二次創作小説(紙ほか)
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- 日常日和。5
- 日時: 2025/11/27 17:44
- 名前: 桜 (ID: CBSnqzpH)
おかげさまで日常日和。も5という節目で新しく迎えることができました。ここに至るまで色々と混乱があり悩みもしましたが、考えた末にこの先に何があってもこれまでの続きを執筆したいという気持ちで新スレッドに至れました。色んな意味で変わる場合もあり混乱はすると思いますが、私は私で頑張りたいと思いますのでご存じの桜サイドやこれまでに出てきた新たなサーヴァント達も含めてどうぞよろしくお願いします!
「目次」
「短編」
The Reverse Night>>1-5
聖夜怪盗☆シークレット>>6-7
デンジャー☆スクランブル>>33-36
僕もまた、運命に導かれて>>37-38
うちの護衛のママ侍さん>>39-42
とある雪月花の羽根。>>43-44
アスパラ☆クライシス!>>77-83
運びを巡る機関車と謎のトレインハンター>>84-86
僕の果実のボク>>96-100
黒の感情・白き純潔>>101-105
ツイセキ☆トラブル!>>148-152
イモーターウォーズ>>153-156
◯◯透視の試用モニター>>157-161
こっちを向いて、愛してると言って!>>162-165
Halloween rabbit!>>166-169
湖の騎士は星の戦士の●●に夢を見るか?>>170-172
ランデブー☆メタモルフォーゼ>>173-176
鯖組メインでファンタパロ>>177-179
雪の記憶、冬の華>>180-183
ある冬の日のアムール>>184-187
クリスマスに追いかけっこ!>>188-191
クリスマスにネガイゴト>>192-196
小さきパンダのガレット・デ・ロワ>>197-200
宇宙の中の不思議の国>>201-205
スキ!スキ!スキー!>>206-210
ビターシュガー・チョコバーボン>>211-215
満開花見日和>>246-249
ツッコみ所が絶えませんっ!(by一ちゃん)>>250-253
ブレーメンの追跡隊>>254-258
王様ゲーム>>259-262
阿国さんの戦い>>263-267
蛇は蛙が好物らしい>>268-270
シチリアでの小話集>>286-289
パンプキンハザード>>318-321
雪の輝き、小さな夢>>345-348
王ドラなう!>>349-351
聖夜、君に贈り物を>>352-356
聖夜、白なる争奪戦>>357-360
突撃!隣の大掃除>>361-364
年明けのアムール>>365-368
バレンタインのから騒ぎ?>>393-396
I‘m not crying anymore>>397-400
バディファイターズタワー踏破の旅>>429-432
Cherry:CamelotZERO>>437-440
異世界を駆け巡る澄色の猫型ロボット達>>471-478
かの者が残してきたもの>>479-482
虹の島々での小話集>>537-540
グルメフェスを調査せよ!>>541-544
Halloween☆Panic!>>579-582
アンジャッシュネタ>>583-584
「サーヴァントvs○○○シリーズ」
第六天魔王vsカンフー猫型ロボット>>322-325
湖の円卓騎士vs仮面の剣士>>337-340
光の御子vs魔界のプリンス>>341-344
ブリテンの騎士王vsもう一人の闇の魔導師>>401-404
幕末の人斬りvs蒼炎の勇者>>405-408
日輪の姫vs野原家の主婦>>409-412
大統王vs黄色い悪魔>>413-416
五代目風魔頭目vs宇宙忍者>>417-420
太陽の騎士vs赤き吸血鬼>>499-502
島原の乱の指導者vs虚言の魔術師>>503-506
維新の英雄vsウサギの双子弟>>507-510
「桜サイドの快刀家の事情」
三兄編>>389-392
次兄編>>433-436
長兄編>>545-548
「針音ノ時計塔のアリア」
時の輝きよ>>45-47
赤の中のモアイさま>>48-50
青の上のウォーターシティ>>51-54
白の下のバトルロワイヤル>>55-57
黄の外の太陽・・・?>>58-60
その呪文の続きには>>61-66
「誰か」の世界にとってのピース>>67-71
ここに。>>72-76
「決戦前夜」
輝ける希望の星達よ>>114-117
二度の生における旅路>>118-120
「太陽」の焔を>>121-125
「キャメロット城での決着」
現在キャメロット城:正門>>126-127
現在キャメロット城:世界を約50%吸収>>128-129
現在キャメロット城:世界を約80%吸収>>130-133
我らの望む未来>>134-136
太陽のナミダ>>137-141
There are our home here>>142-147
「女性ケロン人小隊襲来」
一の儀、女性ケロン人小隊襲来!>>369-372
二の儀、ささやかな疑念>>373-376
三の儀、偽物と本物>>377-380
四の儀、ゆずれなき信念>>381-384
五の儀、星へ届けるハーモニー>>385-388
「フェアリー・レクイエム〜トリスタンの名を持つ妖精の少女〜」
「トリスタン」は突然に>>549-552
日常ブレイカー?それとも・・・?>>553-556
妖精姫のトマドイ。>>557-560
キミが望むなら、どこまでも連れてゆこう>>561-564
「フェアリー・レクイエム〜謎の妖精の騎士一味〜」
新たな戦いの幕開けの予兆>>585-588
逢瀬とサーヴァント召喚の再認識>>589-592
冬の裏山での怪奇現象の調査>>593-596(更新)
「前後編」
かけがえのない「君」>>26-28>>29-32
戦国時代からの謎の挑戦状!>>87-91>>92-95
苺の彼方をもう一度>>106-109>>110-113
シチリアでの鳥の夢>>271-275>>276-281>>282-285
月夜でのエンゲージ>>326-331>>332-336
雪月に小さな花びらを>>421-424>>425-428
時空鉄道の夜>>483-487>>488-498
カービィだらけ>>511-515>>516-519
ワドワド☆サマーアドベンチャー!>>520-525>>526-530>>531-536
世に放った誠を探しに>>565-568>>569-573>>574-578
「風花月夜伝〜友情よりも、忠義よりも〜」
第一の巻:逆光降臨>>8-10
第二の巻:御一行様之旅珍道中>>11-12
第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に>>13-15
第四の巻:変わりはしないもの>>16-18
第五の巻:生きとし、生ける者。>>19-20
第六の巻:揺るぎない、どうしても。>>21-22
最終の巻:音が導く先>>23-25
「風花月夜伝2〜花は今、光へと舞う〜」
第一幕:異変を告げられし江戸>>216-219
第二幕:渦巻く四方と空>>220-223
第三幕:咆哮の中に在る「声」>>224-227
第四幕:私の輝きの星>>228-231
第五幕:忍び寄る戦いの迫る時>>232-235
第六幕:怨恨開花>>236-240
最終幕:空へ>>241-245
「灯火の星〜第六天魔王の乱〜」
第一の段:わし、参上!>>290-293
第二の段:雷に阻まれるのならば、やることは?>>294-297
第三の段:キミと、光と>>298-301
第四の段:聖地の謎かけを解き明かせ!>>302-305
第五の段:闇夜の城で見つけたのは・・・>>306-309
第六の段:光と闇の諍い>>310-313
最終の段:そして魔王は、悪魔と共に歩き出した。>>314-317
「チェリーワールド×蒸気都市〜夢幻の歯車の光〜」
第1話:ようこそ蒸気都市>>441-444
第2話:風を便りに>>445-448
第3話:決して叶いもしないだろうけど、>>449-452
第4話:魔女の■の讃歌>>453-456
第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」>>457-460
第6話:風よ光へと吹け>>461-465
最終話:さよなら蒸気都市>>466-470
- 第2話:風を便りに(その3) ( No.447 )
- 日時: 2025/04/30 17:15
- 名前: 桜 (ID: kMhI8rct)
その数分後、ようやく合流した一同はそれぞれで見つけたモーリュを手にしていた。
蒸気クルーク「全部見つけたみたいでよかった、じゃあボクの世界のリデル達のところに行って渡そう」
ゼオ「えー。俺、結構メタナイトの豚化気に入ってたのに」
ププル「こら;」
カービィ「ボク、正直に言えば惜しいくらいだけど、このままじゃメタが嫌がるだろうし・・・」
すると、何かの叫び声が聞こえた!蒸気リデル達だ。
クルーク「この声は・・・」
医者のキャスター「何かあったようだな」
エレナ「行ってみるわよ!」
一方、蒸気リデルのところの陣営では突然襲撃しにきた蠢魔系のエネミー達と戦っていた。この蠢魔系のエネミーを放ったのは・・・
ゾォルケン「流石に偉大なる魔女も私のサーヴァントから生み出したモノには苦戦しているようだな」
剣士のキャスター「・・・」
剣士のキャスターは自分の腹から蠢魔系のエネミーを大量に放出させており、魔女のキャスターはその光景には思わず苦言を呈した!
