二次創作小説(紙ほか)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

日常日和。5
日時: 2025/09/30 17:20
名前: 桜 (ID: ZZpzcnXb)

おかげさまで日常日和。も5という節目で新しく迎えることができました。ここに至るまで色々と混乱があり悩みもしましたが、考えた末にこの先に何があってもこれまでの続きを執筆したいという気持ちで新スレッドに至れました。色んな意味で変わる場合もあり混乱はすると思いますが、私は私で頑張りたいと思いますのでご存じの桜サイドやこれまでに出てきた新たなサーヴァント達も含めてどうぞよろしくお願いします!


「目次」


「短編」
The Reverse Night>>1-5
聖夜怪盗☆シークレット>>6-7
デンジャー☆スクランブル>>33-36
僕もまた、運命に導かれて>>37-38
うちの護衛のママ侍さん>>39-42
とある雪月花の羽根。>>43-44
アスパラ☆クライシス!>>77-83
運びを巡る機関車と謎のトレインハンター>>84-86
僕の果実のボク>>96-100
黒の感情・白き純潔>>101-105
ツイセキ☆トラブル!>>148-152
イモーターウォーズ>>153-156
◯◯透視の試用モニター>>157-161
こっちを向いて、愛してると言って!>>162-165
Halloween rabbit!>>166-169
湖の騎士は星の戦士の●●に夢を見るか?>>170-172
ランデブー☆メタモルフォーゼ>>173-176
鯖組メインでファンタパロ>>177-179
雪の記憶、冬の華>>180-183
ある冬の日のアムール>>184-187
クリスマスに追いかけっこ!>>188-191
クリスマスにネガイゴト>>192-196
小さきパンダのガレット・デ・ロワ>>197-200
宇宙の中の不思議の国>>201-205
スキ!スキ!スキー!>>206-210
ビターシュガー・チョコバーボン>>211-215
満開花見日和>>246-249
ツッコみ所が絶えませんっ!(by一ちゃん)>>250-253
ブレーメンの追跡隊>>254-258
王様ゲーム>>259-262
阿国さんの戦い>>263-267
蛇は蛙が好物らしい>>268-270
シチリアでの小話集>>286-289
パンプキンハザード>>318-321
雪の輝き、小さな夢>>345-348
王ドラなう!>>349-351
聖夜、君に贈り物を>>352-356
聖夜、白なる争奪戦>>357-360
突撃!隣の大掃除>>361-364
年明けのアムール>>365-368
バレンタインのから騒ぎ?>>393-396
I‘m not crying anymore>>397-400
バディファイターズタワー踏破の旅>>429-432
Cherry:CamelotZERO>>437-440
異世界を駆け巡る澄色の猫型ロボット達>>471-478
かの者が残してきたもの>>479-482
虹の島々での小話集>>537-540
グルメフェスを調査せよ!>>541-544


「サーヴァントvs○○○シリーズ」
第六天魔王vsカンフー猫型ロボット>>322-325
湖の円卓騎士vs仮面の剣士>>337-340
光の御子vs魔界のプリンス>>341-344
ブリテンの騎士王vsもう一人の闇の魔導師>>401-404
幕末の人斬りvs蒼炎の勇者>>405-408
日輪の姫vs野原家の主婦>>409-412
大統王vs黄色い悪魔>>413-416
五代目風魔頭目vs宇宙忍者>>417-420
太陽の騎士vs赤き吸血鬼>>499-502
島原の乱の指導者vs虚言の魔術師>>503-506
維新の英雄vsウサギの双子弟>>507-510


「桜サイドの快刀家の事情」
三兄編>>389-392
次兄編>>433-436
長兄編>>545-548


「針音ノ時計塔のアリア」
時の輝きよ>>45-47
赤の中のモアイさま>>48-50
青の上のウォーターシティ>>51-54
白の下のバトルロワイヤル>>55-57
黄の外の太陽・・・?>>58-60
その呪文の続きには>>61-66
「誰か」の世界にとってのピース>>67-71
ここに。>>72-76


「決戦前夜」
輝ける希望の星達よ>>114-117
二度の生における旅路>>118-120
「太陽」の焔を>>121-125


「キャメロット城での決着」
現在キャメロット城:正門>>126-127
現在キャメロット城:世界を約50%吸収>>128-129
現在キャメロット城:世界を約80%吸収>>130-133
我らの望む未来>>134-136
太陽のナミダ>>137-141
There are our home here>>142-147


「女性ケロン人小隊襲来」
一の儀、女性ケロン人小隊襲来!>>369-372
二の儀、ささやかな疑念>>373-376
三の儀、偽物と本物>>377-380
四の儀、ゆずれなき信念>>381-384
五の儀、星へ届けるハーモニー>>385-388


「フェアリー・レクイエム〜トリスタンの名を持つ妖精の少女〜」
「トリスタン」は突然に>>549-552
日常ブレイカー?それとも・・・?>>553-556
妖精姫のトマドイ。>>557-560(更新)


「前後編」
かけがえのない「君」>>26-28>>29-32
戦国時代からの謎の挑戦状!>>87-91>>92-95
苺の彼方をもう一度>>106-109>>110-113
シチリアでの鳥の夢>>271-275>>276-281>>282-285
月夜でのエンゲージ>>326-331>>332-336
雪月に小さな花びらを>>421-424>>425-428
時空鉄道の夜>>483-487>>488-498
カービィだらけ>>511-515>>516-519
ワドワド☆サマーアドベンチャー!>>520-525>>526-530>>531-536


「風花月夜伝〜友情よりも、忠義よりも〜」
第一の巻:逆光降臨>>8-10
第二の巻:御一行様之旅珍道中>>11-12
第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に>>13-15
第四の巻:変わりはしないもの>>16-18
第五の巻:生きとし、生ける者。>>19-20
第六の巻:揺るぎない、どうしても。>>21-22
最終の巻:音が導く先>>23-25


「風花月夜伝2〜花は今、光へと舞う〜」
第一幕:異変を告げられし江戸>>216-219
第二幕:渦巻く四方と空>>220-223
第三幕:咆哮の中に在る「声」>>224-227
第四幕:私の輝きの星>>228-231
第五幕:忍び寄る戦いの迫る時>>232-235
第六幕:怨恨開花>>236-240
最終幕:空へ>>241-245


