二次創作小説(新・総合)
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- ポケットモンスター REALIZE
- 日時: 2020/11/28 13:33
- 名前: ガオケレナ (ID: qiixeAEj)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12355
◆現在のあらすじ◆
ーこの物語に、主人公は存在しないー
夏の大会で付いた傷も癒えた頃。
組織"赤い龍"に属していた青年ルークは過去の記憶に引き摺られながらも、仲間と共に日常生活を過ごしていた。
そんなある日、大会での映像を偶然見ていたという理由で知り得たとして一人の女子高校生が彼等の前に現れた。
「捜し物をしてほしい」という協力を求められたに過ぎないルークとその仲間たちだったが、次第に大きな陰謀に巻き込まれていき……。
大いなる冒険が今、始まる!!
第一章『深部世界編』
第一編『写し鏡争奪』>>1-13
第二編『戦乱と裏切りの果てに見えるシン世界』>>14-68
第三編『深部消滅のカウントダウン』>>69-166
第四編『世界終末戦争』>>167-278
第二章『世界の真相編』
第一編『真夏の祭典』>>279-446
第二編『真実と偽りの境界線』>>447-517
第三編『the Great Journey』>>518-
Ep.1 夢をたずねて >>519-524
Ep.2 隠したかった秘密>>526-534
Ep.3 追って追われての暴走>>536-
行間
>>518,>>525,>>535
~物語全体のあらすじ~
2010年9月。
ポケットモンスター ブラック・ホワイトの発売を機に急速に普及したWiFiは最早'誰もが持っていても当たり前'のアイテムと化した。
そんな中、ポケモンが現代の世界に出現する所謂'実体化'が見られ始めていた。
混乱するヒトと社会、確かにそこに存在する生命。
人々は突然、ポケモンとの共存を強いられることとなるのであった……。
四年後、2014年。
ポケモンとは居て当たり前、仕事やバトルのパートナーという存在して当然という世界へと様変わりしていった。
その裏で、ポケモンを闇の道具へと利用する意味でも同様に。
そんな悪なる人間達<闇の集団>を滅ぼすべく設立された、必要悪の集団<深部集団>に所属する'ジェノサイド'と呼ばれる青年は己の目的と謎を解明する為に今日も走る。
分かっている事は、実体化しているポケモンとは'WiFiを一度でも繋いだ'、'個々のトレーナーが持つゲームのデータとリンクしている'、即ち'ゲームデータの一部'の顕現だと言う事……。
はじめまして、ガオケレナです。
小説カキコ初利用の新参者でございます。
その為、他の方々とは違う行動等する場合があるかもしれないので、何か気になる点があった場合はお教えして下さると助かります。
【追記】
※※感想、コメントは誠に勝手ながら、雑談掲示板内にある私のスレか、もしくはこの板にある解説・裏設定スレ(参照URL参照)にて御願い致します。※※
※※2019年夏小説大会にて本作品が金賞を受賞しました。拙作ではありますが、応援ありがとうございます!!※※
- Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.285 )
- 日時: 2019/02/03 08:43
- 名前: ガオケレナ (ID: 9hHg7HA5)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「……と、言う訳で私はデッドラインを追っているのよ!」
「いや、全然分かんねぇし」
高野は物凄く都合の悪そうな顔をしている。それもそのはず、ファミレスに友達たちと来たのはいいものの、この女まで付いてきた挙句に堂々と皆の前で安さがウリのパスタを食しているからだ。
「あっ、申し遅れました。メイって言いますよろしくお願いします」
「全くもって歓迎できない。帰れ」
自分の頼んだものだけが来ないのも相まって非常にストレスが溜まっているようだ。周りにいる友達は異様な光景に緊張しつつも談笑などをしている。
「ったくよぉ……。俺はこの世界に戻るために負けて来たって言うのにどうしてこう言う物好きな輩がわざわざ訪ねてくるんだか」
「それはあなたがジェノサイドだったからよ」
「クソッ、嬉しくもねぇ」
苦い事実を突き付けられながら高野はあまり冷たくない水を飲む。少しぬるくなっているせいで尚更気分が落ち込む。
だが、逆に考えれば折角の機会ともなるので、半分諦めながら高野は話を戻すことにした。
「んで、お前は深部の世界に名前だけ蔓延っているデッドラインが気になって気になって最早解明しないと死んじゃう病に冒されたわけだな」
「半分間違ってて半分合ってるのが何とも」
