コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- アイドルな彼氏に猫パンチ@
- 日時: 2011/02/07 15:34
- 名前: め〜にゃん (ID: AO7OXeJ5)
今どき 年下の彼氏なんて
珍しくもなんともないだろう。
なんせ世の中、右も左も
草食男子で溢れかえってる このご時世。
女の方がグイグイ腕を引っ張って
「ほら、私についておいで!」ぐらいの勢いがなくちゃ
彼氏のひとりも できやしない。
私も34のこの年まで
恋の一つや二つ、三つや四つはしてきたつもりだが
いつも年上男に惚れていた。
同い年や年下男なんて、コドモみたいで対象外。
なのに なのに。
浅香雪見 34才。
職業 フリーカメラマン。
生まれて初めて 年下の男と付き合う。
それも 何を血迷ったか、一回りも年下の男。
それだけでも十分に、私的には恥ずかしくて
デートもコソコソしたいのだが
それとは別に コソコソしなければならない理由がある。
彼氏、斎藤健人 22才。
職業 どういうわけか、今をときめくアイドル俳優!
なーんで、こんなめんどくさい恋愛 しちゃったんだろ?
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- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.182 )
- 日時: 2011/06/05 14:32
- 名前: っこい (ID: ZpTcs73J)
きいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.183 )
- 日時: 2011/06/05 14:32
- 名前: ぽ (ID: ZpTcs73J)
もう無理
- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.184 )
- 日時: 2011/06/05 14:33
- 名前: ぽこううう (ID: ZpTcs73J)
ぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.185 )
- 日時: 2011/06/05 14:44
- 名前: 種井 鈴 (ID: ZpTcs73J)
黒幕的なキャラ
花岡 美鈴
職業 資産家
セレブ向きの超有名ファッションブランドを設立した。
カレンと同じくハーバードに入ったけど。もう、頭よさ過ぎて困っちゃう。 経済学、心理学を学んでいて、相手の1時間後にいう言葉まで予測できちゃう。 美人で勝ち組。
性格 冷静巾着。 どんな状況にあっても焦りを感じさせないたとえそれが図星でも。
カレンの部下だったが、あっけなくやられたカレン?をバカにする。ほとんど遊び感覚でやってるようなもの。
「やられたのか?ふん。ばーか。 あんな心理テクニックでやられるなんてなwww」
「斉藤健人…?ふーん。あいつの恋人か。こりゃどうも。私はこいつの被害者です。」
「こいつら、ビジネスには十分利用できるな。」
「まぁ、いいさ。こいつなんかもともとお目当てじゃないし。そんじゃ。」
- Re: アイドルな彼氏に猫パンチ@ ( No.186 )
- 日時: 2011/06/06 12:45
- 名前: め〜にゃん (ID: AO7OXeJ5)
「おかしいな…。どうしちゃったんだろ…。」
カレンが独り言のようにつぶやく。
その大きな瞳からは真珠のような涙が、ぽろぽろと落ちては膝を濡らした。
どうやらカレンは、お酒が入って心が緩んでしまったようだ。
最初の一杯で止めておけば良かったものの、雪見の心理作戦にまんまと引っかかり
自らシャンパンを、ボトルで頼んでしまったのが間違いだった。
きっとカレンは、雪見ほどお酒に強くはないのだろう。
その証拠に、カレンをあまり酔わせると試合がドローになってしまうと思い、
ボトルの三分の二は雪見が意識して飲んだのにも関わらず、
雪見はしらふと変わらぬ平静さを保ってる。
と言うか、お酒が入ったお陰で、雪見もいい具合に心のしこりが柔らかくなっていた。
ここへ来る前には殺気立つほどの怒りだったのが、お酒を飲んだお陰で
返って冷静さを取り戻し、カレンに一番良いと思われる方法で
事態を収束へと向かわせることが出来そうだ。
カレンの一度切れてしまった緊張の糸は、そうそう簡単に繋がるものではなかった。
本人的にはまだ負けてなんかいないつもりで、精一杯の毒を吐いてはくるが
自分の意志に反して溢れる涙は、どうにも止めようがないらしい。
拭っても拭っても新しく生まれ出る涙が、少しずつではあるがカレンの
心をも洗い流し、自分自身を客観的に見つめる瞬間を作ってくれる。
今まで自分を振り返ることなく、ここまで突っ走ってきたカレンにとって
その時間はとても大切なものであると、雪見は黙ってカレンを見守った。
「私…。なんだか疲れちゃったな…。頑張るの、疲れちゃった…。」
ぽつりぽつりとカレンが、あくまでも独り言だから、と言うように
雪見の存在を無視して話し出す。
「小さい頃から、ママがいつも私達に言ってた。
女の子は何でも一番いいものを手にしなさい、って。
そうしたら一生幸せに暮らしていけるのよ、って…。
一番人気のブランドの服を着て、一番人気の塾に通って
一番格好いい人を彼氏にする。
けど、どんなに頑張っても、お姉ちゃんには勝ったためしが無かった…。」
そう…、とだけ小さな声で雪見が相づちをうつ。
カレンは、気の抜けた残りのシャンパンを飲み干した。
「ママが言ってたことって、ホントかな…。
ちっとも幸せなんて、感じた事がない。
幸せってどんな気持ちだったっけ…。ふふっ。もう忘れちゃったな。」
かすかに寂しい笑い顔を見せるカレン。
いつの間にかもう、その瞳から涙は落ちてこなくなっていた。
その時、どこからか一匹の黒猫の子供が現れた。
雪見の膝に頭をこすり付けたあと、テーブルの下を潜って反対側に座る
カレンの膝元へと寄って行く。
ふと、子猫の存在に気付いたカレンは、雪見も見たことのなかった
優しい笑顔で子猫を抱き上げ、愛おしそうに頬ずりをした。
「かっわいい!こんな黒猫、飼いたかったんだ!
