コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.245 )
- 日時: 2014/02/11 17:53
- 名前: 雪 (ID: Omr4T4uD)
アレクシスの恋もみのり、退屈な日々が続いた。
父は名前だけだしてアナの破婚を後押しした。
あれは賭け。
ただの暇つぶしの道具。
「ふぁ〜…」
気だるい欠伸の声が牢の中を小さくこだまする。
前と違ってとらえる理由が無いのか食事に薬は盛られていなかった。
それどころかお菓子などが牢の中にあまりにも不釣り合いに置かれていた。
退屈を紛らわす様に棒付きキャンディーを舐めた。
コツッ。コツッ。
牢の廊下で足音が静寂を破るように響いた。
「なんだ…息子の方か。」
吐き捨てるように話す。
「靴の鳴らし方から匂いまで父親そっくりになってきたな。」
父の方かと思った。
「貴様が来たという事は…帰るのか…」
冷たい声で続ける。
ここにいると体だけでなく心まで凍りつくように冷たくなる様な気がしてならない。
母はここで私を生んだと聞いた。
こんな岩室で…
そして私もここに囚われている。
「…皮肉なものだな。」
ペロリッと再び飴を舐める。
甘い果実の味がした。
「その…アナのことだが…感謝する…」
「分からんな。」
冷めた目でアレクシスを見つめる。
その目は何もかも写していながらもなにも見ていない様な…そんな目をしていた。
「これはただの暇つぶしだ。」
今回は結果が結果なだけ私はアレクシスを救った様に見えるだろう。
だが私はアナを知らない。
もしかするとアバック家で上手く行っていたかもしれない。
幸せだったのかもしれない。
アバック氏を愛していたのかもしれない。
そうすればアレクシスのやることなど平凡で幸福に満ちた2人の生活に亀裂を入れかねない。
はた迷惑な行動なのだ。
「確率は五分五分…むしろそれ以下だな。
それでお前が上手く行くか見て楽しんでいたのだよ。」
むしろ私はそんな勝つ可能性の少ない賭けにアレクシスの背を突き飛ばしただけだ。
「だから礼を言われる覚えが無い。」
上手く行ったところで私の監視がある。
そのために結局2人は離れ離れなのだ。
アナを同伴させるというのも…アレクシスの頭では思いつきもしないだろう。
結局どちらに転がろうと何ら変わらなかった。
「…行くぞ。」
そういって重い腰を挙げた。
夜はまだこれからだ。
- Re: 秘密 ( No.246 )
- 日時: 2014/03/01 11:05
- 名前: 雪 (ID: F/Vr8HVJ)
〜・39章 帰国・〜
再び飛行機を降りるといつもと変わらぬ懐かしい匂いが鼻を刺激する。
貼られている広告も季節が変わってもう冬景色。
考えると12月だ。
あれから1ヶ月近く経つ。
荷物を受け取り、ゲートに向かうと懐かしい顔触れがそこにあった。
「マリー!!」
どうしてここに3人がいるのかは…なんとなく分かった。
でもそれでも自分勝手な私を心配してくれたのは3人が初めてだった。
「アリス?」
「どうしたんだ?その髪。」
アリスの何時も流れるような美しい長い髪が…金髪になっていた。
あれはアレクシスが恋が実ったと得意満面な顔を下げて私に会いに来た時だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「代償を…払ってもらうぞアレクシス。」
牢から立ち上がると牢越しにアレクシスの前に立つ。
「アナをちゃんと愛せ…何ていうのはとっくの昔から出来ているだろうからな。わざわざ頼まんよ。」
そう前置きしておいた。
「私の髪を元の色に戻したい。」
はっ?という間抜けな声が聞こえた。
私はもともと金髪だった。
それを薬の副作用の為、今の様に茶髪になっているのだ。
「私は母から譲り受けた髪を守りたい。それが私が母の娘だという印になる。」
時間がかかるかもしれない。
それは分かっていた。
父の知り合いで髪をもとに戻す薬の開発をする人がいたのでその薬を譲り受けた。
実験で一応安全とされているが発売されるまでには至らない。
そう言った少し危ない代物だ。
だがどうしても髪を元の色にしたかった。
そして時間がかかり、牢から出る時には流れるような美しい金髪に戻った。
