二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ Another Mythology
- 日時: 2016/11/05 01:36
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)
初めましての方は初めまして。モノクロと申す者です。
今作品はモノクロが執筆しているもう一つの作品『デュエル・マスターズ Mythology』の外伝、いわゆるスピンオフ作品と銘打ってはいますが、ほぼ別物と化しています。
一応今作は、本編とは違った独自のストーリーを展開しつつ、『デュエル・マスターズ Mythology』の謎を別のアプローチで解き明かしていく、というスタンスで執筆する予定です。さらに言えば、こちらはあちらの作品よりもライトで軽い作風に仕上げたいと思っています。
カード解説は『デュエル・マスターズ Mythology』と同じ。また、オリジナルカードも登場する予定です。
珍しく前置きがコンパクトになったところで、モノクロの新しい物語を、始めたいと思います——
目次
プロローグ「とある思考」
>>1
1話「始動」
>>4
2話「超獣世界」
>>7
3話「太陽の語り手」
>>8 >>9
4話「遊戯部」
>>12
5話「適正」
>>15
6話「賢愚の語り手」
>>16 >>17
7話「ピースタウン」
>>18 >>24
8話「月魔館」
>>27 >>28
9話「月影の語り手」
>>29 >>30
10話「北部要塞」
>>31 >>35
11話「バニラビート」
>>36 >>37
12話「幻想妖精」
>>38 >>39
13話「萌芽の語り手」
>>40 >>43
14話「デッキ構築の基本講座」
>>60
15話「従兄」
>>63
16話〜58話『ラヴァーの世界編』
>>213
59話〜119話『継承する語り手編』
>>369
『侵革新話編』
120話「侵略開始」
>>367
121話「十二新話」
>>368 >>370
122話「離散」
>>371 >>372
123話「略奪」
>>373 >>374
124話「復讐者」
>>375 >>378
125話「time reverse」
>>379 >>380 >>381
126話「賭け」
>>382 >>383 >>384 >>385
127話「砂漠の下の研究所」
>>386 >>387 >>389 >>390 >>391
128話「円筒の龍」
>>392 >>393 >>394 >>395
129話「奇襲」
>>396 >>397 >>398 >>399 >>400
130話「死の意志」
>>401 >>402 >>403 >>404
131話「殺戮の資格」
>>405 >>406
132話「煩悩欲界」
>>407 >>408 >>409 >>410 >>412
133話「革命類目」
>>413 >>414
134話「一難去って」
>>415
■
Another Mythology 〜烏ヶ森編〜
1話〜25話『ラヴァーの世界編』
>>213
Another Mythology —烏ヶ森新編—
26話「日向愛」
>>215
27話「■■■■」
>>221 >>225 >>229 >>337 >>338
28話「暴龍事変」
>>339 >>340 >>341 >>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351 >>352 >>353
29話「焦土神剣」
>>354
30話「事変終結」
>>355
■
番外編
東鷲宮・烏ヶ森二校合同合宿
>>528
■
東鷲宮中学校放送部
第一回「空城 暁」
>>83
第二回「霧島 浬」
>>93
第三回「卯月 沙弓」
>>95
第四回「霞 柚」
>>132
第五回「日向 恋」
>>299
■
登場人物目録
>>57
- Another Mythology 11話「バニラビート」 ( No.37 )
- 日時: 2014/05/05 14:31
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
クリスタル・ランサー 水文明 (6)
進化クリーチャー:リキッド・ピープル 8000
進化—自分のリキッド・ピープル1体の上に置く。
このクリーチャーはブロックされない。
W・ブレイカー
《ヒラメキ・プログラム》によって《アクア・ティーチャー》から進化した《クリスタル・ランサー》。高いパワーにブロックされないWブレイカーと、単純だが、それ故に強力なスペックの進化クリーチャー。
しかも、《ヒラメキ・プログラム》で破壊したのは《トライグラマ》だ。なので、
「《トライグラマ》が破壊された時、《トライグラマ》は手札に戻ります」
これにより、またバニラ三体を並べればすぐにG・ゼロで現れてしまう。
だがやはり、それ以上に厄介なのは《クリスタル・ランサー》だろう。
