二次創作小説(紙ほか)

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日常日和。5
日時: 2025/11/06 17:34
名前: 桜 (ID: CFpxvhHi)

おかげさまで日常日和。も5という節目で新しく迎えることができました。ここに至るまで色々と混乱があり悩みもしましたが、考えた末にこの先に何があってもこれまでの続きを執筆したいという気持ちで新スレッドに至れました。色んな意味で変わる場合もあり混乱はすると思いますが、私は私で頑張りたいと思いますのでご存じの桜サイドやこれまでに出てきた新たなサーヴァント達も含めてどうぞよろしくお願いします!


「目次」


「短編」
The Reverse Night>>1-5
聖夜怪盗☆シークレット>>6-7
デンジャー☆スクランブル>>33-36
僕もまた、運命に導かれて>>37-38
うちの護衛のママ侍さん>>39-42
とある雪月花の羽根。>>43-44
アスパラ☆クライシス!>>77-83
運びを巡る機関車と謎のトレインハンター>>84-86
僕の果実のボク>>96-100
黒の感情・白き純潔>>101-105
ツイセキ☆トラブル!>>148-152
イモーターウォーズ>>153-156
◯◯透視の試用モニター>>157-161
こっちを向いて、愛してると言って!>>162-165
Halloween rabbit!>>166-169
湖の騎士は星の戦士の●●に夢を見るか?>>170-172
ランデブー☆メタモルフォーゼ>>173-176
鯖組メインでファンタパロ>>177-179
雪の記憶、冬の華>>180-183
ある冬の日のアムール>>184-187
クリスマスに追いかけっこ!>>188-191
クリスマスにネガイゴト>>192-196
小さきパンダのガレット・デ・ロワ>>197-200
宇宙の中の不思議の国>>201-205
スキ!スキ!スキー!>>206-210
ビターシュガー・チョコバーボン>>211-215
満開花見日和>>246-249
ツッコみ所が絶えませんっ!(by一ちゃん)>>250-253
ブレーメンの追跡隊>>254-258
王様ゲーム>>259-262
阿国さんの戦い>>263-267
蛇は蛙が好物らしい>>268-270
シチリアでの小話集>>286-289
パンプキンハザード>>318-321
雪の輝き、小さな夢>>345-348
王ドラなう!>>349-351
聖夜、君に贈り物を>>352-356
聖夜、白なる争奪戦>>357-360
突撃!隣の大掃除>>361-364
年明けのアムール>>365-368
バレンタインのから騒ぎ?>>393-396
I‘m not crying anymore>>397-400
バディファイターズタワー踏破の旅>>429-432
Cherry:CamelotZERO>>437-440
異世界を駆け巡る澄色の猫型ロボット達>>471-478
かの者が残してきたもの>>479-482
虹の島々での小話集>>537-540
グルメフェスを調査せよ!>>541-544
Halloween☆Panic!>>579-582
アンジャッシュネタ>>583-584(更新)


「サーヴァントvs○○○シリーズ」
第六天魔王vsカンフー猫型ロボット>>322-325
湖の円卓騎士vs仮面の剣士>>337-340
光の御子vs魔界のプリンス>>341-344
ブリテンの騎士王vsもう一人の闇の魔導師>>401-404
幕末の人斬りvs蒼炎の勇者>>405-408
日輪の姫vs野原家の主婦>>409-412
大統王vs黄色い悪魔>>413-416
五代目風魔頭目vs宇宙忍者>>417-420
太陽の騎士vs赤き吸血鬼>>499-502
島原の乱の指導者vs虚言の魔術師>>503-506
維新の英雄vsウサギの双子弟>>507-510


「桜サイドの快刀家の事情」
三兄編>>389-392
次兄編>>433-436
長兄編>>545-548


「針音ノ時計塔のアリア」
時の輝きよ>>45-47
赤の中のモアイさま>>48-50
青の上のウォーターシティ>>51-54
白の下のバトルロワイヤル>>55-57
黄の外の太陽・・・?>>58-60
その呪文の続きには>>61-66
「誰か」の世界にとってのピース>>67-71
ここに。>>72-76


「決戦前夜」
輝ける希望の星達よ>>114-117
二度の生における旅路>>118-120
「太陽」の焔を>>121-125


「キャメロット城での決着」
現在キャメロット城:正門>>126-127
現在キャメロット城:世界を約50%吸収>>128-129
現在キャメロット城:世界を約80%吸収>>130-133
我らの望む未来>>134-136
太陽のナミダ>>137-141
There are our home here>>142-147


「女性ケロン人小隊襲来」
一の儀、女性ケロン人小隊襲来!>>369-372
二の儀、ささやかな疑念>>373-376
三の儀、偽物と本物>>377-380
四の儀、ゆずれなき信念>>381-384
五の儀、星へ届けるハーモニー>>385-388


「フェアリー・レクイエム〜トリスタンの名を持つ妖精の少女〜」
「トリスタン」は突然に>>549-552
日常ブレイカー?それとも・・・?>>553-556
妖精姫のトマドイ。>>557-560
キミが望むなら、どこまでも連れてゆこう>>561-564


「前後編」
かけがえのない「君」>>26-28>>29-32
戦国時代からの謎の挑戦状!>>87-91>>92-95
苺の彼方をもう一度>>106-109>>110-113
シチリアでの鳥の夢>>271-275>>276-281>>282-285
月夜でのエンゲージ>>326-331>>332-336
雪月に小さな花びらを>>421-424>>425-428
時空鉄道の夜>>483-487>>488-498
カービィだらけ>>511-515>>516-519
ワドワド☆サマーアドベンチャー!>>520-525>>526-530>>531-536
世に放った誠を探しに>>565-568>>569-573>>574-578


「風花月夜伝〜友情よりも、忠義よりも〜」
第一の巻:逆光降臨>>8-10
第二の巻:御一行様之旅珍道中>>11-12
第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に>>13-15
第四の巻:変わりはしないもの>>16-18
第五の巻:生きとし、生ける者。>>19-20
第六の巻:揺るぎない、どうしても。>>21-22
最終の巻:音が導く先>>23-25


「風花月夜伝2〜花は今、光へと舞う〜」
第一幕:異変を告げられし江戸>>216-219
第二幕:渦巻く四方と空>>220-223
第三幕:咆哮の中に在る「声」>>224-227
第四幕:私の輝きの星>>228-231
第五幕:忍び寄る戦いの迫る時>>232-235
第六幕:怨恨開花>>236-240
最終幕:空へ>>241-245