「で?何で'ただの'深部の人間がそんな闇だらけの世界に足を突っ込もうとするんだ?何の為に追っかけてんだ?」
「何で、ねぇ……。」
意地でもフォークだけで食べようとするからか、しつこいくらいに何度も何度もフォークを回すも中々纏まらない。話が進んでいるのもあってか、全く食べようとせずに口と手だけを動かす。ちなみにもう半分以上は食べている。
「まずロマン?それがあるからかねぇ。あなたとは違って名前だけで有名になるなんておかしいもの。私たちの知らない所で何が起きたのか。そして、これから何が起きるのか。それを知りたいっていう探究心が強く働いているの。あとは、単に強くなるから?」
「あ?」
そんな胡散臭いものを追っかけるだけで強くなるものかと鼻で笑う高野だったが、そんな意思に気づくことなくメイは続ける。
「仮にデッドラインを追っかけてその謎が分かったとすると、その強さのヒミツが私にも分かると思うの。ネームバリューが凄い'それ'が私の身近なものになったとしたら……」
「要するにデッドラインの力を取り込む。自ら最強になると言う事か」
「まー簡単に言えばそれかな」
くだらなすぎて高野は溜息をついた。脳内がハッピーで夢一杯の女の話に付き合ったのがそもそも間違いだったと今更後悔する。
だが、何よりも彼を絶望させたのが、表の世界の人間、言い換えてしまえば今此処にいるサークルのメンバーを巻き込んだ結果がこのつまらない状態だったという事。言ってしまえば高野は少し期待していたのだ。
「じゃあ決まりだな。お前はお前でデッドラインを追う。俺はこれまで通りこの生活を続ける。以上な。そのパスタ食い終わったらとっとと消えろ」
「いや、だから何度も言ったじゃない。デッドラインをこれ以上追うにはあなたの力が必要だって」
「……だからどんな力なんだよ……。俺はもう深部じゃねぇって言ってんだろ日本語通じてるよな?オイ」
眉間の皺が深くなる。彼の我慢が限界なのはその顔を見て明らかだった。
だが、メイも諦める姿勢を見せない。
「あなたが大会に出れば、必ずデッドラインは尻尾を現す。何故なら、少なからず深部の人間を表の世界にて集める事が出来る唯一のチャンスにしてイベントだから」
「だからそれが嫌だって言ってんだろ!深部に身元がバレる上に俺の生活すらも危ぶまれる!そんな危険だらけの空間に俺が足を踏み入れるメリットがねぇだろうが!」
とうとう高野は拳でテーブルを叩く。
傍から見れば痴話喧嘩のように見えるのが救いか。本人からしたら最悪でしかないが。
「メリットならあるわよ。優勝すれば日本一になれる」
「俺は別に優勝しようだなんてこれっぽっちも思ってねぇよ……」
「4位までに入ることが出来れば賞金が貰える」
「!?」
その言葉に、高野だけでなく、ポケモンユーザーである香流、吉川、石井が反応した。目を丸くして口元を緩めているのが全員に共通しているのが少し気持ち悪い。
「1位に50万、2位は25万、3位は10万、4位は5万。少なくとも4位に入ってもお小遣い稼ぎにはなるでしょう?」
「俺にはジェノサイド時代に懐に貯めた莫大な金があるんだが」
「仕事も何もしていないあなたなら遊んでいる内に全部無くなるよ。夏が終わるまでに残ってたらいいわねぇ~」
そのふざけた口調に高野は舌打ちをする。水を飲もうとコップを傾けるも、既に中は空だった。再び舌打ちする。
「とにかく、私はどうしてもこの謎を突き止めたいの。あなたに対するメリットは少ないかもしれないけど、その分あなたの安全は私が保障する。徹底的に隠す術をあなたに与えるし、あなたのこの日常も決して荒らしたりはしない。それだけは約束する。だからお願い。協力してほしいの」
フォークを一旦置き、両手で右手に触れてきた。
ハニートラップではないが罠でしか感じない以上、彼女の潤んだ目を見ても不快感と不信感しか生まれない。
高野は思いっきりその手を振りほどく。
彼の目の前に今日の晩御飯が来た頃にはもうほとんどの人がそれぞれの食事を終えようとしているまさにその時だった。
- Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.286 )
- 日時: 2019/09/23 18:09
- 名前: ガオケレナ (ID: ylDPAVSi)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
翌日。
高野は眠そうな顔をして聖蹟桜ヶ丘駅にいた。
「……眠い」
だるそうに顔を見上げて見る。確かに前方に高いタワーのような建物があった。
結局昨日はあれから特に面白い話をしないまま時が過ぎ、各自帰路に着いた。
何食わぬ顔で皆と同じようにメイも帰っていったのだけは少し許せなかったが。
それに、彼女から別れ際に変な約束事も持ち掛けられた。
そして、今。
「ありがとう、来てくれて。まぁあなたなら来るとは思っていたわ」
