二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ Another Mythology
- 日時: 2016/11/05 01:36
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)
初めましての方は初めまして。モノクロと申す者です。
今作品はモノクロが執筆しているもう一つの作品『デュエル・マスターズ Mythology』の外伝、いわゆるスピンオフ作品と銘打ってはいますが、ほぼ別物と化しています。
一応今作は、本編とは違った独自のストーリーを展開しつつ、『デュエル・マスターズ Mythology』の謎を別のアプローチで解き明かしていく、というスタンスで執筆する予定です。さらに言えば、こちらはあちらの作品よりもライトで軽い作風に仕上げたいと思っています。
カード解説は『デュエル・マスターズ Mythology』と同じ。また、オリジナルカードも登場する予定です。
珍しく前置きがコンパクトになったところで、モノクロの新しい物語を、始めたいと思います——
目次
プロローグ「とある思考」
>>1
1話「始動」
>>4
2話「超獣世界」
>>7
3話「太陽の語り手」
>>8 >>9
4話「遊戯部」
>>12
5話「適正」
>>15
6話「賢愚の語り手」
>>16 >>17
7話「ピースタウン」
>>18 >>24
8話「月魔館」
>>27 >>28
9話「月影の語り手」
>>29 >>30
10話「北部要塞」
>>31 >>35
11話「バニラビート」
>>36 >>37
12話「幻想妖精」
>>38 >>39
13話「萌芽の語り手」
>>40 >>43
14話「デッキ構築の基本講座」
>>60
15話「従兄」
>>63
16話〜58話『ラヴァーの世界編』
>>213
59話〜119話『継承する語り手編』
>>369
『侵革新話編』
120話「侵略開始」
>>367
121話「十二新話」
>>368 >>370
122話「離散」
>>371 >>372
123話「略奪」
>>373 >>374
124話「復讐者」
>>375 >>378
125話「time reverse」
>>379 >>380 >>381
126話「賭け」
>>382 >>383 >>384 >>385
127話「砂漠の下の研究所」
>>386 >>387 >>389 >>390 >>391
128話「円筒の龍」
>>392 >>393 >>394 >>395
129話「奇襲」
>>396 >>397 >>398 >>399 >>400
130話「死の意志」
>>401 >>402 >>403 >>404
131話「殺戮の資格」
>>405 >>406
132話「煩悩欲界」
>>407 >>408 >>409 >>410 >>412
133話「革命類目」
>>413 >>414
134話「一難去って」
>>415
■
Another Mythology 〜烏ヶ森編〜
1話〜25話『ラヴァーの世界編』
>>213
Another Mythology —烏ヶ森新編—
26話「日向愛」
>>215
27話「■■■■」
>>221 >>225 >>229 >>337 >>338
28話「暴龍事変」
>>339 >>340 >>341 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>353
29話「焦土神剣」
>>354
30話「事変終結」
>>355
■
番外編
東鷲宮・烏ヶ森二校合同合宿
>>528
■
東鷲宮中学校放送部
第一回「空城 暁」
>>83
第二回「霧島 浬」
>>93
第三回「卯月 沙弓」
>>95
第四回「霞 柚」
>>132
第五回「日向 恋」
>>299
■
登場人物目録
>>57
- 番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て36」 ( No.480 )
- 日時: 2016/09/10 21:40
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
《預言者マリエル》に続き、《イノス》を進化元として召喚された《聖霊王アルカディアス》。
これで誰も、パワー3000以上のクリーチャーは攻撃できず、光以外の呪文も唱えられない。
あらゆるプレイングに制限をかけられてしまった。
「呪文も封じられて、どうやって《マリエル》を退かせばいいのよ……私のターン」
美琴ターン
マナ:14
手札:3
盾:4
場:《バックベアード》
攻撃もできないうえに、《マリエル》を除去するための呪文も制限され、全員がかなり動きにくい場だ。
八自身もこの状況は息苦しいはずだが、シールドが少ないから、攻撃の制限の恩恵を最も受けているとも考えられる。直接的なドバンテージではないが、精神的には上位に立っていられるのだろう。
「とりあえず、《ドルベロス》を召喚。続けて《鬼面聖者ザンバラ》も召喚。《ザンバラ》の能力で、登場時シールドを一枚追加して、山札の上三枚を墓地へ。ターン終了」
美琴は特にできることもないようで、後続を遅らせる《ドルベロス》に、割られたシールドを穴埋めするように《ザンバラ》を召喚。墓地に送られた三枚は、《キング・アトランティス》《火之鳥ペリュトン》《クローン・ライトニング》。
空護ターン
マナ:14
手札:3
盾:5
場:《クロスオーバー・ヨミ》
「……《クロスオーバー・ヨミ》がいると、もうこのクリーチャー単身で戦うしかないですからねー……なにもしません、ターン終了です」
この状況に一番参っているのは、空護かもしれない。
《クロスオーバー・ヨミ》は無敵状態だが、《マリエル》のせいで攻撃できない。しかし攻撃できるクリーチャーを出せば、無敵状態が解除されてしまうので、下手にクリーチャーが出しづらい。
幸いなことに《クロスオーバー・ヨミ》はブロッカーなので、ウィニーの攻撃は止められる。様子見も兼ねてだろう、空護はなにもせずにターンを終えた。
浬ターン
マナ:14
手札:2
盾:4
場:《バロスト》《リベンジ・ドラゴン》
そして、浬も困っていた。
殴り始めようと思った瞬間にこれだ。勢いを削がれてしまった。
「攻撃しようにも、どうにかして《マリエル》を退かさない限り、攻撃はできない……」
しかし、呪文で倒そうとすると、《アルカディアス》に邪魔される。光の呪文で《マリエル》を直接除去するのは難しいだろう。タップ系の呪文でタップキルするくらいしか手段がないが、攻撃できないのでその手も使えない。
となると、今の八の防御網を突破するには、クリーチャーによる除去を撃つしかないのだが、
(そう都合よく、都合のいい除去があるわけでもなし……《バロスト》が死ねば、盤面をまたリセットできるんだが、殴れないし呪文も使えないと、破壊手段もないよな……)
自壊するカードにしても、光の呪文に自壊は望めない。《緊急再誕》があればいいのだが、入っているかは怪しいところだ。
「……《ゴーゴンシャック》を召喚して、ターン終了」
結果、浬は《ゴーゴンシャック》を出すだけで、ターンを終えた。
(《バロスト》がいる上に、光の呪文コストまで上げてしまうからあまりクリーチャーは並べたくないが、《マリエル》で殴られ続けるのも嫌だからな。一応、牽制くらいにはなるだろ)
とりあえず浬はこのロックを抜けるために、《バロスト》の破壊を目論む。
八ターン
マナ:14
手札:3
盾:2
場:《アルカディアス》《マリエル》
「自分のターンっす! 《ガイアクラッシュ・クロウラー》をチャージ! 《天光の精霊ミハイル》を召喚っすよ!」
「な……っ!?」
八のターン。
ここで八が繰り出すクリーチャーに、三人は目を剥く。
天光の精霊ミハイル R 光文明 (8)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 4000
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、他のクリーチャーがバトルゾーンから墓地に置かれるとき、そのクリーチャーは墓地に置かれるかわりにバトルゾーンにとどまる。
(な、なんて動きにくい場だ……!)
