二次創作小説(紙ほか)

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日常日和。5
日時: 2025/09/30 17:20
名前: 桜 (ID: ZZpzcnXb)

おかげさまで日常日和。も5という節目で新しく迎えることができました。ここに至るまで色々と混乱があり悩みもしましたが、考えた末にこの先に何があってもこれまでの続きを執筆したいという気持ちで新スレッドに至れました。色んな意味で変わる場合もあり混乱はすると思いますが、私は私で頑張りたいと思いますのでご存じの桜サイドやこれまでに出てきた新たなサーヴァント達も含めてどうぞよろしくお願いします!


「目次」


「短編」
The Reverse Night>>1-5
聖夜怪盗☆シークレット>>6-7
デンジャー☆スクランブル>>33-36
僕もまた、運命に導かれて>>37-38
うちの護衛のママ侍さん>>39-42
とある雪月花の羽根。>>43-44
アスパラ☆クライシス!>>77-83
運びを巡る機関車と謎のトレインハンター>>84-86
僕の果実のボク>>96-100
黒の感情・白き純潔>>101-105
ツイセキ☆トラブル!>>148-152
イモーターウォーズ>>153-156
◯◯透視の試用モニター>>157-161
こっちを向いて、愛してると言って!>>162-165
Halloween rabbit!>>166-169
湖の騎士は星の戦士の●●に夢を見るか?>>170-172
ランデブー☆メタモルフォーゼ>>173-176
鯖組メインでファンタパロ>>177-179
雪の記憶、冬の華>>180-183
ある冬の日のアムール>>184-187
クリスマスに追いかけっこ!>>188-191
クリスマスにネガイゴト>>192-196
小さきパンダのガレット・デ・ロワ>>197-200
宇宙の中の不思議の国>>201-205
スキ!スキ!スキー!>>206-210
ビターシュガー・チョコバーボン>>211-215
満開花見日和>>246-249
ツッコみ所が絶えませんっ!(by一ちゃん)>>250-253
ブレーメンの追跡隊>>254-258
王様ゲーム>>259-262
阿国さんの戦い>>263-267
蛇は蛙が好物らしい>>268-270
シチリアでの小話集>>286-289
パンプキンハザード>>318-321
雪の輝き、小さな夢>>345-348
王ドラなう!>>349-351
聖夜、君に贈り物を>>352-356
聖夜、白なる争奪戦>>357-360
突撃!隣の大掃除>>361-364
年明けのアムール>>365-368
バレンタインのから騒ぎ?>>393-396
I‘m not crying anymore>>397-400
バディファイターズタワー踏破の旅>>429-432
Cherry:CamelotZERO>>437-440
異世界を駆け巡る澄色の猫型ロボット達>>471-478
かの者が残してきたもの>>479-482
虹の島々での小話集>>537-540
グルメフェスを調査せよ!>>541-544


「サーヴァントvs○○○シリーズ」
第六天魔王vsカンフー猫型ロボット>>322-325
湖の円卓騎士vs仮面の剣士>>337-340
光の御子vs魔界のプリンス>>341-344
ブリテンの騎士王vsもう一人の闇の魔導師>>401-404
幕末の人斬りvs蒼炎の勇者>>405-408
日輪の姫vs野原家の主婦>>409-412
大統王vs黄色い悪魔>>413-416
五代目風魔頭目vs宇宙忍者>>417-420
太陽の騎士vs赤き吸血鬼>>499-502
島原の乱の指導者vs虚言の魔術師>>503-506
維新の英雄vsウサギの双子弟>>507-510


「桜サイドの快刀家の事情」
三兄編>>389-392
次兄編>>433-436
長兄編>>545-548


「針音ノ時計塔のアリア」
時の輝きよ>>45-47
赤の中のモアイさま>>48-50
青の上のウォーターシティ>>51-54
白の下のバトルロワイヤル>>55-57
黄の外の太陽・・・?>>58-60
その呪文の続きには>>61-66
「誰か」の世界にとってのピース>>67-71
ここに。>>72-76


「決戦前夜」
輝ける希望の星達よ>>114-117
二度の生における旅路>>118-120
「太陽」の焔を>>121-125


「キャメロット城での決着」
現在キャメロット城:正門>>126-127
現在キャメロット城:世界を約50%吸収>>128-129
現在キャメロット城:世界を約80%吸収>>130-133
我らの望む未来>>134-136
太陽のナミダ>>137-141
There are our home here>>142-147


「女性ケロン人小隊襲来」
一の儀、女性ケロン人小隊襲来!>>369-372
二の儀、ささやかな疑念>>373-376
三の儀、偽物と本物>>377-380
四の儀、ゆずれなき信念>>381-384
五の儀、星へ届けるハーモニー>>385-388


「フェアリー・レクイエム〜トリスタンの名を持つ妖精の少女〜」
「トリスタン」は突然に>>549-552
日常ブレイカー?それとも・・・?>>553-556
妖精姫のトマドイ。>>557-560(更新)


「前後編」
かけがえのない「君」>>26-28>>29-32
戦国時代からの謎の挑戦状!>>87-91>>92-95
苺の彼方をもう一度>>106-109>>110-113
シチリアでの鳥の夢>>271-275>>276-281>>282-285
月夜でのエンゲージ>>326-331>>332-336
雪月に小さな花びらを>>421-424>>425-428
時空鉄道の夜>>483-487>>488-498
カービィだらけ>>511-515>>516-519
ワドワド☆サマーアドベンチャー!>>520-525>>526-530>>531-536


「風花月夜伝〜友情よりも、忠義よりも〜」
第一の巻:逆光降臨>>8-10
第二の巻:御一行様之旅珍道中>>11-12
第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に>>13-15
第四の巻:変わりはしないもの>>16-18
第五の巻:生きとし、生ける者。>>19-20
第六の巻:揺るぎない、どうしても。>>21-22
最終の巻:音が導く先>>23-25


「風花月夜伝2〜花は今、光へと舞う〜」
第一幕:異変を告げられし江戸>>216-219
第二幕:渦巻く四方と空>>220-223
第三幕:咆哮の中に在る「声」>>224-227
第四幕:私の輝きの星>>228-231
第五幕:忍び寄る戦いの迫る時>>232-235
第六幕:怨恨開花>>236-240
最終幕:空へ>>241-245


