コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.140 )
- 日時: 2013/12/01 18:07
- 名前: 雪 (ID: ryagdTnR)
「ん…?」
起きてすぐ天井が目に入る。
聞こえた声が自分の声だと気付く。
「起きた?」
「…ケイ?」
ぼんやりした頭を働かせ、現状を把握しようと試みる。
ケイがいて、見たことが無い天井。
恐らくはケイの家だろう。
ならなぜケイの家にいる?
更に言うと私はなぜ眠っていた?
段々明確になる気絶前の記憶。
「…ごめん…ケイ…私…」
言葉を頑張って紡いでいこうと頑張る私を制してケイはマグカップを渡してきた。
「ココア。とりあえず飲めば?」
有難う、と小さくお礼を言いながら受け取る。
ふぅふぅと息をかけ覚まして飲む。
「…美味しい。」
小さく笑う。
「落ち着いた?」
「…うん。」
有り難い気遣いだ。
一段落つくとポツリポツリと言葉を繋げる。
「…あのね、私時々記憶が戻ってくるの。」
- Re: 秘密 ( No.141 )
- 日時: 2013/12/01 18:34
- 名前: 雪 (ID: ryagdTnR)
「記憶が戻ってくると私…壊れちゃうの…」
先程の暴走のことだろうか?
「戻ってくる記憶はいつも泣いてる誰か。多分私。」
記憶が押し寄せて来ると、いきなり泣き出したり頭がぐちゃぐちゃになったり、と彼女は続ける。
「まっ、あんなふうに暴走したことはあまりないけど。」
何度かは合ったってことか。
助けようと思ったのにむしろ苦しめてしまった。
そんな表情を見て察したのか頬を緩めてアリスは言葉を出した。
「…時間を頂戴。」
えっ?
「リンと会う。頑張って会えるようにするから。心構えをする時間を頂戴。」
じゃあ、と彼女は軽やかに立つと出口へと歩を進めた。
「あっ、そうだ。」
最後に彼女は振り返って告げた。
「ありがとう、ケイ。」
先程の考えを改めさせるような笑顔だった。
今まで見てきた笑顔ではない。
まるで心を見透かされたような笑顔だった。
「そんなつまんないこと、ケイが考える必要無いよ。」
そう言い置くと彼女は扉から出て行った。
結局は彼女のために何も出来なかった。
ギュッと拳を強く握った。
- Re: 秘密 ( No.142 )
- 日時: 2014/11/15 16:08
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
それからアリスに呼び出されたのは翌日のことだった。
アリスはくじけても立ち上がるのは早くて何をやるにも、効率的に終わらせようと試みる性格だった。
「昨日は有難う。」
開口1番、彼女はそう告げた。
「…お礼なんて言われる筋合いはないよ…」
「どうして?」
からかう様に笑う。
「アリスのために…何もできなかった…」
「してくれたじゃない。」
えっ?
「リンに会いに行こうって言ってくれたし、私のトラウマについても聞いてくれた。
ココアだって飲ませてくれた。ほら、たくさんしてくれたじゃない。」
だめだ…
それじゃ結局…根本的な解決は導き出せない。
「ケイはいっつも優しくて、責任感も強くて頼りがいがあって私好きだよ。
今まで誰1人だって私のトラウマの話なんてしたことなかった。」
マリーにすらも。
話したことなんてなかった。
「私が6年前のことを思い出せたのは多分ケイのお陰だよ。
それに多分誰にもこのトラウマは治せない。結局は私が立ち向かわなくちゃいけないんだ。」
それでもまだ罪悪感に囚われている顔をしていたのだろうか、アリスは続ける。
「実は暴走したのって今までずっと隠してた。」
でも…と彼女は続ける。
「でも昨日は違った。ケイがいた。
ケイも一緒だから私は頑張れた。暴走を隠すことなくさらけ出せた。だからお礼を言ったの。
ありがとう、ケイ。」
今までに見たこともないほど晴れ晴れした顔でアリスはケイに向き直った。
「さっ、リンに会いに行こう!!」
- Re: 秘密 ( No.143 )
