コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- アイドルな彼氏に猫パンチ@
- 日時: 2011/02/07 15:34
- 名前: め〜にゃん (ID: AO7OXeJ5)
今どき 年下の彼氏なんて
珍しくもなんともないだろう。
なんせ世の中、右も左も
草食男子で溢れかえってる このご時世。
女の方がグイグイ腕を引っ張って
「ほら、私についておいで!」ぐらいの勢いがなくちゃ
彼氏のひとりも できやしない。
私も34のこの年まで
恋の一つや二つ、三つや四つはしてきたつもりだが
いつも年上男に惚れていた。
同い年や年下男なんて、コドモみたいで対象外。
なのに なのに。
浅香雪見 34才。
職業 フリーカメラマン。
生まれて初めて 年下の男と付き合う。
それも 何を血迷ったか、一回りも年下の男。
それだけでも十分に、私的には恥ずかしくて
デートもコソコソしたいのだが
それとは別に コソコソしなければならない理由がある。
彼氏、斎藤健人 22才。
職業 どういうわけか、今をときめくアイドル俳優!
なーんで、こんなめんどくさい恋愛 しちゃったんだろ?
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- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.257 )
- 日時: 2011/07/29 18:05
- 名前: 結南 ◆XIcxIbyC92 (ID: u/FYQltH)
- 参照: ❤
数日前から見てます!すっごいおもしろいっ゜+.*サッスガァ━━━d(≧U≦●)━━━★*.+゜
これからも更新頑張ってください^^
応援してます(ノ*>□<)ノ{ガンバレ〜〜〕
- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.258 )
- 日時: 2011/07/30 14:43
- 名前: め〜にゃん ◆qUW4buJWjM (ID: nVQa3qMq)
「うそっ!当分の間休業します、って一体どういう事!?」
健人と雪見は、たった紙切れ一枚張られた店の前に、茫然と立ち尽くしていた。
ここに来たいと思いつつも忙しくて来れなかった間に、一体何があったと言うのか。
「改装工事でもするのかな?」
「いや、だったら詳しく何月何日リニューアルオープンとか、普通書くでしょ。
黒服の執事さんがいた事務所の方にも行ってみよう。」
『HNK』と書かれたドアの前にも、まったく同じ張り紙がしてあり、入り口には鍵が掛っている。
何の説明も無いたった一行だけの張り紙に、二人は言いようのない不安を感じた。
「当麻も多分知らないだろうね。きっとびっくりするよな…。
今日はここにいてもどうしようもないから、取りあえず帰って仕事の準備をしよう。」
「そうだね。」
午後六時からの仕事は健人、当麻、雪見の三人で、音楽雑誌と芸能月刊誌二誌の
合わせて三つの取材が入っている。
アーティストとして受ける初めての取材なので、普段は取材慣れしている健人であっても
珍しく少々緊張気味であった。
「だってさ、まだレコーディングもしてないのに取材だなんて、一体何を話せっちゅーの?
話の材料が少ない取材って、俺の一番苦手な仕事だよ。」
雪見が作ったおにぎりを食卓で頬張りながら、健人は仕事を受けた事務所に対して不満を漏らす。
「健人くんにも苦手な仕事ってあるんだ!なんか意外!
俳優の斎藤健人って、何でもそつなくこなすイメージなんだけど。」
着替え終った雪見が、ピアスを付け替えながら健人の方を見た。
「ゆき姉まで俺のこと、そんな風に見てんの?
俺、みんなが思うほど万能じゃないよ。出来ないって思う事だって、
ほんとはたくさんあるのに…。」
少し口を尖らせ、視線を下げる健人。。
雪見までもが自分のことを理解してくれないのか…。
そんな寂しさがにじんだ横顔だった。
雪見は、椅子に座ってうつむく健人におんぶするように、後ろからギュッと抱き締めた。
「知ってるよ。俳優の斎藤健人になってる時って、苦手な事も普通の顔して出来ちゃうでしょ?