「いくらブロッカーが並んでいようと、この《クリスタル・ランサー》がいれば問答無用です。《クリスタル・ランサー》でWブレイク!」
「ぐぁ……!」
「ご主人様!」
《クリスタル・ランサー》の槍が浬のシールドを二枚突き破る。
「また、眼鏡が吹っ飛んだ……」
その衝撃で、またも浬は眼鏡を失くしてしまったようだ。
「まだ、行けるか……? 俺のターン、《アクア・ジェスタールーペ》を召喚」
《アクア・ジェスタールーペ》は連鎖で山札の一番上を捲り、自身よりコストが低いクリーチャーが捲ればそのままバトルゾーンに出せる。
ここで一気にクリーチャーを展開したい浬だったが、
「くっ、《アクア・サーファー》か……」
運の悪いことに、捲れたのはコスト6の《アクア・サーファー》だった。
「なら……《アクア・ソニック・ウェーブ》と《アクア・ジェスタールーペ》でシールドをブレイク!」
「残念ですね、S・トリガー発動《アクア・バースター》! 自身を破壊して、《ジェスタールーペ》を手札に戻します!」
「っ、まだだ! 俺の水のクリーチャーが手札に戻されたことで、手札のこいつの能力が発動する。行け、エリアス!」
「了解です、ご主人様!」
賢愚の語り手 エリアス 水文明 (5)
クリーチャー:サイバー・ロード/リキッド・ピープル 3000
自分の《賢愚の語り手 エリアス》以外の水のクリーチャーがバトルゾーンから手札に戻された時、このクリーチャーを手札からバトルゾーンに出してもよい。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から4枚を見る。その中から1枚を選んで手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番上、または下に置く。
「頼むぞ、《エリアス》」
「お任せあれ! 私の能力は、私がバトルゾーンに出た時、山札の上から四枚を見て、その中の一枚を手札に加えられます」
浬のデッキからカードが四枚捲られる。浬はそれらのカードをジッと見つめると、そのうちの一枚を手札にし、残りを山札の上に戻した。
「場数を減らせませんでしたか。ですが、それでも私の《クリスタル・ランサー》は止めりません。わたしのターン、《アクア・ティーチャー》と《アクア・ガード》、そして《アクア戦闘員 ゾロル》を召喚! 私の能力で一枚ドローし、呪文《スパイラル・ゲート》! 《ジェスター・ルーペ》を手札に!」
そして、
『《クリスタル・ランサー》でWブレイク!』
「ぐ……!」
これで浬のシールドは残り一枚。いよいよ追い詰められてきた。
「俺のターン……《アクア・ジェスタールーペ》を召喚。連鎖で山札を捲り、《アクア戦士 バットマスク》をバトルゾーンに」
『むぅ……』
呻く《アクア・ティーチャー》。小型ばかりとはいえ、一気にクリーチャーを展開されてしまい、少々厳しくなった。
だが、これらのリキッド・ピープルたちは布石でしかなかった。浬の、切り札を呼ぶための。
「俺の場にリキッド・ピープルは七体。なので、シンパシーによりマナコストはマイナス7、よって1マナでこいつを召喚だ」
たったの1マナだけで、浬の切り札が召喚される。
「海里の知識よ、結晶となれ——《龍素記号iQ サイクロペディア》!」
数多のリキッド・ピープルの力を受け、現れた《サイクロペディア》。このターンに攻撃することはできないが、《クリスタル・ランサー》と同じブロックされないWブレイカーだ。さらに登場時にカードも引ける。
「《サイクロペディア》の登場時能力でカードを三枚ドロー。そして《アクア・エボリューター》を召喚し、ターン終了だ」
『むむむ……いやいや、まだ終わっていません。私のターン! 《アクア・ティーチャー》を召喚、《ゾロル》と《アクア・ビークル》を召喚、カードを引き、《アクア・ガード》を二体召喚! さらにG・ゼロ! 《ゾロル》二体と《アクア・ビークル》を進化元に、《零次龍程式 トライグラマ》を召喚!』
こちらもクリーチャーを並べながら大型クリーチャーを呼び出す。
『《クリスタル・ランサー》で最後のシールドをブレイク! 《トライグラマ》も攻撃です!』
「《トライグラマ》は《アクア・ガード》でブロックだ」
そして、浬のターン。
「《アクア・エボリューター》の能力で、俺の水の進化クリーチャーを召喚するコストは1少なくなる。なのでコスト3で《アクア・ガード》を進化、《超閃機 ジャバジャック》!」
浬の切り札の一つ、《ジャバジャック》。登場時にカードを四枚引き、手札二枚を山札の底へと戻すことで、手札の質をよくする進化クリーチャーだ。そして、
「続けて《アクア・ガード》を進化、《超閃機 ヴィルヴィスヴィード》!」
超閃機 ヴィルヴィスヴィード 水文明 (5)
進化クリーチャー:リキッド・ピープル閃 6000
進化—自分のリキッド・ピープル1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