その女が今目の前にいる。
「ナニ俺を知った気になっているんだか……」
「でも実際来てくれたじゃない」
「うるせぇ。行くんならとっとと歩け」
苛立ちが募ってくる。どうも高野はこの女が苦手なようだ。ズケズケと他人のテリトリーに入り込んで更に仲のいいアピールをするところが許せないのだろう。本人の前で口には出さないが。
今日は二人で開催地を見て回ることに急遽決まった。
と、言うのも高野がこの大会に関して何も知らなさすぎるのと、二人が出場するにあたって準備しなくてはならないことがあるのだとやたらとメイが昨夜声高にして熱弁してくれていたのでこんな事になったようである。
二人は駅からタワー方面へと歩き始めてから、高野が疑問に思ったことを言う。
「なぁ、聖蹟桜ヶ丘って言えば立派なターミナル駅じゃねぇか。あんだけ立派な建物作ってんのにバスはねぇのかよ?」
高野はタワーとバスターミナルを交互に見ながら質問をする。
「あるわよ。一応ね。でもまだ開催期間でなくて募集期間だからね。あの周りもプレオープン状態だよ」
「あの周り?」
メイがタワーを指差しながら説明していたのでその時点で分からなかった。
「あなた本当に知らないの?」
その高野の無知っぷりに驚きを隠せないでいる。馬鹿にしている様子はないものの、高野はイラついている顔をしている。
「どうして約150000㎡の土地をわざわざ選ぶのよ。周辺施設を作るためでしょ?」
「何があるってんだよ」
「行けば分かる」
二人は駅から遠ざかり、遂に川に掛けられた橋に辿り着く。
目の前に広がった道路はアップダウンの激しい坂道である。
「おい……これ歩いて行くってのかよ。どんだけウネウネした坂があんだよ。ってかこんな所に巨大な施設作って大丈夫なのか?」
「山頂付近……って言い方もおかしいけれど、この坂道を登りきった所が施設……桜ヶ丘ドームシティよ」
「っつーか何だよこれ!桜ヶ丘いろは坂って何だよこんな所歩かせんな!」
坂を歩き始めた地点に目に写った地名の書かれた看板を見て荒らげる。さらに少し登って行くといろは坂桜公園という少し開けているものの何も無い土地が見えた。奥の方には何かエレベーターのような細長い建物がある。
「ったく……なにこれ辛い……。なんで、この地域は坂が多いんだ……」
「元々多摩ニュータウンって山だったからねぇ。その名残よ」
「いらねぇよそんな名残」
無茶な事を言う高野だったが、公園内に入って足を止めると、フェンス越しではあるが街を見渡せる景色が広がっていた。
「……意外といいな、ここからの景色」
「でしょ。景色目当てで此処に建てたって噂もあるくらいだし」
「おいおい……此処って元は住宅密集地だっただろ?それに加えて緑地……いくらなんでも景観破壊しすぎだろ。誰も文句言ってねぇのかよ」
ただでさえ木々が生い茂っていたであろう公園内に無機質なエレベーターがある時点でおかしいと思えてしまう。
二人は丘の山頂に続くエレベーターに乗る。
「ここの建設が始まったのは五年前だけど……最初は反対もあったらしいわね」
「でなければおかしいだろ。こんな丘に東京ドーム1個分の建物作るとか頭おかしい」
「それでも地面は均したみたいだし、山頂付近の住宅20何戸かを潰した上で建てたから大丈夫よ。地元住民も駅に近い此処から立ち退きされた事には可哀想だと思うけれど……もっといい駅の近くの土地貰えたみたいだし良いんじゃないの?」
「どんだけの金動いてんだよ……」
深部の金銭事情に戦きながらドームシティに着いたことを告げる機械音によって二人はエレベーターから出た。
「うわ。これは……」
その光景は高野の想像を絶する世界だった。
丘の上にあるとは思えず、また、住宅地だった場所であることすらも疑わせるようだった。
開けた広い土地に、大きなドームとその後ろに高い塔がそびえ立っている。
「何だこれ、すげぇ……」
「でしょ」
敷地面積は約100000㎡と町のパンフレットには載っている。
細長くある緑地とその周辺のほぼ全域を占めているその様は驚きだけでは表せない。
プレオープンの段階だからか、ドームまでの直線上には左右それぞれに数多くの店が構えてあるがそのすべてが開いてはいない。
ここに居る多くの人間はどうやらドームへ向かっているようだ。
「此処の多くの施設は宿泊施設よ。日本全国から集まる大会というのもあるし期間が長いから地方から来る人を配慮しているみたい」
「じゃああのタワーは何だ?ドームがあるんだからいらねぇだろとは思うが」
高野はドームの後ろにそびえるそれを差す。
「この大会はマスコミも取り上げる程の大規模なものになるわ。そんなマスコミ専用の施設とか、何かしらの放送局も構えてるみたいだしその為のものじゃないかしら?後はトレーニングルームとか色々あるみたいよ」
確かにここまで大きいとマスコミも騒ぎそうであると高野は思った。主に否定的な意味で。
