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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.276 )
日時: 2014/11/15 18:46
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「ところで皆は帰省しないの?」

プレゼントの包みに苦戦しながらふとちょっとした疑問を投げかける。

「知っての通り私は父と同居してますわ。ほとんど帰って来ないのですが。」

「俺はしない。」

「僕もしないかな。」

皆案外するものだと思っていたので少し拍子抜けだ。

「じゃあ年越しも皆で過ごしましょう。年越しまでは…ItemMemberが立て込んでますね…」

そう言って遠い目をした。

責めている訳ではないのに少しだけ負い目を感じる。

活動が出来ないのはボーカルの私がいないこと。

「年越しでなんで集まるの?」

年越しというものは1人で過ごすものだ。

1人で除夜の鐘が鳴るのを聞くのが毎年の楽しみだった。

誰かが隣にいる年越し等やったことが無いのでそう言ったものが良く分からない。

「年越しながら初詣!」

初詣?

「初詣、この近くの涼風神社でも出店を出すそうでそこで飲み食いしながら初日の出!!」

初日の出は見たことが無い。

元旦でもなんでも関係なく規則正しい生活を送った。

といっても何時もは乱れまくっているので、冬休みの内に体内時計を調整する。

「大げさな…」

「私、初詣は毎年しているのですが…日の出は見たことが無くて…」

灘家というと…

「毎年涼風神社に新年の挨拶?してるんだっけ?」

「ええ…でもどうしてそれを…?」

前に灘家の歴史を洗いだした時に目に映ったのを覚えていただけだ。

「まぁ…色々…」

ようやく開いたプレゼントの中には、可愛らしい布の様なものがはいっていた。

だが何かは大方分かった。

「あのさぁ…マリー…服を靴下から帽子まで1式揃えなくても…」

取り出すとそこには靴下、靴、ニーハイ、ワンピース、帽子、マフラー諸々の服がはいっていた。

流石金持ち。

「アリスは私が服を準備しないといつも同じ服ばっかり着るじゃない!
パーカーとか短パンとか地味なものばかり…」

「そっちの方が動きやすいんだからいいじゃない!それに今はマリーの準備した服しか着てないし…」

そのおかげでいつも恥ずかしい想いをして、スカートをはいている。

しかしマリーは微笑んだ。

「そっちの方がお似合いです。」

もぅ…といいながら結局は貰ってしまうのだった。

Re: 秘密 ( No.277 )
日時: 2014/03/17 17:06
名前: 雪 (ID: jSrGYrPF)

「有り難う…貰っておくよ…」

マリーはスカートとかワンピースばかり着る。

けれど趣味は悪くない。

一旦箱の蓋を閉じると次の包みを開け始める。

でもマリーがこうやって女の子らしい服を着るようになったのはここ最近だと私は認識している。

以前は男物のシャツばかり着ていた覚えがある。

時々スカートなどを履いていたが彼女はそれをひどく嫌がっていた覚えがあった。

私もパーカーに短パンという出で立ちで全然女の子らしくないと言った話をしていた。

今でもリンの前なのか華やかな服だが、リンがいなかった頃はまた味気に服を着ていた。

ストリートライブにも何時も男物のシャツにジーパンといったいでたちだった。

何故いつもそのような格好なのか私にも分からない。

ただリンの前では何時も女の子らしい格好をしていた。

それになんの意図があるかは知らない。

おおよその想像はついているが。

「これ…もしかしてリン…?」

中に入っていたのは予定帳だった。

リンらしく黒一色だ。

「…ああ。」

予定帳などなくてもその日に合った出来事は鮮明に覚えられる。

何日に何をするかなんて完璧に覚えている。

「だが…記念としてもらっておこう。」

ItemMemberを活動する度に私達は写真をとる。

それを加工すればシールにもなる。

それを張ればここにいた物が形になる。

ここにいたという痕跡をここに残せる。

「…ありがと。」

この記憶能力のことはまだ3人にも話していない。

この能力のことを知ったらさらに危険が増す気がする。

リンは親の話を聞いたことが無い。

そこらへんも大方想像がつく。

リンは今も昔もやけにきっちりしていた。

聞いたことのないリンの親の話。

そして何時もきっちりしている服。

呼ばれたことのないリンの実家。

そこからはじき出される答え。

皆それぞれ闇を抱えている。

だからこそ共感できるところがあるのかもしれない。

再びふたを閉めると最後の包みに手を伸ばした。

Re: 秘密 ( No.278 )
日時: 2016/04/09 00:41
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

