二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- デュエル・マスターズ Another Mythology
- 日時: 2016/11/05 01:36
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)
初めましての方は初めまして。モノクロと申す者です。
今作品はモノクロが執筆しているもう一つの作品『デュエル・マスターズ Mythology』の外伝、いわゆるスピンオフ作品と銘打ってはいますが、ほぼ別物と化しています。
一応今作は、本編とは違った独自のストーリーを展開しつつ、『デュエル・マスターズ Mythology』の謎を別のアプローチで解き明かしていく、というスタンスで執筆する予定です。さらに言えば、こちらはあちらの作品よりもライトで軽い作風に仕上げたいと思っています。
カード解説は『デュエル・マスターズ Mythology』と同じ。また、オリジナルカードも登場する予定です。
珍しく前置きがコンパクトになったところで、モノクロの新しい物語を、始めたいと思います——
目次
プロローグ「とある思考」
>>1
1話「始動」
>>4
2話「超獣世界」
>>7
3話「太陽の語り手」
>>8 >>9
4話「遊戯部」
>>12
5話「適正」
>>15
6話「賢愚の語り手」
>>16 >>17
7話「ピースタウン」
>>18 >>24
8話「月魔館」
>>27 >>28
9話「月影の語り手」
>>29 >>30
10話「北部要塞」
>>31 >>35
11話「バニラビート」
>>36 >>37
12話「幻想妖精」
>>38 >>39
13話「萌芽の語り手」
>>40 >>43
14話「デッキ構築の基本講座」
>>60
15話「従兄」
>>63
16話〜58話『ラヴァーの世界編』
>>213
59話〜119話『継承する語り手編』
>>369
『侵革新話編』
120話「侵略開始」
>>367
121話「十二新話」
>>368 >>370
122話「離散」
>>371 >>372
123話「略奪」
>>373 >>374
124話「復讐者」
>>375 >>378
125話「time reverse」
>>379 >>380 >>381
126話「賭け」
>>382 >>383 >>384 >>385
127話「砂漠の下の研究所」
>>386 >>387 >>389 >>390 >>391
128話「円筒の龍」
>>392 >>393 >>394 >>395
129話「奇襲」
>>396 >>397 >>398 >>399 >>400
130話「死の意志」
>>401 >>402 >>403 >>404
131話「殺戮の資格」
>>405 >>406
132話「煩悩欲界」
>>407 >>408 >>409 >>410 >>412
133話「革命類目」
>>413 >>414
134話「一難去って」
>>415
■
Another Mythology 〜烏ヶ森編〜
1話〜25話『ラヴァーの世界編』
>>213
Another Mythology —烏ヶ森新編—
26話「日向愛」
>>215
27話「■■■■」
>>221 >>225 >>229 >>337 >>338
28話「暴龍事変」
>>339 >>340 >>341 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>353
29話「焦土神剣」
>>354
30話「事変終結」
>>355
■
番外編
東鷲宮・烏ヶ森二校合同合宿
>>528
■
東鷲宮中学校放送部
第一回「空城 暁」
>>83
第二回「霧島 浬」
>>93
第三回「卯月 沙弓」
>>95
第四回「霞 柚」
>>132
第五回「日向 恋」
>>299
■
登場人物目録
>>57
- 19話「ラヴァー」 ( No.69 )
- 日時: 2014/05/12 03:59
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
「だ、誰……私たちと同じ人間……?」
「少なくとも、僕らと同じ匂いはしないね……」
封印された《語り手》が眠るはずの部屋から出て来た少女。風貌は人間そのもので、リュンも彼女がクリーチャーであることを否定している。
