コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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136章
>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.582 )
- 日時: 2016/03/21 22:27
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
世界そのものを侮蔑する様に、ふざけた砕けた喋り口調。
その顔には、何時も笑みが貼りついていた。
どんな時も、思い出すエリスの顔は笑っていた。
それが、エリスの約束。
強い。
エリスは、強い。
「一生分の幸せを貰ったんだ。だから、私はずっと幸せなの。」
そして、美しい。
胸が轟き、膝が震えた。
「彼から、最高のプレゼントをもらってから。私はずっとこの世の誰よりも幸せなの。」
そうやって笑ったエリスの顔は、どこまでも晴れ晴れとしていた。
いなくなって、もう二度と会えなくても。
思い出を胸に抱えて、笑って生きていくことを自らに誓った。
それがどれほどの重責か。
「エリスは…アイリスの、花ことばを知ってる?」
どれだけ願っても会えない。
言葉を交わせない。
過去の記憶だけを辿り、それだけを抱えて生きている。
「…アイリスの花言葉だけは、まだ知りたくないの。知らないままでいたいの。」
そして。
生きていて辛いことが合う度に、彼らにはもう会えないと思い知らされる。
「それでも、私は幸せだから。」
それでも生きて、笑っている。
会えなくても。
「…彼らは名前すら、知らなかったけれど」
想うだけで、幸せだとハッキリと断言する様に。
清々しい笑顔。
覚悟をもった、笑顔。
- Re: 秘密 ( No.583 )
- 日時: 2016/10/14 23:53
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「いつか…他に人を好きになることがあるかもしれない。こんな私を受け入れてくれる人がいるかもしれない。
でも、今はまだアイザックのことを想っていたいの。あいつの笑顔を胸に留めておきたいの。」
いつか。
私もそんなことを断言できる日が来るだろうか。
マリーやリン、圭と会えなくなっても。
二度と会えないことに耐え、笑って行けるだろうか。
「例え傷付いても、一緒にいられることを選べたら良かったのに。
それが私の後悔。こちら側の世界で生きていけば、傷つけたり傷つけられることが合っても。
ずっと一緒に生きることが出来たかもしれない、今ならそう思うの。」
ようやく。
エリスの伝えたいことが分かった。
「私は今、誰よりも幸せだと思っている。それは揺るがない。
でも、あいつ等の傍にいる以上の幸せではないの。欲張りかもしれないけど。
ただの未練かもしれないけど。アイリスでいた時間が、私にとっての幸せの全て。」
エリスが彼らを失って、どれだけ苦しんでいたか。
私は覚えている。
どれだけ幸せだったのかも。
「遠く離れているだけなら、まだ幸せ。」
それでも、エリスは笑って。
例え作り笑いでも常に笑顔を浮かべている。
彼女が心から笑える日が、何時か来ると良いな。
今は無理でも。
何時か。
もう一度。
アイリスと言う名前を、名乗れる様になる日を。
幸せの証である名前を。
「でも、いなくなるのは駄目。そんなに苦しいことはないの。」
そんな相手に会えれば。
次は、エリスという名前も好きになってほしい。
争いと不和の神から取った名前じゃない。
アニエスの為に尽力した、1人の優しい女の子の名前を。
アニエスのことも、ひっくるめて。
真実を話せる相手に。
出会えるといい。
「あの時、私は一生分の幸せと一緒に…一生分の哀しみも貰ったの」
何時もは強気なエリスの笑顔が。
その時は酷く儚げに映った。
- Re: 秘密 ( No.584 )
- 日時: 2016/04/04 22:38
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・121章 エリスが見たもの、守るもの・〜
例え傷つけ、傷つけられ様とも。
それでも、いなくなってしまうよりかはずっといい。
エリスの後悔が、痛いほどに伝わってくる。
対となるパートナーとして。
同じような立場である私に対して。
同じ経験をしてほしくないのだ。
「だから、アリス。絶対に手離しちゃダメだよ。
ずっと幼い頃から私を見てきたアリスなら、分かるでしょ?」
分かる。
いかにおぼろげとはいえ、忘れるわけがない。
「アリス、時間はもう残っていないんだよ。だから、大事にしな。」
手を伸ばし、頭の上にポンッと乗っける。
くしゃくしゃ、と笑いながら頭をくしゃくしゃにした。
優しい…笑顔。
これはエリスが彼らに出逢ったからこそ、得られた表情。
「…私が王になったら、それでもついて来てくれるか?」
少し照れたように、笑った。
何時もの嘘っぽい笑顔とは、違う。
「聞かれるまでもなく…決まってるじゃん。私とあんたはパートナーなんだからさ。」
圭たちに会うまでエリスのことは、ずっと尊敬していた。
自分の意思で、行動していたから。
私はただ言われるままに行動するだけだったから。
「話したらすっきりした。後は、アリスが決めな。
言っておくけど、テオドールの部下は曲者揃いだよ。」
エリスが、どれだけのものを抱えていたか、私は知っている。
エリスが彼らを失った後、どれだけ苦しんでいたかも。
エリスの生き様も。
エリスの闇も。
私は見てきた。
それでもエリスはアニエスと言う地から、逃げようとはしなかった。
