コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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1章
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>>644->>647

137章
>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.377 )
日時: 2014/07/10 20:00
名前: 雪 (ID: W6Xv/rWP)

喫茶店。

インテリで椅子の1つ1つまで精巧に細工されている。

木でできた室内。

匂いだけでも癒しになる。

木のにおい。

自然のにおい。

「ココア1つ、カファオレ1つ。」

3月とは言えまだ少し寒い。

温かいものが欲しい時期だ。

ふふっ、と小さく笑う。

「付き合ってからこうやって出掛けるのは初めてだな。」

付き合うってよく分からない。

でも傍にいられるって言うのが、いかに有り難いかはよく知っている。

Re: 秘密 ( No.378 )
日時: 2014/07/20 11:31
名前: 雪 (ID: kHKhLZQC)

「そろそろ1年…か…」

圭達と再会して、2度目の春を迎えようとしている。

もう3月も下旬。

そろそろ進級する時期となった。

「ここまで…とても長く感じた…」

「でもそれと同じくらい、あっという間にも感じた。」

その通りだ。

振り返ると1年なんてあっという間だった。

春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来た。

そしてまた春が来る。

巡り巡ってまた、春が。

沢山のことがあった。

どんなときだって誰も私を見捨てなどしなかった。

目を閉じて、知らないふりをすれば元の日常に戻れるのに、だ。

馬鹿な奴らだ。

でもそのバカみたいな笑顔が好きだった。

何時だって傍にいてよりそってくれる。

ずっと1人だった。

でも今はもう1人じゃない。

あっという間なその時間がなんだか名残惜しくて。

また同じように次の1年を過ごして。

また来年も同じように笑えたらな。

それがどれだけ素晴らしいことか。

でもきっともう1年も…一緒に過ごせないんだろうな。

だからせめてその思い出だけでも胸の内に刻みたい。

圭達がくれたたくさんの気持ち。

それを抱えて生きていきたい。

例え来年じゃなくても、何時かは直面する問題。

長引けば長引くほど。

思い出が沢山あればあるほど。

きっと別れがつらい。

でもその痛みすらも4人がくれたものだから。

痛みも悲しみも全て抱えて。

立ち向かいたい。

私の抱えるものすべて消して。

まっさらな状態でまたこいつらと友達になりたい。

圭と恋人になりたい。

キンっとコップをはじく。

「飲もっか。」

でもきっと今はまだ、それを言う時じゃない。

まだ暫くはこいつ等の笑顔をみたい。

Re: 秘密 ( No.379 )
日時: 2014/07/20 15:06
名前: 雪 (ID: vdS42JZF)

温かい…

店でちゃんとしたココアで飲むのは初めてな気がする。

なかなかの味だ。

「…」

はぁっ…と小さく吐息を吐く。

「アリス」

ん?と小さな声とともに顔を挙げた。

チュッ

唇に温かい感触がする。

キス。

「ちょっ!」

慌てて飛び退く。

ガタッと立ち上がった。

付き合っているのだからキスくらいはしているが、突然だった。

心の準備もなにも出来ていなかった。

圭は悪戯をしたようにニヤリっと笑う。

「付き合ってるんだからキスくらいしたっておかしくないでしょ?」

いけしゃあしゃあと言って退けた。

その笑顔が憎くもあるが愛しくもある。

「人目を考えろ!…それに突然過ぎるぞ!」

「だってアリス、落ち込んでるみたいだから。」

開いた口がふさがらないとはこのことだと実感した。

けれどくすっと笑ってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アリスが落ち込んでいる訳はしっている。

けれどせっかく今はアリスが何も知らない自分の隣で羽を伸ばしたがっている。

知っている、と白状してしまえばもうアリスはいつも通りの笑顔を見せないかもしれない。

そう思ったからまだ暫くは知らないふりをする。

キスをした後、アリスは恥ずかしそうに自分の席に戻った。

「でるぞ。」

店を出ると並んで歩いた。

「圭」

襟をぐいと掴まれ、引き寄せられる。

そしてそのまま唇を重ねた。

いわゆるキス。

離すと彼女は顔を真っ赤にしながら拗ねたように告げた。

「…仕返し」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こちらからキスするのは…初めて…なのかな?

付き合って最初のキスはどちらからしたか分からないし…

「…仕返し」

ギュッと抱きしめられる。

圭のそのぬくもりにふと安堵する。

そのままもう1度キスをした。

恥ずかしくてこそばゆい気持ちが体を駈けめぐる。

「け〜い!!」

二人だけの世界に突然割りこまれたその声。

少しだけ茶髪がかった髪。

髪の長さは圭より少し長いくらい。

顔は圭にそっくりなのに少し大人びていて、女性的だった。

「…姉貴」

えっ、と小さく声が出た。

「初めまして、圭の姉の秋月香です!」

Re: 秘密 ( No.380 )
日時: 2014/07/28 17:49
名前: 雪 (ID: J8OhyeKI)

〜・71章 圭の姉・〜
「秋月…?」

圭の腕から抜けるとまずそう質問した。

ん?、と自然に返された。

「もしかして圭…あんたまだ八神姓をつかってるの?」

くっ、と後ろで小さく唇をかむ音が聞こえた。

八神姓…?