「灯火の星〜第六天魔王の乱〜」
第一の段:わし、参上!>>290-293
第二の段:雷に阻まれるのならば、やることは?>>294-297
第三の段:キミと、光と>>298-301
第四の段:聖地の謎かけを解き明かせ!>>302-305
第五の段:闇夜の城で見つけたのは・・・>>306-309
第六の段:光と闇の諍い>>310-313
最終の段:そして魔王は、悪魔と共に歩き出した。>>314-317


「チェリーワールド×蒸気都市〜夢幻の歯車の光〜」
第1話:ようこそ蒸気都市>>441-444
第2話:風を便りに>>445-448
第3話:決して叶いもしないだろうけど、>>449-452
第4話:魔女の■の讃歌>>453-456
第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」>>457-460
第6話:風よ光へと吹け>>461-465
最終話:さよなら蒸気都市>>466-470

第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その2) ( No.450 )
日時: 2025/05/12 17:10
名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)

その翌日、カービィは正体を隠して蒸気ルルーが営む食堂「ルルー亭」を手伝っていた。


蒸気ルルー「悪いわね、今日も手伝ってもらっちゃって」
カービィ「うん、いいよ。それにボクは結構楽しいしね(あのボクのフリして手伝っちゃってるけどバレてないしいっか」


一方、蒸気クルークの一室の郵便にある手紙が届けられていた。


蒸気クルーク「手紙かな?今日は寝不足なのに・・・どれどれ」


蒸気クルークがその手紙を読んだ後、もうすっかり慣れた様子で団らんと過ごしている一同がいる部屋のドアを開けた。


蒸気クルーク「おーい、猪突猛進のガールズ。呼ばれてるよ」
ププル「なんで?」
蒸気クルーク「なんかリデルが女子でお茶会したいって。アルルも連れて行くとはあったけど、どうせならキミ達も一緒にって」
メイヴ「あらー。女子会ってやつね!」
蒸気クルーク「ということで男子は支度を手伝ってね。もちろんボクやシェゾもやるから」
クー「はぁっ!?男子はその小間使いかよ!?」
蒸気クルーク「しょうがないだろ、キミ達の世界もそういうもんだろ;」
カーン「どこの世界も男と女は複雑なのだな・・・;」
蒸気クルーク「ところであのカービィは?」
メタナイト「今蒸気ルルーの店を手伝っている。結構気に入ってるのでな」
蒸気クルーク「あの人、グラマラスな美人だけど結構気が強い店主として有名なのによく許してもらえたね・・・;まあ、ボク達の世界のカービィは今日もデデデ社長と飛行機レースしてるから地と空じゃわからないけどね。それに今日のはいつもよりも白熱したレースなんだって」
クルーク「(夢幻カービィ、今日もデデデ社長と飛行機レースなんだな。しかも今日は大事な・・・)・・・」


一方、夢幻カービィはいつものように飛行機レースで夢幻デデデに勝っていた。彼女は今回で100連勝を達成したのだ。


夢幻カービィ「デデデ社長、大丈夫?怪我はない?」
夢幻デデデ「ふ、ふん!当たり前だわい!あのぐらいの墜落で怪我するオレ様ではない!」
夢幻カービィ「よかった〜、デデデ社長は墜落に慣れてるもんね。今回で20回目だっけ」
夢幻デデデ「17回目だ!間違えるなー!」
夢幻カービィ「それでパラシュートの使い方が上手いんだね。ボクなんて一度も墜落したことないから使い方がわからないんだ」
夢幻デデデ「オ、オレ様が負けたのは飛行機の整備がなってなかったからだ!ワドルディ、お前のせいだぞー!」
夢幻ワドルディ「えーっ!?デデデ社長が力任せにレバーを押すから・・・」
夢幻カービィ「そうだよ〜。それに言うならボクの方が飛行機の使い方が上手いんだってこと!」
夢幻デデデ「み、認めんぞ、そんなこと!今度こそお前に勝ってみせるからな〜!!」


今日のレースで100連勝を果たした夢幻カービィが帰路に着く中、彼女はふと空を見上げた。


夢幻カービィ「今日のこと彼にも伝えられるよね、きっと」


すると、夢幻カービィの上にクルークが顔を出した。


クルーク「聞いたよー。今日のレースで100連勝果たしたんだって?」
夢幻カービィ「チェリーワールドのクルーク君!」
クルーク「いや、クルーク君でいいよ。それは他のみんなには秘密にしておくようにあのボクに言われたんだろ?」
夢幻カービィ「あっ、そっか。今日はリデルが女子でお茶会してると聞いたけど、キミも手伝いしろって言われたよね。どうしたの?」
クルーク「ひとまず抜け出してきたんだ。多分後で怒られそうだけどね。はい、ボクからのお祝いのサンドイッチ」
夢幻カービィ「わーい!ありがと!」


クルークが持ってきたサンドイッチを二人で頬張る中、夢幻カービィが訊ねてきた。


夢幻カービィ「あのボクも自由なんだねー」
クルーク「キミも人のこと言えないだろ;だけど、根っこはちょっと脆い部分があるけれど・・・ボク達でもなんとかフォローしてるから大丈夫なんだけどね」
夢幻カービィ「やっぱりあのメタナイトがいるから?随分とあのボクに甘いけど、もしかして・・・」
クルーク「うん、ボク達の世界の二人は相思相愛の恋人だよ。キミはもしかして羨ましい?」
夢幻カービィ「そんなことないよー」
クルーク「じゃあ、キミは好きな人いたりしないのかい?」


それを訊ねられた夢幻カービィはその人物の姿が脳裏に浮かんだ。よくかぜのまちに来る貴族で、他の貴族にはない冒険心のある紳士で優しい人・・・。そしてその容貌は・・・。


夢幻カービィ「・・・好きな人、いるよ」
クルーク「えっ、ほんとかい?誰?」
夢幻カービィ「クルーク君v(にまっ」
クルーク「ちょっ、ちょっと!このボクをからかわないでくれたまえ!」
夢幻カービィ「ごめんごめん」


一方、蒸気クルークを含めた男子組はクルークが抜け出したことに気付いたが、そんな余裕すらもなく女子組のお茶会に奔走していた。


カッツ「このクソ忙しい時にどこに行ったんだー!!」
ディルムッド「今探す余裕はありません。今は手伝いに専念しましょう」
医者のキャスター「倒れたら治療してやる」
蒸気クルーク「じゃあキミも手伝え!」


一方の女子組はそんな有り様を見て流石に罰が悪そうな顔をした。


ノッブ「やはり大変なことになってるようじゃな;」
蒸気リデル「あとで蒸気クルークさん達も招きますか・・・;」
蒸気アルル「そうしようか;」


すると、蒸気アルルの方に紅茶が置かれた。それを運んでくれたのは蒸気シェゾだ。


蒸気シェゾ「よう、久しぶり。私がない歌手活動を頑張ってるかー?」
蒸気アルル「キミこそ。まだ懲りずにサーヴァント召喚しようとしてるんだね。何度も失敗してるのに」
蒸気シェゾ「なんだとこらー!」


