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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.502 )
- 日時: 2015/04/03 16:50
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
それから彼女は圭の傍に立ちまわる様になった。
第一印象である、影のある少女と言った面影は残っていなかった。
「もしよろしければ、今度町を案内していただけないでしょうか?
実は、あまりこの町に詳しくなくて…」
圭もやんわりと断っているものの、少女は物ともしない。
羨ましいくらいの真っすぐさだ。
私は今すぐにでも彼女を引きはがして、問い詰めたい。
けれど、今の私にはその資格なんてない。
圭の傍にいる、と言うのが厄介だ。
圭には知られたくない話。
「三田村先輩っ!」
突如、少女の顔が目の前に現れる。
わっ、と声をあげて後ろへ下がった。
「思っていたより、表情豊かになりましたね。」
どこか棘がある、冷たい響きだった。
一気に周りの温度を下げる様な。
どこかつかめない。
突然明るくなったり、突然冷たくなったり。
「三田村先輩にすっごいすっごいお話をしたかったんです!
宜しければ、屋上でお話をしながら昼食にしません?」
私はそれに応じた。
- Re: 秘密 ( No.503 )
- 日時: 2015/06/12 17:58
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
授業が終わり、屋上に行く。
少女は既に弁当箱を開け、ゆっくりと箸を進めていた。
「こんにちは、三田村先輩」
こうして見ると、本当に綺麗な顔だ。
どこかの絵画から抜け出してきた様だ。
化粧を施している様子もない。
所謂「すっぴん美人」と言う奴だろうか。
それなのに、絹糸の様な滑らかな肌をしている。
「こんにちは、アリスちゃん」
「有栖川幽」
箸を止め、こちらを見てにっこりとほほ笑む。
大人しく、それでいて鋭利な刃の様な雰囲気を持ち合わせている。
今の彼女は、さながら鷹とでも例えるのだろうか。
「これを聞いて、直ぐに分かりましたよね?」
————私の正体
彼女はそう告げた。
分かっている。
「有栖川幽。有栖川は名のもじり。幽はゴースト。」
様々な表情や雰囲気を使い分け、本名すら誰も知らない。
彼女の本質を、誰も知らない。
父はいろんな国にいって、捨て子や何かしら事情のある子を拾ってくる。
そして、それを自らの武器にする。
そう言った建前で、養っているのだ。
「あなたの通り名、だろ?」
その仕事ぶりは手際よく、存在を隠し通している。
それを称して、ゴースト。
「今度の仕事は、私の見張りか?」
彼女、有栖川幽。
「アリス=エイベル」
彼女の本質は、誰も知らない。
だからこそ、恐ろしい。
彼女の口がにやりと不気味にゆがんだ。
- Re: 秘密 ( No.504 )
- 日時: 2015/04/07 17:07
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・101章 宣戦布告・〜
「私はあなた、なんて台詞は少し気障かな?でも、本質的にはそう。」
少し楽しそうに言葉を弾ませる。
弁当はいつの間にか完食したようで、風呂敷に包んでいた。
弁当箱を置いて、立ち上がった彼女は楽しそうに笑った。
「私はあなたの代わりに作られた。」
彼女は静かに笑った。
なにかを軽蔑する様な、侮蔑するような表情。
まるで別人だ。
「あなたはもう、用済みってこと」
分かってはいた。
何時か、こんな日が来るんじゃないかって。
完全記憶能力、といったものはあくまで体質である。
確かに珍しい。
けれど、皆無という訳ではない。
その気になって探せば、見つかる。
それが小国でも国家単位であるなら、尚更。
使い方によっては、人を傷つけることも出来る。
知識といったものを、一語一句間違えずに覚える。
吸収し、絶対に忘れない。
それで、様々な国家情報までもを頭に仕舞いこむ。
非道の限りを教え込まれ、それを常に頭の中に入れている。
合法、非合法の様々な知恵がある。
空き家に暮らす方法、他人の印鑑を写す方法。
監視カメラに映らない方法、指先のコーティングの仕方。
様々なことを教え込まれる。
知識を頭に詰め込んでいる。
全ての知識を使えば、なんだってできる。
そんな頭に爆弾を抱えた存在、それがアリスだ。
ただの体質だが、使い方1つでどうとでもなる。
「これは単なる宣戦布告。覚悟しなさい。」
アリスは、決して1人じゃない。
場合によっては2人にも3人にも成りえる。
「あんたの居場所、私が奪い尽くしてやる。」
- Re: 秘密 ( No.505 )
- 日時: 2015/04/08 17:16
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「気付いているんでしょ?もう、時間がないって。」
沈黙は、答えだった。
本当に、人間味豊かになったものだ。
胸に疼く気持ち。
きっと、嫉妬。
「それとも、壊してあげましょうか?」
じとり、と間合いを詰める。
小さく後ずさるが、それよりも距離を詰める。
人間っぽい、弱さ。
「先輩の望みであるのなら、それも吝かではありません。」
本物のアリス、と言うからどんな大層な奴か。
淡い期待をしている。
でも、みたところ普通の少女っぽい。
こんなものは、こいつの本性ではないと信じている。
こいつの代わりに私は作られた。
なら、こいつは私よりも強いはずだ。
強く、ぶっ飛んでいるはず。
でも、私が感じるこいつの印象は少女そのもの。
「近々、またお呼びがかかります。覚悟しといてください、先輩」
本性を見せてみろ。
化けの皮を剥いでやる。
- Re: 秘密 ( No.506 )
- 日時: 2015/04/08 17:27
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「次の呼び出しまで少しあります。精々、今の居場所を大事にして下さい。」
散々言ってきたが、要は威嚇だ。
「…もう戻れないかもしれないんですから」
分かっている。
近々呼ばれることも。
その呼び出しが今までとは違うことも。
「あっ、それと」
屋上から立ち去ろうとしていた少女は、最後にこちらを振り返った。
一端顔からすべての表情を消した後、力を込めていった。
「八神先輩のこと、冗談のつもりだったんですけど。興味が出ました。
何時か、本心にすり替わる日も来るかも知れませんね。」
不敵に笑った後、静かに笑ってこちらに一礼した。
上げた頭には、先程までの強さは見えなかった。
第一印象の様に、大人しそうなただの少女に戻っていた。
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