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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.302 )
日時: 2014/04/02 13:23
名前: 雪 (ID: XyK12djH)

食堂に集まるとすでに月宮さんがいた。

けれど友達と戯れる様子もなく1人でぽつんと立っていると言った印象だ。

けれど遠慮しがちな笑顔を顔に張り付けていた。

「月宮さん!来てたんですか?」

「ご、ごめんなさい…」

謝りながらも相変わらず遠慮がちな笑顔を顔に浮かべていた。

本当に儚げで綺麗な女の子だ。

何時も笑顔を顔に浮かべているがその表情はいつも遠慮がちだ。

「あなたは何を遠慮しているの?」

口にしてからハッと我に返った。

こう言ったことは本人の問題なのであまり他人げ口出しすることじゃない。

「べ、別に…遠慮なんて…」

どんな時でも笑っていられる。

それは素晴らしいし、美徳だと思う。

けれどそれは涙を流さないように必死に耐えているようにも見えた。

「なら…その表情は辞めた方が良い。」

「そうだよ!水臭いな〜サリー!!」

そう言ってガバッと抱きしめた。

その姿を横目で見ながらふっ、と小さく笑った。

「手は大事にした方が良い。」

班員の確認をすると食堂に歩を進める。

「手を大事にしろって…どういうことですか?」

小声でささやくマリーにならって私も小声で返した。

「あの子、プロだよ。ピアニスト、月宮沙織って聞いたことない?
まぁ、バイオニストとしても名前は馳せているけど。全国大会でも結構名前を見掛けるし。」

各席にミニカセットで各々の席でミニ鍋が置かれている。

それ以外にも漬物や焼き魚が置いてあった。

どこかの班がみそ汁とご飯を配っている。

「これがジャパニーズ旅館飯か〜!!」

エリスがはいってくるだけで男子の視線は限定される。

少し羨ましいと思わないこともない。

けれど圭以外の視線を集めることに意味は無い。

しかしあの時私は圭を拒絶した。

好きだという事を自覚しながら私は圭との恋を諦めた。

何時かはここから消えるって分かってる。

それでもエリスみたいに真っすぐに生きられたら…と思った。

今となっては皆友達だ。

一線を越えればもう後戻りできない。

クリスマスのこと。

今でも意識してないとは言えない。

けれど一生懸命元に戻ろうとした圭を見て私も変わらなければ、と思った。

私の都合で、迷惑をかけたくない。

エリスもその点は承知している様で誰とも一線を越えようとはしない。

誰とでもわけ隔てなく接するから、だからこそ誰も傷つかない。

特定の大事な人間がいる訳ではないから、誰も危険には及ばない。

でも私はエリスとは違う。

クラスメートとは距離を置いてしまう。

人とろくに付き合ったことのない私にはクラスメートとの他愛無い話など荷が重い。

「アリス、ジャージも似合ってるね。」

だからそう言った言葉が嬉しくて。

体が震えるのが分かる。

そんなこと言ってほしくなかった。

諦められなくなる。

「それって…世辞なのか?」

どうせ社交辞令。

お世辞だ。

気にすることは無い。

「お世辞にしては出来が悪くないか?」

「2人の方がジャージは似合ってるよ。世辞とは言えないけどね。」

リンの隣はマリーと定位置だとして順番に圭、リン、マリー。

その向かいにサリー、エリス、私と座った。

その後、生徒会長であるリンの挨拶を行ってから色々話してお開きになった。

初めてのスキースクールでの食事はぼちぼちだった。

Re: 秘密 ( No.303 )
日時: 2016/07/30 21:35
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