その様子を見たメイヴは蒸気リデルに耳打ちする。


メイヴ(ねえ。あの二人、ひょっとして・・・)
蒸気リデル(ええ、好き同士ですよ。ただお互いに素直になれないだけなのですが・・・)
エレナ(ああ、照れてるからってやつね)


続いてナーサリーも蒸気リデルに耳打ちした。


ナーサリー(ねえ、あの魔女の人は?今日は一緒じゃないのね)
蒸気リデル(はい、私が誘おうと思った矢先勝手にいなくなっちゃって・・・また何かやらかさないといいのですが)


一方、ひかりのまちにある「メタナイト」の屋敷ではその執事が淹れてくれた紅茶でお茶会を楽しむリップ達の姿があった。


リップ「あの執事さん、口うるさいけど紅茶は美味しいんだね」
メタナイト?「すまないな、彼には私からも言っておく」
チャラ王「いや、いい。俺達はいつものことだしあんたが謝ることはないさ!(あれから様子を見てるが、メタナイトさんの方は・・・」
トリスタン(ええ。まだ記憶は戻っていません)
メルト(それに変装してまで蒸気聖杯戦争に関するものやあの三角ダイヤの情報を他の貴族達に聞き回ったけど、どこも素知らぬ顔をしていたわよ・・・)


リップは密かにトリスタンとメルトに蒸気聖杯戦争や城の前にある三角ダイヤについての情報を他の貴族達に聞き回ったが、どこも素知らぬ顔をするかはぐらかしたりで大した情報を得られていなかった。やはり「メタナイト」が持つ冒険心は贅沢三昧を当たり前とするような他の貴族には持っていないのだろう。


ルート(まあ大丈夫だ。明日はあのメタナイトに頼んで・・・)
おぼろ(モイモイ)「ん?なんなのあれは」


すると、空から飛んできたのは一人浮遊している魔女のキャスターの姿があった!


魔女のキャスター「やあ。久しぶりだねー」
メタナイト?「貴様は魔女のキャスター・・・!」
トリスタン(キャスター・・・つまり、あのレディはサーヴァント!)
魔女のキャスター「あの医者のキャスターとそのマスターが帰って来てるんだ。なんか連れ込んでる様子だったけど・・・」


すると、魔女のキャスターがリップ達を見てショックを受けた!


魔女のキャスター「こっちのは男二人が複数の女を侍らせてるのか!?しかもそのうちの二人はサーヴァントじゃないか!」
リップ「え?」
チャラ王「ち、ちげーし!」
トリスタン(こっちの?今彼女は何を言って・・・)
魔女のキャスター「まずは眠そうなお前からピグレットに変えてやる!くらえー!」
トリスタン「あ、しまっ「トリスタン、危ねぇ!」


チャラ王がトリスタンを庇ったことで事なきを得たが、代わりに彼がガングロな豚の姿になってしまった!


チャラ王「ブヒィー!!?(訳:なんじゃこりゃぁぁぁぁぁーーーーー!!?」
リップ「ちー君!?豚になっちゃってる!」
ルート「あはは、まあ可愛いではないか」
トリスタン「可愛い豚ならここにいます。その名も居眠り豚という・・・」
おぼろ(モイモイ)「なんで自分のこと豚って言えるのよ;」
メタナイト?「おい。今回のことお前のマスターに話すぞ」


「メタナイト」に告げられた魔女のキャスターは思わず慌てながら口を開く!


魔女のキャスター「し、知らないね!それにこいつもだろ!恨むなら間違った蜜月を過ごしていた自分達を恨め!」
メタナイト?「あっ、待て!」
メルト「追いかけるわよ!」


魔女のキャスターを追うために事前に「メタナイト」は自分の愛車を出した!


リップ「自分の愛車を持ってるんだねー」
メタナイト?「全員乗ったようだな。行くぞ」


すると、「メタナイト」が運転する愛車が初っ端から爆走レベルのスピードを出していた!


リップ「わぁぁぁぁぁぁーーーーー!!?ちょっとちょっとスピード出しすぎー!!」
チャラ王「ブヒィィィィィー!!!」
ルート「おい!スピード下がれ!!」
メタナイト?「・・・(運転モードに入ってる」
トリスタン「ダメです聞いてませんOTL」
メルト「私の脚に傷付いたら蹴り飛ばすわよ!」
おぼろ(モイモイ)「今は我慢してあげてよ;」


爆走レベルの猛スピードにリップ達は思わず慌てたり落ちそうになっていた。「メタナイト」はそんな様子には目もくれずに運転に集中していた。
そんな愛車が行先は、魔女のキャスターが逃げた地区にあるかぜのまち。






ちなみに夢幻の歯車の小説でのメタ様のスピード狂は公式(ぇ)

第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その3) ( No.451 )
日時: 2025/05/12 17:13
名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)

一方、かぜのまちの蒸気リデル達のいるお茶会ではようやく男子組も参加を許されてそれを楽しんでいた。


蒸気クルーク「あー、一服一服」
クー「手伝いを抜け出したクルークにはあとで笑わねーといけねーなぁ!」
ププル「それはやめたげてよ;」


そんな会話が繰り広げる最中に魔女のキャスターがお茶会に入って飛んで来ていた!


魔女のキャスター「マスター、ただいま!お茶会を楽しんでるようだね」
蒸気リデル「その呼び方はあまりしないで下さい;それと慌てた様子でしたが、どこに行ってたんですか?」
魔女のキャスター「(ギクッ;)それはちょっとした散策さ;」
ゼオ「怪しいな。ちょっと話を聞かせてーーーーー」


その直後、ゼオは自分の杖を取り出した!


ゼオ「お前ら少し頭を下げろ!飛んでくる!」
エレナ「えっ!?」


ゼオは魔法を使って飛んできた何かを打ち砕いた!飛んできたのは一つの氷だ。


ノッブ「氷!?ということは・・・」
カッツ「あの皇女のキャスターです・・・!」


大半の全員の予想通り、皇女のキャスターが一同の前に現れた。しかし、彼女の顔には覇気がなく、様子がおかしかった。


皇女のキャスター「あ・・・ああ・・・」
メイヴ「やっぱり現れたけど・・・なんか様子が変ね」


その様子を見た蒸気クルークは思わず彼女の横やその後ろを見渡した。


蒸気クルーク「ねぇ。キミのマスターのマホロアはどうしたんだ?」
???「光となって消えた。何者かに斬られたからな」


皇女のキャスターの後ろから現れたのは姿がププルやゼオ達魔導師も知るものに変わっていたが、あの時の夢幻マホロアのトドメに消えたはずの・・・!






