コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.230 )
- 日時: 2014/11/15 18:13
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「アリス…やはり私の家に来て下さい。」
「なんで?」
「今日、学校が来る途中で見ました。
アリスの住んでいたアパートが家事になっていたところを。」
今まではあまりなかった。
とりあえずの脅しだろう。
逃げないように。
暫くは何もないはずだ。
おそらく、だが。
私の居場所をどんどん奪い、残された狭い牢獄に追い込みそこから1歩も外に出させないようにしたいのだろう。
あのアパートの部屋で見つけた手紙。
あれも燃えてしまったか。
災いが起きる。
これから。
父の使いが来る。
でもここには皆がいる。
「ああ…」
マリーは了承した。
そうしてアリスはマリーの家に住むことにはなったが、学校にはきちんと登校した。
成績はともあれ、軽音部は放っておけなかった。
- Re: 秘密 ( No.231 )
- 日時: 2014/01/30 17:47
- 名前: 雪 (ID: tX.rU3qv)
大きなあくびを吐くと今どこにいるか分からなくなった。
数秒経ってからようやく思い出す。
「マリーの家か…」
あまりにもなれないベット。
来るのは2回目であったが相変わらずのお金持ちっぷりで随分驚かされた。
ここに住んでいるのはマリーだけだが食事だけは家族ととっているらしい。
しかしマリーは何故か使用人をわざわざ呼びつけ、私の部屋に食事を運ばせた。
マリーは私と両親と顔を合わせたくは無いらしい。
しかし今日に限っては間違えて食堂へと足を運んだ。
「おはよ、マリー。」
「アリス…!?」
強張った顔を見て来てはいけなかったと気付かされる。
「どちら様…?万里花。」
テーブルには万里花の父らしき人が座っていた。
「どうも、初めまして。灘万里花さんのクラスメートの三田村こよみと申します。」
なんだかとげとげしい感じがする人だった。
「それはそれは…ご丁寧に。しかし…何故この家に?」
「あっ…その…私の家が火事に合ってしまい…灘さんに助けて頂いたのです。」
自然に私は笑えただろうか?
顔を上げようとしてそこで空気が震えた。
「万里花!!!」
えっ…?
「またクラスメートなんぞをこの家に招いて…灘家の娘の自覚があるのか?
クラスメートと親しくするなんてもってのほか!!
全くお前は昔から恋やら何やらうつつを抜かして…お前はもう16なのだぞ!!いい加減自覚を持てといつも言っているだろう!!
人と付き合うならもっとちゃんとした血筋の奴らにしろと言っているだろう!!」
意味が分からない。
クラスメートと親しくすることの何が悪いのだろう。
恋をすることの何が悪いのだろう。
どんな名家の娘でもマリーは1人の女の子だ。
パシンッと大きな音が響いた。
嫌な音だった。
柳親子のことの様な…そんな嫌な音だった。
「今でも楽器なんかにうつつぬかしおって…痛い目見なければ分からないのか!!
高校なんて行って位の低いクラスメートと戯れるなど…恥を知れ!!
全く…どうして抗うのやら…既に決まっているのに。」
ギロリッと今度はこちらを睨む。
先程から呆気をとられている私をキッと睨んだ。
その顔は先ほどとはずいぶん形相が変わり、真っ赤になっていた。
「客人殿もお引き取り願おう。二度と私の娘に近づくな!!私の娘はお前なんかとは違うんだ!!!」
「ふざけんな—————!!!」
胸倉をつかむ。
「血筋なんて関係ないだろう!!どうやって生きるかなんてその子の自由だろう!!子どもは親の所有物じゃない!!
