の意で頷く。それを見た壱与はとうとう折れた。


壱与「ああもう!どこまでも命知らずなのですねあなた達は!」
以蔵「それはチェリーワールドの奴らにも言ってほしいきに」


壱与は巫女姿に変身し、その炎に自分の宝具である「宵闇翳る月御珠」を与える形で散らせた!


壱与「私は滅びの巫女ゆえ炎をも滅せます。というか今ならやれるかも。また炎が甦られないうちに行ってください!」
以蔵「・・・!」


その直後に卑弥呼によって出現した空間の中に以蔵が飛び込んだ・・・!






気付いたら泡のような空間の中に以蔵は目を覚ました。その上から猫のような見目をした少女の姿があった。


少女「ようやく会えたわね。はじめまして、アサシンのあなた」
以蔵(ああ、ほうか。こいつがわしにブラッディクスと契約するよう差し向けたーーーーー)


以蔵はそっと目を開けた後、少女は話す。


少女「気付いていたようね。私が今から言うことはわかる?」
以蔵「・・・」
少女「あの人は私の彼とは違うけれど、それでも放っておけなかった。だから、あの人と一悶着があるあなたに彼と契約するように引きずり込んだ」
以蔵「・・・」
少女「だからこそお願いがあるの。ーーーーー少しでも、彼を救ってあげてほしい。最初で最後のお願いよ」
以蔵「何言うとんじゃ。ーーーーーおまんも一緒にあいつを救うんじゃ」


以蔵の言葉を聞いた少女は微笑んだ・・・






以蔵は気付いたら別の空間に飛ばされていた。今度は先程のバーと同じ場所。


以蔵(ブラッディクスの心象風景か・・・)


しかし、よく見たら周りには少しだけ色が付いている・・・以蔵が歩き出すと、ブラッディクスの姿があった。


以蔵「ここにいちょったか。一緒に帰るきに」


以蔵の言葉にブラッディクスは目を開けた。


ブラッディクス「ふん。人の秘密を暴いたくせに何を偉そうに」
以蔵「それは悪かったな・・・」
ブラッディクス「ならば、何のつもりで来た」


ブラッディクスの問いに以蔵は答えた。


以蔵「おまんに生きていてほしいから、ここに来たき」
ブラッディクス「・・・」


ブラッディクスは目を見開きながら呟く。


ブラッディクス「・・・俺に、生きていてほしいってか?親友も何もかも失った俺に対して、よくそんなこと言えたな!同情も憐憫もいらぬ!これ以上何もかも」
以蔵「同情も憐憫もないわこんのべこのかぁ!!」


以蔵の叫びにブラッディクスは驚きながら彼を見る。


以蔵「おまんがわしを庇ったからじゃ!何も言わず自分からな!わしはおまんがそんな態度やからついてきちょった!やからこそ・・・」


以蔵はブラッディクスの目を見ながら言う。






以蔵「わしはおまんを守る。やからこそ、親友達の代わりに今迎えにきたぜよ」






ブラッディクス「・・・!」


以蔵の言葉にブラッディクスはふっと笑いながら言う。


ブラッディクス「本当に諦めが悪いなお前は」
以蔵「生前の反省も多少はあるかもな」


そしてその空間が崩れた後、ブラッディクスは最後の令呪を光らせた!


ブラッディクス「令呪を以て命じる!岡田以蔵、俺の中にある迷いを斬れ!」






以蔵「おう!生きろ、ブラッディクス!」






そして以蔵は自分の剣でブラッディクスの中にある迷いを叩き斬った・・・!


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