《マリエル》によってパワー3000以上のクリーチャーは攻撃できず、《アルカディアス》で光以外の呪文は唱えられず、《ミハイル》でクリーチャーは破壊されなくなった。
攻撃も呪文も制限されたこの場が、《ミハイル》によってより盤石なものとなってしまったのだ。
しかも浬からすれば、《バロスト》を破壊することすらできなくなってしまい、完全に道を塞がれてしまった。
「それから《鎮圧の使徒サリエス》も召喚して、《マリエル》で浬さんを攻撃っす」
「俺かよ……トリガーはない」
《マリエル》牽制のための《ゴーゴンシャック》のはずだが、《ミハイル》のせいでそれも意味をなさない。殴り返しすらできないこの状況は、非常に面倒だ。
「ターン終了っすね」
「……私のターン」
美琴ターン
マナ:15
手札:2
盾:5
場:《バックベアード》《ドルベロス》《ザンバラ》
「動きにくい……」
どうやら美琴も今の状況は苦しいようだ。愚痴るようにぼやいた。
とはいえ、美琴も《ドルベロス》でクリーチャーのコストを上げているので、動きにくさの一端を担っているのだが
「でも、ここでどうにかしないと、膠着するだけだし、使うしかないか……」
どこか渋るような口振りで、美琴は手札を切る。
「……8マナで、《サイバー・N・ワールド》を召喚」
「!」
「すべてのプレイヤーの手札と、墓地のカードを山札に戻してシャッフル。その後、全員五枚のカードを引くわ」
美琴が打った一手は、《サイバー・N・ワールド》。墓地と手札を初期状態にリセットするカード。
一巡しても誰も場が動かなかったということは、手札に八のロックを崩せるカードがないということ。それが今、新しい手札を補充したことで、新しい可能性が生まれた。
相手にも手札を与えてしまうため、美琴は渋ったのかもしれないが、浬としてはとにかく八のロックを崩すためにも、この一手はありがたい。
「ターン終了よ」
空護ターン
マナ:15
手札:5
盾:5
場:《クロスオーバー・ヨミ》
美琴のターンが終わり、空護のターンが訪れるが、
「ターン終了ですー」
空護はこのターンもなにもせず、ターンを終えた。
大型ブロッカーがいるから、このロック状況でも構わないというのか、それとも単にロックを崩せるカードがないだけなのか。
どちらなのかはわからない。その動きは怪しさすら感じるが、
「この手札は悪くない、今はこちらを優先する……俺のターン」
浬ターン
マナ:15
手札:5
盾:3
場:《バロスト》《リベンジ・ドラゴン》《ゴーゴンシャック》
都合の良いことに、浬が《サイバー・N・ワールド》で手に入れた手札は、この膠着した場を崩壊させ得るものだった。
「まずは7マナで《コーライル》を召喚! 能力で《ミハイル》を山札の一番上に!」
「うぐ、だけど、次のターンにまた召喚すれば……」
「そんな隙を与えるつもりで、このクリーチャーを出したりはしないがな。続けて5マナ! 《ギガベロス》を召喚!」
ギガベロス R 闇文明 (5)
クリーチャー:キマイラ 8000
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャー2体を自分の墓地に置く。そうしなければ、このクリーチャーを自分の墓地に置く。
W・ブレイカー
「《ギガベロス》の能力で、俺のクリーチャーを二体破壊する。破壊するのは《バロスト》と《リベンジ・ドラゴン》だ!」
《サイバー・N・ワールド》の恩恵によって得た二つのキーカード。一つは、《ミハイル》を一時的にでも場から退かすクリーチャー、《コーライル》。
そしてもう一つは、《バロスト》の呪縛を解き放つための、命を喰らう猛獣だ。
「《呪縛の剣豪バロスト》の能力発動! このクリーチャーがバトルゾーンから墓地に置かれた時——」
《バロスト》の呪縛が解き放たれる。
暗黒の剣豪の死がもたらすのは、圧倒的な破壊。
戦場のすべてを闇で覆い尽くす、絶対的な死だ。
「——バトルゾーンに存在するすべてのクリーチャーを破壊する!」
- 番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て37」 ( No.481 )
- 日時: 2016/09/11 00:37
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
呪縛の剣豪バロスト SR 闇文明 (8)
クリーチャー:デーモン・コマンド 6000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンから自分の墓地に置かれたとき、バトルゾーンにあるクリーチャーをすべて持ち主の墓地に置く。
《バロスト》が死に、その身に受けた呪縛が解放される。
解き放たれた呪いは闇となり、死という概念に変換される。戦場を死が埋め尽くし、一瞬でバトルゾーンのクリーチャーがすべて吹き飛んだ。
《マリエル》も《アルカディアス》も《ミハイル》もいない。すべてのロックは突き崩された。
「ターン終了だ」
「じ、自分のターンっす……」
八ターン
マナ:15
手札:5
盾:2
場:なし
「まずいっす、空護先輩の場には《クロスオーバー・ヨミ》が……どうにかしないと殴り切られるっすよ……」
《バロスト》によって死滅しなかった唯一のクリーチャー、《クロスオーバー・ヨミ》が空護の場にいる。
浬としても《クロスオーバー・ヨミ》の存在は無視できなかったが、仕方ないと割り切った。浬に矛先を向けて来る可能性は十分あるが、後の八と美琴になんとかしてもらうしかない。
とりあえず、今、最もシールドが少なく、追いつめられているのは八。彼はこの状況をどう切り抜けるのか。
「! これなら……《星龍グレイテスト・アース》を召喚っす!」
八は《グレイテスト・アース》を召喚する。召喚時の能力でタップイン。
一度は空護の場で暴れたクリーチャーだ。スレイヤーを持ち、攻撃を強制、誘導する能力があるため、《クロスオーバー・ヨミ》を引き付けることができる。
しかし場に他のクリーチャーがいない限り、《クロスオーバー・ヨミ》は無敵だ。この状況では、《グレイテスト・アース》はただ攻撃を引き寄せるだけの囮にしかならないが、
「さらに《ガミラタール》を召喚! 空護先輩、クリーチャー出してもいいっすよ」
「おっと、流石にそんな見え見えの罠に引っかかったりはしません。《ガミラタール》の能力は任意。クリーチャーは出しませんよー?」
「くぅ、ターン終了っす」
《ガミラタール》で場のクリーチャーを出させようとするも、失敗する八。いくらなんでも、空護がそんなわかりやすい誘導に引っかかるわけがない。
美琴ターン
マナ:15
手札:4
盾:5
場:なし
「私のターン……《天動の化身》をチャージ。7マナで《覚醒のタンザナイト》、6マナで《天雷の精霊ユリウス》、3マナで《式神イノセント》を召喚」
「たくさん出してきましたねー」
「ターン終了よ」
美琴はこのターン、一気に三体のクリーチャーを並べてきた。
