コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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136章
>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.322 )
- 日時: 2014/04/12 12:45
- 名前: 雪 (ID: 5b2hjtdK)
「だからあの子には母親の記憶も…あなた達の記憶すらも…とても危ういんだ。
限定して抹消できるって言ってもまだ実用にまでは少し届かないんだ☆」
でもほとんどは完成に近い、という意味になる。
「だから私も親のこと、良く覚えてないんだ〜☆」
もしかするとアリスの親戚かもね〜☆、とふざけながらエリスは言った。
「笑い事じゃないですよっ!」
「じゃっ、どうすればいいの?」
…言葉が出なかった。
覚えてない。
それは不可抗力だ。
エリス自身にはどうすることも出来ない。
笑い飛ばすしか…
「…ごめんなさい…」
「なんでマリーが謝ってんの?」
て〜いといいながら頭のど真ん中にチョップが降りかかってきた。
「アリスにも言ったが別に諦めた訳じゃない。まだスキーだって1回しかしてないし☆
親って言っても所詮は赤の他人だし、親がいなくてもちゃんと育つもんは育つんだよ☆それはアリスと私が証明してる。」
アリスもエリスも親のもとで愛を受けて育っていない。
それでもこのように今目の前に立っている。
…でも少し無理して明るく振る舞っているようにも見える。
けれど結局は私の力ではどうしようもない。
もう昔のことを追及してもどうしようもない。
昔より今を幸せに過ごす方が大事だ。
今日はエリスとアリスだけを集めてアリス達のことを聞きたかった。
アリスには結局聞けなかった。
楽しそうに振る舞っていたのもそうなのだがアリスの言葉を聞くのが怖かった。
彼女は淡々と恐ろしいことを言う。
それは彼女が体験してきた経験である。
笑っている顔を曇らせてまで聞きたくなかった。
エリスはアリスよりも外の事情に詳しく、どんなに聞いても笑顔は崩れないと知っていた。
エリスだけを呼びだせばアリスは不思議がる。
だから女子会と称して2人を呼んだ。
話したがらない訳だ。
話すと私達の笑顔が曇るのが分かっているから。
だから彼女達は何時でも笑っているんだ。
「お待たせ!…どしたの?マリー?」
アリスはいつでも笑っているんだ。
「なんでもありませんっ!帰りにプリクラでも取りに行きます?」
だから私も笑っておきたい。
せっかくアリス達が私達の為に笑ってくれているのだから。
だから私も笑う。
- Re: 秘密 ( No.323 )
- 日時: 2014/08/01 13:24
- 名前: 雪 (ID: IIKIwyJA)
〜・57章 スキースクール休暇その2・〜
「じゃっ、私ちょっと用事があるから!ここら辺でお暇するね〜!!」
プリクラを撮り終わり、取り出し口から出来あがったプリクラをを受け取る。
初めて撮ったものだが中々きれいに映っていると思う。
「用事?」
くいつくと思った。
「ちょっとね。私って表向きというかそういう仕事だからさ。
今度テオドール・ロスコー氏のパーティーに出ることになってるんだ。
だからアレキウスちゃんとその打ち合わせがあるんだよ。来る?」
少し前から言い訳を考えていた。
我ながらうまくできたと思う。
「誰が好き好んでアレクシスに会いに行かなきゃいけないんだ。」
「そう言うと思った。っじゃ、そゆことで〜!!」
「夜飯は適当に作っとくね〜!!」
アリスはマリー立ち会いの上でよく夕飯を作るようになった。
八神圭とはそこまで特別な人間なのだろうか。
何処にでもいそうな男子高校生だと思うのだが…
まぁ、アリスにはアリスなりのこだわりとか好みとかあるのだろう。
あまり深くは言及しない。
けれど昔とは大違いだ。
私の対になるという事で案内された屋敷の塔の中で会った時。
彼女は目が覚めるほどの美人だった。