部屋に戻るとシャワーしてマリーセレクトの寝間着に着換える。

今日はもう予定は無い。

明日のスキーを控えてあえて何も入っていないのだ。

部屋の風呂を浴びて障子を開けると、マリーに髪を乾かせと叫ばれた。

長い髪を乾かしきると、エリスが部屋に飛び込んできた。

「これから急遽、カラオケ大会するって!」

どうやらエリスがやってみたかったみたいでどうにかねじ込んだらしい。

ItemMemberのことを知っていたせいでもあるとは思う。

クラス1人ずつ歌を聞いていると段々眠気が襲ってきた。

上手ければ他人の歌を聞くことに退屈を感じることは無い。

けれどこう何時間も、しかも知らない曲を歌われると少し眠い。

エリスは慣れているのか全く眠そうなそぶりを見せなかった。

流石プロ。

「あと歌ってないのは…三田村さん!!」

眠い頭にその声は鮮明に聞こえた。

「…えっ!?」

面白そう、と言った視線が私を突きさす。

「…お、お断りします!!」

断るだけでも体力を使う。

人に慣れていないことに私は心底憎んだ。

けれど一笑された。

「じゃあ、他の人と一緒でもいいですよ!」

実際に司会に悪意はないだろうけど、その顔に私は悪意しか感じなかった。

「そ、それでも…その…遠慮しておきます!!」

精一杯頑張って断った私の努力を全否定する様にマリーが私の腕を掴んだ。

「行きますよ、アリス。」

「ちょっ、マリー!?」

軽音部メンバーにエリスもサリーを引っ張って前に出てきた。

前に引きずり出されてから、パジャマできたことを後悔した。

「マイクは1本で良いです。」

何故かピアノもあるし、簡易ドラムセットも設置されていた。

「サリー、ItemMemberの曲弾ける?」

「弾けます。」

個人的にItemMemberが好きらしい。

「ItemMemberのメドレーでいいですか?」

私は頷いてないのに何時に間にか始まっていた。

人前でステージとかやったことはあるがこう言う風にやったことは無い。

♪-♪-

歌は相変わらず好きだ。

歌うと何もかも忘れられる。

歌があったから、皆に会えた。

でももし歌っていなければ。

あの場所に留まらず、もう3人のことを忘れて父の元に戻っていた。

そっちの方がある意味で幸せだったかもしれない。

でも私は会いたかった。

1目でもと、私は願った。

初めてだったから。

特別な存在だったから。

だから会いたかった。

お別れなんてしたくない。

何時かは来る別れ。

その時3人はきっと引き止める。

そんなのが無駄だってことも分かっている。

でも今度は…ちゃんとお別れを言えたらいいな。

♪-♪-

歌い終えると大きな拍手が包み込んだ。

この拍手も…あと何度聴けるのだろうか。

愛しくなる。

拍手は好きだ。

認めてもらった様だし、歓迎されているような気がするから。

誰かと関わろうとすると何時も別れのことばかり考えてしまう。

ある日突然いなくなるって覚悟しといたほうがずっとマシだ。

気を抜いてしまうと忘れてしまいそうだ。

何時までも一緒にいられるって思ってしまう。

眠い…

ガッと腕を掴まれ体を支えられる。

「…エリス?」

「こいつ、こう言うの慣れてないものだから!もう疲れちゃったみたいで、失礼しま〜す…」

引きずられる様に客席まで戻される。

積み上がっていた座布団を枕にして横になる。

「全く…クリスマスの件まで後引いてるのに無茶し過ぎ。」

「あれから体に不調は無かったんだけど…」

時々急に来ることがある。

それに外にも慣れていないので遠出に疲れたのも事実だ。

遠出しただけでこんなに疲れるなんて…

やっぱり圭達と同じ世界に立つのはまだ先になりそうだ。

「でもスキーが楽しみだって言うのも本当なんだ…」

薬で体はボロボロになっている。

きっと色んなところでガタが来ている。

「こっちの世界に来るには…お互いまだ先になりそうだね…」

エリスも連れ回されているんだ。

睡眠時間だって多くは無いだろうし、激務だ。

逃げないように色々薬漬けではあるのだろう。

体が弱い方が役立つ時もある。

相手に付け入る時に体が弱いふりをしたりするためだ。

なんでこんな風に生きなきゃいけないんだろう…

そう思ったのは…圭達に会ってからだった。

Re: 秘密 ( No.304 )
日時: 2014/07/10 22:06
名前: 雪 (ID: qWu1bQD1)

