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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.492 )
- 日時: 2015/03/27 14:56
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・98章 私のしたこと・〜
圭と出会ってからの私は。
私は未来に怯えて生きてきた。
ずっと。
大事な宝物を、奪われない様に。
私には宝物を守る力が、ないから。
自らの身を切り捨てるしか、彼らを守る方法がなかったから。
でも、そんなやり方には限界がある。
圭たちの前から消えても、危険は残る。
強くならないと。
私の様な人に守られるほど、圭たちは弱くない。
身勝手なのかもしれないけど、それでも守りたかった。
「守る…」
なんて勝手で、我が儘な言葉なのだろう。
守る、と言われればそれでもう何も言えなくなる。
それを分かっていて私はこの言葉を多用する。
彼らの気持ちを踏みにじって。
それでも、私は彼らを危険の渦に巻き込みたくなかった。
こうしていても、圭は私よりも先の未来を見据えているのだろう。
彼らは私が思うほど、弱くない。
彼らの持つ強さは、比類なく、私も救われた。
その強さに惹かれていた。
どうして、彼らにここまで心許せたのか。
彼らは、私よりもずっと。
ずっと、強い。
きっと私は…幸せになることを、望んではいない。
幸せになるための対価。
それを選ぶより、自分の身を切り捨てる方が楽だから。
だから、それにずっと甘んじている。
私は、本当に彼らにとって。
最善のことをしているのだろうか?
私は、ただ。
彼らを守っている気になっているだけなのではないだろうか?
- Re: 秘密 ( No.493 )
- 日時: 2015/03/27 14:55
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「アリスは強い。」
リンの声が降りかかってくる。
「…君らの方がずっと強い。」
「誰でも1人は弱い。」
彼らには、私に無いものが沢山ある。
それが、私と彼らの違いだと思っていた。
でも、違うのかもしれない。
彼らは大事な人が隣にいるから、強いのかもしれない。
思えば、彼らには幸せな過去など持っていない。
そう言った所では私と同じなのかもしれない。
「守りたい人がいるから、強くいられる。
ただ守るだけじゃなく。幸せな2人の未来を思い描いて、それを現実にするため。」
敵わない。
全く違った考え方をする彼らには、私はきっと敵わない。
自己犠牲じゃなく、共に戦わせる覚悟。
何もかも、私には足りない。
「自らを犠牲にする方法じゃない。互いが互いを守る。
アリスが俺らを強いと思うのなら、きっとそれが秘訣だよ。」
私には、圭たちを守りたいというその代償を受け止める覚悟が。
彼らを戦わせる覚悟を。
彼らとともにいる、覚悟が。
恨めしい。
こんなことで、愚痴愚痴迷ってしまう自分が。
どうしようもなく、憎い。
- Re: 秘密 ( No.494 )
- 日時: 2015/03/27 15:12
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
リンからの電話の後、一目散に公園に向かった。
入れ違いになる様にリンは公園を出ていった。
すれ違いざまにポンッと肩に体重を掛けられた。
小さく、囁く様に。
「これで、借りは返したからな」
ありがとう。
アリスはペタンっ、と床に座り込んでいた。
顔は俯いていて、表情は見えない。
綺麗な金色な髪が地について、渦を作っていた。
「初めて…人の告白を断ったんだ…」
彼女は唐突に話出した。
「いい奴だった、いい奴だったよ。でも断った。
…もう傍にいられないって言われて、それが不思議と悲しかった。
初めて人を…つき離した…っ!傷つけたくないはずなのに…、傍にいられないと思ったらちょっぴり辛かった。」
変わった。
人が傍にいないのが、当たり前だったのだから仕方ないのかもしれない。
それでも、何時もの4人組以外のメンバーと別れて。
悲しむ程の人間性が合った。
否、芽生えていた。
彼女の世界は小さかった。
何時もの4人組で完結していた。
「アリス」
彼女は顔をあげない。
「それ、普通」
「…普通?」
ようやくこちらの言葉に反応した。
ぴくりっ、と小さな頭が動いた。
「むしろ安心したよ。今のアリスは、人間らしくなってるから。」
「人間…らしい…?」
「人が離れて行って悲しいのは当たり前。
人を傷つけて悲しむのは、アリスが人間だからだよ。誰でもそう。」
アリスはおびえ過ぎ。
その程度で、離れたりしないのに。
「アリスがいなくなるのも、同じくらいに悲しい。」
床に座り込んでいる彼女の手がそろりそろりと上がった。
一瞬ためらう様に手をひっこめたが、結局は自分の手に手を重ねた。
「…うん」
彼女は人間らしい。
「アリスは、化け物なんかじゃない。」
「優しくて。何時だって人を庇おうと必死で。人を傷つければ悲しめる人。
それに、もし化け物だとしてもそれがどうした?
化け物で何が悪い。どんな化け物でも、それでもアリスのことが好きだよ。」
アリスは人一倍に傷付きやすい。
それなのに、自分が傷つく道を進もうとする。
危なっかしくて、時々見ていられなくなる。
…傷付いたことなんか、1度だってないのに
アリスが傷ついたら、こっちだって傷付くのに。
- Re: 秘密 ( No.495 )
- 日時: 2015/03/27 15:25
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「そろそろ惚れた?」
まだ言うか。
「…そうだな。少し、惚れ直したかな」
私だって自力で立てる。
「なんだよ…っ、調子が狂う…」
なんだ。
何時も調子を狂わせるのは、圭なのに。
顔が真っ赤だ。
「…ちょっとした意趣返し。」
こっちまで恥ずかしくなる。
圭は、強い。
彼の生い立ちも関係あるのだろう。
きっと私を守ることで、また強くあろうとしているのだろう。
守ってやらなきゃ、と思うことで。
私に弱みを見せまいとしている。
強くあろうとしている。
それは別にとがめられることじゃない。
圭がいれば、私も強くいられる。
傍にいられることで、強くなれるなんて。
私が憧れる関係だ。
「帰るか」
「ちょっとだけ、寄り道しても良いか?」
- Re: 秘密 ( No.496 )
- 日時: 2015/03/27 15:35
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・99章 アニエスと父・〜
彼女が連れていったのは思い出の屋敷、と呼んでいる出逢いの場所。
「私は弱い。」
埃をかぶった書斎。
分厚い本が本が散らばっている。
開きっぱなしのものも珍しくない。
彼女曰く、同時に何冊も読んでいたんだろうとのこと。
昔の面影を残すために、あえて手を加えていないらしい。
「人に助けを求められないくらいに、ね」
「そうかもな」
小さく笑った。
彼女も多少の自覚をしているのだろう。
「私は優柔不断。物事を決める前にも、あとにも迷ってばかりだ。」
「悪いことじゃない。」
螺旋階段を上りだす彼女の後を追う。
天井が一面ガラス張りで、ちょっとした展望台になる。
日が暮れはじめ、もう月が顔をのぞかせ始めている。
「私は君たちの手を掴めなかった。」
「違う。アリスは幸せになるのを怖がっているだけだ。」
下から見えた彼女の顔から表情が消えた。
次に現れたのは驚きだった。
そしてそのままの顔で告げた。
「…バレていたか」
そして、表情はまた苦笑いに戻った。
「…自分でも多少の自覚はあったんだ。」
と言うことは、多少は無自覚だった。
しばらくするうちに、彼女との距離は結構開いていた。
「…どうして自分で幸せになるのが、許せないのか分からなかった。」
彼女の声が、反響して大きく聞こえる。
本人の声の、何倍も。
「そして気付いたんだ。私にはまだ、やるべきことがあるって。」
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