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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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1章
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2章
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3章
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4章
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>>644->>647

137章
>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.507 )
日時: 2015/04/11 17:52
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)


何時もの日常。

日常。

自分の世界を見回して。

考えた。

圭がいて。

リンがいて。

マリーがいて。

エリスがいて。

アレクシスもいて。

連もいて。

遥もいて。

アリスもいる。

帰り道、圭がふざけた冗談を飛ばす。

それに対してマリーが便乗し、リンがなだめる。

誰かがこちらの意見を仰いでくる。

私はそれに、控え目な笑みで答える。

益々会話に火が付く。

エリスがいれば、火種にもっと油をかける。

楽しかった。

心地よかった。

どうでもいいことでも言い合ったり、笑いあったり。

そう言ったものには縁がなかった。

くだらない話も、寄り道も。

ほど遠かった。

普通の暮らしとは一線を引いて生きていた。

今いる様な居場所は、どこか別の世界のことの様に思っていた。

幽も、私と本当に同じならば。

同じ景色を見させてあげたい。

もっと広く、自由な世界を与えてあげたい。

アリスは1人で十分だ。

Re: 秘密 ( No.508 )
日時: 2015/04/11 18:49
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

〜・102章 優しさ以外・〜
何時もなら、マリー達と4人で帰る。

生徒会がある時は、圭と2人きりで帰る。

4人で帰る時、途中の道でマリーとリンとで別れる。

そうすると圭と2人きりとなる。

最近は蓮のこともあってか、3人とは距離を取っていた。

こうして帰るのも久しぶりだ。

もっとも、今日は特別に何時もと違うメンバーがいた。

偶然、同じ時間帯にバッタリと会ったので成り行きにより幽だ。

「幽ちゃんは、もう学校生活慣れた?」

「アリスって呼んでください。」

もう昼間の様子はすっかりと成りを潜めている。

恥ずかしそうに反論をしている。

無口で大人しい、文学少女の様な雰囲気を醸し出している。

活気、と言ったものが感じられない。

「でも、アリスだとややこしいから。」

「三田村先輩って、どうしてアリスなんですか?」

平然とした顔でそれを問うてきた。

答えなんて知っているくせに。

でも、不思議と演技っぽいなどと思えない。

そう思わされてる時点で、彼女の手の内だと分かっていても。

「子どもの頃からのあだ名でね。不思議の国のアリスが大好きだったの。」

適当にでっちあげた理由だ。

けれど、割とまともなことを言えた気がする。

「そうなんですか。」

「幽はもう学校には馴染めた?」

遠慮なく呼び捨てにさせてもらう。

アリス、と言った呼び方は昔はあまり好きではなかった。

けれど、彼らになら嬉しい。

「人付き合いとは、難しいものだと痛感しています。
でも、親しくしてる人ならいますよ?そこは大丈夫です。」

あっさりとするほど、引き下がった。

「三田村、なんて仰々しく呼ばなくていいから。
実際、私年の差って気にしてないから。堅苦しいのは苦手だし。」

驚くほど会話に溶け込んでいる。

それが恐ろしいところだが…

それに対して普通に返事が出るのも凄い。

これも彼女の演技力がなせる技か。

まるで、本当にただの後輩の様だ。

こう言った帰り道も悪くない。

そんなこと思ってしまう自分は、とことん平和ボケしていると思う。

Re: 秘密 ( No.509 )
日時: 2015/04/11 19:07
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「いい子でしょ?」

「…そうだな」

どこか浮かない顔をしている。

初めて会った時も、変な顔をしていた。

アリスに依存している箇所があるのも分かっている。

傍にいて心地いいと思うし、一緒にいて楽しいと思う。

彼女の言葉がずっと頭の中で繰り返されている。

この気持ちが、本当に恋なのか?

恩人と言った気持ちと勘違いしてはいないか?

そう言われて、確かにと思ったのも事実だ。

惚れさせる、なんて口では言っているが実際のところ分からない。

「どこか、アリスに似てるね」

目の前を歩く少女は、2人の先輩に囲まれて幸せそうに笑っている。

リンとマリーも楽しそうに先輩風を吹かしている。

「…そうか」

彼女の表情は分かりやすい、とよく言ったっけ。

興味がないものには見向きもせず。

買い食いをすれば嬉しそうに顔がほころぶ。

顔を真っ赤にしながら、てれてないと怒るし。

悔しい時は露骨にそれが顔に出た。

けれど、彼女の表情は使い方を知らなかっただけ。

きっと、使い方が分かってしまえば。

何時かは分からなくなってしまうほど、上手く使ってしまうんだろう。

そんな予感がする。

そうなったら、アリスはこちらを見てくれるだろうか?

恩人。

恋。

アリスを追っかけてきたから、今ここにいられる。

それを恩人といえば恩人なのかもしれない。

好きって言う気持ちは難しい。

彼女はなんでも顔に出る。

何時か彼女の気持ちも表情も分からなくなる。

彼女の気持ちが分からなくなる。

そうなったら、彼女がどこか遠くに行ってしまいそうで。

彼女がいれば、安心出来た。

彼女の笑顔を見れば、それだけで満たされた。

彼女の役に立てるなら。

彼女を救えるのなら。

救った先に一緒に笑い合う未来があるなら。

その為には、いかに傷付いても関係ない。

どれだけ傷付いても、進んでいける。

Re: 秘密 ( No.510 )
日時: 2015/04/14 19:10
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

圭はまだ私が好きか?

