コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.286 )
日時: 2016/04/09 00:50
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

アリスが自分のことを話した。

今まで話さなかったのに理由はあるはずだ。

きっとそれを知ったら巻き込んでしまう…とかだろう。

もう巻き込まれる準備は出来ているというのに。

それは確かに違う世界で行動の1つ1つが命を落としかねなくなるほど危険だという事も分かっている。

だけど。

だからといってアリスは見殺しに出来ない。

普通の女の子として生まれてきたアリス。

けど血筋によって彼女はずっと監視下に置かれていた。

普通の女の子の様に過ごすことを許されずに生きてきた。

そんな扱いをされているのを知っておきながら目をつぶるなんてできない。

そう言った闇を拭い去らなければ、彼女が心から笑う事は無いだろう。

自分の眼にはただ1人の女の子が自由も、笑顔すらも奪われているようにしか見えない。

6年前、アリスにも言われたことがあった。

・・・お前は優しいし…良い奴だな!・・・

でも自分自身にすれば優しくなんてない。

いい奴なんかじゃない。

まったくもって違う。

もし本当に僕が優しくていい奴ならアリスをそんな目に会わせはしない。

現に自分は1人の女の子すら助けられていない。

不当の扱いを受けているのにリンの様に声を荒げることも出来ずにいた。

アリスはよく自分のことを話す様になった。

でも話すたびに彼女は少しだけ清々しい顔をするが、やはりどこか思いつめている。

話させることに少し胸が痛んだこともあった。

でも話さなければ何も分からない。

そう思ってきた。

けれど聞いたところで何もしてあげられていない。

まるで自分の興味本位で聞いているだけだ。

でも誰にもすがらない。

・・・ヒーローなんて頼るよりも自分がこうしたいって思う事やったら?・・・

6年前のアリスの言葉。

今思えば小学生らしからぬ言葉だ。

彼女は神やヒーローなんて非現実的なものにすがらない。

まだヒーローなんてものに憧れていた様な年頃だった自分にはその言葉の意味は分かりかねた。

…アリスを助けたい…!

その気持ちだけは。

不思議とずっと変わらなかった。

♪-♪-

アリスの歌声。

最初にその歌声を聞いた時。

心を奪われたというのはまさにこう言う事なのだろうと実感した。

「オッケー!今日はこれで終了!!」

「どうした、圭?」

歌ったせいか少しだけ疲れた顔をしていたが彼女の顔に笑顔はあった。

でも心からじゃない。

彼女は再会したばかりの頃は表情をほとんど持たなかった。

それがぎこちなく笑うようになり…次第に心を開いていった。

けれど違う。

まだ彼女の笑顔には霧の様なものがかかっている。

何をするにも他の3人のことを考えている。

一緒にいない方が良いとか、そう言ったことばかり考えているのだろう。

でもそうしなかったのは少しだけ褒められたものだった。

自分の気持ちを尊重する様になったのだから。

今まで自分の気持ちを捻じ曲げ、押し込んできたアリスが。

一緒にいたいという自分の気持ちによってまだぎこちないが。

それでも今も一緒にいる。

彼女の顔がそれを語っていた。

ずっと一緒にいたいと。

…それは僕もだよ、アリス…

この感情がアリスにとってマイナスにしかならない。

一緒にいるためなら。

一生アリスの友達で良い。

でもアリスの友達として。

一緒にいるためには。

やらなければならないことがある。

それは…

彼女を。

闇から救う事。

アリスの為にだけ…なんて嘘はつかない。

リンの為。

マリーの為。

そして自分の為。

ずっと一緒にいられる様に。

彼女の笑顔を曇らせない様に。

絶対に。

彼女を闇から助ける。

Re: 秘密 ( No.287 )
日時: 2014/11/15 18:51
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

〜・49章 新年・〜
大晦日まで毎日の様にItemMemberの仕事に埋もれる様に仕事を片付けた。

睡眠時間もあり得なく減ったし、テレビ出演もあり得なく増えた。

今までの分と言わんばかりにぎゅうぎゅうと詰めている。

大晦日になってようやく仕事から解放された。

「年明けは2日からな!」

それってほぼ休みなしじゃ…

「9日からスキースクールでしたわね…楽しみですわ!」

スキースクール…?

「ああ…そう言えばそんなのあったね…」

8日が始業式で9日から2泊3日でスキーを習いに行く。

3学期からは真面目に授業でないと出席日数的にかなり危うい。

というか出てもかなり危うい…

条件は授業の2/3以上出席することと定期テストで赤点を3つ以上取らないこと。

テストの方なら良いとしても授業は崖っぷちだ。

主に夏休み後からは目も当てられないくらい学校を休んでいる。

夏休みの後から急にめまぐるしくなった…

いや…マリー達に再会してからか…

止まっていた時間が、動き出した様なそんな感覚が私を襲った。

Re: 秘密 ( No.288 )
日時: 2014/03/21 10:34
名前: 雪 (ID: jl644VQ0)

