コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.347 )
- 日時: 2014/05/11 21:21
- 名前: 雪 (ID: x0V3O7oL)
〜・63章 ホワイト・バレンタイン・〜
リンとマリーは上手く行っているかな…
いや、上手く行くと信じよう。
屋上に未だ1人佇んでいる。
雪足が段々早まっていく。
来年のバレンタインも…ここで…
ふぅ、と息を吐く。
白く曇って空へと消えた。
「よしっ、帰るか。」
白い息を吐きながら小さく呟いた。
結局、ケイにはチョコは渡せないまま…か。
でもその方が良いかもしれない。
別宅につくとさっさと着替えて何時も過ごす、図書館に向かう。
何冊か本を見繕っとくと何時も過ごすテラスに向かう。
この別宅の最上階にあり、全面ガラス張りで外の景色を見回せる。
大きなテレビや電話も設置されている。
ここはいつも私が本を読んでいるところ。
何時も4人が集まる場所。
床にはお菓子や本がちりばめられている。
♪〜♪〜
鼻歌を口ずさむ。
電話を見ると留守番電話のマーク。
着信履歴は…
見たくない名前だ。
表示された名前はアレキシス。
「再生しないの?」
「用件は分かっている。」
そう返答してからバッと後ろを振り向くとやはりケイが立っていた。
「ケイ…」
彼らには勝手に入れるように鍵は渡してある。
ケイ、リン、マリー、エリス、アレキシス。
その5人しか渡していない。
「お菓子、持ってきた。」
ケイが下げていた紙袋には私の好きなお菓子屋の名前が印刷されていた。
「この雪の中、買ってきたのか?」
「うん。」
見れば見るほど制服が濡れている。
かなり時間をかけてきたのだろう。
「有り難う。」
かなりの量のお菓子が入っているらしく受け取るとずっしりと重かった。
「今日の様に雪の降っているバレンタインのことをホワイト・バレンタインというらしいな。」
くだらないいつもの会話。
「そうらしいね。この時期に雪ってのは結構珍しいよね。」
ケイの返事を聞きながら袋の中を確認する。
牛乳瓶に入ったプリンやマカロン、シュークリームまでなんでもありだ。
会話を返そうとケイの方に目をやった。
気付かぬ間にケイが留守番電話を再生させるリモコンを手の中で弄んでいた。
「ちょっ!」
止めようと声をかけようとしたがケイは手を止めなかった。
ピッとリモコンを押すと留守番電話が再生された。
「2月14日、16時09分のメッセージです。」
ピーという機会音から音に懐かしいアレクシスの声が響いてきた。
「今日、アニエスは他国と同盟を結んだ。それもお前の力を利用したものだ。これから世界の情勢は一気に変わる。
…一応、報告だ。」
そう言うとブチッと切れた。
「メッセージを削除する場合は1を…」
機械的な案内が終わった。
「どういうこと?」
ケイの問いに私は小さく笑った。
「ケイ…知ってたな。アレクシスから聞いたか…それとも留守電を聞いていたか…どちらでもいい。」
自嘲気味に笑った。
こっから先は踏み込ませてはいけない。
でも…もう私だけには抱えきれない。
「聞いて後悔するなよ。」
そう言い置く。
- Re: 秘密 ( No.348 )
- 日時: 2015/07/10 19:30
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「あのさー、その話始めたら一体いつ終わるんだ?」
後ろから突然聞こえた声。
けれどアリスの表情に焦りはない。
知っていた様なふるまいだ。
「トールか。」
「お別れなら早くしろって。」
金髪の少年。
だが少し少女的にも思えるその相手には何かアリスと似た雰囲気を感じた。
「…もう済んだ。行くぞ。」
アリスはためらいもせずに背を向けた。
渡した紙袋が地面に捨てられる。
「アリス!!」
グイッと腕を掴んだ。
けれど彼女はこちらの顔を見ない。
「行くな!!」
自分勝手わがままで欲望にまみれているのも承知で叫ぶ。
彼女は行くことを望んでいるかもしれない。
でも嫌だ。
また病院の床に伏して…またなにも出来なかったって後悔するのは…
「嫌なんだ!!」
ガッと頭に衝撃が走る。
意識が飛びそうになるのを辛うじて抑え込む。
「っ———!」
どうやら先ほどアリスにトールと呼ばれていた男に蹴られたらしいと気付くのに数秒かかった。
「…トール、1つ言っておくがケイに手を出すな。」
特に抑揚なく彼女は告げた。
あらかじめ知っていたかのように彼女の表情に変わりはない。
アリスはそっと近づくと抱きしめてきた。
小さな手で。
「…ごめん」
その手からなにかが滑り落ちるのが辛うじて見えた。
けれどそれに特に注意を払わなかった。
それが間違っていた。
落ちたのは小瓶だった。
パリンッと小さな音がすると中から煙の様なものが現れた。
それが何かしらの薬物だと気付いた時には既に遅かった。
意識が途絶えた。
最悪のホワイト・バレンタインだった。
- Re: 秘密 ( No.349 )
- 日時: 2014/05/12 19:51
- 名前: 雪 (ID: VxYVWOca)
目を覚ますと彼女は消えていた。
変わらず冷たい床に転がっていた。
起きて思わず身震いする。
まだ2月だ。
毛布も掛けずに床に寝ていたら寒いのは当然だ。
また…止められなかった。
アリスはいつも行く前には何も言わない。
けれどこんなに強引な方法は初めてだった。
薬を使うなんてアリスらしくない。
言葉でねじ伏せるような人だった。
あのトールとか言う青年も…どういう人なのだろう。
きっとアリスによく似ているのだろう。
立場も環境も。