非常に華奢な少女だ。手も足も胴もすべてが細く、背丈は柚よりずっと低い。儚げで可憐な少女。
この世のすべてを切り捨てたかのような、昏い眼差しさえなければ、そう思っていたことだろう。
「…………」
「えっと……」
ジッと見つめて来る少女に対し、暁たちが戸惑っていると、少女の背後からなにかが飛び出した。
「ダメじゃないかラヴァー、なにか言ってあげなきゃ。彼女たち困ってるよ?」
「わっ……クリーチャー?」
飛び出したのは、二頭身の体躯に中世的な顔立ち、一枚布衣服を身に纏い背中には天使のような翼を持つ、こちらは確定的に明らかなクリーチャーだった。
「あ、暁……こいつ」
「なに、どうしたのコルル?」
「間違いありません……ご主人様」
「エリアス……?」
コルルとエリアスが目を見開いている。ドライゼとプルも同じような状態だ。
「暁、あのクリーチャー、オレたちと同じ感じがする」
「え? それって……」
「恐らく、あのクリーチャー……私たちと同じ《語り手》のクリーチャーです」
「なんだと……!?」
その一言で、暁たちの顔に驚愕が浮かぶ。しかし当の少女たちは、さしたる反応を見せない。
「あなた、クリーチャーなの?」
「うん、そうだよ。ボクはキュプリス、こっちの仏頂面がラヴァー。主人共々よろしくね」
主人代わり、クリーチャー——キュプリスが気さくに名乗る。
「それにしても……まさか私たち以外の人間が、この世界にいるなんてね。驚きだわ」
「ああ……本当だよ。まさか僕以外に、外の世界とアクセスしたクリーチャーがいるのか?」
「…………」
少女は答えない。機械のように表情がないまま、ジッとこちらを見つめている。
「驚いているのはボクたちも同じだけどね。でも、そうか。十二神話とクリーチャーたちの意志——思念は、こんな形で外界に助けを求めたんだ……成程ね」
一人で納得するキュプリス。その間も、主人の言葉はない。
「なんでもいいけど、私たちと同じ人間で、しかも《語り手》のクリーチャーと一緒にいるってことはさ」
暁がどこか嬉しそうに前に出る。
「私たちと同じじゃん。それって、私たちと仲間ってことだよね。ラヴァーだっけ? 今まで一人で大変だったかもしれないけど、これからは私たちと——」
次の瞬間。
暁の足元で、光弾が炸裂する。
「っ!」
「暁!」
直撃ではない。暁は衝撃で足元をすくわれ、その場で尻餅をつく。
「な……なにすんのさ!」
「勘違い……しないでほしい」
やっと少女が口を開く。
「私がここに来たのは……警告のため」
「警告?」
「そう……あなたたちが各地のクリーチャーを排除するせいで、地域の支配が、安定しない……すごく、迷惑」
プツプツと切れながら、そして淡々と少女は告げる。
「地域の支配……?」
「それってもしかして、最近各地で起こってるテリトリーの問題と関係あったり?」
「否定は、しない……」
暁の頭では繋がっていないが、しかしリュンは即座に理解した。
この少女が恐らく、各地で本来のものではないテリトリーを支配するクリーチャーたちの元凶だろうと。そこまで行かなくとも、勝手にテリトリーを広げるクリーチャーたちとかなり深い関係にあることは確かなはずだ。
「みんな、詳しい説明は省くけど、あの子がクリーチャー世界の混乱の一端になってるみたいだ」
「そ、そうなんですか……?」
「そこは詳しい説明を聞きたいところだがな」
しかし、まさかこんなところで混乱の元凶と会い見えるとは思いもしなかった。
「色々と気になることはあるけど、あの子がこの世界の混乱を招いているのなら、野放しにはしておけないよ」
「そうねぇ……私たちとしても、なんでこの世界にいるのか、とか聞きたいし」
「だったら私が行く」
スクッと立ち上がる暁。その目は、いつにも増して厳しいものだった。
「空城……」
「あったまきた! いきなり攻撃なんて信じらんない! このままじゃ私の気が収まらないよ!」
「なんだ、そんなことか……」
「あきらちゃんらしいと言えば、らしいですけど……」
怒り心頭で飛び出す暁。ラヴァーもそれを見て、少し身構えた。
「行くよコルル!」
「おう、任せとけ!」
「キュプリス……やる」
「了解したよ」
コルルとキュプリスも、主人に合わせそれぞれ前に出る。
そして二人を中心とした、神話空間が展開された。
暁とラヴァーのデュエル。
暁のシールドは四枚。場には《鬼切丸》《爆槍 ヘーゼル・バーン》。
ラヴァーのシールドは三枚。場には《束縛の守護者ユッパール》《宣凶師パルシア》。