けれど氷の様な眼をしていた。
塔の中で沢山の書物に埋もれるように読んでいて、私には目もくれなかった。
人形と何も変わらない。
感情を何1つ持っていなかった。
昔のことを思い出していると気付けば目的地についていた。
そこで待っていたのはリンと呼ばれる少年だった。
「この面子で話をするのは初めてだな、リン。」
リンの向かい側の席に着く。
ここはいわゆる喫茶店だ。
「バニラ・ラテ1つと野菜たっぷりサンドイッチ1皿。お代はこいつ持ちで。」
ウエイトレスが引っ込むと本題に入った。
「っで、何の用って聞くまでもないよな…アリスのことでしょう。」
少し羨ましい。
彼女は私よりたくさんのものを持っている。
私の方がずっと外の世界に触れていたのに。
私の求めていたそれがずっと塔の中にいたアリスには合って私には無い。
マリーの時と同じ様に記憶の話を1通りする。
リンは頭は良いらしくすぐに呑みこんだ。
勿論驚いてはいたが。
「でもこんなにアリスの話をするとさ…思い出しちゃうもんだよな。」
リンの表情が少し変わった。
珈琲を1口飲むとリンは問いかけてきた。
「そういえば、お前たちの出会いって何だったんだ?」
- Re: 秘密 ( No.324 )
- 日時: 2014/04/12 17:58
- 名前: 雪 (ID: ChJEPbqh)
「それ、マリーにも同じこと言われた。ここに来る途中、電話がかかってきてね。」
思い出してみると色々思い出してしまう。
なんだかそれって面白い。
「そうだね…思えばあの時かな。初めて会ったのはもう10年くらい前になるかな…」
アリスは今こそは人見知りではあるがそれは会話をかわそうと試みるからそうなったのである。
あの時は人そのものに興味が無い様にただただ本を読んでいた。
「こいつが、アリス=ベクレルだ。お前の対となる…いわばパートナーだ。」
そう言う大人すらもそんな小さな子どもに怯えているようでなんだか不思議な気分だった。
何時もは偉そうに怒鳴っているのにこんな子供が怖いのかって思った。
私も最初見た時は驚いた。
まるで人形みたいだって。
整った顔立ち、美しくて長い金髪。
着ている服だってお姫様みたいだった。
今でも覚えている。
黒のカチューシャに黒のワンピース。
足元には黒いバレエシューズ。
黒ずくめだった。
けれど鮮やかな金髪とその黒はアリスにとても似合っていた。
高貴な感じがしていて、恐れすらも抱かせる。
声をかけるのも少し躊躇してしまった。
「わ、私エリス!!あなたのパートナーよ!!あなたは!?」
バカみたいな大きな声で聞いたの。
彼女は眼を丸くしていた。
けれど表情はほとんど無のまま変わっていなかった。
「…私はアリス。」
それが私とアリスのファーストコンタクトだった。
- Re: 秘密 ( No.325 )
- 日時: 2014/04/14 20:02
- 名前: 雪 (ID: sZ1hvljX)
驚いた。
人形の様なその容姿から実際に声が出たことに。
本当に生きているのだと、実感した。
けれどそれきり彼女は何も話さなかった。
私はその日から毎日塔に向かった。
大人たちは何度も私を止めたが、初めて会ったあの時以来私はアリスのことが少し気にかかっていた。
不思議だった。
今まであった誰よりもきれいなのに人形の様に心が無い。
それは幼少期の私の興味を掻きたてるには十分過ぎた。
年もさほど変わらない女の子ではあったがそんな子が私にはこの世のものではない、妖精とかだと思った。
毎日毎日通った。
けれど彼女は全く気にも留めなかった。
何を言ってもなにも答えない。
あの時自分の名前を名乗ったあのアリスが幻じゃないかって思うくらい。
彼女は知識を蓄えるために生まれたのかな、と幼い私は幼稚にもそんなことを考えた。
あながちそれは間違っていなかった。
彼女が何者で何のために生まれ、牢に監禁されているのか大人たちに聞いたことがあった。
誰も答えなかった。
知る必要などないと、笑っていた。
そこで屋敷に使える気の弱そうな1人の老婆を捕まえて問いただしてみた。