タップトリガーで墓地の同名クリーチャーをすべて回収する《タンザナイト》、アタックトリガーで墓地の呪文を回収する《ユリウス》、メタモーフで《イノス》と同じ能力を得る《イノセント》。
特に厄介だと思われるのは、先ほど強烈なロックを決めた《マリエル》《アルカディス》、場をリセットする《バロスト》あたりだろうか。
空護ターン
マナ:16
手札:6
盾:5
場:《クロスオーバー・ヨミ》
恐らく現状、最も優勢な空護のターン。《クロスオーバー・ヨミ》の無敵状態を維持するために、クリーチャーは出さないだろうが、ここまで動かなかった彼も、ロックが消えてからどう動くのかは気になるところだった。
「ここは……2マナで《ブレイン・ストーム》。三枚引いて、手札を二枚、山札の上へ戻しますねー」
空護は《ブレイン・ストーム》でトップを固定する。ここで山札操作ということは、不要はカードを浬と八に押し付ける気だろう。
「クリーチャーは出さず、攻撃です。《クロスオーバー・ヨミ》で、夢谷君の《グレイテスト・アース》に攻撃!」
《クロスオーバー・ヨミ》は攻撃を強制され、《グレイテスト・アース》へと突撃する。
パワーでは勝っている。スレイヤーも、場に仲間のいない《クロスオーバー・ヨミ》には通用しない。
本当に、なにもいなければ、だが。
「かかったっす! ニンジャ・ストライク7! 《斬隠オロチ》!」
「!」
《クロスオーバー・ヨミ》の攻撃時、八の手札からシノビ、《オロチ》が飛び出る。
「《オロチ》の能力で、《クロスオーバー・ヨミ》を山札に戻すっすけど、《クロスオーバー・ヨミ》は場を離れないっすね。けど、山札からクリーチャーは出してもらうっすよ」
「……少々、浅慮でしたねー……」
顔をしかめながら山札を捲る空護。捲られたのは、《封魔フォラス》だ。
封魔フォラス UC 闇文明 (5)
クリーチャー:グランド・デビル 9000
自分の他のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。
自分のマナゾーンにカードを置いた時、そのカードを墓地に置く。
W・ブレイカー
《封魔フォラス》。コストに対してパワーが高いクリーチャーシリーズの一体だが、例によってデメリットがある。それは、クリーチャーを出せば破壊され、マナを溜めれば墓地に行くという能力。マナチャージはともかく、仲間が出せないという能力は、非常に痛い。
《クロスオーバー・ヨミ》がいた時には、クリーチャーを出さない方が良いという状況だったが、《フォラス》が出たことにより空護は、出したくてもクリーチャーを出せないという状況になってしまった。
「しかも、クリーチャーが出たことで《クロスオーバー・ヨミ》の無敵能力も無力化してしまいましたねー……」
《クロスーバー・ヨミ》と《グレイテスト・アース》のバトル。パワーは《クロスオーバー・ヨミ》の勝ちだが、
「《グレイテスト・アース》はスレイヤーだから、そっちも破壊っす! さらに《グレイテスト・アース》の能力で、美琴先輩の《イノセント》をタップして、自分の《オロチ》を手札に戻すっす!」
《グレイテスト・アース》は破壊できたが、空護の場は《クロスオーバー・ヨミ》が消え、《フォラス》が出てしまった。空護もう、クリーチャーを出したくても出せない。
加えて八は《オロチ》を回収した。殴っても止められ、変なクリーチャーに転生させられるチャンスがもう一回あるのだ。
「まずいですねー……ターン終了です」
「……俺のターン」
浬ターン
マナ:16
手札:4
盾:4
場:なし
(俺とは関係のないところで、戦況が目まぐるしく変化していくな……)
結果としては矛先が八に向き、空護の《クロスオーバー・ヨミ》も消えたのでよかったが、素直には喜べない。
とりあえず浬は場を見回し、今の状況を確認する。
(焔さんは《フォラス》で展開が阻害されているから、ひとまず放置。《タンザナイト》と《ユリウス》を展開している黒月さんが、現状では有利か?)
シールド枚数でも、盤面でも、美琴は一番優勢だと思われる。カードアドバンテージで負けないよう、せめて場数だけでも減らしておきたい。
「《陽炎の守護者ブルー・メルキス》と《アクア・エージェント》を召喚。さらに3マナで《転生プログラム》、黒月さんの《タンザナイト》を破壊」
「っ、せっかくの墓地回収が……」
《マリエル》や《アルカディアス》を出されると面倒なので、浬は《タンザナイト》から狙う。とりあえず、墓地回収するクリーチャーは消えた。
問題は、捲れるクリーチャーだが
「捲れたのは……《妖舞皇女ユリア》。そのクリーチャーを場に出してもらいます」
《妖舞皇女ユリア》。登場時にシールドを回収するクリーチャーだ。なお、その時に手札に加えたS・トリガーは使える、数少ないクリーチャーでもある。
「《ユリア》の能力で、シールドを一枚手札に加えるわ……あ、S・トリガー」
「!」
「《天使と悪魔の墳墓》。まあ、効果は薄いと思うけど、マナの《スペルビア》二体を墓地へ落とすわ」
「《墳墓》か、それなら問題ないな。ターン終了」
S・トリガーと聞き、少しヒヤッとしたが、マナが二枚落ちるだけだ。かなりマナも溜まっているので、その程度なら問題はない。
八ターン
マナ:14
手札:4
盾:2
場:《ガミラタール》
「自分のターン。《光器 パーフェクト・マリア》を召喚っすよ!」
「《パーフェクト・マリア》……また面倒そうな」
「さらに呪文! 《父なる大地》っす! 美琴先輩の《ユリウス》を、マナの《ヘヴィ・デス・メタル》と入れ替えるっす!」
「《ヘヴィ・デス・メタル》は召喚しないと山札へ戻る……実質的な確定除去ね」
「そして《ガミラタール》で美琴先輩の《イノセント》を攻撃っす!」
ブロッカーで守りを固め、美琴の《ユリウス》を消し飛ばし、《イノセント》も殴り返す八。
シールド枚数こそ少ないが、盤面にかなり影響を及ぼしている。
「ターン終了っす」
美琴ターン
マナ:14
手札:1
盾:4
場:《ユリア》
「一巡する間に出したクリーチャーが全部いなくなるなんてね……」
美琴は困ったような表情を見せる。それもそうだろう。前の自分のターンに召喚したクリーチャーが、すべて消えたのだから。
残っているのは、浬が転生させた《ユリア》のみ。
「うーん……《埋没のカルマ オリーブオイル》を召喚するわ。墓地のカードをすべて山札へ戻して、ターン終了」
空護ターン
マナ:14
手札:7
盾:5
場:《フォラス》
「果てしなく《フォラス》が邪魔なんですよねー……除去もできませんし、なにもせず終わりますかー」
なにもせずに終わることの多い空護。しかしこの場合は、本当にできることがないようだ。《フォラス》のデメリットは、それだけ強烈なのだろう。
「俺のターン」
浬ターン
マナ:14
手札:2
盾:3
場:《ブルー・メルキス》《アクア・エージェント》
「《コマンダー・イノセント》を召喚。さらに呪文《クローン・ライトニング》! 黒月さんの《オリーブオイル》をタップ!」
「ブロッカーを寝かせたことは、こっち狙いね」