蒸気クルーク「ゾォルケン・・・お前、随分と老けた姿に変わったか・・・!」





一方、何かの気配を感じたクルークはその方向を見渡した。


クルーク「今・・・夢幻カービィ、悪いけどボクは帰るね」
夢幻カービィ「どうしたの?」
クルーク「今帰らないとみんなが危ない気がする・・・!」
夢幻カービィ「そうなの?それならボクのワープスター号で送るよ」
クルーク「ありがとう。あと、もう一人のキミも乗せてやってくれるかい?」
夢幻カービィ「うん!」


一方、カービィは蒸気ルルーからまかないのオムライスを食べていた。


カービィ「美味し〜v」
蒸気ルルー「今日も頑張ってくれたお礼よ。あなたがうちの店を手伝うようになってからお客さんがいつもよりも来ちゃってたから。アルルは今日はリデルがやるお茶会に行っちゃったけど。シェゾがその手伝いに参加すると聞いたからかしらね。全くじれったいんだから」
カービィ(あ、こっちのもあんまり変わらないんだ)


その直後にカービィのスマホに電話のブザーが鳴った。彼女はそれに応じる。


カービィ「はーい」
クルーク「カービィ、ごめん!今緊急事態だ、すぐ戻って来て!いや、市街地の郊外で停めてあるからそこに向かいたまえ!」
カービィ「う、うん!わかった!(電話を切る)ルルー、ごめんね!今日は引き上げるから!」
蒸気ルルー「あっ、ちょっと!」


カービィが市街地の外に走ったら、ワープスター号が停まってあった!


クルーク「来たか!乗って!」
カービィ「うん!」
夢幻カービィ「じゃ、しゅっぱーつ!」


ワープスター号は蒸気クルーク達のいるところに飛びながら向かった!
一方、老人(Fate/Accel Zero Orderに登場した時の姿)の姿となって蘇ったゾォルケンの行動や言葉に絶句していた。


蒸気クルーク「あんた、いつのまに生き返ったんだ!?それよりもマホロアが消えたって・・・!!」
ゾォルケン「わしが消える直前に奴に蟲の一匹を忍ばせておいた。おかげで再生しそこのキャスターのマスター権を奪えた。いや、再生にも生き返りも似たようなものか・・・」
エジソン「では彼女の顔に覇気がなくなったというのも・・・!」
ゾォルケン「わしが身体中に蟲を埋め込んだからじゃ。そうだ、面白いものを見せてやろう。きっと貴様らにとっていい見物になるものだ、とんと見れ」
魔女のキャスター「面白いもの?」


すると、現れたのはマホロアの部下である大量の夢幻ネスパー達だった!その顔には皇女のキャスターと同様に覇気をなくしており、なぜか音がチリチリと聞こえていた。


メタナイト「大量の夢幻ネスパー達・・・何をする気だ・・・!」
夢幻ネスパー「・・・」
ゼオ(あのネスパーは・・・俺がリボンをあげた・・・)


それと同じタイミングで皇女のキャスターがヴィイを使ってある氷を吹こうとした・・・


皇女のキャスター「あ・・・あ・・・」






ーーーーー私がこの地に呼ばれた時、マスターであるマホロアはなぜか私の意思を待っていた。


自分の目的のためなら私の意思を待つ・・・それさえも彼には目的の一環として行動していた。


・・・いいえ、違う。彼は最初から私の従順な態度に思うところがあった。「お前は、本当はその性格じゃない」と気付いていたのだ。


そうよ。私はあのロシアで起こった二月革命の時に家族や召使諸共処刑された皇女。本来ヴィイとの契約を果たす前に死んだ者。


真名、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ。






アナスタシア「あ・・・ああ・・・」


英霊へと昇華する際、私に補完したヴィイが今では私と同様あの男の傀儡として氷を吹こうとしている。あのネスパー達の中に埋め込まれた蟲を爆発させる起動を押すための氷を。


アナスタシア「やめて・・・やめて・・・」


やめてやめてやめて。お願いだから。ねぇ。
呼ばれた時からずっとずっと、ぼんやりながらも私の頭の中に浮かぶ「誰なのかわからないあの人」にも傷を残したくないのーーーーー






アナスタシア「やめてぇぇぇぇぇーーーーー!!!」






アナスタシアの叫びもむなしく起動されたネスパー達が爆散した。もちろんゼオがプレゼントしたリボンを着けていた夢幻ネスパーも・・・


ゼオ「・・・」


その無惨な姿を見た一同は唖然となった・・・。


ププル「夢幻ネスパー達が・・・酷すぎる・・・!!」
ディルムッド「貴様・・・!!」
ゾォルケン「どうして怒りを抱く?よかったではないか、敵だったマスターの部下さえも消えてくれて「ダンッ」


その直後、ゾォルケンの横に放たれた魔力球があった。放ったのは自分があの夢幻ネスパーにリボンをプレゼントした、もう一人の闇の魔導師・・・!






ゼオ「悪いな。流石に本気で潰すと思ったぞ」






ゼオは持っている自分の杖を黒く光らせた!


ゼオ「じゃあ、今度は貴様が死ね!俺の手で、殺してやる!」


一方、空からではクルークがゼオの魔力を感じ取った!


クルーク「いる!この場所だ!」
夢幻カービィ「オッケー、そこから飛びながら降りて!キミ達ならできるはずだ!」
カービィ「うん!」


ワープスター号から飛んで着地したクルークとカービィがようやく蒸気クルーク達のところに駆けつけた!


メイヴ「クルーク!」
クルーク「みんな遅くなってごめん!ゼオの魔力を感じたから辿り着いた!今ゼオが戦ってくれてるんだね!」
クー「それが・・・」


クルークとカービィは彼らから話を聞いて絶句した。


カービィ「ウソ・・・!!」
クルーク「じゃあ、それで激怒したゼオが強大な魔法を放ち続けて・・・!?」
エレナ「ええ。私とエジソンは後方支援からしかできないけど、このままだとゼオが魔力を尽きて・・・」


自分の魔力を全開放させたゼオがゾォルケンに攻撃しようとした瞬間、アナスタシアのヴィイの氷に阻まれた!


ゼオ「貴様ぁ・・・!!」


一方、いまだに爆速のスピードを出し続ける「メタナイト」の愛車ではリップ達がもう限界に近づてきていた。


リップ「もうだめだぁ〜;吐いちゃうOTL」
トリスタン「私も座に帰りそうに・・・む?」


すると、トリスタンは向こうで戦っている様子のゼオを見かけた!