魔女のキャスター「お前、自分のサーヴァントにこんなイかれたもの出させていたのか!全くこの蒸気聖杯戦争の参加者であるにも程がある!」
ゾォルケン「何だと・・・!!」
思わずピリついたゾォルケンが自分の魔術を魔女のキャスターに放った!しかし・・・
蒸気リデル「危ない!!」
蒸気リデルが身を挺してまで魔女のキャスターを庇ったことでことなきを得た・・・
魔女のキャスター「マスター!!」
蒸気リデル「えへへ、大丈夫。平気です・・・」
しかし、その直後にゾォルケンは蒸気リデルに対して魔術が発動した手を向けた!
ゾォルケン「死ぬ前に自分のサーヴァントを助けてよかったな。せいぜい二人であの世で彷徨えよ・・・」
すると、その手が何かが飛ばされたことで弾いた!
ゾォルケン「っ!!この絵の具は・・・」
ゾォルケンが上を見たら、絵の具を飛ばした蒸気クルークも含めた一同がおり、上から降りてきた!
蒸気クルーク「悪いけど、ボク達が先にこの子達に用事があるんでね。一旦退場してくれない?」
ゾォルケン「クルーク・・・!!」
一同はそれぞれで大量の蠢魔系エネミーと戦う!その最中でエジソンはゼオに訊ねる。
エジソン「ところであの少年を、チェリーワールドでも聞いたことはあるか?」
ゼオ「ああ、そうだな。魔術師の類だがな」
チェリーワールドの魔術師の世界にも「間桐臓硯」という人物が存在していた。その魔術師は長く生きていたともどこかの街の名士として居を構えていたという噂があったが、現在ではすでに死亡していると聞いている。何でも彼が行った「何かの悪どいこと」がユーリに露見して呆気なく殺されたらしいのだとか。
ゼオ「だが、あれは子供の姿だな。本物は爺さんだと聞いている」
エジソン「マホロア君とその男のどちらが悪どいのだ?」
ゼオ「うーん。マホロアだな。そいつのしたことの所業と比べてみたら、マホロアのしたことなんか可愛いもんだ。俺達が止めに行けるから」
エジソン「そうだといいがね;」
一方の他の人達は剣士のキャスターから未だに蠢魔系エネミーを生み出し続けている様を見て流石には疲れてきていた。
クルーク(あいつからこんなのを生み出すだなんて・・・!!)
魔女のキャスター「キミ達、無理しなくていい!あとは私達に任せるんだ!」
蒸気クルーク「ダメだキミ達は襲われた身!」
一方、それを見たゼオはとりあえず剣士のキャスターの真名を探っていた。
ゼオ(剣士のキャスターの真名はやっぱりあれかな。いや、当たってはいるが割と引っかかるものが・・・)
すると、何らかの疑問を浮かべていたゼオは剣士のキャスターに訊ねた。
ゼオ「お前、真名は15世紀のオルレアンを奪回したといわれる軍人ジル・ド・レェか?」
剣士のキャスター「良くぞお気付きで・・・はい」
ゼオ「じゃあ、さらに聞くがあんたと共に戦ったと言われるジャンヌ・ダルクは知っているのか?」
剣士のキャスター「誰だそれは?」
ゼオ「!」
それを聞いたゼオはとある名を口にした・・・
ゼオ「お前は青髭か」
自分の真名を見抜かれた剣士のキャスターもとい青髭は不気味な笑いを浮かべた・・・
青髭「ふ、ふふふ、ふふふふふ。ははははは!」
すると、青髭は姿を変質させた上で・・・
この蒸気都市ダイヤモンド・タウンの約5割を侵食しそうなサイズの巨大蠢魔に変貌を遂げさせた・・・!
医者のキャスター「奴め、そこまでの力を有していたのか・・・」
蒸気クルーク「とにかくゼオのおかげで真名は割り出せたから、この蒸気都市がこれ以上侵食される前に叩き落とすぞ!」
一同が巨大蠢魔に総攻撃に入る中、それを見ていたゾォルケンは笑っていた。
ゾォルケン「ハハッ!青髭の奴、とうとう隠し玉を出してくれたな!私が仕込んだ隠し玉をな!」
ああ、この蒸気都市ダイヤモンド・タウンのかぜのまちの建物が少しずつ壊されていく。かぜのまちの一部の奴らが逃げ出していく。それはそれで虚しさを抱えるはずなのに、だけれどーーーーー
ゾォルケン「ーーーーーそれすらも、感じられなくなったなぁ」
ゾォルケンの中に僅かに残っていた高潔さが、完全に失われたような顔をこの少年が浮かべていた・・・。
一方、何とか巨大蠢魔に攻撃を与えたつもりが全くダメージが通らなかった。
ノッブ「ダメじゃな・・・かなり硬いのう!」
カービィ「でも、このままじゃこのかぜのまちが・・・!」
メタナイト「ブヒ・・・」
その直後、騒ぎを聞きつけた蒸気ラフィーナが飛んできた!
蒸気ラフィーナ「クルーク、なんなんですのこれは!?もしやこの蒸気聖杯戦争に進展したの!?」
蒸気クルーク「ラフィーナ!多分そうだね。あれはゾォルケンの剣士のキャスターが変質したものだよ」
蒸気ラフィーナ「またゾォルケンの仕業なのね・・・!あ、なんかあなた達のところに連れて行ってほしいって言ってた人いるから連れて行ったわよ」
すると、蒸気ラフィーナの後ろからカッツがひょこっと出てきた!
ノッブ「信勝!」
カッツ「姉上ー!ついでにあなた達も!さっき僕が目を覚ましたらなんか向こうで騒ぎが起きたそうだからまさかと思って駆けつけました。その前にあのヘンタイ魔導師と同じ顔をした奴にキラキラした目で質問責めされて大変だったけど;」
ププル(蒸気シェゾさんだな;)
カッツ「あの後にこの格闘お嬢と同じ顔をした守り人に話して連れて行ってもらおうとした瞬間、なんかこいつらも連れて行ってほしいって・・・」
その直後に現れたのは夢幻マホロアと皇女のキャスターだった!
夢幻マホロア「オヤオヤ。ナンかヤバいコトにナッてルみたイダネェ?」
蒸気クルーク「マホロア・・・」
夢幻マホロア「ヨシ、貸しをヒトツあげテヤルヨ。皇女のキャスター。イマからボクがあのおっきなモノに抵抗する魔法陣をツクり出すカラ、ソレまで時間を稼いでヤッテネ」
皇女のキャスター「わかったわ、マスター」
そう告げた皇女のキャスターは自らのローブを脱いで、なぜか妙なぬいぐるみみたいなものを持つどこか気品と優雅さのあるオーラを放つ美しい少女の姿を現した!
蒸気リデル(キレイな人・・・)
皇女のキャスター「少しは大人しくなさい。ヴィイ!」
皇女のキャスターは自らのぬいぐるみ「ヴィイ」を撫でた後にそれが持つ魔眼を起動させて巨大蠢魔の動きを止めさせた!
ゾォルケン「ああ!クソッせめてあの薬売りを「させないわ」
皇女のキャスターはゾォルケンを即死レベルになるほどの威力を持つ氷の中に閉じ込めさせて凍らせた!
ディルムッド「あの者をあんな一瞬で・・・」
それと同じタイミングで夢幻マホロアがその魔法陣を完成させた!
夢幻マホロア「完成ダヨ。ジャア、攻撃しろヨ」
その時に魔眼の効果が切れた巨大蠢魔が攻撃を繰り出すが、その直後に跳ね返される形でダメージを受けた!
