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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.327 )
日時: 2014/04/15 19:02
名前: 雪 (ID: /8RPd6Ii)

〜・58章 スキースクール休暇その3・〜
「お話は済んだ?」

おわっ!?と3人の声を背中越しに聞く。

「いや〜自分の話を聞いてみると結構恥ずかしいもんだよな。」

全く。

エリスとは10年も前のそんなことも覚えていたのか。

毎日毎日見に来ててとても気味が悪かった。

初日に会ってからずっと毎日ただ見に来るだけ。

「何時からいたの?」

「最初っからって言えば気が済むのか?」

マリーにだって異変が気付けたくらいだ。

私が気付かない訳ない。

「6年前のことは、覚えてないけどね。」

マリー達と会ったことは覚えていない。

けれど彼らといると心が安らぐんだ。

エピソード記憶を消されていることも知っている。

でもそれだけじゃない。

何故ならこの国に来てから記憶には何ら手を加えられていないからだ。

恐らくだが。

精神を鍛えるためにこの国に送りこんだ。

記憶を消しては意味が無い。

といっても記憶を消しても精神力は残るかもしれないが。

そこは何とも言えない。

「だから小学校以前の記憶はほとんど残っていない。エリスたちの記憶は覚えているが。」

必要なこと以外を全て記憶から消す。

消しても消さなくても何も変わらない。

人間の脳はそもそも140年分の記憶を蓄積することが出来る。

たとえいくらたくさんのことを覚えていても140年分は蓄積できる。

だから消しても消さなくても変わらない。

「蓄積された記憶も楽しいものばかりじゃない。でもそれでも私の中に残っている。」

そして消すつもりもない。

例えこの先何があっても。

「さてっと、そろそろ帰るか。」

席を立つ。

そして思ったことを告げた。

「せっかくだし、皆泊っていかないか?」

少し人恋しくなっちゃった、と冗談めかしながら、けれども少しさびしそうに笑った。

Re: 秘密 ( No.328 )
日時: 2014/10/12 16:46
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「泊りと言っても何時もみたいにぺちゃくちゃ喋るだけ。星見たりご飯食べたり。
部屋は2人1部屋にする?1人1部屋の方が良いかな?洗面道具は家にあるから気にしなくていいぞ。」

誰も断りはしなかった。

今の話を聞いて断ろうにも断れないことまで想定していた。

本当に懐かしい。

10年も前…この世の全てがどうでもよかった。

本だけをよんできて時々大人たちが私に質問をし、それを答えるだけだ。

大人たちが何で自分を必要とするかも大体分かっていた。

エリスが訪れた理由も分かっていた。

エリスも年が近いというだけでそれ以外は大人達と何も変わらなかった。

けれど彼女は大人たちと違って毎日塔まで足を運んだ。

ただの子供の好奇心だと、私は思っていた。

私は出会った人ならだれでも忘れない。

でも彼女達も何時か段々と忘れていく。

それは仕方がないことだし、私だって忘れてしまう。

でも…なんだかそれって少し寂しい。

だから忘れた時のことは考えない。

母は楽しいことすべてを振り払ってまでクリスマスの夜助けてくれた。

私も大事な人達を守るためなら楽しいこと全部失っても良い。

Re: 秘密 ( No.329 )
日時: 2014/04/18 19:41
名前: 雪 (ID: laaGvqHD)

