コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.297 )
日時: 2014/03/23 20:00
名前: 雪 (ID: 5oA1mSSW)

やがて飽きたのか布団から出るとエリスに引かれ、屋敷の中を引き摺り回された。

それから軽く食事をとるとテラスで他愛もない話をした。

似た境遇。

お互いがお互いの理解者。

「エリス、いつから涼風高校に転入する予定?」

「年明けすぐ。スキースクールにも同伴するぜ☆
アレクシスの馬鹿が外出許可出したくせについていけないってんで仕方なく♪」

それでも嬉しそうだった。

スキーをしたことが無いのだろう。

それどころか学校すら行ったことあるかは危ういところだった。

私は小学校の高学年から行ったり、行かなかったり。

だがスキーは私もやったことが無い。

「私もスキーは初めてだ。」

私がそう言うとそれに便乗したように嬉しそうに微笑みペラペラと話した。

「スキーって言うとやっぱり二枚板だよな…スケボって言うのをやってみたい!」

これをマシンガントークというのだろうか?

「スケボって…スキーより難しいし危険らしいから多分ないだろう…」

「え〜!でもせっかく日本にいるんだからスノボの1つくらいやっておきたいものだぜ☆」

ふざけた口調。

舌でも出せばお似合いであろう。

アニエスに戻ればもうスキーも学校生活もつかの間の自由も。

全てなくなってしまう。

何時か消える幻。

何時か消える自由。

それでもせめて今だけは。

自由に羽を伸ばさせてあげたい。

「そうだな…先生に頼んでみるか!!」

多分無理だ。

それでも。

出来る限り。

やってあげられることはやってあげたい。

Re: 秘密 ( No.298 )
日時: 2014/03/26 15:17
名前: 雪 (ID: W3aU.Uy/)

それで休日に先生に問い合わせをしたが勿論ダメだった。

「スケボは危険だから無理だって…というか行った先のスキー場、スケボは学生使用禁止だそうだ…」

「ちぇっ!」

「悪いな…力になれなくて。」

元々OKが出る確証はほぼ0。

けれどスノボくらいやらせてあげたかった。

「別に〜☆またいくらでもできる訳だし♪」

その言葉に少しの違和感を持った。

「いくら…でも…?」

「変な顔してる!言っただろ、私は足掻くって。
何時か自由になってスケボなんて飽きるくらいやってやる!!」

まずは一瞬呆気をとられた。

次に笑った。

笑わずにはいられない。

けれどその笑いは馬鹿にした笑いなどではなく…

ただただ溢れんばかりに…笑った。

流石と思った。

「…流石エリス。めげないね。」

「あったり前じゃん!諦めてたまるもんですか!!
例え1%…ううん、それ以下の可能性でも!!足掻き続けるって決めたんだ〜い!」

ふざけた調子。

大人っぽい容姿とは裏腹に子供っぽい口調。

世の中の全てを馬鹿にした様な口調。

それだけ今いる世界が下らなく思えるのだろう。

「こんな世界でもまだまだ楽しいことい〜っぱいある!!
スキーもスノボもまだまだやったことないことをやらずには終わらせらんないよ!!」

何を終わらせるか…

大方想像はつく。

そうだよな…

私は世界の何も知らない。

圭達の立つ世界を知らない。

知りたい。

そう思ったのは他でもない。

私だ。

「…そうだな!私も沢山やりたいことがあるぞ!!」

Re: 秘密 ( No.299 )
日時: 2014/07/31 17:38
名前: 雪 (ID: eOElfXbg)

「次に転入生の紹介で〜す…喜べ野郎ども、女子だ。」

始業式。

年が明けたにも拘らず睦月の気だるそうな声。

「初めまして、エリス=ベクレルです!この通り外国人ですが、日本語はバッチリなのできさくに接してくださいね!!
明日からのスキースクールも参加しますので色々よろしくお願いします!!」

