コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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1章
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2章
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136章
>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.422 )
- 日時: 2014/11/19 23:10
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・81章 私がどうしたいか・〜
「…思ったんだけどさ」
アリスは私の話を相槌を打ちながら聞いていた。
「結局、マリーはどうしたいの?」
「えっ…」
突然の突拍子もない言葉に思わず。
戸惑う。
簡単な質問。
それ故に。
直球で。
予想外で。
何も答えられない。
「リンを守りたいの?リンの傍にいたいの?どうしたいの?」
畳みかける様にアリスは問いかける。
「…それは」
私は…
どうしたいのだろう。
アリスから問いかけられた質問を。
自分に問いかける。
どうしたいか。
それすらも。
見えていない。
こんな単純な質問に。
考えなければ。
答えられないくらいに。
「って、突然言われても分からないか」
分からないと…いけないのに…
でも強いて言うなら…
「…凛を…守りたいです」
傷付くことも。
自分の気持ちを殺すことも。
昔からやっている。
いまさら…
「それはマリーの答えじゃないね。」
ビシッと切り捨てられた。
人が出した答えを。
いともあっさりと。
「どうやって、その答えを出した?もとい、どうやって選んだ?」
どうやってって…
傍にいても傷付いていれば意味がない。
今までずっと。
傷付く凛を見てきた。
もう二度と見たくない。
「それは…本当に大事な方を…」
「違うでしょ!どちらとも手に入れるのが灘万里花でしょ!!」
私は…
その時。
呼吸が止まった。
「凛の傍も!凛を守りたいのも!!本当に大事なものを選ぶんじゃない!
両方を手に入れるのがマリーでしょ!!」
一体何時から。
私は。
こんなに弱気になっているのだろう。
「なにがなんでも欲しいものは手に入れる!言葉巧みに!使える者全部使って、手に入れる!
それが灘万里花でしょ!!私の感じた灘万里花は買い被りだったのか?」
アリスの中の私。
私はどうして。
知らず知らずのうちに。
片方の選択肢を潰していたのだろう。
ずっと憎まれていた。
そのせいか私は。
負けず嫌いの。
欲張りな性格だった。
睨みつけられる様な視線から逃れる様に。
私は自分を強く持とうとした。
決して屈しない様に。
自分の意見は曲げなかった。
でも。
どうして今。
私はこんなに。
迷い。迷っているのだろう。
「もう1回聞くね。マリーはリンの傍にいたい?それともリンを守りたい?」
もう迷いたくない。
迷わない。
もう。
迷う必要もない。
「私は…!」
- Re: 秘密 ( No.423 )
- 日時: 2014/11/19 23:15
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
万里花に少し。
きついことを言った気がする。
けれど。
万里花を傷つけたくない。
守りたい。
でも。
きっと今。
とても万里花を傷つけている。
どうすればいいか、分からない。
ケイやアリスならきっと。
即答で、答えられる。
でも。
ずっとそばにいたせいで。
万里花が欠けるまで。
この気持ちにすら気付かなかった。
そんな出来の悪い男だ。
はなから、ケイの様になれる器ではないのだろう。
万里花は優しくて、強い自分を好きになったと言った。
でも今の自分は。
優しくもなければ強くもない。
ただの。
意気地無しだ。
「よっす、リン」
あー
まるで見計らった様に来るな。
たまにわざとやっているんじゃないか、って思うくらい。
「…相談、乗ろうか?」
- Re: 秘密 ( No.424 )
- 日時: 2016/05/05 22:46
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ケイと2人きりで話したことなど。
それほど数が多い訳ではない。
母親の話をする時に何度かした。
けれど。
思いこみとはいえ。
一時期はアリスに惚れていたのだ。
今でこそ丸く収まっているが。
なんだか。
少しだけ話しづらいものがある。
「どうせ、母親関係だろ。」
カフェオレを啜りながら。
さりげなく本質を吐いてきた。
近々、ケイがアリスに似てきた気がする。
そしてアリスはケイに似てきた。
互いが互いを支え合っている。
「…羨ましいよ」
万里花の力になれず。
それなのに万里花に負担ばかりかけている。
「こっちこそ、羨ましいよ」
ケイは意外な言葉を返してきた。
「だって、沢山の話をして。それでいて何年もずっと隣にいるんだろ?
