コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
>>1->>3

1章
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行間
>>23

2章
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3章
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>>644->>647

137章
>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.372 )
日時: 2014/06/24 18:52
名前: 雪 (ID: A6MC5OIM)

〜・69章 合唱コンクール・〜
ピッ、ピッ、と携帯を弄り圭の番号にかける。

「…あっ、圭?」

言葉の節目節目に力がこもる。

遥を助けて。

自分を見直して。

傷つける、と思った。

でも圭はそれでも構わないと言った。

私の為につく傷が圭には必要だと。

傷付くのを見ているだけのは嫌だって。

もし…圭が傷つくことがあるなら。

私だって力になりたいと思う。

「私、決めたよ。」

少しだけ俯く。

頬が赤く染まる。

「…でも、条件があるの。」

やっぱり気持ちを伝えるのは怖い。

だから今日と言う日が終わってから。

ゆっくり話そう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「っで、出した条件が合唱コン優勝できたら?」

コクリ、と頷く。

ずっと疎かにしていた。

学校休んでまで遥のところに通っていた間、指揮はすべて圭達に一任していた。

はぁ、やれやれとマリーが大げさに溜め息をついて少しだけ肩をしぼめた。

「まっ、いいですけど。どうせ優勝しますよ?」

それは分かっている。

マリーたちの手腕で優勝しない訳が無い。

「ケイ、言ってましたから。男としてじゃなくて、才能でも振り返らせたいって。」

圭は何時から私を見ていたのだろう。

私はいつから圭を見ていたんだろう。

「流石、圭だ。」

ふんっ、と笑った。

Re: 秘密 ( No.373 )
日時: 2014/06/28 20:03
名前: 雪 (ID: ObYAgmLo)