にっこりと笑う。

これだけを見ると本当に可愛いただの女の子だ。

私も珍しく学校に参加したが髪の色が金髪になっていることでエリスと共にその日は注目の的となった。

「染めたの?」

「地毛だ。今までは薬で脱色していただけだ。」

「体が弱いの?」

「まぁ、そんなところだ。」

いくら金髪になったところで…

マリーには敵わない。

おしとやかで可愛いし、しれっと気遣い屋。

ものすごい美貌の持ち主。

金髪になっても元が元だから敵わない。

瞬く間にエリスは金髪の美人、茶髪の美人はマリーと定着した。

「明日の班は何処?」

「3班だ。メンバーはいつもと同じだな。
雪白凛、八神圭、灘万里花、三田村こよみ、エリス=ベクレル、あと…月宮沙織?」

「うちの班だけやけに見目が良いねぇ〜!」

エリスの言葉にふと班員を見渡す。

マリーとエリスはそうだとして確かにリンも圭も見目は良い。

エリスは金髪の長い髪に碧眼の瞳、人形のような容姿を持っていて時折子供っぽい。

マリーは栗色の長い髪に大きな瞳、THE・お嬢様でとても優しい。

リンも顔立ちは整っているし、リーダー質で性格は神経質でやや陰気。

圭は…顔立ちも整っていて誰隔てなく会話をすることが出来て、優しく思いやりがある。

「月宮…沙織…?」

「私です。」

あっ、と思わず声を挙げた。

確かに見かけたことがあるし、男子陣が噂していたような気もしなくない。

まっすぐで肩までかかる黒髪。

大人しそうで、儚げだ。

「…宜しくお願いします。」

「こちらこそ宜しく〜☆」

さてはてこれはまた何かが起こる予感がする。

明日から…スキースクールが始まる。

Re: 秘密 ( No.300 )
日時: 2016/05/13 03:44
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

〜・52章 スキースクール開始・〜
スキースクールとは…3泊4日で行われ、そのうち2日はスキーの講習を受ける。

私とエリスは初心者向けコースなのでマリー達とは別々だ。

圭は中級だが、マリーとリンはスキーを幼い頃からやっていたらしく上級だ。

学校に着くと点呼をとり、そのままバスに向かう。

今まで一緒に登校していたマリー達にエリスが加わったが、その明るい喋り口調のせいかすぐに馴染めたようだ。

「それよか、アリスって大層な名前だね〜!なっ、アリス!!」

「なんでアリスが大層な名前なんですか?エリスさん。」

「エリスで良いよぉ!マリー!!それはね…」

馴染むというよりか…ノリが良いだけか?

「古代の高地ドイツ語”Adalheidis”が起源とされていて、”adal-”は高貴な、という意味で、後半の”-heit”は性質・状態という意味。
そこからノルマンフランス語”Aliz”へ、中世英語”Aylse”へと変化していったっていう説があるの。 」

思わず口を挟む。

「小さい頃は、国では違う名前で呼ばれてたもんね〜!!
アレクシスもAlexisという男性名から来ており、この名前はギリシャ語で、help/helper、を意味する単語が語源になっているんだよ〜!
ちなみにアレクシスの愛称はアレキウス。どっちも使うね。」

父らしからぬ名付け方だ。

名付け親はきっとアレクシスの母。

「向こうで、アリスってなんて呼ばれてたの?三田村?」

ちっ、ちっ、ちっ、ともったいぶるエリスはあからさまに楽しんでいる。

「三田村はこっちで使うために用意された名前。深い意味は無いの。
向こうではね…アリサって呼ばれてたの。ヘブライ語の「楽しみ」、ドイツ語で「高貴な」の意味。
いまはもうアリスで統一しちゃって、ほとんど呼ばないけど。
子供の頃のあだ名みたいなもの。
ちなみに、こよみって名前はアリスのお母さんがつけました〜!」

私の記憶が正しくば、牢ではこよみと呼ばれた。

母がどういう意味でつけたかは分からないけど。

特別な名前なのだ。

「アリス、呼び名はアリサ。」

そう言われてやっと合点がいった。

何でアリスと呼ばれているのか。

他の3人と違って名前に基づいていないのは私だけ。

少し不思議に思っていた。

「幼い頃、私はお前たちにアリスと名乗ったのか!」

ポンっと手を叩く。

ポスッと軽い音がした。

「やっと分かった!」

やっと気にかかっていた謎を解けた。

やがてバスが出発する音がした。

それからはもう私の話ではなく、本当にたわいのない話を楽しんだ。

Re: 秘密 ( No.301 )
日時: 2016/05/13 03:48
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「こよみ…」

