コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.362 )
- 日時: 2014/05/30 19:27
- 名前: 雪 (ID: aS9uLd49)
毎日の様に上履きを隠され、毎日の様に机の上に落書きされた。
時には宿題のプリントを破られたりもした。
けれど上履きが無いならスリッパを履けばいい。
落書きをされたのなら消せばいい。
プリントも睦月にあらかじめコピーをもらっているので問題ない。
大概は別宅や通学時間中に解く。
プリントが減っていくのを見ると少し清々しい。
3月6日。
合唱コンまであと1週間。
合唱コンのこともあって全くもって圭の方に頭がいかない。
「ん?」
「どうかしましたか?アリス。」
手紙が入っている。
どうやらテストの裏面らしい。
0と大きく書かれている。
「0点って初めて見ました…」
「…私もだ。」
全く呆れる。
氏名欄には朝霧連と書かれている。
見た目は悪くはない。
性格面などの矯正すれば容姿的には問題が無い。
成績だって昔は悪くなかったと記憶に残っている。
そのまま解答用紙を折りたたみ粉々になるまで破くと近くのゴミ箱に捨てた。
「読まないんですか?」
「読まなくても内容は分かっている。」
上履きを下駄箱に仕舞うとバタンッと音を立てて閉めた。
「ちょっとしたラブレター♪」
- Re: 秘密 ( No.363 )
- 日時: 2014/08/02 16:06
- 名前: 雪 (ID: gIPC2ITq)
〜・67章 呼び出し・〜
手紙を開くと放課後、という字と微かながら理と言う字が見えた。
放課後、理科室で決闘的な意味合いの言葉だろう。
面倒だが仕方がない。
「来たぞ。」
朝霧は制服こそ着こなしてはいた。
そう教師に強制されたらしい。
見た目だけなら優等生そのものだ。
「随分落ちぶれたものだな…あの時のお前は人の中心に立ち、頭もよく、スポーツも出来ていた。」
けれど何時の日からか彼はいじめグループの中心人物となった。
そこにどんな意図があったかは定かではない。
圭たちならきっと事情を聞いてどうにかしようとあの手この手を使うだろう。
けれど。
私は聖人君主じゃない。
聞いて通じなければ、後は力ずくしかない。
「何故こんなことをする?」
「話す理由が無い。」
そりゃ、まともに答える訳ないか。
「1つだけ…お前に関しての噂を聞いたことがある。」
そういうところでは、エリスも偉大だ。
エリスは私と真逆。
情報収集を頼んだらあっという間に集めてきた。
「いじめに関してのレポートでこう言ったものがある。
いじめられる子の要因、身体が小さい、動作が機敏でない、友だちが少ない、おとなしい、口達者でませているなどだ。
逆に言うといじめっ子の要因は思い通りに支配したい、憂さ晴らしをしたい、自分の劣等感から人を妬んで落としいれたい。
他人からの脅迫、性格上の問題や家庭の問題など…そして」
そう言ったレポートにさして興味が無い。
けれど読んだ本の中にそう言ったものがあった。
「過去にいじめられた経験がある」
わざと語尾を強める。
「私はそう言ったレポートを特に好んでいる訳ではないし、信じてもいない。
そう言ったものは意味が無いからだ。自分より劣っている奴を見て笑うのは酷く人間的な行動だ。
そう言ったものもあるから、人は強くなれるのだよ。」
ねたみ、簡潔に述べるなら嫉妬。
そう言ったもので人は成長する。
何時までも今いる場所に落ち着いていたら強くなどなれない。
自分より能力を持っているものに嫉妬しなければ新たなる技術など生まれない。
テストと同じだ。
上がいるから勉強をがんばる。
下を見ていても意味などない。
それをまだ理解できない餓鬼がやるのがいじめ。
ストレス発散も八つ当たりも別の手段があると社会人になれば分かる。
けれどそれがまだ分からないから人を貶めようとする。
「他人を貶めることで自分の成長を自ら阻害しているのだ。
そして…それに心砕かれるものもまた、自身の成長を阻害をしているのだ。」
私も最近、圭によって思い知らされた。
誰でも自由に生きられる。
未来の可能性なんて無限大だ。
「お前の妹がいじめで引きこもりになっている。」
私はいじめ程度で心は折れない。
けれど誰しも私の様に生きられる訳じゃない。
心の弱い者もいる。
エリスの情報網なら噂、と言ったレベルを越えてもうほぼ事実だ。
「朝霧がある日いじめグループからの勧誘を断った。
その代わりにお前の妹がいじめの対象となった。そしてお前はいじめグループに入った。
けれど、お前の妹は既に時遅し、心に傷を負ったお前の妹は引きこもってしまった。」
エリスが何処からそんな情報を手に入れてきたか知らない。
けれどエリスの情報的に事実であろう。
「だが、お前は今何をしている!!」
- Re: 秘密 ( No.364 )
- 日時: 2014/06/01 15:10
- 名前: 雪 (ID: /B3FYnni)
「だが、お前は今何をしている!!」
その言葉が空気が切り裂く。
今の自分を否定されたようだ。
「お前の妹はお前のせいで傷付いた!だがそれがどうした!!」
もう昔のことだ。
気に入らなかった。
あの目が。
何もかも見透かして、どれだけいじめても表情1つ変えなかった。
「妹が苦しんでいるのはいじめに対するトラウマなんかじゃない!お前の弱さのせいだ!」
いじめに苦しんでるんじゃない。
いじめに心許し、そのリーダーまで上り詰めたふがいない兄の弱さのせい。
そう彼女は訴えていた。
「私はお前の妹を知らないから偉そうなことは言えない。
あんたの妹の気持ちなんてものは分からないし、きっと理解だって出来ない。」