「えぇ。《ブルー・メルキス》でシールドをブレイク。その時、能力発動!」
陽炎(ようえん)の守護者ブルー・メルキス SR 光/水文明 (6)
クリーチャー:ガーディアン 8500
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーが相手のシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに見せる。その中の「S・トリガー」を持つ呪文をすべて、自分がコストを支払わずに唱え、その後持ち主の墓地に置く。それ以外のカードを、持ち主の手札に加える。
W・ブレイカー
《ブルー・メルキス》は、ブレイクしたシールドを見ることができる。そして、見た中にS・トリガー呪文があれば、自分がタダで使える。
要するに、相手のトリガー呪文を奪う能力だ。
「一枚目は……《レオパルド・グローリーソード》。関係ないな。二枚目……」
最初に捲れたのは、クロスギアの《レオパルド・グローリーソード》。トリガーでも呪文でもないので、そのまま手札へ。
そして、二枚目は、
「……悪くないな。《深緑の魔方陣》を唱える。マナゾーンからは、《チェンジ・ザ・ワールド》でもマナに埋めとくか」
マナゾーンにS・トリガーはないようなので、適当に有用そうなカードをシールドに埋めておく。とりあえずこれで、少しでも防御力は上がった。マナゾーンは共有なので、ほぼディスアドバンテージもない。
「さて、《アクア・エージェント》は……攻撃しなくてもいいか。ターン終了」
八ターン
マナ:13
手札:3
盾:2
場:《ガミラタール》《パーフェクト・マリア》
「んー……《ミハイル》をチャージして、《シナプス・キューブ》を唱えるっす。山札を四枚見るっすよ」
八のターン。《シナプス・キューブ》で、例によって山札を操作する。
転生させるにしろ、いらないカードを押し付けるにしろ、山札操作系のカードは、この対戦においては非常に重要で、かつ強力だ。山札を操作したからこそ、八は空護の場をリセットできたのだ。逆に、空護は山札を操作したせいで、八の《オロチ》に《フォラス》を押し付けられてしまったわけだが。
「! よーし、これなら、《斬隠オロチ》を召喚っす! 《パーフェクト・マリア》を選んで山札に戻すっす!だけど、《パーフェクト・マリア》はアンタップされていれば、場を離れないっすから、そのまま山札を捲るっすよ」
光器 パーフェクト・マリア VR 光文明 (7)
クリーチャー:メカ・デル・ソル 7000
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、光以外のクリーチャーをすべてタップする。
このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時にアンタップしていたら、離れるかわりにとどまる。
《パーフェクト・マリア》は《パーフェクト・ギャラクシー》《パーフェクト・マドンナ》《パーフェクト・リリィ》に連なる、場を離れないクリーチャーだ。条件こそあるが、その分、攻撃的な能力も付与されている。
しかしここで問題なのは、八が《オロチ》を素出ししたことだ。
「このタイミングで、自分のクリーチャーを転生……?」
いくら《パーフェクト・マリア》でノーコスト転生ができると言っても、貴重な《オロチ》を素出しするほどだ。ただ、クリーチャーを並べるだけとは思えない。
先ほど《シナプス・キューブ》で山札を操作したことと合わせて、なにが、大きなクリーチャーが出て来るはずだ。
その、クリーチャーとは。
「さぁ、出るっすよ——《閃光のメテオライト・リュウセイ》!」
- 番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て38」 ( No.482 )
- 日時: 2016/09/11 17:58
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
閃光のメテオライト・リュウセイ SR 光/火文明 (8)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 9500
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべてタップする。
バトルゾーンにある自分のクリーチャーすべては「スピードアタッカー」を得る。
W・ブレイカー
《オロチ》によって捲られたのは、《閃光のメテオライト・リュウセイ》。
光文明を得たリュウセイシリーズの一体。能力は《永遠のリュウセイ・カイザー》と似ており、自軍すべてをスピードアタッカーにする能力を持っている。
だが、それだけではない。
「《メテオライト・リュウセイ》の能力で、相手クリーチャーはすべてタップっす!」
光文明が追加されたことで、相手クリーチャーをすべて寝かせる能力を得ているのだ。
これにより瞬間的な突破力が飛躍的に上昇した。八のクリーチャーはすべてスピードアタッカー、ブロッカーはすべて行動不能状態。
八が進軍する道は、開けている。
「さらに、《サイバー・N・ワールド》を召喚っす! カードをすべて戻してシャッフルっすよ!」
おまけのように手札を増やす八。もうマナは残っていないが、これで打点が増えた。
「《メテオライト・リュウセイ》の能力で、自分のクリーチャーは全部スピードアタッカーっす! 《メテオライト・リュウセイ》で、空護先輩を攻撃っす!」
「え? こっち?」
「そうっす! シールド多いっすから、逆転される前に、倒せるうちに倒すっすよ!」
最初に矛先を向けられたのは、空護だった。《グレイテスト・アース》で真っ先に狙われたからだろうか。
「シールドをWブレイクっすよ!」
「なにもないですねー……」
「《サイバー・N・ワールド》でWブレイク! 《オロチ》でブレイク!」
「……トリガーなしです」
一瞬で空護のシールドがなくなった。
「《ガミラタール》でダイレクトアタックっす!」
「……一応、足掻きましょうかー。ニンジャ・ストライク7で《オロチ》を召喚、《ガミラタール》を山札へ送還しますねー」
空護は最後のシールドから引いたと思われる《オロチ》を召喚。ダイレクトアタックを決めて来る《サイバー・N・ワールド》を山札へと除去するが、
「捲られたのは……《超速リベンジ・ドラゴン》っす!」
「あぁ、無理でしたかー……」
《メテオライト・リュウセイ》がいる限り、攻撃可能なクリーチャーが捲られればそれだけで終わりだ。しかも今回はスピードアタッカーの《リベンジ・ドラゴン》。どちらにせよ、耐えられない。
「《リベンジ・ドラゴン》でとどめっす!」
Lose 空護
(これは……かなりまずいな)
空護が敗北し、プレイヤーが一人減ったところで、浬は急速に危機感を覚えていた。