そしてこれからも隣にいられるんだろう。羨ましい限りだよ、全く。」
確かに何年も隣にいた。
気にする気にしないより前に。
あの家を出て。
万里花に出逢ったからこそ。
人生が変わったのだ。
今では随分まるくなったものだと思う。
触れるもの全てを傷つけていた。
あのころに比べて。
毒気は抜かれて、丸くなった。
万里花が優しく抱きしめ続けてくれたから。
万里花は優しくて強い自分が好きだと言った。
もし本当にそうなら。
それは。
万里花のお陰だ。
ずっとそばにいて。
抱きしめて。
触れて。
支えて。
想ってくれたから。
けど。
今は。
「先のことなんて、分かるかよ。」
「…アリスとのことだってそうだよ。先のことなんて分からない。」
分かる訳がない。
そんなこと。
当たり前のことだ。
「幼い頃から、傍で沢山話してきたんだろ?アリスとの付き合いの何十倍も。
互いのこと知り合って、それで想い合えるんだ。未来は分からないけど。
俺にはまだ語ることが出来なかったことを。とっくの昔に話せているんだから。」
ケイとアリスは。
なかなか難しい恋愛をしていると思う。
安否も保障されていないのに。
互いの問題に向き合いながら。
関係を深めている。
どんな障害も乗り越えている。
そんな印象を与える。
未来のことは分からない。
けど。
「経験を信じろ。」
経験…
沢山話してきた。
互いの好みも。
趣味も。
癖も。
沢山のことを知っている。
互いの想いに気付かずとも。
互いを想いあって生きてきた。
自覚がなくても。
万里花がいて。
万里花を想って。
万里花が支えていたから。
今の自分がいる。
そんな関係。
ケイはそれが…
羨ましいんだ。
「…アリスな、また面倒なことになっているらしい。」
ケイの目は遠いどこかを見つめていた。
その目には。
なにを映しているのか。
「また父親の事情で。相談とかしてくれないけど、ちゃんと前を向いているみたい。」
子どもの成長を見守る親の様な。
眼差しだった。
「未来のことは分からないから、今を精一杯生きて行こうとしているんだと思う。
アリスのことだから、尚更。そういう事結構、気にするから。」
未来のことなんて。
分からない。
なにがどうなっても。
それは絶対に。
覆らない。
だからこそ。
今を。
「お前らには、後悔して欲しくないから。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
誰が決めた答えじゃない。
自分で。
考えて。
とっくの昔に出したはずの答えだ。
それなのに。
見失っていた。
思い出したよ、アリス。
私はずっと昔に。
決めたじゃないか。
どうやって生きていくかを。
「私は凛を守って、凛の傍にいたいです!!」
たとえどれだけ傷つこうとも。
私は。
凛だけは、誰にも譲らないって。
傍にいたいし。
何かしたい。
凛の為に。
なにより自分の為に。
例え、凛自身を傷つけたとしても。
その先で、彼の痛みが和らぐなら。
彼が笑えるなら。
その隣に私がいるなら。
「それを聞いて…安心したよ」
アリスは静かに笑った。
こうなることを。
見越していた様に。
「マリー達には後悔して欲しくないから。」
- Re: 秘密 ( No.425 )
- 日時: 2014/11/22 21:05
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「「未来のことを考えると、とっても怖いよ」」
違う場所にいながら。
2人は同じ言葉を紡いでいた。
「「だってさ、もう手を握ることも。隣にいることも。2度とできないもの。」」
ケイと。
アリス。
2人は変わった。
ケイに。
アリスに。
出逢って。
「「だからこそ、希望を胸に前を歩きたいんだ。たった少しの光でも。見失わない様に。」」
2人の未来は。