ただ季節はすっかり移り変わってしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アリスの金髪はとても似合っていた。
今まで見慣れた茶髪の髪よりよっぽど美しく輝いていた。
よっぽど似合っていた。
人形や妖精に見紛う程だった。
整った顔が金髪によって引きたっていた。
金髪というと不良の様な…そんなイメージが付くがアリスに関してはむしろしっくりきた。
金色の流れるような髪。
妖しく煌めく瞳。
髪の色が変わるだけでもかなり印象が変わる。
その日はそのまま灘家の別宅へ帰った。
誰もなにも。
追及してこなかったのがとても有り難かった。
また話したら悲しそうな顔をするから。
そんな顔。
もう見たくないから。
- Re: 秘密 ( No.247 )
- 日時: 2014/02/11 15:02
- 名前: 雪 (ID: 2CRfeSIt)
それから本当に灘家の別宅に引きこもった。
場所は基地にとても近い。
基地には公園の様な所があり、そこから先に展望台のように開けた場所がある。
海が見える展望台。
その横に設置されている階段を下りるとそこもまた広く展望台の様になっている。
階段を下りても下りなくても眺めは最高だ。
その降りた下の展望台のさらに下に階段で下りたところだ。
そこに大きくドンッと立っていた。
そっちの方が安心する。
またいつもと同じくらい長い階段を登らなければいけない。
それが少しだけ落ち着く。
長い金髪。
母がくれた髪。
毎日見る度に嬉しくなる。
学校も休んだが軽音部の活動には時折顔を出した。
ItemMemberの活動も1ヶ月ぶりと再開された。
アレクシスも新婚早々のくせに毎日私の監視のために1度は顔を出した。
こっちでも俳優として活躍することにしたらしい。
なんでもコンビニの前でスカウトされたとか…といっても元々俳優だったのでスカウトとは言わないかもだが。
以前と比べて狭くなった世界。
だが不満ではなかった。
結果的に3人には会えるし、むしろきつい学校生活に縛られることもない。
そもそも人付き合いは苦手なのだ。
苦手というか…人見知りなのだ。
幼少期は牢でその後は親戚にたらい回し。
結果的には化け物と呼ばれたりもするが…私は相当な人見知りとリンに言われたことがある。
だからこそ知らない人のいないここはとても居心地が良い。
ここだけで十分だ。
牢とは違う。
ここには退屈しない。
書物と有り余る時間しかない。
そんな屋敷の塔の中ではない。
ここでいい。
ここで十分だ。
- Re: 秘密 ( No.248 )
- 日時: 2014/03/30 14:43
- 名前: 雪 (ID: DNCcZWoc)
ごろごろと転がっていると辺りはすっかりと明るくなった。
昼下がりの陽気。
時計を見ると1時を過ぎている。
ムクリと起き上がってペタペタと裸足の足で音を奏でる。
テーブルの上に果物やお菓子が沢山置かれていたので適当に籠に入れると再び本の元に行った。
床に本が積み重なっている。
学校を休んでも本なんて1回読んだら大方覚えてしまうのでいくら読んでも満足できないのだ。
学校には文化祭以降全く行かなかった。
と言っても単位を落とす訳にはいかないので3学期はちゃんと出席しなければヤバい。
そもそも2学期もそろそろ終わる。
流石灘家の別宅。
私は今その植物園の様になっている温室で毎日本を読んでいる。
普通な服は大方家事で燃えてしまったし、着替えも制服と正装、ItemMemberの服しか入れていない。
という訳でここでは部屋着としてItemMemberの服を着ている。
制服はいざという時の為に使わないとなるとItemMemberの服しかない。
マリーからいくらか服を譲り受けたがなんとなく申し訳なくて着ていない。
慣れて見ると結構着やすい。
「なーにしてんの?アリス。」
「圭か…」
ムクリと再び起き上がる。
「今日は修了式だっけ?それにしては遅いな…」
「お土産。」
あれから3人は訪れる度になにかお土産を持ってくる。
紙袋を受け取り空けると中にはマカロンやら飴玉やらクッキーが入っていた。
「2人は?」
ふぁ〜…と小さく欠伸をする。
「2人ともまだお土産思案中。」
「毎度思うんだがね、私だって外に出られない訳じゃあるまいにわざわざお土産を持って来なくても…」
「今までたんまりとお菓子貰っておきながらいうの?」
「…ふんっ!」