〜・53章 スキースクール2日目・〜
あれからそのまま眠ってしまったようで目を覚ますと部屋の布団の上だった。

「アリス、そろそろ起きてください!」

「思っていたのですが…何でアリスなんですか?」

「私の本名がアリスなの。アリス=ベクレル。」

エリスはロスコーの名前では生きていない。

ロスコーと名乗れば警戒される。

良い噂のあまり聞かない男だから。

私もベクレルの名前で生きている。

そもそも出生すら明かされていないのだから。

「エリスの従兄弟なの。」

エリスの出生は知らない。

それから朝食をとるとスキー用の服に着替えた。

ストッキングにスキー用の靴下。

それに長袖のシャツを着てその上にスキー用のウェアを着こむ。

ニット帽にゴーグルをつけると部屋を出る。

動きづらい。

熱い。

そう言った感想を述べるとマリーがスキー場ではこのくらいじゃないと寒いですよ、と言われた。

開会式という面倒なことを済ませるとまずスキー板の履き方から止まり方、坂の上り方、転び方まで指導してくれた。

その後いよいよ滑った。

思わず力んで足や肩が痛む。

午前中2時間半、午後2時間半の計5時間。

それが2日間行われる。

転んでばっかりのスキーを2時間半済ますと昼食を食べに戻った。

戻ると昼食はカレーだった。

スキー靴を脱いで帽子をとるとすっきりした。

「どうだった?」

「私は全然。転んでばっかり、っていうか立ち上がるのが大変。」

起き上がり方も教えてもらったが腕にいくら力を入れても1回も立ち上がれなかった。

止まる時も怖くなってなかなか上手く出来ない。

「何回滑った?」

「私ですか?上級コースは11回!!」

初心者コースはたったの5回だ。

「午後は6回は行けるって聞いた!」

自慢にもならない自慢をして、昼食のカレーを食べた。

本来昼食は班ごとで食べるのだが私は馴染めずにいたため、偶然となりの席にいたマリー達に話を吹っ掛けた。

隣の席が圭じゃなくて良かった。

「疲れた…」

これでようやく4分の1…

これが後3倍もあると思うと疲れて死にそうだ。

「お風呂入りたい…」

昼食を終えると部屋に戻って駄弁りながらトランプをしながら呟く。

「ああ…この休みが一生終わらなければ…」

でもそんなことある訳なくて再び地獄のゲレンデに向かわされる。

Re: 秘密 ( No.305 )
日時: 2014/04/02 16:06
名前: 雪 (ID: XyK12djH)

スキー靴をはいてゲレンデに出る。

集合時間より少し早かった為、エリスに強制的に雪合戦に参加させられた。

時間になると準備運動をしてリフトに乗る。

リフトに乗るときだけは少しだけ楽しい。

滑らなくていいし、風が気持ちいい。

「あれ?あの前のリフト、大きな縫いぐるみが載ってる!」

そのぬいぐるみは有名なとあるテーマパークのマスコットキャラだ。

「客寄せのためのぬいぐるみだろう…きっと限定ものだな。」

雨風に直撃するとは可哀想な…

まぁ、さすがに雪が降ったらしまうだろう。

インストラクターに聞くとあのぬいぐるみは飴を持っていて運が良い人にしかもらえないらしい。

それからひたすら初心者コースを滑った。

体力的に限界を迎えようとしたそんな時にようやく今日のスキーが終わった。

結局そのリフトには1回も乗れなかった。

Re: 秘密 ( No.306 )
日時: 2014/04/04 14:10
名前: 雪 (ID: Um7bp1Xg)

「…はぁ」

ニット帽を脱ぐと汗で湿った髪が露わになる。

「今日もお疲れだね、アリス。」

今日は確か太鼓鑑賞があるはず。

正直でるのは億劫だ。

気が進まない。

やけに眠い。

クラクラする。

やる気も出ない。

疲れた。

「アリス?」

「…ん?どうした?」

「やけにだるそうだけど…そんなに疲れた?」

スキー…か…

確かに疲れたし、足も肩も力んだ所為かとても痛む。

なんだかこの感じ…屋敷に囚われている時の様に…

…まるで抜け殻…

何にもやる気が起きない。

何をしても無気力だ。

何かをやろうにもイライラして上手くいかない。

周りのノイズが鬱陶しい。

そんな感じになるのだ。

その感じに…少し近い。

1語1句。

吐く言葉が乱暴になる。

「夕飯前にシャワー浴びて来る…」

眠い…

誰かに暴言を吐いてしまう前に離れておきたい。

圭の声を後におぼつかぬ足で部屋に戻った。


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