いつものように序盤から猛攻をかける暁だが、ラヴァーのブロッカーによってその攻撃も止められてしまっていた。
「私のターン! 《パルシア》はパワー4500のブロッカー、《鬼切丸》でも突破できない。でも、だったらこれだよ! 《スピア・ルピア》召喚!」
「私のターン……《栄光の翼 バロンアルデ》を召喚。マナゾーンのカードが、相手より少ないので、山札から1マナ加速……さらに《幻盾の使徒ノートルダム》も、召喚」
今はラヴァーが暁の攻撃を止めているが、その均衡もいつまで崩れるか分からない。
「……《ユッパール》で、シールドをブレイク」
「私のターン!」
これでシールドの枚数では並んだ。しかし、暁は不敵な笑みを見せる。
「シールドを割ったのは失敗だったね。お陰で切り札が出せるよ。《爆竜 バトラッシュ・ナックル》召喚! その効果で、《パルシア》とバトルだ!」
《バトラッシュ・ナックル》が現れ、ラヴァーの《パルシア》と強制バトル。その結果は、当然ながら《バトラッシュ・ナックル》の勝利。なので、
「暁の先に、勝利を刻め——《爆竜勝利 バトライオウ》!」
《バトライオウ》が、現れる。
「次、行くよ! 《スピア・ルピア》で《ユッパール》を攻撃!」
「ブロック……しない」
《スピア・ルピア》の構える槍が《ユッパール》を貫き、《ユッパール》の放つビットが《スピア・ルピア》を捕える。相打ちで共に破壊された。
この時、暁は《バトライオウ》の能力で《ユッパール》とのバトルを《バトライオウ》に代わらせることができた。だが暁は、さらなる攻めの手段を確保すべく、わざと《スピア・ルピア》を破壊したのだ。
「《スピア・ルピア》の破壊時能力で、山札からドラゴンをサーチ! 《爆竜 GENJI・XX》を手札に加えるよ! そして《鬼切丸》でシールドをブレイク!」
「……S・トリガー《ヴァルハラ・マジック》。《ヘーゼル・バーン》を……タップ。一枚、ドロー」
「むぅ……まあいいや。ターン終了」
攻めを中断されてしまう暁だが、まだ助走の段階だ。次のターンにはサーチした《GENJI》や《バトライオウ》《バトラッシュ・ナックル》たちの一斉攻撃でとどめを刺せる。
「……そう」
「?」
「うん……なら、それで……」
ふと、ラヴァーの声が聞こえる。しかしその言葉は暁に向けて行ったわけではないようだ。彼女は、手元のカードに視線を落としている。
「分かった……じゃあ、次のターンには……うん……」
「な、なに、どうしたの……?」
カードを見ながらぶつぶつ呟いている。かなり不気味だ。まるで、カードと話をしているかのようだった。
「……あなたには、聞こえないの……」
「なにが?」
「クリーチャーの……声」
「?」
ラヴァーがなにを言っているのか理解できないとでも言うように、暁は首を傾げる。クリーチャーの声なら、唸り声や鳴き声として、暁の耳に届いている。
「聞こえないなら、いい……聞こえても、関係ない、けど……どっちでも、いい……」
「なんなのさ。それより、あなたのターンだよ」
「……《再誕の精霊 アルミウル》を召喚。ターン、終了……」
「それだけ?」
確かに厄介なクリーチャーだが、次の暁のターンにはほぼ決着がつくのだ。今更出て来ても遅い。
「ブロッカーを出してれば、まだ生き残れたかもしれないのに……まあいいや。なんにしても、このターンで終わりだよ!」
勢いよくカードを引く暁。彼女は、これがこのデュエルのラストターンだと信じて疑わない。だがそれは、根拠のない自信だった。
しかし相対する少女は、このデュエルはまだ続くと確信している。それは、過去たる根拠のある確信だ。
その根拠とは彼女の、いや、彼女たちの仲間と言える存在からの、言葉だった。
- 20話「支配の精霊龍」 ( No.70 )
- 日時: 2014/05/13 03:33
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
「《爆竜 GENJI・XX》召喚!」
前のターン、《スピア・ルピア》でサーチした《GENJI》が召喚される。
これで暁の場には《鬼切丸》と《爆槍 ヘーゼル・バーン》、そして《爆竜 GENJIXX》《爆竜 バトラッシュ・ナックル》《爆竜勝利 バトライオウ》と、合計五体のクリーチャーが並んだ。
対するラヴァーの場には、《栄光の翼 バロンアルデ》と《幻盾の使徒ノートルダム》《再誕の精霊 アルミウル》の三体だけ。シールドも二枚しかない。