W・ブレイカー
「お前の《アクア・ガード》をバウンス!」
『むむ、ぬぅ……!』
クリーチャーは増え、ブロッカーは減らされ、《アクア・ティーチャー》には厳しい状況。
浬は《エリアス》の能力で《サイクロペディア》を手に入れており、同時に山札の上を操作して《ジャバジャック》を手に入れる算段もつけていた。さらにそこからデッキを掘り進み、《ヴィルヴィスヴィード》も加え、一気に攻める。
「《ジャバジャック》と《ヴィルヴィスヴィード》でWブレイク!」
『《アクア・ティーチャー》と《アクア・ガード》でブロックです!』
「まだだ! 《ソニックウェーブ》《ジェスタールーペ》《バットマスク》《エボリューター》でシールドをブレイク!」
『ぐぬぬぬ……!』
なんとか残るブロッカーで攻撃を防ぐものの、アクア・ティーチャーの場からブロッカーは消え去った。
そして浬の場には、《エリアス》と《サイクロペディア》が残っている。
「《エリアス》で最後のシールドをブレイク! 《サイクロペディア》で、ダイレクトアタックだ!」
神話空間が閉じ、浬はカードとなった《アクア・ティーチャー》を掴み取る。
「カイ!」
「ゆみ……部長。そっちも終わったんですか?」
「まあね。思ったより骨のない連中で、簡単に薙ぎ払ってやったわ」
「そんなことないですよー部長、数が多くて倒すの大変で……もうへとへと……」
沙弓の後ろでは、暁がぐったりしていた。しかし、クリーチャーはすべて倒したようだ。
「み、みなさん……だいじょうぶですかぁ……?」
「もう終わったかな?」
講堂の扉から、柚とリュンが顔を出す。
「大丈夫だ、問題ない」
「そうですか、よかったです……」
「うー……もう帰ろうよー、すっごい疲れた……」
「そうね。ここのクリーチャーも倒したわけだし、これ以上ここにいる必要はなさそうね。今日はもう帰りましょうか」
《語り手》の封印は解けなかったが、北部要塞のエリアを解放し、一応は当初と違うが目的を果たした暁たち。
だが、
「…………」
「どうしました、ご主人様? 眼鏡を探しているのですか?」
「いや……あいつらはどうしてこんなところで龍素の実験をしていたのかと思って」
「ああ、そのことですか。うーん、なんででしょう。私には分かりません……」
「そうか。まあ、それならそれでいいんだが……」
考えても分からない。なら、考えるだけ無駄だ。
浬はすぐさま思考することを放棄した。
- Another Mythology 12話「幻想妖精」 ( No.38 )
- 日時: 2014/05/05 17:23
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
「——できましたっ」
柚は自室にて、晴れやかな表情で言った。
彼女の目の前には、大量のデュエマのカード。誰がどう見ても、デッキを組んでいる風景だった。
いや、もう組み終わったようだが。
「今回はいい感じにできた気がします……!」
誰に言うでもなく一人自慢げに胸を張る。だがすぐにその表情も曇る。
「でも、このデッキも使うことはないんですよね……」
彼女はとある事情によりデュエマができないのだが、しかしデュエマそのものは嫌いではない。むしろ好きだ。長年、彼女は親友である暁のデュエルを一番近いところで見続けてきたのだから、それも当然である。
だがそれでも、彼女がそのデッキを使うことはできなかった。
「……お兄さんに見つかったら、怒られちゃいますね。もう寝ましょう」
柚はカードを片付け、押し入れの奥へと仕舞い込む。
「明日の部活、みなさんがデュエマするところを、わたしはずっと見てるんですね……」
布団に入り眠りにつこうとする最中、明日のことを思う。
明日も自分は、ただ“見ている”だけなのだろうと——
「また新しい《語り手》が見つかったよ」
いつもいつも唐突に現れるリュン。今回もいつのまにか部室に現れ、そんなことを言うのだった。
新しい《語り手》が見つかったとなれば、暁が黙っているはずもなく、前回不発だった反動もあってか、喜び勇んでいた。
(主に浬が)ドタバタしながらの更衣も終え、五人が部室に集まる。
「うわー、部長の服、格好いいですね!」
「そうかしら? ふふ、ありがとう」
ウルカに頼んでいた、沙弓の衣装が届いたため、今回から沙弓もその衣装に着替えていた。
肩口を切り落とした黒いブラウスとロングスカート。腰に巻いている二本のベルトとネクタイだけが白く際立っている。
カラーリング的にはいつもの制服とそれほど変わらないのでは? と思う浬だったが、彼女たちにとってはそんな単純な話ではないのだろう。
「準備ができたなら転送してもいいかな?」
「あ、うん。オッケー」
「じゃあ転送するね」
やっと操作に慣れた手つきで、リュンは携帯にアドレスを入力し、送信する。
そして五人は、クリーチャー世界へと飛んで行った。
「……森?」
「そう、森。自然文明の統括地、スプリング・フォレストだよ」