「灯火の星〜第六天魔王の乱〜」
第一の段:わし、参上!>>290-293
第二の段:雷に阻まれるのならば、やることは?>>294-297
第三の段:キミと、光と>>298-301
第四の段:聖地の謎かけを解き明かせ!>>302-305
第五の段:闇夜の城で見つけたのは・・・>>306-309
第六の段:光と闇の諍い>>310-313
最終の段:そして魔王は、悪魔と共に歩き出した。>>314-317


「チェリーワールド×蒸気都市〜夢幻の歯車の光〜」
第1話:ようこそ蒸気都市>>441-444
第2話:風を便りに>>445-448
第3話:決して叶いもしないだろうけど、>>449-452
第4話:魔女の■の讃歌>>453-456
第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」>>457-460
第6話:風よ光へと吹け>>461-465
最終話:さよなら蒸気都市>>466-470

太陽のナミダ(その5) ( No.141 )
日時: 2023/08/24 17:21
名前: 桜 (ID: 6ux8t0L6)

トリスタン(王ドラ殿。どこにいるのですか?)






ーーーーーああ、よかった。やっと終わった。救い出せた。彼らに後を託して正解だった。


今考えていればろくでもない思い出ばかり。どうしようもないぐらい、バカな騒ぎを起こしてーーーーー


ーーーーー全部ろくなことがないんじゃなかった。そこには輝きがあった。光があった。だから、私もそこに行きたかった。ただそれだけの理由で私の中にいるもう一人の「僕」に抗った。


フェアリーナイト王国を調査完了せず、その国に生まれて日本にたどり着いた、小さなウサギ帽子の泣き虫なあの子に想いを伝えられなかったのが、唯一の心残りでーーーーー






トリスタン「何を言っているのですか。貴方も生きるのです」






ボロボロになっての状態で一人へたり込みながら物思いに耽っていたのを見つけ出してくれたトリスタンを前にして王ドラは朧げに聞く。


王ドラ「・・・一人残ったのですか?」
トリスタン「ええ。貴方を見つけるために。早く行かないと親友も泣きます。私が背負うので掴まりなさい」


王ドラはトリスタンに背負われながら共に歩く中で彼に報告を伝えられた。


トリスタン「珠黄泉族は拘束されました。ボーン・キングはヘクソンの裏切りによって殺されて、ナタリーやキング・ジュニア殺害にも関与していたそうです」
王ドラ「はい」
トリスタン「ガウェイン卿をなんとか救い出しました。そのマスターの安否も時期に確認されるかと」
王ドラ「はい」
トリスタン「キャメロットの消滅のスイッチ発動の関与はまさかの源為朝が眠ったままに関与してましたが・・・真相を知ったことで我らに寝返りました。あなたのこともなぜか覚えていますよ」
王ドラ「はい」






トリスタン「我らの勝利です。私達は、勝ったのです」






トリスタンの報告を聞いた王ドラは涙を流しながら彼に伝える。


王ドラ「・・・ありがとう・・・」


トリスタンは王ドラを背負いながら歩く中で静かに呟く。


トリスタン「必ず貴方と共に生きて帰る。貴方には生きてほしいのだから」






トリスタン「そのために貴様と一騎討ちすることになるとしても」






トリスタンに動向を見抜かれたボロボロのローブを着た人物は問う。


ボロボロのローブを着た人物「・・・我の試練を受けるというのか?」
トリスタン「ええ。そうでないと貴方は王ドラ殿をここから帰させないでしょう?」
ボロボロのローブを着た人物「そうか。いいだろう。ならば、サーヴァントでも「人」であるお前の決意が本物か見せてみろ」






トリスタン「言われなくとも、この代償は高く付くことになるでしょう・・・!!!」






第四部・最終回に続く・・・!






次回で第四部最終回!感想OK

There are our home here(その1) ( No.142 )
日時: 2023/09/06 17:14
名前: 桜 (ID: wJNgr93.)

今回はいよいよ第四部最終回!こんなタイトルにしたのは話の内容が深く関係しているからです。


様々な伏線なども残してありますが、ようやく第一部にあたる話の一つで話してた第五部にありつけます。ここに至るまでよく頑張ったよ自分・・・;






ーーーーー「また明日」は英霊(サーヴァント)にはないのに。


ほんのひとときの存在である英霊が言われる資格がないのに、なぜ彼らは懲りずに言うのだろうか。


明日を持たせる希望など何もないのに。所詮泡沫の夢でしかないのはわかっているはずだ。


なのに、どうして?どうして英霊にも人間と同じように接しながら言うのだ。






トリスタン「くっ・・・!!」


トリスタンは満身創痍であった王ドラを連れて帰るためにローブを着た人物と戦っていた。まるで分かられていたかのように思わぬ苦戦を強いられていた。


ボロボロのローブを着た人物「なんだ。少しは期待していたのに。今度はこちらから向かわせてもらおう」


すると彼はある力を形成し、トリスタンに斬りつけようとした!幸いにも彼は辛うじて避けたため間一髪で首を斬られずに済んだが、彼には見覚えがあった。


トリスタン「これは以蔵殿の宝具・・・!?」
ボロボロのローブを着た人物「正しくは再現しただけの劣化コピーだがな。一撃必殺は期待したんだが、どうやらムラがあったな」


すると、彼は今度は赤黒い炎が包み込む剣に変化した!