夢幻マホロア「コノままミンチ肉にナレェェェェェー!!!」
夢幻マホロアの持ち前の知略と機転の良さを活かした攻撃にゼオは思わず感心を抱く。
ゼオ「この世界のマホロアもなかなかやる奴だな」
それにより巨大蠢魔は大ダメージを受けた末微かな叫びを残して消滅した・・・。
蒸気クルーク「・・・やったかい?」
医者のキャスター「ああ、その通りのようだ。これで二人目の脱落者が出たな」
そんな一同に夢幻マホロアが声をかけてきた。
夢幻マホロア「コレでキミタチに貸しを与えタ。なるべくハヤく返そうネェ〜」
エレナ「でも、助けてくれたことは感謝するわ。ありがとう」
夢幻マホロア「感謝サれタイわけじゃナイんダケド;ホラ、キミからもごアイサツは?」
皇女のキャスター「私はいいわ」
夢幻マホロア「そうカァ。ジャ、おタガイに生き残レルようにネェ!」
夢幻マホロア達の陣営が行った後、魔女のキャスターは呟く。
魔女のキャスター「キミ達にも色々と助けてもらっちゃったね・・・」
ゼオ「今ここにあんたの要望であるモーリュがあるぜ。約束通り、この仮面の豚化を解いてくれるか?」
魔女のキャスター「ああもうわかったよ!今解除薬を作るから待っていてくれたまえ!」
その数分後、メタナイトは魔女のキャスターがモーリュを材料に用いて作った解除薬を飲んだことで元の姿に戻った!
メタナイト「全く酷い目に遭った・・・;」
蒸気クルーク「じゃあ、こっちも引き上げるか。ドロッチェのカフェで昼食をたくさん食べていいよ」
ゼオ「いいのか!」
一同がこの世界のドロッチェのカフェで昼食に行くべくここから引き上げようとした瞬間、医者のキャスターだけが蒸気リデルの方に振り向いた。
医者のキャスター「おいお前」
蒸気リデル「?」
医者のキャスター「・・・」
医者のキャスターは蒸気リデルに何かを感じ取りながら蒸気クルーク達の方に視線を向き直して立ち去った・・・。
- 第2話:風を便りに(その4) ( No.448 )
- 日時: 2025/04/30 17:18
- 名前: 桜 (ID: kMhI8rct)
夢幻マホロア「フンフフ〜ン♪」
一方、夢幻マホロアは自分と皇女のキャスターがこの蒸気都市ダイヤモンド・タウンにいる間泊まっているかぜのまちにあるホテルである資料が中に含まれていた書類を見返していた。
ネスパー「マホロア先生、コーヒーをお持ちしました」
夢幻マホロア「アリガトウ。ア、キミはあの魔導師に助けらレタ、ネスパーダネェ。キミのローブにソレはリボンカイ?」
ネスパー「はい。彼が私だとわかるようにあげてくれました。嫌でしたか?」
夢幻マホロア「イヤ、イイヨ。その方が見分けやすいナァ」
ネスパー「はい。私だとわかってくれるからいいと思います。他のネスパーにも違うのを着けた方がいいかと」
夢幻マホロア「考えとくヨ。今日はヤスんでネェ」
ゼオに助けてもらったネスパーがお辞儀をした後に部屋から出た後、皇女のキャスターは霊体化を解除しながら彼に訊ねた。
皇女のキャスター「本心は気に食わなかったりするのかしら?」
夢幻マホロア「マサカ!ただ異邦の魔導師にイッポンくらっちゃッタカラ、少し悔しいダケダヨォ。キミは?」
皇女のキャスター「そんなことはないわ。あなたが嫌だったりするのかと聞いただけよ」
夢幻マホロア「・・・」
夢幻マホロアは自分が蒸気聖杯戦争に参加することになった際に皇女のキャスターを召喚した時のことを思い返していた。
夢幻マホロア『ヤァ、コンニチハ!ボクがキミのマスターダヨォ〜』
夢幻マホロアは自分の黒い本心を隠しながら、皇女のキャスターに気さくに接そうとしたが・・・
皇女のキャスター『あなたが望むなら、私はどんな命令でも応じるわ』
夢幻マホロア『・・・』
皇女のキャスターが最初から自分に付き従おうとした彼女を見た夢幻マホロアはそれらはすぐに打ち消していた。彼女は自分の言葉や命令にはちゃんと了承してくれる。しかし、それを夢幻マホロアはどこか引っ掛かりを覚えていた。何しろ彼女の死因は・・・
夢幻マホロアはマスターとして彼女とはこのままじゃ逆に良くないと思いつつ、あまりの踏み込みは良くないと自分に言い聞かせながら彼女にはフレンドリーに接していた。
夢幻マホロア(皇女のキャスターとのコトもダケド、コッチもあるンダヨナァ・・・)
夢幻マホロアは例の書類とその資料を見返していた。
夢幻マホロア(ボクはこの聖杯戦争にはソコまで興味ナイケド・・・デモ、その賞品の「聖杯」はヤッパリ・・・)
夢幻マホロアが「蒸気聖杯戦争」における聖杯の真実に気付きそうになった瞬間・・・
ある黒い剣筋が、ホテルの窓ガラスを突き破るほど飛んできていた。
ザァンッ!!
夢幻マホロア「ア゛・・・ッ!!!」
皇女のキャスター「マスター!!」
皇女のキャスターが致命傷を負った夢幻マホロアを抱き止めようとした寸前に彼は光と化して消えた・・・
皇女のキャスター「・・・っ」
しかし、夢幻マホロアが消えた際にあの戦いで忍び込まれた「蟲」を頼りにとある人物がホテルの部屋に入ってきた!
皇女のキャスター「あなたは・・・あの時、撃破されたはずじゃ・・・あ・・・あああぁぁぁあああ」
時すでに遅し、皇女のキャスターは大量の「蟲」に囲い込まれながら今は届くことのない叫び声をあげていた・・・
一方、マジックショーが終わった蒸気リデルは先程の件で魔女のキャスターを嗜めていた。
蒸気リデル「もう!人を豚にするのはもうダメですからねっ」
魔女のキャスター「別に悪い魔術じゃないよー(まあ彼がチェリーワールドにおけるメタナイトなのは多少びっくりしたけどね・・・」
魔女のキャスターを叱った後、蒸気リデルは一息つきながら彼女の手を掴む。
蒸気リデル「まああの後に戻してくれたのはよかったですけど。今日は一緒にご飯食べませんか?」
魔女のキャスター「・・・いやいい。あと、あまり私を誘わないでくれ!」
蒸気リデル「はーい」
ああ、ダメだ。リデル、マスターのキミが私を気にかけ続けたら、私はキミを■してしまうから。
魔女のキャスターが一人立ち去ったあと、そこにとある人物が会いにきていた。この辺りの騒動を聞いて会いにきてくれた蒸気リデルの知人の蒸気アルルだ。
蒸気アルル「聞いたよ。脱落したゾォルケンの襲撃に遭ったんだって?」
蒸気リデル「はい。マホロアさんやクルークさん達のおかげで事なきを得ましたが。クルークさん達の方は変わった人達も連れていましたが・・・よく見たらクルークさんと同じ顔の人です」
蒸気アルル「えっ?クルークと同じ顔の子??」
蒸気リデル「多分シェゾさんはその人達の秘密を知らないのでしょうが・・・恐らくクルークさんの隣室のあの人のところに匿わせてるかと」
蒸気アルル「(シェゾのところに匿わせてた・・・?確かにシェゾは契約するサーヴァントが召喚されていないとはいえマスターの資格はある。何があったかわからないけど・・・)そう。まあ、たまたまそっくりさんに会っただけでしょー」
一方、「この世界のドロッチェ」のカフェではクルーク達が美味しい日替わりランチとコーヒーを味わっていた。
夢幻ドロッチェ「おー、そんなに美味いか!」
ゼオ「ウマー!」
ププル「くぅちゃんも喜んでおかわりしまくってるよ」
くぅちゃん「くー!」
メタナイト(この世界のドロッチェは随分とさわやかなんだな;)
みんなが楽しそうな表情で食事する様子に夢幻ドロッチェは蒸気クルークに話しかけていた。
夢幻ドロッチェ「クルーク、お前の連れてきた友達はみんなキラキラしているなー」
蒸気クルーク「うん。騒がしいけれどね」
すると、夢幻ドロッチェの目に鋭い光が宿り、先程のとは低くなったような声色で訊ねた。
夢幻ドロッチェ「やっぱりメモフィアに吸い込まれていたのか」
蒸気クルーク「うん。彼らは運良く助かったけどね」
夢幻ドロッチェ「もう時間がないってことか・・・メタナイトはこのことを知ると思うが・・・おっと、お前の連れてきた彼のことじゃないぞ」
蒸気クルーク「だからこそお互いの利害の一致で協力してるんだ。まあ彼らにはボクと医者のキャスターをゾォルケンから助けてくれたってのもあるけどね・・・」
医者のキャスター「最初は信頼していいのかわからなかったけどな」
夢幻ドロッチェ「そうか。まあ気をつけろよ・・・それに、あいつらはいい奴らだ。守ってやれよ」
夢幻ドロッチェの言葉に蒸気クルークは頷く。一方、三人の会話を聞いていないクルークはメニューを開いていた。
クルーク「あれ?そういえば、デザートのメニューがないな・・・(それにこのかぜのまちにはお菓子を食べてる人が一人もいない。なんのつもりか知らないけど・・・」
メイヴ「でも、このカフェの日替わりランチとコーヒーは美味しいし、なくてもいいじゃないの」
クルーク「う、うん。そうだね」
一同が終始上機嫌で食べ終えた後、蒸気クルークは夢幻ドロッチェに言う。
蒸気クルーク「今日も美味しいランチをありがとう」
夢幻ドロッチェ「ああ!昨日帰って来たばかりだし、また来いよ!」
エレナ「二人は随分と仲がいいのね?」
蒸気クルーク「ボクのランチでの行きつけの店だからね」
こんな親しい会話を繰り広げた二人を見て先程の三人の会話を知らずに微笑ましさを覚えていた。ドロッチェの人気カフェの店長は仮の姿。彼の本当の顔を知る者は、この「かぜのまち」では蒸気クルークと医者のキャスター以外で知る者は一人もいない。
エジソン「ではそろそろ帰路に着くとするか?」
蒸気クルーク「うん、カービィとデデデ社長の飛行機レースが終わってたし。カービィがまた勝ったよ」
フィン「どこの世界でも、それは変わらないな・・・」
すると、一同の目の前に「ひかりのまち」の騎士の一隊が槍を持って立ちはだかって来た!