転送された先は、森だった。木々の生い茂る森。右も左も前も後も木か草ばかり。
「スプリングっていうわりには、普通の森っぽいけど」
「《萌芽神話》がいた頃には、所々が桜模様になってたみたいだけどね。今は統治するものがいなくなって、クリーチャーたちも森も野生化し、ただの森さ」
その森の中に、《語り手》が封印された祠があるという。
「よーし、じゃあ早く封印されてる《語り手》を見つけ——」
「暁!」
コルルが叫ぶ。
「な、なに? どうしたのコルル?」
「なにか来るぞ!」
次の瞬間、木々が揺れ、その奥からなにかが飛び出す。
「っ! あ、あれなに……!?」
「《緑神龍バルガザルムス》だ!」
バルガザルムスはこちらを睨みつけながら唸っており、明らかに敵意を剥き出している。
「な、なんか怒ってる……?」
「おい、こっちにもいるぞ」
浬の声と同時に、地揺れが起こる。何事かと見上げてみると、木々を薙ぎ倒しながら、またも巨大な龍が姿を現した。
「《緑神龍ミルドガルムス》ね……それと、こっちにもいるっぽい?」
「あれは確か……《緑神龍ドラピ》!」
「アース・ドラゴン三体が揃い踏みか……」
三方向からそれぞれ姿を現したバルガザルムス、ミルドガルムス、そしてドラピは、いずれも敵意を剥き出しており、今にも襲いかかって来そうな勢いだ。
「流石にこれは、逃げるってわけにはいかなさそうね」
「ですね。だとすれば」
「やるしかない! コルル!」
「おう!」
暁の呼びかけに応じて、コルルが神話空間を展開する。
「エリアス、頼む」
「了解しました、ご主人様!」
「あなたもお願いね、ドライゼ」
「ハニーの頼みとあらば、喜んで応じよう」
同時にエリアス、ドライゼもそれぞれ神話空間を作り出し、三体のドラゴンが飲み込まれる。
「み、みなさん……がんばってください……」
そして取り残された柚は、ただ三人が戻るのを、待つしかなかった。
『グルガアァ!』
《バルガザルムス》が吠え、暁のシールドが砕かれる。同時に山札が捲られ、それが《バルガザルムス》の手札へと入っていった。
緑神龍バルガザルムス 自然文明 (5)
クリーチャー:アース・ドラゴン 5000
自分のドラゴンが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を表向きにしてもよい。そうした場合、そのカードがドラゴンであれば手札に加え、ドラゴンでなければマナゾーンに置く。
「攻撃するたびに手札かマナが増えるなんて凄いじゃん。でも、このターンで決めるよ!」
《バルガザルムス》の場には《母なる緑鬼龍ダイチノカイザー》がおり、下手に攻撃すれば殴り返されてしまうが、このターンに勝負がつくのであれば、関係ない。
「行くよ! 《爆竜 GENJI・XX》を召喚! そんでもって《ライラ・ラッタ》で《青銅の鎧》を攻撃!」
《ライラ・ラッタ》が《青銅の鎧》をバトルで破壊し、
「おいでっ、コルル!」
「おうよ! 任せとけ!」
「さらにスピードタッカーの《GENJI》でWブレイク! 続けて、私の場にドラゴンがいるから《霊峰竜騎フジサンダー》も攻撃可能になるよ! Wブレイクだ!」
次々とシールドをブレイクし、あっという間に《バルガザルムス》のシールドはなくなってしまった。
「《コルル》でダイレクトアタック!」
『ルルルルル……』
「ちぃ、出たか……!」
緑神龍ミルドガルムス 自然文明 (7)
クリーチャー:アース・ドラゴン 5000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のマナゾーンからカードを1枚選び、持ち主の墓地に置く。その後、自分の山札の上から1枚目を自分のマナゾーンに置く。
僅か4ターン目で《ミルドガルムス》が現れ、浬のマナを削りながら自分はマナを加速する。
「たった一枚とはいえ、この順目でランデスはきついな……俺のターン《アクア・ハルカス》を召喚し、ターン終了」
『ルルルルル……!』
「っ、《王龍ショパン》……!」
強制バトルで《アクア・ティーチャー》が破壊されてしまった。
続けて《ミルドガルムス》と《エコ・アイニー》による攻撃が炸裂する。
「S・トリガー発動《アクア・サーファー》!」
最後の一枚でS・トリガーが発動し、《アクア・サーファー》を召喚。クリーチャーを一体手札に戻せるが、浬がバウンスするのは相手クリーチャーではなかった。
「俺の《アクア・ハルカス》を手札に戻す。そして出て来い、エリアス!」
「承りました、ご主人様! 私の能力発動です!」
「山札の上から四枚を見て……こいつだ。残りは山札の上へ」
浬はあえて自身のクリーチャーを手札に戻し、《エリアス》を呼び出す。
「俺のターン、まずは《アクア・ビークル》を召喚。そして《エリアス》によって手札に加えたこいつも召喚だ。G・ゼロ、《アクア・ビークル》《アクア戦闘員 ゾロル》《蒼狼アクア・ブレイド》の三体から進化! 《零次龍程式 トライグラマ》!」