トリスタン「!!?これはモードレッドの・・・!!?」
ボロボロのローブを着た人物「我がこれで殺さぬうちに選べ。そのカラクリの魂をこっちに引き渡すか、共に死に果てるか」
トリスタン「・・・!!」


すると、彼は再現したモードレッドの宝具でトリスタンに大ダメージを与えた!彼は満身創痍でも攻撃を続けようとした。


ボロボロのローブを着た人物「選べぬのか?まさかどちらとも救うというのか?いっそのこと片方だけ捨ててしまえ。そうすれば楽になれる。人のことよりもまずは自分のことを考えろ」






王ドラ「トリスタンさん。また泣いてるんですか?」


それは決戦前のこと。夜中に眠れなかった王ドラは一人泣いているトリスタンを見かけて声をかけていた。トリスタンは静かに聞く。


トリスタン「・・・人はどうして、明日の希望を持てるんでしょうか?」
王ドラ「いきなりなんですか?」
トリスタン「英霊は所詮泡沫の夢のような存在。だけれど、ここに集まるみんな我ら英霊を人としても扱っている。ただ気兼ねなく一人一人に心を砕き平等に接する心を持っている。円卓の恥知らずの私には眩しいと思うぐらい。だけれど、他の英霊はもう心を開いている。英霊であることを忘れてしまうぐらい。貴方達猫型のカラクリだってそうだ。人としての心を持つならばなぜ諦めない意志を持っているのだ・・・我らにも貴方達にも、「また明日」などと・・・」


ガウェインが前にも発した「特別な絆」。それがなんなのかトリスタンも知りたかった。王ドラはトリスタンの後ろにちょこんと座りながら答える。


王ドラ「・・・私にもわかりませんよ。だって私はドラえもん達とは違って22世紀で生まれたロボットじゃないですから」
トリスタン「え・・・?」
王ドラ「私は恐らくその時の記憶を失っています。いや、いたでしょうね。私は私の中にいる「僕」に気付いてから、以来今でも抵抗し続けています。「僕」の過ぎたる悪意に。本当なら悪意に取り込まれるはずだったのに不思議ですね。飛ばされた22世紀で出会った親友達やその後に出会った仲間達を大切に思う気持ちが芽生えたから抑止になった。ただそれだけだったのに、その思いで悪意を食い止めてるんです。「私」は私として成り立った。でも、特別でもなんでもないですよ。あなたにも同じように自分の友達や仲間達を大切だと思っていたのではないですか?」
トリスタン「ーーーーー私は。私、は・・・」






最初の目的は自らの悲願の成就のために利用する踏み台としてリップをマスターとして選んだ。まだ制御は効かないほど高い魔力を持つ彼女ならば事を運べる確信はあったから。


だけど、自分をも人として平等に接してくれる彼女や仲間達を見たら良心が痛んだ。痛くて悲しい。こんな自分に特別な絆など。


ーーーーーいや、ある。あった。「特別」なものではないけど、確かにそこにあった。人から見たらなんてことのない絆の話。それが私の心に響いたのだ。


これでは「彼女」に怒られてしまう。いつか見つけた時にさらに嫌われてしまう。


私は欲張りでいい。「彼女」を見つけること。今信頼してくれた仲間達を守ること。その二つの目的を持つのは悪いことじゃない。どちらを持ったとしてもよかったのだ。それは「彼女」はいいというのか?






「あなたはそれでもいいよ。過ぎた幸せでも、優しすぎるあなたにはそれでいいんだ」






トリスタンは再び立ち上がり、立ちはだかる彼を見る。その表情を見た彼は思わず戦慄に走った・・・






トリスタン「どちらも捨てるなど、私にはできるはずがない!!!」






トリスタンは宝具を発動に入り、彼もとある宝具を再現してそれを相殺しようとする!


ボロボロのローブを着た人物「宝具か。ならばこうしよう。精神的に傷を負う宝具だ!」


彼はサンソンの宝具を再現し、それをトリスタンの宝具とぶつけようとする!


トリスタン「我が想いのままに歌え!踊れ!!奏でろ!!!」






トリスタン「痛哭の幻奏(フェイルノート)ぉぉぉぉぉーーーーー!!!!」






渾身の宝具の空気撃ちは、その音色は高らかに力強く活気に満ちていた。まるで元からあった目的を新たにするという意志を固めたのか、それとも・・・






トリスタンが息切れしながら立とうとするが、その直後に何もなさそうに見えたボロボロのローブの人物が倒れた・・・。


ボロボロのローブを着た人物「おめでとう。お前達の勝ちだ」
トリスタン「・・・」
ボロボロのローブを着た人物「一つだけ良いか?なぜ貴様は初めて会った際に我を拒絶しなかった」


問われたトリスタンは一瞬だけ沈黙を貫こうとするが、それを振り切って答えた。


トリスタン「それは貴方を拒絶したら、悲しませてしまうだけです」






トリスタン「貴方がガウェインとホイップ嬢が大切だから心配したんでしょう?」






トリスタンに見抜かれたことで驚きの表情をしながら答える。


ボロボロのローブを着た人物「・・・どうして、わかった・・・?」






クルーク(ホイップの叔父)「俺の・・・正体を・・・」






トリスタンはこれ以上何も言えなかった。自分も薄々だったのだ。
ボロボロのローブを着た人物ことホイップの叔父であるクルークはようやく事の真相を話した。






アヴァロンの魔術師「キミがアヴァロンにまで来たのが予想もつかなかったね。ああ、彼もか。ガウェインは二度もここに召喚されたんだ。キミが会ったのは記憶を消されたガウェインかな?それとも記憶を保持しているガウェインかな?」
クルーク(ホイップの叔父)「・・・記憶を保持したガウェインだ。俺もあいつが愛故にいつか暴走すると思っていたんだ」
アヴァロンの魔術師「それを知っててアヴァロンにまで到達したんだねぇ。ガウェインというのは、円卓の中で最も忠節が厚い騎士。まあ巨乳で年下が好きなのは勘弁願いたいけどね」
クルーク(ホイップの叔父)「アハハ」
アヴァロンの魔術師「でも、いつか彼を取り巻く人達のせいで大変なことになるなぁ。巻き込まれた彼をも。それなら私がキミに普通の人間に化けるように 少しだけ助けてあげよう。キミはガウェイン達を心配してるんだろう?その前に聞くけど、キミはいいのかい?そのアルトリアのマスターである少女との約束を果たしてもキミは蘇生しない。その上でトリスタンを見極めることになる。それがどんなことがあったとしても、キミには何も落ち度がないのに?」






クルーク(ホイップの叔父)「・・・それでもいい。彼がガウェインやホイップを救うに値するなら」






トリスタン「マーリンが・・・」


アヴァロンの魔術師・マーリンがこの一端に関与していることを知ったトリスタンは驚愕以外の感情が出なかった。同時に彼は何かを感じ取った。「彼はあのことを知っていたのではないか」と。


