コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.412 )
- 日時: 2014/10/12 16:56
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「…凛?」
「ありがと…万里花」
悲しげな色が瞳の中で揺らめいた。
悲しげで。
危なげな。
そんな雰囲気がした。
「凛?」
抱きしめられていた。
あんなに小さかったはずの。
凛はいつの間にか背を追い越して。
もう見上げないと見えないくらいで。
比べることも出来ないくらいだ。
でも。
まだどこか小さく震えていて。
あの時と一緒で。
大きくなったはずなのに。
どこか小さい。
どこか震えていて。
何処か弱弱しい。
凛の頬に手を添え、静かに額をくっつける。
気持ちが伝わる様に。
「大丈夫」
静かに唇を重ねた。
「ここは、もうなにもない。」
凛の不安が吹き飛ぶように。
凛の支えになれるように。
「…こんな小さな世界を出よう」
ずっと。
ずっと。
凛の隣に立ちたかった。
凛の隣で笑っていたかった。
「外には凛の積み上げてきたものが沢山あります。」
凛の中に。
私がいればよかったと思った。
少しでも。
ほんの少しでも。
凛の中にいたかった。
ようやくその夢の場所にたてたと思った。
ようやくリンの中に少しいられると思った。
だから。
今度は私が。
凛を導きたい。
「大好きです。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小さくて。
怖がりで。
泣き虫で。
それでも強がっている女の子がいた。
周りの人からは常に冷たい視線で睨まれていて。
その中でも泣かないように。
涙に耐えている女の子がいた。
でも。
彼女は大きくなって。
昔とはすっかり変わって。
よく笑い。
とても強くなっていた。
そうなれたのは、凛のお陰だと笑っていた。
買い被りすぎだ。
それを聞く度にそう思った。
そんなに大したものじゃない。
何もしていない。
それでも彼女は笑った。
凛にとっては単なる気まぐれでも、私にとっては救いだったと。
笑っていた。
冗談じゃない。
その彼女が。
今は自分の支えになっていること。
今は救いになっていること。
全く知らずに。
そういうのだから。
部屋の中央まで歩み寄る。
埃まみれで。
なにも残っていない。
抜け殻の様な。
過去の自分の死に場所に。
懐からマッチを取り出す。
シュッとこすると火が付いた。
「もう…振り向かない。」
覚悟を決めた。
じっと揺らめく炎を見つめる。
マッチ棒は手から離れ、床に落ちた。
ボッと火が付く。
「もう、戻らない。」
振り返らない。
外の世界に。
「ここがなくなったら…もう戻らなくてもいいんだ」
なんてな、と小さく笑う。
そんな訳ないのに。
ここがなくなっても。
きっと忘れることはできない。
火があっという間に回って。
もう囲まれている。
酸素が奪われ。
息がだんだん苦しくなる。
ガッと小さな手が掴む。
「一緒に行きましょう!」
小さな手。
それに導かれて。
外の世界に飛び込んだ。
- Re: 秘密 ( No.413 )
- 日時: 2014/10/20 21:10
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
焼け落ちていく。
かつて凛がいた。
そして今も。
凛を苦しめていた。
あの部屋が。
「なんだか…ドキドキしますね…」
廃墟で。
近くに民家がないとはいえ。
アパート1つ燃やしてきたのだ。
ドキドキせざるを得ない。
「でも…お陰でスッキリした」
凛の長い腕が伸びて来る。
「…それなら良かった」
そっと抱きしめられていた。
でも。
その腕はもう震えていなかった。
「凛の力になりたいと…ずっと願っていたんです。」
私はずっと。
凛の存在に救われていたから。
「救われていたのは…俺の方だよ」
唇を重ねた。
優しい。
キスだった。
「じゃあ、これでおあいこですね。」
ずっと憧れていた。
「互いが互いを支え合える関係に。ずっとなりたかったんです。」
きっとそれが恋人ってことだろう。
ずっと。
凛の恋人になりたかった。
互いに恥ずかしそうに笑うともう1度唇を重ねた。
- Re: 秘密 ( No.414 )
- 日時: 2014/12/06 22:08
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・79章 白雪詩織・〜
あの子は元気かな。
女は何の悩みもなさそうにスキップしながら歩いていた。
高そうなコートをはためかせ。
大きなキャリーケースを引きながら。
高いハイヒールを鳴らしながら。
季節外れの大きなサングラスをして。
歩いていた。
その様子に迷いはない。
決まった道を辿っている様にも見える。
サングラスの下からは整った顔立ちが覗く。