「灯火の星〜第六天魔王の乱〜」
第一の段:わし、参上!>>290-293
第二の段:雷に阻まれるのならば、やることは?>>294-297
第三の段:キミと、光と>>298-301
第四の段:聖地の謎かけを解き明かせ!>>302-305
第五の段:闇夜の城で見つけたのは・・・>>306-309
第六の段:光と闇の諍い>>310-313
最終の段:そして魔王は、悪魔と共に歩き出した。>>314-317


「チェリーワールド×蒸気都市〜夢幻の歯車の光〜」
第1話:ようこそ蒸気都市>>441-444
第2話:風を便りに>>445-448
第3話:決して叶いもしないだろうけど、>>449-452
第4話:魔女の■の讃歌>>453-456
第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」>>457-460
第6話:風よ光へと吹け>>461-465
最終話:さよなら蒸気都市>>466-470

第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その3) ( No.451 )
日時: 2025/05/12 17:13
名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)

一方、かぜのまちの蒸気リデル達のいるお茶会ではようやく男子組も参加を許されてそれを楽しんでいた。


蒸気クルーク「あー、一服一服」
クー「手伝いを抜け出したクルークにはあとで笑わねーといけねーなぁ!」
ププル「それはやめたげてよ;」


そんな会話が繰り広げる最中に魔女のキャスターがお茶会に入って飛んで来ていた!


魔女のキャスター「マスター、ただいま!お茶会を楽しんでるようだね」
蒸気リデル「その呼び方はあまりしないで下さい;それと慌てた様子でしたが、どこに行ってたんですか?」
魔女のキャスター「(ギクッ;)それはちょっとした散策さ;」
ゼオ「怪しいな。ちょっと話を聞かせてーーーーー」


その直後、ゼオは自分の杖を取り出した!


ゼオ「お前ら少し頭を下げろ!飛んでくる!」
エレナ「えっ!?」


ゼオは魔法を使って飛んできた何かを打ち砕いた!飛んできたのは一つの氷だ。


ノッブ「氷!?ということは・・・」
カッツ「あの皇女のキャスターです・・・!」


大半の全員の予想通り、皇女のキャスターが一同の前に現れた。しかし、彼女の顔には覇気がなく、様子がおかしかった。


皇女のキャスター「あ・・・ああ・・・」
メイヴ「やっぱり現れたけど・・・なんか様子が変ね」


その様子を見た蒸気クルークは思わず彼女の横やその後ろを見渡した。


蒸気クルーク「ねぇ。キミのマスターのマホロアはどうしたんだ?」
???「光となって消えた。何者かに斬られたからな」


皇女のキャスターの後ろから現れたのは姿がププルやゼオ達魔導師も知るものに変わっていたが、あの時の夢幻マホロアのトドメに消えたはずの・・・!






蒸気クルーク「ゾォルケン・・・お前、随分と老けた姿に変わったか・・・!」





一方、何かの気配を感じたクルークはその方向を見渡した。


クルーク「今・・・夢幻カービィ、悪いけどボクは帰るね」
夢幻カービィ「どうしたの?」
クルーク「今帰らないとみんなが危ない気がする・・・!」
夢幻カービィ「そうなの?それならボクのワープスター号で送るよ」
クルーク「ありがとう。あと、もう一人のキミも乗せてやってくれるかい?」
夢幻カービィ「うん!」


一方、カービィは蒸気ルルーからまかないのオムライスを食べていた。


カービィ「美味し〜v」
蒸気ルルー「今日も頑張ってくれたお礼よ。あなたがうちの店を手伝うようになってからお客さんがいつもよりも来ちゃってたから。アルルは今日はリデルがやるお茶会に行っちゃったけど。シェゾがその手伝いに参加すると聞いたからかしらね。全くじれったいんだから」
カービィ(あ、こっちのもあんまり変わらないんだ)


その直後にカービィのスマホに電話のブザーが鳴った。彼女はそれに応じる。


カービィ「はーい」
クルーク「カービィ、ごめん!今緊急事態だ、すぐ戻って来て!いや、市街地の郊外で停めてあるからそこに向かいたまえ!」
カービィ「う、うん!わかった!(電話を切る)ルルー、ごめんね!今日は引き上げるから!」
蒸気ルルー「あっ、ちょっと!」


カービィが市街地の外に走ったら、ワープスター号が停まってあった!


クルーク「来たか!乗って!」
カービィ「うん!」
夢幻カービィ「じゃ、しゅっぱーつ!」


ワープスター号は蒸気クルーク達のいるところに飛びながら向かった!
一方、老人(Fate/Accel Zero Orderに登場した時の姿)の姿となって蘇ったゾォルケンの行動や言葉に絶句していた。


蒸気クルーク「あんた、いつのまに生き返ったんだ!?それよりもマホロアが消えたって・・・!!」
ゾォルケン「わしが消える直前に奴に蟲の一匹を忍ばせておいた。おかげで再生しそこのキャスターのマスター権を奪えた。いや、再生にも生き返りも似たようなものか・・・」
エジソン「では彼女の顔に覇気がなくなったというのも・・・!」
ゾォルケン「わしが身体中に蟲を埋め込んだからじゃ。そうだ、面白いものを見せてやろう。きっと貴様らにとっていい見物になるものだ、とんと見れ」
魔女のキャスター「面白いもの?」


すると、現れたのはマホロアの部下である大量の夢幻ネスパー達だった!その顔には皇女のキャスターと同様に覇気をなくしており、なぜか音がチリチリと聞こえていた。


メタナイト「大量の夢幻ネスパー達・・・何をする気だ・・・!」
夢幻ネスパー「・・・」
ゼオ(あのネスパーは・・・俺がリボンをあげた・・・)


それと同じタイミングで皇女のキャスターがヴィイを使ってある氷を吹こうとした・・・


皇女のキャスター「あ・・・あ・・・」






ーーーーー私がこの地に呼ばれた時、マスターであるマホロアはなぜか私の意思を待っていた。


自分の目的のためなら私の意思を待つ・・・それさえも彼には目的の一環として行動していた。


・・・いいえ、違う。彼は最初から私の従順な態度に思うところがあった。「お前は、本当はその性格じゃない」と気付いていたのだ。


そうよ。私はあのロシアで起こった二月革命の時に家族や召使諸共処刑された皇女。本来ヴィイとの契約を果たす前に死んだ者。


真名、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ。






アナスタシア「あ・・・ああ・・・」


英霊へと昇華する際、私に補完したヴィイが今では私と同様あの男の傀儡として氷を吹こうとしている。あのネスパー達の中に埋め込まれた蟲を爆発させる起動を押すための氷を。