「あそこにバスターミナルがあるのが見えるでしょ?オープン以降はさっきの坂を登りきった地点に置かれたあのターミナルに続いているから開催期間の内はそれを使えばいいいわ」
「金かかるんだろう?面倒くせぇ。俺だったらポケモンで行く」
そう言って高野はボールを取り出しサザンドラの入ったそれを投げようとする。すると、
「ダメっっ!!ポケモン使うのは絶対に駄目!」
何故だか、やけに甲高い声でそれを制止される。
「この施設内はポケモンで移動するのを禁止しているの。安全の為とも危険防止の為とか色々言われているけれど……。勿論ポケモンを連れて歩くのはOKよ?でも、ある一定の地点以上をポケモンで飛行すると強制的にボールに戻される電波が伝わるみたいなのよ」
「何だその恐ろしい非殺傷兵器は。いくら何でも盛りすぎだろお前」
「疑うならやってみればいいわ。技の'ほえる'や'ふきとばし'のメカニズムを応用した、ポケモンを精神的に攻撃する電波を放射して強制的にボールに"戻させる"みたいよ?これは公表していることだから嘘ではないと思うし」
物凄く不便だと高野は舌打ちした。開催期間に突入したらどのように行こうか悩む事が一々面倒である。
どこを目指して歩いているのかも分からないまま、二人は黙りながらとぼとぼと歩くその時。
メイが自分と近いであろう女性とすれ違った。その女性が二人を通り過ぎた後に急にメイの足が止まる。
「……?おい、何してんだお前……」
高野も異変に気付き、声を不意に止めてしまう。メイの顔が驚きに満ちていたからだ。
その目は大きく見開き、肩を時折震わせ、ぽかんと口を開いているその様に。
「おいお前どうしたんだよ」
「……い、今の人……」
「あぁ?」
高野は徐々に離れるその女性の背中を見つめる。顔はあまり見ていなかったから覚えていないが、眼鏡をかけていて髪型がポニーテール以外の特徴が見られない地味そうな人という印象でしかなかった。
「い、今の人よ……。唯一デッドラインについて知り得ていると云われている人物……。その名も'デッドラインの鍵'……」
そんな都合の良いモンがいるかと疑うばかりであったが、それでもメイの驚きは普通ではなかった。
- Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.287 )
- 日時: 2019/02/03 10:16
- 名前: ガオケレナ (ID: 9hHg7HA5)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
何故あの人がこんな所にいるんだ、とでも言いたげだった。
その目には戸惑い、迷いが見える。
そもそもデッドラインの鍵とは何なのか、それすらも聴けそうにないようだ。
「あ、……あの人が此処に居たことにはすごく意外で、驚いたけれど……」
「おい、あいつでいいんだろ?」
メイが'デッドラインの鍵'と呼んだ長身の女性は段々と遠ざかり、最初に自分が使ったエレベーターの方向へと進んで行っている。
「ちょっと、何する気?」
「お前も知りたいんだろ?デッドラインについて。だったら怪しいヤツ取っ捕まえて何か聴くだけでもいい」
「ちょ、ちょっと!!」
高野がメイから離れた途端、何故か彼女が叫んだがそんなものは気にならない。それよりも何故デッドラインを追う側のメイがその人の存在を知っているのか。そもそもデッドラインの鍵と呼ばれる人物を誰が用意したのか。何故そんな人間が存在するのか。それらの疑問が無限に出る湧き水のように次々と表れる。
普通にしていれば影の薄い高野が、その女性の後ろにぴったり張り付くことなど容易である。
「なぁアンタ、ちょっといいか」
高野は真後ろからその女性に声をかける。だが、反応はなく相変わらずの少し早いスピードで歩くのみだ。
「ちょ、無視かよ……。おい、ちょっと待てって!!」
今度は少し声を出してみた。が、それでも無反応だ。
「なぁ!ちょっと話があるんだってば!!!」
更に声を上げて腕を掴む。
その女性は押さえられたのに加え、触れられた手の強さにびくつかせて反射的に体を止め、振り向いた。
「えぇっ!?どちら様?」
落ち着きのある、静かな声だった。身なりも相まって非常に大人しそうだ。
少し速かった歩行ペースと、普段出さない大声とによって呼吸が乱れた高野は到底自分は運動は無理だと感じながら「いきなりすまない」とまず始めに言ってみる。
「それで、あなたは私に何の用?」
傍から見れば不審者でしかないそれに、そう言われるのは当然である。
「あ、あのさ……」
声を掛けて顔を見て高野は初めて気づく。
何から会話を始めればいいのかと。
(あれ?待てよ?こんな時どのように会話を始めたらいいんだ?此処凄いですねぇとか、大会面白そうですねぇとかか?いやいや、それじゃあ俺がコイツに声かけた理由としては怪しすぎる!ってかこれ最早ナンパにしか見えねーよ!なんか清楚そうな見た目だから尚更に!)