きっと今以上に混沌として。
暗いものだろう。
だけど。
それでも2人は。
同じ言葉を紡ぐ。
示し合わせたように。
希望の言葉を。
「「ケイに」「アリスに」恋をすることが出来たから。後悔はしないし、したくない」」
- Re: 秘密 ( No.426 )
- 日時: 2014/11/24 14:24
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・82章 本望・〜
「気まずい、とか思っていただろ。アリスに惚れてたから。」
ニカッ、と笑う。
図星だ。
「…惚れて何かねーよ、バーカ」
寄り道もたくさんしたけど。
結局はこれが一番。
万里花のとなりが一番落ち着く。
ケイは良き親友だと思うし。
アリスもいい奴だな、と思う。
万里花は大事だし。
守る物も沢山ある。
何もなかったあのころと比べて。
数え切れないほどに。
沢山の歌を作った。
沢山のことを話した。
長い時を共に過ごし。
共に時間を刻んできた。
それらが糧になっているのだ。
「たまには助けて貰えよ、ちゃんと。」
万里花を守りたい。
そう。
何よりも強く願ったはずだ。
「支え合って、傷つけあえよ。お互い気遣ってるんじゃ、救えるものも救えないぜ?」
それなのに。
今の自分が。
なによりも万里花を傷つけている。
顔をあげて。
ちゃんと向き合わないと。
母の問題を全て抱え込んで。
それが一番だと信じていた。
その陰で。
ずっと万里花は泣いていたのに。
「…重荷を背負わせて…いいのだろうか…」
万里花ならきっと答えは決まっている。
迷わずに。
答えを出す。
「答えなんて本人にしか分からない。だから、本人に聞けよ。」
万里花の答えを。
万里花以外に聞いてどうする。
「ありがとな、…圭!」
向き合う事を。
忘れていた。
何時だって。
肝心なところは何時も1人で抱え込んで。
それが。
万里花を傷つけていることも。
分かっていたのに。
「凛」
振り返ると。
笑みが浮かんだ圭がいた。
「困ったら、俺らにも頼れよ。マリーの答えは分からないけど。俺ならこう答えるよ。」
口が動く。
いつも。
同じところで躓いていた。
間違いを反省もせず。
自分が正しいと思い込んで。
「凛に頼ってもらえるなら、本望だって」
なんだって1人でやっていた。
今のまま突き進んでも。
なにも変わらないのに。
「マリーもちゃんと救ってやれよ」
「…当たり前だ、バーカ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…凛ちゃん」
愛しい我が子の名を呟く。
10年前。
私は凛ちゃんが大好きだった。
忘れることなんてできない。
今までずっと顔向けできなかった。
けど。
心の底ではずっと想っていた。
もう会わせる顔は無い。
弱かった自分が悪かった。
それでも。
今からでもやり直したいと思った。
でも。
「…もう、手遅れね」
あんなに怒らせてしまった。
凛の傍にいた子…
万里花ちゃん…だっけ?
あの子が今。
凛ちゃんが大事にしている子。
それを傷つけてしまった時。
ああ、もう私がいなくてもよかったんだ。
そう思った。
あの子はもう。
自分の足で歩いていける。
自分で生きていける。
いまさら。
私なんていらないだろう。
「…白雪詩織さん!」
ハァハァ、と乱れる息。
この子…
「…万里花ちゃんだっけ?どうしてここが?」
「…あなたに話があるんです!」
そっか。
私を問い詰めに来たのか。
そっかそっか。
予想できなくはなかったよ。
「…逃げられない、か」
分かってはいた。
私が過去にしたことは。
消えない。
問い詰めに来ることなんていくらでも。
想像できただろうに。
「なにが聞きたい?」
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