コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.462 )
- 日時: 2016/05/07 21:48
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
『1つ言っておくけどね、あの子も何も考えずに別れたいと言っている訳じゃない。
考えて考えて。血塗られた未来を覆す方法をずっと探していた。
唯一見つけられた道は。圭達と手を切ることだった。』
少しの間が。
とても長く感じた。
『記憶を消すことだよ。跡形もなく。』
そしてその言葉は。
エリスはどんな気持ちで口にしているのか。
少し分からなかった。
『アニエスに関する機密事項を全て頭から消してしまえば。もう、アリスが囚われる理由はない。
でも頭の問題はデリケートでね。後遺症や副作用は計り知れない。
少し、アリスの持つ能力について話してみようか。』
アリスの能力。
見たものを覚えて、一生忘れない能力。
完全記憶能力。
能力とは言ったものの本質は体質である。
『アリスがもつ完全記憶能力とは別に瞬間記憶能力や映像記憶も含まれる。
そこまで能力が重なって、頭が切れるとなるとアリスの貴重度はぐんと跳ね上がる。
基本映像記憶能力は通常は思春期以前に消失する。
だがこの「消失」とは、その能力自体の消失か、それともなくなった様に思えても潜在的には存在しているのか、正確にはわかってない。
成人後も、映像記憶能力を保ち続ける者がわずかではあるが存在する。
消失の兆しがここまで見えないとなると、アリスもその例に該当するみたいなんだよね。』
それは。
アリスがこの後もその能力を保持するという事だ。
覚えたくないものも。
本人の意思もなにも。
関係なく覚えてしまう。
『変わったよ、アリスは。だからこそ。今度は別の意味で』
エリスの言葉には重みがある。
『君たちと手を切りたいんだ。』
なによりもアリスに近い境遇にいる。
真逆の環境。
外と内。
表と裏。
『まっ、これはあくまで憶測だ。真実のところは私も知らない。でも、そういう方法もあるってことだ。』
- Re: 秘密 ( No.463 )
- 日時: 2015/01/11 21:44
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「そんな…っ!そんなのって…!」
『じゃあ、君は言えるのかい?アリスに。テオドールを殺せって。』
「っ——!」
言えない。
言えるわけがない。
『それが一番手っ取り早い手段だよ。今までのアリスなら躊躇わずにその手段を選んだ。』
エリスは正しい。
でも。
本当にそれ以外に道はないのだろうか?
『それを躊躇わせるのは、君たちを想ってなんだ。』
自分の存在はアリスを弱くしていたのだろうか。
でも。
誰を傷つけても顔色一つ変えないことを。
強さだと言えるのだろううか?
『君たちの為に、人殺しと言う業を背負いたくない。
そんな業を背負った自分で。君たちと接して居たくないんだよ。』
そんなもの。
こっちだってアリスに背負わせたくない。
なにも。
なに1つ。
言い返せない。
それ以外に方法が見つからない。
こうするしかないんだ。
でも。
そんなこと。
アリスが一番したくないと思っているはずだ。
『私が言えることはここまで。』
アリスのこと。
なにも。
分かっていなかった。
アリスがどんな思いで。
どんな決意のもとで。
『アリスのこと、もうちょっと分かってやろうぜ』
どれだけの犠牲のもとで。
立っているのか。
『それと、私が今どこにいるか、分かる?』
えっ?
「えっと…車か?」
屋内の様でいて、多少騒がしい。
車の通りすぎる様な音がする。
『正解。空港に向かってる途中』
空港?
またアニエス関係の何かだろうか。
『私はそこそこ折り合いを付けてるからね。中々楽しくやっているよ。
自分の存在価値って言うのも、ここならよく分かるし。私はさながら義賊の様なもんだよ。』
言葉に不安が混じっていたのだろうか。
聞いてもいないのに、答えを先に答えた。
何か言いたいけど。
本人が望むことに口を出すことが出来ない。
「っで、エリスが今どこにいるのかが関係あるのか?」
『関係があるから聞いてんの』
関係…
アニエス関係の知り合い。
アレクシス
エリス
いや…
「アリス…」
『久々にお呼び出しが掛かったんだ。危害は加えられないだろうけど。』
訂正をしなかった。
つまりは、間違ってはいない。
『どうする?』
電話越しなのに試す様に笑っていることがなんとなく分かった。
答えなんて決まっている。
例えこの気持ちが錯覚でも。
今はまだ。
アリスを助けたいと願っている。
「迎えに行くに決まってる!」
未来のことは分からない。
けれど、今はまだ。
アリスに恋をしたままだ。
- Re: 秘密 ( No.464 )
- 日時: 2017/02/04 02:01
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・91章 空港・〜
アリスに電話をしても全然通じない。
エリスの言う通り、もう空港に向かっているのだろうか。
けれどもう車の中だという。
普通に考えれば間に合わない。
電車?
タクシー?