トリスタン「ゼオ殿!?」
メタナイト?「?彼はもしやキミ達の仲間か?」
ルート「ああ。悪いが、彼がいるところに目的地を変えてくれ!」
メタナイト?「わかった。振り落とされるなよ」


一方、ゼオが魔力もそろそろ限界に近づいてきていた。


ププル「ゼオ・・・!!」
蒸気クルーク「このタイミングでゾォルケンに攻撃しなきゃまずい。まずは皇女のキャスターを足止めなくちゃ・・・!!」
医者のキャスター「足止めっていっても、僕のスキルだと少しの時間しか作れないのだがな・・・」


その直後、ポロロンと音が鳴ったタイミングでアナスタシアを弦で縛りつけた!それを見た一同にトリスタンの声が聞こえた。


トリスタン「何があったのか知りませんが、ゼオ殿!あの者に攻撃を放ちなさい!」


その言葉を聞いたゼオは自分の攻撃力を最大限にまで増幅させ、そして・・・





ゼオ「ダークネスフレアァァァァァー!!!」





ゼオが放った限界にまで増幅させた攻撃力を放つ闇魔法によりゾォルケンは包み込まれていった・・・


ゾォルケン「蟲一匹まで残さず攻撃するとはバカな・・・フ、ユスティーツァよ、この世界のわしでも我が宿願は果たせぬというのか・・・」


ゾォルケンはそれを悟ったかのように気味の悪い笑みを浮かべた・・・






その直後、「メタナイト」の愛車がようやく止まった。かぜのまちにいた仲間達の前に・・・


トリスタン「お待たせしました。あなた方の黄昏の救いの騎士トリスタンです・・・」
クルーク「長い長い!でも、無事だったんだ!」
リップ「うん、メタナイトさんに助けられて・・・って、ええっ!!?メタナイトさん!?」
メタナイト「なんだ一体;」
蒸気クルーク「あ」


すると、蒸気クルークは「メタナイト」のところに駆け寄った。


蒸気クルーク「メタナイト、キミがこの人達を助けてくれたのか!」
メタナイト?「ああ。なぜか私を見知った誰かだと勘違いしていたようだがな・・・」
メイヴ「え?どういうこと?」


蒸気クルークは「メタナイト」について話す。


蒸気クルーク「この人はこの世界の貴族のメタナイトだ。キミ達はこのメタナイトに助けられてたんだよ」
リップ「じゃあ、恋人のカービィちゃんにメロメロなメタナイトさんは・・・」
ルート「カービィ関連のことになるとはっちゃけたり・・・」
メルト「カービィを狙う奴らには情け容赦なくて特にセイバー組から恐れられるようなオーラとか・・・」
おぼろ(モイモイ)「いつも王ドラやゼオ達にちょっかいかけられる度にギャラクシア持ちながら探し回るような魔王みたいな品格とか・・・」
トリスタン「カービィに何かあったら殺人鬼と化す恐れがなくなったわけではないのですか・・・」
リップ「よかったー!!」


リップ達にボロクソ言われたメタナイトは自分のギャラクシアを構えた!


メタナイト「貴様ら・・・」
クー「げぇーっ!!切れやがった!!」


そんな光景を目にした夢幻メタナイトは蒸気クルークに訊ねた。


夢幻メタナイト「彼らは・・・」
蒸気クルーク「ああ、キミが助けた人達の仲間だ。ボクが助けたんだ。まさかチェリーワールドのキミがいるなんて驚きだけどね」
夢幻メタナイト「そうか。あの私はこの私とは随分と違うようだな。それに彼らが言っていた・・・」
蒸気クルーク「うん。あのメタナイトはあのカービィとは恋人だ」


それを聞いた夢幻メタナイトは思わず目を見開いた。


蒸気クルーク「・・・羨ましいのかい?それはそうだな、だってキミはカービィのことを・・・」
夢幻メタナイト「言うな。決して私が口にしてはいけない想いだ・・・」
蒸気クルーク「・・・」


すると、アナスタシアの方もようやくゾォルケンの蟲による呪縛から解放された。彼女は微かな声で言う。


アナスタシア「・・・ありがとう。あなた達のおかげであの男から解放されたわ」
ゼオ「いや、いい。俺が許せなかったのはあのネスパーを爆散させたあの男だからな・・・」
蒸気クルーク「皇女のキャスター。キミに聞きたいことがあるんだけど」
アナスタシア「真名は教えてあげるわ。アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ」
ルート「20世紀におけるロシアの皇女・・・」
蒸気クルーク「じゃあ、アナスタシア。あの時にマホロアを斬った奴の顔は見なかったかい?」


蒸気クルークの問いにアナスタシアは首を横に振った。


アナスタシア「見てないわ。姿がなかったのよ。私のヴィイも感知できなかったほどにね」
蒸気クルーク「そうか・・・」
アナスタシア「なんだかんだで彼を気にかけてくれるのね。それにあなた達の仲間にはさっきの彼女達みたいにちょっかいかけたかったわ」


アナスタシアが悪戯っぽく笑う表情に蒸気クルークは気付いた。


蒸気クルーク「マホロアはそれをずっと見たかったんだ。いいね、キミらしい表情(かお)だよ」


蒸気クルークに言われたアナスタシアはその笑みを浮かべながら消滅した・・・。


ゼオ「消えちまったか・・・ところで」


ゼオはリップがずっと抱えているものについて訊く。


ゼオ「リップ、このガングロな豚は誰だ?」
リップ「ちー君。あの杖持ってるキャスターに豚にされちゃったんだよ;」
チャラ王「ブヒ・・・;」
クルーク「あははは!可愛いじゃんチャラ王!」
蒸気リデル「つか、ほんとですかそれ!」


魔女のキャスターがチャラ王を豚に変えたことを知った蒸気リデルは彼女の方に向かい直した!


蒸気リデル「すぐに戻して下さい!2回もやらかしたんです!」
魔女のキャスター「えぇ〜・・・;わ、わかった。さっきはあの魔導師の手助けしてくれてたしな・・・」


魔女のキャスターが残っていた解除薬を飲ませたことによりチャラ王はガングロな豚から元の姿に戻った!