八の場には《ガミラタール》《パーフェクト・マリア》《オロチ》《メテオライト・リュウセイ》《リベンジ・ドラゴン》と、クリーチャーを五体も並べている。シールドは残り二枚だが、《パーフェクト・マリア》という壁もいるので、攻めづらい。
後続のクリーチャーはすべてスピードアタッカーで、ブロッカーを並べても《パーフェクト・マリア》に突破されかねない。
ここまでの対戦で、いくらロックをかけても、もたもたしていれば数巡で崩されることは経験済みだ。ロックは長くは保たない。
ならば、なのか。八は一瞬の爆発力でクリーチャーを展開、一気に勝負を決めに来た。もう何ターンもかけてはいられない。速やかに対処しなければならないが、果たしてそれが可能なのか。
少なくとも、今の浬の手札では、無理だ。
美琴ターン
マナ:13
手札:5
盾:2
場:《オリーブオイル》
「…………」
美琴も黙っている。この状況を理解できない彼女ではない。
彼女も、打つ手がないのだろうか。浬がそう思った時、美琴は動き出した。
「……賭けるしか、ないわね」
美琴は手札のカードを一枚、スッと引き抜く。
「まずは《シナプス・キューブ》よ。山札の上から四枚を見るわ」
1マナで《シナプス・キューブ》、山札を操作する美琴。
彼女が見た未来は、どのように改変されるのか。
「……! よし、これなら……《聖騎士ヴォイジャー》を召喚。《ヴォイジャー》の能力でコストを下げて、4マナで《オリーブオイル》を、《大宇宙ジオ・リバース》に進化!」
聖騎士ヴォイジャー UC 光文明 (4)
クリーチャー:レインボー・ファントム 3000
進化クリーチャーを召喚する時、支払うコストは最大2少なくなる。ただしコストは1より少なくならない。
大宇宙ジオ・リバース VR 自然文明 (6)
進化クリーチャー:ジャイアント/エイリアン 6000
進化—自分の水または闇のクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を見る。その中から、進化ではないクリーチャーを1体選び、このクリーチャーの下に置く。その後、残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーが破壊された時、その下にある進化ではないクリーチャーをすべてバトルゾーンに出す。
「《ジオ・リバース》の能力で、山札の上から三枚を見るわ。その中から、《究極生命体 Z》を《ジオ・リバース》の下にセット」
《大宇宙ジオ・リバース》は、登場時に山札からクリーチャーを一体、自身の下に置ける。そして、自身が破壊された時、自身の下にあったクリーチャーをすべてバトルゾーンに出せるのだ。恐らく美琴は、《シナプス・キューブ》で仕込むクリーチャ0をトップに引き上げたのだろう。
つまり美琴は《ジオ・リバース》を破壊することで、進化元にした《オリーブオイル》と、能力でセットした《Z》をバトルゾーンに出せる。ブロッカーを並べつつ、確定除去が撃てるのだ。
もっともそれは、《ジオ・リバース》が破壊された時、だが。
「これで最後よ、呪文《父なる大地》! 夢谷君。あなたの《メテオライト・リュウセイ》をマナにおいて、マナからクリーチャーを出してもらうわ」
ここでの《父なる大地》はありがたい。後続をスピードアタッカーとして射出する《メテオライト・リュウセイ》は、最も厄介だった。それが消えるのだから、浬としても願ったり叶ったりだ。
だが、それだけでは終わらない。
《父なる大地》は相手クリーチャーを、マナのクリーチャーと入れ替える。
ここで美琴がマナから引きずり出すクリーチャーとは、
「出て来なさい、《天動の化身》!」
天動の化身(カーニバル・トーテム) VR 自然文明 (6)
クリーチャー:ミステリー・トーテム 7000
W・ブレイカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるカードをすべて自分の手札に戻し、同時に、自分の手札をすべて自分のマナゾーンにタップして置く。
(《天動の化身》か……!)
美琴がマナから引きずり出したのは、《天動の化身》。簡単に言えば、自分にだけ《魔天降臨》を撃つクリーチャーだ。
手札をマナに置き、マナを手札に置く。その挙動自体は、《魔天降臨》と同じ。
しかしこのレギュレーションは、マナが共有。ビッグマナのように、膨大な量のマナを贅沢に使えていたが、それが今、逆転した。
「……! 手札がこんなに……でも、マナが……!」
《天動の化身》を場にだされ、八の手札はマナに置かれ、マナのカードがすべて手札へとやって来る。
手札は十三枚もあるが、マナはたったの5マナ。どう足掻いても、手札のカードを使い切ることは不可能だ。
「《ジオ・リバース》で夢谷君を攻撃、Wブレイクよ!」
「あ、えーっと……ブロックはしないっす!」
ブロックすれば《ジオ・リバース》が破壊されてしまう。そのため、八はこの攻撃を通すしかなかった。
一枚目のシールドがブレイクされる。すると、
「! S・トリガーっすよ! 《グローバル・ナビゲーション》! 浬さんの《アクア・エージェント》をマナ送りっす! で、マナから《魔光王機デ・バウラ伯》を回収っす!」
「くっ……!」
ブレイクされた一枚目はS・トリガー。《グローバル・ナビゲーション》で、浬の《ブルー・メルキス》が除去され、マナのクリーチャーも手札に加えられる。
このレギュレーションなら《グローバル・ナビゲーション》は、除去したクリーチャーをマナ回収で奪うことができる呪文になるが、《アクア・エージェント》なんかを奪うつもりは当然ないらしく、《天動の化身》でマナに埋められたクリーチャーを回収する。
「二枚目もブレイク!」
「ついてるっす、もう一枚もトリガーっす! 《リアルとデスの大逆転! 浬さんの《ブルー・メルキス》を破壊して、墓地から《ヘヴィ・デス・メタル》を復活っすよ!」
「《ブルー・メルキス》までやられたか……《ヘヴィ・デス・メタル》は例によって山札の下へ」
「私はこれでターン終了よ」
浬ターン
マナ:5
手札:5
盾:3
場:《コマンダー・イノセント》
美琴の攻撃で八のシールドはゼロになったが、代わりに浬の場が半壊した。
《アクア・エージェント》も《ブルー・メルキス》もいなくなり、残っているのはブロッカーの《コマンダー・イノセント》のみ。そして、《サイバー・N・ワールド》で手札が増えたのに、《天動の化身》のせいでマナが5マナしかない。このターンにマナチャージしても6マナだ。
実は美琴は、浬を倒すつもりなのではないかとさえ思う。《天動の化身》だって、それなりにパワーと打点の高いクリーチャーだ。《メテオライト・リュウセイ》よりマシとはいえ、その能力の被害は浬も受ける。
しかし、そのわりに、彼女は八のシールドを削った。流石にトリガーが出ることまでは読めなかったはずだから、純粋な八への攻撃のはず。
いまいち彼女の真意が読み取れない。彼女はなにがしたいのだろうか。
そう思いつつ、浬はカードを引く。そして、
「!」
電流が走った気がした。