ふっ、と指揮が上がってピアノの音が鳴り響く。

それでようやくはっ、と現状に気付かされる。

私は座席に深く腰掛け、ステージの音楽を聞いていた。

正装が無い関係でステージに立てないのだ。

1人だけ服装が違うと審査員の反応が落ちる。

違うクラスの知り合いもいないし、病院に寄る機会にもなったから病院に寄らせてもらった。

着いた時は丁度いい感じに私のクラスが発表だった。

指揮は圭でピアノはマリーだ。

♪-♪-

ピアノが音を奏でる。

溢れだす。

思わずあっ、と言葉が漏れる。

笑っている。

マリーも。

リンも。

圭も。

朝霧も。

楽しそうに音弾んでる。

なんにも縛られずに自由に跳ねまわっている。

ストレートに心を揺さぶる。

ニヤリ、と口元が笑っていた。

やっぱり、あいつ等は。

「最高…っ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

演奏が終わると、汗がびしょっと溢れだした。

ぐっしょりと濡れたシャツが肌にまとわりついている。

でもやりきった。

優勝狙って。

クラスの全員と力合わせて。

アリスに想いを伝えたいって思って。

一生懸命頑張った。

席に戻るとアリスがぱちぱちと小さく拍手した。

「見事だったぞ。」

アリスの隣をマリーに強制的に座らされた。

その隣をマリーとリンが座り、マリーが一方的に手を繋いだ。

それを見たリンが嬉しそうに微笑み、指をからませる。

見ているこっちが恥ずかしくなる。

手に温かいものが被さる。

アリスの手だ。

ギュッと強く手を握ってきた。

いわゆる恋人繋ぎだ。

うん、と小さく頷く。

アリスの手は小さくて。

でも温かかった。

昔とは違う。

今は心をもって。

優しくて。

人を思いやれる。

でもまだ少し不安定だ。

自分の為に笑って。

自分の為に泣ける。

でも、まだ人の為に無茶をする。

これからもずっと。

アリスを支えていきたい。

結果は見事、金賞だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

圭が後片付けに収集され、私はエリスと一緒に先に別宅に戻った。

「ケイの為に救われたアリスが、ケイ達の為に優しくなる。これってなんだか仕方ないと思わない?」

エリスは唐突にこう言ったことを切り出す。

でも、否定はしない。

「圭に救われたから、圭を救いたい。マリーに救われたから、マリーを救いたい。リンに救われたからリンを救いたい。」

そう思う事に何もおかしいことなんてない。

救われたのに放っておくことなんてできない。

それは幼い子供ならだれでも思う。

優しくされた思い出が少しでもあるから。

どっぷりと暗い世界に浸かっても。

光を知ってしまったから。

もう…忘れられない。

ピッ、ピッと携帯をいじる。

それとほぼ同時刻。

ケイの携帯にメールが届いた。

そこには簡潔に用件が記載されていた。

・・・まってる・・・

Re: 秘密 ( No.374 )
日時: 2014/07/05 14:56
名前: 雪 (ID: 3Ae2Cr1s)

この後、圭になにかあったら私が守る。

絶対に。

私が言う事を聞けば、圭に危害を加えられることは絶対にない。

私には圭達に手出しさせないほど。

今の私には価値がある。

世界中に条約を結んだ。

その条約を結ぶ際に機密情報扱いの私の存在を露呈している。

重要な要となる。

もし私が裏切れば、条約はすべて崩れる。

せっかく結んだ条約なのにその要となる私がいないとなれば怒り狂った大国がその名の通り世界中を敵に回す。

絶対に外れない枷だ。

でも、枷を付けながらも。

守れるものがある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「アリスから?」

いったんアリスを送ってから片付けに向かってきたエリスが携帯を覗き込んできた。

エリスは人と関わるのに慣れている。

それはアリスと真逆と言っていたくらい出し、人慣れはしているだろう。

だがそれとは別にこう言った当たり前の様な高校生活は斬新らしい。

楽しそうに雑用をこなしている。

「私が話すよりか、アリスが話した方が良いんだろうけどさー
私、そう言った気遣い出来ないからうっかり口が滑っちゃうかも知らないから☆
君が勝手に聞いてても責任は負わないからー☆」

エリスはいつもわざとらしくそう言った事情をもたらす。

アリスはそう言ったことを全く話さない。

話したがらない。

それは確かに話して楽しいことではないだろうけど…

エリスからの話は有り難いが。

知らなければ助けられない。

「アリスの父親、テオドールは世界中に条約を結んでるんだ。」

それはバレンタインの留守電でも聞いた。

だが意味を理解できるほど頭はよくない。

「内容は…アリスを使って国の治安を正す、的なものだ。うま過ぎる条約だが、そこら辺はいろいろ細工しているようだ。
まずは近くの小国から。やがてはニュースで見る様な大国までのみ込んでいく。」

そして…と区切るように続けた。

「アリスに最大の枷を付ける。」

世界中に結んだ条約がアリスを縛る枷になる。

もしアリスが逃げだせば。

その名の通り、世界中を敵に回す。

「まっ、逆に言うともうアリスに危害は加えられないってことでもあるんだけど☆」

アリスが死んでは本末転倒だ。

危害が加えられないと…誰が言えるだろう?

牢に一生閉じ込めれられても。

それでも問題はない訳だ。

一体なにが出来るんだろうか…

世界。

あまりにも大きな言葉で。

どうやって立ち向かえばいいか、分からない。

一高校生にどうにかできるとは思えない。

でも…

何もせずにはいられない。

けれど、何をすればいいか分からない。

「笑って、いつも通りに接してやれ。」

それがきっと。

アリスが一番望んでいること。

「…でも」

それで本当にいいのか?

それが本当にアリスの望むことか?

「ケイ」

エリスにしては真面目な声音だった。

「行きな。」

ドンッと背中を押された様な気がした。

「ありがと」

勢いよく飛び出した。

早くいかないと。

アリスは今も待ってる。

ずっと。

Re: 秘密 ( No.375 )
日時: 2014/10/31 19:41
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「アリス!!」

とっくに見慣れた秘密基地の。

開けた展望台。

金色。

金色の眩しい髪が一瞬視界を遮る。

視界が晴れると現れたのは。

控え目に笑った。

いつもと変わらないアリスだ。

綺麗な長い髪。

そしてそれにしっくりと合ったワンピース。

何時もと同じ。

いつもと変わらない。

「…おまたせ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「じゃあ…返事を…聞かせてもらっても良いかな…?」