アナスタシア「やめて・・・やめて・・・」


やめてやめてやめて。お願いだから。ねぇ。
呼ばれた時からずっとずっと、ぼんやりながらも私の頭の中に浮かぶ「誰なのかわからないあの人」にも傷を残したくないのーーーーー






アナスタシア「やめてぇぇぇぇぇーーーーー!!!」






アナスタシアの叫びもむなしく起動されたネスパー達が爆散した。もちろんゼオがプレゼントしたリボンを着けていた夢幻ネスパーも・・・


ゼオ「・・・」


その無惨な姿を見た一同は唖然となった・・・。


ププル「夢幻ネスパー達が・・・酷すぎる・・・!!」
ディルムッド「貴様・・・!!」
ゾォルケン「どうして怒りを抱く?よかったではないか、敵だったマスターの部下さえも消えてくれて「ダンッ」


その直後、ゾォルケンの横に放たれた魔力球があった。放ったのは自分があの夢幻ネスパーにリボンをプレゼントした、もう一人の闇の魔導師・・・!






ゼオ「悪いな。流石に本気で潰すと思ったぞ」






ゼオは持っている自分の杖を黒く光らせた!


ゼオ「じゃあ、今度は貴様が死ね!俺の手で、殺してやる!」


一方、空からではクルークがゼオの魔力を感じ取った!


クルーク「いる!この場所だ!」
夢幻カービィ「オッケー、そこから飛びながら降りて!キミ達ならできるはずだ!」
カービィ「うん!」


ワープスター号から飛んで着地したクルークとカービィがようやく蒸気クルーク達のところに駆けつけた!


メイヴ「クルーク!」
クルーク「みんな遅くなってごめん!ゼオの魔力を感じたから辿り着いた!今ゼオが戦ってくれてるんだね!」
クー「それが・・・」


クルークとカービィは彼らから話を聞いて絶句した。


カービィ「ウソ・・・!!」
クルーク「じゃあ、それで激怒したゼオが強大な魔法を放ち続けて・・・!?」
エレナ「ええ。私とエジソンは後方支援からしかできないけど、このままだとゼオが魔力を尽きて・・・」


自分の魔力を全開放させたゼオがゾォルケンに攻撃しようとした瞬間、アナスタシアのヴィイの氷に阻まれた!


ゼオ「貴様ぁ・・・!!」


一方、いまだに爆速のスピードを出し続ける「メタナイト」の愛車ではリップ達がもう限界に近づてきていた。


リップ「もうだめだぁ〜;吐いちゃうOTL」
トリスタン「私も座に帰りそうに・・・む?」


すると、トリスタンは向こうで戦っている様子のゼオを見かけた!


トリスタン「ゼオ殿!?」
メタナイト?「?彼はもしやキミ達の仲間か?」
ルート「ああ。悪いが、彼がいるところに目的地を変えてくれ!」
メタナイト?「わかった。振り落とされるなよ」


一方、ゼオが魔力もそろそろ限界に近づいてきていた。


ププル「ゼオ・・・!!」
蒸気クルーク「このタイミングでゾォルケンに攻撃しなきゃまずい。まずは皇女のキャスターを足止めなくちゃ・・・!!」
医者のキャスター「足止めっていっても、僕のスキルだと少しの時間しか作れないのだがな・・・」


その直後、ポロロンと音が鳴ったタイミングでアナスタシアを弦で縛りつけた!それを見た一同にトリスタンの声が聞こえた。


トリスタン「何があったのか知りませんが、ゼオ殿!あの者に攻撃を放ちなさい!」


その言葉を聞いたゼオは自分の攻撃力を最大限にまで増幅させ、そして・・・





ゼオ「ダークネスフレアァァァァァー!!!」





ゼオが放った限界にまで増幅させた攻撃力を放つ闇魔法によりゾォルケンは包み込まれていった・・・


ゾォルケン「蟲一匹まで残さず攻撃するとはバカな・・・フ、ユスティーツァよ、この世界のわしでも我が宿願は果たせぬというのか・・・」


ゾォルケンはそれを悟ったかのように気味の悪い笑みを浮かべた・・・






その直後、「メタナイト」の愛車がようやく止まった。かぜのまちにいた仲間達の前に・・・


トリスタン「お待たせしました。あなた方の黄昏の救いの騎士トリスタンです・・・」
クルーク「長い長い!でも、無事だったんだ!」
リップ「うん、メタナイトさんに助けられて・・・って、ええっ!!?メタナイトさん!?」
メタナイト「なんだ一体;」
蒸気クルーク「あ」


すると、蒸気クルークは「メタナイト」のところに駆け寄った。


蒸気クルーク「メタナイト、キミがこの人達を助けてくれたのか!」
メタナイト?「ああ。なぜか私を見知った誰かだと勘違いしていたようだがな・・・」
メイヴ「え?どういうこと?」


蒸気クルークは「メタナイト」について話す。


蒸気クルーク「この人はこの世界の貴族のメタナイトだ。キミ達はこのメタナイトに助けられてたんだよ」
リップ「じゃあ、恋人のカービィちゃんにメロメロなメタナイトさんは・・・」
ルート「カービィ関連のことになるとはっちゃけたり・・・」
メルト「カービィを狙う奴らには情け容赦なくて特にセイバー組から恐れられるようなオーラとか・・・」
おぼろ(モイモイ)「いつも王ドラやゼオ達にちょっかいかけられる度にギャラクシア持ちながら探し回るような魔王みたいな品格とか・・・」
トリスタン「カービィに何かあったら殺人鬼と化す恐れがなくなったわけではないのですか・・・」
リップ「よかったー!!」


リップ達にボロクソ言われたメタナイトは自分のギャラクシアを構えた!