考える。美琴は《シナプス・キューブ》で山札を操作した。あれは、《ジオ・リバース》で仕込むクリーチャーを選別するためだと思っていたが——勿論それもあるだろうが——それだけではない。
《シナプス・キューブ》で操作できるのは、山札の上四枚。《ジオ・リバース》が登場時に捲るのは、三枚。
つまり、最後の一枚は、必然的に浬のドローとなる。
(まさかこのカードを俺の手元に持ってくるために……? 確かに、この盤面をひっくり返せる可能性はあるが……)
このデッキの特性を考えると、とんでもなくリスクが高い。軽々しく出せるカードではなかった。
しかし、かといって今の手札では、なにができるわけでもない。このカードに賭けるしかないだろう。
「……えぇい、ままよ。やるしかない! 《ヘキサリオ・ドラグーン》をチャージ! そして、《ヴォイジャー》の能力発動! 進化クリーチャーの召喚コストを2軽減!」
《ヴォイジャー》の能力は、全プレイヤーに及ぶ。美琴が《ジオ・リバース》を4コストで出したように、浬も進化クリーチャーの召喚コストを下げられる。
浬はマナにある六枚、すべてのマナを払う。
「《コマンダー・イノセント》を進化!」
進化元は、《コマンダー・イノセント》。
どんな種族の進化クリーチャーにも進化できる、万能進化元だ。
そして現れるのは、起源の女帝。
禁じられた生命の錬金術師だ。
「錬成開始だ——《エンペラー・キリコ》!」
- 番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て39」 ( No.483 )
- 日時: 2016/09/12 13:30
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
エンペラー・キリコ SR 水文明 (8)
進化クリーチャー:サイバーロード/オリジン 13000
進化—自分の「サイバー」と種族にあるクリーチャーまたはオリジン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーをすべて、好きな順序で自分の山札の一番下に置く。その後、山札の上から、進化ではないクリーチャーが3体出るまでカードを表向きにする。その3体をバトルゾーンに出し、山札をシャッフルする。
T・ブレイカー
※プレミアム殿堂
《コマンダー・イノセント》から進化したのは、《エンペラー・キリコ》。
豪快な踏み倒しを連打する、初代《キリコ》だ。
《キリコ》の登場時、浬の他のクリーチャーはすべて山札に戻るが、戻るクリーチャーはいないため、そのままクリーチャーが山札から踏み倒される。
三体もの無条件な踏み倒しは強力で、それゆえにこのクリーチャーはプレミアム殿堂となったわけだが、このデッキであれば事情が違う。
このタワーデッキは、相手にデメリットを押し付けるデッキ。つまり、自分が強烈なデメリットを負うようなカードが捲れる可能性も、決して低くはない。むしろ高いだろう。
だが勿論、一発逆転、この場をひっくり返すクリーチャーが捲れる可能性もある。
つまりは博打だ。なにが捲れるかで、浬の行く末が決まる。
確率は計算できないが、恐らく、良い方向に進む確率の方が低い。失敗する確率の方が高いだろう。
それでもこれに賭けるしかないのだから、やるしかない。
「さぁ、山札を捲るぞ——」
浬はゆっくりと、山札を捲っていく。
一枚目、《電脳聖者タージマル》
二枚目、《インフェルノ・サイン》
三枚目、《クローン・ライトニング》
四枚目、《牢黒の伝道師ミリエス》
五枚目、《ギガスラッグ》
「……出て来るのはこいつらだ。《電脳聖者タージマル》《牢黒の伝道師ミリエス》《ギガスラッグ》をバトルゾーンへ!」
捲られたクリーチャーは、揃いも揃ってすべて攻撃できないブロッカーだ。
変なデメリット持ちのクリーチャーではないが、盤面をひっくり返すほどの力はない。
「な、なんか微妙なラインナップっすね……」
「ほっとけ。《キリコ》でダイレクトアタックだ!」
「それは《パーフェクト・マリア》でブロックっす!」
しかし、ここでブロッカーが並ぶというのは、悪くない。
これで浬は八の攻撃を耐えられるし、八に対しては巨大な《キリコ》でプレッシャーをかけられる。八の《パーフェクト・マリア》をバトルで打ち負かしたので、それだけでも大きな成果だ。
このままじわじわと殴り倒していけば、まだ勝ち目はある。
八ターン
マナ:7
手札:13
盾:0
場:《オロチ》《リベンジ・ドラゴン》《N》《天動の化身》
「むむむ、流石に《キリコ》は大きすぎるっすけど……ギリギリ耐えられるっすかね。《ミリエス》をチャージして、《魔光王機デ・バウラ伯》を召喚っす! 《バウラ》の能力で、《父なる大地》を回収するっすよ。そのまま《父なる大地》を唱えて、で《キリコ》をマナ送りっす! マナゾーンからは、《ヘキサリオ・ドラグーン》を出してもらうっすよ!」
「……《ヘキサリオ》の能力で、俺のシールドを一枚手札に加える」
少ないマナをなんとか使って、八は《キリコ》を除去。ブロッカーこそ増えたが、浬のアタッカーが消えてしまった。
そして次に、八は美琴へと向く。
「《サイバー・N・ワールド》で美琴先輩を攻撃、Wブレイクっす!」
「……トリガーはないわ」
「なら、《リベンジ・ドラゴン》でとどめっすよ!」
Lose 美琴
美琴がダイレクトアタックを受け、やられる。
これで残りは浬と八だけ。二人の一騎討ちとなった。
「浬さんにも攻撃っす! 《天動の化身》でシールドをWブレイク!」
「《ミリエス》でブロック!」
「ターン終了っすよ!」
美琴を倒し、浬のブロッカーを削り、ターンを終えた八。
浬の場はすべてブロッカー。すぐに攻撃される心配はなく、八の場には《ガミラタール》と《天動の化身》、《オロチ》に《リベンジ・ドラゴン》も残っている。シールド二枚なら、殴り切るのは時間の問題だ。
「残るは浬さんだけっすよ!」
浬ターン
マナ:7
手札:5
盾:2
場:《タージマル》《ギガスラッグ》《ヘキサリオ・ドラグーン》
防戦を強いられた浬。このままアタッカーを展開できなければ、勝ち目はない。
しかし、
「……悪いが、もう終わっている」
浬は既に、勝利の方程式を完成させていた。
「《ギガスラッグ》を進化! 《超幻獣ドグザバル》!」
「! 進化クリーチャーっすか、ちょっとまずいっす。でも、ブロッカーでまだ耐え——」
「残念だったな、お前のブロッカーは関係ない。お前のブロッカーの文明を見てみろ」
「へ? 光文明っすけど……」
「そうだな。光文明だ。つまり、お前は“光のマナ”を支払って、そのブロッカーを出している」
光のマナがなければ、光のクリーチャーは召喚できない。
その光に反応して、このクリーチャーは光る。
「《ドグザバル》の能力、光ステルス発動」
超幻獣ドグザバル R 闇文明 (5)
進化クリーチャー:キマイラ 9000
進化—自分のキマイラ1体の上に置く。
光ステルス
W・ブレイカー
「す、ステルス……? なんすか、それ……?」
