コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.160 )
日時: 2013/12/13 20:34
名前: 雪 (ID: Byb50NrS)

〜・19章 名前・〜
風邪で食べることすら難しいケイにお粥を食べさせると残りはラップをして冷蔵庫に仕舞った。

「ケイ、私帰るけどちゃんとご飯食べてね。」

コップを出して丁寧に薬をちゃんと飲むところを見届け、コップを洗って片付けるとタオルで手をきちんと拭いて身支度する。

「…うん」

「薬も飲んでね。」

ケイは無言でコクンと頷く。

「じゃあねケイ、また来る。家にある風邪に凄く効く薬、持って来てあげる。」

実に有り難い。

だがそんなケイの気持ちに気付かずアリスは外に出て行った。

家についてもまだ8時前を指していた。

宿題も終わったしItemMemberの活動もケイの熱のため新曲も出来ない。

暇だったし、なにより先ほどからケイの容体が気になる。

気付くと薬を持ってケイの家に向かっていた。

空は黒く立ち込めていることにアリスは気付かなかった。

Re: 秘密 ( No.161 )
日時: 2014/11/15 16:31
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ピンポーン

軽やかな音が辺りに響く。

しばらくするとノロノロとインターホンから声が聞こえた。

「はい…八神です…」

声からまだ熱はひいていないようだ。

「夜分申し訳ありません。宅配便で〜す!!」

ワザと声音を変え、姿を潜めるとキシシと笑う。

出てきたケイを脅かすと本題に入る。

「なにしに来たの…アリス…」

いつもの口調だが風邪のせいか、弱弱しい。

「熱はまだ下がってないみたいね。」

額に手を当てるが、相変わらずの高熱だ。

「薬持ってきた。それにしてもなんでケイなんだろうね…風邪なら私がひけばよかったのに。」

あの時びしょびしょになったアリスに上着を貸したり、風邪気味だったアリスの傍にいたから今こうして高熱を出している。

そのことを根に持っている。

我ながら女々しいと思う。

女々しいことは嫌いだった。

でも…どうすれば詫びになるかは分からなかった。

「いっそケイの風邪、私がもらえたらいいのに。」

ボッとケイが顔を赤くする。

男女で風邪をもらうと言うと…

鈍いアリスも気付いたのか顔を真っ赤に染める。

…キスのことだ。

自意識過剰すぎるだろうか。

ケイから視線を反らし、必死に誤魔化そうとするが言葉も出ない。

髪を後ろにたくしあげる。

「く、薬届けたし…帰るね…っじゃ!」

ケイの顔が見れない。

だが扉を開けると、外では大きく激しい嵐が居座っていた。

Re: 秘密 ( No.162 )
日時: 2014/01/14 21:13
名前: 雪 (ID: PvE9VyUX)

嵐のため、家に帰れず仕方なくケイの家に泊ることが決定した。

一応リベンジはしてみたが服はビチョビチョ、傘は壊れるし髪はぼさぼさになるという大惨事が起きたので結局戻ってきてしまった。

嵐がやむのは明日。

もし早めに止んでも夜遅くに外を歩くのはあまり気が進まない。

仕方ないが明日までここにいるしかない。

幸い明日は学校が休みだ。

「…とりあえず…シャワー貸してくれない?」

服はビチョビチョで早く着替えてしまいたい。

まさかこの短期間で2回もビチョビチョになるとは…

と言う訳でシャワーを済ましてケイのジャージを着る。

少し大きいのはやはり男子だからだろうか。

「風邪なのに迷惑かけてごめんね。」

ケイの顔色は以前回復が見られない。

申し訳ない気分になる。

「横になってて。」

服を干しながらケイに声をかける。

室内だが明日にはきっと乾くだろう。

横になったケイの枕もとに腰を下ろし、頭の氷嚢を変える。

「別に氷嚢…変えなくても…それよりアリスこそ…風邪引かないで…よ…」

なんだか嬉しくなる。

こんなときでも私の心配をしてくれることが。

耳元ではきらりとイヤリングが光った。

Re: 秘密 ( No.163 )
日時: 2013/12/16 21:59
名前: 雪 (ID: ewPwHyR8)

