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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.487 )
- 日時: 2015/04/03 14:27
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
教室にはもう人はいない。
一緒に帰ろ、と誘われたものの委員会の集まりが合った。
そのことを話したら待っている、と満面の笑みで答えた。
話したいことがあるから、と。
思ったより遅く終わった。
彼女はフワリ、と笑った。
笑っているのに、どこか寂しそうな笑み。
「誕生日プレゼントとして、今日は言う事5つ聞いてあげる。」
教室に戻ると開口1口彼女はそう言った。
鞄を持って、歩きだす。
「あのね、連。私は優しくない人間だから。
私は今から君に酷いことをする。きっと、とてもひどいこと。」
教室を出て、廊下を歩くその後姿を追う。
彼女の背中だけだと、彼女の表情は見えない。
だから、その代わりに。
彼女はそう言った。
「願い、聞いてあげるよ。」
彼女の視線の先には、きっと自分は写っていない。
色んな表情が出来る様になった。
「手、繋ぎたい」
悲しそうな顔も、嬉しそうな顔も、愛おしそうな顔も。
その眼差しの先にはきっと、自分は写っていない。
こちらを向くことはない。
何時だってあいつは人目を憚らず、手を繋いでいた。
彼女は何の躊躇いもなく、手を差し出した。
想った以上に彼女の手は小さく、冷たかった。
気まずくなって、近くの公園に寄った。
思っていた以上にダメージが大きい。
「となり、座って」
飲み物を買いに、その場を去った。
思った以上に、辛い。
気持ちがこちらに向いていない分。
彼女がこちらを気にも留めていないことを知っているから。
それでも何の躊躇いもなく、手を差し伸べたり隣に座ったする。
もう少し、危機感を抱いてほしい。
もっと、自覚してほしい。
自らの肉を切り捨てる様な。
自らを省みない行動。
「…目、閉じて」
手を使って彼女の視界をふさぐ。
分かってる。
痛いほどに。
でも、それでも…
「目、閉じたよ。終わったら、良いって言って。」
辛そうな表情をしながら。
まだ心の片隅であいつのことを想っている。
無理矢理な笑みを浮かべて。
彼女の頬に触れると、ハッとした。
震えている。
カタカタと、小刻みに。
そんなにつらいなら、もう俺を選べよ。
そう言いたい。
でも、分かってる。
彼女はどれだけ辛くても、逃げない。
そんなに震えるくらいなら、断ればいいのに。
小さく笑う。
そっと、頬に手を添えたまま顔を寄せる。
彼女の吐息が鼻に掛かる。
あと数センチ動けば唇が重なる。
それくらい近い。
「…連?」
「黙って」
俺は、違う。
俺はあいつじゃない。
俺が近づけるのは、ここまで。
あと少し。
でも、そのあと少しが俺には足りない。
敵わない想いだってのは知っていた。
彼女の相談にはよく乗ったし、事情も聞いていた。
それでも…
「…もういいよ」
頬から手を離す。
それと同時に近付けた顔も一緒に離す。
「連」
まだ触れていたい、と思う。
抱きしめたいと思う。
本気で好きなんだ。
でも、俺じゃだめなんだ。
あいつじゃないと、彼女の心の穴は埋められない。
俺にはふがいないくらい力がない。
これが、精一杯の頑張りだ。
「君が私の返事を聞いて、顔を悲しげに歪めただろう。
その時、私はそんな顔をしないで、と思ったんだ。君が悲しい顔をするのが、私は好きじゃない。」
確かにそれは酷いことだったのかもしれない。
答えられない想いなのに、まだ期待させる様なことを言う。
「私には捨てられない想いがある。人を傷つける存在。
でも、君に好きだと言われた時…不思議と、———————」
最後の言葉は聞こえなかった。
声にはならなかった。
その言葉。
聞き違いかも知れない。
でも、確かに聞こえた気がした。
『…嬉しかったんだ』
口の動きは、そう示していた気がした。
「私はもう逃げないよ。連の話を聞いて、決心した。」
そうか。
それなら、良かった。
それなら、やっと手を離せる。
未練がない、と言う訳じゃない。
やっぱり名残惜しいし、手を離したくないと今でも願う。
でも、これでいい。
そう思った。
「私は圭が好き。大好き。」
「…そうか」
よかったな、と笑った自分の顔はどんな顔をしているだろう。
「私はこう言った時、どうすればいいのか、知識はない。
これで合っているか?私は正しいことを出来ただろうか…?」
きっと頼りない、みっともない顔なんだろう。
とても情けない顔だと思う。
「十分過ぎるくらい…出来てるよ」
でも、誇れる。
「それでも、私は連の傍にいても良いか?」
「…それは難しいかな。少しは、時間が欲しい。」
もう彼女を迷わせない様に。
自分が迷わない様に。
「暫くは…ちょっと困るかな。」
決心を揺らがせない様に。
悲しそうに、ちょっとだけ潤む彼女の瞳を見ていると。
また迷ってしまいそうだから。
「お願い、まだ2つあったな。ちゃんと遥は祝ってやってくれ。凄い、喜ぶと思うから。」
喜ぶ遥の顔が思い浮かぶ。
迷惑をかけっぱなしだから、たまには恩を返したい。
「分かってるよ。遥は私の大事な友達だ。…最後の1つは?」
もう思い残すことはない。
後は、彼女の背中を押すだけ。
「最後の1つは…三田村が描く幸せな未来を掴み取って。命令だから。」
自分に出来るのはここまで。
ここから先は、彼女が歩んでいく道だ。
「…きっと守るよ」
くるり、と背を向けた。
彼女は今、なにを思っているだろう。
- Re: 秘密 ( No.488 )