親に縛られるなきゃいけないなんて間違っている!!!」
間違ってる。
私は自分の母は知らないし、父は裏稼業の人間だ。
親に縛られる気持ちが私なら分かる。
牢獄に閉じ込められ、外界とは関わりを持っていなかった。
「楽器だって…マリーの腕も知らずに良くもぬけぬけとそんなことが言えるな!!」
マリーの音はとても綺麗でどんな楽譜だってすぐに弾ける。
ItemMemberの要の1つでもある。
「下らない。あいつには既に生きるべき道が記されている。
だから無駄な人間関係や下らない趣味に打ち込む暇などない。」
「大方息子が欲しかったのだろう…それなのに生まれたのはマリーだった。
だからせめてその名でちゃんとした家に嫁がせたい…そんなところだろう。」
金持ちの親の思考なんてたかが知れてる。
「勝負をしませんか?マリーのお父様。」
そういって不敵に笑った。
- Re: 秘密 ( No.232 )
- 日時: 2015/07/04 17:07
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「勝負?」
「私達がマリーの腕を認めさせられたら私の勝ち。
認めさせられなかったらもう私はマリーとは言葉を交わしません。
それでいかが?」
「下らない!今日はもう帰らせてもらう!私は忙しいのでな。
夕餉の時間までにはきちんと反省しておけ。」
「あらあら意気地がないのですね。
あれだけの口を叩いておいて勝負もせずに逃げるのですか。見た目通り器の小さい男なんですね。」
ずっとそばにいたからなのか…
分かる。
何を言いたいかなんて。
「悪いが私は忙しいのでな。お前らの戯言に付き合っている暇などないんだ。」
今日はそれで終わった。
アリスは授業中はどこかに行ったのか姿を現さず、家に戻ってもアリスはいなかった。
出て行ったのか、と一瞬思った。
再び夕餉の時間になり、お父様がやってきた。
「反省したか?」
「…」
頷こうとした。
しかしそこをアリスの声が遮った。
「再び、勝負を申し込みに来ました。」
気が付くと食堂の入り口付近でアリスが息切れしながら何かの書類の様なもの持ち、佇んでいた。
「下らないと言ったのを忘れたか?」
「では何故…Spring Concertの会場の手配をして下さったのですか?」
その瞬間強張った。
「今日1日の時間を使って灘家の行ってきた契約、大方洗っておきました。すると分かったんです。
お父様がいかに軽音部に力添えしてきたか、分かったのです。」
父の顔に驚きが広がる。
目に見えて分かるほどに。
「生憎私の父も多少名の知れた人でしてね。私は父を大層憎んでおりますがこんな時には役に立つのです。
名前を伏せて、顔を出さずとも何をしていたか分かりますよ。
ちなみに私の父とも契約を交わした跡があります。」
彼女は相変わらず肩で息をしていた。
けれど顔には不敵な笑みを浮かべていた。
「それでこんな話をしてまでお願いしたかったのですが、勝負受けて頂けますか?」
しばらくの沈黙が続いた。
何をしようとしているかちっともわからなかった。
「…分かった。」
やがて重々しく口を開き、しわがれた声で告げた。
「有難うございます。
それで勝負の内容は仰ったように。文化祭のステージで。」
そうやってニッコリと笑った。
そのまま食堂を出て行こうとしたがぴたりと足をとめた。
「それと…勝負の時まではお暇させて頂きます。
もし私が勝ったら灘家が所有するいくつかの別邸。この町の中にある別邸の1つに住まわせて頂きます。」
娘さんに危害が加わるといけませんから、と彼女は小さく呟いた。
「それでは御機嫌よう。」
- Re: 秘密 ( No.233 )
- 日時: 2014/02/02 11:30
- 名前: 雪 (ID: 2N56ztaO)
事情はマリーの了承を得て、皆に話すとすぐさま準備に始めた。
軽音部の活動を後押しとしているという事は今までの実力を知っている可能性がある。
だがまだまだ成長の由はある。
アリスは常に何か言いたげだ。
皆の弱点、要点などをすぐに見抜くことが出来る。
「そこ!Bパート!もっと丁寧に。」
しかしそこが黙る皆ではない。
そんなただアリスにうんうん、というだけならここまで親睦は深められない。
「違う!!Bパートはもっとこう…遊び心を持ってないと!!」
あーだ、こーだと交わした口論はとても激しく、とても体力消耗をしたが口論も皆以外としたことが無かった。