チャラ王「はー;もう豚になるのはゴリゴリだぜ・・・;」
メルト「ねぇ、2回って言ったわね?それが事実なら前に豚になったのは誰なのかしら?」
ノッブ「この仮面(メタナイトに指差す」
メタナイト「おい!!」
トリスタン「魔女のキャスターの方、もう一度この仮面を豚にしてもらえないでしょ「もうダメ!」(´∨ω∨`)」


すると、ププルは何かに気付いた。


ププル「そういえば、アルルさんは?」
蒸気シェゾ「アルルならいつのまにか逃げ切れたようだな。まああんな惨状から逃げたのはいいんだがな」
エレナ「そう・・・」


一方、蒸気アルルは霊体化を解いた機関のキャスターに駆け寄った。

第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その4) ( No.452 )
日時: 2025/05/12 17:15
名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)

蒸気アルル「いつのまにか避難させてくれてありがとう。おかげであの子達にはボクがキミのマスターだって知られなくて済んだよ」
機関のキャスター「マスターがそういう命令であったからな。故に誰にも知られずにやり抜けている」


蒸気アルルはある事情から蒸気聖杯戦争にはマスターの中でも一際消極的であり、機関のキャスターもその上で霊体化をしてまで過ごしていたのだ。それはいい、だけれど・・・
すると、とある人物の声があった。蒸気リデルだ。


蒸気リデル「アルルさーん」
蒸気アルル「リデル?(ごめんね、また霊体化してくれないかな?」


蒸気アルルの命により機関のキャスターが再度霊体化した後、蒸気リデルが駆け寄ってきた。


蒸気リデル「ごめんなさい、お茶会が台無しになっちゃって・・・」
蒸気アルル「ううん、いいよ。それよりもクルークやあの子達は?」
蒸気リデル「あの子達なら無事です。クルークさんも」
蒸気アルル「それならよかった!」
蒸気リデル「アルルさんも無事に逃げ切れてよかったです。あんな惨状を見たらびっくりするなと思うので」


蒸気リデルの悪意のない発言に蒸気アルルは一瞬だけギクついた。


蒸気リデル「でも、クルークさんやあの子達はあんな惨状を見ても動じなかったんです。中には一人だけ怒ってくれた人もいたから・・・おそらくここに来る前に何かあったと思いますが、私達にはない度胸はある方々だと思います。あ、アルルさんのことを悪く言ってる場合じゃないですから。ではまた明日」
蒸気アルル「うん。また明日!」


蒸気リデルと別れた後、蒸気アルルは少しだけ罪悪感を覚えていた。


蒸気アルル(ごめん、リデル。ボクは自分が契約したサーヴァントを使って逃げたんだ)


その数分後、蒸気リデルの住むアパートでは魔女のキャスターが出迎えてくれた。


魔女のキャスター「おかえり、マスター!今日は罰当番も兼ねて私が作った麦粥だよ」
蒸気リデル「ごめんなさい、魔女のキャスター。それはあとで食べますね。今から寝ますので」


ある時期からマスターの蒸気リデルの足がおぼつかなくなってきていた。それを見抜いた魔女のキャスターは麦粥の入っである鍋の取手を握りしめた・・・






魔女のキャスター(今は誰も察されてないけど確実にマスターの身体が弱くなってきてる。本人は治療を望まないと言っていたけれど・・・)


ならば、世界を転移してでも私がキミを助けるのがいいだろうか。






夜のひかりのまちの夢幻メタナイトの屋敷では門番に見つからないよう変装していた蒸気クルークと医者のキャスターが訪ねに来ていた。


蒸気クルーク「こんばんはー」
夢幻メタナイト「わざわざ変装してまで訪ねることか?」
医者のキャスター「すまないな、あの執事はどうしても苦手なのでな。あんな口うるさいのに捕まったら堪えられん」


蒸気クルークと医者のキャスターが座ったあと、夢幻メタナイトは開口一番で訊ねる。


夢幻メタナイト「で、そろそろ圧迫した状況だと?」
蒸気クルーク「あの子達からも話を聞いたんだね。うん、とうとうメモフィアがチェリーワールドを吸い込み始めた。もうなんとかしないといけない」
夢幻メタナイト「そうか、キミ達の目的はこの蒸気聖杯戦争の破壊。ならば、その原因とされる聖杯を入手しないといけないのだが「その役目は俺にやらせてもらうぜ」


すると、現れたのは赤いシルクハットとマントを覆った姿で不敵に笑う人物。そう、かぜのまちにあるカフェの店長の姿から変身した夢幻ドロッチェだ。


夢幻メタナイト「ドロッチェ、キミのは聖杯の「入手」ではなく「盗み」だろう?それをやったら間違いなくキミが疑われることになる」
夢幻ドロッチェ「構わねーぞ。俺はひかりのまちで悪い貴族から宝を盗み出してる大盗賊だからな」
蒸気クルーク「キミのは義賊なんだろうけど。じゃあ、お願いするね」
夢幻ドロッチェ「おうよ。タイミングが来たらいつでも言ってくれ」


夢幻ドロッチェが出て行ったあと、蒸気クルークと医者のキャスターが立ち上がった。


蒸気クルーク「それじゃあボク達も帰るね。あの子達の様子を見なきゃいけないし」
夢幻メタナイト「ああ、気をつけて」


二人が帰った後、夢幻メタナイトも出かけようとしていた。


夢幻バル「おや旦那様、こんな夜中にお出かけですか?」
夢幻メタナイト「すぐに戻るから心配するな」
夢幻バル「ようやく例の騒がしい奴らがお帰りになったと思いましたが・・・何卒お気をつけて」


かぜのまちに来た夢幻メタナイトは誰かと待ち合わせしていた。待ち合わせの場所のベンチで待っていたのは夢幻カービィだ。


夢幻カービィ「あ。メタナイト、久しぶり!」
夢幻メタナイト「カービィ。聞いたぞ、またひかりのまちの門番の奴らを撒いたんだってな」
夢幻カービィ「うん。もしかしてイヤだった・・・?」
夢幻メタナイト「問題ない。キミが無事なら何も言わない」
夢幻カービィ「ホント?いつもありがとう」
夢幻メタナイト「ところでサンドイッチを用意したのだが」
夢幻カービィ「わぁ!美味しそー!」


夢幻メタナイトは仮面からでは表情がわからないが、自分が持ってきたサンドイッチを頬張る夢幻カービィを微笑ましそうな様子で見ていた。その瞳はまるで恋心を抱いている相手を見るかのような・・・






夢幻メタナイト(カービィ。私はキミが無事ならば何もいらないのだ。だから、私の想いをキミに告げなくていい・・・)






一方のかぜのまちの蒸気シェゾが住むアパートでは・・・


ププル「ゼオ。今回はキミの大金星だし、リップちゃん達とも合流したから、キミのサーヴァント達のためにももう少し魔力の使い方を考えようね?あ、蒸気クルーク達がもうすぐ帰って来るから」
ゼオ「悪かった・・・;(魔力を大分消費し切ったのか寝込んでる&ププルにスープを飲ませている」






続く・・・






感想OK

第4話:魔女の■の讃歌(その1) ( No.453 )
日時: 2025/05/16 18:43
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