クルーク(ホイップの叔父)「最初はお前が二人を救うものだと思っていた。だけど、俺が間違っていた・・・お前だけでなく、仲間達やあのウサ耳の女の子もそれは一緒だったんだ。仲間を思う気持ちは、そうなんだよって。だからこれでいいんだ・・・」


クルークの身体が消えかけてきた時、トリスタンは涙ながらに話す。


トリスタン「聞いてください。ガウェインは、最後まで貴方を大切に想っていた。ガウェインはずっと罪悪感を抱いていた。ガウェインは、ホイップを守るために罪を犯してしまった。だけど・・・その騎士としての気持ちは消えていない!ガウェインはあれでも変わっていないのです・・・!」


トリスタンから聞いたクルークは彼の頬に手を添えながら話す。


クルーク(ホイップの叔父)「そうか。よかった。あの、二つだけ頼みがあるんだが。俺と同じ名前のあの子には謝っておいてくれ。結局巻き込んでしまったから・・・あの子はあれでも芯は強いから、大丈夫だな」
トリスタン「はい」
クルーク(ホイップの叔父)「ホイップのことも優しく接してやってくれ。あの子は優しい子だ。でも、どこか脆い部分があるからお前も支えてやってくれ」
トリスタン「はい・・・約束します」






クルーク(ホイップの叔父)「約束な」






クルークは涙を浮かべながらニカっと笑った後消えた。トリスタンは涙を拭い、王ドラを連れながら歩き出した・・・。

There are our home here(その2) ( No.143 )
日時: 2023/09/06 17:17
名前: 桜 (ID: wJNgr93.)

一方キャメロットの頂上から一足早く降りたクルーク一行は解放された大半の全員と合流する。ちなみに珠黄泉族はキッドに身柄を現代の警察に引き渡すそうだ。


キッド「今回のことだが、やはりあいつらは黄泉に釈放の手続きをしてもらったらしい。それで今回のこと企ててガウェイン達をも利用したそうだ。まあ吸骨鬼達や青の吸血鬼一族もしてやられたというわけだ。でも、この一件で二度と勝手な釈放させないようにするってさ」
クルーク「そうかい。でも、黄泉のことは・・・」
ゼオ「ああ。直接的にも間接的にも関わってくる。そろそろ本体の赤猫を見つけた上で本当に倒すことを考えなければならない」


ようやく黄泉の捜索を視野に入れる中で目を覚ましたクロラは自分の顔に異変を感じていた。


クロラ「あれ?僕の顔の中から・・・呪いが消えてる」
理人(フラウト)「えっ、本当!?」
アミティ「どういうこと・・・!」


すると、彼らはとある幻霊を見る。その姿は凛々しさを併せ持つクロラに面影が似ている青年だった。


リデル「あなたは・・・」
青年の幻霊「かつての国を背負った王族の末裔よ・・・恨みの連鎖はようやく食い止めた」
シグ「なに?」


青年の幻霊は自分が死したその後のこととクロラにかかっていた呪いの真相について話した。


青年の幻霊「私は最初は殺されるだけでよかったのだ。これでようやく楽になれると。だが、私の子孫が何代も呪いにかかり、その次代にまで呪われていくのを見て何も出来ぬと悲しんだ・・・恐らくこれが私への本当の罰だったのだろう。歴代の者達は一刻も早く呪いを解こうと腐心していた。自分の中にある恨みに気付かないまま。つまり、恨みから解放されること・・・これがこの呪いを解く方法。当たり前であるはずのそれが誰にもわからなかった・・・ごめんな、クロラ。お前は恨みを自分の手でなくしたんだ」
クロラ「・・・!」
青年の幻霊「彼のそばにキミがいてよかった・・・ありがとう、心優しき少年よ・・・さようなら・・・」


青年の幻霊は光と化して立ち去った。すると、以蔵は自分の手拭いをミリアムに貸す。


以蔵「血だらけじゃな。これで身体を吹いちゃる」
ミリアム「いいのよ・・・私、今汚いし。私を倒したあなたの手がさらに汚れるわね・・・」
以蔵「汚いぜよ。だから拭こうとしちょる。今もムカつくが、せっかくおまんは美しさが自慢じゃろ?」


ミリアムはなぜ目の前にいる人物がそこまで優しくできるのかと思った。自分にとっては眩しかった美しい心。自分には到底手に入れなかったもの。ああ、ツキノが愛される理由はこれだったのか。


ミリアム「・・・私は・・・綺麗かな・・・?」


ミリアムの問いに以蔵は首を縦に頷いた。


以蔵「おん。とても、綺麗じゃ」


以蔵を目の前にしてミリアムがわっと泣き出し、一方のレオンガルフの肉体を前にしたカービィ達はエフィリンがようやく彼の魂であるソウルを解き放った。


カービィ「エフィリン・・・」
エフィリン「うん!」


しかし、レオンガルフが起きることはなかった。まだソウルが足りてないのだ。


エフィリン「・・・」
カービィ「レオンガルフ・・・」


すると、それを見たキャロライン達他のビースト軍団がやってきていた。それぞれの手には自分達で回収していたのを持っていた彼のソウルがあった。


エフィリン「みんな・・・!」
キャロライン「ずっと持っていたのよ。レオンガルフには生きてほしいからね」


すると、ランスロットが慌てながら声をかけた!