大学生、と言っても通りそうなほど若そうな外見。
服装も今時の大学生が来ているような服だ。
けれどその実年齢は30を過ぎている。
しかも高校生の息子もいる。
けれど外見と仕草からはとてもそうは見えない。
彼女の名前は白雪詩織。
白雪凛の。
母である。
「今迎えに行くよ、凛ちゃん♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
帰り道。
手を繋いだ。
指をからませて。
いわゆる恋人繋ぎだ。
今日のこと。
忘れることはきっとできない。
母のことも。
でもそれを胸に。
前に歩いていきたい。
何時までも後ろを向いていられるものか。
今、自分が生きているのは。
過去でも。
未来でもなく。
今なんだ。
きゅっと手を握る。
すると恥ずかしそうに飛び上がった。
恥ずかしいのはこっちの方だ。
けれど万里香は振り払う事はなく。
恥ずかしそうに俯いて。
そのまま大人しく握られた。
本当にもったいないくらいに。
良い彼女だな。
そんな万里花がいるから。
これからも前を向いて歩いていける。
そう思った。
「凛ちゃん!」
嫌な。
音がした。
大事なものが。
崩れる様な。
大事なものが。
失われた様な。
恐る恐る振り返る。
嫌な汗をかいているのが分かる。
「久しぶり、お母さんだよ!」
- Re: 秘密 ( No.415 )
- 日時: 2014/12/06 22:09
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
隣にいる圭を見上げる。
少し身長高くて。
しっかりとした体つき。
髪は長くて少しぼさぼさだ。
「圭…」
ん?と此方を振り返る圭。
愛しい顔。
「あの…」
口にすべき言葉を。
どうしても口に出来ない。
静かに言葉を飲み込んだ。
「…なんでもない」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「わぁ…大きくなって…」
何の躊躇いもなさそうに。
真っすぐこっちに手を伸ばし。
頬に手を添えた。
愛おしそうに。
「…っ」
声が。
でない。
ひるむことなんて。
何もないのに。
「あら?凛ちゃんのガールフレンド?」
母の視線が万里花に移る。
その言葉を聞いて。
ようやく。
我に返った。
「…帰れ」
「…何か言った?」
キョトンとなにを言われたか分からないようにこちらに顔を向けた。
嫌いだ。
分かってるくせに。
こうやって馬鹿な振りをする。
「帰れって言ったんだよ!!」
何かに媚びて。
媚びることしかできなくて。
そのくせ家では。
放っておいて。
あんなに。
餓死する寸前まで。
放っておいたくせに。
「…何時の間にこんな子になっちゃって」
小さくそうつぶやいた。
手を引っ込めると笑う。
天真爛漫で。
それでいて。
なにを考えているか分からない。
笑顔で。
「今日は話をしに来ただけ。
雪白さん家とはもう離れているって…連絡先も分からなかった。
ここまで来るのはとっても大変だったんだから。ねぇ、凛ちゃん。」
口が。
嫌な風に動く。
言ってはいけない。
そう思った。
「一緒に暮らそう?」
- Re: 秘密 ( No.416 )
- 日時: 2014/11/15 14:59
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「また昔の様に一緒に暮らそう?凛ちゃん」
この人は何を言っているんだろう。
分からない。
凛を散々傷つけたはずだ。
なのに。
どうして。
やすやすとそんなことを口に出来るのだろう。
「一緒に帰ろう?」
凛との距離を次第に縮めている。
どうやら手を取ろうとしているらしい。
「…ごめんなさい」
2人の間に割って入った。
「凛とはこの後急用があるので、失礼します。」
用事なんて何もない。
でもここから離れなきゃ。
そう直感で感じた。
「…あら?引き止めてしまってごめんなさい。」
口元から笑みは消えない。
その笑みが。
不気味だ。
「また来るね、凛ちゃんが来るまで…何度でも」
なんだろう。
笑っているのに。
こっちを見ていない様な。
どこか不気味な笑顔。
「凛ちゃんのこと…宜しくね?」
掴まれた手首。
塗りたくったネイル。
伸ばされた爪が。
食い込む。
思わず顔をしかめる。
さりげなく嫌がらせをするところが…とても性質が悪い。
「母さん」
凛は。
自らの母の手首を掴んだ。
するとあの人は笑って手を離した。
肌には赤く、くっきりと爪の痕が残っていた。
「俺に用があるなら俺に言えよ。」
こんな凛。
見たことない。
肌に。
ひしひしと気迫の様なものを感じられた。
怒り。
幼い頃から凛とともにいた。
けれど。
こんな凛。
見たことなかった。
「万里花に手を…出すな!」
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