頭の中で自分と会話しているが為にグルグルと様々な単語が回る中、高野はチラッと目線を上げるようにしてその人の顔を見た。
眼鏡をかけているというイメージもあってか、すごく知的で真面目そうなのが表情を見て取れるようだった。整っている顔も相まっている。髪型はポニーテールと言えばそうなのだが、伸びてしまったからとりあえずポニーテールにしておこうとしているみたいで、結んだ髪先もやや長かった。
加えて長身である。170より少しある自分と比べてほぼ同じくらいであった。
総じてとっつきにくそうな印象である。掛ける言葉も見当たらないので思い切って言いたいこと、知りたいことをぶちまける事にした。
「ウワサで聞いたんだけどさ、アンタデッドラインの鍵って本当か?だったらさ、少し教えて欲しいことが……」
そのキーワードを聞いた瞬間、女の表情は固まった。
いきなり声を掛けてきた'変な人'から、'関わるべきでない敵'へと彼女の中でシフトしているように。
「……でさ、まず教えて欲しいんだけど、デッドラインの鍵ってまず何?」
もう目の前の男の声は聞こえなかったようだ。ただ本能に従って体が動くのみ。
ポケットからモンスターボールが取り出される。
「おい、聞いてる?だからデッドラインの……って何ボール出してんの?」
何か言っていたようだが耳には入らない。ただただ憎しみ、怒りに駆られるだけだ。
躊躇なくボールを手前に落とし、ポケモンを呼び出す。
「……エレキブル?」
女と高野の距離が近いので、女は丁度高野の隣にエレキブルを立たせるようにしたようだ。その為にボールを投げたのではなく、落とした。
「な、なんで今エレキブルなんか……?」
高野の意識がエレキブルに集中したその時、ボソッとした声が左耳が捉えた。
「黙れ……二度とその単語を言うな……」
「えっ、何だって?」
一瞬女の方へ顔を向けた時だ。エレキブルの腕が光り輝いたと思ったら、拳を握り、それが間髪を容れずに突き出された。
つまり。
目の前で何が起きているのか、頭が処理を終える前に高野はエレキブルに殴られる。
やや離れたメイからも、インパクトの衝撃が、ドン!という痛そうな音が聴こえた。
「なっ……えっ?」
2mほど吹き飛んだ高野はコンクリートの地面に叩きつけられて倒れる。
「ぐっ……がはっ……ゲホッ!!」
痛みと呼吸の乱れで咳が出た。全身を打ったせいで痛い事は痛かったが、殴られた拍子に吹き飛ばされた事に1番驚いている様子であった。
仰向けになった高野は顔だけを動かす。
エレキブルをボールに戻す女の姿が見えた。
そしてそのまま、何事も無かったかのように再び歩き出す。
「ま、待て……」
聴こえたのかすらも怪しかったがその女に向けて言ってみる。
すると、聴こえたのか、それとも唇の動きで何か言っているの事に気づいたのか、それとも後ろからもう一人女性が高野に向かって走ってきたからなのか。それらを察して女は憎たらしそうに、そしてそれまでの清楚で大人しそうなイメージから離れるような、まるでこの世の悪の権化をも思わせるような、その睨みだけで人でも殺せそうな目付きで高野を睨むと、
「二度とその言葉を使うな……っ。私の日常と、未来を奪ったそれを……」
「えっ?」
離れていたせいですべてを聴き取った確証が無かったために聞き返そうとしたが、それを無視して女は歩き去ってしまう。
メイが駆け寄って体を起こすのを手伝ってくれた。
「大丈夫?」
「悪ぃ。聞き出すのに失敗した」
メイが心配したのはそこではなかったが、一連の流れから見て確信へと繋がるものが二人にはあった。
「まさかいきなりポケモン使って殴ってくるとは思わなかったけど……お前は大丈夫だったか?」
「大丈夫に決まってるでしょ。私は何もしていないもの。彼女が何者なのか気になるところだけど、ひとつの犠牲があったお陰で知り得たものがあったわ」
「おい待て。その犠牲って俺か?俺のことか?」
自分でも分かりきっていることをわざわざ言ってみるが、笑顔で頷いてくれたので軽く舌打ちしてみる。
「単語聞いただけで拒否反応を示しやがった……。あいつは確実に、」
「えぇ。デッドラインの鍵、若しくはデッドラインに何かしらの関与がある人間ね」
- Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.288 )
- 日時: 2019/02/03 13:26