ランスロット「少しお待ち下さい!」
カービィ「!?」


すると、ランスロットと騎士王の手にレオンガルフのソウルがあった!ガウェインからいざという時の人質として渡されたものだったらしい。


ゴルルムンバ「これはどうしたんだ!?」
騎士王「ガウェインが密かに回収したのを渡されたものです。ガウェインと同様アグラヴェインも同じものを持っていたのですが、彼が暗殺されてもう・・・」


すると、そんな彼らの前に二つのソウルが差し出される。それを持っていたガウェインだ。


ガウェイン「アグラヴェインなら自ら固辞しました。これは卿が持つようにと」
アルマパラパ「!ずっと持ってたのか!?」
ガウェイン「だって流石に言えるわけないでしょう;」


すると、仲間達が持っていたレオンガルフのソウルが彼に移される。すると、それを受けたことでレオンガルフはようやく目を覚ました。


レオンガルフ「・・・?私は、倒されたはずでは・・・」
キャロライン「・・・!」


思わず抱きついたキャロラインに戸惑うレオンガルフの姿を見たクルーク達は王ドラやトリスタンの身を案じていた。


クルーク「二人とも、未だに帰って来ないね・・・」
ドラリーニョ「王ドラーーーーー!!帰って来てーーーーー!!!」
リップ「トリスタンちゃん!!王ちゃんを連れて帰って来てるなら返事して!お願い!!」
チャラ王「リップ・・・」
ドラメッド「ドラリーニョ・・・」


すると、何らかの声が聞こえた。全員には聞こえていたのだ。


トリスタン「リップ」
リップ「・・・!」


すると、トリスタンがふわっと降り立ち帰って来ていた。もちろんすやすやと眠っている王ドラを背負った上で。


ベディヴィエール「トリスタン!」
ドラえもん「王ドラー!!」
トリスタン「任務完了です。彼は幸い疲れてすやすやと眠っています・・・ただいま」
リップ「・・・!おかえり!」


二人の帰還に喜びの声が止まなくなったところに空からある飛行船が飛んだ。秘密警察だ!


ハッチン「秘密警察ー!!?」
ヤス「ガウェイン達を逮捕しに来やがったのか!?」


すると、飛行船から降りた秘密警察のボスがモードレッド達に話しかけた。


ボス「ようやく奴らを捕縛したのか」
モードレッド「ボス!オレはそれは・・・」
ボス「!」


すると、秘密警察のボスがトリスタンに気付いた上で聞く。


ボス「・・・彼はあいつらの中で唯一召喚に応じなかったと聞いたが?」
モードレッド「・・・それは予想外だったんだよ・・・」
ボス「・・・そうか」


すると、秘密警察のボスがトリスタンに話しかける。


ボス「奴らが唯一お前を召喚禁止にしても意味がなかったな」
トリスタン「えっ?」
ボス「お前は普段から寝てるのか起きてるのかわからない。加えてマイペースで何をしでかすか分からず、考えが全く読めないというか空気が読めない。ヘクソンはああいうタイプが苦手としていた。王を助け出すためにいずれ自分達に反旗を翻す我ら敵側のトリガーになるだろうと。つまりお前を召喚するのを禁じれば勝っていた。奴らはそう考えたそうだ」
トリスタン「そんな・・・ならば、私は召喚に応じなかったのではなく、奴らが応じさせなかった・・・そんな・・・!」


すると、ボスが立ち去る直前にモードレッド達に告げる。


ボス「建前は謹慎処分だ。その騎士がしたことはこっちで真相を話す。COMからも後日真相を聞く。だから、せめてもの反省文とそれが終わるまで戻ってくるな!」
アタランテ「!いいのか?」
ボス「あのアーチャーの円卓騎士には礼を言っとけ」
モードレッド「!ああ」


ガウェイン達の処分を不問にした秘密警察は立ち去った後、ロージアはククラがいないことに気付く。


ロージア「ククラ、いつのまにかいなくなっちゃってるわ!」
ホルミー「えっ、どこに!?」
アイオーン「ヴッ?」


すると、アイオーンはある紙を手にした。それはククラが去り際に残したアイオーン宛のメッセージだった。


アイオーン宛のメッセージカード「お前はお前の人生を生きてゆけ。胸を張って奏でろ。諦めるではないぞ」
アイオーン(ククラ・・・)


ガウェインは罰が悪そうにエージェントに言う。


ガウェイン「私は生きますよ。それがホイップに対する償いになるなら・・・」
エージェント「えっ?ガウェイン、一つ気付いてないことがあるぜ?」
ガウェイン「それはどういうーーーーー」


すると、突如出現したモニター越しに桜が伝える。


桜「みんな!過去最大の全任務完了(オールミッションコンプリート)よ!まずは珠黄泉族の身柄を確保できた。青の吸血鬼一族も沈静化。ボーン・キングは不本意ながらも倒された。レオンガルフの肉体も奪還。あとはーーーーー」
ガウェイン「・・・!」


すると、ガウェインが振り向くとそこには・・・






ホイップ「・・・ただいま、ガウェイン!」
ガウェイン「・・・!」






きっと大嫌いな夜は来る。でも・・・怖くない。もう怖くないのだ。

There are our home here(その3) ( No.144 )
日時: 2023/09/06 17:19
名前: 桜 (ID: wJNgr93.)

ーーーーーこうして滅ぼされかけた世界は小さな戦士達によって救われました。
それは武器を使ったのでも、力を使ったのでもありません。
ただなんでもない、だけどありふれた光が消えかけた世界を照らしたのです。彼らの決して諦めない希望と勇気が、闇に堕ちていた太陽の騎士を再び光を取り戻したのです。






しんのすけ「どうしてもまた行っちゃうの?」


埼玉の春我部にある裏山。野原一家と乱麻達三人は再び散り散りに逃げ回った残りの吸骨鬼達を全滅する目的を掲げてグレンの飛行船に乗る上で良は頷く。


良「うん。またあいつららが逃げ回っていたから、再び旅に出ることにするよ。でもありがとう、戦いの機会をまたくれて」
以蔵「おん。グレン、良達のことは頼みとうせ!」
グレン「おう!」
イヴェット「イゾー、元気でね!」


良が乗った後飛び立ち始めたグレンの飛行船を見てしんのすけはひろしに抱っこされながら手を振る!