「男子達はこっち側の部屋使ってね。」

「アリス、聞いてもいいかい?…どうして合宿なんて開いたのか。」

ふっ、と小さく笑った。

「この世のすべての行動に理由がある訳じゃない。私は父によく似て気まぐれなんだ。自分の気持ちのままに行動する。」

ちらりと目をやると圭のポケットからストラップが覗いていた。

私が圭達に渡したストラップ。

「ストラップ、使ってくれて有難う。」

「気にいってるんだ。…アリスは何処に付けてるの?」

私はつけていない。

付けることに意味もない。

「夕飯は…各々で取ってくれ。そう2人にも伝えてくれ。」

「でも…」

圭の言葉を遮る。

「頼む…」

言いたくない。

言ったら本当のことになってしまう。

「うん…分かった。」

そう言って圭は私を抱きしめてきた。

振りほどくことは出来なかった。

やがてそっと離れると圭は反対方向へと歩を進めた。

ごめん。

ごめんね、圭。

言いたくないんだ。

昔、お泊まり会なるものを…圭達とした。

夜に怖い夢を見て怯えていると。

圭は抱きしめてくれた。

あの時と同じ手で抱きしめてくれた。

だから私は止まらずにいられる。

「…ありがとう。」

私は圭と反対方向に歩を進める。

平常を装う。

辛いのは最初だけ。

「あ〜らら、あんなに冷たい態度とっちゃっても良いの?」

エリスか…

「…知ってしまったんだ。」

知りたくなどなかった。

一緒にいられるのが…あと半年…もっても1年はいられない、と。

「エリスも覚悟しておけ。あと半年もすれば私達は…ここから消える。」

Re: 秘密 ( No.330 )
日時: 2014/04/18 20:07
名前: 雪 (ID: laaGvqHD)

ならなおさらだよ、とエリスは言った。

「なおさら、彼らには気付かれないようにしないといけない。
大丈夫、また会える。生きていればなんだって出来るのだから。」

前はフェアじゃないと言っていたエリスが…

けれど言ってしまえば本当に命の危機に瀕してしまう。

だから私は口を閉ざす。

その気持ちも少しはエリスは察しているのだろう。

「…そうだな。」

いいや。

会えたとしてももう彼らは…

でもその言葉を口にするにはまだ早い。

「動揺してしまったようだ、全く私らしくもない。」

知らなかった方がずっといい。

「あいつらに、詫びの1つでもしておこう。」

「そうしとけ。」

消えるとは最初から分かっていたんだ。

もう迷わない。

「私はもう迷わない。」

過去の思い出ばかり抱え込んで前に進めない。

そんなのは私じゃない。

「明日から…学校か。」

その夜全ての部屋に謝罪して回った。

3人は笑っていた。

私が黙っていれば皆は笑う。

だから私も笑おう。

最後のその時まで。

Re: 秘密 ( No.331 )
日時: 2014/04/18 20:53
名前: 雪 (ID: laaGvqHD)

〜・59章 スキースクール休暇明け・〜
次の日からは大人しく学校に行った。

進級できないのは困るからだ。

だから3学期も残りはちゃんと出なければいけない。

2年生になったらまた学校を休む予定だ。

「三田村…三田村さん…」

ん?

眠っていたか。

もともとだが体が弱いうえに薬の副作用なのか眠気が治まらない。

「…はい…なんでしょう…」

「合唱コンクールの曲は2学期の内に決まりましたので、今はパートリーダを決めているのです。」

合唱コンクール?

ああ…クラスごとに課題曲を選曲して歌って競う奴か。

興味はない。

私は合唱には驚くほど興味が無い。

集団行動と言ったものが苦手なのだ。

4人とかならまだ我慢は出来る。

だがそれが何十人と膨れ上がるとその分めんどくささが比例して嫌なのだ。

期末試験を終えると授業は終わり、合唱コンクールの為だけに学校に登校させられる。

その期間は進級には関係ない。

だから私は別宅で遊んで暮らす予定なのだ。

年が近い子どもたちは少し苦手だ。

「ソプラノは三田村さんが良いと思いま〜す!!」

「断る。」

全くエリスとはこういうところが嫌だ。

「私は家の都合上合唱コンクール直前は忙しいので。」

適当にでっちあげとけばそれで良い。

「三田村さんって、1人暮らしじゃないですか?」

「では正直に言って私に集団行動なんて無理です。そもそもやる気のない人達なんてまとめたくない。
そしてやる気のない人にまとめられたくないでしょう?やる気ない様な奴をリーダーに据えるところで既にやる気はないとみなします。」

反感を買う言い方ではあるが、これも仕方がない。

心は痛むがパートリーダーなんてものを下手に引きうけては面倒なことになりそうだ。

「じゃあ、時々学校に来てちょっとアドバイスするだけでいい。それを了承してくれたら私がパートリーダーをやるよ。」

何を言っても無駄そうだったので仕方なく頷いた。

今日も学校は平和だ。


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