黒猫は不吉だって嫌う人もいるけど、ほんとは黒猫って、邪悪な物から
身を守ってくれる、一番パワーの強い猫なんだよ!知ってた?
あ!また一番って言っちゃった!」
子猫を大事そうに抱っこし、イタズラっぽい目をして笑いながら雪見を見た瞳には、
もう先程までの黒い影は消えていた。
「黒猫の力って、凄いんだね。知らなかった!」
この子が来た途端、カレンは別人のように色々な猫の話を話し出す。
雪見は、本当にこの黒猫の子が、カレンの中から悪を追い出したとさえ思えてきた。
「猫、飼ったことあるの?」雪見がカレンに聞いてみる。
「私は大好きだけど、ママが嫌いだから飼ったことはない。
でも、こんな子が家にいたら、きっと毎日が楽しいだろうなぁ!」
「幸せな気持ちになれるよ。」
「えっ?幸せな気持ち?」
「そう、あなたが忘れたって言ってた、幸せな気持ち。
今、その子を抱いてる気持ちが幸せな気持ち、じゃない?」
雪見の言った言葉を自分の心に確かめるように、もう一度ギュッと
子猫を抱き締めてみる。
「これが幸せな気持ちだったんだ…。すっかり忘れてた…。」
そうつぶやくように言ったあと、カレンは再び一粒の涙を落とした。
雪見にはそれが、何よりも一番綺麗な本物の真珠のように目に映り、
なぜかとてもこの人が愛おしく感じ始めた。
「そうだ!あなたにこれあげる!」
雪見は鞄の中から、少し角の擦れてしまった一冊の写真集を取り出す。
それはいつも雪見が大事に鞄に持って歩く、コタとプリンの写真集であった。
「これ、健人くんちの猫の写真集。良かったらあなたにあげる。
毎日眺めてるから、なんだかくたびれちゃってるけど。
仕事で疲れた時とか、なんだか嫌な事があった時、これを眺めるだけで
全部がリセットされるの。
あ、健人くんちの猫だからって訳じゃないよ。
猫にはみんな、そんなパワーがあるって私は思ってる。」
「やっぱり、そう?」
「そう!だから私も学歴を捨てて、猫のカメラマンなんかになっちゃったんだな、きっと。
一番でいるって、思ったほど気持ちのいいもんじゃないよね。
いっつも下から上がってくる人に恐怖を感じて、クモの糸にぶら下がるようにして
さらに上に逃げようとする。どこまで登っても、もう降りられない。
私はそんな毎日が嫌になって、自分でえいっ!ってクモの糸を切って地上に降りた。
そしたら底辺にもいっぱい良いものがあるじゃない!って、初めて気が付いたの。」
「あなたが?」 「ふふっ。そう、私が。」
カレンは不思議そうな目で雪見を見つめた。
「だからね、今一番天辺にいる健人くんと当麻くんを見てて、
本当に頑張ってるな、大変だろうなって思う。
一番を維持する大変さは、あなたもよーくわかるでしょ?
決して良いことばかりじゃないよね。
辛いことや苦しいことの更に上に、一番天辺が存在する。
彼らは一人でそこにいる訳じゃない。たくさんのスタッフや、彼らを
支える人達と共にそこにいる。
私みたいに勝手に一人で、クモの糸を切るわけにはいかないんだ。
どんなに辛くても、逃げ出しちゃいけないんだ。
だから…。だから私は、彼らが少しでも辛さを和らげることができるように
精一杯サポートしてあげたい、って思ってる。
今のカレンちゃんになら、私の気持ち、解ってもらえるよね?」
見つめる雪見に、彼女は一度だけコクリとうなずく。
それを見て、やっと雪見も心からの笑顔を彼女に返した。
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