コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.260 )
- 日時: 2014/02/27 19:56
- 名前: 雪 (ID: LAVz8bty)
着いてから私はまたいつもの様にみすぼらしい服に着替えさせられ、父の別宅…もとい屋敷の奥底に囚われた。
何時もよりきつく鎖が締め付けられた。
足枷も何時もより重く感じる。
12月のため、切り裂く様な冷たい空気が肌を傷つける。
もうここに来て3日近く経っただろうか。
ここにいると時間の感覚が良く分からなくなる。
読んだ小説の中に秒単位で体内時計が正しい人がいた。
しかしここにいるとそう言ったスキルが羨ましい。
…もっとも時間が分かったところで何も変わらないが。
パーティーは今日の夕方に行われる。
もし母が来るのなら…それは今日だ。
今日来なかったのなら…きっと…母は…
ガチャリッと扉を開ける音が冷たい牢に響く。
「…大丈夫か…?」
遠慮がち。
しかし冷たい声だった。
「…今日は何日だ…?」
ここに来てから食事も本も取っていない。
我ながらかなり衰弱していると思った。
「24日だ。」
パーティーの話は今日だと知っていたがしかしそのパーティーがクリスマス・イブだとは知らなかった。
「クリスマス…」
やはりぬぐえない。
残念な気持ちが。
ガッカリした気持ちが。
「そろそろパーティーが始まるから…俺は戻る。」
圭達は来ない。
期待しても無駄だ。
「…そうか」
今日できっと私はまたあの別宅に戻るだろう。
きっと母は来ない…
きつくペンダントを握りしめる。
その様子を横目で眺めていたアレクシスはそのまま扉から出て行った。
クリスマス…
こんなところで過ごすのがもったいないと思った私を変わったなと私自身思った。
- Re: 秘密 ( No.261 )
- 日時: 2014/02/27 20:15
- 名前: 雪 (ID: LAVz8bty)
宙を眺める。
ここに来てからというもの以前よりもっと圭達が恋しくなった。
圭達と培ってきた思い出がより鮮明に。
より愛しく。
脳裏を駈けめぐる。
もう…パーティーは始めっているだろうか。
大丈夫。
圭達はここにいない。
今のまま大人しくしていれば危害を加えられることもない。
万事解決。
分かっていたはずだ。
私は圭達とは違うって。
一緒に足並みをそろえることは出来ない。
同じ立場で世界を見渡すことは出来ない。
分かっていたはずだ。
でも…少しだけ覗いた…圭達の世界。
それはあまりにも眩しくて…かけがえのないものだった。
甘い毒の様にそれは私の体の中をめぐり、私の中の常識を覆す。
私はそんな世界に生きてはいけない。
・・・アリスは他の誰のものでもない。アリスだけのものだ!!・・・
圭の声が甦る。
有り難う。
凄くうれしかった。
私だけの…世界。
私だけの…生き方。
そんなものを掴む権利が私にあるのだろうか…
けれどそれでもいいと圭は言った。
今すぐには圭達と同じ世界にいられない。
少しずつ…圭達の世界に立って行きたい。
けれど圭達と同じくらいに母のことも好きなのだ。
私が悲鳴を上げることで母が危険に陥るのなら…
そう思って私は鳴かなかった。
でも…母の方は違うかもしれないけど…
「…圭」
そうつぶやいた時だ。
ソォ〜ッと扉が開く音がした。
懐かしい香り。
私がここに来てからずっと求めていたもの…
「…圭?」
- Re: 秘密 ( No.262 )
- 日時: 2014/03/04 19:38
- 名前: 雪 (ID: 0Yhb0D44)
「アリス!!」
圭の声。
ずっと聞きたかった。
ここに来てから…ずっと…求めていた…
思わず覆う様に鎖を隠す。
だがそんな私に気も止めず圭は私を抱きしめた。
「…どうしてここが…?」
アレクシスか…?
「えっ…だってアリスが言ったんじゃないか。ここにいるって。」
やがて2人の体は離れた。
「私が…?」
思い当たる節は無い。
「私はずっとここにいた。だからそれは私ではない。」
「…でもあの金髪にあの顔…アリスのはずなんだけどなぁ…」
金髪に…私そっくりの顔…
思い当たる人物が1人だけいる。
「ママ…!」
私がまだ小さい頃。
牢に閉じ込められていた。
その窓から始めて母の顔を見た。
窓から手を差し伸べて私に話しかけてくれた。
顔が似ているのですぐに分かった。母だと。
本当にそっくりだった。
小さくて狭い窓。私は出ることは出来なかったけれどその時はとても嬉しかった。
私は確かケイにそう告げた。
ママは…まだ…私のことを…覚えていた…!