別に無理してるわけでもないけど、頑張れちゃうんだよね?
だったら、それはそれでいいじゃない!
仕事が終って素の自分に戻った時は、なーんにも出来ない健人くんでいいよ。
もっと私に甘えてくれてもいいのに。」
「じゃ、キスして!」
「え?」
「今日の苦手な取材も頑張れるようなキスをして!」
「そうきたか!仕方ない。チュッ!これで頑張れる?」
雪見は健人の後ろから右のほっぺたにキスをした。
「えーっ!そんなんじゃ無理!頑張れない!」
健人が笑いながら子供みたいに駄々をこねる。
いつもクールで冷静沈着、Sキャラで理系頭、と世間が思い描いているイケメンアイドル
斎藤健人が、雪見だけに見せる子供みたいにちょっとすねて甘えた表情。
こんな素顔が見られた時、雪見は改めて、自分はまだ健人の中で特別な存在なんだ!
と嬉しくてたまらなくなる。
が、悲しいかな雪見の性格上、いや、年齢のせいも多分にあるのかもしれない。
素直に嬉しいを表現出来なくて、口を突いて出て来るのはいつもこんな可愛げのない言葉だ。
「しょーがないなぁー、もう!」
そう言ってしまった後、以前真由子に言われたことが頭をよぎりハッとする。
『あんたも少しは健人に、恋人らしく甘えた顔を見せなさい!
じゃないと、ただのお姉さんになっちゃうよ!』
お姉さんじゃヤダ!と思いながら、雪見が健人の前に回りキスをしようとした時、
いきなり健人が雪見を抱きすくめた。
「ずっと俺のそばにいてね。ゆき姉がいないと俺、頑張れないから。」
健人の言葉が嬉しくて、感じられる温もりが暖かくて、思わず涙が溢れてきて困った。
今日も健人は私のそばにいてくれる…。そんな安堵感から溢れた涙であった。
「えっ!どうして泣いてんの!?なんか嫌な事でも誰かに言われたりした?」
慌てた健人が雪見を問いただす。
「違う違う!そんなんじゃない。健人くんが泣かせるセリフを言うから…。」
毎日一緒にいても不安だとは、健人には言えなかった。
だが少なからず健人も、雪見と同じ不安を抱えて暮らしていると思った時、
本心を打ち明けて思いを共有すべきなのか迷った。
が、健人の優しいキスが、雪見を思い留まらせる。
『毎日が不安だなんて言ったら、健人くんが余計不安になる。
そんなこと、今の忙しい健人くんに言っちゃいけない。
精神的に健人くんを支えて行くのが、私の役目なんだから…。』
「大好きだからねっ!ずっと一緒にいるから。
私がいて健人くんが頑張れるなら、ずっとそばにいるよ。」
ギュッと抱き締めたあと、もう一度健人のほっぺたにキスをした。
自分の役目をきちんと果たすように…。
「今日から健人くんと当麻くんと、三人での仕事がスタートするんだね!
明日は三人で『ヴィーナス』のグラビア撮影だし、レコーディングもPV撮影もこれからあるし、
きっと楽しい毎日が待ってるよ!」
「そうだね。ゆき姉と当麻と三人で仕事するなんて、夢みたいな話だもんね。
俺、ほんとは不安だったんだ。
ドラマも映画もあるのに、その上アーティスト活動なんて無理なんじゃないかって。
俺にそんな能力なんて、ないんじゃないかって。
でも、今やっと大丈夫なような気がしてきた。だって、ゆき姉と一緒だもん!」
「そうそう、その調子!私も負けないように頑張らなくちゃ!」
その時、健人のケータイに今野からの連絡が入った。
「今野さん、着いたって!じゃ、行こうか。」
二人はめめとラッキーの頭を撫でて、「行ってきます!」と玄関を出る。
注意深く急いで今野の車に乗り込み、「おはようございます!」と揃って挨拶したら
今野が後ろを振り返り、ニヤッと笑って言った。
「おはよう!お二人さん。久しぶりにゆっくり休めたか?