メタナイト「貴様ら・・・」
クー「げぇーっ!!切れやがった!!」


そんな光景を目にした夢幻メタナイトは蒸気クルークに訊ねた。


夢幻メタナイト「彼らは・・・」
蒸気クルーク「ああ、キミが助けた人達の仲間だ。ボクが助けたんだ。まさかチェリーワールドのキミがいるなんて驚きだけどね」
夢幻メタナイト「そうか。あの私はこの私とは随分と違うようだな。それに彼らが言っていた・・・」
蒸気クルーク「うん。あのメタナイトはあのカービィとは恋人だ」


それを聞いた夢幻メタナイトは思わず目を見開いた。


蒸気クルーク「・・・羨ましいのかい?それはそうだな、だってキミはカービィのことを・・・」
夢幻メタナイト「言うな。決して私が口にしてはいけない想いだ・・・」
蒸気クルーク「・・・」


すると、アナスタシアの方もようやくゾォルケンの蟲による呪縛から解放された。彼女は微かな声で言う。


アナスタシア「・・・ありがとう。あなた達のおかげであの男から解放されたわ」
ゼオ「いや、いい。俺が許せなかったのはあのネスパーを爆散させたあの男だからな・・・」
蒸気クルーク「皇女のキャスター。キミに聞きたいことがあるんだけど」
アナスタシア「真名は教えてあげるわ。アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ」
ルート「20世紀におけるロシアの皇女・・・」
蒸気クルーク「じゃあ、アナスタシア。あの時にマホロアを斬った奴の顔は見なかったかい?」


蒸気クルークの問いにアナスタシアは首を横に振った。


アナスタシア「見てないわ。姿がなかったのよ。私のヴィイも感知できなかったほどにね」
蒸気クルーク「そうか・・・」
アナスタシア「なんだかんだで彼を気にかけてくれるのね。それにあなた達の仲間にはさっきの彼女達みたいにちょっかいかけたかったわ」


アナスタシアが悪戯っぽく笑う表情に蒸気クルークは気付いた。


蒸気クルーク「マホロアはそれをずっと見たかったんだ。いいね、キミらしい表情(かお)だよ」


蒸気クルークに言われたアナスタシアはその笑みを浮かべながら消滅した・・・。


ゼオ「消えちまったか・・・ところで」


ゼオはリップがずっと抱えているものについて訊く。


ゼオ「リップ、このガングロな豚は誰だ?」
リップ「ちー君。あの杖持ってるキャスターに豚にされちゃったんだよ;」
チャラ王「ブヒ・・・;」
クルーク「あははは!可愛いじゃんチャラ王!」
蒸気リデル「つか、ほんとですかそれ!」


魔女のキャスターがチャラ王を豚に変えたことを知った蒸気リデルは彼女の方に向かい直した!


蒸気リデル「すぐに戻して下さい!2回もやらかしたんです!」
魔女のキャスター「えぇ〜・・・;わ、わかった。さっきはあの魔導師の手助けしてくれてたしな・・・」


魔女のキャスターが残っていた解除薬を飲ませたことによりチャラ王はガングロな豚から元の姿に戻った!


チャラ王「はー;もう豚になるのはゴリゴリだぜ・・・;」
メルト「ねぇ、2回って言ったわね?それが事実なら前に豚になったのは誰なのかしら?」
ノッブ「この仮面(メタナイトに指差す」
メタナイト「おい!!」
トリスタン「魔女のキャスターの方、もう一度この仮面を豚にしてもらえないでしょ「もうダメ!」(´∨ω∨`)」


すると、ププルは何かに気付いた。


ププル「そういえば、アルルさんは?」
蒸気シェゾ「アルルならいつのまにか逃げ切れたようだな。まああんな惨状から逃げたのはいいんだがな」
エレナ「そう・・・」


一方、蒸気アルルは霊体化を解いた機関のキャスターに駆け寄った。

第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その4) ( No.452 )
日時: 2025/05/12 17:15
名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)

蒸気アルル「いつのまにか避難させてくれてありがとう。おかげであの子達にはボクがキミのマスターだって知られなくて済んだよ」
機関のキャスター「マスターがそういう命令であったからな。故に誰にも知られずにやり抜けている」


蒸気アルルはある事情から蒸気聖杯戦争にはマスターの中でも一際消極的であり、機関のキャスターもその上で霊体化をしてまで過ごしていたのだ。それはいい、だけれど・・・
すると、とある人物の声があった。蒸気リデルだ。


蒸気リデル「アルルさーん」
蒸気アルル「リデル?(ごめんね、また霊体化してくれないかな?」


蒸気アルルの命により機関のキャスターが再度霊体化した後、蒸気リデルが駆け寄ってきた。


蒸気リデル「ごめんなさい、お茶会が台無しになっちゃって・・・」
蒸気アルル「ううん、いいよ。それよりもクルークやあの子達は?」
蒸気リデル「あの子達なら無事です。クルークさんも」
蒸気アルル「それならよかった!」
蒸気リデル「アルルさんも無事に逃げ切れてよかったです。あんな惨状を見たらびっくりするなと思うので」


蒸気リデルの悪意のない発言に蒸気アルルは一瞬だけギクついた。


蒸気リデル「でも、クルークさんやあの子達はあんな惨状を見ても動じなかったんです。中には一人だけ怒ってくれた人もいたから・・・おそらくここに来る前に何かあったと思いますが、私達にはない度胸はある方々だと思います。あ、アルルさんのことを悪く言ってる場合じゃないですから。ではまた明日」
蒸気アルル「うん。また明日!」


蒸気リデルと別れた後、蒸気アルルは少しだけ罪悪感を覚えていた。


蒸気アルル(ごめん、リデル。ボクは自分が契約したサーヴァントを使って逃げたんだ)


その数分後、蒸気リデルの住むアパートでは魔女のキャスターが出迎えてくれた。


魔女のキャスター「おかえり、マスター!今日は罰当番も兼ねて私が作った麦粥だよ」
蒸気リデル「ごめんなさい、魔女のキャスター。それはあとで食べますね。今から寝ますので」


ある時期からマスターの蒸気リデルの足がおぼつかなくなってきていた。それを見抜いた魔女のキャスターは麦粥の入っである鍋の取手を握りしめた・・・






魔女のキャスター(今は誰も察されてないけど確実にマスターの身体が弱くなってきてる。本人は治療を望まないと言っていたけれど・・・)


ならば、世界を転移してでも私がキミを助けるのがいいだろうか。






夜のひかりのまちの夢幻メタナイトの屋敷では門番に見つからないよう変装していた蒸気クルークと医者のキャスターが訪ねに来ていた。


蒸気クルーク「こんばんはー」
夢幻メタナイト「わざわざ変装してまで訪ねることか?」
医者のキャスター「すまないな、あの執事はどうしても苦手なのでな。あんな口うるさいのに捕まったら堪えられん」