老婆はあの子はこの国を守るために汚れ役を一身に背負っているんだよ、と言った。
この国を守るために生まれて、この国を守るために本を読み、この国を守るために彼女は牢屋にいるのだと。
なんだかそれって生け贄みたいだなと思った。
アニエスを守るために1人の少女を犠牲にしているように思えた。
国を守るために自由も意思すらも奪われた1人の女の子。
生まれた時からそうすることを強いられていた。
今でもアニエスの民と自分の命を天秤に掛けさせられる。
けれど違うのは…アリスは国の為ではなく国の暴君の為に生きている。
ただその暴君は他国からアニエスを守る。
その為に絶大な支持を得ていて、政治的な立場を揺るがすことも難しい。
私も同じ立場にいるから分かった。
彼女ほど不憫な思いをしたこと訳じゃない。
けれど国の為に決められたルートを歩む者として…分からなくもなかった。
そう思った時に私は彼女の言葉が聞きたくなった。
彼女はその人生をどう思っているのか。
- Re: 秘密 ( No.326 )
- 日時: 2014/04/15 18:30
- 名前: 雪 (ID: /8RPd6Ii)
アリスはいつもと同じ無表情だった。
それで勇気を出して声をかけたんだ。
「あのさ、アリス…聞きたいことがあるんだけど…」
私がアリスに向かって声をかけるのはここを訪れたその日以来であった。
彼女は相変わらず本から顔を挙げなかった。
「アリスに言ったかな。私はあなたとパートナー!私は表向きに活躍してあなた裏で真実をはじき出す。
パートナーとして、あなたに聞きたいことがあるの。」
何時もならズバッとものが言えるのに…今は無駄に遠まわりしている。
「あなたは…自分の生き方についてどう思ってる?」
言いきってからは少し落ち着いた。
「他の子と違ってずっとこんな塔にいるし、本ばかり読んでいて存在すらも世間に隠されている。
アニエスの為の道具として汚れ役を背負わされたそんな人生をあなたはどう思っているの?」
彼女はいつも通り興味を示さず、黙り込んだままだった。
でもそれだけは確かめておきたかった。
私と同じ、パートナーであるアリスが自分の人生をどう思っているか。
日が沈んでも私は粘り続けた。
それを気味悪く思ったのかようやく彼女は口を聞いた。
「…興味が無い。」
決定的だった。
彼女は自分の人生に何の疑問も抱かず、死を当然のことと受け入れていた。
頭が良い彼女のことだ。
自分がどうしてここにいるのかなど察しはついているのだろう。
けれど彼女はそうか、と納得して毎日牢から1歩も出ずに本を読んでいるのだ。
なんだかそれが私に重なったのだろう。
「そうか…お前は確かに優秀かもしれないが人間として大事な何かを失っている。」
キッと睨みつけても彼女は全く顔色を変えなかった。
それっきり私は彼女のことが嫌いになった。
彼女が牢から出て来れた時も彼女は何も変わっていなかった。
表情もなく、自分の運命に抗いもせず淡々と受け入れていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「まぁ、だから彼女に技を教えると称して技をかけまくったり…馬鹿なことをしたものだよ。」
ふぅ、と小さく息を吐く。
「っで、マリー達はいつまで聞いているのかい?」
すぐ後ろの席に座っている女性客の肩が震えた。
圭もマリーから事情を聞いたんだな。
「だからこっちに来てとても驚いた。守るべきものを見つけ、表情もまるで別人の様に変わっていた。
なにより彼女は生きようとあがいていた。だから私は驚いた。」
どうやらそれにはお前ら3人が関係あると思ったのだが…スキースクールの様子を見るとその通りの様だ。
あのアリスが笑うところすら想像できなかったのに彼女の想いを引きだした。
彼女があんなに子どもの様に泣く姿を10年前の私には想像できなかった。
けれど引き出しただけ終わらないように祈るだけだ。
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