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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.307 )
- 日時: 2014/04/04 15:45
- 名前: 雪 (ID: Um7bp1Xg)
結局眠いのに頭でシャワーに入るのも危ないし、なによりめんどくさかったから結局顔を洗うだけに止めておいた。
夕食前に少し眠った。
なかなか寝付けなくて気色悪い汗をかいて、結局シャワーを浴びた。
髪を乾かすことも何時もより億劫で、何時もなら勝ち続けでつまらないトランプでも負けてばかりだ。
頭がボォ〜ッとしている。
気のせいか視界が少しずつぼやけている気がする。
「アリサ!!」
聞き慣れない名前が耳に届く。
アニエスでは名前は呼ばれなかった。
アリサ、とエリスは言っていたが実際呼ばれたことは無かった。
私は恐れられ、化け物だった。
「…エリス?」
「林檎が7つあります。それを3人に分けるにはどうしたらいいでしょうか?」
ぼんやりしている頭にその問題場違いに聞こえた。
「2個ずつ渡し、残り1つを3等分…と私なら答える。」
だがエリスは違う。
「林檎ジュースにして分ける、がエリスの答え。」
「囚人が4人います。その4人は黒と白の帽子をかぶっています。仮に4人をA,B,C,Dとしておこう。」
なんの意図があってこんな問題を出しているのか分からない。
が、とりあえず大人しく聞いていることにした。
「Aから順に階段に立たせる。壁を隔てたところにDを置く。
その4人は自分の被っている帽子の色は各々知らない。
ただ、前の人の帽子の色を見ることはでき、黒と白の帽子をかぶっているのが2人ずつという事も知らされている。
暫くの沈黙があった。
この中で1人だけ自分の帽子の色を当てた囚人がいた。さてそれは誰でしょう?」
上からA,B,Cに並んでいる…
児戯だな。
「B。暫くの沈黙があったという事は誰も帽子の色は分からなかった。
つまり一番上にいたAが分からなかったという事だ。
故にBとCの帽子の色は違うということ。故にB。」
つらつらと私が導いた答えを述べる。
「それで…何?」
「頭はまだ大丈夫みたいね。」
「確かに…ほんの少しは楽になった。」
今も湿っている私の髪が畳の上にうねっている。
まだ何かを話そうとするエリスを制止した。
「夕食は…いらない。寝てる。」
眠れるわけがない。
けれど段々体も動かなくなっていった。
畳の上にじかに寝ころぶ。
マリーが布団を敷いてくれたが布団まで移動できない。
エリスも保険医を呼んだが熱もない。
原因不明だ。
その気だるさは就寝時間になっても寝つけずに、体も動かせずにいた。
こうして私のスキースクール2日目は終わった。
- Re: 秘密 ( No.308 )
- 日時: 2014/04/04 17:32
- 名前: 雪 (ID: Um7bp1Xg)
〜・54章 永遠に忘れられない夜空・〜
結局体調は回復しなかった。
むしろ悪化した。
起き上がることもままならず横たえているしかなった。
朝食のおにぎりをマリーが持ってきたが、1口も食べられなかった。
午後には何とかしなければ…
頑張って体を起こし、柱にもたれかかる。
私のバックに手を伸ばし、アレクシスの番号に電話をかける。
本来携帯は使用禁止という事だがそんなこと言ってる場合ではない。
何度かの発信音があったのち、アレクシスの声がした。
「アレクシス…貴様…何をした…!?」
今ならマリー達もいない。
安心して聞くことが出来る。
この症状。
多少の想像はつく。
大方父によって薬を盛られたのだろう。
察しているようでアレクシスも声のトーンを落としただけだった。
ハァハァ、と息遣いが荒くなる。
気持ちの悪い汗がつたる。
携帯を持つ手すらおぼつかない。
「…父の意向だ。薬を服用しない限りその症状はおさまらない。
お前を裏切らせないための布石だ。薬を飲まなければ死に至らしめかねる代物だ。」
そんなところだと思った。
「やはり…」
圭やリンなどの足枷も、あの町という足枷よりも確かなもの。
そのための手段だ。
手では体を支えることは出来ない。
畳に倒れこむ。
「…潜伏期間もある程度あるし、独自に作りだされたウイルスだからこの薬を飲まない限り治せない。」
「薬をよこせ…!!」