蒸気クルーク「なんだよ!」
ゼオ「やっぱり追われてんのかよ・・・!」
それとほぼ同じタイミングでゼオが突然出現した丸い玉の中に閉じ込められてしまった!
ププル「ゼオ!!」
ディルムッド「お待ち下さい!ここは私の槍で「おっと、それは反則だぜ」
声と共に現れたのは「ひかりのまち」の城に仕える騎士蒸気ツーストだった!
蒸気クルーク「ツースト・・・!!」
蒸気ツースト「ああ、やっぱりか。こいつは重要参考人として連れて行くぜ。悪く思うなよ」
エジソン「待て!我がマスターを連れて行くなら、代わりに私を」
すると、前に出て来たエジソンを乱入したグローマンの剣に弾き飛ばされた!
エレナ「エジソン!!」
蒸気ツースト「グローマン、やるじゃねぇか」
グローマン「・・・」
蒸気クルーク「あっ!」
そして捕らわれたゼオは蒸気ツーストが率いる騎士の一隊に「ひかりのまち」にある城に連れて行かれた・・・!!
ププル「ゼオ!!ゼオォォォォォーーーーー!!!」
続く・・・!
まさかの急展開に。感想OK
- 第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その1) ( No.449 )
- 日時: 2025/05/12 17:08
- 名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)
第2話のラストでゼオ君が攫われた後の第3話!今回は初っ端から何気に彼がメインとなってます。
ププル「ゼオ!!ゼオォォォォォーーーーー!!!」
ゼオが拐われたのを見たププルは泣き叫んだのを見た蒸気クルークは彼女をなだめつつひかりのまちの方に向き直した!
蒸気クルーク「今泣いてる場合じゃない!とにかく彼を救出しに行こう!」
フィン「だが、ひかりのまちは貴族以外は立ち入り禁止にされていると聞いた。どうやって行くんだ?」
蒸気クルーク「ボクは仕事柄貴族連中からも絵を依頼されてるから多少なら許してもらえるかもしれないが、より的確な方法なら・・・!」
すると、夢幻カービィが乗るワープスター号が一同の前に降り立ってきた!
夢幻カービィ「乗って!ひかりのまちに行くんでしょ!」
ディルムッド「そうか、この世界の彼女は飛行機乗り。道が無理なら空からならば・・・!」
クルーク「すぐ助けに行こう!」
一同が乗ったワープスター号がひかりのまちに一っ飛びしたが、上を見上げたその門番が見つけたような顔をした!
メタナイト「おい見つかったぞ!」
蒸気クルーク「大丈夫、それは想定済み!目眩し用にボクが絵を描いたのを出して「その必要はない!」
すると、その門番にチビノブが落ちてきた!
門番A「ん?なんだ?」
チビノブ「ノブノブー!」
門番B「うわー!!なんだこいつらはあああああー!!」
大量のチビノブが門番に攻撃したことでひとまず門番の目を逸らすことができた。大量のチビノブ達を落としたカッツにノッブは褒める!
ノッブ「信勝!よく門番の目を逸らせてくれた!とりあえず助かったよね!」
カッツ「姉上・・・!だけど、姉上と違って何もない僕にはそれしか・・・」
クルーク「そんなことないよ。今だってカッツはボク達よりも早く門番の目を逸らさせてくれたんだし」
クルークに素直に褒められたカッツは思わず顔を赤くしながら目を逸らした!
カッツ「これは姉上のためであって、別にお前らのためにやったわけじゃない!」
エレナ「あ、そこは照れるのね」
蒸気クルーク「とにかく城に向かうぞ!カービィ!」
夢幻カービィ「りょうかーい!」
ワープスター号は目標地点のひかりのまちの中心にある城に向かって飛んだ・・・!
一方のひかりのまちの城では蒸気ツースト達に捕まったゼオは縄に縛られながら彼らに歩かされていた。
ゼオ「なぁ、これはもしかしてそういう趣味あったのか?」
騎士A「私語は慎め!あと、あのクルークといい言い方を考えろ!じゃないと、ツースト様に殺される!」
ゼオ(こいつら、このツーストを腫れ物のように扱ってるような言い方だな)
蒸気ツーストはそれを知って知らずかようやく着いた王の間のドアを開けた!
蒸気ツースト「王。連れてきました、この少年です」
王「うむ。ご苦労」
ゼオが目にしたのはよく見たら細かく違うが、姿はギガディスに似た雰囲気を持つ男が玉座に座っている姿だった。
ゼオ(ギガディスに似た雰囲気を持ってんな、この世界の王サマとやらは)
王「お初にお目にかかるぞ、チェリーワールドの魔導師。捕まえておいて早々なんだが、あの「クルーク」はどこに行ったんだ?共にいる、貴様と同じチェリーワールドのクルークだ」
王の問いにゼオは素知らぬような顔をしながら答える。
ゼオ「知らないな。全く持って全っ然知らねーよ」
騎士B「貴様、王に対して無礼な物言いを・・・!!」
王「良い。無礼な言動をされることは想定してある。それよりも聞きたいことがあってな」
王はゼオにあることを訊ねた。
王「貴様は剣士のキャスターの真名を知っていたな?あれが14世紀のフランスにおける聖処女、ジャンヌ・ダルクの副官であったことも。いや、〝元〟はだったか」
ゼオ「・・・」
王「真名看破は本来聖杯戦争においては希少とされるスキルだ。しかし、タブーに近い。真名を暴かれた上マホロアに撃破された剣士のキャスターの心情を最低限教えてやろう。作家のキャスター」
作家のキャスター「了解しました」
作家のキャスターが台本を書きながら話す。
作家のキャスター「チェリーワールドから吸い込まれた闇の魔導師、青髭の心情を教えましょう」
ーーーーーあの異邦の魔導師に自分の真名を暴かれたことはいい。だが、それよりもあの質問のことが気に掛かった。
私は「ジル・ド・レェ」の霊基を媒介にして召喚された青髭だ。故に私は綺麗な花嫁が欲しかっただけだ。私のために束縛されて従順でいてくれる、「綺麗」な女性の花嫁を。だからこそわからなかった。「ジャンヌ・ダルク」というのを知らないというのに。
・・・ああ、そうだ。「ジル・ド・レェ」はそれに対してそうだったのだ。だからこそ青髭として嫌悪した。だからこそ青髭として否定した。だからこそ青髭として壊した。
それが届くことはないと異邦の魔導師達も、あの医者のキャスターのマスターも、そして自分が密かに花嫁として攫おうとした魔女のキャスターのマスターもわかっている。だって、
この男にとっても、聖女はもう火の中から戻ることはないとわかっているのだから。
作家のキャスター「わかりましたか?青髭は花嫁を欲しがったのですよ。自分のために束縛される愚かで従順な花嫁を。そのためにあの魔女のキャスターのマスターであるリデルを襲ったのでしょうなぁ。まあクルークだけでなく、あなた達やマホロア陣営が来たことは彼としては想定外だと思いましたが」
ゼオ「その感じ、あんたもキャスターだな。その王サマがマスターか?」
作家のキャスター「おお、察しがいい。あなた達が紡ぐ物語はさぞハッピーエンドで終わったのでありましょうな。それに続編があったのですが、吾輩の感想からすればつまらない。悲劇を幾度となく直面しかけたというのに、あなた達はその度にそれを跳ね除け続けている。悲劇あってこそ「物語」は作られて紡ぎ」
すると、それを割って入るかのように王の杖が鳴らされた。
王「作家のキャスター、これ以上は慎め。流石の余も嫌悪する」
作家のキャスター「おお、これはこれは怖いことを」
王「ツースト。この者をクルーク達に対する人質として置く。牢に連れて行け」
蒸気ツースト「はい」
ゼオは蒸気ツーストに連れて行かれる形で王の間から退室させられた。
王「良いか。貴様の仕事はそれではない。あれを完成させるのを忘れるでないぞ」
作家のキャスター「わかっておりますぞ」
一方、ゼオは牢に連れて行かれる最中に蒸気ツーストから訊ねられた。
蒸気ツースト「聞きたいことはあるが、お前らの世界にも俺がいるんだな?どんな奴だ」
ゼオ「同じ顔でもあんたとは大分違うぜ。好戦的かつ一匹狼で口悪いけど、面倒見が良くて優しい。だけど、めちゃくちゃ好いてる恋人のことになるとかなり一途だけど色ボケだぜ。場合によってはその女よりも愛が重いんじゃないかと思ったぐらいだ」
ゼオからチェリーワールドの自分の話を聞いた蒸気ツーストは呟く。
蒸気ツースト「いわゆるふぬけってやつか」
ゼオ「正しくは恋愛に関してポンコツかもな・・・」
すると、蒸気ツーストはゼオの襟首を掴んでその首筋に剣元を突きつけた!