しんのすけ「良ちゃーーーーーん!また帰ったら一緒に煮干し食べようねーーーーー!」


しんのすけの声がかすかに聞こえたのか良も窓越しに手を振り、乱麻はほっと一息ついた。


乱麻「さぁ、私らも帰るぞ」
弓弦「僕もお腹空いた;」
以蔵「結局それか!」
みさえ「向こうも大変ねー;」
ひろし「まあでも、それがサーヴァントの在り方じゃねーのかな?それでも「人」だもん」
みさえ「た!」
しんのすけ「以蔵兄ちゃん、オラハンバーグ食べたいゾ!」
みさえ「こらっ;」
以蔵「えいよ。せっかくやき、おんしらも食べに行きとうせ」






東京にある駒沢駅。そこにいる理人は意気揚々と待ち合わせていた。


エルフ「ワクワクしてるー」
理人(フラウト)「そうだよ。今日会えるから楽しみなんだ。多分許可を取るのに手間取るだろうけど・・・あ!」


すると、理人は藍色の髪からヴィオロンと同じ薄暗い緑髪に変えたクロラに会う!自分の希望で顔にある痣も残して。


クロラ「フラウト君、お待たせしました。ククラ様が行ってこいと行ったので」
理人(フラウト)「行こう!シグレ達も待ってるよ!」


あのキャメロットでの決着の後、クロラはドクターに顔の痣を治すように持ちかけられたのだ。クロラの呪いが解けて長年の呪縛から解放されたのと引き換えに魔力を微弱程度にまで失ったからだ。しかし、彼はそれを断った。


クロラ『この顔の痣を今までのことを忘れないように残したいんだ。彼らが相対してくれた出来事も絶対失くしたくない』
ドクター『そうか。わかった。まあ大きな過ちを犯さなかっただけ幸いしたな。それと金城と同様に高瀬拓人はキミのこと恨んでいなかったよ』
クロラ『・・・!』
ドクター『今度タクトに会ってやって。きっと罵倒はしないと思うから。まあ皮肉たっぷりに言うがな』


理人(フラウト)「髪色を変えたんだねー」
クロラ「まあ痣が目立たないようにね。まあ僕は元から顔はいいし、どんな髪色も似合うけどこの方が合ってますね」
理人(フラウト)「うん、すごく似合ってるよ」


すると、二人は立ち寄ったカフェで待っていたシグレ達に会った。


シグレ「おう!遅かったなー」
理人(フラウト)「シグレ!」
クロラ「あなた方、それぞれで契約したサーヴァント達はどうしたので?」
ナルカミ「ああ、それが・・・」






アルジュナ(・ー・#)←宝具を構えようとしてる
カルナ(;・ー・)←目の前の異父弟を怒らせてしまったかとちょっと戸惑ってる






金城「カルナが兄貴として接したらアルジュナが嫌がったんだと」
タクト「彼は景吾と同じような類やな「黙れ」
宮島「カフェだからなんとか宝具を放つのを抑えてる。マスターのナルカミさんとその弟のシグレに迷惑をかけたくないのもあるってさ;シグレがカルナさんのマスターでも」
夏目「キミ達も同じ類じゃないかい?真逆だけどね」
雨季「言うんじゃないの;」
まほろ「あっ、二人とも席に座って。今日は景ちゃんが奢るって」
理人(フラウト)「僕、ビーフシチュー!」


すると、シグレが理人に伝える。


シグレ「あ、そうそう、ポルックスちゃんから手紙が届いてるよ。帰ったら見とけ」
理人(フラウト)「はーい!」
クロラ(あれから彼女との文通のやりとりはしてるんだな・・・)






新世界にあるワドルディの町。今日もポップスターからも遊びに行く人が多い中、アルマパラパはランスロットに魔剣リ=ナイトを渡した件で200枚の反省文を書かされることになった。


アルマパラパ「えー;マジで・・・;」
キャロライン「そりゃそうでしょ。操られていたとはいえあなたも関与したのは事実なんだから。さっさと書け(^ω^#)」
アルマパラパ「鬼ーーーーー!!!!(号泣」


すると、レオンガルフは出かける準備をしていたエフィリンを見つける。


レオンガルフ「エフィリン、どこに行くのだ?」
エフィリン「地球にあるアムールに会いに。トリスタンがそこでウェイターで働いてるからって」
レオンガルフ「そうか。ならば、メルトリリスには伝えてこい・・・悪いことしたと」
エフィリン「わかった!行ってきまーす!」


エフィリンが転移空間を使ってアムールに出かけたのを見送ったレオンガルフは少し微笑ましそうにしていた。


レオンガルフ「アムールのケーキがよほど気に入ったのだな。今度行った時についでにケーキを頼むか」
ゴルルムンバ(あれはあの色男に惚れただけだな;しかもそれまでは性別不明だったエフィリンが女の子に変化してるし;)






サウンドワールドのアンダーノースザワにある「スタジオUNZ」。今日もましゅましゅやどこゆびが練習していた。今度MIDICTIYで開催される出演するライブフェスの日が近いからだ。


ルフユ「世界を救った直後にライブフェスかー;プラズマジカさん達も来るから気が抜けないなー」
デルミン「デルミンはこの音楽が続けられるなら感激のひとしおです」
ヒメコ「待合室で待ってるジャックちゃんはマスターと話してるんだっけ?」
ほわん「うん!マスターがいろんなこと話してくれたりおやつくれたりするから退屈しないんだって」


ハッチン「ヤスー!!お前、このギターの箇所がミスってるじゃねーか!そんなんじゃシンガンにギャフンと言わせれねーぞ!!」
ヤス「うっぜぇ。てめぇもこのギターの箇所をミスしてるじゃねーか!!」
双循「クックックッ。今日も後輩達が元気じゃのう、ジョウ先輩?」
ジョウ「・・・双循、一発殴らせやがれ!!」


ジャック「どこゆび、また喧嘩してるねー」
マスター「ジャックちゃんのパパもこう見えて根は悪くないんだけどねー;」
パリス「あっ、そこは乗るんですか;」
アポロン【マスターは話がわかるミューモンだね】


でも、こういう日常が終わることがなくてよかったとマスターは心底思った。騒がしいけれど、このかけがえのない日常をいつまでも続きますようにと。
すると、そんなところに激励する目的でジャガーが訪ねて来た。


ジャガー「ちょっと邪魔するぜ」
ジャック「あっ、ジャガー!」
マスター「ジャガー君、激励しに来たのかい?」
ジャガー「ああ、ちょっとな。まああいつに会うことはないようにと願ってはいるが「ファァァァァーーーーー!!!!」


ドッカーンと壁を盛大に壊すような音。そこにハッチンの角が突き刺さった。すると、直後に現れたのはスタジオの一室から出てきた双循。ジャガーは唖然とした。


双循「クッ。まさか自ら会いに行くとはのう」
ジャガー「」


すると、ジャガーは「なんでこんなことにーーーーー!!!」と叫びと共に逃げ出し、双循がそれを追う。後から出てきたジョウはマスターに聞いていた。


ジョウ「あのパンダを助けるべきか!?あの金髪、またろくでもないこと考えてそうだぞ!!」
ヤス「・・・;」←真相を知っているのをジョウに言い出せない
パリス「ハチ様、大丈夫ですかー!?」
ほわん「ジャックちゃん!?なんか壁が壊されるような音したけど大丈夫!?」
ジャック「うん!」


ジャガーはベリーと初めて会った際の激突の件で双循にトラウマ持ってます。実は可愛いもの好きだった双循にかなり可愛がられたのが余計に。

There are our home here(その4) ( No.145 )
日時: 2023/09/06 17:21
名前: 桜 (ID: wJNgr93.)