第4話なのですが、今回でとうとう・・・従来のFateシリーズもきっとこんな感じなんだなぁ・・・






ーーーーーあの日、私はキミのマスターとして呼ばれた。こんな自由のない蒸気都市の聖杯戦争で魔女を召喚、しかも男ではなく少女。
私は男を誘惑する魔女。故に本当は自ら殺した上で自分も自害を狙ったのだが・・・


蒸気リデル「よろしくお願いします、●●●●さん!私があなたのマスターです・・・!」


自分を信じると言っているかのような悪意もへったくれもない、バカらしい笑顔を見てそれは失せていた。殺そうとしていたのに。
彼女は時に叱り付けながらも、私を信じて見てくれる。この身は影だから、本体の私には届かない。






ああ、だからイヤなんだ。その時にこの私はキミを●してしまうのだからーーーーー






蒸気シェゾの住むアパートの一室。すっかり回復したゼオは朝食をたくさん食べていた。


クルーク「まだ食べるつもりかい?もう76杯目だよ」
ゼオ「いや、まだ69杯目だぞ」
蒸気クルーク「なんでそういうカウントができるんだ;」
蒸気シェゾ「おーい、ゼオ。おかわりいるかー?」
ゼオ「いる」


その様子を見ていたトリスタンはクスクスと微笑いながら言う。


トリスタン「ここでも貴方達はそんな感じなのですね。まさか同じ顔がいるだなんて驚きましたが」
リップ「つか、ごめんね。アタシ達にまで転がり込んじゃって」
蒸気クルーク「いいよ。このへっぽこ錬金術師の家のことは駆け込み寺だと思ってくれれば」
蒸気シェゾ「誰がへっぽこ錬金術師だ誰が!!」
チャラ王(このクルークはこのシェゾさんと親しいのか;)


朝食を食べ終えた後、蒸気シェゾが後片付けをしている隙をつくような形で見計らった蒸気クルークは椅子をぎっと動かしていた。


蒸気クルーク「じゃあ、これまでのメモを整理しよう。この蒸気聖杯戦争はキミ達が来た時点ですでに陣営が一つ脱落していたけど、キミ達が来てからは二つの陣営が脱落した。まさかあのマホロアが倒されるなんて正直びっくりしたけど」
ルート「は?この世界にもマホロアはいたのか?」
蒸気クルーク「・・・うん。ムカつくし何考えてるかはわからなかったけど、心底から悪い奴ではなかったかな」
メルト「つまりこっちのとはあんまり変わらないってわけね」


話し終えた蒸気クルークはすっと立ち上がる。


蒸気クルーク「予想もしない出来事の連続で精神的に参るとは思うけど、どうか諦めないでほしい。話は以上だ」


蒸気クルークの面持ちにトリスタンはクルークにささやく。


トリスタン「この世界の彼は随分と大人びているのですね。あの方はいい兄的ポジションでは?」
クルーク「同じ顔で兄弟は流石に嫌だよ;」
ゼオ「ははは、確かに誰なのか見分けがつかないな」


すると、トリスタンはゼオの首元にあるガーゼに気付いた!


トリスタン「!?ゼオ殿、その首のガーゼは!?怪我!?」
ゼオ「・・・いや、なんでもない。あの医者のキャスターが治療してくれたし、すぐに治るさ」


真相をはぐらかした様子のゼオにトリスタンは心配そうな表情を浮かんだが、クーが上手くフォローしていた。


クー「まあそれだけで済んだから心配いらねーよ。これが死んだとなると流石にえぐ」


その直後、ある紙飛行機がクーの額に飛ぶように刺してきた!


クー「」←額から大量のケチャップ
クルーク「クー・フーリンが死んだ!」
カッツ「この人でなし!」


蒸気クルークがその紙飛行機をクーから抜くと、よく見たら一通の手紙のような内容があった。


医者のキャスター「手紙か?」
蒸気クルーク「いいや、一見手紙のような形式だけど、内容はどうやら違うようだね・・・」






手紙の内容「これまで私達を助けてくれた医者のキャスターとそのマスター及び彼の仲間達。かぜのまちにある丘の上で待つ。魔女のキャスターより」

第4話:魔女の■の讃歌(その2) ( No.454 )
日時: 2025/05/16 18:46
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

その数十分後のかぜのまちの頂上にある丘では一同が向かったら予想通り魔女のキャスターが待っていた。


魔女のキャスター「へー。あっさり来たんだね」
メイヴ「そうね。クーちゃんの額に傷いっちゃったし」


蒸気クルークはふと辺りを見渡していた。


蒸気クルーク「そういや、マスターのリデルはどうしたんだい?」
魔女のキャスター「心配いらないよ。マスターを巻き込むのにも殺すのにも理由がないからね」
トリスタン「つまり怒られたくないから・・・それならばいいのですが」


トリスタンに一瞬だけじっと見られて少しだけ焦りかけたが、魔女のキャスターはなんとか態度を持ち直しながら杖を一同に向ける。


魔女のキャスター「マスターに怒られる前にとっとと始めようか!」
蒸気クルーク「まあ長時間じゃないならね!医者のキャスター、行こうか!」
医者のキャスター「・・・ああ」


魔女のキャスターは杖を使って魔法陣を描いた後、そこから魔法弾を放った!


クルーク「魔力弾の魔法陣verか」
ププル「ならこれはどう?」


ププルは自分の杖を使って、魔法弾を打ち返すように跳ね返した!


魔女のキャスター「そこの魔導師の卵ちゃん、なかなかやるね。現代でいう野球みたいな感じだけど・・・まあこれも跳ね返せるならやるといいさ!」


すると、魔女のキャスターが魔法陣からビーム砲を出したが、ゼオが防御魔法で防いだ!


魔女のキャスター「げっ、何このリア充!?」
ゼオ「魔女のキャスター、失礼」


すると、ゼオが杖で峰打ちとして魔女のキャスターを叩きつけた!


エレナ「ゼオ、少し手加減しなさい!」
ゼオ「いや、本気で戦ってるのにまずいだろう」
魔女のキャスター「・・・っこの・・・」


業を煮やした魔女のキャスターが今度は出現させた豚にまたがる形で乗った後に突進してきた!


魔女のキャスター「ワルガキがぁ!!」
エジソン「まずい!突進してきたぞ!」
ノッブ「ゼオのせいじゃぞ!」
ゼオ「なんで俺なんだ」


魔女のキャスターの乗る豚をチャラ王が蹴りでぶっ飛ばした!