蒸気クルークと医者のキャスターが座ったあと、夢幻メタナイトは開口一番で訊ねる。


夢幻メタナイト「で、そろそろ圧迫した状況だと?」
蒸気クルーク「あの子達からも話を聞いたんだね。うん、とうとうメモフィアがチェリーワールドを吸い込み始めた。もうなんとかしないといけない」
夢幻メタナイト「そうか、キミ達の目的はこの蒸気聖杯戦争の破壊。ならば、その原因とされる聖杯を入手しないといけないのだが「その役目は俺にやらせてもらうぜ」


すると、現れたのは赤いシルクハットとマントを覆った姿で不敵に笑う人物。そう、かぜのまちにあるカフェの店長の姿から変身した夢幻ドロッチェだ。


夢幻メタナイト「ドロッチェ、キミのは聖杯の「入手」ではなく「盗み」だろう?それをやったら間違いなくキミが疑われることになる」
夢幻ドロッチェ「構わねーぞ。俺はひかりのまちで悪い貴族から宝を盗み出してる大盗賊だからな」
蒸気クルーク「キミのは義賊なんだろうけど。じゃあ、お願いするね」
夢幻ドロッチェ「おうよ。タイミングが来たらいつでも言ってくれ」


夢幻ドロッチェが出て行ったあと、蒸気クルークと医者のキャスターが立ち上がった。


蒸気クルーク「それじゃあボク達も帰るね。あの子達の様子を見なきゃいけないし」
夢幻メタナイト「ああ、気をつけて」


二人が帰った後、夢幻メタナイトも出かけようとしていた。


夢幻バル「おや旦那様、こんな夜中にお出かけですか?」
夢幻メタナイト「すぐに戻るから心配するな」
夢幻バル「ようやく例の騒がしい奴らがお帰りになったと思いましたが・・・何卒お気をつけて」


かぜのまちに来た夢幻メタナイトは誰かと待ち合わせしていた。待ち合わせの場所のベンチで待っていたのは夢幻カービィだ。


夢幻カービィ「あ。メタナイト、久しぶり!」
夢幻メタナイト「カービィ。聞いたぞ、またひかりのまちの門番の奴らを撒いたんだってな」
夢幻カービィ「うん。もしかしてイヤだった・・・?」
夢幻メタナイト「問題ない。キミが無事なら何も言わない」
夢幻カービィ「ホント?いつもありがとう」
夢幻メタナイト「ところでサンドイッチを用意したのだが」
夢幻カービィ「わぁ!美味しそー!」


夢幻メタナイトは仮面からでは表情がわからないが、自分が持ってきたサンドイッチを頬張る夢幻カービィを微笑ましそうな様子で見ていた。その瞳はまるで恋心を抱いている相手を見るかのような・・・






夢幻メタナイト(カービィ。私はキミが無事ならば何もいらないのだ。だから、私の想いをキミに告げなくていい・・・)






一方のかぜのまちの蒸気シェゾが住むアパートでは・・・


ププル「ゼオ。今回はキミの大金星だし、リップちゃん達とも合流したから、キミのサーヴァント達のためにももう少し魔力の使い方を考えようね?あ、蒸気クルーク達がもうすぐ帰って来るから」
ゼオ「悪かった・・・;(魔力を大分消費し切ったのか寝込んでる&ププルにスープを飲ませている」






続く・・・






感想OK

第4話:魔女の■の讃歌(その1) ( No.453 )
日時: 2025/05/16 18:43
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

第4話なのですが、今回でとうとう・・・従来のFateシリーズもきっとこんな感じなんだなぁ・・・






ーーーーーあの日、私はキミのマスターとして呼ばれた。こんな自由のない蒸気都市の聖杯戦争で魔女を召喚、しかも男ではなく少女。
私は男を誘惑する魔女。故に本当は自ら殺した上で自分も自害を狙ったのだが・・・


蒸気リデル「よろしくお願いします、●●●●さん!私があなたのマスターです・・・!」


自分を信じると言っているかのような悪意もへったくれもない、バカらしい笑顔を見てそれは失せていた。殺そうとしていたのに。
彼女は時に叱り付けながらも、私を信じて見てくれる。この身は影だから、本体の私には届かない。






ああ、だからイヤなんだ。その時にこの私はキミを●してしまうのだからーーーーー






蒸気シェゾの住むアパートの一室。すっかり回復したゼオは朝食をたくさん食べていた。


クルーク「まだ食べるつもりかい?もう76杯目だよ」
ゼオ「いや、まだ69杯目だぞ」
蒸気クルーク「なんでそういうカウントができるんだ;」
蒸気シェゾ「おーい、ゼオ。おかわりいるかー?」
ゼオ「いる」


その様子を見ていたトリスタンはクスクスと微笑いながら言う。


トリスタン「ここでも貴方達はそんな感じなのですね。まさか同じ顔がいるだなんて驚きましたが」
リップ「つか、ごめんね。アタシ達にまで転がり込んじゃって」
蒸気クルーク「いいよ。このへっぽこ錬金術師の家のことは駆け込み寺だと思ってくれれば」
蒸気シェゾ「誰がへっぽこ錬金術師だ誰が!!」
チャラ王(このクルークはこのシェゾさんと親しいのか;)


朝食を食べ終えた後、蒸気シェゾが後片付けをしている隙をつくような形で見計らった蒸気クルークは椅子をぎっと動かしていた。


蒸気クルーク「じゃあ、これまでのメモを整理しよう。この蒸気聖杯戦争はキミ達が来た時点ですでに陣営が一つ脱落していたけど、キミ達が来てからは二つの陣営が脱落した。まさかあのマホロアが倒されるなんて正直びっくりしたけど」
ルート「は?この世界にもマホロアはいたのか?」
蒸気クルーク「・・・うん。ムカつくし何考えてるかはわからなかったけど、心底から悪い奴ではなかったかな」
メルト「つまりこっちのとはあんまり変わらないってわけね」


話し終えた蒸気クルークはすっと立ち上がる。


蒸気クルーク「予想もしない出来事の連続で精神的に参るとは思うけど、どうか諦めないでほしい。話は以上だ」


蒸気クルークの面持ちにトリスタンはクルークにささやく。


トリスタン「この世界の彼は随分と大人びているのですね。あの方はいい兄的ポジションでは?」
クルーク「同じ顔で兄弟は流石に嫌だよ;」
ゼオ「ははは、確かに誰なのか見分けがつかないな」


すると、トリスタンはゼオの首元にあるガーゼに気付いた!