健人!ほっぺたに口紅付いてるぞ!」
「うそっ!?」
慌てて健人がほっぺたを拭い、雪見は健人の右頬を確認する。
「あははっ!お前ら、前にも引っ掛らなかったっけ?単純だねぇ!
この先、ほんとに忙しくなるから、二人で頑張って乗り越えろよ。
じゃ、行くぞ!」
今野は二人にとって、最高のマネージャーに違いない。
- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.259 )
- 日時: 2011/07/30 14:54
- 名前: め〜にゃん ◆qUW4buJWjM (ID: nVQa3qMq)
結南さんへ
初めまして!
私のお話、読んで下さってありがとうございます!
長いお話になっちゃったから、なんか読んでもらうのが申し訳なくて。
多分まだゴールには遠いので、これからも暇があったら覗いてやって下さい。
お互いに頑張りましょう!
では、また…。
- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.260 )
- 日時: 2011/08/01 22:27
- 名前: め〜にゃん ◆qUW4buJWjM (ID: nVQa3qMq)
「よっ!お疲れ!当麻、早かったじゃん!もう終ったの?CM撮影。」
スタジオに到着した健人が、すでに来ていた当麻を見つけ嬉しそうに歩み寄る。
「うん!この仕事が楽しみだったから、NGなしで頑張った!あれ?ゆき姉は?」
「メイク室で変身してるよ、『YUKIMI&』にね。
そうだ!当麻、知ってた?『秘密の猫かふぇ』休業中だって!」
「うそっ!?マジで?いつまでの休業?俺、来週にでも三人で行きたかったのに!」
初耳だった当麻は、信じられない!という顔をして驚いた。
「張り紙はしてあったけど、詳しい事はなんにも書いてなかった。
どうしたんだろ、いったい…。」
三人にとって大事な大事な場所だったのに。
健人は何事も無く、また開店の日が来ることを祈っていた。
「そうだ!今度、俺のドラマのゲストにみずきが来るんだ!
今週の木曜あたりの撮影だったと思うから、会ったら聞いてみる!
あいつならなんか知ってるだろうから。」
当麻が言ってる『みずき』とは、今は海外でも活躍してる女優の華浦みずきの事。
以前『秘密の猫かふぇ』で、祖父であり大俳優でもある津山泰三と一緒にいる所に出会い、
雪見、健人と三人でドンペリをご馳走になったことがある。
そのみずきの祖父は、『秘密の猫かふぇ』オーナーの大親友で、みずきにとっては
オーナーが第二のおじいちゃん!と言っていた。
だが、確かあの時オーナーは入院中で、あまり思わしくない状態にみずきが涙してたはず…。
健人も当麻も、みずきの名前によってあの日の事が蘇り、二人同時に最悪の事態を
思い浮かべてしまった。
まさか…ね。
その時だった。
ガチャッ!という音の後にドアが開き、メイクをして衣装に着替え終った雪見が入って来た。
三月一杯まで『ヴィーナス』の吉川編集長が、進藤と牧田を雪見専属ヘアメイクと
スタイリストに付けてくれたのだ。
『YUKIMI&』のキャラクタープロデュースを担当する夏美と、何度も打ち合わせをした二人は、
今日の雪見も完璧に仕上げてくれた。
一瞬、ざわついていたスタジオに静寂が訪れる。
その場にいた雑誌記者や撮影スタッフが、初めて会った『YUKIMI&』に
目を奪われていた。
「ヒュ〜ッ!さっすが進牧ペア!ゆき姉を知り尽くしてるもんね。まご…。」
「馬子にも衣装!って言いたいんでしょ!当麻くん。」
雪見がじろっと当麻をにらむ。
「ち、違うって!まごまごしてられないから、俺たちも着替えようって、
健人に言おうとしたの!健人、俺たちも早く準備してこよう!」
そそくさとスタジオを出てメイクルームに向かおうとする当麻の後を、
健人が笑いながら付いて行く。
雪見とすれ違いざま、「めっちゃ可愛いよ!今すぐチューしたいくらい!」
と健人が耳元でささやいたので、
雪見は誰かに聞かれはしなかったかと、ドキドキしながら辺りを見回した。
健人と当麻の準備も終わり、いよいよアーティストとして初めてのグラビア撮影開始!