残るのは圭のプレゼント。

けれどそれを開ける時、一瞬だけ迷いが生まれた。

圭は親にも恵まれ、特に影らしい影を見たことが無い。

私と違って。

普通なのに。

でも。

私のことを理解しようとしてくれる。

「これ…」

ぬいぐるみ。

小さくて真っ白なウサギのぬいぐるみ。

首には赤くて細いリボンが結ばれ、鈴が付いている。

「…こどもっぽい…」

「全く!これだから乙女心の分からない殿方は嫌なんですよ。」

「ちょっ…君たちに言われたくないよ!」



3人の声を聞きながらじっと見つめていた。

表情も読めないが可愛らしい。

それを3人が見ていたのに気付き慌てて手を離した。

「アリスってこう見えて子供っぽいもの好きだからね…」

「あらあら…」

「餓鬼…」

「ちょっ…!?」

何故だろう。

教えたこともないのに。

私のことを知っている。

辛いことがあると何時も傍にいる。

下手な同情をする訳でもなく。

慰める訳でもなく。

傍にいてくれる。

「…ありがと、お前達。」

小さな感謝の声。

それを聞いて3人がにやりと笑った。

それに気付いて否定する。

下らないことで。

笑ったり。

泣いたり。

喜びあったりすることが出来る。

そういった関係がとても尊い。

それを常々実感する日々。

だからこそ怖い。

この儚い日常が壊れることが。

皆と出会って。

私は恐れを知った。

それが父の道具として生きるには不便なことこの上ない。

不要なものである。

だが…1人の人間としては。

儚くて希少なものである。

さてはて私はどちらに傾くのだろう。

道具か、人間か。

ポケットの中で携帯が震えた。

Re: 秘密 ( No.279 )
日時: 2014/03/17 18:46
名前: 雪 (ID: jSrGYrPF)

〜・47章 前兆・〜
表示される名前はアレクシスの名。

逃亡して1日たってからようやく電話をかけるなんて…やることが遅いな。

3人から少し離れて電話に出る。

「よう、アレクシス。連絡が遅いからどうしたかと思ったよ。」

「貴様…っ!?」

「母を誘き出そうとしてしたようだがね。どの道は母は来ないよ…結局当たり前の様にあいつらが助けてくれた。」

圭だけじゃない。

あいつらだって私の闇を祓った。

傍にいて傷をいやした。

「…」

「…なんだよ。言い返さないなんてお前らしくないな。結婚して平和ボケにでもなったか?」

「なっ…!?」

「私は今の居場所を大事にするよ。何時か失われると分かっていても…未来の私を作り出すのは今の私だから。
きっと今ここにいることが。そのことだけが。未来の私の糧になる。」

ここにいることが。

ここにいて。

皆と一緒にいる。

互いが互いの支えになる。

そんな生活が。

それが何時か私が向き合わなければならない闇の中で。

唯一の光。

唯一の希望になるから。

「私は足掻き続けるよ。」

あいつらを守るためなら。

「私はもう私の為だけに生きてる訳じゃない。」

「…怪物のくせに…!」

憎らしげな兄の声。

でもそれでも私の声は無意識に楽しそうに弾んでいた。

「…ああ、確かに私は怪物だ。怪物だからこそ皆を守れる。」

父の道具として買われた力。

それが父から皆を守れる力になる。

「…変わっ…な…」

「…?何か言ったか?」

「なんでもない。」

「…そうか。」

聞こえていたよ。

流石は私の兄だ。

「1つ…忠告しておこう。」



「貴様が逃げたことにより、父上は考えを改めた。優秀な頭脳。それの対になるパートナーを枷としてそちらに派遣することになった。
こちらに閉じ込めても逃げるなら、絶対に逃げられない枷があるその町に共に放りこんでおこうという魂胆だ。」

私と対になる…パートナー…?

まさか…!?

「近日中にそちらにエリスが向かう。」

「エリス…!?」

私の声が中にも響いたのか3人が怪訝そうな顔をしているのにようやく気が付き、慌てて声を抑える。

「…そうか…エリスが来るのか…」

ふぅ、と小さく溜め息を吐く。

「…分かった。」

それからついでと言った感じで話しかける。

「…それと貴様は年明けこちらに来ないか?」

「は?」

「マリーが言っていたのだよ。年越しも皆で過ごしましょう、と。
あいつらが言う皆には私だけでなくだからお前も含まれている。だから仕方なく呼んでやろうと言っている。」

気まずい沈黙がつかの間流れる。

「万里花嬢のお誘いなら断れないな。…分かった、行こう。」

「ヘタレ兄貴め。」

「なっ…!?」

ピッと電話のボタンをきる。

部屋に戻ると3人は相変わらず騒いでいる様に…装っていた。

「じゃあ、これ無くさないように大事にするね!お手洗いに行ってくる。」

壁を伝いながら有無を言わせぬ様に強い口調で部屋を出ると屋敷の廊下を右、左へと曲がった。

辿り着いたその扉にはパソコン室という札がかかっていた。

Re: 秘密 ( No.280 )
日時: 2014/03/17 19:49
名前: 雪 (ID: jSrGYrPF)

素早くパソコンを起動させると、カタカタとキーボードを打つ。

エリスは私と対と呼ばれるほどで私とは逆の存在だった。

私は出生さえ伏せられ、牢に囚われていた。

けれど彼女は表向きのパーティーなどに出席し、屋敷に暮らし、私に情報をもたらす。

エリス=ベクレルと検索すると、輝かしき経歴が表示される。

名前も聞いたことのない様な賞状。

けれどこれらはたいてい偽造されている。

彼女は表向きに情報を収集し、時には相手を追い詰める。

それがエリス=ベクレル。

私と対と呼ばれるのもうなずける。

何もかも。

私とは正反対。

それでも根っこの部分には少し似ているところがある。

どちらも父の道具として認識されている。


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