ゼオ「おうおう、こっちも血気盛んなことで」
蒸気ツースト「黙れ、俺はお前らの「ツースト」と違って人の不幸や泣き叫ぶ顔を見るのが大好きなんだ。それの方が格別に美味に感じるんでな」
それを聞いたゼオは息を吐きながら呟く。
ゼオ「ツーストの・・・ツーストの顔でそんなこと言うなよ・・・」
蒸気ツースト「その目障りな口を閉じろ」
その直後、壁がドカーンと壊されるような音が鳴った!ワープスター号だ!
ププル「ゼオ!助けに来たよー!!」
ゼオ「ププル・・・!お前らも・・・!」
すると、エレナがミニUFOを蒸気ツーストの方に飛ばした!
蒸気ツースト「っ!」
エレナ「これはエジソンの仇よ!」
エジソン「私は生きているがな!」
蒸気ツーストから解放されたゼオはその隙にワープスターに乗り込み、再び飛ぼうとした拍子で蒸気クルークが顔を出した!
蒸気ツースト「二度も愚弄するか、クルーク!」
蒸気クルーク「とりあえずうるせぇバーカ!で言う、そんなボクはチートな手段を取り入れるぞ!」
メタナイト「自分でチートって言えるのか;」
蒸気クルーク「今出ないでくれ!じゃーな、ツースト!恨むなら未熟な自分を恨みたまえー!」
ワープスター号が立ち去ったあと、蒸気ツーストは思わず壁を殴りつけた!
蒸気ツースト「チッ、今に見てろ・・・待て。さっきの奴はあの忌まわしい貴族メタナイトか?服が変わっていたが・・・」
一同が帰還した後のかぜのまちにある蒸気シェゾの住むアパートの一室ではカービィがゼオの首筋にある傷を見た!
カービィ「ゼオ君、その傷はどうしたの!?」
ゼオ「蒸気ツーストに剣を突きつけられただけだ。致命傷ではないから心配するな」
ププル「ダメだよ!ちゃんと回復させないと」
そんな中で医者のキャスターがププル達よりも早くゼオの首筋の傷を手当てした!
医者のキャスター「これで良いな。まだ完全に治るまでは時間がかかるから無理はするなよ」
ゼオ「そうか、あんた医者だったな。心配いらないと言ったのになんで?」
医者のキャスター「今のお前のように傷ついた人間を治すのが生前においても僕の目的だからだ。ただし、お前がもっと傷が多かったなら引っ提げてでも人間(サンプル)として面白いし役に立ったがな」
蒸気クルーク「医者のキャスター、人間と書いてサンプルは読まないよ;」
蒸気クルークはクルーク達の方に向き直した後に告げる。
蒸気クルーク「とりあえずゾォルケン陣営は撃破した。致命傷を与えたのがマホロア陣営だってことは多少気に障るけれど、それはいい結果だと思うことにしよう」
クルーク「うん」
蒸気クルーク「じゃあ、今日のところは身体を休んでね。おやすみ」
みんなが寝静まった後の夜、クルークは目が冴えていたのか水を飲みに行こうと歩いていた。
クルーク(眠れないんだよな・・・)
そんな中、クルークは玄関ドアが開けられていた隣の蒸気クルーク陣営が住む一室に入る。そこにはキャンバスに絵を描く蒸気クルークの姿があった。
クルーク(絵が好きなんだ。芸術の分野が違うけれど、まるでボクがピアノを弾くのが好きなように・・・)
すると、蒸気クルークはクルークに気付いた。
蒸気クルーク「なんだ。眠れないかい?」
クルーク「うん。絵はちゃんと描いてるんだね」
蒸気クルーク「そうだよ。たまに何枚も絵を描いちゃうけど」
蒸気クルークの手元にはコーヒーの入ったコップ。それを見たクルークは聞く。
クルーク「ねぇ、まさかこのかぜのまちにはデザートがないの?」
それを聞いた蒸気クルークはクルークの方を見た。
クルーク「あ・・・ごめん!この町のルールが何か知らないけど、そうなのかなって・・・」
蒸気クルーク「・・・いいよ。キミ達が疑問に思ってたことだろ?」
蒸気クルークはやるせない笑顔を話しながら呟く。
蒸気クルーク「そうだよ。このかぜのまちでは貴族以外はひかりのまちへの立ち入りだけでなくお菓子の持ち込みが許されてないんだ。カービィとかはたまに遠いところに出かけて甘いものを食べる一例があるけど、それをお土産に持って行こうとしたら入る前に門番に取り上げられてしまうんだ。ひかりのまちの貴族連中はいつでも食べれるんだけどさ」
クルーク「そんなのって・・・!」
蒸気クルーク「ああ、反論するんだね。だけど、言いたいことはわかる。キミ達のチェリーワールドではいつでも甘いものを食べれるんだね。これは嫌味というわけじゃない、ただ羨ましいだけだよ」
蒸気クルークの言葉を聞いたクルークは顔を上げながら彼に向かい合って話す。
クルーク「なら、ボクがこのかぜのまちにお菓子を持ってきてあげるよ。キミはチェリーワールドで食べてるかもしれないけど、かぜのまちの人達には幸せな気持ちになってほしいんだ」
蒸気クルーク「・・・ボクだってこんなこと言いたくないけど、それは無理だ。必ずかぜのまちの門番に取り上げられる」
クルーク「でも、何度だってやるよ!取り上げられても取り戻すさ!ボク達はそうなんだからね」
クルークの揺るぎない瞳を見た蒸気クルークは自らの小指を差し出す。
蒸気クルーク「じゃあ、やってみてよ。それは叶いもしないだろうけど」
クルーク「小指?」
蒸気クルーク「チェリーワールドで旅していた時、ノッブに教えてもらったんだ。約束していたけど、結果的に叶えれなかったけど」
クルーク「!叶えてやるよ。ゆびきりげんまーん」
クルークと蒸気クルークはその不可能に近い誓いを指切りげんまんで交わした・・・
蒸気クルーク「あ、そうそう。もう遅いかもしれないけど」
蒸気クルークは一枚の絵が描かれてある紙をクルークに渡した。
クルーク「これ・・・!」
蒸気クルーク「それはいつでもいい。キミを通して渡してやって」
クルーク「うん!任せたまえよ」
二人は満面の笑顔で笑い合う。それをドア越しから見た医者のキャスターは微かな笑顔を浮かべていた・・・。
医者のキャスター「・・・」
- 第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その2) ( No.450 )
- 日時: 2025/05/12 17:10
- 名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)
その翌日、カービィは正体を隠して蒸気ルルーが営む食堂「ルルー亭」を手伝っていた。
蒸気ルルー「悪いわね、今日も手伝ってもらっちゃって」
カービィ「うん、いいよ。それにボクは結構楽しいしね(あのボクのフリして手伝っちゃってるけどバレてないしいっか」
一方、蒸気クルークの一室の郵便にある手紙が届けられていた。
蒸気クルーク「手紙かな?今日は寝不足なのに・・・どれどれ」
蒸気クルークがその手紙を読んだ後、もうすっかり慣れた様子で団らんと過ごしている一同がいる部屋のドアを開けた。
蒸気クルーク「おーい、猪突猛進のガールズ。呼ばれてるよ」
ププル「なんで?」
蒸気クルーク「なんかリデルが女子でお茶会したいって。アルルも連れて行くとはあったけど、どうせならキミ達も一緒にって」
メイヴ「あらー。女子会ってやつね!」
蒸気クルーク「ということで男子は支度を手伝ってね。もちろんボクやシェゾもやるから」
クー「はぁっ!?男子はその小間使いかよ!?」