そう問えば、まず間違いなく好きだと彼は返す。

けれど、それが本当だとは思えない。

いや、少し違う。

彼の気持ちは恋かどうか私には分からない。

でも、彼は息を吸う様に人を助ける。

それが当たり前とでも言わんばかりに。

その強さに、私は惹かれた。

目を閉じれば顔が思い浮かび、出掛ける前には服を漁る。

別れの言葉を口にしても、次に会う時のことを想ってしまう。

けれど、私は彼のことを何も知らない。

彼の過去を知ったのも成り行きだ。

あの一連の出来事がなければ、彼はいつ私に話していたのだろう?

彼は誰にでも平等に優しくする。

それは彼の強さだ。

そこに不平不満はない。

問題は、彼が私を選んだ理由だ。

もしかして、私が弱いからか?

支えを必要としている少女に、自然と支えようとする少年。

確かにお似合いかもしれない。

でも、そうすることで得られるものはない。

そう言うのを無しに、彼は私を見ているか?

「圭の優しさが、私は好きだ。」

けれど、私は彼の優しさしか見ていない。

人間らしい怒りも、悲しみも。

見てはいない。

病院で自らの母の死を目の当たりにしても、彼は直ぐに泣きやんだ。

むしろ、私のことばかり気遣っていた。

気にかけていたのは私ばかりだった。

「…でも、私は圭の優しさ以外も見ていたい。」

優しさ以外に目をつぶりたくない。

どんな圭も見て、受け入れていきたい。

それが、きっと相手を想うってことだから。

「私達のしていることって、本当に恋愛なのかな?」

彼は私を好きって言うよりか、私自身にこだわっているみたい。

私のことを慮ること自体に。

意味があるみたい。

私と言った人間を、結局は見ていない。

「それが分からないから、だから私は…」

だから、圭と決別することを選んだ。

このまま恋愛ごっこを続ければ。

何時かは本心が分からなくなる。

互いの時間を消耗していくだけ。

どの道何時かはぶつかる問題だ。

私だって圭を、幸せにしたい。

痛いのも、苦しいのも。

知りたい。

Re: 秘密 ( No.511 )
日時: 2015/04/14 19:28
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

彼らは弱い。

私も弱い。

でも、互いに支え合って強くあろうとしている。

圭は私を変えたの。

私は皆のいろんな顔を見たい。

帰り道、彼らはいつだって笑顔だ。

私のことを心配してくれるのも嬉しい。

でも、彼らを笑顔で縛りつけたくない。

私が望むのは、圭達が幸せでいること。

・・・待ってて。何時か僕がアリスを闇から救うから。
待ってて。いつかアリスを助けるから。だからそれまで…待ってて・・・

そんな、昔の言葉が甦った。

違うよ、圭。

私は救いなんて求めていない。

例え、父がいなくなっても。

私はあの国から離れる訳にはいかない。

今、闇に沈んでいるのは。

————圭の方だ。

優しさ以外を決して見せない。

互いを信じる。

それは今の私にもできない高尚なこと。

圭と離れて、気付いた。

彼が私の傍にいるのは、昔の約束を守るためなのではないか?

振り返っても、誰もいない。

違和感の正体は、圭だった。

圭の強さに魅せられ、惹かれ、依存した。

そして、私も何時しか強くなった。

今はまだ無理だけど、何時かは圭を追い越すくらいに。

強くなってしまうのだろうか。

圭は私を気遣って、ろくに涙を流さなくなった。

自らの母の死に対しても、私の為に。

私の為に、色んなものを失った。

涙を流さず、自ら危険に飛び込む。

彼は私と違って人間なのに。

ちゃんとした、人間なのに。

私の為、といって全てを投げ打とうとしている。

そうして私を不安にさせない様に、笑って過ごしている。

笑うことを強いられている。

私との約束を守ろうとして、闇に引きずり込まれている。

何時かは、人間ではなくなってしまうんじゃないかって。

思うくらいに。

そんなこと、絶対にさせない。

時々、自分のしたいことが分からなくなる。

大きな力に引きずりこまれ、呑みこまれそうになる。

だがな、お前はそっちには行かせない。

私に出来ることはない。

私が触れれば触れるほど、また気丈に振る舞おうとする。

振る舞って、気付かぬ間に人間味を捨てていく。

不安にさせまいと。

涙を流さなくなって、その次は何を捨てる?

彼の悪い癖。

笑顔以外、見せない所。

人の為に、なんでも捨てられる所。

なんでも捨てて、それでも救った後の関係を心地いいと思ってしまう所。

その関係を保つためなら、どんな無茶でも仕出かす所。

必死になって誰かを救おうとする。

まるで、そうすることで誰かに許しを乞う様な。

そうしなければ、息をしていられない様な。

そんな危うさがある。

私は一旦手を引く。

当事者である私には手が出せない。

出せばまた、傷を隠すから。

だから、残りはもう1人のアリスに託すとしよう。

彼女なら、私とは違う切り口で圭を救えるはずだから。


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