- 名前: ガオケレナ (ID: LaqAx/EG)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
二人はその後、静かな雰囲気の飲食店で軽食を済ませながら会話を続けることにした。
店に入る前、高野は此処には本当に様々な店があるものだと思わせられた。
「さっきの女に話しかけたせいで一瞬忘れてたが今思い出した。お前さ、デッドラインを追ってるんだろ?」
高野は特に何かを食べる事はせず、コーヒーだけを頼んで今片手に持ちながら話を続けている。
「えぇそうよ。今日ここに来た理由の一つに、デッドラインに関わる情報が手に入ったらいいな~なんて思ってたし」
対してメイは具がそれなりに乗っている分厚いサンドを食べている。彼女は休まずに食を進めているが、高野からしたら見るだけで胃が重くなりそうになる。
「じゃあ聞くけどよ、ただ噂話だけが横行している存在を追うにあたって、何故さっきの女が鍵だって事を既に知っていたんだ?俺からしたら不自然でしか無いんだが」
「あぁ、それかぁ……」
メイは一度手を手を止め、目を少し泳がせる。まるで何か考え事をするかのように。
「じゃあ私からも聞くけれど、どうしてあなたはジェノサイドを解散させたの?何故解散させるまでスムーズに事が運んだの?」
「人の話聞けよ。まず俺が聞いてんだよ。それにその話は今とは全く関係ないだろ?何の脈略のない事を……」
「あなたが先に答えなければ、私も答えない」
「てめっ……ふっざけんなよ。こっちはただでさえ恐ろしい思いしながらここまで来てるってのに……っ!?」
その時、高野は彼女のありきたりな反応を見て裏に気付いた気がした。熱くなってコーヒーを零しても困るのでまずはカップをテーブルに置く。
「お前……、要するにそれは今は言えない秘め事でもあるだろ?」
メイは分厚いサンドを食べるため、前屈みになって顔を皿に近付けるようにして食べていたが、高野のその言葉によって口が止まり、一瞬上目遣いのような目で彼を見ると、またすぐに意識は目の前の食べ物に移る。
「勘が鋭いのか、ただいやらしいのか……」
「どうなんだ?俺とお前が初めて会ったのは昨日。しかも大学の前でお前が待ち伏せていてな。それによって今俺はお前と居るんだが。どうも都合が良すぎると言うか何というか……ただお前のペースに乗せられている気がするんだよ」
メイは遂に自分が頼んだサンドを平らげた。顔を上げながら口に手を添えて零さないように意識を集中させる。
「ほんなに、わひゃひにふいてふのがほわいの?」
「……頼むから日本語か人間の言葉で話してくれ。流石の俺も外国語は知らん」
「そんなに、私について行くのが怖いの?」
「それが言いたかったらあとからゆっくり言えよ……」
やや呆れながら高野はカップを持ち上げてコーヒーを少し口に入れる。
「怖い、ねぇ。さぁて、そんな事を怪しい人にわざわざ言うか?言ったとしてもそれはそれで問題だろ。どんだけ構ってちゃんなんだよ」
「ちゃんと答えてくれるかどうかには期待していないよ。ただ、私もまだあなたがどんな人かあまり知らないからね。最近の経歴も相まって」
最近の、とは恐らくジェノサイド解散についての事だろう。高野にはそれがすぐ何を表しているかを理解した。
「お前は俺に何を期待してんだよ。自分の目的にちゃんと動いてくれる手足が欲しいとか?だとしたら尚更俺に付き纏う理由はなくなるぞ。何度も言うが俺はデッドラインを知らないからな」
「でも、あなたはデッドラインの鍵と接触してくれた」
「なるほど、俺と居れば自分は何もせずに事が運ぶから引っ付いていく訳か。通りで絶妙なタイミングで体を震わせて一歩も動こうとしなかったわけか」
「あんたさ……何でそんな捻くれてる訳?」
流石に穏やかな性格のメイも今の言葉にはカチンと来たようだ。他人を思いやらない無情な発言と彼の無表情ともとれるその顔が更に際立つ。
「悪いな、俺は人を信じたらそれだけで死ぬような環境で生きてきてたんだよ。これまでに誰も信じなかったし誰も思いやろうとはしなかった。だからこそお前を疑うのは当然だろ?お前の前には誰が座っている。ジェノサイドだった男だぞ?」
「だったら何故あなたはそのスタンスを引きずるの?もうジェノサイドでないのならばそれを気にすることもないじゃない?」
「そう簡単に人の性格が変わるかよ」
「無理でしょうね。でも、周りの人と、今ある環境と自分の強い気持ちがあればいくらでも変えられるじゃない?」
「……?何が言いてぇ」