蒸気クルーク「しょうがないだろ、キミ達の世界もそういうもんだろ;」
カーン「どこの世界も男と女は複雑なのだな・・・;」
蒸気クルーク「ところであのカービィは?」
メタナイト「今蒸気ルルーの店を手伝っている。結構気に入ってるのでな」
蒸気クルーク「あの人、グラマラスな美人だけど結構気が強い店主として有名なのによく許してもらえたね・・・;まあ、ボク達の世界のカービィは今日もデデデ社長と飛行機レースしてるから地と空じゃわからないけどね。それに今日のはいつもよりも白熱したレースなんだって」
クルーク「(夢幻カービィ、今日もデデデ社長と飛行機レースなんだな。しかも今日は大事な・・・)・・・」
一方、夢幻カービィはいつものように飛行機レースで夢幻デデデに勝っていた。彼女は今回で100連勝を達成したのだ。
夢幻カービィ「デデデ社長、大丈夫?怪我はない?」
夢幻デデデ「ふ、ふん!当たり前だわい!あのぐらいの墜落で怪我するオレ様ではない!」
夢幻カービィ「よかった〜、デデデ社長は墜落に慣れてるもんね。今回で20回目だっけ」
夢幻デデデ「17回目だ!間違えるなー!」
夢幻カービィ「それでパラシュートの使い方が上手いんだね。ボクなんて一度も墜落したことないから使い方がわからないんだ」
夢幻デデデ「オ、オレ様が負けたのは飛行機の整備がなってなかったからだ!ワドルディ、お前のせいだぞー!」
夢幻ワドルディ「えーっ!?デデデ社長が力任せにレバーを押すから・・・」
夢幻カービィ「そうだよ〜。それに言うならボクの方が飛行機の使い方が上手いんだってこと!」
夢幻デデデ「み、認めんぞ、そんなこと!今度こそお前に勝ってみせるからな〜!!」
今日のレースで100連勝を果たした夢幻カービィが帰路に着く中、彼女はふと空を見上げた。
夢幻カービィ「今日のこと彼にも伝えられるよね、きっと」
すると、夢幻カービィの上にクルークが顔を出した。
クルーク「聞いたよー。今日のレースで100連勝果たしたんだって?」
夢幻カービィ「チェリーワールドのクルーク君!」
クルーク「いや、クルーク君でいいよ。それは他のみんなには秘密にしておくようにあのボクに言われたんだろ?」
夢幻カービィ「あっ、そっか。今日はリデルが女子でお茶会してると聞いたけど、キミも手伝いしろって言われたよね。どうしたの?」
クルーク「ひとまず抜け出してきたんだ。多分後で怒られそうだけどね。はい、ボクからのお祝いのサンドイッチ」
夢幻カービィ「わーい!ありがと!」
クルークが持ってきたサンドイッチを二人で頬張る中、夢幻カービィが訊ねてきた。
夢幻カービィ「あのボクも自由なんだねー」
クルーク「キミも人のこと言えないだろ;だけど、根っこはちょっと脆い部分があるけれど・・・ボク達でもなんとかフォローしてるから大丈夫なんだけどね」
夢幻カービィ「やっぱりあのメタナイトがいるから?随分とあのボクに甘いけど、もしかして・・・」
クルーク「うん、ボク達の世界の二人は相思相愛の恋人だよ。キミはもしかして羨ましい?」
夢幻カービィ「そんなことないよー」
クルーク「じゃあ、キミは好きな人いたりしないのかい?」
それを訊ねられた夢幻カービィはその人物の姿が脳裏に浮かんだ。よくかぜのまちに来る貴族で、他の貴族にはない冒険心のある紳士で優しい人・・・。そしてその容貌は・・・。
夢幻カービィ「・・・好きな人、いるよ」
クルーク「えっ、ほんとかい?誰?」
夢幻カービィ「クルーク君v(にまっ」
クルーク「ちょっ、ちょっと!このボクをからかわないでくれたまえ!」
夢幻カービィ「ごめんごめん」
一方、蒸気クルークを含めた男子組はクルークが抜け出したことに気付いたが、そんな余裕すらもなく女子組のお茶会に奔走していた。
カッツ「このクソ忙しい時にどこに行ったんだー!!」
ディルムッド「今探す余裕はありません。今は手伝いに専念しましょう」
医者のキャスター「倒れたら治療してやる」
蒸気クルーク「じゃあキミも手伝え!」
一方の女子組はそんな有り様を見て流石に罰が悪そうな顔をした。
ノッブ「やはり大変なことになってるようじゃな;」
蒸気リデル「あとで蒸気クルークさん達も招きますか・・・;」
蒸気アルル「そうしようか;」
すると、蒸気アルルの方に紅茶が置かれた。それを運んでくれたのは蒸気シェゾだ。
蒸気シェゾ「よう、久しぶり。私がない歌手活動を頑張ってるかー?」
蒸気アルル「キミこそ。まだ懲りずにサーヴァント召喚しようとしてるんだね。何度も失敗してるのに」
蒸気シェゾ「なんだとこらー!」
その様子を見たメイヴは蒸気リデルに耳打ちする。
メイヴ(ねえ。あの二人、ひょっとして・・・)
蒸気リデル(ええ、好き同士ですよ。ただお互いに素直になれないだけなのですが・・・)
エレナ(ああ、照れてるからってやつね)
続いてナーサリーも蒸気リデルに耳打ちした。
ナーサリー(ねえ、あの魔女の人は?今日は一緒じゃないのね)
蒸気リデル(はい、私が誘おうと思った矢先勝手にいなくなっちゃって・・・また何かやらかさないといいのですが)
一方、ひかりのまちにある「メタナイト」の屋敷ではその執事が淹れてくれた紅茶でお茶会を楽しむリップ達の姿があった。
リップ「あの執事さん、口うるさいけど紅茶は美味しいんだね」
メタナイト?「すまないな、彼には私からも言っておく」
チャラ王「いや、いい。俺達はいつものことだしあんたが謝ることはないさ!(あれから様子を見てるが、メタナイトさんの方は・・・」
トリスタン(ええ。まだ記憶は戻っていません)
メルト(それに変装してまで蒸気聖杯戦争に関するものやあの三角ダイヤの情報を他の貴族達に聞き回ったけど、どこも素知らぬ顔をしていたわよ・・・)
リップは密かにトリスタンとメルトに蒸気聖杯戦争や城の前にある三角ダイヤについての情報を他の貴族達に聞き回ったが、どこも素知らぬ顔をするかはぐらかしたりで大した情報を得られていなかった。やはり「メタナイト」が持つ冒険心は贅沢三昧を当たり前とするような他の貴族には持っていないのだろう。
ルート(まあ大丈夫だ。明日はあのメタナイトに頼んで・・・)
おぼろ(モイモイ)「ん?なんなのあれは」
すると、空から飛んできたのは一人浮遊している魔女のキャスターの姿があった!
魔女のキャスター「やあ。久しぶりだねー」
メタナイト?「貴様は魔女のキャスター・・・!」
トリスタン(キャスター・・・つまり、あのレディはサーヴァント!)
魔女のキャスター「あの医者のキャスターとそのマスターが帰って来てるんだ。なんか連れ込んでる様子だったけど・・・」
すると、魔女のキャスターがリップ達を見てショックを受けた!
魔女のキャスター「こっちのは男二人が複数の女を侍らせてるのか!?しかもそのうちの二人はサーヴァントじゃないか!」
リップ「え?」
チャラ王「ち、ちげーし!」
トリスタン(こっちの?今彼女は何を言って・・・)
魔女のキャスター「まずは眠そうなお前からピグレットに変えてやる!くらえー!」
トリスタン「あ、しまっ「トリスタン、危ねぇ!」
チャラ王がトリスタンを庇ったことで事なきを得たが、代わりに彼がガングロな豚の姿になってしまった!