「このターンで決める! 《GENJI》で攻撃、その時に相手ブロッカーを一体破壊するよ! 《ノートルダム》を破壊!」
《GENJI》の刃が《ノートルダム》を切り裂く。そしてそのまま、ラヴァーの残り二枚のシールドも切り裂いた。
「っ、ブロックしない……?」
驚きを見せる暁。《ヘーゼル・バーン》がいるとはいえ、《GENJI》はWブレイカーだ。ブロックすれば、シールドブレイク数を一枚に抑えられ、S・トリガー次第では凌げるというのに。
と、そこで暁はハッとする。このターンで決めきれない可能性に、気付いたかのように。
「……S・トリガー、発動」
「やっぱり……!」
「《霊騎コルテオ》を召喚……私の場に、クリーチャーは四体……相手クリーチャーを四体……タップ」
「くぅ!」
暁のクリーチャーがまとめてタップされ、またも攻撃を止められてしまった。
「でも、次のターンこそ、絶対に決めるよ。どの道そのクリーチャーたちじゃ、打点は足りないし」
《アルミウル》はWブレイカーがあるが、ラヴァーのクリーチャーの合計打点は三打点。暁のシールドは三枚あるので、次のラヴァーのターンに決めるのはほぼ不可能。
「……分かってる」
だが、ラヴァーからしたら、なにも勝負を急ぐことはない。このターンに決める必要などないのだ。
「私の……ターン」
ゆっくりとカードを引くラヴァー。
この時、彼女は最高のカードを引いていた。それ自体は偶然だが、その偶然は、予見された偶然であった。
そして、支配を司る天使龍が、降臨する——
「私が世界を支配する——《支配の精霊龍 ヴァルハラナイツ》」
支配の精霊龍 ヴァルハラナイツ 光文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 7000
ブロッカー
このクリーチャーまたは自分のコスト3以下の光のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、タップしてもよい。そのクリーチャーは、次の相手のターンのはじめにアンタップされない。
W・ブレイカー
純白の羽を舞い散らせ、正義の名の下に地上に降り立った天使龍、《ヴァルハラナイツ》。
正義をかざし、世界を支配するために現れた光のドラゴンたち。その中でも、《ヴァルハラナイツ》の支配力は群を抜いている。
「《ヴァルハラナイツ》の能力、発動……相手クリーチャーを一体選び、タップ。次のターンの初めに、そのクリーチャーはアンタップ、できない……《GENJI》を指定」
元々タップされている《GENJI》だが、アンタップされないフリーズ能力は通用する。
「っ、でも、それだけじゃあ防ぎ切れないよ!」
「まだ、終わらないから……」
《GENJI》がアンタップを封じらても、暁のクリーチャーは四体残っている。しかし、
「《ヴァルハラナイツ》はエンジェル・コマンド・ドラゴン……種族にエンジェル・コマンドを含むから……G・ゼロで、《巡霊者ウェビウス》を召喚……《ヴァルハラナイツ》の能力発動」
「えっ?」
「《ヴァルハラナイツ》の能力は、コスト3以下の、光のクリーチャーが出た時にも発動する……《バトライオウ》をフリーズ。続けて、二体目の《ウェビウス》も、G・ゼロで召喚……《バトラッシュ・ナックル》を、フリーズ」
「あ、う……」
やばい。直感的に、暁はそう判断した。
そして実際、暁は相当危機的な状況に追い込まれることとなる。
「《アルミウル》で攻撃……その時《アルミウル》の能力、発動」
再誕の精霊 アルミウル 光文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 6000
このクリーチャーが攻撃する時、進化ではないコスト3以下の光クリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー
《アルミウル》は再誕の精霊の名に相応しく、墓地に落ちた光の軽量クリーチャーを再生し、誕生させる能力を持つ。しかもラヴァーの場には《ヴァルハラナイツ》もいるのだ。
「墓地から《束縛の守護者ユッパール》を、バトルゾーンに……《ユッパール》の能力で、《鬼切丸》を、フリーズ……《ユッパール》はコスト3以下の、光のクリーチャー、《ヴァルハラナイツ》の能力も発動。《ヘーゼル・バーン》を……フリーズ」
「…………」
