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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.572 )
日時: 2016/02/05 19:25
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

〜・118章 彼らの未来に光があれば・〜
「お願いです!これからどんな仕事でもする!逆らったりしないし、抜け出したりもしない!
だから、あいつらだけは!あいつ等は何も悪くない!私が…勝手に…」

勝手に憧れて。

勝手に慕って。

勝手に傍にいて。

勝手に恋をしただけ。

奪われて初めて。

彼らが与えてくれたものがどれほど大きかったか分かった。

想像していたよりもずっと大きくて。

失った途端に心臓をえぐられたみたいに痛む。

これが悲しみと言うものなの?

「お願いします!もう会わない!もう夢は見ない!だから…!!」

城に戻ってから、テオドールの前で叫び続けた。

言うことを聞く、逆らわない、一生アニエスの為に尽力する

沢山のことを叫んだ。

彼らが救われるなら、なんだってした。

でも、聞く耳を持たれなかった。

私は直ぐに自室に連れていかれ、待機を命じられた。

世界が目の前で崩れたみたい。

部屋に鍵を掛けられても、私は必死に叫んだ。

届かなくても。

そうでもしなければ、痛みに挫けてしまいそうだった。

「ミーナ…ルーク…アイザック…」

愛しい彼らの名前も何度も呼んだ。

もう会えない。

そう思い知らされる度に、また深く抉るような悲しみが襲ってきた。

無邪気に人を騙し、傷つけていた時には知らなかった痛み。

心臓が潰れたみたいな痛み。

人の体とは不思議なもので。

あれだけ泣いて叫んで、悲しくても。

時間がたてば空腹を知らせる腹の音が鳴り。

疲労で意識が朦朧とする。

けれど、意識が途絶えたらもう彼らに会えない気がして。

そう思うと、胸が痛くて。

眠ることすらままならなかった。

Re: 秘密 ( No.573 )
日時: 2016/02/09 14:47
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

暫く立つと、徐々に靄が晴れる様に気持ちが落ち着いてきた。

もう、会えない。

それで、もう良いじゃないか。

どの道私は…

ここから離れられないんだから。

元々彼らとは世界が違った。

現状で、彼らに危害を加えられることはないだろう。

もし、かすり傷でも負わせてたなら。

テオドールを裏切る要因になりかねない。

私はまだまだ技術を身につけてなどいないけれど。

兄弟はもう私の足枷としては機能するかどうか分からない。

それくらい分かっているだろう。

ずっとドアにもたれかかりながら、涙を流しながら彼らの名前を呼んだ。

時間がたち涙を拭うと、お気に入りのクッキーの箱を出した。

日記と、彼らから贈られたものを仕舞っていた。

花、貝殻、栞、ブレスレット、小さな日記帳。

今にしてはもう、懐かしい日々。

今日貰ったアクセサリーも箱に仕舞う。

それを包み込むように仕舞われていた花冠を手に取る。

そっと触れただけなのに、くしゃっという変な音がした。

私の心臓ごと握りつぶされた様な音。

バラバラと花弁が床に落ち、残りの命が短いことを示していた。

「あっ…あ…」

枯れないで。

まだ生きて。

彼らが死んでしまったら、私の心にもう二度と光は灯らない。

だから。

唯一私が光を見られたあの時を。

彼らが見せてくれた光が薄れない様に、何度も思い返して。

思い出で、一秒でも長く光をともせるように。

ずっとずっと、覚えているから。

だから、彼らの命が消えたら。

光源が絶たれてしまったら。

私の世界は真っ暗になってしまう。

想いを遂げられなくても良い。

もう言葉を交わすことが出来なくても良い。

二度と会えなくても良い。

彼らの未来に。

光さえあれば。

それで私は生きていく。

Re: 秘密 ( No.574 )
日時: 2016/10/14 23:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