聞きなれないワードに、疑問符を浮かべる八。当然と言えば当然だ。浬も、知識の中でしかこの能力は知らなかった。
しかし今は、その知識の差が、勝負を決定づけている。
「ステルスは、対象となる文明が相手のマナゾーンにあれば、アンブロッカブルになる能力。《ドグザバル》が指定する文明は光、お前のマナゾーン——というより、この共有マナゾーンには光のカードがあるから、条件達成だ。《ドグザバル》はブロックされない!」
「!?」
これで、八の《バウラ伯》はブロッカーとしての意味をなさなくなった。
シールドは削り切られている守りを失った八に、この攻撃を防ぐ手立てはシノビしかない。
しかし、彼の手札からはなにも出てこなかった。ならば、これで終わりだ。
「《超元獣ドグザバル》で、ダイレクトアタック——!」
「ま、負けたっす……」
「正直俺も、《キリコ》から出たのがあんな奴らで勝てるとは思わなかった……進化元が捲れたことと、《ドグザバル》を引いたのが大きかったな」
「私としては、《キリコ》で霧島君と夢谷君の同士討ちを期待してたんだけど……上手くはいかないわね」
結果として、勝者は浬だ。
八、美琴、空護の三人はそれぞれ浬に金を支払い、これでまた、浬が順位を上げる。
「まーた対戦か……流石にそろそろ疲れたぞ」
対戦マスに止まり、ミシェルがぼやく。
しかし彼女の言い分も理解できないわけではない。朝からぶっ続けで、今さっき昼を過ぎたところだが、ここまでで、慣れないデッキ、見たこともないようなレギュレーションで、何戦もしている。
疲れが溜まって当然だろう。
「残念だけど、このゲームから下りたいなら破産するしかないわよ。ショップマスに止まって全財産注ぎ込む?」
「……そうやって負けるのは癪だな。仕方ないから最後まで付き合ってやる。で、相手は誰だ?」
「わ、わたしです……」
柚だった。
(こいつかぁ……焔のナイトコンは面倒なんだよなぁ。フィニッシャーに欠けるから、上手いこと《バルガゲイザー》で大型が捲れれば楽なんだが……)
金銭的には下位の柚だが、対戦における勝率はそこそこいい。
というのも、ここまであまり奇抜なレギュレーションに当たっておらず、使用デッキも元が安定した強さのデッキなので、単純に勝ちやすいのだ。
暁のように使いこなせず惨敗ということもなく、安定して勝率を稼いでいる。
不動産や土地の買収に出遅れたため、そちらの方面で搾り取られているが。
「まあいいか。で。レギュレーションはなんだ?」
「ここから引いてちょうだい」
言われて沙弓に差し出された箱から、一枚の紙を引く。
その紙には『2pick』と書かれていた。
「……? ピック? なんだこれ? もはやデュエル、デュエマという用語すら消えたぞ」
『殿堂ゼロ』は、公式で打ち出しているのでわかるが、こんなレギュレーションは公式にはない。
ただ、どこかで聞き覚えがあるような気はする。
「『2pick』は、いわゆるリミテッド系のレギュレーションよ。『トッキュ−8』とか『ブースタードラフト』に連なるレギュレーションね」
リミテッド。つまり、その場でパックを開封して、即席のデッキを作り、そのデッキで対戦するというもの。
しかし今回の『2pick』は、五枚入りのパックを8パック開封して四十枚のデッキにする『トッキュー8』や、相手と一緒にカードを選んでデッキを組む『ブースタードラフト』とは違うレギュレーションだ。リミテッド系と一口で言われても、どのような形でデッキを組めばいいのだろうか。
「『2pick』は、二枚一組のカードの束が二つ提示されるから、その束から好きな方を選んでデッキパーツを得ていく。そうして四十枚のデッキを作るのよ」
「『ブースタードラフト』に近いんだな。ただ、相手に自分の選んだカードがばれないだけ、考えることが少なくて楽そうだ」
ミシェルは『ジェドルール』の時の苦痛を思い出したようで、顔をしかめる。
相手の選んだカードを把握していなければ不利になる『ジェドルール』と違い、『2pick』はあくまで、自分のデッキをその場で作るだけ。それ以外は普通のデュエマと変わらない。
「二枚の束を選んでいくということは、ぜんぶで二十回選ぶんですね……」
「ある程度、自分のデッキの中身を操作できるのはありがたいな」
「じゃあ準備するから、二人とも、デッキを組む準備してね」
というわけで、ミシェルと柚の『2pick』。
まずはデッキ作成から、始まった。
- 番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て40」 ( No.484 )
- 日時: 2016/09/13 01:14
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
(【《封魔妖スーパークズトレイン》《サイクロン・パニック》】と、【《ナチュラル・トラップ》《金色の精霊クロスヘイム》】か。ドローソースになる《クズトレイン》は魅力的だが、《サイクロン・パニック》って……)
カード選択。既にデッキの半分ほどのカードを選んだが、ここまででも、幾度となく悩ましい選択があった。
選ばされるカードは完全にランダム。次に選択できるカードが、今の選択時にわかるわけでもないので、デッキを組みながらコンセプトを固めていかなくてはならない、というのが、この対戦における肝だった。
(あたしのデッキはネクラカラーに近いから、火のカード入らないんだが、《クロスヘイム》かぁ。多色クリーチャーも多くないしなぁ、腐りそうだ)
色やマナカーブ、カードの役割など、ある程度は操作できるものの、一度そのカードを見逃してしまうと、同じカードが来ることは絶望的。同じ役割のカードが来るかどうかもわからない。
よしんば来たとしても、ペアになっているもう片方のカードが使えなければ選びにくいし、もう一方の選択可能な束に有用なカードがあれば、そちらを選択したくなる。
なかなかにデッキを組むのに難儀するレギュレーションだ。
(ドローソースを取るか、トリガーを取るかってところだな。うーむ……)
ミシェルは《クズトレイン》と《ナチュラル・トラップ》で悩んでいた。ドローソースも除去札も等しく貴重だ。色の兼ね合いも考慮して、どちらを入れるべきか。
(……ここはドローソースだな。除去カードも悪くないが、このレギュなら《クズトレイン》が生きる機会も多いだろ。リソースの確保を優先する)
そんな風に思考を巡らせながら、二枚ずつのカードを選択していく。
(【《トラップ・チャージャー》《ドリリング・イヤリング》】【《1月》《インビンシブル・パワー》】……考えるまでもないな。前者だ)
色も合わず、ろくな役割が持てないカードは切り捨てる。《インビンシブル・パワー》の打点増強に一瞬目が行ったが、現実的に13マナも溜めることはないだろう。
(【《腐敗勇騎ガレック》《腐敗無頼トリプルマウス》】【《アクア・デフォーマー》《スローリー・チェーン》】……ハンデスカードは魅力的なんだが、《デモニック・バイス》や《髑髏月》を既に取ってるからなぁ。さらにハンデスを増やすか?)