トリスタン「!?ゼオ殿、その首のガーゼは!?怪我!?」
ゼオ「・・・いや、なんでもない。あの医者のキャスターが治療してくれたし、すぐに治るさ」


真相をはぐらかした様子のゼオにトリスタンは心配そうな表情を浮かんだが、クーが上手くフォローしていた。


クー「まあそれだけで済んだから心配いらねーよ。これが死んだとなると流石にえぐ」


その直後、ある紙飛行機がクーの額に飛ぶように刺してきた!


クー「」←額から大量のケチャップ
クルーク「クー・フーリンが死んだ!」
カッツ「この人でなし!」


蒸気クルークがその紙飛行機をクーから抜くと、よく見たら一通の手紙のような内容があった。


医者のキャスター「手紙か?」
蒸気クルーク「いいや、一見手紙のような形式だけど、内容はどうやら違うようだね・・・」






手紙の内容「これまで私達を助けてくれた医者のキャスターとそのマスター及び彼の仲間達。かぜのまちにある丘の上で待つ。魔女のキャスターより」

第4話:魔女の■の讃歌(その2) ( No.454 )
日時: 2025/05/16 18:46
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

その数十分後のかぜのまちの頂上にある丘では一同が向かったら予想通り魔女のキャスターが待っていた。


魔女のキャスター「へー。あっさり来たんだね」
メイヴ「そうね。クーちゃんの額に傷いっちゃったし」


蒸気クルークはふと辺りを見渡していた。


蒸気クルーク「そういや、マスターのリデルはどうしたんだい?」
魔女のキャスター「心配いらないよ。マスターを巻き込むのにも殺すのにも理由がないからね」
トリスタン「つまり怒られたくないから・・・それならばいいのですが」


トリスタンに一瞬だけじっと見られて少しだけ焦りかけたが、魔女のキャスターはなんとか態度を持ち直しながら杖を一同に向ける。


魔女のキャスター「マスターに怒られる前にとっとと始めようか!」
蒸気クルーク「まあ長時間じゃないならね!医者のキャスター、行こうか!」
医者のキャスター「・・・ああ」


魔女のキャスターは杖を使って魔法陣を描いた後、そこから魔法弾を放った!


クルーク「魔力弾の魔法陣verか」
ププル「ならこれはどう?」


ププルは自分の杖を使って、魔法弾を打ち返すように跳ね返した!


魔女のキャスター「そこの魔導師の卵ちゃん、なかなかやるね。現代でいう野球みたいな感じだけど・・・まあこれも跳ね返せるならやるといいさ!」


すると、魔女のキャスターが魔法陣からビーム砲を出したが、ゼオが防御魔法で防いだ!


魔女のキャスター「げっ、何このリア充!?」
ゼオ「魔女のキャスター、失礼」


すると、ゼオが杖で峰打ちとして魔女のキャスターを叩きつけた!


エレナ「ゼオ、少し手加減しなさい!」
ゼオ「いや、本気で戦ってるのにまずいだろう」
魔女のキャスター「・・・っこの・・・」


業を煮やした魔女のキャスターが今度は出現させた豚にまたがる形で乗った後に突進してきた!


魔女のキャスター「ワルガキがぁ!!」
エジソン「まずい!突進してきたぞ!」
ノッブ「ゼオのせいじゃぞ!」
ゼオ「なんで俺なんだ」


魔女のキャスターの乗る豚をチャラ王が蹴りでぶっ飛ばした!


チャラ王「あそこで逆鱗に触れさせるバカがいるか!」
リップ「ちー君、ナイス蹴り!」


その直後、ふと魔女のキャスターの様子からトリスタンは何かを察した。


トリスタン(おや?彼女はもしや・・・)


すると、トリスタンが魔女のキャスターの前に姿を現した!


トリスタン「魔女のキャスター!貴女にお聞きしたいことがあります」
魔女のキャスター「なんだい?死ぬ前でなら構わないよ」


トリスタンは魔女のキャスターにあることを訊ねた。


トリスタン「貴女は誘惑の魔女だとおっしゃいましたね」
魔女のキャスター「それがなんだい?」
トリスタン「確かにそれは嘘偽りはないと見えます。だけれど・・・」






トリスタン「貴女はゼオ殿らやメタナイト殿らのように本当に好きだった相手には振り向けられなかったのですね」






魔女のキャスター「・・・!!?(顔真っ赤」


トリスタンに図星を突かれた魔女のキャスターは杖をぶんぶんと振り回し始めた!


魔女のキャスター「なんだいなんだい!乙女の秘密を暴いちゃって!ヘンタイ騎士ー!!」
トリスタン「今です!今なら相手は怒りで防御力が低くなっているはず」


トリスタンの予想とは反して大半の全員が彼を白けた目で見ていた。


メイヴ「あーあ、これは最悪な指摘よ。最悪。魔女のキャスター、可哀想に・・・」
カッツ「流石に僕もあの魔女に同情を覚えたんだけどな」
蒸気クルーク「・・・;」
トリスタン「な、なぜなのですか!ほら、リップも」


すると、リップは笑顔でトリスタンに声をかけた。


リップ「トリスタンちゃんは悪くないよ」






リップ「帰った後のスイーツは1ヶ月抜きね(^ω^#)」
トリスタン「Oh・・・」






トリスタンの指摘が原因でブチギレた魔女のキャスターの鬼の形相を前にディルムッドが思わず怯むように訊ねた。


ディルムッド「これ、止めないと被害が拡大する気がしますが・・・;」
フィン「ははは、あの魔女は私のと逆verのようなものか」←女難の相もち
ププル「こらっ;」


フィンの発言を聞いてさらにカチンときた魔女のキャスターは突然落ち着いた様子で訊ねる。


魔女のキャスター「質問なんだけど、私の師匠ヘカテは何を成し遂げたかな?」
メタナイト「・・・?生前の話かもしれないが、お前が大成すると聞いたことか?」
カービィ「愛する人と結婚できると聞いたこと?」
魔女のキャスター「違うね。正解は・・・」


すると、魔女のキャスターが祈りと共に杖を振ったら三つの冥界の扉を出現させ、それを開かせた後にケルベロスを出現させた!






その時、大半の全員は思った。「あ、これはやべぇな」と・・・


魔女のキャスター「ギガントマキアの際にギガンテスの一柱であるクリュティオスを松明によって打ち据えたことだよバカ共!」






魔女のキャスターの宝具によって出現したケルベロスの鎖がトリスタンとディルムッドの二人を縛り上げた!