チャラ王「あそこで逆鱗に触れさせるバカがいるか!」
リップ「ちー君、ナイス蹴り!」


その直後、ふと魔女のキャスターの様子からトリスタンは何かを察した。


トリスタン(おや?彼女はもしや・・・)


すると、トリスタンが魔女のキャスターの前に姿を現した!


トリスタン「魔女のキャスター!貴女にお聞きしたいことがあります」
魔女のキャスター「なんだい?死ぬ前でなら構わないよ」


トリスタンは魔女のキャスターにあることを訊ねた。


トリスタン「貴女は誘惑の魔女だとおっしゃいましたね」
魔女のキャスター「それがなんだい?」
トリスタン「確かにそれは嘘偽りはないと見えます。だけれど・・・」






トリスタン「貴女はゼオ殿らやメタナイト殿らのように本当に好きだった相手には振り向けられなかったのですね」






魔女のキャスター「・・・!!?(顔真っ赤」


トリスタンに図星を突かれた魔女のキャスターは杖をぶんぶんと振り回し始めた!


魔女のキャスター「なんだいなんだい!乙女の秘密を暴いちゃって!ヘンタイ騎士ー!!」
トリスタン「今です!今なら相手は怒りで防御力が低くなっているはず」


トリスタンの予想とは反して大半の全員が彼を白けた目で見ていた。


メイヴ「あーあ、これは最悪な指摘よ。最悪。魔女のキャスター、可哀想に・・・」
カッツ「流石に僕もあの魔女に同情を覚えたんだけどな」
蒸気クルーク「・・・;」
トリスタン「な、なぜなのですか!ほら、リップも」


すると、リップは笑顔でトリスタンに声をかけた。


リップ「トリスタンちゃんは悪くないよ」






リップ「帰った後のスイーツは1ヶ月抜きね(^ω^#)」
トリスタン「Oh・・・」






トリスタンの指摘が原因でブチギレた魔女のキャスターの鬼の形相を前にディルムッドが思わず怯むように訊ねた。


ディルムッド「これ、止めないと被害が拡大する気がしますが・・・;」
フィン「ははは、あの魔女は私のと逆verのようなものか」←女難の相もち
ププル「こらっ;」


フィンの発言を聞いてさらにカチンときた魔女のキャスターは突然落ち着いた様子で訊ねる。


魔女のキャスター「質問なんだけど、私の師匠ヘカテは何を成し遂げたかな?」
メタナイト「・・・?生前の話かもしれないが、お前が大成すると聞いたことか?」
カービィ「愛する人と結婚できると聞いたこと?」
魔女のキャスター「違うね。正解は・・・」


すると、魔女のキャスターが祈りと共に杖を振ったら三つの冥界の扉を出現させ、それを開かせた後にケルベロスを出現させた!






その時、大半の全員は思った。「あ、これはやべぇな」と・・・


魔女のキャスター「ギガントマキアの際にギガンテスの一柱であるクリュティオスを松明によって打ち据えたことだよバカ共!」






魔女のキャスターの宝具によって出現したケルベロスの鎖がトリスタンとディルムッドの二人を縛り上げた!


トリスタン「ああ、私を縛りプレイに・・・」
ディルムッド「俺に来る気はしてたー!!」


その直後、二人が動けなくなったことで無数の光柱がその頭を貫いた!


トリスタン&ディルムッド「ぎゃあああああー!!!」
ププル「二人ともー!!」
ルート「まずいな。相当切れてるぞ」
ノッブ「せめてケルベロスをあの扉の中に押し込めれば・・・」


すると、ノッブが何かを思いついた!


ノッブ「・・・カービィ」
カービィ「なに?」
ノッブ「小槌を貸すからハンマーに変身しろ」
カービィ「え?」


ノッブが自分の小槌をカービィの口に突っ込ませ、それを飲んだカービィがコピー能力ハンマーに変身した!


カービィ「コピー能力、ハンマー!」
クー「ハンマー・・・そうか、あれなら!」
カーン「力技でケルベロスを扉の中に押し込めることはできるかもしれぬ」


ハンマーに変身したカービィはケルベロスの方に飛ぶが、魔女のキャスターが杖を使って阻止しようとした!


魔女のキャスター「ふん!ハンマーだからって何さ・・・」


すると、魔女のキャスターの足元に濡れたような感じがあった!ゼオのルリリであるステラの水鉄砲だ!


ステラ「お姉さん、大丈夫?」
魔女のキャスター「ぎゃあ!!私の足元を濡らすなー!!」
ゼオ「ふん。邪魔はさせるかよ」


カービィはハンマーを振り回した後、それをケルベロスの方に投げつけた!


カービィ「ばくれつハンマー投げ!」


カービィの放ったハンマーによりケルベロスは冥界の扉の中に一気に押された後、扉がそのまま閉ざされた!


魔女のキャスター「ウソだろ・・・!」
蒸気クルーク「さて、そろそろ降参するかい?」
魔女のキャスター「やだね!私はまだ」


すると、魔女のキャスターがふと何かを感じ取った。


魔女のキャスター「マスター・・・?」


魔女のキャスターは自分の鷹の羽を使って飛び出した!


メタナイト「待て!」
チャラ王「追いかけるぜ!」


一同が魔女のキャスターを追うが、飛ぶスピードがあまりにも速すぎたのか見失ってしまった。


ナーサリー「見失ってしまったのだわ・・・」
クルーク「おーい、どこにいるんだー!」


魔女のキャスターの足取りを探そうとしたら、偶然かぜのまちの巡回をしていた蒸気ラフィーナが声をかけてきた。


蒸気ラフィーナ「あら、みなさんでどうなさったの?なんか増えましたわね」
蒸気クルーク「ラフィーナ、魔女のキャスターは知らないかい?」
蒸気ラフィーナ「あのリデルさんのキャスター?そういえば、リデルさんの家に飛んで行ったのを見ましたが」
蒸気クルーク「そうかい。みんな急いで向かうぞ!」


一同が蒸気リデルの家に向かうが、ゼオが突然助言のように言い出した!


ゼオ「待て!あっちの方向だ!」
エレナ「近道あるの!?」


ゼオが発見した近道らしい道を辿るように走り出した!


リップ「そこに蒸気リデルちゃんの家の付近に繋がる道あるの?」
ゼオ「まあ見てろ」


一同がようやく辿り着いたのは・・・






美味しそうな匂いのするイカ焼きの屋台でした(ぇ)






ゼオ「美味しそうな匂いがしてたから来たら当たったな(購入したイカ焼きを頬張る」
大半の全員「イカ焼きの匂いを辿ったんかバカヤロォォォォォー!!!」
カービィ「ボクも食べるー!」


こんな時にまで食べ物を追うのか・・・;






ゼオ君はギャグもシリアスもやってくれる男だ


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