コクリっ、と頷く。

「私は…」

ずっと伝えたかった。

振り返ると今までたくさんのことがあった。

10年前、ケイと出会った。

6年前、圭と別れた。

1年前、再会した。

リンを連れ戻すためにSpring Concertでマリーと一緒にリンを呼んだ。

4人でItemMemberを創った。

遊園地にも行ったし、夏には海にも行った。

祭の帰りにいなくなった私の心配をしてくれた。

病院のベットで動くこともままならなかった私に助ける、と言ってくれた。

文化祭ではマリーの為に歌わせてくれた。

アレクシスが来た。

事情を知っても離れたりなんかしなかった。

クリスマスは私を迎えに来てくれた。

…初めてキスをした。

大晦日も年明けも一緒に過ごした。

笑いながらパーティーをやった。

エリスが来た。

バレンタインにはマリーとリンが付き合う事になった。

トールが迎えに来た。

…また迎えに来てくれた。

圭から告白された。

長かった、と思う。

彼に出会い。

彼に圧倒され。

彼に惹かれ。

彼に救われ。

彼に恋をした。

この気持ちも痛みも。

全て圭がくれたもの。

「…私も」

辛くても。

捨てたくはない。

全部抱えきれなくても。

今は。

圭となら。

前に歩ける気がするから。

例え。

血塗られた未来しかなくても。

「圭が、好きです。」

自分の内にある気持ちを浮き彫りにして。

言葉にする。

私も変わったな、と思った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アリスの穏やかな笑顔。

これから先、何があるか分からない。

でも。

どんな壁が2人を切り裂いたとしても。

必ず。

会いに行くから。

アリスが苦しめられているなら。

助け出すから。

それでアリスが笑えるなら。

その先にこの笑顔があるなら。

どんなものにだって挑める。

「僕も…」

ヒョイッとアリスを抱えあげる。

小さい子供に高い高いという様に。

軽い。

抱え上がられ、驚いたアリスの顔は次第に恥ずかしそうな笑顔に変わった。

「アリスが好き。」

アリスには。

もっと広い世界を見てほしい。

世界にはまだ希望があるって。

伝えたい。

「僕と、付き合ってください。」

アリスはもう覚えていないだろう。

出会った時、何気なくかけた言葉を。

その言葉で1人の少年が救われたことを。

そしてその少年が10年もずっと、アリスに片思いしていたことを。

「喜んで。」

その言葉の後。

2人は優しく唇を重ねた。

何かがカチッとはまる。

音がした。

2人の想いは。

今日、ようやく交わった。

Re: 秘密 ( No.376 )
日時: 2014/08/02 16:22
名前: 雪 (ID: gIPC2ITq)

〜・70章 変わったこと・〜
圭と付き合ってから暫くはその事実を認識するのに時間がかかった。

でも夢じゃない。

特にこれと言って変わったことはない。

いつもと同じように学校に行き、授業を受けて、部活に出てItemMemberにも参加する。

何時もと何も変わらない。

でも、確かに違う。

想いが通じ合っている、と感じることが出来る。

何時もの日常。

何も変わっていない。

特別なことがあった訳でもない。

それなのに世界が鮮やかに、美しく見える。

これが…恋なんだな、と思った。

彼氏彼女だからと言って特別なことをする訳じゃない。

何時もの日常が変わって見える。

それだけ。

「アリス」

圭の声を聞いただけで体が飛び上がるように気持ちが高まる。

でも、それを抑え込む必要はもうない。

圭もにっこりとほほ笑んだ。

「何か用か?圭」

ちゃんと圭と恋人同士に見えるだろうか?

デートの1回もしていない。

でも、それでも構わなかった。

自分自身でもかなり気付いていた。

浮かれている。

「今日、リンが生徒会でマリーもリンを待つって。だから帰り、どっか行こ。」

初めての誘いだった。

放課後にどこかに寄るのは珍しくない。

でも2人きりと言うのは久しぶりだ。

「ああ!」


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