トリスタン「ああ、私を縛りプレイに・・・」
ディルムッド「俺に来る気はしてたー!!」


その直後、二人が動けなくなったことで無数の光柱がその頭を貫いた!


トリスタン&ディルムッド「ぎゃあああああー!!!」
ププル「二人ともー!!」
ルート「まずいな。相当切れてるぞ」
ノッブ「せめてケルベロスをあの扉の中に押し込めれば・・・」


すると、ノッブが何かを思いついた!


ノッブ「・・・カービィ」
カービィ「なに?」
ノッブ「小槌を貸すからハンマーに変身しろ」
カービィ「え?」


ノッブが自分の小槌をカービィの口に突っ込ませ、それを飲んだカービィがコピー能力ハンマーに変身した!


カービィ「コピー能力、ハンマー!」
クー「ハンマー・・・そうか、あれなら!」
カーン「力技でケルベロスを扉の中に押し込めることはできるかもしれぬ」


ハンマーに変身したカービィはケルベロスの方に飛ぶが、魔女のキャスターが杖を使って阻止しようとした!


魔女のキャスター「ふん!ハンマーだからって何さ・・・」


すると、魔女のキャスターの足元に濡れたような感じがあった!ゼオのルリリであるステラの水鉄砲だ!


ステラ「お姉さん、大丈夫?」
魔女のキャスター「ぎゃあ!!私の足元を濡らすなー!!」
ゼオ「ふん。邪魔はさせるかよ」


カービィはハンマーを振り回した後、それをケルベロスの方に投げつけた!


カービィ「ばくれつハンマー投げ!」


カービィの放ったハンマーによりケルベロスは冥界の扉の中に一気に押された後、扉がそのまま閉ざされた!


魔女のキャスター「ウソだろ・・・!」
蒸気クルーク「さて、そろそろ降参するかい?」
魔女のキャスター「やだね!私はまだ」


すると、魔女のキャスターがふと何かを感じ取った。


魔女のキャスター「マスター・・・?」


魔女のキャスターは自分の鷹の羽を使って飛び出した!


メタナイト「待て!」
チャラ王「追いかけるぜ!」


一同が魔女のキャスターを追うが、飛ぶスピードがあまりにも速すぎたのか見失ってしまった。


ナーサリー「見失ってしまったのだわ・・・」
クルーク「おーい、どこにいるんだー!」


魔女のキャスターの足取りを探そうとしたら、偶然かぜのまちの巡回をしていた蒸気ラフィーナが声をかけてきた。


蒸気ラフィーナ「あら、みなさんでどうなさったの?なんか増えましたわね」
蒸気クルーク「ラフィーナ、魔女のキャスターは知らないかい?」
蒸気ラフィーナ「あのリデルさんのキャスター?そういえば、リデルさんの家に飛んで行ったのを見ましたが」
蒸気クルーク「そうかい。みんな急いで向かうぞ!」


一同が蒸気リデルの家に向かうが、ゼオが突然助言のように言い出した!


ゼオ「待て!あっちの方向だ!」
エレナ「近道あるの!?」


ゼオが発見した近道らしい道を辿るように走り出した!


リップ「そこに蒸気リデルちゃんの家の付近に繋がる道あるの?」
ゼオ「まあ見てろ」


一同がようやく辿り着いたのは・・・






美味しそうな匂いのするイカ焼きの屋台でした(ぇ)






ゼオ「美味しそうな匂いがしてたから来たら当たったな(購入したイカ焼きを頬張る」
大半の全員「イカ焼きの匂いを辿ったんかバカヤロォォォォォー!!!」
カービィ「ボクも食べるー!」


こんな時にまで食べ物を追うのか・・・;






ゼオ君はギャグもシリアスもやってくれる男だ

第4話:魔女の■の讃歌(その3) ( No.455 )
日時: 2025/05/16 18:48
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

一方、魔女のキャスターは蒸気リデルの家に向かっていた。彼女の異変を察したからだ。


魔女のキャスター「マスター!!」


魔女のキャスターがドアをバンと開けたら予想通り、蒸気リデルの体調が急変していた。


蒸気リデル「魔女・・・の、キャスター・・・こんな時に、来なくていい、のに・・・」
魔女のキャスター「!!」


もちろんこれは彼女の遠回りな優しさによる突き放しだとわかっている。彼女は「もう長くない」からだ。


魔女のキャスター(このままだと・・・それならば、私の魔法で・・・!!)


魔女のキャスターは蒸気リデルを抱えながら家から飛び始めた!


蒸気リデル「魔女の、キャスター・・・?」
魔女のキャスター「大丈夫!私がチェリーワールドにある安らぎを得られるところに連れて行くよ!それだけは信じてもいいさ!」


もちろんチェリーワールドの病院は数多くある故どこが最適なのかわからない。それでもチェリーワールドのより設備が劣るかぜのまちの病院や貴族連中しか診ようとしない設備がいいだけのひかりのまち病院よりも遥かに上であった。


魔女のキャスター(クルーク達は実際にチェリーワールドに飛んでる。ならば、私の魔法でも・・・)


魔女のキャスターは転移魔法を発動する・・・






寸前に黒い剣筋が飛んできた。


ザンッ!!


魔女のキャスター「!!!」






それにより魔女のキャスターが翼がもがれたことで転落したが、同じように転落していた蒸気リデルを見た。


魔女のキャスター(ああ、だから嫌だったんだ!今でもずっと!キミが今も私を気にかけ続けたら・・・)






キミを愛してしまうことがわかっているから。






地に転落したものの蒸気リデルの身体には傷がない。魔女のキャスターが彼女を守ったからだ。


魔女のキャスター「お願いだから見つからないでくれ・・・じゃあ、最後のケジメをつけさせてもらうか!」


魔女のキャスターはその黒い剣筋を放った人物が誰なのか探査魔法をかけた。その度に黒い剣筋が飛び続けていた。


ザンッ!!ザンッ!!


魔女のキャスター「・・・っ!!(お願いだ、探知を掴んでくれ。こんな歪んだ聖杯戦争なんか終わらせるために・・・!」


すると、魔女のキャスターの探知がとうとう正体を割り出した!


魔女のキャスター「見えた!!あの黒い剣筋は、お前だったのかサーヴァント!!」


再び黒い剣筋が魔女のキャスターの方に飛んできたタイミングで蒸気クルーク達が彼女を見つけ出した!