サンソン「レモンパイ、ただいまお持ちに参りました」


東京の目黒区にあるエージェント達の住む屋敷では小さなお茶会が開かれていた。プロキオンの正式なマスターとなったランスロットが来るためだ。


エージェント「ああ、ありがとう。フルシュの調子はどうだ?」
アリシア「ガウェインの霊基回復にかなり体力消耗したみたいで今もエメラルドの指輪の中で眠ってるわ。これはクルークに聞いたところ同様の状態よ」
姫子「まあ死ぬような域に出てないから大丈夫ですけれど。ほら、そこの二人も同様ですし♪」


すると、姫子の視線にはシリウスとヴァイスの二人がお茶会の席に座りながらエージェントが淹れてくれた紅茶を飲んでいた。二人はあれから救出されたあとにエージェント達の屋敷に匿ってもらっていたのだった。


シリウス「それは人のこと言えないだろ;死ぬようなことしてこっちも心配だったんだぞ」
プロキオン「それはごめんなさい;シリウスさんとヴァイスさんはこれからどうするんですか?」
ヴァイス「シリウスは賢者のセヴィリオ殿に声をかけられて彼が講師をやっている魔導学校の非常勤講師として働くか検討中。私は西澤家の研究チームに声をかけられている。今度のは大丈夫のようだ」
ブラック「本当か!?」
デオン(あ、それはダークライの研究しているとかで噂になっているやつ;)


そんな和気あいあいとしているのを見たエージェントはサンソンに言う。


エージェント「お前、上手に「一度」は死なせたな」
サンソン「・・・」
エージェント「ホイップちゃんの呪いを解く方法は一度死ねば解けるというもの。簡単なことだが誰もが生きていてほしいと思っているからこそ試すことができなかっただけ。それを内密にアグラヴェインが入手して王ドラを通じてサンソンに渡したわけだ。一見酷いことしてくれたと思ったがな」
サンソン「はい。だけどそれがあるからこそホイップ嬢を救えた。だから今は彼のことは怒ることも許すこともしなくていいと思っています」


すると、お茶会を楽しんでいた段蔵がサンソンに聞く。


段蔵「そういえば、あれからプロキオン殿はランスロット殿に随分と反抗的ですね」
サンソン「未だに素直になれていないんだよ。だから、僕が少しだけ協力したよ」
ベリー「?」


一方のエージェント達の住む屋敷に入ったランスロットはコソコソと気配を消しながらプロキオンのところに向かおうとしていた。


ランスロット(よし。まだ誰も向かってないな)
未亜「アン!」
ランスロット「とぅわっ!!?豆柴!?」


すると、未亜の吠え声でアレクとアストルフォに見つかった!


アレク「ランスロット!遅いよー」
アストルフォ「罰として今ボク達が案内する部屋に連行だー!」
ランスロット「とぅわっ;」


すると、二人に案内された部屋に入ったランスロットはプロキオンがサンソン協力で作ったフルーツオムレットとそれに添えられたメッセージカードを見た!


添えられたプロキオンからのメッセージカード「ランスロットへ。今度はもう一人で抱えたりしないでね」
ランスロット「!」
アストルフォ「プロキオンが作ったんだよー。サンソンに手伝ってもらったけどどうせならキミに・・・」
ランスロット「〜〜〜〜〜っ!!!(嬉し泣きで号泣」
アレク「わっ泣かないでいいんだよっ;」


ヴァイス「よかった。彼らも大丈夫そうだな」
シリウス「ところであのメッセージカードはキミの代筆かい?」
サンソン「プロキオンが言ったのをそのまま書きました」


少し甘やかしすぎだなキミ・・・;






キッド「で、あんたは結局あれから連れ出されたんだな?」


一方のスマブラ屋敷ではドラケロ防衛隊と天草とナポレオンがあれからスマブラ屋敷に保護されたバルフレイナイトと話していた。バルフレイナイトは解放されるまではガウェインの命を守ってきており、それを汲んだカービィ達がエターニャに懇願したことによって助け出されたようだ。


バルフレイナイト「ああ。あの魔導師に力がセーブされているのだが」
ギロロ「エターニャの差し金だな。まあその方がこちらとしても安全だな」
ドラリーニョ「みんな仲間!」
ドラニコフ「ガウ」


バルフレイナイトは戦い以外のことを知らなかったためギャラク以上の世間知らずだが、性格はやや無愛想だが根は純真で人の痛みがわかるのでガウェインの痛みも知った上で珠黄泉族からも守ろうとしており、ガウェインが度々体調に異変をきたしたのも彼の介入のようだ。ちなみにヘクソンにディメンションミラーの鏡の破片で作られた首飾りの中に入らされた時にかなり抵抗したらしい。


ナポレオン「あんたもあれから王ドラの正式なサーヴァントになったんだな?」
天草「ええ、正室(違)とも言えるのですが。ところで」






天草「なぜ巨大ロボのあなたも王ドラ殿のサーヴァントとして契約したのですか?」
為朝「む?」






王ドラを自分の肩に乗せている為朝はあれから連れ出された後王ドラの正式なサーヴァントとして契約したらしい。為朝は性格は常識的かつある意味真っ当だがそれが外見には上手く伝わっていないのだ。巨大ロボなだけに。


王ドラ「まあみんな驚きますね;」
風間「でかいですねそれ;」
しんのすけ「オラも乗る乗るー!」
ネネ「しんちゃん!」
為朝「可能。我の肩に乗るが良い」


すると、アイクが大広間に入ってきた。


アイク「ぬ。お前、うしおの遠き先祖の伯父の武将か?」
ケロロ「ゲロッ!?ということはましゃか・・・;」
為朝「私はうしおこと牛若丸の遠き先祖の叔父にあたる。同一にあの少年がいるがな」
ドロロ「そうか!若さん・・・!」
クルル「お互いに見えてないけどなァ〜」


すると、マルスとルフレが慌てた様子で大広間に入って来た!