外の世界で自由に暮らしたいと思う日も、あっただろう。
でも、恩人であるテオドールに恩を返すまで。
憎いけれど、自分と兄弟を生かしてくれたテオドールのために。
彼らはもういないけれど。
その分、生きなければいけないと。
「私を誰だと思ってるの?」
精一杯不敵に笑って見せる。
これから先の道は、厳しくて痛くて、辛いだろう。
エリスの様な過去を抱えている人が、アニエスには沢山いる。
トールやアレクシス、幽、子どもたち。
テオドールの部下は、そういう人たちが集まっている。
泣きだしてしまうかもしれない。
涙すら、枯れてしまうかもしれない。
でも、そこで引き下がるのは私じゃない。
「そうこなくっちゃ。」
姉っていうのは…こんな感じなのかな。
ふと、そんな感じがした。
エリスがいっていたみたい。
トールやアレクシスは仕事上の繋がりだったけれど。
まるで家族みたいだと。
彼らに出逢って、本当の家族と言うものを教えられたと。
彼らを殺めたテオドールのことは、憎くてたまらなかっただろう。
けれど、テオドールのことを父の様にも感じていたから。
許せないとは思えても、殺したいとは思えなかったのだろう。
「後は、あんた達次第だよ。」
そう言ってエリスは圭たちに目をやった。
- Re: 秘密 ( No.585 )
- 日時: 2016/04/09 21:43
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
アリスは、変わった。
もしくは、ずっとアリスの本質が見えていなかっただけなのかもしれない。
アリスは孤児院でアリアと言う少女の髪を切った。
笑顔で。
アリスが子供好きだとは知らなかった。
けれど、なんだか割りきった様な。
覚悟を決めた様な強い芯が、アリスを動かしているみたいに。
少女の髪を切った時。
ジャキンっという音はまるで、昔のアリスと決別する音に聞こえた。
アリスはエリスの昔話を少し驚いたような表情で聞いていた。
まるで、初めて聞いた様に。
アリスの記憶が欠落していることは知っていた。
高校にあがって、アリスと再会した時。
アリスはまるで自分たちとはほとんど初対面の状態だったらしい。
それでも、それを悟らせないのはアリスの演技力。
アニエスで培われてきた能力だ。
エリスが、彼らの話を終えてからは苦しそうな顔をしていた。
それは単なる感情移入かもしれない。
もしかすると、その辺りの事情は少し覚えていたのかもしれない。
知らないアリスを、沢山知った。
アリスは変わった。
目的を見つけ、まっすぐそこに向かっている。
立ち振る舞いからは迷いを感じさせない。
急に、自分が恥ずかしくなった。
アリスは自分のすべきことを見つけ、それを命がけでこなそうとしている。
自分のしようとしていることは。
それを止めようとすることは。
彼女の命懸けの選択を、留まらせること。
アリスの決意を鈍らせること。
アリスが真っすぐ前を向こうとしているのに、横にいる自分がそれを邪魔している。
それは彼女への冒涜になるのではないか。
彼女の傍にいたい、それをずっと願っていた。
アリスが危険から程遠い普通の日常で、一緒に生きていきたいと。
けれど、それはアリスの意思を殺してしまう。
アリスは無責任に言っている訳ではない。
王になるのがなにを示すのか、しっかりと見定めてその上で答えを出した。
自分のすべきことは、アリスが必死に出した答えを否定することなんだろうか。
自分も、アリスの横に並べる様に努力すべきではないのか。
アリスに行かないで、としがみつくのではなく。
必死に追いつこうと、自分で立ち上がり走り出すことじゃないのか。
- Re: 秘密 ( No.586 )
- 日時: 2016/04/24 17:14
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
アデニウムを台所で煮詰めていた、昨夜。
圭が席を外した後、エリスと話をした。
私のこれからについて。
結局、話しあいは上手く行かなかった。
けれど互いの本音をぶつけ合えたと思う。
私はアニエスを継ぐこと。
エリスは、それは無理だということ。
今にしてみるとエリスは、私を圭たちの傍にいさせようとしたのではないか。
そして、この国に連れて来るのを了承し孤児院にまで連れていったのは。
圭たちにアニエスのことを知ってもらいたかったのもあったのかもしれない。
それはエリスの心に今も刺さったままの、後悔。
でも、本当は。
彼らに嘘をつかず、傷つけず、それでも傍にいられる方法を探しているのではないだろうか。
それを、自分とよく似た私に。
自分では出せなかった答えを、出してくれるのではないかと。
淡い期待だって、きっと抱いていた。
エリスの期待に、絶対に応えられるとは言わない。
けれど、エリスと違う道を歩かなければいけないと思った。
私とエリスは似ている。
けれど、対となるのなら歩む道は違う。
片方が、既に間違った道を示してくれたから。
私はそれを踏まえて行動しなければならない。
自身の為にも。
王になることに、迷いはない。
彼らと会えないのは、とても寂しいけれど。
それはちょうど良い気がする。
彼らも。
私も。
私達は互いに依存し過ぎている。
長い人生、一人で歩く時間も必要だ。
彼らと歩む道は、きっと温かくて幸せな道だろう。
一人で歩く道はきっと、暗くて辛いだろう。
けれど、一人で歩かねば分からない景色もある。
辛くて、涙を堪える日もあるかもしれない。
それでも。
涙を堪えた分、それは自信になる。
それは私の糧になる。
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