「…ん?」

自分の声で目が覚めた。

気付かぬ間に寝ていたようだ。

なかなか寝付けなかったがやはり熱には勝てなかったようだ。

それもこれもアリスが寝る前にあんな話をしたからだ。

          ・・・数時間前・・・
他愛もない話をしていたところ話はItemMemberの話へと進んでいった。

「先週発売のCD、完売だって仁科が言ってた。」

仁科とはマネージャーのことだ。

とてもスパルタでアリスやケイ達に厳しいレッスンを組んでくれる。

怒らせると恐ろしいが意外と空気も読めるし気遣いも出来るマネージャーで初デビューの時には応援の言葉で救われた。

仁科の指導により、自信を持ってデビューで来た。

「それで…」

まだまだ話は続くがふと話題が変わった。

「そういえば…仁科が外であだ名の使用はやめろって。」

顔を少し歪めているところから相当こってり絞られたようだ。

「でももうアリスで定着しちゃったし…」

「三田村こよみ。」

ケイの言葉をさえぎるように声をかぶせる。

「私の名前。」

ドキリと心臓が跳ねる。

「こよみだよ、圭。」

詠みは同じだがすぐに違いに分かった。

圭って名前で呼ばれている。

「おやすみ。」

そう言って一方的に挨拶すると毛布をかけてケイに背を向けた。

          ・・・現在・・・
また寝てる間に氷嚢を変えたのかケイの布団に突っ伏して寝ている。

「全く…」

アリスと呼ぶ直前で手と同時に言葉を引っ込める。

再び伸ばすと抱きかかえるようにアリスの頭に手をまわして周りに誰もいないのに他の誰にも聞こえないようにと小さく呟いた。

「…こよみ」

呟いた瞬間こよみの顔がほころんだ。

再びドキリと心臓が跳ねた。

こよみから顔をそむけるが顔の紅潮はいまだに消えない。

「…ったく…また寝れないじゃん…」

ケイは小さく呟いた。

Re: 秘密 ( No.164 )
日時: 2013/12/20 22:12
名前: 雪 (ID: uw5W6LzU)

〜・20章 変・〜
友達以上の関係になった人なんていなかった。

友達すらも…

ずっと歌ってきた。

沢山の人に笑われたり、頭がおかしいと言われてきた。

何度もやめようとした。

でもやめられなかった。

でも…私は歌ってきたことを後悔しない。

だって…

「ん…?」

起きて一瞬ここが何処だか分からなくなった。

ああ…圭の家…いつの間にか圭の布団で寝ていた。

頭が徐々に冷めて現状を理解し始める。

「おはよう、アリス。」

圭がいないと思うと台所から声をかけられた。

「風邪はもう大丈夫?」

後ろを振り返るとはらりと何かが肩から落ちる。

毛布…?

「もうだいぶ下がった。朝ご飯、コンビニのサンドイッチで良いなら食べて。」

近くにコンビニの袋がある。

中にはサンドイッチの他におにぎり、冷凍食品やカップめんなどジャンルに囚われず色々入っていた。

遠慮なくサンドイッチに手を伸ばすと台所から圭がグレープフルーツジュースを持って出てきた。

「ジュース買い忘れて…ちょうどグレープフルーツたくさん送られてきたから。」

1口飲むと甘みと酸味で頭が冴えて来る。

「病み上がりなんだから一応薬は飲んでね。」

注意をするとはいはい、と言いながら圭も横に座る。

「それよりアリスの方が大丈夫?体弱いんだから無理しないで。」

アリス…

昔嫌いだったこのあだ名も今では好きだ。

でも…やっぱりこよみと呼んでくれたのは夢だったのだろうか…

ちまちまとサンドイッチの包装紙をとりながら他愛もない話をした。

「…私」

圭の話を遮るように続ける。

「もう泣かないよ。」

知っている。

私が泣くことで胸を痛める人がいることを。

「…圭と再会した時も…リンに楽譜捨てられた時も…」

気付いている。

あの時涙を抑え込もうとしていた。

でも溢れてしまった。

必死に隠そうとしていたけど圭がその涙に気付いたことを気付いていたよ。

自分がなんの力になれなくて苦しんでいる顔をしていた。

私もそんな顔をしていたのだろうか。

「圭が止めてくれた涙だから、私はもう流さないよ。」

圭の顔を見てはっきりと頷いた。


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