というと旧姓…?

「姉貴には…関係ないだろ…っ!」

聞いてはいけないと思った。

今私はここにいてはいけないと思った。

兄弟同士の会話に私はいてはいけないと思った。

そう感じてしまった。

そこにはきっと圭の深い事情があるのが垣間見える。

今まで話さなかったという事は…

きっと知られたくないことなんだろう。

「行くよ、アリス」

グイッと肩を掴まれる。

「あっ…」

少し足をもたつかせながらその場を離れる。

後ろから圭の姉の声が追いかけてきた。

けれど圭はそれでも歩を止めはしなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

圭と別れた後で私は先ほどの圭の姉がいるところに向かった。

やっぱり気になる。

圭が救ってくれたこともある。

でもやっぱり私は圭が好きだ。

どんな過去があろうと。

嫌いになりはしない。

「あっ、彼女ちゃんだ。」

急いで走ったため少し息が乱れた。

それに引き換え、圭の姉は明らかに待っていたであろう佇まいだ。

先程会った場所のすぐそばの電柱の傍で膝を抱えていた。

悲しむ様な、楽しそうな、よく分からない笑顔を浮かべていた。

すっ、と立ち上がると身長は少し私より高かった。

すらりとしたスタイルに不敵に笑うその笑顔。

可愛らしいとかそう言った言葉より凛としている、と言った表現が良く似合う女性だった。

「ふ〜ん…」

立ち上がるとじろじろと値踏みをする様に見られた。

値踏みされようが構わない。

「…良い子みたいじゃん」

暫くすると小さく笑った。

安心したような優しい笑顔。

マリーがリンと一緒にいる時浮かべる笑顔ともまた違う。

きっとこれは、家族を思ってこそできる表情なんだ。

きっと兄弟とか、親だけに向けられる笑顔なんだ。

私は6年前に比べれば表情も感情も増えたと、自分で認識している。

でもそんな私にも。

私が浮かべられる笑顔とも違う。

きっとその表情は今の私には到底できない表情だ。

恋人とか、友人としてではない笑顔。

私の母が今でも私に向けてくれることを切に願ってしまう笑顔。

「アリス…って言ったっけ?圭の彼女だよね?単刀直入に聞くけどさ…」

思わず身構えた。

「アリスは、圭のどんなところを好きになったの?」

Re: 秘密 ( No.381 )
日時: 2014/07/29 16:28
名前: 雪 (ID: hTgX0rwQ)

「全て好きだ。」

迷うことなき1言。

不思議な奴だった。

優しくて誰にでも平等に接する。

見た目とか。

身分とか関係なく。

助けなきゃ。

そんな些細な人の中に眠る善意に。

思うがままに行動できる。

人として扱われなかった私にも。

同じように微笑みかけてくれた。

ボロボロになるまで人の為に立ち向かって。

傷を負ってもなお、笑っていられる。

どれだけボロボロになっても。

良かった、と笑える人。

その傷が人の心を痛めるとも知らずに。

けれどそうして救われた人がいる。

「でも…ピンポイントで答えるとなると…分からない…」

好きになる理由は沢山ある。

好きになる要素は沢山ある。

でもいざ問われると分からない。

「でも…圭が隣にいないと思ったら心が引き裂かれそうだった。」

じっと秋月の目を見据える。

「圭の傍にいられるのなら、私は化け物でも構わない。赤の他人でも構わない。」

「…圭がどんな秘密を抱えていても?」

コクリっ、と頷く。

この程度で私は揺らがない。

「例え圭がどんな過去を抱えていても、確かにあの時あの場所で私を助けてくれた。
そんな時代が確かにあったんだ。どんな極悪人でもそれが圭の全てじゃない。」

私に心をくれた圭は確かにあの時いたんだ。

赤の他人でも、化け物と呼ばれようとも。

圭の隣は心地よかった。

秋月は小さく笑った。

「やっぱり…圭にお似合いの彼女ちゃんじゃん…」

「だろ。」

おっ、と突然肩に重みが掛かった。

圭が後ろから肩に手を回し、体重を軽く預けていたからだ。

「…圭」

思わず口角が上がるのが分かる。

圭のにおい。

思わず圭の腕に顔を埋める。

「…盗み聞きとは…趣味が悪いな…」

そう言いながらも顔は微笑んだままだった。


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