蒸気クルーク「見つけたよ!さぁ、勝負の続き、を・・・」


一同は傷だらけになった魔女のキャスターの姿を見て驚愕した。ゼオは訊ねる。


ゼオ「おい。これはどういうことだ?」
蒸気クルーク「ボク達も知らない!今知ったばかりだ!」


どよめく大半の一同に医者のキャスターが呟く。


医者のキャスター「愚かなことだ。お前の大切なマスターはやはり僕を頼るべきだった。自分の感染症を治すようにな」
大半の全員「!!?」


医者のキャスターの言葉に蒸気クルークは彼を問い詰めた!


蒸気クルーク「リデルが感染症!?いつからだ!!」
医者のキャスター「・・・剣士のキャスターが蠢魔系のエネミーを放った時に魔女のキャスターが攻撃されそうになったのをそのマスターが庇ったんだ。それが原因で感染したことを気付いたのだ」
クルーク「じゃあ、なんで治療しなかったんだ!」
医者のキャスター「・・・魔女のキャスターのマスターの要望だ。僕の目を見ながら「私を治さないで下さい」言っている視線を送ってきたのだ。魔女のキャスターには心配かけぬようにな」


医者のキャスターの推察に魔女のキャスターはキッと睨みつけた!


魔女のキャスター「ああ、そうだよ!だから、キミには頼らなかった!私の妹弟子が乗っていた、船の同じメンバーだったキミには!」


その発言を聞いたメタナイトが医者のキャスターを見る。


メタナイト「おい医者。もしや魔女のキャスターの真名を知っているな?」


メタナイトの問いに医者のキャスターはため息を吐いた。


医者のキャスター「まさか生前の同じ船のメンバーの姉弟子がこの蒸気聖杯戦争に呼ばれるなんて思っていなかったがな・・・」






医者のキャスター「キルケー。英雄オデュッセイアに登場するアイアイエー島の神話における名高き魔女だ。本来なら神話という言葉を口にしたくないがな」






クルーク「ホメロスの叙事詩オデュッセイアの登場人物・・・!」


そんな魔女がこの世界で蒸気聖杯戦争にて召喚されたのかと驚きも覚えていた。キルケーは医者のキャスターを睨みつける。


キルケー「よくも真名を暴いてくれたね?」
医者のキャスター「ふん、貴様のマスターはもう治せない。これは僕からの仕返しのつもりだ」
キルケー「魔女をさらに怒らせたら、死に値するものだ!キミが雷にやられて死んだ時と同じようにね!」
医者のキャスター「っ」


キルケーが医者のキャスターを攻撃しようとしたら、トリスタンが割って入る形で彼女を止めに来た!


トリスタン「おっと。お身体に触りますよ?」
キルケー「どいつもこいつも・・・!!」


すると、キルケーが豪華に盛り付けられた食べ物を持ちながらいつのまにか出現させていたピグレット達に乗せながら突進してきた!


カーン「宝具展開か・・・!」
メルト「任せなさい!」


メルトが少し威力を減らした上でキルケーに宝具を放とうとするが・・・






キルケー「放て!快楽のアルターエゴ!」
メルト「・・・!!」






キルケーの言葉を聞いたことでメルトが力を込めた宝具で彼女を蹴り飛ばした・・・!






思わず倒れ込む魔女のキャスターを前にしたメルトに彼女は訊ねる。


キルケー「なんで致命傷の一撃を放たなかったんだい?」
メルト「・・・貴女が、傷だらけだからよ。そんな状態でも蹴り飛ばす趣味はないわ」


メルトの言葉にキルケーはにっと笑うが、蒸気クルークは訊ねた。


蒸気クルーク「教えてくれキルケー。なぜキミはそんな状態に・・・?」


蒸気クルークの問いにキルケーは答える。


キルケー「・・・斬られたからだ。マホロアがやられた理由がこれだろう?」
大半の全員「・・・!!」
キルケー「さらにその正体を割り出してやった」


キルケーが言った剣筋を飛ばした正体を蒸気クルークがさらに聞いた。


蒸気クルーク「誰だい!?」






キルケー「・・・この蒸気聖杯戦争における執行人の一人グローマン。あいつの正体はセイバーのサーヴァントだ。それもこの聖杯戦争の参加資格から外されてるやつだ!」






蒸気聖杯戦争に本来なら参加資格のないセイバーのサーヴァントが呼ばれて、その正体が蒸気ツーストと行動している黒の鎧の騎士グローマン・・・!?キルケーは自分が消える間際ににっと答える。


キルケー「そういえば、このかぜのまちには甘いものなんか全くないんだったな。だけど、叶うのならキュケオーンをマスターに作ってあげたかったな・・・」


そう言い残したキルケーが消滅した後、蒸気クルークは少し物憂げのある顔をした。


蒸気クルーク「リデル・・・」
クルーク「・・・」


一方の蒸気リデルは今にも死にそうな顔で苦しんでいた。


蒸気リデル「あぐ・・・!だけど、キルケーさんはあの時にボロボロになりながら私を守ってくれてた・・・その痛みと比べてみたら、なんとも・・・」


すると、蒸気リデルの前に立った人物がいた。医者のキャスターと同じように察していた蒸気アルルだ。


蒸気アルル「・・・」
蒸気リデル「ああ、来てくれたんですね・・・」
蒸気アルル「キミがなんかおかしいなと思っていたから・・・」


蒸気アルルは蒸気リデルの手を掴んだ。蒸気リデルはその感触を感じながらふっと微笑う。


蒸気アルル「何がおかしいわけ?」
蒸気リデル「いいえ、嬉しいんです。光に消える前にアルルさんに優しくしてもらえたから・・・」


蒸気リデルは一筋の涙を流しながらつぶやいた・・・






蒸気リデル「もし一度だけ叶うなら、甘いお菓子を食べたかったなぁ・・・」






蒸気リデルはその言葉を最後に蒸気アルルから手を離した・・・。


蒸気アルル「リデル!?起きて!まだキミには伝えてないことが・・・!」


すると、霊体化を解いた機関のキャスターがアルルの手に触れた。


機関のキャスター「マスター、ここから離れよ。その者はもう光に消える」
蒸気アルル「・・・!」


蒸気アルルはぐっと堪えながら機関のキャスターに抱えられてその場から立ち去った・・・。


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