なんとなく、母がつけた名前をつぶやく。

アリスもアリサも、父がつけた名前だった。

だから、あまり特別に思えなかった。

「アリス!入浴時間ですよ!!」

でも、彼らにアリスと呼ばれるのは結構気にいっている。

どの道、国では名前は呼ばれない。

バスは目的の宿に着き、預けていた荷物を受け取ると各々の部屋に散りばめられる。

宿の中はジャージでなければいけないと言うのでジャージに着替えるが、この後の入浴で再びジャージを着ることとなる。

「私は体調悪いからシャワーにするよ。」

エリスも事情を知っているからか私に賛成した。

「あっ、私も、私も!!」

エリスがさりげなくウインクした。

その目は任せろ、と記してあった。

「…そう…ですか…」

あからさまにしょんぼりしている。

思うにその癖は治した方が良いと思うのだが…

「ほら、国独特の文化って奴?人と一緒にお風呂に入るのは…ちょっとねぇ…」

それで納得したのかはっ!と顔に書かれていた。

「分かりました。トランプとか置いておくので勝手に使っていいですよ。」

置いておくって…

「トランプ!?知識はあるけどポーカーしかやったことねーな!やろーぜ、アリス!!庶民ゲームって奴!!」

なんだよ庶民ゲームって…

「アリスって軽々しく呼ぶな!!」

エリスの腕が首を絞めつける。

「じゃっ、アリサ——!!」

「やーめーろー!!」

ガラリッと障子が空く。

「…何で2人きり?」

怪訝そうな顔をして顔をのぞきこませたのは隣の部屋のリンと圭だ。

「助けて!リン、圭!!」

えっ…なに…?と小さく呟き、状況を理解すると

「じゃっ…失礼します…」

と、無情にも私を切り捨てた。

そして何の拷問か夕食までの数時間、エリスの庶民トランプゲームをやらされることとなった。

エリスに人数が多い方が楽しいと事実を告げ、首根っこを掴まれた圭とリンが舞い戻ってきたのはせめてもの救いだった。

それから何時もの3人とエリスでトランプをした。

「そういえば月宮さんは?」

宿に着いてからもずっと言葉をあまり交わさずにいた。

「入浴の時はいましたよ?」

出てきた後ふらりとどこかに行ったらしい。

「他の部屋かもしれないな。」

仲のいい友達がいるなら部屋にいなくて当然だ。

私もそこまで積極的な方ではない。

むしろかなり人見知りの部類だ。

あまり性格や何やらにそぐわないと思われがちだが、勝負事はいざ知らず、生活面では全くだ。

それは確かに経験的には嫌みとかにも慣れている。

けれど慣れているだけであってやはり何時味わっても嫌なものでしかない。

慣れてはいる。

でも勝負事でもないのに体を張ることが出来るほど、勇敢でもない。

結局は憶病なのだ。

同い年くらいの子と顔を合わせる機会はあった。

けれど馴染んだことは1度もなかった。

何時もいじめの対象。

くだらないと一蹴出来たが、いざ仲良くなろうとすると緊張してしまう。

同級生は敵。

そう言った認識だったからか無意識のうちに警戒してしまう。

エリスなら社交辞令としてだが扱うのは得意だと思った。

けれど入浴中にトランプをしながら聞いてみると同い年のことは話すのは難しい、と言った。

あのふざけた喋り方もエリスなりの親しもうとしようとしていただけなのだ、と恥ずかしそうに言った。

くだらない世界と思わないことは無い。

けれど素晴らしい世界でもあると思う、と朗らかに彼女は話した。

私もそれには同意だ。

くだらなくもあるが…素晴らしい世界。

幸せだけでも不幸だけでもない。

そんな不思議な世界。

裏もあるけど面もある。

不思議な世界。

「夕飯のじかんですよ、行きましょう!」


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