生温い吐息。
気持ち悪い汗。
力のはいらない体。
食欲もわかない。
抜け殻の様で体が締め付けられるような感じ。
「私はまだ…死にたくない…!!」
アレクシスの少しだけ驚いた声。
死にたくない。
私自身もその言葉に驚いた。
「…カバンの底に…ある程度は入っている。毎日摂取しないと発熱する。」
手を伸ばしてバックの底に手を入れる。
ゴソゴソと漁るとしばらくするとようやく底に手が付いた。
カプセル状の薬がいくらか入っていた。
口に含んで頑張って飲み込む。
すると少しずつ汗が治まり、息遣いも穏やかになった。
「…これを飲み続ければいいんだな。」
ふぅ、と大きく息を吐くと確認する様に聞く。
「…ああ…それでも協力を拒んだ場合は…あの3人にも同じことをする。」
プチンッと何かが切れた。
「ふざけるな!!あいつ等は何も関係ないだろう!!」
私が勝手に…
私が…
「あいつ等の生き方はあいつらだけのものだ!!お前らが左右することじゃない!!!」
あいつらだけの…平凡な生き方…
「普通に恋をして普通に笑って…そんな権利があいつらにはあるはずだ!!」
そんな権利が…
「私が勝手に友に仕立てただけだ!!こちらの世界には何も関係が無い!!」
私が勝手に仕立てて…
私が勝手に…
「私が勝手に…恋をしただけ…」
沈黙が訪れた。
「…なら…その薬を飲み続けることだ。」
ブツンッと電話が切れた。
- Re: 秘密 ( No.309 )
- 日時: 2014/04/04 17:21
- 名前: 雪 (ID: Um7bp1Xg)
「っで、何でお前らいるんだ?」
さっきから部屋の入り口から気配がしていた。
外を覗くと4人が聞き耳を立てていた。
「…聞いてたのか?」
「少しだけ…っていってもほとんどアリスの怒声だけでしたが…」
良かった…薬のことは聞かれていなさそうだ。
「…なんのお話でした?」
「…ううん!なんでもない!!あっ、もうお昼の時間!食べに行こう!!」
あからさま感がある。
でも早くこの話題をすり変えたい。
「そうだな、アリス!飯行くか!!」
エリスはすべてを知っている顔をしている。
もしかすると知っていたのかもしれない。
だが薬を飲んでいるのを見たことが無い。
想像がつく。
エリスは替えがきく。
でも私は替えられない。
だからこんな手段を使う。
エリスは替えがきくからその分死には近いが、その分私より自由な世界に近い。
「ん〜!!」
大きく伸びをする。
まだ少し体が訛っている。
流石に飲んですぐって程じゃないか。
「午後のスキーもお預けか。」
スキーをするには危ない。
まだ顔に熱もあるし、息も多少荒い。
久しぶりの食事でお腹はぺこぺこだ。
「牛丼!?紅生姜苦手なんだけど…」
マリーに女の子が好き嫌いはいけません!と怒られ、渋々紅生姜を食べた。
この場所が愛しい。
スキーだって初めてだし、まだまだ知らないことも沢山ある。
ずっとここにいたい。
でもそれは叶わない。
でもあいつ等は見落としているところがある。
私が死ぬことだ。
私が死ねばもう圭達に何の価値もなくなる。
そんなことを悟られれば阻止される。
けれどいつかは消える命だ。
1つの命で皆の命が守れるなら…それは素晴らしいことだ。
その為にこの命を使えるなら。
でも生きていたいって願ってしまった。
だから…あと少しだけで良いから…一緒にいたい。
- Re: 秘密 ( No.310 )
- 日時: 2014/04/04 17:58
- 名前: 雪 (ID: Um7bp1Xg)
スキーは結局サボって夕飯を食べると部屋に戻った。
月宮さんはピアノの練習に、マリーは室長会議に行った。
残ったのはエリスと私だけだ。
「もし…あいつ等の為に消えようって思うなら…」
唐突に切りだされた会話に少し追いつかなかった。
だがすぐに頭は追いついた。
「そのことをちゃんと掲示しなさい。じゃなきゃ反則よ。」
「反則?」
「ちゃんとした条件を全て提示してから本人に選択させる。
そうじゃなきゃフェアじゃないでしょう?」
…
思わず唇をかむ。
「アリスは自分1つの居場所を投げうってあいつ等の笑顔を守ろうとした。
確かにいい奴らだよ。少しの間しか一緒にいなかったけど全てを投げ打つアリスの気持ちも分かる。」
でもね…とエリスには珍しくもったいぶらせる口調だ。
「そんなアリスだからこそ失いたくないって思う人もいるんだよ。