楽しいだけではなかった。
それでも不思議と気分は悪くなかった。
言った言葉が返ってくる。
そんな当たり前のこと。
今までは当たり前じゃなかった。
それが辺り前に変わりつつある。
それが不思議で。
それが嬉しくて。
気付けば傍にいて。
語り合って。
歌いあって。
笑い合うのが。
嬉しくて。
ただ羨んできた会話。
でも。
少しだけ怖かった。
そんなことが当たり前に成りつつあることが。
いつか。
壊れてしまうかもしれない当たり前。
でも歌ったんだ。
2人の距離が当たり前すぎて♪忘れてしまいそうになる日常の儚さに♪
最初に着けた歌詞。
あの時から2人とは圭と私のことを考えていたのかな。
あの歌の最後は。
2人で共に歩いて行くと、締められる。
ハッピーエンドの様に締めくくられる。
だがその結末は今となってはそんな奇跡起きたらいいな、と思う。
好きな人に告白して。
両想いに成るなんて夢の様だ。
私もマリーも同じだ。
同じように恋患いをし。
同じように父に苦しめられ。
同じようにずっとそばにいたいと願い合う。
私もずっとこのままなら良いって思うよ、マリー。
でもそれはきっと無理。
時間は少しずつ流れて行く。
皆年をとり、変わっていく。
恋をし、失恋をし、就職し、結婚する。
皆大好き。
皆大事。
でも誰だっていつか皆以上に好きになる人が出て来る。
私が圭を好きでいる様に。
変わっていく。
皆より早く命を絶つ者もきっといる。
でもそんなの分からない。
歩む人生は誰もが違う。
でもその中で私たちの人生が。
交わり合い。
出会った。
私は皆とは違う世界に生きている。
きっと誰も踏み込めないような世界。
きっと。
もしかすると私はマリーを救えるかもしれない。
でも。
きっと私を救ってくれる人はいない。
・・・待ってて。何時か僕がアリスを闇から救うから。
待ってて。いつかアリスを助けるから。だからそれまで…待ってて・・・
でも…
待っててあげる。
信じてあげる。
きっと救ってくれるって。
圭に言われてからも自分が闇に囚われているのは気付いていたが、救ってくれる、なんて言葉は聞いたことが無かった。
それは私にとっての愛と同じ。
聞いたことが無い。
それが何か知らない。
だからこそ心打たれたのかもしれない。
愛、か…
・・・お前は愛を知らない…!・・・
随分昔。
記憶の奥底のあいつの言葉が甦った。
もう随分会っていないな。
あれから私は変わらない。
相変わらず愛を知らない。
でも何時か知ればいい。
そもそも急いで知るようなものでもないだろう。
きっと。
何時か誰かとの間に愛を見つけられるといいな。
愛を知ったところで何になるか。
それは分からない。
けれど気になったことは追及する。
それは私の性分だ。
- Re: 秘密 ( No.234 )
- 日時: 2014/03/21 20:55
- 名前: 雪 (ID: CpeA18.A)
〜・36章 勝負開始・〜
「これより第52回、涼風高校文化祭を開始します!!」
放送により開始式が行われるとすぐさま準備が始まった。
「氷持ってきました!!」
最初はスムージー作り。
1時間近く販売員をやるとすぐに軽音部の方に向かう。
「先に行ってるね。」
残りの部員はまだ1時間ほど当番なのだ。
私は体が弱いので突然倒れられても困るので当番は短めなのだ。
「気をつけてくださいね。」
心配しているのだろうか…
それは体調のことか、それとも…
「アリスはどんくさいからな。」
「失礼ね!!」
暫くここにいようにも学級長権限で居ると邪魔だから向こうに行けと言われた。
仕方なしに部室に向かう。
ステージでは既に合唱部やら弦楽部が発表をしている最中のはずだ。
準備が整ったら是非見て行こう。
音楽は好きだ。
聞くのも。
歌うのも。
最近はちょっとした嫌がらせもなくて普通に暮らしている。
父は監視役には私の知っている奴を手配すると言っていた。
なんとなく想像はつく。
お父様、なんて馬鹿みたいだ。
昔無理やりそう呼ばされてつい今でも癖で呼んでしまう。
前までは嫌みたっぷり込めてお父様と呼ぶ。
「久しぶりだな、我が妹よ。」
丁度考えていたので少しだけ驚いた。
「久しぶりだな…アレキウス。」
私の兄よ…と小さく呟いた。
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