もはや暁は言葉も出なかった。たった1ターンにして、暁のクリーチャーはすべて動きを封じられてしまったのだ。
「……Wブレイク」
そして《アルミウル》の攻撃が放たれる。暁のシールドが二枚、吹き飛ばされた。
「く……S・トリガー発動《ピアラ・ハート》! 《ウェビウス》を破壊!」
「《コルテオ》で攻撃……シールドを、ブレイク」
「もう一度S・トリガー! 《ドリル・トラップ》で《バロンアルデ》を破壊!」
二枚ものS・トリガーを発動させ、ブロッカーを除去する暁。だが、シールドはゼロになってしまった。
しかも暁のターン、暁の五体のクリーチャーはアンタップされない。
「私のターン! 《ギャノバズガ・ドラゴン》と《砕神兵ガッツンダー》を召喚! 《ピアラ・ハート》でダイレクトアタック!」
「……《ウェビウス》でブロック」
《ピアラ・ハート》のバトルは《バトライオウ》が肩代わりし、一方的に《ウェビウス》を討ち取ったが、それだけだ。
もう、暁の場に攻撃できるクリーチャーはいない。
「くっ、うぅ……!」
悔しそうに歯噛みする暁。これ以上の攻撃はできず、ターン終了。そして、ラヴァーのターンが訪れる。
これが本当の、ラストターンだった。
「……《支配の精霊龍 ヴァルハラナイツ》で、ダイレクトアタック——」
神話空間が閉じる。そして出て来たのは、膝をつく暁と、それを見下ろすラヴァーだった。
「っ、くぅ……!」
悔しそうに歯を食いしばり、ラヴァーを睨みつける暁。しかしラヴァーはそんな暁を、吠える負け犬でも見るように、冷たく見下ろしていた。
「……これは、警告」
そして、静かに言葉を紡ぐ。
「これ以上、邪魔するなら……次は本気で、潰す」
暗に、もうクリーチャー世界に来るなと言うラヴァー。
「……キュプリス」
「もう戻るの?」
「うん……」
ラヴァーの警告に対して暁がなにかを言う前に、ラヴァーとキュプリスは消えてしまった。
「消えました……っ?」
「たぶん、僕がいつもやってるみたいに、どこかに転送したんだと思う」
もし彼女が人間なら、地球とこのクリーチャー世界を行き来しているはず。それならばリュンと同じように自身をどこかに転送することもできるだろう。
「そんなことより……なんなのさ、あの子。なんか、凄いムカつくんだけど……!」
立ち上がる暁。非常に不機嫌そうな顔をしている。
「でも、あの子のプレイングはかなり高かったわ」
「ああ。気になったのは、《アルミウル》を召喚した時くらいだが、あれも《コルテオ》のトリガーで凌ぎ、《ヴァルハラナイツ》への布石になっていた」
「……そういえばあの時、クリーチャーの声がどうとか言ってたっけ」
急にラヴァーがぶつぶつと呟き始めた時だ。
「クリーチャーの声が聞こえないって、どういうことだろう……?」
「なんにせよ、あの子は放っておけないよ。僕が君らをこの世界に連れてきたのは、この世界の秩序を取り戻すためだ。それを支配だのなんだの言って乱すのを黙って見過ごすことはできない」
珍しく意志をはっきりと見せるリュン。その意見に、反対する者はいない。
「……そうだね。私も負けたままじゃいられないよ。次こそリベンジだ!」
警告だの潰すの言われたが、その程度で気圧される暁ではない。それは浬も、沙弓も、柚も同じだ。
胸中で再戦を誓う暁。内に秘めた彼女の闘志は、轟々と燃え盛っている——
- Re: デュエル・マスターズ A・M —オリキャラ募集— ( No.71 )
- 日時: 2014/05/14 15:13
- 名前: プツ男 (ID: D51ibxqf)
ああ、やっぱりモノクロさんは白黒さんだったのですか。半信半疑で電波ゼリフ吐いて本当に他人だったらどうしようかと、コメントしてから不安になりましたが、よかったです。
ありゃりゃ・・・・そういえば使用不可能カードなんてのもありましたね、流石に禁止級カード入れて検討しろっていうのもおこがましいにも程があるので、デッキを組み直しました。
まさかハチ公がデュエマ進出していただなんて知らなかったので驚きました。風の噂で若頭鬼流(ryとの繋がりがあるんじゃないかとか聞いたので、それを組み込んだデッキにしてみました。
若頭が出るまではヤッタルワンと薫風妖精でハチ公を場に出しながらビートダウンするスタイルのつもりで組みましたが、いかんせんこれ若頭の能力使い切れない様な感じもしていますが・・・・とりあえず、これで組み直したのでご確認お願いします。
さて、前置き長いですが、早速感想書きますね!