- 日時: 2015/03/25 16:33
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・97章 想い・〜
「何時の日にか、また話すことが出来たなら。その時は、またいっぱい話をしよう。」
私にとって連は、クラスメート。
でも、ただのクラスメートじゃない。
勿論、恋愛感情なんてものはない。
大事な友達だ。
それでも手離したくないと願うんだ。
凛の時。
私の感情はまだ覚束なかった。
悲しい、なんて思いも。
私の中には無かった。
こんなにも涙が零れそうになるのは。
ずっと圭の傍にいたから。
「呼び出して悪かったな。私は圭を待つよ。折角の忠告だもの。」
昔なら流せなかった。
誰がいなくなっても。
凛の時は逃げるのが精いっぱいだった。
でも、逃げずに立ち向かって。
その結果、傍にいられなくなると私はこんなにも泣きそうになる。
圭はとっくに帰った。
「…そっか」
公園には人気はない。
学校にだって、もう圭は残っていない。
「三田村」
出て行こうとした足音がふいに止まった。
「ありがとな」
私は圭がスキ。
その想いは揺らがない。
でも、連のことも大事に思っている。
そんな相手を自らつき離すのは。
つき離されるのが。
こんなにも辛いことだとは思わなかった。
連ですらこうなってしまう。
圭の場合はきっとこうじゃ済まない。
そんなことを思ってしまう自分は、やっぱり人とはズレている気がした。
- Re: 秘密 ( No.489 )
- 日時: 2015/03/25 16:40
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
体が震えた。
立てなくなり、膝をつく。
「うわああぁぁぁぁ——————」
とめどない程の涙を流したかった。
けど、不思議なくらい涙はこぼれなかった。
初めて人をつき離した。
それがこんなにも辛いことだった。
でも、不思議と涙が流れなかった。
「もう…泣くことも出来ないってか…?」
私は人間になった。
圭たちと出会って。
でも、私は彼らを守るために人を捨てようとしている。
そうすれば、涙すらも出なくなる。
私はただ、嗚咽とも泣き声とも違う。
「アリス!?」
どれだけ声を上げ続けただろう。
喉を痛めるとか、全く考えずに叫び続けていた。
悲しい。
悲しいのに。
不思議なほど涙が出ない。
「…リン?」
- Re: 秘密 ( No.490 )
- 日時: 2015/03/26 00:17
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「…リン?」
なんで…と思ってすぐに合点がいった。
「そう言えば…生徒会、だったな。」
すっかり忘れていた。
けれど、彼らの通学路から外れた所に連を連れてきた。
「大丈夫か?」
涙が流れない。
もう、流せない。
「大丈夫」
「…圭を呼ぼうか?」
優しい、気遣い。
私は彼らを絶対に傷つけたくない。
盾になんかしたくない。
犠牲にしたくない。
私はいつか国に帰る。
戻って、国と共に死ぬ。
「…俺じゃ、アリスを抱きしめられないよ」
「…この、っ…女たらし…っ」
涙は出ていないのに不思議と声は突っかかった。
「そんなこと言ったらマリーに怒られるぞ、馬鹿」
「だな」
ほんと…馬鹿だ。
馬鹿ばかりだ。
「可笑しいんだ…っ!抱きしめられて、嬉しかったんだ…!」
圭以外の男の子に。
「アリス」
マリー…?
あー…なるほど
ここは2人のデートスポットってことね。
「それ、普通ですよ。誰にだって誰かに抱きしめられれば嬉しいですよ。
例え、それが向こうの一方通行な思いでも。誰かに好かれたり、受け入れられるのは嬉しいことですもの。」
そういうものなんですよ、と答えた。
「嬉しいです。アリスが段々女の子になっているようで。」
マリーは静かに笑った。
「私はとても嬉しいです。」
- Re: 秘密 ( No.491 )
- 日時: 2015/03/26 15:23
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「…マリーは一途だね。」
「私は凛だけを見てきました。」
私も、圭だけを見てきた。
でも、それと同時に彼といる未来を描いた。
「その気持ちを、恩人のものだと錯覚しなかったか?」
その未来には、私はいなかった。
私がいる未来を、どうしても思い描けなかった。
「…少し、しましたね。でもやっぱり凛が好きなんです。」
「…強いな」
私はそんな風にきっぱりと言い切れない。
「強いのは、アリスですよ。」
…私が?
「私は人を愛せなかった。今でこそ凛を想い、慕っています。
でも、昔は全然そんなことはなかった。私は母の様に狂ってやまない恋が怖かった。」
マリーの母は、想い人が出来て家を捨てた。
最も、家を出てすぐに別れたらしい。
それを知ったのはつい最近だが。
「でも、アリスを見ていたら。ただ一途に圭を想い続ける、アリスを見ていたから。」
意外な話だ。
やはり憶測だけで、世界は分からない。
「…私?」
「アリスは私よりも大きいものを背負っている。それでも、圭を想っていた。
叶わなくても。隣にいられなくても。その想いを諦めようとしても。
捨てようとしても。それは全部圭の為。結局は圭を想っている。」
「それは…」
私には圭しかいなかったから。
圭が救ってくれた。
きっと恩人的な意味合いだってあった。
「マリーだってそうだろ。」
「…ありがとう」
私は誰かを想うのが初めてだから。
想い続けていたい、と思ったから。
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