「ついて来て」
メイは椅子から立ち上がる。丁寧に自分が支払う分を既に手の中で握らせている。
「確か最初に言ったと思うの。あなたの身と日常を守るって。その為の場所に行くのよ。ついて来て」
言われるがままに高野も立ち上がる。自分の心の内を、少なからず勇気を出して言ったのに向こうの本音は聞き出せなかった。
それだけで自分が不利に思い、損をした気分になり、益々信じろと言われても信じられなくなってしまう。
- Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.289 )
- 日時: 2019/02/05 22:50
- 名前: ガオケレナ (ID: f9c/TndF)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
代金を払って飲食店から出て彼女に黙ってついて行くと、最終的には古そうな民家の前に到着した。
一応ここから大会の会場であるドームは見えるが大分遠い。どうやらこれまで来た道とは真逆の方向に、ドームの裏側をひたすら歩いてきたようだ。
「さぁ、ここよ」
と言ってメイは木造の古い民家を指さす。最早これが何かすらも予想がつかない。
見るからに放置された小屋にも見えてしまうからだ。
「……いや、なにコレ。捨てられた家か何かか?それとも俺にここに住めってか。確かに身バレはしにくいだろうがいつ崩れるか分からないこんなボロい家なんか住みにくいってかそもそも住めねぇだろ!」
「誰が民家なんて言った?」
「……え?」
高野の発言にただきょとんとするメイの態度が気にかかる。
本人は至って真面目に喋ったはずなのにその反応が薄すぎるからだ。
「まぁいいわ。とりあえず入ろう」
「いやおいちょっと待てって……」
苦い顔をしている高野を無視してメイはボロい建物の割に綺麗な木の扉を開ける。
念のためゆっくり開けたが、扉の動きは気持ちが良かった。案外この建物は古くないのかもしれない。
扉の向こうは何かの工房のように見えた。
開けた空間の中に、あらゆる道具を床に放置しただ散らかっているだけなのにどこかメカニカルなイメージを与えてくる。
それに加え、床も壁もすべてを木材で統一している。露わになったそれは耐久的な意味で不安を覚えさせるが、同時に心地よさをも生む。会場を含めたドームシティは緑地と住宅地をさらに開発したものだ。まるでここはその緑地の名残であるかのようだ。厳密には違うが、デザイン的にそんな風に思わせられる。
低い木のテーブルに肘を付いて小さい部品のような物を眺めている老人の姿が見えた。
この工房の人間だろうか、額にゴーグルを掛けている。
扉に鈴がついていたからメイが開けた時には鳴ったはずであるが、どうやらこの老人はその事にも気がついていないようだ。
意識を集中させて白くて小さい玉を眺めている。
「こんにちは、おじいちゃん」
と、言ってメイは老人の目の前、テーブルに懐中時計をコトン、と置いた。
それで初めて気がついたようだ。
「お、おぉ!久しぶりだなおめぇさんよ。お?どうだ?元気してたか?」
「まぁね」
メイはそこら辺に放ってあった小さめの丸椅子を押してテーブルの前にまで持ってくるとそれに座った。
そのまま彫って作ったのか、その丸椅子も木で出来ている。テーブルと同じく加工品が混ざっていない100%木製だ。
「そんでおめぇさんよ、その懐中時計の調子はどうよ?」
老人はテーブルから肘を離し、普通に座り直すとそんな風に聞いてくる。
少し離れた位置から二人のやり取りを見ていた高野には何の事を言っているのかさっぱり分からない。
「勿論いいわよ。普段は時計として使えるのにメガシンカのデバイスまで付けてくれるなんて。流石江戸っ子の職人ね」
「よせやい。おれァ生まれが下町だったってだけで別に江戸っ子を名乗った覚えはねぇよお」
「メガシンカ……?」
散らばった道具や壁にかけてあった鋸などを見ていた高野の耳に突如ここで聴くには不自然すぎるワードを掴んだ。
「おい、それってどういう……」
高野は彼らに近づき歩き始めたのと、老人が高野の存在に気づいたのは同時だった。
「ん?おめぇさん誰だ?今日は二人も客がいるのか?」
「えぇ。丁度良かったわ」
メイは椅子から立ち上がり、高野の隣に立つと彼を指さす。
「実は今日の客は私じゃなくてカレなの。高野洋平くんって言う私の友達よ」
「おいお前いつ俺が友達に……ッッ!?」