G・ゼロで《トライグラマ》が現れる。
「《トライグラマ》でTブレイク! さらに《アクア・サーファー》でシールドをブレイク!」
一気に大量のシールドを削り、《ミルドガルムス》のシールドはゼロに。
「《エリアス》でダイレクトアタック!」
『ピギャアァ!』
刹那、沙弓のシールドが一気に三枚砕け散った。
「っ、流石に強烈ねぇ……!」
緑神龍ドラピ 自然文明 (1)
クリーチャー:アース・ドラゴン 15000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにカードが9枚以上なければ、このクリーチャーを破壊する。
T・ブレイカー
序盤からマナを加速しまくり、早期にデメリットを打ち消して現れた《ドラピ》。特殊な能力があるわけではないが、純粋に打点とパワーが強力だ。
「でも、S・トリガー発動よ。《地獄門デス・ゲート》で《オーバーブースト》を破壊! 墓地から《月影の語り手 ドライゼ》を呼び戻すわ」
「俺を呼んでくれたのか。嬉しいな」
「いや、単に呼べるのがあなただけだったから」
「ふっ、それは言ってくれない方が嬉しかったな……」
それはさておき。
ここで沙弓は攻めに転じることにした。
「《魔刻の斬将オルゼキア》を召喚。《ブラックルシファー》を破壊して、《ドラピ》と《ジャスミン》を破壊よ。さらに《ブラックルシファー》が破壊される代わりに、墓地の《デストロンリー》を回収」
そして、
「《ブラックルシファー》と《ドライゼ》でシールドブレイク!」
『ピルルル……ピギャアァ!』
返しのターンに《ナチュラル・トラップ》で《ブラックルシファー》を除去し、《ドラピ》を呼び出すが、無意味だ。
「《オルゼキア》でWブレイク!」
《オルゼキア》の斬撃で、《ドラピ》はシールドをすべて失った。
「《ドライゼ》でダイレクトアタック!」
- Another Mythology 12話「幻想妖精」 ( No.39 )
- 日時: 2014/05/05 21:33
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
「ま、ざっとこんなもんかな」
「思ったより大したことはなかったわね」
「こんなところで時間を食ってる場合でもないしな」
三体のドラゴンを倒し、神話空間から戻って来た三人は、口々にそんなことを言う。
「み、みなさん、お疲れ様です」
「まー私たちなら楽勝な相手だったしね。早く《語り手》探しに行こう——」
と、その時。
またしても近くの木々が揺れ、地鳴りが起こり、空からなにかが飛来してくる。
「っ、こいつら……!」
「《バルガザルムス》《ミルドガルムス》《ドラピ》……! まだいたのね……」
「たぶん別固体だけどね」
なんにせよ、敵意剥き出しの三体のドラゴンが再び襲ってきた。ならば、応戦するしかない。
「面倒だなぁ……」
「だが、三体で囲まれてるならやるしかない」
三人は再びそれぞれドラゴンを相手取る。しばらくして、三人は神話空間から出て来た。
「終わったか」
「デッキも戦術も変わり映えしないわね」
「さて、今度こそ《語り手》を探しに——」
と暁が一歩踏み出したその時、またしても三体のドラゴンが姿を現す。
「またぁ!? どんだけいるのさ!」
辟易としながら叫ぶ暁。その傍らでは、浬が怪訝そうな視線をドラゴンに向けていた。
「……妙だな」
「そうね。群れでいるにしても、こんな小分けにして出て来るなんて、おかしいわ」
仮に近くにドラゴンの群れがあって、テリトリーに入った暁たちを襲っているにしても、それなら一斉に出て来ればいいはずだ。三体ずつ分けて出て来る必要なんてない。
なにかしらの思惑が働いている。そんな匂いがした。
「どこかにこのドラゴンたちを操ってる奴がいそうだな……」
「と言っても、近くにそれらしい気配は感じません。というか、あのドラゴンたち、怖いです……ご主人様ぁ」
「黙れ、変な声を出すな。というか泣くな! お前クリーチャーだろ!」
浬は涙ぐむエリアスを叱咤する。だが、確かに唸りを上げるドラゴンたちは恐ろしい形相でこちらを睨んでいた。
「さて、どうしたものかしら。このままドラゴンたちと戦ってもねぇ……」
「……む」
ドライゼがなにかに気付いたかのように、視線を近くの茂みへと向ける。
「そこにいるのは誰だ?」
そう問いかけながらホルスターから二丁の拳銃を抜き、トリガーを引く。ほぼ同時に銃口から弾丸が射出され、茂みへと吸い込まれていった。
「ビンゴだ」
茂みの中から、何者かの影が飛び出す。
「っ、クリーチャー!?」
「《幻想妖精カチュア》だな」
自然の大型スノーフェアリーだ。
「どうもあのクリーチャーが、このドラゴンたちの発生源みたいね」
「そっか、《カチュア》はドラゴンを呼んでくる能力があるんだった……その能力を使って、このドラゴンたちを呼んでるのか」
「……ここから立ち去りなさい」
ドラゴンたちが現れる種は分かった。そして、カチュアが静かに口を開く。