このお菓子たちにより、私は外に出ずとも食料に困ることは無かった訳だが…
パクリとマカロンに食い付いた。
ムシャムシャッと小さくて可愛い音をたてながら食べる。
圭は毎日のようにお菓子を、マリーは暇つぶしの書物、リンは果物を持ってくる。
誰一人主食を持って来ないのが不思議だ。
…不満ではないが。
「それよりこっち戻ってきてから本当に外に出ないね、アリス。」
「出る必要が無いからな。」
最近は基地に行く前に皆がこっちにくるのであまり向かわなくなった。
タイミング悪くアレクシスが来て私がいないことが知られると色々面倒だから。
と言っても何時も来るのは昼ごろ。
丁度この時間帯なのだ。
時々サボるがそれは私が特に逃げる兆候も見られないからだろうか。
「今日はItemMemberの日だよ。気付かなかった?」
「勿論憶えている。」
アレクシスにはちゃんとItemMemberのことは話してある。
書き置きでもすればいいだろう。
マカロンを食べ終えるとペロリッと指についた粉砂糖を舐める。
そして棒付きキャンディーを舐め、立ち上がると同時くらいに2人がやってきた。
「あら、アリスが立っているなんて珍しいですわね。」
「…馬鹿にしてるの?」
確かに私も3人といる時は大体横になっているか座っているか…
「どこいくんだ?」
「今日はItemMemberの日だろ。」
と言っても時間はあるが…
「ん?アリス背、縮んだか?」
「えっ?」
マリーが頭の上に手を乗っけて自分の背と比べる。
確かに少し視線が低くなった様な気もしなくない。
薬の影響か…
思わず舌打ちしようとしたところをぐっと抑える。
平均並みにようやく届いていた私の背が少しばかり縮んだようだ。
「それよりそろそろ行くか。」
- Re: 秘密 ( No.249 )
- 日時: 2014/02/15 16:38
- 名前: 雪 (ID: L2AVnGiq)
することもないので基地に向かうと意気投合したため、基地に向かう階段を上る。
ひたすら長くて嫌気がさすほど長い。
それでもその長さがなんとなく落ち着く。
服は着替えたがまた痩せたのか少し大きかった。
半袖の赤と白のチェックのブラウス。
それに黒ネクタイ。
白のミニスカートにニーハイ。
赤のベレー帽。
それにコートを羽織っただけ。
似合っている。
むしろ服の方が無理矢理着せている感がある。
金髪のせいだろうか。
何を着ても着せてる感はぬぐえないだろう。
「統也さん…でしたっけ?大丈夫なんですか?」
「書き置き1つあれば安心する。元々逃げないと分かったうえでの監視だからな。」
逃げたらどんなことになるか…
アレクシスも私も分かっている。
私は逃げない。
きっと逃げたら母の娘として皆に顔向けできない。
そう思ってる。
母は望まずに生まされた私を愛してくれた。
例え今はどうであろうと。
愛してくれたのだ。
私は逃げずにここで幸せを掴みたかった。
マリーと再会して。
圭に恋をして。
リンと色んなことを相談して。
そんな当たり前が嬉しくて。
きっと私が望んでいたのってこういう事かなって思えた。
リンに圭のことを相談したり。
そんなこともあったからかな。
金髪に戻したくなったのは。
圭の初恋の話を聞いたから。
・・・圭の初恋って…10年くらい前に会った金髪の女の子だろ?・・・
リンから聞いた時は一瞬心臓が止まったと思った。
でもそれ以上は何を聞いても知らないと言われた。
聞いたのすら6年近く前なんだから、と…
圭には好きな人がいた。
今ではどうか知らない。
それでもなんとなくそんな圭の初恋の人の影を求めて。
母のくれた金髪に戻したかった。
馬鹿な理由だ。
そんなことで圭の初恋の人になれる訳でもないのに。
でも母がくれた金髪だから捨てたりしない。
そんなことを考えていたらようやく基地が見えてきた。
私達の基地。
どうでもいいことを考えるのはとっくに癖になっていた。
実に面倒な癖だ。
人間分析。
そのために身につけられたスキルだった。
今までの相手の行動を省みて相手の善悪を図る。
自分の敵か、味方か。
そうやって定めてきた。
でもこいつらだけには使いたくないスキルだ。
疑いたくない。
でも信じるってことはなんだか少しだけ。
私には難しいことだった。
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