今日はこのスタジオで、音楽雑誌一誌と芸能月刊誌二誌の取材と撮影を、順番にこなす。
まずは音楽雑誌のグラビア撮影。巻頭見開きで三人が載るそうだ。
本当は雪見と健人たちは、まったく違った活動をする予定なのだが、
なぜかどこの取材も、三人セットでの依頼だったらしい。
まぁ、事務所的にもその方が、無名の雪見を売るには都合がいいし、
雪見たちにしたって三人一緒だと、心強いし楽しかった。
この音楽雑誌には雪見はもちろんの事、健人と当麻も初登場なので、
カメラマンを始めその場にいたライターやスタッフ一同、全視線が三人に注がれる。
だが、三人でのグラビア撮影は石垣島で経験済みだし、雪見も今では
『ヴィーナス』のモデル並みに仕事をこなせるまでになっていたので、
次々と息の合ったポーズを決め、グラビア撮影に関しては何の問題もなく終了。
撮影が終った後も、誰もが三人の格好良さに見とれたままだった。
その後はスタジオ隅にある応接コーナーに移動し、インタビューに突入する。
インタビュアーは二十代後半の女性。
健人と当麻に会うために、思いっきりキメて来ましたぁ!という印象だ。
案の定、二人の方ばかりを見て、少しも雪見とは目を合わせようとはしない。
だがこんな状況にも、近頃雪見は慣れっこだ。
いちいち憤慨していたのでは身が持たないと悟ってからは、随分と気が楽になった。
「まずはCDデビュー決定、おめでとうございます!今のお気持ちを聞かせて頂けますか?」
当麻 ありがとうございます!今はもうワクワクしてますね。
早くレコーディングしちゃいたい!
健人 俺は正直言って、つい何時間か前までは不安だらけだった。
ドラマも映画の撮影も詰まっているのに、その上アーティスト活
動なんて無理じゃないか、って。自分にそんな能力があるとも思
えなかったし…。
けど、ここに来る前にある人に助言されて、気持ちが切り替わっ
た。今は早くツアーに行きたい!
当麻 え?そこまで変わる?(笑)
「誰ですか?そこまで健人くんの気持ちを変えたのは?」
健人 秘密!教えてあげない。俺の人生において、重要な鍵を握ってる
人である事は確かです。
当麻 お母さんかなぁ?お父さんかなぁ?(笑)
雪見 ……。(無言)
「じゃ、デビュー曲について教えて下さい。」
当麻 待った!その前に、まだゆき姉の感想聞いてないでしょ!
俺たち三人でツアーするんだから、ゆき姉の存在は重要ですよ!
「し、失礼しました。雪見さんの今のお気持ちは?」
雪見 んー、私にあんまりかまってくれなくていいです!
どうせ大した事、話せないし…。
当麻 ダメダメ!『YUKIMI&』がそんなキャラじゃ!
健人 そうだよ!一緒に頑張るって、さっき約束したじゃないか!
雪見 だって…。
どうにも雪見のテンションが上がらぬまま、一本目の仕事は終了してしまった。
あと二本の取材が待っている。
ため息をつく雪見に、健人と当麻は何か秘策を思いついたようだった。
- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.261 )
- 日時: 2011/08/02 18:58
- 名前: 結南 ◆XIcxIbyC92 (ID: A7M9EupD)
「この小説読みたい!」と思えば長いとか短いとか関係ないですよ☆
これからも見るので頑張ってください。
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