「ここは私の地。貴方たちのような者が足を踏み入れていい場所ではないの」
「おやおや、随分と嫌われてしまったようだな。女性に嫌われるのは悲し——」
「行きなさい、地龍たち!」
ドラゴンの咆哮が鳴り響き、地を揺るがす。そして三体のドラゴンが飛び掛かって来た。
「やっば……コルル!」
「結局こうなるのか……!」
「仕方ないわね」
咄嗟に神話空間を展開してデュエルに持ち込む三人だが、ここでドラゴンを倒したとしても、カチュアの能力でまた新しく出て来てしまうので、いくらドラゴンを倒して耳はない。カチュアを倒さなくては、いたちごっこだ。
「みなさん……」
リュンと取り残された柚が、どこか悲しげで、寂しげに呟く。
「もしも、わたしが戦えれば……」
また状況は違ったかもしれない。そう思うと、悔しさが込み上げてくる。
「わたしは、役立たずです……みなさんの足を、引っ張るばかりで……」
悔しさの後には、情けなさが湧き上がる。本来なら、自分はこの世界に来るべきではなかったのかもしれない。来たところで戦えず、月魔館の時のように足手まといになるだけだ。
だが、そんな彼女にも、希望がないわけではなかった。
「だったら、賭けてみるかい?」
「え……?」
リュンの言葉に、柚は顔を上げる。
「この森のどこかに《語り手》が眠っているのは確かだ。その眠りを覚まさせることができれば、君も戦うことができる」
「で、でも……」
「彼らを助けたいと思う気持ちがあるのなら、ここで悲観してる場合じゃないよ。君にも、可能性はある」
「……分かりました」
リュンの言う通りだ。このままここでジッとしていても、状況はなにも変わらない。この状況を変えたいのなら、自分が動くしかなかった。
「行きましょう、リュンさん!」
「了解した。じゃあ、ついて来て。案内するよ」
「はいっ」
そして、柚とリュンは駆け出した。この森に眠る、《語り手》の封印を解くべく。
「——あれ? ゆずがいないよ?」
「先に逃げたのかもな。ここにいても、戦えないあいつらじゃ危険なだけだ」
「だったら、私たちもその後を追って逃げたいところなんだけど……」
そうはいかない。
ドラゴンを倒した瞬間、新たなドラゴンがまたしても現れ、行く手を塞ぐ。
「貴方たちは逃がさない」
「そうもいかないみたいね……仕方ないわ、やるだけやりましょう。あの子たちが私たちを見捨てるってこともないだろうし」
「なにをしようとしてるかは分からないが、今は霞たちに賭けるしかない」
「うん……」
結局は、できることをするしかないのだ。
暁たちは再び神話空間を開き、目の前のドラゴンたちとの戦闘に入る。
その最中、暁はふっと呟いた。
「……ゆず、信じてるからね」
しばらく森の中を走ると、少しだけ開けたところに出た。そこだけは木々や茂る草ではなく、小さな花畑のように、花々が咲いている。
そして中央に鎮座するのは、祠というよりも社、もしくは小さな神殿だった。
中に入ると、そこは今まで見た《語り手》が封印されていた小部屋とほぼ同じ景色が広がっている。壁には幾何学的な模様が描かれ、祭壇の中央には台座が、そしてその上には、掌ほどもある蕾のようなものがあった。
「ここに、《語り手》のクリーチャーが眠っているんですか……?」
「うん。ここに封印されているのは《萌芽神話》の配下だ」
もしその封印が解ければ、柚もカチュアと戦える。延々とドラゴンと戦い続けるループを打破できるかもしれない。
だが、それは柚がその封印を解ければの話だ。この前、《焦土神話》の配下を目覚めさせられなかったばかりなので、不安がよぎる。
しかし不安に駆られているのは柚だけではなかった。
(《萌芽神話》は十二神話の中でも最も幼いクリーチャーだ。秘めたる力は相当なものだけど、十二神話入りを疑問視するクリーチャーも数多くいるほどに、彼女は未熟だった。そんな彼女が信頼を寄せるクリーチャーって言っても、正直あまり期待できない……)
そもそも、リュンとしてはコルルやエリアス、ドライゼの力も期待していたものからほど遠いものだった。彼らの主たる十二神話は、十二神話らしく優秀であったが、《萌芽神話》は普通のクリーチャーとしても未熟であったので、その配下が如何ほどの力か、疑問である。
「で、では、行ってきます……!」
「あ、うん。お願いね」
とはいえ、今はそれに賭けるしかないのだ。期待できないとか、実力に疑問を覚えるだとか、そんなことをぐだぐだと抜かしている場合ではない。
今の自分たちに残された手は、これだけしかない。ならば、その可能性を信じるしかなかった。
柚は台座の前に立つ。目の前の蕾が事の成否に関わると思うと、凄まじい緊張感とプレッシャーに襲われる。
だが、それに臆するわけにはいかなかった。自分の可能性が、仲間たちの命に直結すると言っても過言ではないのだ。ここで臆している場合ではない。
「い、いきます……っ!」
勇気を振り絞って柚は手を伸ばす。そして目の前に蕾に、静かに触れた。