駄目だ。
どれも遅い。
ピリリっ
携帯の着信音。
「もしもし!?」
『水臭いですね』
『事情はエリスから聞いた』
街中で走り回っていた。
うろうろ立ち往生をしていた。
そんな時だった。
見計らった様なタイミングの電話だった。
「マリー…リン…?」
『後10秒で着きます!1歩後ろに下がっててください!!』
「えっ…?」
ピーポーピーポー
五月蠅い。
救急車のサイレンが。
騒いでいる。
あからさまにスピードオーバーしている救急車が突っ走ってきた。
キキッ
「うおっ!?」
息が止まるかと思った。
後1歩前だったら、絶対に轢かれていた。
ガラッと扉を開けると、見知った顔が現れた。
「1歩下がっててって、言ったじゃないですか!!」
鬼の形相とは、まさにこのことだと思った。
今まで知っていたマリーとはかけ離れた姿だった。
「ああ、もうそんなことどうでもいい!早く乗ってください!!」
「えっ…はっ…?」
「早くしろっ!!」
怖っ!
「ここは大人しく従った方が良いぞ…」
リンの助言に基づいて救急車に乗り込む。
言う事を聞かないと殺されかねない勢いだ。
バタンッと扉が強く閉まる。
「空港まで最速で!!」
サイレンを鳴り響かせながら、救急車は進んだ。
「アリスに伝えたいんでしょう?」
口調は静かで何時もと同じようだ。
けれど、気迫とでもいうのだろうか。
そう言ったものをひしひしと感じた。
「2人の親友として、全力で手助けします!」
- Re: 秘密 ( No.465 )
- 日時: 2015/01/14 18:32
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
救急車のサイレンで車が道をあける。
確かに救急車なら普通の車より早く着く。
考えたな。
「後、どのくらいですか?」
言葉は優しいのに、口調はとげとげしい。
「15分くらいです」
運転手はマリーの問いに簡潔に答えた。
「10分で着くようにしなさい!」
感じる。
アリスに近づいていくのが。
「っで、昨日アリスとなにかあったのか?」
事情を知っているかと思った。
が、エリスから聞いたという事なら空港にいるという事しか聞いていないのかもしれない。
「振られた。っで、別れた。」
「「はっ!?」」
やっぱり。
そう言った反応だよな。
別れ話を告げられた時も、きっと同じような反応をした。
「恩人と言う気持ちを恋だと錯覚しているんじゃないかって…何も言い返せなかった」
確かにその通りかもしれない、と。
その時思ってしまったのだ。
だんだん分からなくなった。
好きも。
恋も。
なにをもってアリスのことを好きと言っていたのか。
「馬鹿ですか?」
「なっ…!」
「女々しいですね!私は凛に助けられました。恩人です!
でも、だからこそ凛に惹かれて、傍にいたい、触れたいって、ずっとずっと思ってます!
胸が苦しくなるくらい…痛くなって、切なくなって、頭がグチャグチャになって!
それが恋じゃなくて、なんだって言うんですか!?」
そう言われて。
少し迷った。
アリスを助けたいと言った想い。
それはただの哀れみ。
そして、そう思われることを嫌がっていた。
そういった想いを別にして。
アリスを単体で見たら。
容姿も立場もはぎ取って。
アリス本人で見たら。
自分は。
アリスを好きになれていただろうか…?
「…強制はしません。答えを出すのはケイ自身です。」
頭が。
真っ白だった。
「でも、アリスに会えたら。ちゃんと答えてあげてください。
アリスのケイに対する想いは…偽りがないと、思っていますから」
アリスだって迷っていると思いますから、と消え入りそうな声で呟いた。
今日は、らしくないマリーばかりを見た。
これもアリスがもたらした変化なのかもしれない。
空港へ向かう道中。
ふと、そんなことを思った。
- Re: 秘密 ( No.466 )
- 日時: 2015/01/17 23:06
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
空港に着くと慌てて救急車を飛び降りた。
何処に行くかも分からない。
けれど、分からないからと言って諦められない。
「アリス!!」
喉が枯れるまで叫んだ。
周りに奇異な目で見られたって、気にするものか。
再び目の届かない所へ行くのが怖い。
もう二度と。
あの笑顔を遠くにやりたくない。
その気持ちの答えは…
「君!やめなさい!!」
警備員が現れ、腕を掴まれる。
「離せ、離せぇぇ———!!」
力いっぱい振りほどこうと暴れる。
けれど、そもそも体力に自信はない。
押さえつけられそうになる足を、頑張って立たせるのが精一杯だ。
「アリス!アリス!!」
行かせたくない。
出来ることならずっとここに引きとめていたい。
答えはもう出ている。
「アリス————!!」
「…圭?」
それは。
とても小さな声だった。
人混みの中、人だかりの中にもみ消されそうなほどに。
けど。
それで十分だった。
聞き違える訳はない。
間違いない。
アリスの金色の髪がちらりっ、と視界を掠った。
気付けば、腕を振り払って必死に走っていた。
無我夢中で。
後ろに追いかけて来る警備員の声も聞こえないほどに。
そうして。
アリスを力いっぱい、抱きしめた。
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