チャラ王「ブヒィー!!?(訳:なんじゃこりゃぁぁぁぁぁーーーーー!!?」
リップ「ちー君!?豚になっちゃってる!」
ルート「あはは、まあ可愛いではないか」
トリスタン「可愛い豚ならここにいます。その名も居眠り豚という・・・」
おぼろ(モイモイ)「なんで自分のこと豚って言えるのよ;」
メタナイト?「おい。今回のことお前のマスターに話すぞ」
「メタナイト」に告げられた魔女のキャスターは思わず慌てながら口を開く!
魔女のキャスター「し、知らないね!それにこいつもだろ!恨むなら間違った蜜月を過ごしていた自分達を恨め!」
メタナイト?「あっ、待て!」
メルト「追いかけるわよ!」
魔女のキャスターを追うために事前に「メタナイト」は自分の愛車を出した!
リップ「自分の愛車を持ってるんだねー」
メタナイト?「全員乗ったようだな。行くぞ」
すると、「メタナイト」が運転する愛車が初っ端から爆走レベルのスピードを出していた!
リップ「わぁぁぁぁぁぁーーーーー!!?ちょっとちょっとスピード出しすぎー!!」
チャラ王「ブヒィィィィィー!!!」
ルート「おい!スピード下がれ!!」
メタナイト?「・・・(運転モードに入ってる」
トリスタン「ダメです聞いてませんOTL」
メルト「私の脚に傷付いたら蹴り飛ばすわよ!」
おぼろ(モイモイ)「今は我慢してあげてよ;」
爆走レベルの猛スピードにリップ達は思わず慌てたり落ちそうになっていた。「メタナイト」はそんな様子には目もくれずに運転に集中していた。
そんな愛車が行先は、魔女のキャスターが逃げた地区にあるかぜのまち。
ちなみに夢幻の歯車の小説でのメタ様のスピード狂は公式(ぇ)
- 第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その3) ( No.451 )
- 日時: 2025/05/12 17:13
- 名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)
一方、かぜのまちの蒸気リデル達のいるお茶会ではようやく男子組も参加を許されてそれを楽しんでいた。
蒸気クルーク「あー、一服一服」
クー「手伝いを抜け出したクルークにはあとで笑わねーといけねーなぁ!」
ププル「それはやめたげてよ;」
そんな会話が繰り広げる最中に魔女のキャスターがお茶会に入って飛んで来ていた!
魔女のキャスター「マスター、ただいま!お茶会を楽しんでるようだね」
蒸気リデル「その呼び方はあまりしないで下さい;それと慌てた様子でしたが、どこに行ってたんですか?」
魔女のキャスター「(ギクッ;)それはちょっとした散策さ;」
ゼオ「怪しいな。ちょっと話を聞かせてーーーーー」
その直後、ゼオは自分の杖を取り出した!
ゼオ「お前ら少し頭を下げろ!飛んでくる!」
エレナ「えっ!?」
ゼオは魔法を使って飛んできた何かを打ち砕いた!飛んできたのは一つの氷だ。
ノッブ「氷!?ということは・・・」
カッツ「あの皇女のキャスターです・・・!」
大半の全員の予想通り、皇女のキャスターが一同の前に現れた。しかし、彼女の顔には覇気がなく、様子がおかしかった。
皇女のキャスター「あ・・・ああ・・・」
メイヴ「やっぱり現れたけど・・・なんか様子が変ね」
その様子を見た蒸気クルークは思わず彼女の横やその後ろを見渡した。
蒸気クルーク「ねぇ。キミのマスターのマホロアはどうしたんだ?」
???「光となって消えた。何者かに斬られたからな」
皇女のキャスターの後ろから現れたのは姿がププルやゼオ達魔導師も知るものに変わっていたが、あの時の夢幻マホロアのトドメに消えたはずの・・・!
蒸気クルーク「ゾォルケン・・・お前、随分と老けた姿に変わったか・・・!」
一方、何かの気配を感じたクルークはその方向を見渡した。
クルーク「今・・・夢幻カービィ、悪いけどボクは帰るね」
夢幻カービィ「どうしたの?」
クルーク「今帰らないとみんなが危ない気がする・・・!」
夢幻カービィ「そうなの?それならボクのワープスター号で送るよ」
クルーク「ありがとう。あと、もう一人のキミも乗せてやってくれるかい?」
夢幻カービィ「うん!」
一方、カービィは蒸気ルルーからまかないのオムライスを食べていた。
カービィ「美味し〜v」
蒸気ルルー「今日も頑張ってくれたお礼よ。あなたがうちの店を手伝うようになってからお客さんがいつもよりも来ちゃってたから。アルルは今日はリデルがやるお茶会に行っちゃったけど。シェゾがその手伝いに参加すると聞いたからかしらね。全くじれったいんだから」
カービィ(あ、こっちのもあんまり変わらないんだ)
その直後にカービィのスマホに電話のブザーが鳴った。彼女はそれに応じる。
カービィ「はーい」
クルーク「カービィ、ごめん!今緊急事態だ、すぐ戻って来て!いや、市街地の郊外で停めてあるからそこに向かいたまえ!」
カービィ「う、うん!わかった!(電話を切る)ルルー、ごめんね!今日は引き上げるから!」
蒸気ルルー「あっ、ちょっと!」
カービィが市街地の外に走ったら、ワープスター号が停まってあった!
クルーク「来たか!乗って!」
カービィ「うん!」
夢幻カービィ「じゃ、しゅっぱーつ!」
ワープスター号は蒸気クルーク達のいるところに飛びながら向かった!
一方、老人(Fate/Accel Zero Orderに登場した時の姿)の姿となって蘇ったゾォルケンの行動や言葉に絶句していた。
蒸気クルーク「あんた、いつのまに生き返ったんだ!?それよりもマホロアが消えたって・・・!!」
ゾォルケン「わしが消える直前に奴に蟲の一匹を忍ばせておいた。おかげで再生しそこのキャスターのマスター権を奪えた。いや、再生にも生き返りも似たようなものか・・・」
エジソン「では彼女の顔に覇気がなくなったというのも・・・!」
ゾォルケン「わしが身体中に蟲を埋め込んだからじゃ。そうだ、面白いものを見せてやろう。きっと貴様らにとっていい見物になるものだ、とんと見れ」
魔女のキャスター「面白いもの?」
すると、現れたのはマホロアの部下である大量の夢幻ネスパー達だった!その顔には皇女のキャスターと同様に覇気をなくしており、なぜか音がチリチリと聞こえていた。
メタナイト「大量の夢幻ネスパー達・・・何をする気だ・・・!」
夢幻ネスパー「・・・」
ゼオ(あのネスパーは・・・俺がリボンをあげた・・・)
それと同じタイミングで皇女のキャスターがヴィイを使ってある氷を吹こうとした・・・
皇女のキャスター「あ・・・あ・・・」
ーーーーー私がこの地に呼ばれた時、マスターであるマホロアはなぜか私の意思を待っていた。
自分の目的のためなら私の意思を待つ・・・それさえも彼には目的の一環として行動していた。
・・・いいえ、違う。彼は最初から私の従順な態度に思うところがあった。「お前は、本当はその性格じゃない」と気付いていたのだ。
そうよ。私はあのロシアで起こった二月革命の時に家族や召使諸共処刑された皇女。本来ヴィイとの契約を果たす前に死んだ者。
真名、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ。
アナスタシア「あ・・・ああ・・・」
英霊へと昇華する際、私に補完したヴィイが今では私と同様あの男の傀儡として氷を吹こうとしている。あのネスパー達の中に埋め込まれた蟲を爆発させる起動を押すための氷を。
アナスタシア「やめて・・・やめて・・・」
やめてやめてやめて。お願いだから。ねぇ。
呼ばれた時からずっとずっと、ぼんやりながらも私の頭の中に浮かぶ「誰なのかわからないあの人」にも傷を残したくないのーーーーー
アナスタシア「やめてぇぇぇぇぇーーーーー!!!」
アナスタシアの叫びもむなしく起動されたネスパー達が爆散した。もちろんゼオがプレゼントしたリボンを着けていた夢幻ネスパーも・・・
ゼオ「・・・」
その無惨な姿を見た一同は唖然となった・・・。
ププル「夢幻ネスパー達が・・・酷すぎる・・・!!」
ディルムッド「貴様・・・!!」
ゾォルケン「どうして怒りを抱く?よかったではないか、敵だったマスターの部下さえも消えてくれて「ダンッ」
その直後、ゾォルケンの横に放たれた魔力球があった。放ったのは自分があの夢幻ネスパーにリボンをプレゼントした、もう一人の闇の魔導師・・・!
