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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.337 )
- 日時: 2014/04/26 17:02
- 名前: 雪 (ID: cy/gk7lh)
色々と講義の上、私は生チョコでエリスはトリュフ。
マリーは流石と言うべきか難易度の高いガトーショコラ。
材料を買うと早速キッチンに並ぶ。
ここに立つのも久しぶりだ。
「2人分で…味見も含めて5人分くらい作りますか。」
チョコを湯煎で溶かす。
チョコ作るのって初めてだな。
買えば済むのに何でわざわざ溶かして形を変えるのだろう。
「気持ちをちゃんとこめてくださいね、アリス。」
気持ち…?
ぎゅう〜っとチョコを溶かしたボウルを抱きしめてみたがよく分からなかったのでやめた。
2人が温かそうな視線を送っているような気がしたが…気のせいだろう。
「前から思うんだけど…」
ボウルに既に図っておいた材料を追加する。
ん?
と反応だけはしてゴムべらを手に取る。
「アリスって圭のこと好きなの?」
「好きだよ。」
何を当たり前なことを。
「あいつは私を救ってくれたし、変えてくれた。あいつがいなかったら今の私はいない。
私を変えたのはマリーであり、リンであり、なによりケイなんだ。」
マリーもリンも大好きだ。
どんなときにも必死に走って来てくれた。
だけどね、圭じゃなきゃだめなんだって思える時がある。
圭は誰よりも私の傍にいて、初めて助けるって私に言ってくれたんだ。
皆がそう思っていたのは知っている。
でも言葉にして言われたのは初めてで…
成績も良くて、時々ちょっと人を小馬鹿にするところがあって、意地悪だし…
でも何時も傍にいてくれた。
いてほしいって思う時に。
本当は優しくて…圭が笑うと安心する。
でもそんな大事な存在だからこそ。
私の傍にいればいるほど危ない。
「でも、まだ告白する勇気はないから!義理だよ義理!それとも友チョコって言うのかな?」
この先どんなことがあっても。
私は圭以外の人を好きにはならない。
きっと圭以外の人を好きになった私はもう私じゃない。
薬漬けになって記憶が飛んでも。
例え私が圭のことを忘れても。
圭は私のことを覚えていてくれる。
きっとずっと。
だから私は自分の気持ちを伝えない。
伝えたらきっと今の関係が壊れてしまう。
圭に向かって笑えなくなってしまう。
圭達には…笑ってお別れをしたいから。
笑って再会の約束をして。
笑って圭達の記憶に残りたい。
だから今のまま。
- Re: 秘密 ( No.338 )
- 日時: 2014/05/01 18:13
- 名前: 雪 (ID: JuK4DjxF)
「では、お疲れ様です!明日は寝坊せずにちゃんとチョコを渡してくださいね♪」
早朝から始めたくせにもう夜もかなり更けた。
1日中チョコを食べていたのでもう暫くはチョコを食べたくないくらいだ。
「チョコ…ね。」
友チョコだ。
圭はもう関係ない。
あいつにはあいつの生きるべき場所がある。
「友チョコって初めてなんだ!」
「私もだよ、アリス。」
「アリスって呼ぶのやめろって言ってるだろ。」
私はアリスの名を背負うのにはふさわしくない。
「い〜や!アリスはアリスだよ。他の誰でもない。」
もぉ、と小さく呟く。
「少なくともあいつ等にとってのアリスって言うのは何があってもあんたなんだよ。」
ぴたり、と足を止める。
やっぱり露骨すぎるな、私は。
「…記憶を失っても離れ離れになっても。」
…
にんまりと口角が上がる。
「流石エリス。」
でしょ!とふざけた様なエリスの返事。
本当にエリスと私はよく似ている。
考えることも感じることも。
でも彼女はそれでも世界に希望を持って生きている。
そこが決定的に私と違う。
私は確かにこの世界の眩しさを感じた。
そこに立ちたいと思ったのもまた事実だ。
けれど違うんだ。
決定的に。
「明日、どうやって渡そうかな〜!!」
私の笑い声がむなしく響いた。
明日はバレンタイン。
- Re: 秘密 ( No.339 )
- 日時: 2014/05/06 10:17
- 名前: 雪 (ID: yHU/Lp9/)
〜・61章 大きな一歩・〜
まだ人も全然いない時間。
回りはまだ少し暗めでまだ誰も来ていない。
そんな時間帯だ。
「おはよ、リン。」
ポンっと肩を叩かれたと思って振り返ると声の主であるアリスが立っていた。
彼女にしては珍しく早めでマリーを連れていた。
何時も連れているエリスの姿は見えなかった。
「おはようございます、リン。」
「おはよ。」
「今日はバレンタインですね。」
挑発する様ににっこりと笑った。
バレンタインは苦手だ。
好きじゃないって言う事が見せつけられる。
だから苦手だ。
「エリスなら後から来るって。私は用があるから先行くね。っじゃ!」
そういうとアリスはスタスタと昇降口に吸い込まれるように消えていった。
「言っておきますけど、アリスはちゃんとバレンタインの存在を認識していますよ。」
一緒にチョコも作りましたしね、と意地悪くマリーは笑った。
「今年は義理しか作っていないのでどの道もらえますね、リン。」
…マリーのこう言ったところが少し憎い。
何も分からないくせに。
「マリー。」
ん?