マルス「大変!!なぜかスマブラ屋敷の近くにキャメロット城が建てられてる!!」
マサオ「えっ、あれから消滅したんじゃなかったの!?」
ボーちゃん「まさか!」


彼らが慌てて駆けつけると、そこにはキャメロット城があった!今度のはヘンダーランド跡地にあったのとは別で。


マタドーラ「なんでこんな城が・・・」
ルフレ「!!あれを見ろ!城の頂上だ!」


ルフレが指した方向を見るとそこには騎士王と後ろにいるベディの姿があった!


騎士王「ガウェインの件でお礼として近くにキャメロット城を建てました。これで存分にそちらに美味しいごはんを食べに行けます」
ドラえもん「結局それが本音じゃないか!!」
ベディ「すみません;我が王の意志があるとはいえ・・・;」
マルス「主君なら止めてやってよ!!」
騎士王「どうしても聞かないのであれば・・・」


すると、騎士王に縄で縛られて思わず戸惑っているランの姿があった!


ラン「ほわっ、ほわっ!?」
ドラリーニョ「ランちゃん!?」
騎士王「貴方達が聞かないのなら、我がマスターをご馳走(意味深)としていただきます」
ナポレオン「どれだけ食べ物に対して執着があるんだ!!」
王ドラ「為朝さん。私をあの頂上のところに飛びながら連れ出しなさい」
為朝「了解した」


そのあと為朝を介して頂上までたどり着いた王ドラがランを巡って騎士王と交戦に発展し、騒ぎを聞きつけたルイージに怒られたことは言うまでもない。






クルーク「おはよう〜」


一方のプリンプタウンにあるクルークの家ではクルークが早起きしてリビングに出て来ていた。


クー「おはよー。ここ最近起きるのがはえーな」
クルーク「もうすぐアレの日だからね。ボクもその準備に手伝えって言われたんだ」
クー「相変わらず頼りにされてるな。少し嫌味ったらしいが、結局放っておけない・・・それがガウェインを踏みとどまった一つのきっかけになったかもな」
クルーク「・・・ボクは大したことしてないって言ったらどうするの?」
クー「あ?今見てたTVでやってたニュース番組の美人お天気キャスターに気を取られてたがなんて言ったんだ?」
クルーク「・・・やっぱり何か隠してるの?それなら格闘女王様のところに連れ出すけど」
クー「は!?なんでだ!?」
クルーク「いいから来い!」


そういえば、この人も生前に不倫している側でしたね・・・;






シアン「特別な日のライブにゃん?」


一方MIDICITYの一角にある音楽事務所BRRにあるカフェでは入った仕事を持ってきたメイプルが所属する全バンドに伝えていた。


メイプル「ある特別な日でライブをすることになったんですぞ!もちろん彼の要望で!ですぞ☆」
クロウ「ああ、あれか!だが、俺達シンガンクリムゾンズの紅蓮のサウンドでさらに盛り上げてやるぜぇーーーーーーっ!!」
ロージア「ちょっと暑苦しいからやめなさいよ!!」
うしお「私は首を取るパフォーマンスが良さそうです」
ベンちゃん「牛若様!?」
チュチュ「却下っ却下ですわ!!」
レガムント「そんなパフォーマンス、誰も賛成しないな;」


すると、ツキノがドーナツを頬張りながら自分の要望を伝える。


ツキノ「ツキノはお菓子がたくさん降るパフォーマンスがいいの!」
キンタ「それは費用的にそんな余裕はないと却下されるでしょ;」
メイプル「というわけでこれからその日に向けてさらに猛練習ですぞー!」
アンゼリカ「頑張ってねあなた達v」
プラズマジカ&シンガンクリムゾンズ&クリティクリスタ&ガウガストライクス「はい!」


すると、ロムが龍馬とガレスを送っているシュウ☆ゾーにLINEで呼び出されて指定の場所に会いに来た。


ロム「シュウ。龍馬とガレスを同行させた尋問見学はどうだ?」
シュウ☆ゾー「それがナタリー暗殺には関わったけど、アグラヴェイン暗殺には関わっていないそうなんだ。みんなヘクソンが犯人だと疑っているけどね」
ロム「そうか・・・」


俺もあいつらが犯人だと疑っている。アグラヴェインとは元から折り合いが良くなかったと聞いてたし。だが・・・
本当に奴らがアグラヴェインを殺したんだろうか?
それを取りこぼしとしてこの先にまた大きなことがあるかもしれない。






とある場所の城。そこで旅を終えた騎士は帰って来た。
ああ、ようやく帰って来た。懐かしい空気が今この場に感じている。目の前にいる主君が私を出迎えに来た。


主君「久しぶりだね。見ない間に少しはたくましくなった顔つきになって」


確かに私はこの旅でいろんなことを学び、見聞を広めてきた。しかし目の前にいる人物はあの頃とは変わらない美しさだ。私は跪きながら報告する。


騎士「ガウェインの代わりにアグラヴェインを消す形で布石を打ちました。これで貴方の邪魔をする者は現れません」


主君はひとまずため息を吐きながら話した。


主君「だが、あの騎士王らはまだ残っているのだろう?」
騎士「ええ・・・しかし、騎士王らに何かできるとは・・・」
主君「どうかな・・・まあいい。お疲れ様、キミはよく頑張ってくれた」


主君は優しく私を抱きしめながら囁く。


主君「これで我が国から出て行った二人を連れ戻せる・・・その時にはキミはこれから二人にも仕えることになるだろう」


王位継承権を捨ててまで出て行った兄妹のことなどどうでもいい。私は貴方の・・・愛しい恋人でもある主君のために存在しているのだから。





主君「あとは任せてゆっくり休め・・・僕の愛する騎士、フェアリーナイトの騎士団長トリストラム」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。