分かる訳が無い。
会ったことどころか話をしたこともないのだから。
「でも、あんたが間違ってることは言える!!間違ってるって止められる!!」
違う。
違う。
「当たりたければ私に当たればいい!だが、そのままじゃ一生お前の妹は救われない!!」
違う。
違う。
「違う!!」
近くに置かれていた椅子を手に取った。
椅子を握る手が痛い。
嫌な汗が顔をつたる。
彼女は笑った。
「なんだ…ちゃんと声に出して言えるじゃない…」
彼女に向かって口を聞くはこれが初めてだった。
椅子を握る手が小刻みに震える。
震えた手で思い切り振り下ろす。
なにも。
考えられなかった。
最後まで。
彼女の顔から余裕の笑みは消えなかった。
大きな音がした。
椅子がただの木屑に変わる。
宙を椅子の欠片が舞った。
- Re: 秘密 ( No.365 )
- 日時: 2016/04/15 04:33
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
椅子を振り下ろす。
彼女は小さく何か呟いた。
小さく笑って。
「エリス——」
そうつぶやいた気がした。
椅子が砕ける大きな音がした。
「なっ——!」
ふわりっとカーテンが躍った。
彼女の前に鉄パイプを持った女が立っていた。
まるで彼女を庇う様に。
鉄パイプで砕かれた椅子の欠片が頭上に降る。
「さすがだ、エリス」
「な〜にが、さすがよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼女は私と正反対。
アレキシスは私に枷を付けると言った。
けれどエリスはそうそう枷にはならない。
私が逃げればエリスは責められる。
その為、私は逃げたくても逃げられないしエリスは私を逃がす訳にはいかない。
私がエリスを見捨てられない事を見越した上で、下した判断だ。
だが、エリスはどうだろう。
エリスは逃げようと思えば逃げるだけの体力はある。
エリスは確かに換えが効く存在ではあるが、やはりアニエスの機密情報を握っている。
エリスには人質か何かの枷が付いているのだろう。
だからエリスは私が逃げないように私の枷をし、そして私の護衛もする。
人質にとられている誰かの為に、父の命令を律儀に守り続けるのだろう。
私が死んでも、逃げてもエリスにとってはマイナスにしかならないから。
「流石なもんは流石でしょ。」
室内なら警戒されているかもしれない。
けれど窓の外までは、流石に気が向かないのでは?
窓を開け放ち、カーテンで視界を遮った間に鉄パイプで木の椅子を粉々に砕く。
それをやってのけたところは流石以外に言う事が無い。
「助かったよ。私もトレーニングで鍛えているといえど、男の腕力は馬鹿には出来ないからな。」
「私も女なんだけどー?」
エリスの腕力や身体能力は男にも負けない。
そう言う風に鍛えられたのだ。
「もう帰っていいぞ。もう戦意は喪失しただろうし、残りは私でも出来る。」
無視かよ、といじけた様に口にすると頭に手をやる。
「へーいへい、了解っすよ。」
スルリっと綺麗に体を翻し窓から出ていった。
横目で見たところ綺麗に地面に着地している。
「まだやるというなら受けて立とう。でも結果は変わらない。私がお前の妹を救ってやる。」
朝霧の妹。
クルリっと背を向ける。
なにかが振り下ろされる音がした。
ここら辺にあるもの。
大方木屑だろう。
尖っているので多少は殺傷能力がある。
はぁ、と小さく溜め息を吐いた。
くるり、と振り返ろうとすると足が滑った。
やばっ…
薬の影響か体の調子が悪い。
力が入らなくてカクンッと膝が折れた。
朝霧の手は止まらない。
グシャリッと、肉が裂ける音がした。
- Re: 秘密 ( No.366 )
- 日時: 2014/06/09 19:25
- 名前: 雪 (ID: bAREWVSY)
振り下ろされる直前。
ドンッと押し倒された。
冷たい床に体を強打する。
「っ——!」
声にならないうめき声が口から洩れる。
それからハッとした。
今、私を突き飛ばした人はどうなった?
振り返ると1人の男子生徒が倒れていた。
「…ケイ?」
倒れた男子生徒の背中に、随分見覚えがあった。
手を伸ばす。
ぬめっとしたものが手に絡め付く。
血だ。
「ケイ、ケイ!!」
落ち着け。
落ち着け。
こう言う時にはどうすればいい?
考えろ。
何のための頭だ。
けれど思考がうまく働かない。
「…てこい」
「えっ?」
「救急箱をとって来いと言ったんだ!!とっとといけ!!誰のせいだと思っている!?」
ひっ、と小さな悲鳴を上げて理科室から出ていった。
「ケイ…」
ギュッと抱きしめる。
愛しい。
何時もなら触れられない。
何時もならあり得ない距離。
涙が1筋だけ流れた。
顔を埋めたがすぐに顔をあげた。
傷口を確認しておかないと…
けれど傷口は腕に刺さった欠片だけ。
大きな動脈も切れていない。
変なところを打った感じもしない。
「…ケイ、タヌキ寝入りはいい加減にしろ。」
「ばれちゃった?」
全く…
心配した私が馬鹿だった。
「朝霧、救急箱を置いて外で待っていろ。」
ケイを起こすと、救急箱を開ける。
消毒薬と包帯を手に取る。
「手当てくらいはするよ。」
消毒をするとクルクルと包帯を腕に巻きつける。
「どうせ、話は聞いていたんだろう。」
「まぁね。」
朝霧は室内には気を配ると想像していたが、ケイがいるという事は注意を怠ったな。
私は圭に救われた。
私も誰かを救いたい。
「私、救って見せるよ。」
うん、と頷いた圭の言葉がとても心強かった。
それだけで何もかもうまくいく様な気がした。
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