と言った顔で彼女は自分の顔を見る。
「俺、お前のそう言ったところ大っ嫌いだ。」
えっ?と笑みが顔に張り付いている。
フリーズしている。
「何も知らないくせにっ…」
吐き捨てるように告げた。
マリーとはずっと一緒にいた。
けれど小さい頃からマリーのそう言ったところが苦手だった。
やつ当たりだって言うのも分かってる。
けれど吐き出さずにはいられない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ずっとリンが好きだった。
こっちを見てくれなくてもそれでも好きでいようって決めた。
アリスのこともリンのこともいくら頑張っても嫌いにはなれなかった。
笑って応援しようって決めた。
「馬鹿っ!!!!」
空気を切り裂くような声。
それが自分から発されていることに驚いた。
思えばこんな大声を出すのは初めてかもしれない。
「私だって…今までどんな気持ちで笑ってると思っているんですか!!!」
どんな気持ちで。
ケイのことが好きなアリスを好きなリンを応援してきたと思ってる。
ずっとずっと好きだった。
決してこっちを振り向くことが無いって分かってた。
「お前何言って…」
「私が今までどんな気持ちでリンを見ていたか分かってるんですか!!!
叶わないって分かってますよ!!でもそれでも好きでい続けるって!アリスとのことも応援するって決めたんです!!
確かに私は心から応援しきれてないかもしれません!でもそれでも笑おうって決めたんです!!
私がどれだけの覚悟で笑ってると思ってるんですか!!
何で何も知らないって決めつけるんですか!!アリスのこともリンのことも全部分かって笑ってるんですよ!!
これでも諦められないなんて女々しいって分かっていますよ!!それでも諦められないんです!私はずっと本気で想っていました!!ずっと6年間ずっと!!」
溢れ出る様に言葉を吐き出す。
ぽつぽつと登校し出す生徒たちが変な目で2人を見守りつつ立ち止っている。
「おいっ…」
肩を掴まれて力いっぱい振り払った。
涙が地面へと零れていく。
「ずっと…好きだったのに…」
何でアリスが…と小さく呟いた。
ずっと好きだった。
振り向かないって分かってそれでも笑い続けた。
叶わない恋だと知っても私は笑った。
そう言うところが嫌いって…私がどういう気持ちで笑ってきたか。
「ごめんなさい…」
やがてポツリとつぶやいた。
「取り乱してしまって…お先に行かせて頂きます。」
「おいっ…」
振り向いてきっぱりと告げた。
「お願いします…今は1人にさせてください。」
上手くは笑えなかった。
それでももうリンの顔なんて見られない。
いてもたっても居られず私はその場から逃げた。
- Re: 秘密 ( No.340 )
- 日時: 2014/05/05 20:29
- 名前: 雪 (ID: 4tgQeMR/)
マリーが何を言っているか…よく分からなかった。
でもきっと自分が彼女を傷つけてきたのだという事だけは分かった。
小さい頃からずっとそばにいた。
だから何時から彼女は自分を見ていたのだろう。
そして自分はそんな気持ちに気付かずどれだけ傷つけてきたか。
教室に向かってもマリーの姿は見えなかった。
「マリー、どうしたんだろう?」
ケイもアリスも心配していた。
2人が一緒にいるのを見てもいつもと同じように胸は痛んだ。
けれどマリーが隣にいないのは出会ってから初めてだった。
だから2人よりかマリーばかり気になっていた。
「今日も1日お疲れ様、明日も頑張る様に、以上!」
授業も終わったけれどマリーは結局姿を見せなかった。
雪も段々と強まってきた。
生徒会室に向かったら雪の関係で中止になっている旨を顧問から聞いた。
廊下を歩く。
マリーがいない日など1日たりともなかった。
そのマリーを恋愛対象としてみたことなどなかった。
何時から見ていたのだろう。
ピタリッと足を止める。