刹那、萌芽の殻が破れる——
- Another Mythology 13話「萌芽の語り手」 ( No.40 )
- 日時: 2014/05/06 08:41
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
桜色の花弁と薫風を発しながら、萌芽の殻が綻び、破れる。そして——
「ルー!」
「はわわっ、な、なんですか……っ?」
中からクリーチャーが飛び出し、柚の胸に飛び込んできた。
二頭身の体躯に、妖精のような薄い羽を持つ少女のようなクリーチャーだ。
「ルー、ルー!」
「え、えっと……」
「その子が、《萌芽神話》の《語り手》……なのかな?」
想像以上に幼かった。もしかしたら《萌芽神話》を支えるために、逆にしっかりしたクリーチャーが出るかと淡い期待をしていたが、出て来たのは言語能力すら発達しきっていないほど未成熟ま稚児とも言えるようなクリーチャー。
「ルー、ルールー」
「プルさんっていうんですか。わたしは柚です、よろしくお願いします」
「言葉分かるの!?」
「あ、はい。なんとなくですけど」
リュンにもプルというらしい彼女の言葉は理解できない。だが、柚には分かるようだ。
「もしかしたら、一番クリーチャーに近いのは柚さんかもしれないな」
「……なんだか、すごく失礼なことを言われてる気がします」
やや非難するような視線をリュンに向ける柚。
それに割って入るように、プルが声を上げた。
「ルー!」
「ど、どうしましたか?」
「ルールー、ルー!」
「ルピナちゃんのペットが、ここで寝てる……?」
なんのことかさっぱりだった。
柚が疑問符を浮かべていると、プルはスーッと幾何学模様の走る壁へと飛んで行く。
「ルピナっていうのは、たぶんプロセルピナ……《萌芽神話》のことだと思うよ」
「そうなんですか。でも、プルさんはその《萌芽神話》ってクリーチャーの配下、なんですよね? ルピナちゃんって……」
随分と馴れ馴れしい呼び方だった。主人と配下という関係では、およそ成立しないであろう呼称だ。
「僕も十二神話と配下との関係までは詳しく知らないけど、《萌芽神話》は幼いクリーチャーだからね。主従関係も他の十二神話とは異なるものだったと思うよ」
それを言えば、その主従関係は各十二神話ごとに少しずつ違っているのだが、その中でも《萌芽神話》は、もはや主従関係などとは呼べるようなものではなかったのだろう。
純粋に対等な関係の仲間。もっと言えば、友達、くらいの意識だったのかもしれない。
「ルー」
そんな話をしていると、プルが戻ってくる。同時に、壁の幾何学模様から花弁のようなものが散り、柚の手元へと落ちていく。そしてその花弁は、一つの形を形成した。
「これは……デュエマの、カード……?」
今まで暁や浬、沙弓と同じように、かつて《萌芽神話》と共に戦ったであろうクリーチャーの一体だ。
「ルールールー!」
「! そうでしたね……」
プルの呼びかけで、柚は元々の目的を思い出す。
すると彼女は、素早く踵を返した。
「行きましょう。みなさんを、助けるんです……!」
「う、っくぅ、きっつー……」
「…………」
「もう何回戦ったかしら……?」
連戦に連戦を重ね、暁たちは満身創痍の状態だった。
カチュアが呼び出すドラゴンたちは倒せど倒せど現れ、じわじわと三人の体力を毟り取っていく。
「最大の誤算だったのは、クリーチャーが短時間しか実体化できないところよね……」
「ですね……」
三人も、いつまでもこうして戦っていても埒が明かないことは分かっていた。なので隙を見てクリーチャーを実体化させ、ドラゴンとカチュアを薙ぎ倒して逃走するつもりだったが、ドラゴンを吹っ飛ばしたところで実体化させたクリーチャーが消えてしまったのだ。
どうやらこの世界でも、神話空間外ならカードからクリーチャーを実体化させた場合は、短時間しか実体化できないようだ。先に言えよ、とここにはいないリュンを少し恨んだりもした。
「幸いなのは、あのクリーチャーがドラゴンを三体ずつしか出せないことか……」
「不幸中の幸いだけどね。不幸が大きすぎるわ」
三体ずつでも、無限に呼び出せるのならそれが幸いだとは言いづらい。
「よくもここまで粘れるものね……でも、そろそろスタミナ切れ。行きなさい、私の僕たち!」
カチュアの呼び声で、またしてもバルガザルムス、ミルドガルムス、ドラピの三体が現れる。
「うぅ、もう限界だよ……」
「愚直に戦い続けても、ジリ貧になるだけ……一か八か、背中を向けて逃げてみるべきだったかもな」
「それはもっと早く言うべきよね……」
半ば諦めかけている三人。それでも、デッキを離さないのは意地か。
そんな時、彼らにとっては救いの女神が来たかのような、彼女の声が聞こえてくる。
「みなさんっ!」
「ゆず!? っていうかその浮いてるのって、クリーチャー……?」
息を切らしながら駆けて来る柚とリュンの姿が目に映る。そしてその傍らには、クリーチャーらしき妖精っぽいものが浮いていた。