けれど彼は随分好戦的だった。
何も言わず頭をけり飛ばす辺りが…
ガンッと大きな音がした。
床に拳を殴りつけた音だ。
ジンジンと拳が痛む。
けれどそれ以上に胸が痛んだ。
何時だってアリスが突然消えるのは父親の仕事の関係上だ。
他国と同盟を結んでいる。
その言葉に彼女の表情が凍りついた。
けれどその真意は…この回転の遅い頭じゃ理解できない。
今までは無事、と言わなくても帰って来れた。
でも今回はそうとは限らない。
何時だって帰ってくる保証はない。
そんな現場に居合わせていたのに…止められなかった。
もう1回ガンッという大きな音が響いた。
- Re: 秘密 ( No.350 )
- 日時: 2014/05/16 19:27
- 名前: 雪 (ID: rJoPNE9J)
いい加減慣れてきた車に再び腰を下ろす。
広過ぎて、シートも固くどうにも落ち着かない。
隣に腰かけているの、少し少女的な印象を受ける少年。
名前はトール。
1言で言えば父のもとに仕えている奴だ。
腰まで伸びた金髪に少女の様な華奢な体。
けれど戦闘能力も身体能力も並はずれている。
金色の髪と相まってきっちりした黒のジーンズに黒のストールを着用している。
趣味は戦い。
なんでも自己鍛錬だけでは限界があるらしく、戦う事によって経験や力を得るらしい。
といっても全てを流血沙汰で終わらせるほどひねくれてもいない。
お化け屋敷も苦手らしい。
だが力を得るためなら自ら争いを起こす。
父のもとに仕えている、といっても彼自身は別に忠誠心なんてものはない。
敵対勢力の多い父の下に着くことで力を得ようと考えているのだ。
実力的に言えば父のもとについてる中で1番だ。
強過ぎる力を持っていてロクに戦える相手がいないことを日々嘆いている。
戦闘が目的と言うが敵以外の殺生は好んでいないらしく、救える人は救える主義らしい。
そう言った旨の話をずっと隣で話していたが、反応が薄くて退屈したのか運転手に矛先を向けた。
「思ったんだけど、アリスちゃんって乙女だよね。」
なんだか本人を隣に随分失礼なことを聞いている。
「トール。」
「ん?」
すっとぼけたような表情をしている。
こんな奴がかなり武闘派だと言われても笑い飛ばせそうだ。
警戒心と言ったものが持てない。
けれど私にはなんだかそう言った空気が感じられるのだ。
「父は…何時まで私を振り回すんだろう…」
窓の外を眺める。
見たこともない町だ。
「しらねぇよ、んなこと。」
一蹴だった。
「って言うか話のチョイスそれだけ?退屈すぎるんだけど。
というか何でこのトール様直々にお迎えにいかなきゃならんのか!マジ意味分かんねー」
私に言われても…
この男に関しちゃ関わると色々危ない。
あの時ケイが気絶したのはある意味正しい。
あのまま起きているのはまずい。
「エリスは?」
「も〜先行ってる。」
年相応の少年の顔。
今は好きでこの世界に浸っている。
きっと抜ける気はないだろう。
父がいなくなってもきっと彼はどこかで戦いを続けるのだろう。
それもいい。
「お前は…何時まで父のもとにいる?」
「さぁーな。ただテオドールの傍にいると強い奴に出会えるし、救える奴は救える。」
力を手に入れる。
それと同時に救える人は救う。
「…お前は良い奴だな。」
「まったまた〜!」
トールはまたまたそれを笑い飛ばした。
案外本気で言ったんだがな。
この世界に染まりつつも人を助けるなんてそんな奴は決して多くない。
「ただ…あの3人のことだけど…あまりエリスの前で話、しない方が良いぞ。」
?
キキッと車が止まる音にかき消されてほとんど聞こえなかった。
「だってあいつ…」
何を言ったか聞き取れなかった。
ガチャッと扉が開いた。
「ついたぞ。」
結局それについては有耶無耶のまま私は車から降りた。
- Re: 秘密 ( No.351 )
- 日時: 2016/05/17 05:22
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・64章 トレーニング・〜
アリスがいなくなった。
これまでもたびたびあった。
でもその度に死ぬほど心配して死ぬほど探した。
見つかったためしはないけれど。
でも今回はいつもと違った。
祭の時とも違う。
文化祭の様に突然いなくなる訳じゃない。
ただ知っていた様に。
それでいて自分がどうなるかも知っていたそぶりだった。
気絶させる、なんて遠まわりな手を使うくらいだ。
何時もより事態が切迫しているように思えた。
けれど彼女はいつもの様に携帯の電源を切っていて、消息がつかめない。
エリスもアレクシスも屋敷には訪れなかった。
アリスとの接点はその程度か、と自分を恥じた。
地球の裏側に行ったって見つけられる、そんな言葉をアリスは本気で信じていた。
それを嬉しそうに笑った。
けれどその笑顔を自分で壊した様な気がして、酷く胸が痛んだ。
屋敷に向かっていつもと同じ様にアリスの座っていた椅子の上に座る。
古風で品のある椅子。
アンティーク、と言うのだろうか?
他の部屋に会ったのをアリスがわざわざこ別宅の最上階の全面ガラス張りのテラスに持って来たらしい。
ガタッという小さな音を聞いた気がした。
「アリス!?」
ガタガタっと何かが崩れるような音が響く。
位置的には…アリスの部屋!!
「アリス!!」
バンッと大きく扉を開いた。
誰かがそこで積み立てられていた本を倒していた。
でもそれはアリスじゃなかった。
「…アレクシス…さん…?」
そこに立っていたのはアリスの兄のアレクシスだった。
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