私にとってもさ、アリスは唯一の理解者だから。いくら代償を支払っても失いたくないものなんだよ。」
失いたくない…
「きちんと条件を提示して平穏な生活を取り戻すために三田村こよみという1人の人間の犠牲が必要だと分かれば…」
何時もの様に。
ふざけた様に。
笑った。
「誰もがその条件を呑む訳じゃない。
2つの秤にに乗せて何時までも悩み抜く奴もいれば、その平和をつっ返す奴もいるかもしれない。
『あなたは幸せなんだからこれ以上何も考えなくていいのです。』ってことじゃ、フェアじゃないでしょう?」
そしてとっておきの何かを出す様にその1言を口にした。
「だからさ、あいつらにちゃんと話しな。」
- Re: 秘密 ( No.311 )
- 日時: 2014/04/04 22:16
- 名前: 雪 (ID: Um7bp1Xg)
就寝時間を過ぎるとマリーは律義に明かりを消した。
エリスにああは言われたものの一体どうやって話そうか思案していた。
エリスの言う通り話していいのかも分からない。
分からない。
頭がぐるぐるする。
「…アリス…アリス…!」
目を開けるとエリスの顔が飛び込んだ。
「星空、見ようぜ!」
という謎の言葉をかけられ、あいつ等を連れて窓から引きずり出された。
流石、身のこなしは完璧だ。
「先生に見つかるぞ。」
「先生たちは最終日だから打ち上げ!それに見回りの時間は分かってるし!!」
ここ2日間で先生の見回りスケジュールは頭に入れたらしい。
寝巻で町をはいずり回され、別邸にたどり着くと屋根まで私1人強制的に登らされると何故か部屋に先に帰った。
1人では帰れないのをいいことに…
スキースクールとは言うが実際は隣町…と言ってもかなり近い。
別邸まで30分はあればいけるのだ。
バスをいちいち使用するがそれは宿が多少入り組んだ山道にあるからだ。
エリスなりに気を使ったのだろう。
「…アリス?」
私に続いて登ってきたのはマリーだ。
屋根の上からいつの間にか雪が下ろされているが、きっとエリスが下ろしたのだろう。
「マリー!?」
上って来た人物の顔を見て思わず声を荒げてからハッと口に手を当てる。
ここなら先生から見られないし、旅館の人にも気付かれない。
けれど良心が咎める。
「アリスが話あるって!!」
それだけ言い残すとエリスは窓に吸い込まれる様に戻っていった。
「…えっと…」
何から言い出せばいいのか分からない。
「今日のお電話の件ですね…?」
何を言い出しても受け止める準備は万端だと言わんばかりに笑っていた。
流石マリー…敵わないなぁ…
「…私は今薬によって生きている。」
そう切り出すとポツリ、ポツリ、と言葉を紡いでいった。
事実を知ったマリーはやっぱり驚いた顔をした。
「本当ならこんなことマリーに言う様なことじゃないって分かってる…でもエリスがそうじゃないとフェアじゃないって言うから…」
「ええ、確かにフェアじゃありません。」
今まで何も言わずに黙って聞いていたマリーが強く私の声を断じた。
何時も私を引っ張っている時の様に。
何も変わらず。
その目には強い意志が宿っていた。
「私はアリスがいなくなるなんて嫌です。断固拒否します。」
「…何で?だって私がいればマリーの生活も脅かされるんだよ!?可笑しいと思うでしょ!?」
「ええ、確かにおかしいです。」
マリーは否定はしなかった。
私が関わっているだけで命の危機に直面することを。
「でも、それならアリスの生活が脅かされるのもおかしいです!」
それに、とマリーは続けた。
「それに…それを言うなら私を助けてくれたアリスだって。お父様の行いは大きな善悪で問えばよい行いなんです。
当たり前のことなんですよ、貴族には。よくある話でしょう?」
友人も作ることが出来ない。
それが当たり前の様に受け止めていた。
「でもアリスはそれが許せなかったから私を救ってくれた。
なら、アリスだって救われてしかるべきなんですよ。」
何も言えなかった。
マリーのその強い言葉に。
胸が打たれた。
「例えアリス1人の我が儘だとしてもそのわがままに付き合う人が少しくらいいても良いでしょう?」
そう言ってマリーは笑った。
エリスは話が終わるのを見るとマリーを連れて部屋に戻した。
他の2人ともキチンと話してくださいね、とマリーは笑った。
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