「三人とも! そのドラゴンたちを神話空間に引きずり込むんだ!」
リュンが叫ぶ。なにをするつもりなのかは分からないが、言わんとしていることは大体伝わってくる。なので、問い返すことも躊躇うこともなかった。
「っ! コルル!」
「エリアス、お前もだ」
「これが最後みたいね。ドライゼ」
『了解!』
三体の《語り手》は、各々の主人と共に、目の前のドラゴンを神話空間へと引きずり込む。
そして柚は、速度を落とすことなくカチュアへと駆けて行った。
「プルさん、お願いします!」
「ルー!」
「!」
三体のドラゴンが消え、ただ一人残されたカチュアは、プルの展開する神話空間へと、消えていくのだった。
「とんだ伏兵がいたものね……まあいい。貴女は、私が直接屠ってあげる」
「……っ」
カチュアの言葉に、思わず気圧されてしまう柚。性格的なものもあるだろうが、よく考えてみればこれが彼女にとっての初陣なのだ。
そして子の一戦には、仲間の命運がかかっている。負けるわけにはいかない。
「わたしには、重すぎます……でも」
プレッシャーに押し潰されそうになる柚。だが、
「絶対に、負けるわけにはいかないんです……っ」
勇気を振り絞って、精一杯の力強い目で、カチュアを睨みつける。
かくして始まった、柚とカチュアのデュエル。
柚の場には《青銅の鎧》《無頼聖者スカイソード》《霞み妖精ジャスミン》。シールドは五枚。
対するカチュアの場にはなにもなく、シールドはこちらも五枚ある。
「クリーチャーを出してこない……だったら、今が攻めるチャンスかもしれません。《青銅の鎧》でシールドブレイク、ですっ」
《青銅の鎧》がカチュアのシールドを一枚ブレイクするが、
「S・トリガー《大きくて小さな農園》。パワー3000以下のクリーチャーをすべてマナゾーンへ」
「はぅっ、クリーチャーがいなくなっちゃいました……」
早速トリガーを踏んでしまい、展開したクリーチャーを一気除去されてしまう柚。
「私のターン。《緑神龍バルガザルムス》を召喚」
「わ、わたしのターンです……」
勢いを削がれ、柚は弱気になってしまう。
「つ、使えません……マナチャージして、ターン終了……」
しかもドローまで悪い。手札がない状況で使えるカードが引けず、やむなくマナチャージだけしてターンを終えた。
「そろそろエンジンをかけていこうかしら。この私《幻想妖精カチュア》を召喚!」
幻想妖精カチュア 自然文明 (7)
クリーチャー:スノーフェアリー 3000
このクリーチャーで攻撃するかわりに、タップして次のTT能力を使ってもよい。
TT—自分の山札を見る。その中から種族にドラゴンとあるクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。そのクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。このターンの終わりに、そのクリーチャーを破壊する。
遂に《カチュア》自身が現れ、追い詰められていく。
「うぅ、どうすれば……」
なんとか巻き返しを図りたい柚だが、
「……呪文《セブンス・タワー》です。わたしのマナは七枚以上あるので、山札の上から3マナ増やしますっ」
できることはマナを増やすことだけ。マナこそ大量にあるが、手札もクリーチャーも存在しない。
『お粗末な展開ね。このまま私の地龍たちに押し潰されるがいいわ』
《カチュア》のターン。遂に彼女が攻めに出る。
『まずは《緑神龍ミルドガルムス》を召喚。登場時の能力で、私はマナを追加、貴女はマナを一枚墓地へ。さらにこれで私のマナゾーンのカードが九枚になった。《緑神龍ドラピ》を召喚』
マナゾーンにカードが九枚あるので、《ドラピ》のデメリットは打ち消されている。破壊はされない。
『そして私で攻撃、する代わりに能力発動。山札からドラゴンを一体、スピードアタッカーを付加してバトルゾーンに出すわ。出て来なさい《ドラピ》!』
「ま、まずいです……っ」
柚の目の前に立ち並ぶ、大量のドラゴンたち。
その光景を目の当たりにし、柚は恐怖を感じずにはいられなかった。
- Re: デュエル・マスターズ Another Mythology ( No.41 )
- 日時: 2014/05/06 09:31
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: SsVmP61.)
モノクロ様が全盛期をも凌ぐ
すさまじい速さで更新していて
感心しているOrfevreです
自分もモノクロ様並の更新速度が欲しいです。
ヒューマノイド爆がフィーちゃーされてる割に
《マルス》の部下は仲間にならないという
対照的に《プロセルピナ》の部下はあっさり仲間に……
《マルス》は不遇ではないとして
《ヴィーナス》の部下がいつ出てくるのか
そこを楽しみにして待ってます。
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