「年越しって何するの?」

という質問を吹っ掛けたところ

「俺は普通。あえて言うなら年越しカップ麺食べるくらい。」

「僕はちょっと奮発して焼き肉。」

「私は…何時もとそこまで…変わらないけどあえて言うなら蟹を食べますね。普段はそれでもあまり食べないのですが。」

という答えが得られたため、全てを食べることになったのだ。

各々がそれぞれ食材を調達…といっては金額的に差がありすぎるという意見が上がった。

圭&リン&アリスー→カップ麺

マリー&アレクシス→蟹&肉

という風にくじ引きで決めたのは良いのだが…

まさかのItemMemberの仕事が思った以上にあり、大晦日にやっと仕事から解放された。

と思ったところ、まさかの人込みで全然買い物ができる状態ではなかった。

結局マリーの家の使用人が材料をわざわざ屋敷まで持って来てくれた。

アレクシスも立つ瀬がないと思ったのか、金額は全額負担してくれた。

ItemMemberは次は2日からときたし、休む暇もない。

圭がここにいる間に書きためた曲を歌っては歌うという歌続きな日々が続いていた。

それでも苦しいとは思わなかった。

歌っていれば楽しかった。

生きている、と実感した。

あの牢の中とは違う。

じゅうっと肉の焼ける音。

誰かの話し声。

飛び交う冗談。

戻ってきた。

温かい。

この場所に。

Re: 秘密 ( No.289 )
日時: 2014/03/21 20:17
名前: 雪 (ID: CpeA18.A)

「私達はこれ、でないのね。」

大晦日の歌番組。

今年、大人気の歌手たちが出ている。

「紅白ってそうそう出れるもんじゃないんじゃ…」

「でも確かに歌的には圭の方が断然うまいですわ。」

まぁ…活動回数としては少なかったしな…

けれどそれでも絶大な支持は衰えることを知らない。

「来年は…出れるといいな。」

それから他愛もない話をして、食べて飲んで、お互いのことを語りあった。

学校のこと。

ItemMemberのこと。

アレクシスの自慢話。

文系か理系か。

ジャンルを問わずいろんな話をした。

紅白が終わる少し前、屋敷を出て初詣に向かった。

足元を見ると母から貰ったというバレエシューズを着用していた。

最近はいつもこれを履いている。

やがて時計は0時を指す。

除夜の鐘が聞こえた。

空には綺麗な星たちが見えていた。

「オリオン座…」

星座などはあまり詳しくない。

けれどなぜか冬の星座に関しては覚えている。

他の季節に比べて空気が冷え切って星がきれいに映るからだろうか。

何故か冬の星座だけは辛うじて知識がある。

人混みをかき分けてようやく本殿につく。

参拝の小銭の5円玉を投げ込むとチャリンッといい音がした。

2礼2拍手1礼…だったかな?

今年の抱負…

来年…私は果たしてここにいるのかな。

まっ、未来のことは分からない。

精々ここにいれる様に努力するのみだ。

蟹と言ったものを初めて食べた。

こんな豪勢なご飯、皆に会うまで食べたことなかった。

クリスマスも年越しも初めて人と過ごした。

来年もこの先ずっと過ごしたい。

私に悲劇のヒロインなんて似合わない。

私は強くなりたい。

弱くて誰かに守ってもらわなくては自分の身も守れない様な。

そんな自分とはサヨナラ出来ますように。

…だが私は神を信じていない。

Re: 秘密 ( No.290 )
日時: 2016/05/12 22:47
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「私、神社の本殿の方に新年の挨拶をしてきますが、皆様方どうします?」

「暇だし…ついてく。」

人も多くてくじも出来ないし、絵馬も出来ない。

することもないので仕方なしに神社に向かう。

「思ったけどここってあの公園と結構離れたところにあるよね。」

あの秘密基地の公園の名前…涼風公園。

そして今いるここは涼風神社。

屋敷から歩いて10分ほど。

けれど基地からなら15分はかかる。

「涼風という場所が広いのか…それとも…」

少し首をひねって考える。

この辺の地理、天気。

昔は落雷が多かったらしい。

けれど山を切り崩してからはほとんど無くなったらしいが…

学校は涼風という名前。

それに合わせて場所も涼風というところ。

けれどここは地図上かろうじて涼風だ。

しかし涼風は数年前に拡大されている。

「あそこは度々台風などに見舞われ、社が破壊されていた。
それを見兼ねた人々は再建しようと思い立った。しかし近くには家や学校が既に立っていた。
故にこんなに離れたところに出来た、ってところかな?」

「そうなの?」

ただの憶測だが。

「根拠は特に無い。」

こう言った理屈を考えるのは趣味だ。

そう言った癖などから答えを導き出した。

「どうやら…その通りの様だが…」

リンが涼風神社の歴史を記した看板を見てそうつぶやく。

「マリーの持って来てくれた本のお陰だよ。それよりか、もう入るからシャキッとしろよ。」

大方当たる。

私の知識と参照すれば大抵のことは当たる。

「夜分、失礼いたします。」

戸を開けると中には沢山の人達が右往左往していた。

「灘万里花と申します。今夜は灘家の看板を背負って新年のご挨拶に参りました。」

ああ…灘さんのところの…と納得すると私達を中に招いた。

広間につくとマリーは深々と頭を下げた。

「今年も何とぞよろしくお願いします。これ、つまらないものですが。」

「毎年お疲れです。こちらこそ…何卒よろしくお願いします。」

「では、あまり長いしてはご迷惑になるでしょう。そろそろお引き取りいたします。これからも涼風神社様の繁盛を祈っております。」

「あっ…そうです!皆さまもうくじは引かれましたか?」

それから色々くどくどと言ったが結局はくじと絵馬を無料でやっていかないかと言ったことだ。

引くだけ引いて書くだけ書いた。

「大事なものを失わない様に。」

それが私のお願い。

くじを見ると凶と大きく描かれていた。

「新年早々めでたくないな…」

と、アレクシスに大きく溜め息を吐かれた。

はぁ…と小さく溜め息をつく。

ふとその瞬間に背筋に震えが走った。

振り返ると懐かしくも危ない残り香がした様な気がした。

「…気のせいか…?」

けれどその寒気は収まらなかった。

そんなアリスの姿を意地悪く笑いながら見つめている女がいた。

彼女の名前はエリス=ベクレル。

ふっ、と微笑むとその金色に輝く髪を残して人ごみに紛れて…消えた—————————


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