既に選んだカードと役割の被るカード。ハンデスは腐りづらく、《ガレック》や《トリプルマウス》のサイクルは汎用性が高いので優秀なのだが、過剰にハンデスを入れても仕方ないという気はする。
(色は微妙に合わないし重いが、《デフォーマー》はマナ回収、《スローリー・チェーン》は確実に攻撃を止める……特にマナ回収は積んでないから、かなり貴重だ。色は合わないし、重くて使いづらいが、選ぶならこっちか?)
思考の結果、ミシェルは後者を選択。
そして次のカードを選択しようとしたところで、デッキが完成した。
二人ともデッキが完成し、ミシェルと柚による『2pick』の対戦が始まる。
「えっと、《血風神官フンヌー》をマナにおきます。ターン終了です」
先攻、柚の2ターン目。
1ターン目に自然、2ターン目光と火のマナを埋めた柚は、まだ動かない。
柚のデッキが白赤緑メインなのか、それとも上手く色を調整できず、手札が事故を起こしているのかはわからないが、動きが多少鈍いくらいなら仕方ないだろう。
「《サイクロン・パニック》をチャージ。2マナで《ドリリング・イヤリング》を召喚だ」
しかしミシェルは先んじる。ブロッカーを出しただけだが、少しずつ場を固めていく。
「《ザ・ブラック・ボックス》をマナにおいて……《機械人形ガチャック》を召喚です。ターン終了です」
「面倒な奴が出たな……あたしのターン」
《機械人形ガチャック》。条件を満たせば問答無用でクリーチャーを破壊する軽量デスパペット。
そこまで脅威的ではないが、このクリーチャーの存在はそれなりにプレッシャーとなる。早めに対処したいところだ。
「……《聖電機ターコイズ・クラーケン》をチャージ。2マナで《死劇人形ピエール》を召喚だ。ターン終了」
「《デュエマ・ボーイ ダイキ》をマナにおきます。3マナで《突撃ウツボカズラ》を召喚です。攻撃は……しません。ターン終了です」
ブロッカーを並べるミシェルに対し、柚はアタッカーを展開。当然のように低スペックな準バニラが出て来るが、やはりこれも仕方ないだろう。
「あたしのターン。ここは……《フェアリー・ライフ》をチャージ。3マナで《双月怪鳥 パルプ・フィクション》を召喚だ。こいつの能力で、互いのプレイヤーは手札を一枚、マナに埋めなくてはならない。あたしは《ボーダメロン》を埋める」
「わたしは、えっと、《瀧のマジックマ・ショー》を……」
「ターン終了だ」
特殊なハンデスを互いのプレイヤーに課す《パルプ・フィクション》。場合によっては利敵行為になりかねないが、ミシェルとしても殴り手は用意しておきたい。それに、お互いに加速しているなら、単純なアドバンテージに差はない。
この加速が、柚にとってどう出るのか。
「わたしのターン……《青銅の鎧》をマナにおいて、4マナで呪文ですっ、《黄昏地獄拳》!」
黄昏地獄拳 水文明 (4)
呪文
カードを2枚引く。
バトルゾーンにある「ブロッカー」を持つクリーチャーをすべて持ち主の手札に戻す。
「げ……そいつはまずい……」
柚が唱えた一枚の呪文。その呪文に、ミシェルは苦い表情を見せる。
「まずはカードを二枚引いて……次に、ブロッカーをぜんぶ手札にもどしますっ!」
《黄昏地獄拳》は、単純ながらも強力な二つの効果がある。
一つはドロー。二枚のカードを引くだけなら、1コスト下の《エナジー・ライト》で十分だが、このドロー効果はおまけだ。
本命はもう一つの効果、ブロッカーの全バウンス。
バトルゾーンのブロッカーをすべて持ち主の手札に返す、単純で、単調で、それでいて強力かつ豪快な効果だ。使うタイミングを調整すれば、、自分のブロッカーの登場時能力を使い回したり、相手ブロッカーを退かして道を切り開くこともできる。
今回の柚の狙いは、当然後者。
「ブロッカーを除去されたか……少しまずいな」
ここでブロッカーがいなくなるのは、ミシェルにとっては厳しい。
ただアタッカーが殴るだけならまだいい。しかし、今の柚の場には、《ガチャック》がいる。
「《ウツボカズラ》でシールドをブレイクですっ」
「……くっ、トリガーなしだ」
「続けて《ガチャック》でシールドをブレイク! ブロックされなかったので、ターボラッシュ発動ですっ!」
《機械人形ガチャック》の能力は、ターボラッシュという条件によって発動する。
ターボラッシュとは、味方クリーチャーが相手のシールドをブレイクしていれば、指定された能力を得るキーワード能力だ。
《ウツボカズラ》の攻撃で、ターボラッシュ発動の条件は満たされた。そして得た《ガチャック》の能力は、相手プレイヤーを攻撃してブロックされなければ、相手クリーチャーを破壊する、というもの。
「《パルプ・フィクション》を破壊しますっ!」
「場は全滅、シールドも削り取られたか……」
ミシェルのシールドは三枚。クリーチャーもゼロ。
たった一枚の呪文で、かなりの戦力を削がれてしまった。
「とりあえず、守りを固めるか。《オール・イエス》をチャージ。3マナで《希望の守り手ラプソディ》、2マナで《ドリリング・イヤリング》を召喚!」
「わたしのターンです。《無頼勇騎ビャッコ》をマナにおいて、《礼装の堕天チュラロリエス》を召喚……うーん、ターン終了です」
「足止めは効いているな。あたしのターン、《ファンタジー・フィッシュ》をチャージ。2マナで《ピエール》5マナで《クズトレイン》を召喚だ」
《黄昏地獄拳》で《ガチャック》の通り道を作ったのは良かったが、《黄昏地獄拳》の除去はあくまでもバウンス。一時的に退かすことしかできない。
再び現れたブロッカーを除去する手段を持っていないようで、柚は立ち並ぶブロッカーに対し、また足踏みしてしまった。
そんな時だ。
「えっと、じゃあ、3マナで——」
彼女の手から、二人の戦士が登場する。
「——《ロックマンエグゼ&勝太》を召喚します」
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