ゼオ「悪いな。流石に本気で潰すと思ったぞ」
ゼオは持っている自分の杖を黒く光らせた!
ゼオ「じゃあ、今度は貴様が死ね!俺の手で、殺してやる!」
一方、空からではクルークがゼオの魔力を感じ取った!
クルーク「いる!この場所だ!」
夢幻カービィ「オッケー、そこから飛びながら降りて!キミ達ならできるはずだ!」
カービィ「うん!」
ワープスター号から飛んで着地したクルークとカービィがようやく蒸気クルーク達のところに駆けつけた!
メイヴ「クルーク!」
クルーク「みんな遅くなってごめん!ゼオの魔力を感じたから辿り着いた!今ゼオが戦ってくれてるんだね!」
クー「それが・・・」
クルークとカービィは彼らから話を聞いて絶句した。
カービィ「ウソ・・・!!」
クルーク「じゃあ、それで激怒したゼオが強大な魔法を放ち続けて・・・!?」
エレナ「ええ。私とエジソンは後方支援からしかできないけど、このままだとゼオが魔力を尽きて・・・」
自分の魔力を全開放させたゼオがゾォルケンに攻撃しようとした瞬間、アナスタシアのヴィイの氷に阻まれた!
ゼオ「貴様ぁ・・・!!」
一方、いまだに爆速のスピードを出し続ける「メタナイト」の愛車ではリップ達がもう限界に近づてきていた。
リップ「もうだめだぁ〜;吐いちゃうOTL」
トリスタン「私も座に帰りそうに・・・む?」
すると、トリスタンは向こうで戦っている様子のゼオを見かけた!
トリスタン「ゼオ殿!?」
メタナイト?「?彼はもしやキミ達の仲間か?」
ルート「ああ。悪いが、彼がいるところに目的地を変えてくれ!」
メタナイト?「わかった。振り落とされるなよ」
一方、ゼオが魔力もそろそろ限界に近づいてきていた。
ププル「ゼオ・・・!!」
蒸気クルーク「このタイミングでゾォルケンに攻撃しなきゃまずい。まずは皇女のキャスターを足止めなくちゃ・・・!!」
医者のキャスター「足止めっていっても、僕のスキルだと少しの時間しか作れないのだがな・・・」
その直後、ポロロンと音が鳴ったタイミングでアナスタシアを弦で縛りつけた!それを見た一同にトリスタンの声が聞こえた。
トリスタン「何があったのか知りませんが、ゼオ殿!あの者に攻撃を放ちなさい!」
その言葉を聞いたゼオは自分の攻撃力を最大限にまで増幅させ、そして・・・
ゼオ「ダークネスフレアァァァァァー!!!」
ゼオが放った限界にまで増幅させた攻撃力を放つ闇魔法によりゾォルケンは包み込まれていった・・・
ゾォルケン「蟲一匹まで残さず攻撃するとはバカな・・・フ、ユスティーツァよ、この世界のわしでも我が宿願は果たせぬというのか・・・」
ゾォルケンはそれを悟ったかのように気味の悪い笑みを浮かべた・・・
その直後、「メタナイト」の愛車がようやく止まった。かぜのまちにいた仲間達の前に・・・
トリスタン「お待たせしました。あなた方の黄昏の救いの騎士トリスタンです・・・」
クルーク「長い長い!でも、無事だったんだ!」
リップ「うん、メタナイトさんに助けられて・・・って、ええっ!!?メタナイトさん!?」
メタナイト「なんだ一体;」
蒸気クルーク「あ」
すると、蒸気クルークは「メタナイト」のところに駆け寄った。
蒸気クルーク「メタナイト、キミがこの人達を助けてくれたのか!」
メタナイト?「ああ。なぜか私を見知った誰かだと勘違いしていたようだがな・・・」
メイヴ「え?どういうこと?」
蒸気クルークは「メタナイト」について話す。
蒸気クルーク「この人はこの世界の貴族のメタナイトだ。キミ達はこのメタナイトに助けられてたんだよ」
リップ「じゃあ、恋人のカービィちゃんにメロメロなメタナイトさんは・・・」
ルート「カービィ関連のことになるとはっちゃけたり・・・」
メルト「カービィを狙う奴らには情け容赦なくて特にセイバー組から恐れられるようなオーラとか・・・」
おぼろ(モイモイ)「いつも王ドラやゼオ達にちょっかいかけられる度にギャラクシア持ちながら探し回るような魔王みたいな品格とか・・・」
トリスタン「カービィに何かあったら殺人鬼と化す恐れがなくなったわけではないのですか・・・」
リップ「よかったー!!」
リップ達にボロクソ言われたメタナイトは自分のギャラクシアを構えた!
メタナイト「貴様ら・・・」
クー「げぇーっ!!切れやがった!!」
そんな光景を目にした夢幻メタナイトは蒸気クルークに訊ねた。
夢幻メタナイト「彼らは・・・」
蒸気クルーク「ああ、キミが助けた人達の仲間だ。ボクが助けたんだ。まさかチェリーワールドのキミがいるなんて驚きだけどね」
夢幻メタナイト「そうか。あの私はこの私とは随分と違うようだな。それに彼らが言っていた・・・」
蒸気クルーク「うん。あのメタナイトはあのカービィとは恋人だ」
それを聞いた夢幻メタナイトは思わず目を見開いた。
蒸気クルーク「・・・羨ましいのかい?それはそうだな、だってキミはカービィのことを・・・」
夢幻メタナイト「言うな。決して私が口にしてはいけない想いだ・・・」
蒸気クルーク「・・・」
すると、アナスタシアの方もようやくゾォルケンの蟲による呪縛から解放された。彼女は微かな声で言う。
アナスタシア「・・・ありがとう。あなた達のおかげであの男から解放されたわ」
ゼオ「いや、いい。俺が許せなかったのはあのネスパーを爆散させたあの男だからな・・・」
蒸気クルーク「皇女のキャスター。キミに聞きたいことがあるんだけど」
アナスタシア「真名は教えてあげるわ。アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ」
ルート「20世紀におけるロシアの皇女・・・」
蒸気クルーク「じゃあ、アナスタシア。あの時にマホロアを斬った奴の顔は見なかったかい?」
蒸気クルークの問いにアナスタシアは首を横に振った。
アナスタシア「見てないわ。姿がなかったのよ。私のヴィイも感知できなかったほどにね」
蒸気クルーク「そうか・・・」
アナスタシア「なんだかんだで彼を気にかけてくれるのね。それにあなた達の仲間にはさっきの彼女達みたいにちょっかいかけたかったわ」
アナスタシアが悪戯っぽく笑う表情に蒸気クルークは気付いた。
蒸気クルーク「マホロアはそれをずっと見たかったんだ。いいね、キミらしい表情(かお)だよ」
蒸気クルークに言われたアナスタシアはその笑みを浮かべながら消滅した・・・。
ゼオ「消えちまったか・・・ところで」
ゼオはリップがずっと抱えているものについて訊く。
ゼオ「リップ、このガングロな豚は誰だ?」
リップ「ちー君。あの杖持ってるキャスターに豚にされちゃったんだよ;」
チャラ王「ブヒ・・・;」
クルーク「あははは!可愛いじゃんチャラ王!」
蒸気リデル「つか、ほんとですかそれ!」
魔女のキャスターがチャラ王を豚に変えたことを知った蒸気リデルは彼女の方に向かい直した!
蒸気リデル「すぐに戻して下さい!2回もやらかしたんです!」
魔女のキャスター「えぇ〜・・・;わ、わかった。さっきはあの魔導師の手助けしてくれてたしな・・・」
魔女のキャスターが残っていた解除薬を飲ませたことによりチャラ王はガングロな豚から元の姿に戻った!
チャラ王「はー;もう豚になるのはゴリゴリだぜ・・・;」
メルト「ねぇ、2回って言ったわね?それが事実なら前に豚になったのは誰なのかしら?」
ノッブ「この仮面(メタナイトに指差す」
メタナイト「おい!!」
トリスタン「魔女のキャスターの方、もう一度この仮面を豚にしてもらえないでしょ「もうダメ!」(´∨ω∨`)」
すると、ププルは何かに気付いた。
ププル「そういえば、アルルさんは?」
蒸気シェゾ「アルルならいつのまにか逃げ切れたようだな。まああんな惨状から逃げたのはいいんだがな」
エレナ「そう・・・」
一方、蒸気アルルは霊体化を解いた機関のキャスターに駆け寄った。
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