そこには屋上に続く階段がある。
「っ——!」
思わず駆け出した。
階段を何段も飛ばし、駈け上る。
バンッと大きな音を響かせ、扉を開けるとそこには1つの人影があった。
「万里…」
万里花と呼びかけた。
けれどそこにいたのは万里花じゃなかった。
「リン…」
そこにいたのはアリスだった。
「これ、マリーには敵わないがチョコだ。受け取ってくれ。」
ここに来ることを…見越していたのか…
「私のチョコ程度ではお前の心を埋めるのには足りないだろう。」
1歩1歩噛み締める様に近付いてチョコを差し出した。
無意識のうちに受け取っていた。
違う…
言うな…言うな…
「何時も相談に乗ってくれて有難う。私は圭のことは好きになれないが、お前の相談は実に嬉しかった。」
「それで良いのか?」
思わず言葉が口から飛び出す。
「良いんだよ。…もうケイのことは好きじゃない…」
アリスはくしゃっと泣きそうな顔をした。
「じゃあ、もし俺がアリスのことが好きだって言ったらどうする?」
アリスの驚く顔。
そして少し悲しそうにゆがんだ。
1度だけ抱きしめるとふっ、と小さく笑った。
叶わないと分かっていた。
これでいいんだ。
「悪い…嘘だ。」
ここまでだ。
自分に出来るのはここまで。
これが精一杯だ。
- Re: 秘密 ( No.341 )
- 日時: 2014/10/31 18:41
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
彼女は頬を染めていた。
抱きしめられたものとしては、当然の反応だ。
けれども笑っていた。
まるで最初からすべてを知っていたように。
「やっぱり…そうだと思った。」
彼女は意地悪く笑った。
その笑顔がマリーに重なった。
アリスはそっと手を伸ばし、手を握ってきた。
引っ張る様に、励ますように。
「マリーのところに行ってきな。」
今日1日。
マリーがいなかっただけ。
朝の言葉のせいかとも思った。
でもたった半日で頭の中はマリーでいっぱいだ。
深々と降り積もる雪が段々肩にたまっていく。
その中でアリスは1言1言身に沁みるように語りかける。
「ここから先は私が言うべきことじゃない。きっと言っちゃいけないんだ。でも本当は気付いてるんでしょ?」
雪の様に深々とマリーで埋まっていく。
声も。
笑った顔も。
何時もと何もかも景色が違う。
万里花が傍にいない。
「行ってきな。」
「お前、ケイに似てきたな。」
「そうかも。」
くすりっと笑う。
以前ならきっとその表情だけで心が奪われていただろう。
でも今はもう違う。
「ありがと、アリス。」
だっと駆け出した。
手からアリスから貰ったチョコが零れた。
けれど構ってはいられなかった。
そのまま1度も振り向かず屋上から走り去った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「頑張れ、リン。」
雪の上に落ちたチョコを拾う。
雪で少し濡れてゆがんでいる。
「これはもうお前には必要ないものだ。」
リンが私に好意を抱いているのは薄々気付いていた。
けれど私は自分で振るのが怖かった。
自分の手で誰かを傷つけるのが怖かった。
それがマリーをも傷つけていることも知っていた。
私は誰かを傷つけることしかできない。
守るなんてことは出来ないんだ。
圭に似てきたな…か。
私もそう言われて少し腑に落ちた。
「頑張れ、マリー。」
そう言って柵から校庭を見下ろした。
さて、帰るか。
くるりと振り向くと振り返らずに屋上を出ていった。
昇降口にたどり着く前にリンへのチョコをゴミ箱へ捨てた。
リンには結局こんなものいらなかったんだ。
・・・あんな堅物でも、傍にいたいんです。どうしても・・・
2人が上手く行きますように。
雪はずっと降り続けていた。
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