光文明の拠点は空中都市ですか。そういえば光文明のクリーチャーって空にいるってイメージしか無いですよね。地上に這うクリーチャーの方が珍しい感じがします。
光文明の拠点ってことで大体予想できましたが、まーブロック&タップアンタップの嵐ですね、これは今も昔も変わらず健在の様で・・・対策て言うほど対策する必要が無いかもしれませんが、全く対策していないと完封されて負ける事なんてザラにあるから怖いんですよね・・・まあ、どの文明に対しても言える事かもしれませんけど。
さてはて、そんなこんなで慢心してクリーチャー全て封じられて負けてしまった暁、リベンジに期待です。
- Re: デュエル・マスターズ A・M —オリキャラ募集— ( No.72 )
- 日時: 2014/05/15 03:00
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
プツ男さん
はい、その通りです。
しかし、名前はともかく文章でモノクロの素性が察せるほど、モノクロの文章は癖があるのでしょうか……?
モノクロ的に、わりと《ハチ公》は好きな方です。ネーミング的にはどう考えても《鬼流院 刃》の舎弟かなんかですね。その癖して、《鬼流院 刃》の能力じゃ《ハチ公》は出せませんが。実は相性がいいわけでもないですしね、この二体。
まあ、確かに仰る通り、ビートダウンじゃ《鬼流院 刃》は使いにくいですね……というか、ぶっちゃけ使い道がほとんどありません。マナが伸びるデッキならビートダウンでも多少重いクリーチャーは採用できなくもないですが、流石に10マナは重いですからね。
それと、これは完全に私事になってしまいますが、《コート二ー》と組み合わせた《鬼流院 刃》のデッキは(このスピンオフの本編から見た)本編で一度使用しているんですよね……
ハンター軸のビートダウンというのなら、個人的には結構好きなのですが、今のままだとやはり使い難さが拭えませんね……それでもキャラクター自体は魅力的なので、色々と考えてみます。
今週中に烏ヶ森編を始めるつもりでしたが、もう少し考える必要がありそうです……
光文明は大抵飛んでるところにいますね。地上にいる奴もいなくはないでしょうが、ほとんどの奴は飛べると思います。
最近だとタップした相手を次のターン初めにアンタップさせない、通称フリーズという能力が横行しています。アンタップできないので凄まじくウザいです。
まあ、対策云々で言えば多くの戦略ゲーはそうだと思いますけどね。この手のカードゲームは勿論、ポケモンなんかも通じるところはあるのではないでしょうか。
しかし、それでもやはりデュエマにおいて光文明はロックする能力が高いです。最近だと火文明みたいな熱血馬鹿にもパワー5000が召喚できなくなる《5000GT》やドラゴン以外が出せなくなる《ドラゴ大王》とか出ていますがね。
さて、暁がラヴァーにリベンジできる時はいつ来るのやら……これも、ある意味では本作の見どころになりますかね。
- Re: デュエル・マスターズ A・M —オリキャラ募集— ( No.73 )
- 日時: 2014/05/15 14:21
- 名前: プツ男 (ID: D51ibxqf)
なんていうか、モノクロさんの文章って均整が取れているっていう感じというか・・・他の方よりも頭一つ文章がキレイにまとまっているかなーって思っています。あと、豊富な語彙力でしょうか?
刃を入れてみたはみたでコストの事全く考えていませんでした、ビート系のデッキに10マナとかデッキの肥やしにも程がありましたね・・・弟子師匠の様な関係と予想されるのに、このハチ公とのコスト差は同じデッキに組み込ませる気が無いのかと後々になって思いました・・・まあ、コスト踏み倒しのカードがあれば多少はなんとか出来なくもなさそうですけど。
刃を抜いてまたデッキを組み直してみましたが、ハンタービート自体、自分自身殆ど慣れていないスタイルなので、ハチ公登場を早める所まで考えるのが限界でした・・・いや、これ早まっているのかも結構怪しいですけど・・・
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114