言っている途中にメイから肘打ちを食らう。丁寧にきちんと脇腹を狙っていた。
「ほぉー……?おめぇさんが今日の客か。と、なるとお目当ての物はおめぇさんと同じ物でえぇんだな?」
「えぇ。私と同じものじゃなくていいからとりあえずデバイスの方を改造して欲しいの」
「おいちょっと待てお前ら。何客であるらしい俺を差し置いて勝手に話進めてんだ。説明しろ」
その瞬間、真顔になったメイはあたかも面倒臭いと言うのを目で言った後、高野の方へ振り向く。
「紹介するね。この人は大貫銀次。ぎんじおじーちゃんって皆呼んでるわ。彼は'ある'種の職人でね、特に今はメガシンカに使うデバイスを……キーストーンをアイテムやアクセサリーに組み込んでそれを作る仕事をしているの」
なるほどと心の中で呟いたのちに二、三度頷いてから老人もとい大貫を見た。
白い口髭を蓄えた、いかにも優しそうなお爺ちゃんといった身なりだ。彼も深部の人なのかと逆に疑いたくなる。
「それでね、おじいちゃん、彼は高野洋平。大学生よ。既にデバイスを持ってはいるんだけど、飽きたとか何とかでおじいちゃんの手を貸して欲しいの」
「てめ……適当な事を……」
高野は恨めしそうにメイを睨むも、大貫へ笑顔を振り撒いているため気付いていない。
大貫は理由が理由だったからか、高野を軽く怪しそうに見つめると手を出してきた。
「ったく……物は大事に扱え。そんなつまらねぇ理由で改造なんて依頼するなや。だがまぁいい。出しな」
「?」
高野は何に対して言っているのか分からなかったのでその場で固まってしまう。
「デバイスよ」
メイが隣で耳打ちして彼の鞄を差す。中には杖を改造したメガワンドが入っている。
「……あー、あれね。そうかそうかそういう事か」
高野は独り言のように呟くと、ことを理解したのか何の躊躇いもなくメガワンドを大貫に渡した。
「ほいよ。じゃあこれは預かった。暫くしたら連絡するからまた来な」
「あ、ちょっと待っておじいちゃん!ねぇあのさ、あなたって目はいい方?」
話を遮り、メイは高野の目を見つめる。
大きい瞳に見つめられるのは苦手であるからか、やや目を逸らしてそれに答える。
「いや、目は悪いな。裸眼じゃ何も見えねぇ。今もコンタクト付けてるし」
「そう、分かった。じゃあおじいちゃん、眼鏡の型で頼める?」
唐突の注文に高野は驚きながら咄嗟に大貫へ振り向く。だが彼は顔色一つ変えずに、
「それくらいお安い御用だ。おれぁそれくらい簡単に作ってやらぁ」
と、言うと壁に掛けてある道具を幾つか外して工具のキットを何処からか持ってくると小さいテーブルの上に広げる。
小さいテーブルのため細かい部品や道具が散らばりつつ床へと落ちた。散らかっているのはこの為だったようだ。
「悪ぃな。作業中は気が散るってもんだから出てってくれるとありがてぇ」
「あぁ、そう言えばそうだったわね。ごめんね。また来るね~」
半分無理矢理に高野の腕を掴んでメイは扉を片手で押しつつそれを開けて外へと出て行く。
扉を閉めると同時に掴んでいた腕を離した。
「いきなりでごめんね。でも、私が何故此処に連れてきたのか分かったんじゃない?」
もしもここで理解が出来ていなかったら彼女の顔は膨れていたことだろう。
だが、高野の表情は至って穏やかであった。
「まぁな。お前、俺を元ジェノサイドと悟られない為に象徴でもあった杖を改造に出したんだな」
「そんな所かなー。私に感謝しなさいよ?」
口元が緩んでいるメイだが、高野は感謝の意を述べるどころか、迷惑そうな口振りで、
「元はと言えばお前が俺に参加しろとかしつこく聞いてきたからだろうが。俺がここでありがとーなんて言うのはちょっとばかしおかしい」
「相変わらず可愛くないのねー……」
鬱陶しそうに答えたものだからメイは残念そうに溜息を吐く。
「テメェは俺に何を求めてんだ!!」
「まーまー、とにかく今はデバイスの改造に時間がかかるわ。その間に他行きましょう。次は服装ね。あなた、大会中もジェノサイドのローブを来て参加するなんておバカな事はしないわよね?」
「そんな無意味な事するわけねぇだろ。私服ならいくらでもあるからいらねぇっつの」
等と言ってはみるものの、またしても腕を引っ張られて無理矢理歩かされるものだから仕方なくもう少しは彼女のペースに付き合うことにする。
何を言っても無駄である事を悟ったが故である。
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