- 日時: 2013/12/01 20:20
- 名前: 雪 (ID: ryagdTnR)
〜・15章 覚悟・〜
コンコン
今日は休日だが生徒会長のリンはくることは知っている。
返事は帰って来なかったが構わず扉を開ける。
「久しぶりね、リン。」
「…何の用だ、三田村こよみ。」
本名…
「流石生徒会長。全生徒の名前は頭に入ってるって?」
だがそんな質問を無視して言葉を続ける。
「何の用だ?」
「ちっ、無視か。まっ、いいや。」
しかし実際リンを前にすると何て言いか分からない。
「私はあんたに何て言えばいいか分からない。
無理に戻って来なくても良いなんて思ってたけど…私の本心を言うと戻ってきてほしい。」
素直に真っすぐリンの目を見て告げる。
「3回目だ。何の用だ?」
あえて無視する。
「私はまたリンの歌を歌いたい。ケイとの合作も聞きたい。」
「4回目は言わせるな。」
辞めてたまるか。
「私は今日自分の気持ちを素直に伝えに来た。」
ギュッと後ろにいるケイの手を握る。
私は負けない。
「不器用な私にはどう言ったらいいか分からない。」
繰り返す。
ケイのお陰で今私はここに立てている。
「どうしたら伝わるかも分からない。私はただ皆と一緒に歌いたい。一緒にいたい。」
ポケットの中をあさる。
手に紙が当たる感触がする。
「一ヶ月後…駅前のコンサートホールで私達の高校でコンサートが行われるのは知ってるよね?
それに軽音部も出場する。シークレットゲストとしてだけど生徒会なら知ってるよね?」
ポケットの中からチケットを取り出す。
静かにテーブルの上に置く。
「絶対に来て。そこでリンのために歌ってやる。
今までで一番大きな声で呼んでやる。だから絶対に来て。」
それだけだから、というとケイと一緒に生徒会室を出て行った。
- Re: 秘密 ( No.144 )
- 日時: 2013/12/17 23:30
- 名前: 雪 (ID: 80kMZFUh)
「はぁ…緊張した…」
せきを切ったもののかなり無理したと我ながら思う。
一方ケイはまだ握られた手の感触を確かめていた。
握られたのは意外に初めてかもしれない。
「じゃあ、来月まで頑張らないと!」
リンの心を揺さぶるほどの歌声を…音を…曲を…皆で作る!
リンとアリスが一緒にいるとどこか落ち着かない。
でもきっとアリスはそれを望んでいる。
・・・1日前・・・
「アリスはさ…吹っ切ればもう苦しまなくて済むって本気で思ってるわけじゃないでしょ?」
結局ケイはアリスを送ることになった。
「わかんない。って言うか聞こえてたんだ。」
アリスは知らん顔をするが違う。
「アリスはそんなこと思ってない。見てれば分かるよ…」
嫌と言うほどに…
「一緒にいたいんでしょ?吹っ切れるはず無い…だってアリスはあんなに…」
リンのことが好きだったのに…
きつく唇をかむ。
「吹っ切れなくてもきっと吹っ切らなくちゃいけないんだよ。
いたい、居たくないは結局本人の問題でしょう?」
私が口出すことじゃない…と彼女は力なく続ける。
「もっと素直になりなよ、アリス。」
素直?
思わず聞き返す。
「アリスはいっぱい傷付いて…今もずっと傷付いてる。
少しくらい我がままになっても良いんじゃない?」
それに…ケイは続ける。
「何時までも逃げ続けてもきっとまた同じ目に会う。
でも克服しとけばまた同じ目に会っても前回の経験はきっと力になる。」
ケイが言葉を止めた。
その間が絶妙に程良かった。
頭の上にポンと手を置くとケイは続けた。
その手はとても気持ち良かった。
「…アリスはそのまんまで良い。
真っすぐ…ぶつかればいい。それでこそアリスだよ。」
不思議と胸を打たれたような気分になった。
・・・現在・・・
「見栄を張ったのは良いけど…具体的に何するの?」
「作曲は宜しくね、ケイ」
作曲はケイに任せる。
なんと投げやりな…とぼやくケイを横目で見ながらアリスは微笑む。
ケイは気付いてないだろう。
昨日の言葉に私がどれだけ救われたか。
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