私はこの間まで忘れていたのに。
圭に話してようやく思い出した。
「ママ…」
来ないと思っていた。
来たら父に捕らえられてしまうから。
でもそれって…
・・・でもそれってさ…僕がアリスを救えないって思ってるからそういう結論になる訳でしょう・・・
ギュッとペンダントを握りしめる。
ママ…!
「あっ…そうそう、それとね。」
?
首をかしげていると圭はハンカチに包まれたあるものを渡した。
「君のお母さんから。誕生日プレゼント。」
そっとハンカチをめくって表れたのは…
紫色の宝石が付いた指輪だった。
「あの子に渡してくれって言われた時はよく意味が分からなかったけど…そう言う事だったんだね。」
「ママ…!!」
ギュッと指輪を握りしめた。
無意識に頬に涙が伝った。
聖なる夜の。
これ以上は無い。
素敵なプレゼント。
- Re: 秘密 ( No.263 )
- 日時: 2014/03/06 13:42
- 名前: 雪 (ID: zyz/JhZx)
〜・43章 聖なる夜・〜
あれから圭は事の顛末をアリスに話した。
「まず、アリスがいなくなって凄く心配して探しまわっていたんだ。
いつもの様に町中探し回って。路地裏とか学校とか病院とか。」
そう言ったことを聞かされると少しだけ申し訳なく思うが仕方がないことだったのであえて返事はしない。
「それで見つからないから一旦基地にいったん戻った。
そしたら基地の近くの展望台に立っていたんだ。後ろ姿がアリスそっくりだったから声をかけた。」
長い金髪。
着ている服はまるでパーティーに参加しようとでもしているようなきれいなドレスだった。
「ついて来い。」
そう静かに告げると先導して歩き始めた。
「リン達は良いの?」
それを無視して彼女は歩を緩めなかった。
仕方なく彼女の後についていった。
「何処行くの?」
しかし彼女は再び無視した。
とりあえずメールで2人には知らせておこうと携帯を取り出すと素早く奪い取られた。
「ちょっ…!」
「携帯など不要だ。身なりは…制服で構わないか。」
反論を一切認めない強い口調でピシャリと言うと素早く番号を押し、どこかに電話をかけた。
何やらぶつぶつと呟くと彼女が呼び寄せたらしい車が目の前で止まった。
「行くぞ、八神圭。」
その時初めてフルネームで呼ばれた。
思えばそこで気付くべきだった。
- Re: 秘密 ( No.264 )
- 日時: 2015/07/04 18:30
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
乗りこんだ車がビュンビュンッとスピードを上げる。
「…何処行くの?」
「…あの子のところだ。もっとも私は入口までだが。」
それっきり再び彼女は黙り込んだ。
「あの子…?」
それっきり2人の間に会話は無かった。
やがて自然に車が止まった。
「ありがとう、少しの間席を外してくれ。」
運転手にそう告げると彼女はどこからか紙袋を取り出して押し付けた。
「これをあの子に。」
品の良いハンカチに丁寧に包まれた物を渡してきた。
「…聖なる夜に。今日であの子が生まれて丁度16年。」
ハンカチを開くとそこには綺麗な指輪が入っていた。
アリスによく似合いそうだった。
少し古めかしいような感じがした。
「私は…あの子のことを…愛している。今も変わらずに。
けれどあの子の父であるテオドール・ロスコーはおぞましい男だ。」
テオドール…?
「私はあの子の傍にはいられない。」
「あの子って…?」
さっきからなにを言っているか全く分からない。
「あの子にはこれからも多くの困難が振りかかるだろう。守ってくれ。」
それからクルリと180度回転すると丁度車が戻って来て止まった。
「あの子は従業員立ち入り禁止区域の奥にいる。」
車に乗り込むとバタンッと扉を閉めた。
「私はもうあの子に会えないだろう。命を狙われる身の上だ。
一緒にいるだけであの子も火の粉を浴びるだろう。」
そう言って彼女は悲しそうな顔をした。
「だがあの子を産んで良かった。あの子だけが私の人生の唯一の便だ。
じゃあな、小僧。心して向かえ。」
そして圭はここまで来た。
話はそう言う事だった。
「ママ…ママ…」
アリスも思うところがあるのだろう。
うわ言のようにママ…ママ…と呟いていた。
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