のんびりしている暇はない。

この部屋の近くの足の運びは分かっている。

この頃は鍵の開け方をまだ教わってはいない。

けれど、何度も見たことがある。

部屋にある針金を二本手に持って、鍵を弄る。

簡単には開かないだろう。

それでもやめる訳にはいかない。

ガチャッ

何度も何度も試しながらも、暫くするとやっと開いた。

アイザックに貰ったアクセサリーを胸元のリボンにひっかける。

最後だから、記念にね。

何時もなら、地下牢に連れていかれているはず。

忍び込むように地下牢に向かい、様子をうかがう。

今こうしている間にも、私はテオドールに逆らっている。

これでこそアリスと真逆なのじゃないか。

私はアリスを嫌った。

アリスの様にはなりたくないと思った。

でも、私がアリスを嫌った理由は不条理を涼しい顔で受け止めていたから。

自身の命を尊く想うことさえなかったから。

大事なものの1つもなく、ただ言われるがままに動く。

そんなアリスになるのが嫌いで。

けれど。

やっと私にも大事なものが出来た。

テオドールの言うことに逆らった。

これこそ、私がなりたかったものじゃないのか。

大事なものを作り、それを自分の意思で守りたい。

そういう人に私はずっとなりたかったんだ。

「アイザック…!」

幸い牢の周りには人がいなかった。

もう真夜中だし、人が少ないので何時までも見張りを付ける訳にも行かない。

「アイリス…?」

「ミーナとルークもいるね。」

知られてしまった。

少し接しづらさがないといえば嘘になる。

けれど…今は彼らの命に掛かっている。

「アイリス!」

しーっ、と人差指を口元に寄せる。

「気付かれちゃうよ。」

牢の鍵も、先程と同じ要領で開ける。

割と簡単な鍵だ。

もう少し厳重な牢もあるのだが…

それほど取るに足らないと思われていたのだろうか。

「巻き込んで、ごめんね。大丈夫、ちゃんと帰すから。」

手錠も簡易的なものっぽい。

これなら多分、外せる。

「文句なら、後でいくらでも聞くから。今は黙って助けさせて。」

なにか言いたげな彼らの言葉を封じる様に、先手を打っておく。

静かにしておくに越したことはない。

「…ごめんね、ミーナ」

ルークとやっと幸せになれたと思ったのに。

こんなことに巻き込んでしまって。

「…ごめんね、ルーク」

やっと素直になれて、ミーナの想いを受け入れられた。

あの告白は、私に勇気をくれた。

「きっと、二人の未来は輝いているよ。」

彼らの未来が。

幸せで満ちている様に。

何時でも傍にいて、支え合って、想い合って…幸せになる。

「…ごめんね、アイザック」

こうやってアイザックに触れられるのも、後本当に少し何だ。

もう沢山の気持ちや温もりを貰った。

温かい光を見つけた。

「悪い夢だよ。直ぐ覚める。」

今、ここで起きていることは全て夢。

外の世界で、彼らは生きていくべきだ。

Re: 秘密 ( No.575 )
日時: 2016/10/14 23:38
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

気付かれない様に、急いで外にでた。

何時もと同じ、草原までくるとやっと息をほっと吐いた。

「もう、ここに来ちゃダメだよ。走ったら振り向かずにまっすぐ帰って。」

これでもう、彼らは幸せになる。

「…もう、会えない?」

私がただのご令嬢じゃないことは、きっと彼らにも分かっていただろう。

それでも、それを問い詰めることもなく。

もう会えないことを心配している。

彼ららしかった。

「今を幸せだとは思わない。きっと、思っちゃいけないんだ。」

銃やナイフを使いこなし、夜会で人の顔色をうかがう。

時に人を傷つけては、傷つけられ。

常に死ぬ覚悟を決める今を、幸せになんてきっと一生思えない。

それを幸せ、なんて思うのはきっと彼らへの侮辱だ。

「でも、私はこれで満足だよ。」

Re: 秘密 ( No.576 )
日時: 2016/02/20 17:09
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

〜・119章 一生分の幸せ・〜
「でも、私はこれで満足だよ。」

彼らと出逢えた。

それだけで、暗く淀んだ私の世界が。

鮮やかに彩られた。

彼らといる間だけは、本当に素で笑うことが出来た。

その経験は、きっとこの先も私を強くしてくれる。

「これ…持ってけよ」

ルークがその辺りで咲いていた花を摘んで差し出してくれた。

百合?

白くて、気高くて、清らかで、綺麗。

「…ありがとう」

こんなところに、咲いているのに。

ちゃんと成長し、花を咲かせた。

とても、強く生きている。

「やっぱりルークはカッコいいね。」

ミーナが好きになるだけある。

義理堅く、強くて、優しくて、温かい。

ルーク。

光を運ぶもの。

本当に、ルークは強烈なくらい輝いている光を私に運んで来てくれた。

あの時、ルークの顔をふんづけた時から。

彼らとの縁が結ばれた。

「…これ、あげる。」

どんな時もミーナの髪を彩っていたリボンを、外す。

「昔、ルークに貰ったの。私はもう幸せだから、アイリスにあげる。」

私は知ってる。

ミーナにとって、これがどれだけ大事なものか。

ミーナが幼い頃からずっと付けていて。

ルークを想っている証。

きゅっ、とルークが渡してくれた百合にリボンを結び付ける。

鮮やかな赤色が、良く映えていた。

「少しでも悪いって思うなら、ちゃんと帰しに来なさいよ」

最後まで、鮮やかに笑う。

良く笑って、ただひたすらにルークを想い続けた。

ルークと一緒に色々なところを連れ回してくれた。

さらっと気遣いやで、どこまでも真っすぐで。

相談にも乗ってくれたし、不安な時は肩を叩いてくれた。

そんな何処までも一途で、好きと伝えられるミーナを羨ましく思っていた。

「ミーナはやっぱり強いね。お幸せに。」

ミーナ。

愛。

彼女は誰よりも人を愛し、慈しむことが出来た。

私にもその感情を分けてくれた。

彼らを愛おしいと想う気持ちを与えてくれた。

「巻き込んでごめんね…アイザック」

アイザックを愛しく想う気持ちは、まだ私の中にある。


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